JP2694069B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2694069B2 JP3203678A JP20367891A JP2694069B2 JP 2694069 B2 JP2694069 B2 JP 2694069B2 JP 3203678 A JP3203678 A JP 3203678A JP 20367891 A JP20367891 A JP 20367891A JP 2694069 B2 JP2694069 B2 JP 2694069B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関する。
【0002】特に、テルル増感が安定に得られ、カブリ
と感度が改良されたハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン
化銀写真感光材料に関する。
【0003】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に使用する、
ハロゲン化銀乳剤は、通常、所望の感度、階調等を得る
ために各種の化学物質を用いて化学増感を施す。その代
表的方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増
感、金などの貴金属増感、還元増感および、これらの組
み合わせによる。各種増感法が知られている。
【0004】近年、ハロゲン化銀写真感光材料における
高感度、優れた粒状性や高い鮮鋭度、更に、現像進行等
を早めた迅速処理等々への所望は強く、上記増感法の種
々の改良がなされてきた。
【0005】上記の増感法のうちテルル増感法およびテ
ルル増感剤に関して米国特許第1623499号、同3
320069号、同3772031号、同353128
9号、同3655394号、英国特許第235211
号、同1121496号、同1295462号、同13
96696号、カナダ特許第800958号に一般的に
は開示されているが、詳細にかつ具体的なテルル増感剤
についての記載は、英国特許第1295462号、同1
396696号とカナダ特許第800958号ぐらいし
か知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られていた具体的なテルル増感剤としては、例えばカナ
ダ特許第800958号に例示されているコロイド状テ
ルルやポタシウムテルライドがあり通常、当業界で広く
行なわれている硫黄増感に比べ到達感度が高くなるとい
ったすぐれた面をもつが、前者は、塩化第1スズの様な
強力な還元剤を用いて調整するためその残存や、又調整
条件の微妙な変化のため再現性のよい増感剤とはなり難
くまたポタシウムテルライドは、化合物自体の安定性が
悪く取り扱いが難しく、再現性も悪い。
【0007】この他にも幾つかのテルル化合物がテルル
増感剤として知られてはいるが、一般に、テルル化合物
は化合物としての安定性が悪く、その結果得られる写真
性能の再現性が良くない場合が多い。金増感剤と併用し
た場合でも同じ傾向であった。そこで再現性のよい、よ
り安定なテルル増感剤の開発が望まれていた。
【0008】本発明の目的は第1に、安定にテルル増感
され、かつ、金増感されたハロゲン化銀写真感光材料を
提供することである。
【0009】目的の第2は、高感度のハロゲン化銀写真
感光材料を安定に提供することである。
【0010】目的の第3は、迅速処理に適した、高感度
のハロゲン化銀写真感光材料を安定に提供することであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記目的は、下記によ
って達成され、本発明により従来の技術では困難であっ
た金テルル増感のもつ増感作用を十分に生かすことが可
能になった。
【0012】即ち、下記一般式(I)及び一般式(II)
で表わされる少なくとも1種の化合物で増感され、かつ
金増感されたハロゲン化銀乳剤を含むことを特徴とする
ハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。
【0013】一般式(I)
【0014】
【化3】 式中、R1 ,R2 およびR3 は脂肪族基、芳香族基、複
素環基、OR4 、NR5 (R6 )、SR7 、OSiR8
(R9 )(R10)TeR11、Xまたは水素原子を表し、
4 ,R7 およびR11は脂肪族基、芳香族基、複素環
基、水素原子またはカチオンを表し、R5 およびR6
脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原子を表し、
8 ,R9 およびR10は脂肪族基を表し、Xはハロゲン
原子を表す。
【0015】一般式(II)
【0016】
【化4】 式中、R12は脂肪族基、芳香族基、複素環基または−N
14(R15)を表し、R13は−NR16(R17)、−N
(R18)N(R19)R20または−OR21を表し、R14
15,R16,R17,R18,R19,R20およびR21は水素
原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基またはアシル基を
表す。ここでR12とR16、R12とR18、R12とR19、R
12とR21、R14とR16、R14とR18、R14とR19および
14とR21は、結合して環を形成してもよい。ただし、
12 が1,3−チアゾール−2−イルアミノ基であり、
かつR 13 がフェニルアミノ基である化合物を除く。
【0017】次に一般式(I)について詳細に説明す
る。
【0018】一般式(I)において、R1 ,R2
3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 ,R8 ,R9 およびR10
で表される脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30のもの
であって、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキ
ル基である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基としては、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチ
ル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニ
ル、プロパルギル、3−ペンチニル、ベンジル、フェネ
チルがあげられる。
【0019】一般式(1)おいて、R,R
,R,RおよびRで表される芳香族基は好ま
しくは炭素数6〜30のものであって、特に炭素数6〜
20の単環または縮環のアリール基であり、例えばフェ
ニル、ナフチルがあげられる。
【0020】一般式(I)おいて、R1 ,R2 ,R3
4 ,R5 ,R6 およびR7 で表される複素環基は窒素
原子、酸素原子および硫黄原子のうち少なくとも一つを
含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環基であ
る。これらは単環であってもよいし、さらに他の芳香環
もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複素環基と
しては、好ましくは5〜6員環の芳香族複素環基であ
り、例えばピリジル、フリル、チエニル、チアゾリル、
イミダゾリル、ベンズイミダゾリルがあげられる。
【0021】一般式(I)において、R4 およびR7
表されるカチオンはアルカリ金属、アンモニウムを表
す。
【0022】一般式(I)においてXで表されるハロゲ
ン原子は、例えばフッ素原子は、塩素原子、臭素原子お
よび沃素原子を表す。
【0023】また、この脂肪族基、芳香族基および複素
環基は置換されていてもよい。置換基としては以下のも
のがあげられる。
【0024】代表的な置換基としては例えば、アルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、
アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホニル
アミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホ
ニル基、スルフィニル基、アルキルオキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオ
キシ基、リン酸アミド基、ジアシルアミノ基、イミド
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、
シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホ
スホノ基、ニトロ基、ホスフィンテルロイル基、および
ヘテロ環基があげられる。これらの基はさらに置換され
ていてもよい。
【0025】置換基が2つ以上あるときは同じでも異な
っていてもよい。
【0026】R,R,Rは互いに結合してリン原
子と一緒に環を形成してもよく、(N,P−アルキルジ
アザジホスフェジン環も含む)また、RとRは結合
して含窒素複素環を形成してもよい。一般式中、好まし
くはR ,R ,R は脂肪族基または脂肪族基を表
し、より好ましくはアルキル基または芳香族基を表す。
【0027】次に一般式(II)について詳細に説明す
る。
【0028】一般式(II)において、R12,R14
15,R16,R17,R18,R19,R20,およびR21で表
される脂肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであ
って、特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基
である。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
ラルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−
デシル、n−ヘキサデシル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、プロ
パルギル、3−ペンチニル、ベンジル、フェネチルがあ
げられる。
【0029】一般式(II)おいて、R12,R14,R15
16,R17,R18,R19,R20およびR21で表される芳
香族基は好ましくは炭素数6〜30のものであって、特
に炭素数6〜20の単環または縮環のアリール基であ
り、例えばフェニル、ナフチルがあげられる。
【0030】一般式(II)おいて、R12,R14,R15
16,R17,R18,R19,R20およびR21で表される複
素環基は窒素原子、酸素原子および硫黄原子のうち少な
くとも一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の
複素環基である。これらは単環であってもよいし、さら
に他の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよ
い。複素環基としては、好ましくは5〜6員環の芳香族
複素環基であり、例えばピリジル、フリル、チエニル、
チアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリルがあげ
られる。
【0031】一般式(II)において、R14,R15
16,R17,R18,R19,R20およびR21で表されるア
シル基は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特
に炭素数1〜20の直鎖、分岐のアシル基であり、例え
ばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル、デカ
ノイルがあげられる。
【0032】ここで、R12とR16、R12とR18、R12
19、R12とR21、R14とR16、R14とR18、R14とR
19およびR14とR21が結合して環を形成する場合は例え
ばアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基または
アルケニレン基があげられる。
【0033】また、この脂肪族基、芳香族基、および複
素環基は一般式(I)であげた置換基で置換されていて
もよい。
【0034】一般式(II)中、好ましくはR11は脂肪族
基、芳香族基または−NR14(R15)を表し、R13は−
NR16(R17)を表す。R14,R15,R16およびR17
脂肪族基または芳香族基を表す。
【0035】一般式(II)中、より好ましくはR11は芳
香族基または−NR14(R15)を表し、R13は−NR16
(R17)を表す。R14,R15,R16およびR17はアルキ
ル基または芳香族基を表す。ここで、R12とR16および
14とR16はアルキレン基、アリーレン基、アラルキレ
ン基またはアルケニレン基を介して環を形成することも
より好ましい。
【0036】以下に本発明の一般式(I)および(II)
で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】 本発明の一般式(I)および(II)で表される化合物は
既に知られている方法に準じて合成することができる。
例えばジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ
(J.Chem.Soc.(A))1969,292
7;ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミスト
リー(J.Organomet.Chem.),32
0(1965);ibid,,200(1963);
ibid,113,C35(1976);フォスフォラ
ス・サルファー(PhosphorusSulfur)
15,155(1983);ヘミッシェ・ベリヒテ(C
hem.Ber.)109,2996(1976);ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ・ケミカル・
コミュニケーション(J.Chem.Soc.Che
m.Commun.)635(1980);ibid,
1102(1979);ibid,645(197
9);ibid,820(1987);ジャーナル・オ
ブ・ケミカル・ソサイアティ・パーキン・トランザクシ
ョン(J.Chem.Soc.Perkin.Tran
s.),2191(1980);ザ・ケミストリー・
オブ・オルガノ・セレニウム・アンド・テルリウム・カ
ンパウンズ(The Chemistry of Or
gano Selenium and Telluri
um Compounds)2巻の216〜267(1
987)に記載の方法で合成することができる。
【0046】これまで、一般式(I)及び一般式(I
I)の化合物をテルル増感剤として用いた具体的な例は
報告されていない。よってこれらの化合物による増感作
用、及びカブリ、その他の写真作用予測することはき
わめて困難であったが、本発明の化合物を用いることに
より、顕著な効果を得ることができた。
【0047】これらの本発明で用いるテルル増感剤の使
用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等
より変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当り10−8
〜10−2モル、好ましくは10−7〜5×10−3
ル程度用いる。
【0048】本発明における化学増感の条件としては、
特に制限はないが、pAgとしては6〜11、好ましく
は7〜10であり、温度としては40〜95℃、好まし
くは50〜85℃である。
【0049】本発明における、金増感は、金増感剤を添
加することによりなされる。金増感剤としては、塩化金
酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシ
アネート、硫化金、金セレナイド等が挙げられ、ハロゲ
ン化銀1モル当り、10-7〜10-2モル程度を用いるこ
とができる。また、白金、パラジウム、イリジウム等の
他の貴金属増感剤を用いることもできる。
【0050】本発明において、更に、硫黄増感剤を併用
することも好ましい。具体的には、チオ硫酸塩(例え
ば、ハイポ)、チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿
素、トリエチルチオ尿素、アリルチオ尿素等)、ローダ
ニン類等の公知の不安定イオウ化合物が挙げられ、ハロ
ゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モル程度を用いるこ
とができる。
【0051】本発明において、更にセレン増感剤を併用
することも好ましい。
【0052】例えば、特公昭44−15748号に記載
の不安定セレン増感剤が好ましく用いられる。
【0053】具体的には、コロイド状セレン、セレノ尿
素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、セレノ尿
素、テトラメチルセレノ尿素)、セレノアミド類(例え
ば、セレノアセトアシド、N,N−ジメチル−セレノベ
ンズアミド)、セレノケトン類(例えば、セレノアセト
ン、セレノベンゾフェノン)、セレニド類(例えば、ト
リフェニルフォスフィンセレニド、ジエチルセレナイ
ド)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−ト
リルセレノフォスフェート)、セレノカルボン酸および
エステル類、イソセレノシアネート類が挙げられ、ハロ
ゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モル程度を用いるこ
とができる。
【0054】本発明においては、更に、還元増感剤を併
用することも可能であり具体的には、例えば塩化第1ス
ズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導
体、ボラン化合物(例えばジメチルアミンボラン)、シ
ラン化合物、ポリアミン化合物が挙げられる。
【0055】また、本発明においては、ハロゲン化銀溶
剤の存在下で、テルル増感を行なうのが好ましい。
【0056】具体的には、チオシアン酸塩(例えば、チ
オシアン酸カリウム)、チオエーテル化合物(例えば、
米国特許第3021215号、同3271157号、特
公昭58−30571号、特開昭60−136736号
に記載の化合物、特に、3,6−ジチア−1,8オクタ
ンジオール)、四置換チオ尿素化合物(例えば、特公昭
59−11892号、米国特許第4221863号等に
記載の化合物、特に、テトラメチルチオ尿素)、更に、
特公昭60−11341号に記載のチオン化合物、特公
昭63−29727号に記載のメルカプト化合物、特開
昭60−163042号に記載のメソイオン化合物、米
国特許第4782013号に記載のセレノエーテル化合
物、特開平2−118566号に記載のテルロエーテル
化合物、亜硫酸塩が挙げられる。特に、これらの中で、
チオシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置換チオ尿素
化合物とチオン化合物は好ましく用いることができる。
使用量としては、ハロゲン化銀1モル当り10−5〜1
−2モル程度用いることができる。本発明のハロゲン
化銀写真感光材料には本発明のハロゲン化銀乳剤に加え
て公知のハロゲン化銀写真乳剤を併用することができ
る。
【0057】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀
が好ましい。
【0058】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、
立方体、八面体のような規則的(regular)な結
晶形を有するもの、また球状、板状などのような変則的
(irregular)な結晶形をもつもの、あるいは
これらの結晶形の複合形をもつものである。また種々の
結晶形の粒子の混合から成るものも使用できるが、規則
的な結晶形を使用するのが好ましい。
【0059】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は内
部と表層とが異なる層をもっていても、均一な相から成
っていてもよい。粒子内部と表層とのヨード組成が異な
る(特に内部のヨード含量の方が多い)2〜多重構造粒
子も好ましい。また潜像が主として表面に形成されるよ
うな粒子(例えばネガ型乳剤)でもよく、粒子内部に主
として形成されるような粒子(例えば、内部潜像型乳
剤、予めかぶらせた直接反転型乳剤)であってもよい。
好ましくは、潜像が主として表面に形成されるような粒
子である。
【0060】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
厚みが0.5ミクロン以下、好ましくは0.3ミクロン
以下で径が好ましくは0.6ミクロン以上であり、平均
アスペクト比が3以上の粒子が全投影面積の50%以上
占めるような平板粒子乳剤も好ましい。本発明に使用
されるハロゲン化銀乳剤は統計学上の変動係数(投影面
積を円近似した場合の直径で表わした分布において、標
準偏差Sを直径dで除した値S/d)が20%以下であ
る単分散乳剤がとりわけ特に、好ましい。また乳剤を2
種以上混合してもよい。
【0061】本発明に用いられる写真乳剤はピー・グラ
フキデス(P.Glafkides)著、シミー・エ・
フィジーク・フォトグラフィーク(Chimieer
Physique Photographeque)
(ポールモンテル社刊、1967年)、ジー・エフ・ダ
フィン(G.F.Duffin)著、フォトグラフィッ
ク・エマルジョン・ケミストリー(Photograp
hic Emulsion Chemistry)(フ
ォーカルプレス刊、1966年)、ブイ・エル・ゼリク
マン(V.L.Zelikman)ら著、メーキング・
アンド・コーティング・フォトグラフィック・エマルジ
ョン(Making and Coating Pho
tographic Emulsion)(フォーカル
プレス刊、1964年)などに記載された方法を用いて
調整することができる。
【0062】またこのハロゲン化銀粒子の形成時には粒
子の成長をコントロールするためにハロゲン化銀溶剤と
して例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモン、
チオエーテル化合物(例えば米国特許第3,271,1
57号、同第3,574,628号、同第3,704,
130号、同第4,297,439号、同第4,27
6,374号)、チオン化合物(例えば特開昭53−1
44319号、同53−82408号、同55−777
37号)、アミン化合物(例えば特開昭54−1007
17号)などを用いることができる。
【0063】ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過
程において、カドミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリ
ジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、
鉄塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。
【0064】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼ
ラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コ
ロイドも用いることができる。例えばゼラチン誘導体、
ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミト、ポリビニルイミダゾール、ポリビニル
ピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き種々の合成
親水性高分子物質を用いることができる。
【0065】ゼラチンとしては汎用の石灰処理ゼラチン
のほか、酸処理ゼラチンや日本科学写真協会誌(Bul
l.Soc.Phot.Japan),No.16,3
0頁(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチン
を用いても良く、また、ゼラチンの加水分解物を用いる
ことができる。
【0066】本発明の感光材料は、写真感光層あるいは
バック層を構成する任意の親水性コロイド層に無機ある
いは有機の厚膜剤を含有せしめてもよい。例えば、クロ
ム塩、アルデヒド塩(例えばホルムアルデヒド、グリオ
キザール、グルタルアルデヒドなど)、N−メチロール
系化合物(例えばジメチロール尿素)が具体例として挙
げられる。活性ハロゲン化合物(例えば2,4−ジクロ
ル−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン及びその
ナトリウム塩)および活性ビニル化合物(例えば1,3
−ビスビニルスルホニル−2−プロパノール、1,2−
ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン、ビス
(ビニルスルホニルメチル)エーテルあるいはビニルス
ルホニル基を側鎖に有するビニル系ポリマー)は、ゼラ
チンなど親水性コロイドを早く硬化させ安定な写真特性
を与えるので好ましい。N−カルバモイルピリジニウム
塩類(例えば(1−モルホリノカルボニル−3−ピリジ
ニオ)メタンスルホナート)やハロアミジニウム塩類
(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジ
ニウム−2−ナフタレンスルホート)も硬化速度が優れ
ている。
【0067】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、メチン色素類その他によって分光増感されてもよ
い。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン
色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロ
ポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素およびヘミオキソノール色素が包含される。特に有用
な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、および複
合メロシアニン色素に属する色素である。これらの色素
類には、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利
用される核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリ
ン核は、例えばオキサゾリン核、チアゾリン核、ピロー
ル核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール
核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核;こ
れらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;およびこれ
らの核に芳香族炭化水素環が融合した核、すなわち、例
えばインドレニン核、ベンズインドレニン核、インドー
ル核、ベンズオキサドール核、ナフトオキサゾール核、
ベンヅチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレ
ナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核が適用
できる。これらの核は炭素原子上に置換基を有していて
もよい。
【0068】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核としてピラゾリン
−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾ
リジン−2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0069】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合
せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感
色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あ
るいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色
増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含窒
素異節環核基であって置換されたアミノスチルベンゼン
化合物(例えば米国特許第2,933,390号、同
3,635,721号に記載のもの)、芳香族有機酸ホ
ルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許第3,743,
510号に記載のもの)、カドミウム塩、アザインデン
化合物を含んでもよい。米国特許第3,615,613
号、同3,615,641号、同3,617,295
号、同3,635,721号に記載の組合わせは特に有
用である。
【0070】本技術に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中の
カブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させるなど
の目的で、種々の化合物を含有させることができる。す
なわちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニト
ロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロ
ロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール
類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンズチアゾ
ール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプト
チアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリ
アゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプト
テトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール);メルカプトピリミジン類;メルカプトト
リアジン類;例えばオキサドリンチオンのようなチオケ
ト化合物;アザインデン類、例えばトリアザインデン
類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタ
アザインデン類;ベンゼンチオスルフォン酸、ベンゼン
スルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミドのようなカ
ブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物
を加えることができる。
【0071】本発明の感光材料は塗布助剤、帯電防止、
スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写真特性改良
(たとえば現像促進、硬調化、増感)など種々の目的で
一種以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0072】本発明を用いて作られた感光材料は、フィ
ルター染料として、またはイラジェーションもしくはハ
レーション防止その他種々の目的のために親水性コロイ
ド層中に水溶性染料を含有してもよい。このような染料
として、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、ス
チリル染料、メロシアニン染料、アントラキノン染料、
アゾ染料が好ましく使用され、この他にシアニン染料、
アゾメチン染料、トリアリールメタン染料、フタロシア
ニン染料も有用である。油溶性染料を水中油滴分散法に
より乳化して親水性コロイド層に添加することもでき
る。
【0073】本発明は支持体上に少なくとも2つの異な
る分光感度を有する多層多色写真材料に適用できる。
【0074】多層天然色カラー写真材料は、通常支持体
上に赤感性乳剤層、緑感性乳剤層および青感性乳剤層を
それぞれ少くとも一つ有する。これらの層の配列順序は
必要に応じて任意にえらべる。好ましい層配列は支持体
側から赤感性、緑感性および青感性の順、青感層、緑感
層および赤感層の順または青感性、赤感性および緑感性
の順である。また任意の同じ感色性の乳剤層を感度の異
なる2層以上の乳剤層から構成して到達感度を向上して
もよく、3層構成としてさらに粒状性を改良しても
い。また同じ感色性をもつ2つ以上の乳剤層の間に非感
光性層が存在していてもよい。ある同じ感色性の乳剤層
の間に異った感色性の乳剤層が挿入される構成としても
よい。高感度層特に高感度青感層の下に微粒子ハロゲン
化銀などの反射層を設けて感度を向上してもよい。
【0075】赤感性乳剤層にシアン形成カプラーを、緑
感性乳剤層にマゼンタ形成カプラーを、青感性乳剤層に
イエロー形成カプラーをそれぞれ含むのが一般的である
が、場合により異なる組合せをとることもできる。たと
えば赤外感光性の層を組み合わせて擬似カラー写真や半
導体レーザ露光用としてもよい。
【0076】本発明の写真材料には種々のカラーカプラ
ーを使用することでき、その具体例は前出のリサーチ・
ディスクロージャー(RD)No.17643,VII −
C〜Gに記載された特許に記載されている。
【0077】イエローカプラーとしては、例えば米国特
許第3,933,501号、同第4,022,620
号、同第4,326,024号、同第4,401,75
2号、特公昭58−10739号、英国特許第1,42
5,020号、同第1,476,760号、に記載のも
のが好ましい。
【0078】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、例えば
米国特許第4,310,619号、同第4,351,8
97号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,0
61,432号、同第3,725,067号、リサーチ
・ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開
昭60−43659号、米国特許第4,500,630
号、同第4,540,654号に記載のものが好まし
い。
【0079】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、例えば米国特許第
4,052,212号、同第4,146,396号、同
第4,228,233号、同第4,296,200号、
同第2,369,929号、同第2,801,171
号、同第2,772,162号、同第2,895,82
6号、同第3,772,002号、同第3,758,3
08号、同第4,334,011号、同第4,327,
173号、西独特許公開第3,329,729号、欧州
特許第121,365A号、米国特許第3,446,6
22号、同第4,333,999号、同第4,451,
559号、同第4,427,767号、欧州特許第16
1,626A号に記載のものが好ましい。
【0080】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、例えばリサーチ・ディスクロージャ
ーNo.17643のVII −G項、米国特許第4,16
3,670号、特公昭57−39413号、米国特許第
4,004,929号、同第4,138,258号、英
国特許第1,146,368号に記載のものが好まし
い。
【0081】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、例えば米国特許第4,366,237号、英
国特許第2,125,570号、欧州特許第96,57
0号、西独特許(公開)第3,234,533号に記載
のものが好ましい。
【0082】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、英国特許第
2,102,173号に記載されている。
【0083】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまた本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラー、前述のRD
I17643、VII 〜F項に記載された特許、特開昭5
7−151944号、同57−154234号、同60
−184248号、米国特許第4,248,962号に
記載されたものが好ましい。
【0084】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、例えば英国特許第2,
097,140号、同第2,131,188号、特開昭
59−157638号、同59−170840号に記載
のものが好ましい。
【0085】その他、本発明の感光材料に用いることの
できるカプラーとしては、例えば米国特許第41304
27号等に記載の競争カプラー、米国特許第42834
72号、同第4338393号、同第4310618号
等に記載の多当量カプラー特開昭60−185950
号、特開昭62−24252号に記載のDIRレドック
ス化合物もしくはDIRカプラー放出カプラー、欧州特
許第173302A号に記載の離脱後復色する色素を放
出するカプラー、R.D.No.11449、同242
41、特開昭61−20247号に記載の漂白促進剤放
出カプラー、米国特許第4553477号に記載のリガ
ンド放出カプラーが挙げられる。
【0086】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0087】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は米国特許第2322027号などに記載されてい
る。
【0088】水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点
が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フ
タル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−ア
ミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−ア
ミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチ
ルプロピル)フタレート)、リン酸またはホスホン酸の
エステル類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニル
ホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ
−2−エチルヘキシルホスフェート、トリデシルホスフ
ェート、トリブトキシエチルホスフェートとトリクロロ
プロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニ
ルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−
エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、
2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、
アミド酸(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、
N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピ
ロリドン)、アルコール類またはフェノール類(例え
ば、イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert
−アミルフェノール)、脂肪族カルボン酸エステル類
(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ
チオクチルアゼレート、グリセロールトリブチレート、
イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレー
ト)、アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブチル−2
−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン)、炭化
水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイ
ソプロピルナフタレン)が挙げられる。また補助溶剤と
しては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約
160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例として
は酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチ
ルアセテート、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0089】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号および同第2,541,230号に記載されている。
【0090】本発明の写真感光材料において写真乳剤層
その他の層は写真感光材料に通常用いられているプラス
チックフィルム、紙、布などの可撓性支持体またはガラ
ス、陶器、金属などの剛性の支持体に塗布される。可撓
性支持体として有用なものは、硝酸セルロース、酢酸セ
ルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート等の半合成または合成高分子から成るフィルム、バ
ライタ層またはα−オレフィンポリマー(例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)
を塗布またはラミネートした紙である。支持体は染料や
顔料を用いて着色されてもよい。遮光の目的で黒色にし
てもよい。これらの支持体の表面は一般に、写真乳剤層
との接着をよくするために、下塗処理される。支持体表
面は下塗処理の前または後に、グロー放電、コロナ放
電、紫外線照射、火焔処理を施してもよい。
【0091】写真乳剤層その他の親水性コロイド層の塗
布には、たとえばディップ塗布法、ローラー塗布法、カ
ーテン塗布法、押し出し塗布法の公知の種々の塗布法を
利用することができる。必要に応じて米国特許第268
1294号、同第2761791号、同第352652
8号および同第3508947号に記載された塗布法に
よって、多層を同時に塗布してもよい。
【0092】本発明は種々のカラーおよび白黒の感光材
料に適用することができる。一般用もしくは映画用のカ
ラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラ
ー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルム
およびカラー反転ペーパー、カラー拡散転写型感光材料
および熱現像型カラー感光材料を代表例として挙げるこ
とができる。リサーチ・ディスクロージャー、No.1
7123(1978年7月)に記載の三色カプラー混合
を利用することにより、または米国特許第4,126,
461号および英国特許第2,102,136号に記載
された黒発色カプラーを利用することにより、X線用の
白黒感光材料にも本発明を適用できる。リスフィルムも
しくはスキャナーフィルムなどの製版用フィルム、直医
・間接医療用もしくは工業用のX線フィルム、撮影用ネ
ガ白黒フィルム、白黒印画紙、COM用もしくは通常マ
イクロフィルム、銀塩拡散転写型感光材料およびプリン
トアウト型感光材料にも本発明を適用できる。
【0093】本発明の写真要素をカラー拡散転写写真法
に適用するときには、剥離(ピールアパート)型あるい
は特公昭46−16356号、同48−33697号、
特開昭50−13040号および英国特許1,330,
524号に記載されているような一体(インテグレーテ
ッド)型、特開昭57−119345号に記載されてい
るような剥離不要型のフィルムユニットの構成をとるこ
とができる。
【0094】上記いずれの型のフォーマットに於いても
中和タイミング層によって保護されたポリマー酸層を使
用することが、処理温度の許容幅を広くする上で有利で
ある。カラー拡散転写写真法に使用する場合も、感材中
のいずれの層に添加して用いてもよいし、あるいは、現
像液成分として処理液容器中に封じ込めて用いてもよ
い。
【0095】本発明の感光材料には種々の露光手段を用
いることができる。感光材料の感度波長に相当する幅射
線を放射する任意の光源を照明光源または書き込み光源
として使用することができる。自然光(太陽光)、白熱
電灯、ハロゲン原子封入ランプ、水銀灯、蛍光灯および
ストロボもしくは金属燃焼フラッシュバルブなどの閃光
光源が一般的である。
【0096】紫外から赤外域にわたる波長域で発光す
る、気体、染料溶液もしくは半導体のレーザー、発光ダ
イオード、プラズマ光源も記録用光源に使用することが
できる。また電子線などによって励起された蛍光体から
放出される蛍光面(例えばCRT)、液晶(LCD)や
ランタンをドープしたチタンジルコニウム酸鉛(PLZ
T)を利用したマイクロシャッターアレイに線状もしく
は面状の光源を組み合わせた露光手段も使用することが
できる。必要に応じて色フィルターで露光に用いる分光
分布を調整できる。
【0097】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、P−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例として3−メチル−4−アミノ−N,
N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチ
ル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホン
アミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−メトキシエチルアニリンおよびこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩が
挙げられる。これらのジアミン類は遊離状態よりも塩の
方が一般に安定であり、好ましく使用される。
【0098】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物、沃
化物、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もし
くはメルカプト化合物のような現像抑制剤またはカプリ
防止剤を含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒ
ドロキシルアミンまたは亜硫酸塩のような保恒剤、トリ
エタノールアミン、ジエチレングリコールのような有機
溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、
四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤、色
素形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボロンハイ
ドライドのような造核剤、1−フェニル−3−ピラゾリ
ドンのような補助現像薬、粘性付与剤、アミノポリカル
ボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、
ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレート
剤、西独特許出願(OLS)第2,622,950号に
記載の酸化防止剤を発色現像液に添加してもよい。
【0099】反転カラー感光材料の現像処理では、通常
黒白現像を行ってから発色現像する。この黒白現像液に
は、ハイドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1
−フェニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン
類またはN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミ
ノフェノール類など公知の黒白現像薬を単独であるいは
組み合わせて用いることができる。
【0100】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよく
個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を計るた
め、漂白処理後、漂白定着処理する処理方法でもよい。
漂白剤としては例えば鉄(III)、コバルト(II
I)、クロム(IV)、銅(II)などの多価金属の化
合物、過酸類、キノン類、ニトロン化合物が用いられ
る。代表的漂白剤としてフェリシアン化物;重クロム酸
塩;鉄(II1)もしくはコバルト(III)の有機錯
塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−2
−プロパノール四酢酸などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯
塩;過硫酸塩;マンガン酸塩;ニトロソフェノールを用
いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢
酸鉄(III)塩、ジエチレントリアミン五酢酸鉄(I
II)塩および過硫酸塩は迅速処理と環境汚染の観点か
ら好ましい。さらにエチレンジアミン四酢酸鉄(II
I)錯塩は独立の漂白液においても、一浴漂白定着液に
おいても特に有用である。
【0101】漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、同2,059,988号、特開
昭53,32736号、同53−57831号、同37
418号、同53−65732号、同53−72623
号、同53−95630号、、同53−95631号、
同53−104232号、同53−124424号、同
53−141623号、同53−28426号、リサー
チ・ディスクロージャーNo.17129号(1978
後7月)に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を
有する化合物;特開昭50−140129号に記載され
ている如きチアゾリジン誘導体;特公昭45−8506
号、特開昭52−20832号、同53−32735
号、米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素
誘導体;西独特許第1,127,715号、特開昭58
−16235号に記載の沃化物;西独特許第966,4
10号、同2,748,430号に記載のポリエチレン
オキサイド類;特公昭45−8836号に記載のポリア
ミン化合物;その他特開昭49−42434号、同49
−59644号、同53−94927号、同54−35
727号、同55−26506号および同58−163
940号記載の化合物および沃素、臭素イオンも使用で
きる。なかでもメルカプト基またはジスルフィド基を有
する化合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米
国特許第3,893,858号、西独特許第1,29
0,812号、特開昭53−95630号に記載の化合
物が好ましい。更に、米国特許第4552834号に記
載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に
添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着す
るときに、これらの漂白促進剤は特に有効である。
【0102】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物チオ尿素類、多量の沃化物を
あげる事ができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であ
る。漂白定着液や定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や
重亜硫酸塩あるいはカルボニル重亜硫酸付加物が好まし
い。
【0103】漂白定着処理もしくは定着処理の後は通
常、水洗処理及び安定化処理が行なわれる。水洗処理工
程及び安定工程には、沈殿防止や、節水の目的で、各種
の公知化合物を添加しても良い。例えば沈殿を防止する
ためには、無機リン酸、アミノポリカルボル酸、有機ア
ミノポリホスホン酸、有機リン酸等の硬水軟化剤、各種
のバクテリアや藻やカビの発生を防止する殺菌剤や防バ
イ剤、マグネシウム塩やアルミニウム塩ビスマス塩に代
表される金属塩、あるいは乾燥負荷やムラを防止するた
めの界面活性剤、及び各種硬膜剤を必要に応じて添加す
ることができる。あるいはウエスト著フォトグラフィッ
ク・サイエンス・アンド・エンジニアリング誌(L.
E.West、Phot.Sci.Eng.)、第6
巻、344〜359ページ(1965)に記載の化合物
を添加しても良い。特にキレート剤や防バイ剤の添加が
有効である。
【0104】水洗工程は2槽以上の槽を向流水洗し、節
水するのが一般的である。更には、水洗工程のかわりに
特開昭57−8543号記載のような多段向流安定化処
理工程を実施してもよい。本工程の場合には2〜9槽の
向流浴が必要である。本安定化浴中には前述の添加剤以
外に画像を安定化する目的で各種化合物が添加される。
例えば膜pHを調整する(例えばpH3〜9)ための各種の
緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、メタホウ酸塩、ホウ砂、リ
ン酸塩、炭酸塩、水酸化カリ、水酸化ナトリウム、アン
モニア水、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ポリカルボ
ン酸を組み合わせて使用)やホルマリンなどのアルデビ
ドを代表例として挙げることができる。その他、必要に
応じてキレート剤(例えば無機リン酸、アミノポリカル
ボン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、アミノポリホス
ホン酸、ホスホノカルボン酸)、殺菌剤(例えばベンゾ
イソチアゾリノン、イリチアゾロン、4−チアゾリンベ
ンズイミダゾール、ハロゲン化フェノール、スルファニ
ルアミド、ベンゾトリアゾール)、界面活性剤、蛍光増
白剤、硬膜剤などの各種添加剤を使用してもよく、同一
もしくは異種の目的の化合物を二種以上併用しても良
い。
【0105】また、処理後の膜pH調整剤として塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アン
モニウム等の各種のアンモニウム塩を添加するのが好ま
しい。
【0106】また撮影用カラー感材では、通常行なれた
てる定着後の(水洗−安定)工程を前述の安定化工程お
よび水洗工程(節水処理)におきかえることもできる。
この際、マゼンタカプラーが2当量の場合には、安定浴
中のホルマリンは除去しても良い。
【0107】本発明の水洗及び安定化処理時間は、感材
の種類、処理条件によって相違するが通常20秒〜10
分であり、好ましくは20秒〜5分である。
【0108】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化および迅速化の目的でカラー現像主薬を内
蔵しても良い。内蔵するためには、カラー現像主薬の各
種プレカーサーを用いるのが好ましい。
【0109】例えば米国特許第3,342,597号記
載のインドアニリン系化合物、同第3,342,599
号、リサーチ・ディスクロージャー14850号および
同15159号記載のシッフ塩基型化合物、同1392
4号記載のアルドール化合物、米国特許第3,719,
492号記載の金属塩錯体、特開昭53−135628
号記載のウレタン系化合物をはじめとして、特開昭56
−6235号、同56−16133号、同56−592
32号、同56−67842号、同56−83734
号、同56−83735号、同56−83736号、同
56−89735号、同56−81837号、同56−
54430号、同56−106241号、同56−10
7236号、同57−97531号および同57−83
565号に記載の各種塩タイプのプレカーサーをあげる
ことができる。
【0110】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、カラー現像を促進する目的で、各種の1
−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典
型的な化合物は特開昭56−64339号、同57−1
44547号、同57−211147号、同58−50
532号、同58−50536号、同58−50533
号、同58−50534号、同58−50535号およ
び同58−115438号に記載されている。
【0111】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。33℃ないし38℃の温度が標
準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を
短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の
安定性の改良を達成することができる。また、感光材料
の節銀のため西独特許第2,226,770号または米
国特許第3,674,499号に記載のコバルト補力も
しくは過酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。
【0112】各種処理浴内には必要に応じて、ヒータ
ー、温度センサー、液面センサー、循環ポンプ、フィル
ター、浮きブタ、スクイジーなどを設けても良い。
【0113】また、連続処理に際しては、各処理液の補
充液を用いて、液組成の変動を防止することによって一
定の仕上がりが得られる。補充量は、コスト低減などの
ため標準補充量の半分あるいは半分以下に下げることも
できる。
【0114】本発明の感光材料がカラーペーパーの場合
はきわめて一般的に、また撮影用カラー写真材料である
場合も必要に応じて漂白定着処理することができる。
【0115】以下に具体例をあげて、本発明を更に詳し
く説明するが、発明の主旨をこえない限り、本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。
【0116】実施例1 75℃に保った臭化カリウム0.35gとゼラチン40
gを含むpH5.0の水溶液1リットルに撹拌しながら、
硝酸銀水溶液(AgNO3 18g)、臭化カリウム水溶
液(KBr12.7g)を20分間かけて同時に添加し
た。次に、硝酸銀水溶液(AgNO3 234g)と臭化
カリウム水溶液(1.62M/リットル)及びヨウ化カ
リウム水溶液(0.03M/リットル)を30分間かけ
て、添加流量の最終速度が初速度の8.1倍になる流量
加速法で同時に添加し、その間銀電位を飽和カロメル電
極に対して、−20mVに保った。
【0117】粒子形成後、通常のフロキュレーション法
で脱塩・水洗したあと、ゼラチンと水とを加えた。
【0118】得られたヨウ臭化銀乳剤は、粒子直径が
0.61μm 、粒子直径の変動係数が6.8%の単分散
八面体乳剤である。
【0119】この乳剤を21部に分けたあと、表に示す
如くpH、pAgを調整し60℃に昇温したあと表1に示す
テルル増感剤を加えた。20分後に、pHを6.3、pAg
を8.4に調整したあと塩化金酸(1.2×10-5モル
/モルAgX )、チオシアン酸カリウム(3×10-3モル
/モルAgX )とチオ硫酸ナトリウム(1.2×10-5
ル/モルAgX )を加え、更に40分間熟成した。
【0120】表中の(1)〜(3)は、くり返し実験を
示す。
【0121】そのあとpHを6.3、pAgを8.4に
すべて揃えて、ゼラチン、4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラザインデン、ポリ−スチレ
ンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、を加えて、下塗層を有するトリアセチルセル
ロースフィルム支持体上に、ゼラチン、ポリメチルメタ
クリレート粒子、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジンナトリウム塩を含む保護層と共に同時押
し出し法で塗布した。
【0122】これらの試料に、センシトメトリー用露光
(1秒)を光学楔を介して与えたあと、コダック処方D
−19現像液で、20℃で10分間現像したあと常法に
より停止、定着、水洗、乾燥し、濃度測定した。
【0123】相対感度は、カブリ値+0.1の光学濃度
を得るのに必要な露光量の逆数の相対値で表わし、試料
1のものを100とした。
【0124】
【表1】 表1より明らかな様に、従来知られていたコロイド状テ
ルルやK2 Teといったテルル増感剤は、高感度のもの
が得られるときもあるが、くり返しの再現性が非常に悪
い。
【0125】これに対し、本発明の化合物は、化合物自
体の安定性もよく化学的にも特定と精製が十分行なえる
ものであるため、化合物種により活性が変化し、化学熟
成時の条件(例えばpHやpAg )を調整する必要があるも
のの、金イオウ増感(チオ硫酸ナトリウム)と同程度の
再現性をもち、かつ高感度のものが得られるという好ま
しい結果が得られた。又、到達感度の低いときも再現性
は良かった。
【0126】以上のように、本発明の化合物により、再
現性のよい金テルル増感が得られた。
【0127】実施例2 臭化カリウムを含むゼラチン水溶液を40℃に保ち撹拌
しながら硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液を同時に添
加した。次に、75℃に昇温しアンモニアを加え、熟成
したあと酢酸で中和し更に硝酸銀水溶液と、沃化カリウ
ム、臭化カリウムとK3 IrCl6 (3×10-6モル/
モルAg)の混合水溶液を同時に添加し、更にその後硝酸
銀水溶液と臭化カリウム水溶液でシェル付けした。
【0128】添加終了後35℃に降温し、フロキュレー
ション法で脱塩、水洗したあとゼラチンと水を追加、溶
解した。
【0129】得られた平板状ハロゲン化銀粒子は平均直
径が1.50μm で厚み0.21μm 、平均の直径1厚
み比は7.1であり、沃化銀含量が6モル%であった。
【0130】この乳剤を8部に分けたあと56℃に昇温
し、増感色素アンヒドロ−5−クロル、5′−フェニル
−9−エチル−3,3′−ジ(3−スルホプロピル)オ
キサカルボシアニンを加え、第3表に示す増感剤を加え
た20分後、pHを6.3、pAg を8.6に調整し、更に
塩化金酸(1.6×10-5モル/モルAgX )、チオシア
ン酸カリウム(1×10-3モル/モルAgX )、チオ硫酸
ナトリウム(8×10-6モル/モルAgX )とN,N−ジ
メチルセレノウレア(2×10-6モル/モルAgX )を加
え、30分間化学熟成した。
【0131】そのあと、下記に示す化合物を加えて、下
塗層を有するトリアセチルセルロースフィルム支持体上
に、保護層と共に同時押し出し法で塗布した。 (1)乳剤層 ・乳剤…表2に示す乳剤 ・カプラー
【0132】
【化14】 ・トリクレジルフォスフェート ・1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラ
ゾールモノナトリウム塩 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン ・ポリ−スチレンスルホン酸カリウム ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム (2)保護層 ・ポリメチルメタクリレート微粒子 ・1,2−ビス(ビニルスルホニルアセチルアミノ)エ
タン ・ゼラチン これらの試料にセンシトメトリー用露光(1/100
秒)を与え、下記のカラー現像処理を行った。
【0133】処理済の試料を緑色フィルターで濃度測定
した。得られた写真性能の結果を表2に示した。相対感
度はカブリ値+0.2の光学濃度を得るのに必要な露光
量の逆数の相対値で表わし、塗布直後の試料30のを1
00とした。
【0134】以上の如くのカラー写真感光材料を露光し
たのち、以下に記載の方法で処理した。
【0135】(処理方法) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 2分45秒 38℃ 漂 白 6分30秒 38℃ 水 洗 2分10秒 24℃ 定 着 4分20秒 38℃ 水 洗(1) 1分05秒 24℃ 水 洗(2) 1分00秒 24℃ 安 定 1分05秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃ 次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− 3.0 ジホスホン酸 亜硫酸ナトリノウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 沃化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−[N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル 4.5 アミノ]−2−メチルアニリン硫酸塩 水を加えて 1.0リットル pH 10.05 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄 100.0 ナトリウム三水塩 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 水を加えて 1.0リットル pH 6.0 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸ナトリウム 7.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 水を加えて 1.0リットル pH 6.7 (安定液) (単位g) ホルマリン(37%) 2.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニル 0.3 フェニルエーテル(平均重合度 10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 水を加えて 1.0リットル pH 5.0−8.0
【0136】
【表2】 表2より明らかな様に、本発明の化合物により、高感度
で再現性のよい金テルル増感が達成された。
フロントページの続き (72)発明者 森村 公保 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−114236(JP,A) 特開 平2−298935(JP,A) 特開 平4−86646(JP,A) 特開 平4−115249(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層がテルル及び金増感されたハロゲ
    ン化銀乳剤を含み、該テルル増感は、下記一般式(I)
    で表される少なくとも1種の化合物により施されたこと
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 式中、R 1 、R 2 およびR 3 は脂肪族基、芳香族基、複
    素環基、OR 4 、NR 5 (R6 )、SR 7 、OSiR 8
    (R 9 )(R 10 )TeR 11 、Xまたは水素原子を表し、
    4 、R 7 およびR 11 は脂肪族基、芳香族基、複素環
    基、水素原子またはカチオンを表し、R 5 およびR 6
    脂肪族基、芳香族基、複素環または水素を表し、R 8
    9 およびR 10 は、脂肪族基を表し、Xはハロゲン原子
    を表す。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層がテルル及び金増感されたハロゲ
    ン化銀乳剤を含み、該テルル増感は、下記一般式(II)
    で表される少なくとも1種の化合物により施されたこと
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(II) 【化2】 式中、R 12 は脂肪族基、芳香族基、複素環基または−N
    14 (R 15 )を表し、 13 は−NR 16 (R 17 )、−N
    (R 18 )N(R 19 )R 20 または−OR 21 を表し、R 14
    15 ,R 16 ,R 17 ,R 18 ,R 19 ,R 20 およびR 21 は水素
    原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基またはアシル基を
    表す。ここでR 12 とR 16 、R 12 とR 18 、R 12 とR 19 、R
    12 とR 21 、R 14 とR 16 、R 14 とR 18 、R 14 とR 19 および
    14 とR 21 は、結合して環を形成してもよい。ただし、
    12 が1,3−チアゾール−2−イルアミノ基であり、
    かつR 13 がフェニルアミノ基である化合物を除く。
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