JP2003266449A - 人造大理石の製造方法 - Google Patents

人造大理石の製造方法

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JP2003266449A
JP2003266449A JP2002072948A JP2002072948A JP2003266449A JP 2003266449 A JP2003266449 A JP 2003266449A JP 2002072948 A JP2002072948 A JP 2002072948A JP 2002072948 A JP2002072948 A JP 2002072948A JP 2003266449 A JP2003266449 A JP 2003266449A
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artificial marble
resin
ultraviolet absorber
resin composition
parts
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JP2002072948A
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Kiyomi Tagawa
清美 田川
Naoaki Ikejima
直明 池島
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加された紫外線吸収剤がブリードアウトし
たり、昇華してしまったり、温水あるいはアルコール等
の溶剤中に溶出したり、あるいは酸やアルカリとの接触
でその効力が失われたりするようなことがなく、長期
間、日光等の光の照射を受けても変色しにくい人造大理
石を得るための人造大理石の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂に添加物を配合した樹脂組
成物を注型用金型に注入し、成形硬化することにより人
造大理石を形成する人造大理石の製造方法に関する。樹
脂組成物中に高分子型紫外線吸収剤を配合する。紫外線
吸収剤が人造大理石の成形体中に強固に固定されて、紫
外線吸収剤が人造大理石から分離しにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具の部材や建材
等として用いられる人造大理石の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂に充填材、補強材、内部離型
剤、硬化剤等の添加物を配合した樹脂組成物を所望の形
状を有する注型金型に注入し、加熱硬化させることによ
って人造大理石を形成することが知られていた。
【0003】このような人造大理石を製造するための原
料となる樹脂としては、従来からポリエステル系、アク
リル系、ビニルエステル系などが用いられてきた。
【0004】これらを活用した人造大理石の成形品は、
洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボー
ル等に利用されている。
【0005】通常、これらの人造大理石成形品の耐候性
能(日光による耐変色性)を向上する手段として、紫外
線吸収剤を添加配合することが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられていた紫外線吸収剤は、一定の分子構造を有する
単一添加型のものであり、これらを添加配合して得られ
た人造大理石は、添加した紫外線吸収剤がブリードアウ
トしたり、昇華してしまったり、温水あるいはアルコー
ルなどの溶剤で溶け出したり、酸やアルカリとの接触で
その効力が失われたりして、耐候性能の長期間の維持に
問題があった。その結果、紫外線吸収剤を添加して耐候
性を向上したにもかかわらず、得られる人造大理石成形
品が日光などの光の影響を受けてその部分が変色してし
まい、商品としての価値を落としてしまうといった事態
が生じてしまうものであった。このため、長期間、日光
などの光が当たっても変色に強い人造大理石成形品が望
まれていた。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、添加された紫外線吸収剤がブリードアウトした
り、昇華してしまったり、温水あるいはアルコール等の
溶剤中に溶出したり、あるいは酸やアルカリとの接触で
その効力が失われたりするようなことがなく、長期間、
日光等の光の照射を受けても変色しにくい人造大理石を
得るための人造大理石の製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る人造大理石
の製造方法は、熱硬化性樹脂に添加物を配合した樹脂組
成物を注型用金型に注入し、成形硬化することにより人
造大理石を形成する人造大理石の製造方法において、樹
脂組成物中に高分子型紫外線吸収剤を配合することを特
徴とするものである。
【0009】上記の高分子型紫外線吸収剤としては、ベ
ンゾトリアゾールの骨格にメタクリロイル基を導入した
化合物とメタクリル酸メチルとが共重合した構造を有す
るものと、ベンゾトリアゾールの骨格にメタクリロイル
基を導入した化合物とスチレンとが共重合した構造を有
するもののうち、少なくとも一方を用いることが好まし
い。
【0010】また樹脂組成物中の高分子型紫外線吸収剤
の配合量は、樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対
して0.05〜50.0重量部とすることが好ましい。
【0011】また熱硬化性樹脂としては、ポリエステル
樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のう
ちの一種又は二種以上を用いることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】人造大理石の製造に用いられる樹脂組成物
は、樹脂成分、充填材、補強材、内部離型剤、硬化剤等
を含有する。
【0014】また本発明では、この樹脂組成物中に、高
分子型紫外線吸収剤を必須成分として配合する。
【0015】この高分子型紫外線吸収剤としては、好ま
しくは平均分子量が1000〜20000の範囲のもの
が用いられる。
【0016】具体的な高分子型紫外線吸収剤としては、
下記化学式(1)に示されるような、ベンゾトリアゾー
ルの骨格にメタクリロイル基を導入した化合物とメタク
リル酸メチルとが共重合した構造を有する共重合型(コ
ポリマー型)のものや、下記化学式(2)に示されるよ
うな、ベンゾトリアゾールの骨格にメタクリロイル基を
導入した化合物とスチレンとが共重合した構造を有する
共重合型(コポリマー型)のものが挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】ここで、上記の化学式(1)中における、
mとnの値はmが2〜50、nが4〜150の範囲であ
ることが好ましく、また上記化学式(2)中におけるm
とnの値はmが2〜150の範囲であり、nが4から1
50の範囲であることが好ましい。
【0020】このような高分子型紫外線吸収剤は、一種
のみを配合しても良く、また化学式(1)に示されるも
のと化学式(2)に示されるものを適宜の配合割合で配
合するなどして、二種以上の高分子型紫外線吸収剤を適
宜の割合で配合するようにしても良い。
【0021】この高分子型紫外線吸収剤の配合量は、後
述するような耐候性を十分に維持するためには、樹脂組
成物中の樹脂成分の総量100質量部に対して、0.0
5質量部以上とすることが望ましい。また、この高分子
型紫外線吸収剤の配合量が多くなりすぎると、耐候性以
外の人造大理石の種々の性能が低下するおそれがあり、
またコストアップにも繋がるため、高分子型紫外線吸収
剤の配合量の上限は、総量100質量部に対して50.
0質量部とすることが好ましい。
【0022】また樹脂組成物中に配合される樹脂成分
は、熱硬化性樹脂に必要に応じて架橋剤が配合されたも
のであり、人造大理石の製造に通常用いられる適宜の樹
脂成分を用いることができるが、ポリエステル樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂のうちのいず
れか一種を用い、あるいは二種以上を併用することが好
ましい。
【0023】ポリエステル樹脂としては、例えば無水マ
レイン酸のような不飽和二塩基酸及び無水フタル酸のよ
うな飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合
成され、分子内に不飽和結合とエステル結合とを有する
熱硬化型のものを用いることができる。また通常、この
ポリエステル樹脂としては、架橋剤としてスチレンモノ
マー、アクリルモノマー等が配合されている不飽和ポリ
エステル樹脂と称されるものが用いられるが、特にこの
ような形態に限定されるものではない。
【0024】ビニルエステル樹脂としてはビスフェノー
ル型ビニルエステル樹脂又はノボラック型ビニルエステ
ル樹脂のうちの、いずれか一方又は双方を用いることが
できる。
【0025】ここで、ビスフェノール型ビニルエステル
樹脂とは、ビスフェノール型エポキシ樹脂と適宜の酸と
の付加反応物であり、またノボラック型エポキシ樹脂は
ノボラック型エポキシ樹脂と適宜の酸との付加反応物で
あって、いずれも両末端のみに反応性付加反応物を有す
る。ビスフェノール型ビニルエステル樹脂を得るための
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、
ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができ
る。
【0026】また通常、ビニルエステル樹脂には、架橋
剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合
されているが、特にこのような形態に限定されるもので
はない。
【0027】熱硬化型アクリル樹脂としては、通常、メ
チルメタアクリレートモノマー、多官能のアクリルモノ
マー、あるいはこれらのプレポリマー、あるいはこれら
のポリマーのうち、二種以上のものを含有する通常アク
リルシロップ樹脂と称される熱硬化型のものを用いるこ
とができるが、特にこのような形態に限定されるもので
はない。
【0028】またポリエステル樹脂としては、無水マレ
イン酸のような不飽和二塩基酸及び無水フタル酸のよう
な飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成
され、分子内に不飽和結合とエステル結合とを有する熱
硬化型のものを用いることができる。また通常、このポ
リエステル樹脂としては、架橋剤としてスチレンモノマ
ー、アクリルモノマー等が配合されている不飽和ポリエ
ステル樹脂と称されるものが用いられるが、特にこのよ
うな形態に限定されるものではない。
【0029】また熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうち
の二種以上の混合系とする場合は、それぞれの樹脂の有
する特性、充填材との相互作用などにより、目的とする
製品の物性等に適合した適宜の割合で配合されるもので
あり、その配合比は特に限定されるものではない。
【0030】また、充填材としては水酸化アルミニウ
ム、シリカ、ガラスパウダー等の適宜のものを用いるこ
とができ、これらを一種のみ用い、あるいは二種以上を
併用することができる。
【0031】このような充填材の配合量は制限されるも
のではないが、熱硬化性樹脂の総量100質量部に対し
て100〜300質量部とすることが好ましい。配合量
がこの範囲に満たないと、得られる人造大理石の耐衝撃
強度は向上することができるが、充分な耐熱性が得られ
ないおそれがあり、またこの範囲を超えると充分な耐熱
性は得られるものの、耐衝撃強度を充分に向上すること
ができなくなるおそれがある。
【0032】また充填材の粒径は小さいほど人造大理石
の耐衝撃強度を向上することができるが、この粒径があ
まりにも小さいと樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて
成形性が悪化し、人造大理石を製造することが困難とな
る傾向が生じ、また粒径が大きくなりすぎると樹脂組成
物の粘度は低下して成形性の悪化の問題は生じないが、
得られる人造大理石の耐衝撃強度が低下してしまう傾向
が生じる。このため、これらのことを考慮して充填材の
粒径を選択することが好ましく、特に平均粒径が5〜5
0μmの充填材を用いることが好ましいが、この範囲に
制限されるものではない。
【0033】また充填材の表面に予めシランカップリン
グ剤処理を施しておくと、樹脂組成物中において充填材
と樹脂成分との密着性を向上することができ、更に充填
材の分散性も向上することができて、得られる人造大理
石の耐衝撃強度を更に向上することができるものであ
る。シランカップリング剤としては、γ−(メタクリロ
イルオキシプロピル)トリメトキシシラン等を用いるこ
とができる。
【0034】また、硬化剤としては、1,1,3,3−
テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエー
トや、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート等を用いることができる。この硬化剤の配合割合
は、例えば樹脂成分としてビニルエステル樹脂を用いる
場合には、熱硬化性樹脂と架橋剤との総量100質量部
に対して、0.5〜5質量部とすることが好ましい。
【0035】また、樹脂組成物には必要に応じて、減粘
剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもで
き、またより高級感のある外観を付与するために適宜の
柄材を配合することもできる。
【0036】樹脂組成物は、上記のような配合成分を所
定の割合で配合し、攪拌機等により撹拌混合することに
よって調製される。
【0037】樹脂組成物から人造大理石を製造するにあ
たっては、まず樹脂組成物を2.7〜6.7kPa(2
0〜50Torr)程度の減圧下で5〜30分間攪拌す
ることにより脱泡する。このようにして脱泡された樹脂
組成物を、減圧状態から開圧し、所定形状の金型内へ注
入して、この金型を適宜の条件下、例えば50〜110
℃の温度で30〜120分間加熱することにより、樹脂
組成物中の熱硬化性樹脂の重合反応を進行させて、硬化
成形を行うことができる。
【0038】このように加熱することによって、樹脂組
成物中の反応性不飽和基と重合性モノマーとの共重合反
応を進行させるなどして、樹脂成分の重合反応を進行さ
せ、樹脂組成物を硬化成形した人造大理石を得ることが
できる。
【0039】このような樹脂組成物の成形硬化の過程に
おいては、本発明では樹脂組成物中に上記のような分子
量の大きい高分子型紫外線吸収剤を配合しているため、
高分子型紫外線吸収剤は樹脂成分、充填材、その他の添
加剤との相溶性あるいは密着性が高くなり、高分子型紫
外線吸収剤は成形体中に強固に固定されることとなる。
このため、紫外線吸収剤が人造大理石から分離しにくく
なり、紫外線吸収剤のブリードアウトや昇華が生じにく
くなる。また人造大理石に温水やアルコール等の溶剤と
接触しても紫外線吸収剤は溶出しにくくなり、また酸や
アルカリと接触しても紫外線吸収剤の効力が損なわれに
くくなる。
【0040】従って、人造大理石は長期間に亘って紫外
線吸収剤による紫外線吸収能が維持されることとなり、
長期間、日光等の光の照射を受けても変色しにくくなっ
て、優れた耐候性を有するものである。
【0041】このような人造大理石の成形品は、例えば
洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボー
ル、あるいは床材や家具の表面材等に使用することがで
きる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0043】(実施例1)熱硬化性樹脂としてビニルエ
ステル樹脂(武田薬品工業株式会社製「プロミネートP
−311」)を用い、この熱硬化性樹脂100質量部に
対して、充填材として水酸化アルミニウム(昭和電工株
式会社製「H−320」;平均粒径10μm)を125
質量部配合した。これに白色、黒色、茶色の各柄材を、
それぞれ3質量部、4質量部、2質量部、着色剤として
白のトナーを0.3重量部、上記化学式(1)に示され
る高分子型紫外線吸収剤(大塚化学株式会社製、「PU
VA−30M」、平均分子量約10000)を2.5質
量部添加した。これに更に硬化剤(日本油脂株式会社製
「パーキュアーWO」)を2.0質量部添加して、樹脂
組成物を得た。
【0044】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度100℃で110分間加熱し
て、グラニット調の厚み15mmの平板状の人造大理石
を得た。
【0045】(実施例2)熱硬化性樹脂としてポリエス
テル樹脂(武田薬品工業株式会社製「ポリマール545
0」)を用い、この熱硬化性樹脂100質量部に対し
て、充填材として水酸化アルミニウム(日本軽金属株式
会社製「BW−103」;平均粒径8μm)を145質
量%配合した。これに、白色、黒色、茶色の各柄材を、
それぞれ2.5質量部、2質量部、3質量部、着色剤と
して白のトナーを0.3重量部、上記化学式(2)に示
される高分子型紫外線吸収剤(大塚化学株式会社製、
「PUVA−30S」、平均分子量約10000)を
5.5質量部添加した。これに更に硬化剤(日本油脂株
式会社製「パーキュアーWO」)を2.0質量部添加し
て、樹脂組成物を得た。
【0046】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度100℃で110分間加熱し
て、グラニット調の厚み15mmの平板状の人造大理石
を得た。
【0047】(実施例3)熱硬化性樹脂として、アクリ
ルシロップ樹脂(日本フェロー株式会社製「AC−0
2」)を用い、この熱硬化性樹脂100質量部に対して
充填材としてシリカ(龍森株式会社製「CRYSTAL
ITE M−3K」;平均粒径20μm)を130質量
部配合した。これに白色、黒色、茶色の各柄材を、それ
ぞれ2.5質量部、3質量部、3質量部、着色剤として
白のトナーを0.3重量部、上記化学式(1)に示され
る高分子型紫外線吸収剤(大塚化学株式会社製、「PU
VA−30M」、平均分子量約10000)を4.8質
量部添加した。これに更に硬化剤(化薬アクゾ株式会社
製「パーカドックス16」)を2.0質量部添加して、
樹脂組成物を得た。
【0048】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度90℃で120分間加熱し
て、グラニット調の厚み15mmの平板状の人造大理石
を得た。
【0049】(実施例4)熱硬化性樹脂としてビニルエ
ステル樹脂(昭和高分子株式会社製「リポキシR−80
4」)と、ポリエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製
「ポリマール5250」)を80/20の質量比で配合
し、この混合樹脂100質量部に対して、充填材として
水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製「H−32
0」;平均粒径10μm)とガラスパウダー(日本フリ
ット株式会社製「GF−2−30A」;平均粒径30μ
m)を90/10の質量比で混合したものを150質量
部配合した。これに白色、黒色、茶色の各柄材を、それ
ぞれ3.5質量部、2.5質量部、3.5質量部、着色
剤として白のトナーを0.3重量部、上記化学式(2)
に示される高分子型紫外線吸収剤(大塚化学株式会社
製、「PUVA−30S」、平均分子量約10000)
を3.5質量部添加した。これに更に硬化剤(日本油脂
株式会社製「パーキュアHO」)を3.0質量部添加し
て、樹脂組成物を得た。
【0050】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度100℃で120分間加熱し
て、グラニット調の厚み15mmの平板状の人造大理石
を得た。
【0051】(実施例5)熱硬化性樹脂としてビニルエ
ステル樹脂(昭和高分子株式会社製「リポキシR−80
6」)と、アクリルシロップ樹脂(三井化学株式会社製
「XE924−1」)を95/5の質量比で配合し、こ
の混合樹脂100質量部に対して、充填材として水酸化
アルミニウム(住友化学株式会社製「CW−316」;
平均粒径15μm)とガラスパウダー(日本フリット株
式会社製「GF−2−30A」;平均粒径30μm)を
95/5の質量比で混合したものを140質量部配合し
た。これに白色、黒色、茶色の各柄材を、それぞれ4質
量部、3質量部、4質量部、着色剤として白のトナーを
0.3重量部、上記化学式(1)に示される高分子型紫
外線吸収剤(大塚化学株式会社製、「PUVA−30
M」、平均分子量約10000)を6.0質量部添加し
た。これに更に硬化剤(日本油脂株式会社製「パーキュ
アHO」)を3.0質量部添加して、樹脂組成物を得
た。
【0052】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度100℃で110分間加熱し
て、グラニット調の厚み15mmの平板状の人造大理石
を得た。
【0053】(比較例1〜5)実施例1〜5において、
樹脂組成物中に配合する紫外線吸収剤として、上記の高
分子型紫外線吸収剤に代えて、下記化学式(3)に示す
構造を有する添加型紫外線吸収剤(2−(5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール;チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「TINUVI
N P」、分子量225.3)を用い、その配合量を実
施例1〜5における高分子型紫外線吸収剤の配合量の3
0%相当となるようにし、それ以外は実施例1〜5と同
一組成となるようにして、樹脂組成物を調製した。すな
わち、比較例1〜5では、樹脂成分の総量100質量部
に対する添加型紫外線吸収剤の配合量が、それぞれ0.
75質量部、1.65質量部、1.44質量部、2.1
質量部、3.15質量部となるようにした。
【0054】
【化3】
【0055】そして、比較例1〜5につき、それぞれ実
施例1〜5と同一条件にて樹脂組成物を成形硬化させ
て、グラニット調の厚み15mmの平板状の人造大理石
を得た。
【0056】(評価試験)以上の各実施例及び各比較例
にて得られた人造大理石の色調を色差計にて測定した
後、屋外の曝露台に4ヶ月間放置した。そしてこの曝露
後の人造大理石の色調を色差計にて測定し、曝露前後の
色差(ΔE)を導出した。この結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】以上の結果のように、実施例1と比較例
1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例
4と比較例4、及び実施例5と比較例5とを比較する
と、紫外線吸収剤を変更した以外は樹脂組成物が同一組
成とした場合には、高分子型紫外線吸収剤を用いた各実
施例のほうが、より色差が小さくなり、長期間の曝露に
おいても色調の変化が低減されたことがわかる。
【0059】
【発明の効果】上記のように本発明に係る人造大理石の
製造方法は、熱硬化性樹脂に添加物を配合した樹脂組成
物を注型用金型に注入し、成形硬化することにより人造
大理石を形成する人造大理石の製造方法において、樹脂
組成物中に高分子型紫外線吸収剤を配合するため、樹脂
組成物の成形硬化の過程において高分子型紫外線吸収剤
は成形体中に強固に固定されることとなって、紫外線吸
収剤が人造大理石から分離しにくくなり、紫外線吸収剤
のブリードアウトや昇華が生じにくくなるものであり、
また人造大理石に温水やアルコール等の溶剤と接触して
も紫外線吸収剤は溶出しにくくなり、また酸やアルカリ
と接触しても紫外線吸収剤の効力が損なわれにくくな
る。従って、長期間に亘って紫外線吸収剤による紫外線
吸収能が維持され、長期間、日光等の光の照射を受けて
も変色しにくくなって、優れた耐候性を有する人造大理
石を得ることができるものである。
【0060】また高分子型紫外線吸収剤として、ベンゾ
トリアゾールの骨格にメタクリロイル基を導入した化合
物とメタクリル酸メチルとが共重合した構造を有するも
のを用いると、特に優れた耐候性を有する人造大理石を
得ることができるものである。
【0061】また高分子型紫外線吸収剤として、ベンゾ
トリアゾールの骨格にメタクリロイル基を導入した化合
物とスチレンとが共重合した構造を有するものを用いる
ようにしても、特に優れた耐候性を有する人造大理石を
得ることができるものである。
【0062】また樹脂組成物中の高分子型紫外線吸収剤
の配合量を、樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対
して0.05〜50.0重量部とすると、特に優れた耐
候性を有する人造大理石を得ることができるものであ
る。
【0063】また熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうち
の一種又は二種以上を用いると、それぞれの樹脂の有す
る特性に応じて配合割合を調整することにより、目的と
する製品に適した物性を有する人造大理石を得ることが
できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F204 AA36 AA41 AA43 AB03 AB06 AB19 AH44 EA03 EB01 EF01 EF02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂に添加物を配合した樹脂組
    成物を注型用金型に注入し、成形硬化することにより人
    造大理石を形成する人造大理石の製造方法において、樹
    脂組成物中に高分子型紫外線吸収剤を配合することを特
    徴とする人造大理石の製造方法。
  2. 【請求項2】 高分子型紫外線吸収剤として、ベンゾト
    リアゾールの骨格にメタクリロイル基を導入した化合物
    とメタクリル酸メチルとが共重合した構造を有するもの
    を用いることを特徴とする請求項1に記載の人造大理石
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 高分子型紫外線吸収剤として、ベンゾト
    リアゾールの骨格にメタクリロイル基を導入した化合物
    とスチレンとが共重合した構造を有するものを用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の人造大理石の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物中の高分子型紫外線吸収剤の
    配合量を、樹脂組成物中の樹脂成分100重量部に対し
    て0.05〜50.0重量部とすることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の人造大理石の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹
    脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうち
    の一種又は二種以上を用いることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の人造大理石の製造方法。
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