JPH07188505A - アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法 - Google Patents

アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法

Info

Publication number
JPH07188505A
JPH07188505A JP5333501A JP33350193A JPH07188505A JP H07188505 A JPH07188505 A JP H07188505A JP 5333501 A JP5333501 A JP 5333501A JP 33350193 A JP33350193 A JP 33350193A JP H07188505 A JPH07188505 A JP H07188505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyl methacrylate
acrylic resin
acrylic
weight
resin particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5333501A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadamoto Tao
貞躬 田尾
Toshio Iga
稔雄 伊賀
Teruyuki Moto
輝之 本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP5333501A priority Critical patent/JPH07188505A/ja
Publication of JPH07188505A publication Critical patent/JPH07188505A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B26/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing only organic binders, e.g. polymer or resin concrete
    • C04B26/02Macromolecular compounds
    • C04B26/04Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C04B26/06Acrylates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/54Substitutes for natural stone, artistic materials or the like
    • C04B2111/542Artificial natural stone
    • C04B2111/545Artificial marble

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 混練性と成形性に優れたアクリル樹脂プリミ
ックスおよび耐候性に優れ屋外設置可能なこのアクリル
樹脂プリミックスアクリルを用いた人工大理石の製造方
法を提供するものである。 【構成】 メチルメタクリレートを主体とする不飽和単
量体とメチルメタクリレートの重合体を主体とするポリ
マーを主成分とするアクリルシラップ(A)100重量
部に対して、無機粉末(B)180〜260重量部と、
無機粉末を含有する樹脂粒子(C)60〜140重量部
を配合してなり、前記無機粉末を含有する樹脂粒子
(C)は、メチルメタクリレートに不溶であり、メチル
メタクリレートに対する1日経過後の吸油量が40〜1
00重量%であり、かつ、メチルメタクリレートに対す
る膨潤度が2倍以下であるアクリル樹脂プリミックスお
よびこのアクリル樹脂プリミックスに重合開始剤を含ま
せてなる成形材料を加熱硬化することによりアクリル人
工大理石を得る人工大理石の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アクリル樹脂プリミ
ックスおよび人工大理石の製造方法に関するものであ
る。より詳しくは、混練性と成形性に優れたアクリル樹
脂プリミックスおよびこのアクリル樹脂プリミックスを
用いた人工大理石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工大理石は、一般には、天然大理石と
同じ質感および色合いを有する石質骨材と樹脂より製造
される。人工大理石は、耐水性および耐薬品性に優れ、
しかも、質感および重量感等にも優れているため、キッ
チン天板、各種カウンタートップ、洗面化粧台、シャワ
ー、床材、壁材、甲板、窓枠棚板、間仕切り板等の用途
に使用されている。
【0003】従来、不飽和ポリエステル樹脂を用いた人
工大理石が知られている。しかし、この従来の人工大理
石は、屋外暴露すると表面の白化が起こるため、屋外で
長期間使用することが不可能であった。また、屋外暴露
を行うと成型時に使用したガラス繊維が露出する等の欠
点もあった。これらを改善するためにはアクリル樹脂を
用いるのが有効であり、また、アクリル樹脂を使用すれ
ば人工大理石をプレス成形法によって安価に製造するこ
とも可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のアクリ
ル樹脂を用いた人工大理石については、次のような問題
を技術的に解決する必要があった。 アクリル樹脂の単量体としてメチルメタクリレート
を用いた場合、沸点が100℃と低いため、プレス成形
時の金型温度の上限に制約がある。プレス成形時の金型
温度を下げると、成形に20〜30分間もの長時間を要
し、成形品の光沢も十分ではない。
【0005】 不飽和ポリエステル樹脂プリミックス
のようにコンパウンドのプレス流動中の粘度を十分に高
めることが困難であるので、成形品表面に欠陥が生じ、
透明感によってもたらされる高級感が成形品表面にみら
れず、成形性も十分とはいえない。 そこで、コンパウンド中の無機粉末の使用量を増や
して粘度を十分に高めることにより、成形性を改善する
ことが試みられたが、シェアが高くなり、混練性が低下
するという新たな問題が発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、第1に、メチルメタクリレートを主体
とする不飽和単量体とメチルメタクリレートの重合体を
主体とするポリマーを主成分とするアクリルシラップ
(A)100重量部に対して、無機粉末(B)180〜
260重量部と、無機粉末を含有する樹脂粒子(C)6
0〜140重量部を配合してなり、前記無機粉末を含有
する樹脂粒子(C)は、メチルメタクリレートに不溶で
あり、メチルメタクリレートに対する1日経過後の吸油
量が40〜100重量%であり、かつ、メチルメタクリ
レートに対する膨潤度が2倍以下であるアクリル樹脂プ
リミックスを提供する。
【0007】また、上記課題を解決するために、この発
明は、第2に、上記アクリル樹脂プリミックスに重合開
始剤を含ませてなる成形材料を加熱硬化することにより
アクリル人工大理石を得る人工大理石の製造方法を提供
する。アクリルシラップ(A)を構成する成分の1つで
ある、メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
(A1)は、主体となるメチルメタクリレート単独であ
ってもよいが、メチルメタクリレートと共重合できる不
飽和単量体が併用されてもよい。併用するメチルメタク
リレートと共重合できる不飽和単量体の種類は、特に制
限はなく、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジ
エン、イソプレン、スチレン、α−メチルスチレン、塩
化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン、グリシ
ジルメタアクリレート、マレイン酸、フマル酸、無水マ
レイン酸などの単官能性の不飽和単量体、炭素原子数が
2〜20の1価アルコールまたは1価フェノールとアク
リル酸またはメタクリル酸とのエステル、炭素原子数が
2〜20の2価アルコールまたは2価フェノールとアク
リル酸またはメタクリル酸とのモノエステル、アクリル
酸および/またはメタクリル酸とエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチ
ロールエタン、トリメチロールエタン、テトラメチロー
ルメタン、ジメチロールプロパン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスロトール、ジペンタエリスロトール
などの多価アルコールとの多価エステル、トリアリルイ
ソシアヌレート、ジビニルベンゼン等の多官能性の不飽
和単量体等を挙げることができる。特に、多官能性の不
飽和単量体は、アクリル人工大理石の耐汚染性および耐
熱性を改善するために好ましく、エチレングリコールジ
メタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート等が好適に
使用される。
【0008】メチルメタクリレートを主体とする不飽和
単量体(A1)におけるメチルメタクリレートの使用量
は、不飽和単量体全体の10〜80重量%であり、好ま
しくは20〜60重量%である。メチルメタクリレート
の使用量が、不飽和単量体全体の10重量%未満では、
アクリル樹脂プリミックスを成形して得られる成形品の
耐候性が低下する傾向がある。
【0009】メチルメタクリレートを主体とした不飽和
単量体(A1)として、前述のように、多官能性の不飽
和単量体を用いるのは好ましく、多官能性の不飽和単量
体の使用量は、不飽和単量体全体の10〜65重量%で
あり、好ましくは25〜50重量%である。この使用量
が10重量%未満では、成形品の耐溶剤性等が低下する
傾向がある。また、65重量%を超えると、アクリル樹
脂プリミックスを成形して得られる成形品の樹脂の架橋
密度が高過ぎて、成形品が脆くなる傾向がある。
【0010】アクリルシラップ(A)を構成する他の成
分である、メチルメタクリレートの重合体を主体とする
ポリマー(A2)としては、たとえば、ポリメチルメタ
クリレート、メチルメタクリレートとエチルメタクリレ
ートの共重合体、メチルメタクリレートとメチルアクリ
レートの共重合体、メチルメタクリレートとエチルアク
リレートの共重合体、メチルメタクリレートとスチレン
の共重合体等を挙げることができる。
【0011】アクリルシラップ(A)中のメチルメタク
リレートを主体とする不飽和単量体(A1)およびメチ
ルメタクリレートの重合体を主体とするポリマー(A
2)の配合割合は、特に制限はないが、アクリルシラッ
プ(A)100重量部中にメチルメタクリレートを主体
とする不飽和単量体(A1)を40〜85重量部使用す
るのが好ましく、アクリルシラップ(A)100重量部
中にメチルメタクリレートの重合体を主体とするポリマ
ー(A2)を15〜60重量部使用するのが好ましい。
メチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体(A
1)が40重量部未満では、アクリル樹脂プリミックス
を製造する際のコンパウンド粘度が高すぎて、混練時に
発熱量が大きくなり、混練性が低下する傾向がある。メ
チルメタクリレートを主体とする不飽和単量体(A1)
が85重量部を超えると、アクリル樹脂プリミックスを
成形する際に成形品の硬化収縮が大きく、クラック等が
生じ易くなる傾向がある。
【0012】この発明のアクリルシラップ(A)は、メ
チルメタクリレートを主体とする不飽和単量体(A1)
およびメチルメタクリレートの重合体を主体とするポリ
マー(A2)以外に、たとえば、紫外線吸収剤、シラン
カップリング剤、重合禁止剤、着色顔料等の成分を含む
ことができる。アクリルシラップ(A)に含ませること
ができる紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤であるチヌビン320、ヒンダ
ードアミン系紫外線吸収剤であるLA87等が挙げられ
るが、必ずしも、これらに限定されない。これらの紫外
線吸収剤は、1種のみまたは2種類以上を併用すること
もできる。
【0013】前記紫外線吸収剤の使用量は、特に制限は
ないが、アクリルシラップ(A)100重量部に対し
て、0.1〜2重量部とするのが好ましい。紫外線吸収
剤の使用量が0.1重量部未満では、十分に紫外線吸収
作用を発揮することができず、紫外線吸収剤の使用量が
2重量部を超えると、アクリル樹脂プリミックスが高価
となる傾向がみられる。
【0014】アクリルシラップ(A)に含ませることが
できるシランカップリング剤としては、たとえば、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙
げられるが、必ずしも、これらに限定されない。これら
のシランカップリング剤は、1種のみまたは2種類以上
を併用することもできる。
【0015】前記シランカップリング剤の使用量は、特
に制限はないが、無機粉末(B)200重量部に対し
て、1〜3重量部とするのが好ましい。シランカップリ
ング剤の使用量が1重量部未満では、アクリル樹脂プリ
ミックスを成形して得られる成形品に十分な強度を付与
することができず、シランカップリング剤の使用量が3
重量部を超えると、アクリル樹脂プリミックスが高価と
なる傾向がみられる。
【0016】アクリルシラップ(A)に含ませることが
できる重合禁止剤は、アクリル樹脂プリミックスの保存
安定性および成形性の向上等を目的として使用される。
このような目的を達することができるものであれば、重
合禁止剤の種類は、特に限定されないが、たとえば、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシイソプロポキシカーボネート等が挙げ
られる。これらの重合禁止剤は、1種のみまたは2種類
以上を併用することもでき、また、重合禁止剤の使用量
には特に制限はない。
【0017】アクリルシラップ(A)は、任意の方法で
製造することができる。アクリルシラップ(A)の製造
方法としては、メチルメタクリレートの重合体を主体と
するポリマー(A2)をメチルメタクリレートを主体と
する不飽和単量体(A1)に溶解させる方法およびニー
ダーでメチルメタクリレートを主体とする不飽和単量体
(A1)とメチルメタクリレートの重合体を主体とする
ポリマー(A2)を混練しながらメチルメタクリレート
の重合体を主体とするポリマー(A2)を溶解させる方
法が好ましく、高粘度のアクリルシラップとなる後者の
方法がより好ましい。
【0018】アクリル樹脂プリミックスを構成する成分
である無機粉末(B)の種類は、特に制限はないが、た
とえば、シリカ、タルク、クレー、ガラス、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ
酸カルシウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ア
ルミン酸カルシウム等を挙げることができる。これらの
無機粉末の中でも、水酸化アルミニウム等の金属酸化物
の水和物が、分散安定性および難燃性の点で好ましい。
これらの無機粉末は、1種のみまたは2種類以上を併用
することもできる。
【0019】無機粉末(B)の平均粒径は、好ましくは
0.1〜100μmであり、さらに好ましくは0.5〜
100μmである。平均粒径が0.1μm未満では、充
填可能な量が極端に減少し、アクリル樹脂プリミックス
を成形して得られる成形品の物性が低下する傾向があ
る。平均粒径が100μmを超えると、アクリル樹脂プ
リミックスを成形して得られる成形品の外観に影響を及
ぼし、美観が損なわれる傾向がある。
【0020】無機粉末(B)の粒子の形状については、
特に限定はなく、球状、棒状、鱗片状、破砕状、無定形
等のいかなる形状の粒子を使用することが可能である。
無機粉末の使用量は、特に制限はないが、アクリルシラ
ップ(A)100重量部に対して、180〜260重量
部とするのが好ましい。無機粉末の使用量が180重量
部未満では、アクリル樹脂プリミックスを成形して得ら
れる成形品の耐熱性および強度等の物性が低下する傾向
がある。また、無機粉末の使用量が260重量部を超え
ると、アクリル樹脂プリミックスを製造する際に、後述
の無機粉末を含有する樹脂粒子(C)の投入後の混練が
困難となる傾向がある。
【0021】この発明のアクリル樹脂プリミックスは、
無機粉末を含有する樹脂粒子(C)〔以下、「無機粉末
を含有する樹脂粒子」を単に「樹脂粒子」ということが
ある。〕を含んでおり、これはメチルメタクリレートに
不溶である。前記樹脂粒子(C)を構成する無機粉末の
種類は、特に制限はないが、たとえば、シリカ、タル
ク、クレー、ガラス、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化ア
ルミニウム、硫酸カルシウム、アルミン酸カルシウム等
を挙げることができる。樹脂粒子(C)を構成する無機
粉末の中でも、水酸化アルミニウム等の金属酸化物の水
和物が、コンパウンド安定性およびアクリル樹脂プリミ
ックスを成形して得られる成形品の難燃性の点から好ま
しい。これらの樹脂粒子(C)を構成する無機粉末は、
1種のみまたは2種類以上を併用することもできる。
【0022】樹脂粒子(C)を構成する無機粉末の平均
粒径は、好ましくは0.1〜100μmであり、さらに
好ましくは、0.5〜100μmである。無機粉末の平
均粒径が0.1μm未満では、樹脂粒子(C)製造の際
のコンパウンド安定性が低下したり、無機粉末の充填量
が制約される傾向がある。無機粉末の平均粒径が100
μmを超えると、アクリル樹脂プリミックスを成形して
得られる成形品の外観に影響を及ぼし、美観が損なわれ
る傾向がある。
【0023】樹脂粒子(C)を構成する無機粉末の粒子
の形状については、特に限定はなく、球状、棒状、鱗片
状、破砕状、無定形等のいかなる形状の粒子を使用する
ことができる。樹脂粒子(C)を構成する無機粉末の使
用量は、特に制限はないが、好ましくは樹脂粒子(C)
の50〜80重量%使用される。無機粉末の使用量が樹
脂粒子(C)の50重量%未満では、アクリル樹脂プリ
ミックスを成形して得られる成形品の強度が低下し、無
機粉末の使用量が樹脂粒子(C)の80重量%を超える
と、樹脂粒子(C)の製造の際に後述の樹脂との混合が
困難となる。
【0024】樹脂粒子(C)を構成する樹脂は、熱硬化
性樹脂であれば特に制限はなく、たとえば、架橋したア
クリル樹脂、架橋したスチレン、架橋したポリエステル
等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種のみま
たは2種類以上を併用することもできる。この中でも、
架橋したアクリル樹脂を使用するのが好ましく、架橋し
たアクリル樹脂としては、たとえば、架橋したポリメチ
ルメタクリレート、架橋したポリメチルアクリレート、
架橋したポリブチルメタクリレート、架橋したポリブチ
ルアクリレート、架橋したポリグリシジルメタクリレー
ト等を挙げることができる。
【0025】樹脂粒子(C)を構成する樹脂の使用量
は、特に制限はないが、樹脂粒子(C)の20〜50重
量%とするのが好ましい。樹脂粒子(C)の20重量%
未満では、樹脂粒子(C)を製造する際に各構成成分の
混合が困難となり、樹脂粒子(C)の50重量%を超え
ると、アクリル樹脂プリミックスを成形して得られる成
形品の物性が低下する傾向がある。
【0026】樹脂粒子(C)を構成する成分として、ま
た、着色剤を加えることができる。この発明のアクリル
樹脂プリミックスに重合開始剤を含ませてなる成形材料
を加熱硬化してアクリル人工大理石とした際に、樹脂粒
子(C)に着色剤を加えておくと、御影調等のさまざま
な柄を出すことができるので好ましい。前記着色剤とし
ては、たとえば、カーボンブラック、アニリンブラッ
ク、酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、コンジョウ等を挙げ
ることができる。これらの着色剤は、1種のみまたは2
種類以上を併用することもできる。
【0027】樹脂粒子(C)は、任意の方法で製造する
ことができ、製造方法に特に制限はないが、たとえば、
プレス、注型等で熱硬化して得られる無機粉末入りの樹
脂成形物を粉砕後に分級して製造する方法等が挙げられ
る。なかでも、樹脂粒子(C)の製造方法としては、樹
脂粒子(C)を構成する樹脂の単量体成分および無機粉
末等をブレンダーで十分に混練して得た注型用コンパウ
ンドを、あらかじめ組み立てられた注型板に注いで加熱
硬化・後硬化した後、得られた硬化物を粗粉砕してか
ら、クラッシャーミル等で微粉砕し、フルイで分級する
樹脂粒子(C)の製造方法や、前記樹脂粒子(C)を構
成する樹脂およびその単量体成分、無機粉末等をニーダ
ーで十分に混練して得た注型用コンパウンドを、平板等
にプレス成形し、得られた成形品を上記と同様の方法で
粉砕・分級する樹脂粒子(C)の製造方法が好ましい。
【0028】樹脂粒子(C)のメチルメタクリレートに
対する1日経過後の吸油量は、樹脂粒子をメチルメタク
リレートに接触させてから、1日経過した後に樹脂粒子
に含まれるメチルメタクリレートの重量%で示される。
樹脂粒子(C)のメチルメタクリレートに対する1日経
過後の吸油量は、通常40〜100重量%である。ま
た、樹脂粒子のメチルメタクリレートに対する1日経過
後の吸油量は、好ましくは50〜100重量%であり、
さらに好ましくは60〜100重量%である。
【0029】樹脂粒子(C)のメチルメタクリレートに
対する初期吸油量は、樹脂粒子をメチルメタクリレート
に接触させてから、5分間経過した後に樹脂粒子に含ま
れるメチルメタクリレートの重量%で示され、通常40
〜80重量%である。また、樹脂粒子のメチルメタクリ
レートに対する初期吸油量は、好ましくは40〜70重
量%であり、さらに好ましくは40〜60重量%であ
る。
【0030】樹脂粒子(C)のメチルメタクリレートに
対する1日経過後の吸油量は、初期吸油量よりも大きい
のが好ましい。樹脂粒子(C)のメチルメタクリレート
に対する膨潤度は、メチルメタクリレートに樹脂粒子
(C)を加え、直後および1日経過後の体積の比で示さ
れる。この膨潤度は、2倍以下が好ましく、1倍以下が
さらに好ましい。膨潤度が2倍を超えると、アクリル樹
脂プリミックスを加熱硬化したアクリル人工大理石は、
樹脂粒子とマトリックスとの境界がぼやけた意匠にな
る。
【0031】樹脂粒子(C)の平均粒径は、特に制限は
ないが、0.1〜3mmの範囲が好ましい。平均粒径が
0.1mm未満では、アクリル樹脂プリミックスを成形
して得られる成形品の表面に欠陥が生じやすく、平均粒
径が3mmを超えると、薄肉の成型品を製造しにくくな
る傾向がある。樹脂粒子(C)の比表面積は、特に制限
はないが、10〜30m2/gの範囲が好ましい。比表面積
が10m2/g未満では、吸油量が小さく成形性が低下する
し、比表面積が30m2/gを超えると、最大吸油量が大き
くなるのにともない、初期吸油量が大きくなるので、混
練性が低下する。
【0032】樹脂粒子(C)は、細孔を有しており、そ
の全細孔容積について、特に制限はないが、全細孔容積
が0.005〜0.01ml/gあるのが好ましく、中
でも半径300オングストローム以下の細孔が全細孔の
50容積%以上あるのが好ましい。半径300オングス
トローム以下の細孔が全細孔の50容積%未満では、細
孔が大きいため混練中に最大吸油量に近くなるため、混
練性が低下する。
【0033】樹脂粒子(C)の使用量は、特に制限はな
いが、アクリルシラップ(A)100重量部に対して、
60〜140重量部とするのが好ましい。樹脂粒子
(C)の使用量が60重量部未満では、アクリル樹脂プ
リミックスを成形して得られる成形品の表面に欠陥が生
じやすく、樹脂粒子(C)の使用量が140重量部を超
えて使用すると、アクリル樹脂プリミックスが高価とな
り、また、アクリル樹脂プリミックス製造時に高粘度と
なって混練が難しくなる傾向がある。
【0034】この発明のアクリル樹脂プリミックスは、
アクリルシラップ(A)、無機粉末(B)、無機粉末を
含有する樹脂粒子(C)からなるが、必要に応じて、繊
維補強剤、重合開始剤、離型剤、着色剤、難燃剤、改質
剤、安定剤等を添加することができる。アクリル樹脂プ
リミックスに添加することができる繊維補強剤は、繊維
をバインダーで固めた繊維束からなるものである。その
繊維の素材としては、たとえば、ガラス、溶融シリカ、
炭素、窒化ホウ素、アルミナ、ジルコニア、アルミニウ
ム等の無機質を挙げることができる。これらの繊維補強
剤は、1種のみまたは2種類以上を併用することもでき
る。繊維補強剤の中でも、強化ガラス繊維が好ましい。
【0035】前記繊維補強剤の粒径は特に限定されず、
また、その使用量についても、特に制限はないが、アク
リル樹脂プリミックス全体の4〜9重量%とするのが好
ましい。繊維補強剤の使用量が樹脂粒子(C)の4重量
%未満では、成形品に十分な強度を付与することができ
ないし、繊維補強剤の使用量が樹脂粒子(C)の9重量
%を超えると、繊維補強剤が樹脂に含浸しにくく、アク
リル樹脂プリミックスが高価となる傾向がある。
【0036】アクリル樹脂プリミックスに添加すること
ができる重合開始剤は、特に制限はないが、ラジカル重
合開始剤が好ましく、たとえば、過酸化ベンゾイル、シ
クロヘキサノンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブ
チルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチルヘキサ
ン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカ
ノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、te
rt−ブチルパーオキシビバレート、2,2’−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−
アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル)等を挙げることができる。これらの重合開始剤
は、1種のみまたは2種類以上を併用することもでき
る。
【0037】前記重合開始剤の使用量は、特に制限はな
いが、アクリルシラップ(A)100重量部に対して、
0.3〜2.0重量部とするのが好ましい。重合開始剤
の使用量が0.3重量部未満では、アクリル樹脂プリミ
ックスを十分に成形できず、しかも、得られる成形品の
耐熱性および強度等の物性が低下することがあり、重合
開始剤の使用量が2.0重量部を超えると、アクリル樹
脂プリミックスが高価となる傾向がある。
【0038】アクリル樹脂プリミックスに添加すること
ができる離型剤としては、たとえば、ステアリン酸、ス
テアリン酸亜鉛等を挙げることができるが、必ずしも、
これらに限定されない。これらの離型剤は、1種のみま
たは2種類以上を併用することもできる。前記離型剤の
使用量は、特に制限はないが、アクリルシラップ(A)
100重量部に対して、1〜5重量部とするのが好まし
い。離型剤の使用量が1重量部未満では、十分に離型作
用を発揮することができず、離型剤の使用量が5重量部
を超えると、アクリル樹脂プリミックスの成形性が低下
する傾向がある。
【0039】アクリル樹脂プリミックスに添加すること
ができる着色剤としては、たとえば、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、酸化鉄等を挙げることができるが、必
ずしも、これらに限定されない。これらの着色剤は、1
種のみまたは2種類以上を併用することもできる。前記
着色剤の使用量は、特に制限はないが、アクリルシラッ
プ(A)100重量部に対して、0〜10重量部とする
のが好ましい。着色剤の使用量が10重量部を超える
と、アクリル樹脂プリミックスの成形性に悪影響を及ぼ
すことがある。
【0040】この発明のアクリル樹脂プリミックスを製
造する方法は、特に限定はなく、アクリル樹脂プリミッ
クスを構成する各成分を任意の順番で混合または一度に
混合して製造される。この発明のアクリル樹脂プリミッ
クスは、通常は高粘度であることが多いために、ニーダ
ーを用いて各成分を混練して好ましく製造される。この
発明のアクリル樹脂プリミックスに重合開始剤を含ませ
てなる成形材料を加熱硬化することによってアクリル人
工大理石を製造することができる。
【0041】前記成形材料に含まれる重合開始剤として
は、アクリル樹脂プリミックスに添加することができる
前述の重合開始剤が好ましく使用される。前記成形材料
は、製造後であればいつでも加熱硬化することができ、
成形材料を製造してから加熱硬化するまでの時間につい
ては、特に限定はないが、通常では、前記成形材料の製
造直後では樹脂と無機粉体等のフィラー間の界面のなじ
みが十分でないことが多く、しかも、成形材料の成形性
が安定していないことが多いために、前記成形材料の製
造直後に成形すると、得られたアクリル人工大理石にク
ラック発生等の問題が生じ易い。このような問題点を解
消し、成形性を安定させるために、1日以上静置するこ
とが好ましく、また、1日以上静置することは、樹脂粒
子(C)の吸油特性からも好ましい。
【0042】成形材料を加熱硬化する方法は、特に限定
されず、たとえば、圧縮成形、押出し成形、射出成形、
移送成形等の任意の方法で行われる。加熱硬化は必ずし
もこれらの方法だけで終了する必要はなく、必要に応じ
て、これらの方法を行った後、ポストキュアーを行って
加熱硬化を終了させることもできる。成形に使用される
金型の材質についても、特に限定されず、たとえば、金
属、ガラス、セラミックス、樹脂等の任意の材質の金型
を使用できる。
【0043】成形材料を加熱硬化する成形圧は、特に制
限はなく、任意の成形圧で成形できるが、好ましくは、
20〜250kg/cm2の範囲の成形圧より選ばれる。成形
圧が20kg/cm2未満であれば、成形時の充填が不十分と
なり成形性が低下する傾向がある。また、成形圧が25
0kg/cm2を超えると、金型に損傷の恐れがある。成形材
料を加熱硬化する成形温度は、特に制限はなく、任意の
成形温度で成形できるが、好ましくは、80〜150℃
の範囲の成形温度より選ばれる。成形温度が80℃未満
であれば、1回の成形作業に長時間要し、成形サイクル
が長くなり、つやがおちる傾向がある。また、成形温度
が150℃を超えると、成形時の発泡により得られるア
クリル人工大理石の物性が低下する傾向がある。
【0044】
【作用】この発明のアクリル樹脂プリミックスは、従来
にない比表面積、細孔、平均粒径、膨潤度等を有する樹
脂粒子を含有している。この樹脂粒子は、熱硬化した樹
脂であり、表面がポーラスで、しかも、ボア径が微小で
ある性質を有し、平均粒径が通常のフィラーよりも大き
い特性を有している。樹脂粒子の1日経過後の膨潤度が
低い性質は、樹脂粒子が熱硬化されたものであることに
起因している。
【0045】樹脂粒子のメチルメタクリレートに対する
初期吸油量が、比較的低い特性を有しているために、各
構成する成分を混合してアクリル樹脂プリミックスを製
造する際の粘度の上昇を抑制して十分に混練することが
できる。その結果、無機粉末および繊維補強剤を十分に
分散・含浸させてなるアクリル樹脂プリミックスが得ら
れる。また、樹脂粒子のメチルメタクリレートに対する
1日経過後の吸油量が初期吸油量よりも多い特性を有し
ているため、成形材料の粘度を高めて成形性を向上させ
ることが可能となる。
【0046】この発明のアクリル人工大理石の製造方法
は、上記のような混練性に優れたアクリル樹脂プリミッ
クスを使用し、アクリル樹脂プリミックスを製造後に1
日以上静置することによって、樹脂粒子のメチルメタク
リレートに対する吸油量が多くなり、成形材料の粘度を
高めることができ、その結果、成形性を向上させること
が可能となる。
【0047】
【実施例】以下、この発明の具体的な実施例および比較
例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。な
お、「部」は、重量部を示す。 ─実施例1─ メチルメタクリレート20部、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート25部、スチレンモノマー15部、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2部、
チヌビン320を0.5部の混合溶液に、ポリメチルメ
タクリレート40部を溶解して、アクリルシラップを得
た。このアクリルシラップと水酸化アルミニウム220
部、ステアリン酸亜鉛2部、tert−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート0.5部を双腕型ニーダ
ーで粘度が一定になるまで混練した後、前記混練したコ
ンパウンドにガラスチョップドストランドRES06B
M6(日本板硝子(株)製)を、これを添加した後のコ
ンパウンド全体の7重量%となる量を加えて、ガラス繊
維が完全に解せんし、コンパウンドに十分含浸するまで
混練した。ついで、マーベキャストY−BK((株)日
本触媒製)を100部加えてコンパウンドに十分含浸す
るまで混練して混練性を調べた。得られたコンパウンド
をプリフォームした後、密封し、25℃で1日間静置し
て熟成した。熟成後のコンパウンドを、チャージパター
ン100×100×50mmで、金型温度130/12
0℃(上型/下型)、成形圧力100kg/cm2で5分間保
持して成形し、寸法が300×300×6mm厚の成形
品が得られた。コンパウンド調製時の混練性および得ら
れたアクリル人工大理石の成形性は優れており、結果を
表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】─実施例2〜3─ 表1に示されている成分を同表に示す使用量用いて、実
施例1と同様にして、アクリル人工大理石が得られた。
実施例2および3ともに、コンパウンド調製時の混練性
および得られたアクリル人工大理石の成形性は優れてお
り、結果を表1に示す。
【0050】─比較例1〜4─ 表2に示されている成分を同表に示す使用量用いて、実
施例1と同様にして、アクリル人工大理石が得られた。
各比較例において、コンパウンド調製時の混練性および
得られたアクリル人工大理石の成形性を調べて結果を表
2に示す。比較例1では、樹脂粒子の代わりに、寒水砂
((株)日東粉化製のタイプ1厘)を使用したが成形性
が悪い。比較例2では、樹脂粒子を使用せず、無機粉末
およびガラス繊維の使用量を増やしたが、得られたアク
リル人工大理石の成形性は十分ではない。比較例3で
も、得られたアクリル人工大理石の成形性は十分ではな
い。比較例4では、コンパウンド調製時の混練性が悪
く、成形品の外観も良くない。
【0051】
【表2】
【0052】上記の実施例1〜3および比較例1で使用
したマーベキャストY−BKおよび寒水砂の物性を表3
に示す。これらの物性の測定方法を以下の1〜5に示
す。1.メチルメタクリレート対する吸油量の測定方法 不織布製のティーバック(ホッチキスを取り開いた寸
法:5cm×15cm)を用意し、ティーバックのホッ
チキスを取り除いて、ティーバックの袋に破れおよびピ
ンホール等のないことを確認した後、ティーバックの袋
を精秤した(この値をS0 gとする。)。サンプル約2
gを薬包紙に秤取し、ティーバックの袋のW型の折り込
みの底部を広げずに両口より、約1gずつサンプルを入
れて精秤した(この値をS1 gとする。)。ティーバッ
クの袋に付いた木綿糸をホッチキスで固定して、メチル
メタクリレート100mlを入れたビーカーのほぼ中央
部に浸すと同時に、ストップウオォッチを始動させる。
手持ちの紙部は濡らさぬように、ビーカーの外へ出し
て、メチルメタクリレートの蒸発を防ぐためにアルミホ
イルでビーカーを覆った。なお、ティーバックが液面よ
り露出する場合は、メチルメタクリレートを適宜補充し
た。所定時間後、ティーバックの紙部を引き上げ、ビー
カーの壁面で5秒間静置した後、テッシュペーパー3枚
を4つ折りにした上に置いた。10秒間後にビーカーに
ティーバックを入れ、すぐにアルミホイルで密閉して、
精秤した(この値をS2 gとする。)。サンプルをティ
ーバックに入れないブランクを上記と同様に行いブラン
ク値を求めた(この値をSb gとする。)。
【0053】メチルメタクリレート対する吸油量は、下
式により算出される。 2.メチルメタクリレート対する膨潤度の測定方法 メスシリンダーにメチルメタクリレートとサンプルを入
れ、メスシリンダーに入れた直後および1日後のサンプ
ルの体積を測定し、その比率をメチルメタクリレート対
する膨潤度とした。3.平均粒径の測定方法 標準ふるいでふるい分けを行った。ふるいの網目の大き
さ毎に網目を通過する粒子の重量分布を求め、累積重量
が全粒子重量の50重量%に相当する網目の大きさを平
均粒径とした。4.比表面積の測定方法 (株)湯浅アイオニクス製のモノソーブBを使用して、
窒素吸着法で測定した。5.細孔分布の測定方法 (株)湯浅アイオニクス製のオートソーブ6を使用し
て、窒素吸着法で測定した。
【0054】
【表3】
【0055】表3より5分間後および1日後のメチルメ
タクリレートに対する吸油量を比較すると、寒水砂は5
分間後および1日後の吸油量に差がなく、しかも、その
吸油量はマーベキャストY−BKより低いのに対して、
マーベキャストY−BKは時間の経過とともに、吸油量
が増えている。マーベキャストY−BKの比表面積は寒
水砂の50倍以上も大きく、細孔容積も同様に大きい。
また、マーベキャストY−BKは、1日後にメチルメタ
クリレートに対してほとんど膨潤しない。
【0056】
【発明の効果】従来のアクリル樹脂プリミックスは、成
形時に粘度を上げるのが困難であるために、アクリル樹
脂プリミックス中に無機粉末を多量に使用する必要があ
り、その結果、アクリル樹脂プリミックスを製造する際
にシェアが高くなって混練性が低下するという問題があ
った。また、短時間でアクリル樹脂プリミックスを成形
する場合、成形効率向上を目的として高温で成形する
と、金型付着のために成形品表面の転写性が悪く、成形
品は透明感に欠けたものとなり、成形性に問題があっ
た。これに対して、この発明のアクリル樹脂プリミック
スに使用される樹脂粒子のメチルメタクリレートに対す
る初期吸油量が、比較的低い特性を有し、各成分を混合
してアクリル樹脂プリミックスを製造する過程において
は、粘度が適度に低いために、無機粉末の分散および繊
維補強剤の含浸を十分にすることができ、良好な混練性
を有している。また、樹脂粒子のメチルメタクリレート
に対する1日経過後の吸油量が、初期吸油量よりも多い
特性を有しているので、成形材料の粘度を高めて成形性
を向上させることが可能である。
【0057】この発明のアクリル人工大理石の製造方法
は、混練性に優れたアクリル樹脂プリミックスを使用
し、アクリル樹脂プリミックスを製造後に1日以上静置
することによって、樹脂粒子のメチルメタクリレートに
対する吸油量が多くなり、成形材料の粘度を高めること
ができ、アクリル人工大理石を成形性よく製造すること
ができる。
【0058】この発明のアクリル樹脂プリミックスから
は、樹脂粒子とマトリックスの色調を調整することによ
り、両者間に明確な境目を有する御影調の成形品を得る
ことができる。また、樹脂粒子とマトリックスの色調を
調整することにより、単一色の成形品を得ることができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルメタクリレートを主体とする不飽
    和単量体とメチルメタクリレートの重合体を主体とする
    ポリマーを主成分とするアクリルシラップ(A)100
    重量部に対して、無機粉末(B)180〜260重量部
    と、無機粉末を含有する樹脂粒子(C)60〜140重
    量部を配合してなり、前記無機粉末を含有する樹脂粒子
    (C)は、メチルメタクリレートに不溶であり、メチル
    メタクリレートに対する1日経過後の吸油量が40〜1
    00重量%であり、かつ、メチルメタクリレートに対す
    る膨潤度が2倍以下であるアクリル樹脂プリミックス。
  2. 【請求項2】 無機粉末を含有する樹脂粒子(C)の平
    均粒径が0.1〜3mmである請求項1記載のアクリル
    樹脂プリミックス。
  3. 【請求項3】 無機粉末を含有する樹脂粒子(C)の比
    表面積が10〜30m2/gの範囲である請求項1または2
    記載のアクリル樹脂プリミックス。
  4. 【請求項4】 無機粉末を含有する樹脂粒子(C)は、
    細孔を有し、その全細孔容積が0.005〜0.01m
    l/gであり、半径300オングストローム以下の細孔
    が全細孔の50容積%以上である請求項1から3までの
    いずれかに記載のアクリル樹脂プリミックス。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    アクリル樹脂プリミックスに重合開始剤を含ませてなる
    成形材料を加熱硬化することによりアクリル人工大理石
    を得る人工大理石の製造方法。
JP5333501A 1993-12-27 1993-12-27 アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法 Pending JPH07188505A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333501A JPH07188505A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333501A JPH07188505A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07188505A true JPH07188505A (ja) 1995-07-25

Family

ID=18266764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5333501A Pending JPH07188505A (ja) 1993-12-27 1993-12-27 アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07188505A (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0912823A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 合成樹脂成形材料及び該合成樹脂成形材料による成形物の製造方法
WO1997040098A1 (fr) * 1996-04-19 1997-10-30 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Composition de resine acrylique, premelanges acryliques, procede de production de marbre artificiel acrylique et agent epaississant
WO1998013401A1 (de) * 1996-09-23 1998-04-02 Schock & Co. Gmbh Kunststofformkörper
JPH10158332A (ja) * 1996-11-29 1998-06-16 Kuraray Co Ltd アクリルシラップの製造方法
JPH10279765A (ja) * 1997-04-09 1998-10-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル系樹脂組成物、アクリル系プレミックス、アクリル系人工大理石の製造方法及び増粘剤
WO1998046679A1 (fr) * 1997-04-14 1998-10-22 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Premix (meth)acrylique, smc ou bmc (meth)acrylique, et procede de fabrication de marbre artificiel (meth)acrylique
JPH11158222A (ja) * 1997-09-09 1999-06-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd (メタ)アクリル系プレミックス、(メタ)アクリル系smc又はbmc、及び(メタ)アクリル系人工大理石の製造方法
EP0982363A1 (en) * 1997-05-14 2000-03-01 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. (meth)acrylic resin composition for thermoset injection molding, process for the preparation of the composition, and process for the production of moldings of (meth)acrylic resins
US6174954B1 (en) 1997-10-29 2001-01-16 Sumitomo Chemical Company, Limited Resin composition, artificial marble obtained by molding composition and production thereof
US6191229B1 (en) * 1995-10-06 2001-02-20 Nippon Shokubai Co., Ltd. (Meth)acryl syrup, method of manufacturing the same, and method of manufacturing molding material including the same
JP2001064062A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Matsushita Electric Works Ltd 人造大理石の組成物
JP2001294467A (ja) * 2000-04-07 2001-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人工大理石成形体
US6316548B1 (en) 1997-04-14 2001-11-13 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. (Meth)acrylic premix, (meth)acrylic SMC or BMC, and process producing (meth)acrylic artificial marble
US6974784B1 (en) 1999-03-16 2005-12-13 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Sheet-form photocurable material
JP2010047766A (ja) * 2009-10-21 2010-03-04 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc アクリルシラップ
JP2016180024A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 国立大学法人 岡山大学 組成物及びその製造方法
JP2017057373A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 硬化性樹脂成形体
JP2017057250A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 建築部材、並びにそれを用いた人造大理石及び建材一体型照明器具
JP2020158370A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 クリナップ株式会社 樹脂部材およびシステムキッチン

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0912823A (ja) * 1995-06-29 1997-01-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 合成樹脂成形材料及び該合成樹脂成形材料による成形物の製造方法
US6191229B1 (en) * 1995-10-06 2001-02-20 Nippon Shokubai Co., Ltd. (Meth)acryl syrup, method of manufacturing the same, and method of manufacturing molding material including the same
WO1997040098A1 (fr) * 1996-04-19 1997-10-30 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Composition de resine acrylique, premelanges acryliques, procede de production de marbre artificiel acrylique et agent epaississant
US6323259B1 (en) 1996-04-19 2001-11-27 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Acrylic resin composition, acrylic premix, process for producing acrylic artificial marble and thickening agent
WO1998013401A1 (de) * 1996-09-23 1998-04-02 Schock & Co. Gmbh Kunststofformkörper
US6525122B1 (en) 1996-09-23 2003-02-25 Schock & Co. Gmbh Plastics moldings
JPH10158332A (ja) * 1996-11-29 1998-06-16 Kuraray Co Ltd アクリルシラップの製造方法
JPH10279765A (ja) * 1997-04-09 1998-10-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル系樹脂組成物、アクリル系プレミックス、アクリル系人工大理石の製造方法及び増粘剤
WO1998046679A1 (fr) * 1997-04-14 1998-10-22 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Premix (meth)acrylique, smc ou bmc (meth)acrylique, et procede de fabrication de marbre artificiel (meth)acrylique
US6316548B1 (en) 1997-04-14 2001-11-13 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. (Meth)acrylic premix, (meth)acrylic SMC or BMC, and process producing (meth)acrylic artificial marble
EP0982363A4 (en) * 1997-05-14 2001-03-21 Mitsubishi Rayon Co COMPOSITION OF (METH) ACRYLIC RESINS FOR THERMOSETTING INJECTION MOLDED MATERIAL, PROCESS FOR PREPARING THE SAME, AND PROCESS FOR PRODUCING MOLDED PARTS OF (METH) ACRYLIC RESIN
EP0982363A1 (en) * 1997-05-14 2000-03-01 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. (meth)acrylic resin composition for thermoset injection molding, process for the preparation of the composition, and process for the production of moldings of (meth)acrylic resins
JPH11158222A (ja) * 1997-09-09 1999-06-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd (メタ)アクリル系プレミックス、(メタ)アクリル系smc又はbmc、及び(メタ)アクリル系人工大理石の製造方法
US6174954B1 (en) 1997-10-29 2001-01-16 Sumitomo Chemical Company, Limited Resin composition, artificial marble obtained by molding composition and production thereof
US6974784B1 (en) 1999-03-16 2005-12-13 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Sheet-form photocurable material
JP2001064062A (ja) * 1999-08-26 2001-03-13 Matsushita Electric Works Ltd 人造大理石の組成物
JP2001294467A (ja) * 2000-04-07 2001-10-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人工大理石成形体
JP2010047766A (ja) * 2009-10-21 2010-03-04 Mitsubishi Gas Chemical Co Inc アクリルシラップ
JP2016180024A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 国立大学法人 岡山大学 組成物及びその製造方法
JP2017057373A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 硬化性樹脂成形体
JP2017057250A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 建築部材、並びにそれを用いた人造大理石及び建材一体型照明器具
JP2020158370A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 クリナップ株式会社 樹脂部材およびシステムキッチン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07188505A (ja) アクリル樹脂プリミックスおよび人工大理石の製造方法
JP4377055B2 (ja) アクリル系プレミックス、アクリル系人工大理石、及びその製造方法
JPS58171432A (ja) 充填剤入りポリメチルメタクリレート物品およびその製法
EP0976786A1 (en) (meth)acrylic premix, (meth)acrylic smc or bmc, and process for producing (meth)acrylic artificial marble
EP0982363A1 (en) (meth)acrylic resin composition for thermoset injection molding, process for the preparation of the composition, and process for the production of moldings of (meth)acrylic resins
JP3139685B2 (ja) アクリル樹脂プリミックスおよびアクリル人工大理石の製造方法
JP3225180B2 (ja) 石目調人工大理石
JP3482287B2 (ja) 圧縮成形用材料及びそれを用いた樹脂成形物
JP3527638B2 (ja) (メタ)アクリル系プレミックス、(メタ)アクリル系smc又はbmc、及び(メタ)アクリル系人工大理石の製造方法
JPH1171418A (ja) (メタ)アクリル系プレミックス、(メタ)アクリル系smc又はbmc、及び(メタ)アクリル系人工大理石の製造方法
JPS6345160A (ja) 天然石調製品の製法
JP2003266449A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2001038724A (ja) アクリル系シート・モールディング・コンパウンド(smc)、そのsmcを用いたアクリル系樹脂成形品、およびその製造方法
JP3157698B2 (ja) 石目調人工大理石
JP3370549B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系プレミックス、アクリル系人工大理石の製造方法及び増粘剤
JP3370546B2 (ja) アクリル系プレミックス及び石目調アクリル系人工大理石
JPS6157644A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP3433890B2 (ja) アクリル系樹脂組成物、アクリル系プレミックス、アクリル系smc又はbmc、及びアクリル系人工大理石の製造方法
JP3545944B2 (ja) (メタ)アクリル系プレミックス、(メタ)アクリル系smc又はbmc、及び(メタ)アクリル系人工大理石の製造方法
JPS6227101B2 (ja)
JP3443012B2 (ja) (メタ)アクリル系プレミックス、(メタ)アクリル系smc又はbmc、及び(メタ)アクリル系人工大理石の製造方法
JPH1160647A (ja) アクリル系プレミックス、アクリル系smc又はbmc、及びアクリル系人工大理石の製造方法
JPH0733498A (ja) 御影石調模様注型成形品の製造方法
JPH10219069A (ja) 樹脂組成物の製造方法
JPH10204246A (ja) 熱硬化性樹脂組成物、成形材料及びそれを用いた成形物