JP2004175612A - 人造大理石製造用の樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明感の制御を簡単に行うことができ、尚且つこの透明感の制御により深み感を得ることができ、従来にない高い意匠性やデザイン性を付与できる人造大理石製造用の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合する。
【解決手段】熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂に、充填剤、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の形状を有する注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を製造することが知られている。人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、家具の部材、建材等に幅広く利用されている。
【0003】
また人造大理石製造用の樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の屈折率と充填剤の屈折率とを略同じにし、これによって人造大理石成形品の透明感を向上させて高級感を演出し、商品価値を高めたものも知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−67056号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記特許文献1に示す従来例においては、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の屈折率と充填剤の屈折率とを略同じにすることで透明感を向上することは出来るものの、人造大理石成形品の透明感は樹脂組成物中の熱硬化性樹脂及び充填剤の夫々の光の屈折率で決まってしまうため、透明感の制御が難しく、特に充填剤を単独系で配合したものにおいては透明感の制御が非常に困難であった。これにより人造大理石成形品の外観は単に透明なものとなってしまい、このような人造大理石成形品は深み感(深い透明感)がなく、その外観が天然の大理石とかけ離れたものとなってしまっていた。また深み感を出すための透明感の制御としては、着色剤のような隠蔽力の強いものの添加量を調整することで透明感の制御を行う方法が考えられるが、着色剤の添加量を多くしたり、隠蔽力が強い着色剤を使用した場合には、人造大理石成形品の表面側が隠蔽されてしまい、人造大理石成形品の透明感が著しく阻害されてしまい、特に深み感のないものとなってしまう。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、透明感の制御を簡単に行うことができて、尚且つこの透明感の制御を行いながら深み感を得ることができ、従来にない高い意匠性やデザイン性を付与できる人造大理石製造用の樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合したことを特徴とするものである。このように樹脂組成物中に熱硬化性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを添加配合することで、簡単に透明感の制御を行うことができ、尚且つこの透明感の制御を行いながら深み感を得ることができる。
【0008】
また請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記メラミンシアヌレートの配合割合が、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とするものである。このようにメラミンシアヌレートを配合することで、透明感の制御を行ってより一層適度な深み感を得ることができる。
【0009】
また請求項3記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1又は請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記メラミンシアヌレートの粒径が0.5〜50μmであることを特徴とするものである。このようにメラミンシアヌレートの粒径を0.5〜50μmとすることで、樹脂組成物の粘度上昇を抑えて粘度上昇による製造上の問題を改善でき、尚且つ硬化成形した人造大理石成形品の強度低下を抑えることができる。
【0010】
また請求項4記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記樹脂組成物中に充填剤からなる添加物を少なくとも配合し、この充填剤と上記メラミンシアヌレートとを合わせた配合割合が、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部であることを特徴とするものである。このように充填剤とメラミンシアヌレートとを合わせた配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部とすることで、耐衝撃性及び耐熱性を兼ね備えた人造大理石を製造することができる。
【0011】
また請求項5記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1〜4のいずれかに記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうちの1種類、あるいは二種類以上の混合物であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合したものである。
【0014】
本実施形態における熱硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合物で用いられる。この熱硬化性樹脂の光の屈折率は夫々単独で、ポリエステル樹脂≒1.50、ビニルエステル樹脂≒1.56、熱硬化型アクリル樹脂≒1.49である。
【0015】
ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0016】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0017】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマーあるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0018】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用などにより目的とする製品品質に合った最適配合が求められるが、その配合量を特に限定されるものではない。
【0019】
充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダーの内の1種類、あるいは2種類以上の混合物を用いることができるが、これを特に限定するものではない。なお、上記水酸化アルミニウム、シリカの夫々の屈折率は単独で、水酸化アルミニウム≒1.57、シリカ≒1.54である。
【0020】
ところでより透明感のある人造大理石成形品を得るには、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂である樹脂成分と充填剤である充填剤成分とを屈折率の近いものとする、すなわち屈折率の略同じ熱硬化性樹脂と充填剤とを組み合わせて使用することが好ましく、本実施形態においても屈折率の近い熱硬化性樹脂と充填剤とを利用している。例を挙げると熱硬化性樹脂がビニルエステル樹脂(屈折率1.56)の場合には、充填剤として水酸化アルミニウム(屈折率1.57)を用いるのである。
【0021】
また充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石樹脂組成物の粘度は低下して製造上の問題はなくなるが、人造大理石成形品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になる。従って充填剤の平均粒径の範囲を3μm〜50μmの範囲とすることが好ましい。更に充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いることも好ましく、この場合、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石成形品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0022】
更に樹脂組成物には硬化剤を配合する。硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、例えばビニルエステル樹脂の場合は、樹脂と架橋剤との総量100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。硬化剤の配合量が0.5重量部未満では硬化反応が完結せず、未反応物が残留する傾向があり、また5重量部を越えると樹脂組成物のポットライフが極端に短くなる傾向があって成形の途中でゲル化が起こって成形性が悪くなるおそれがあるからである。
【0023】
また、樹脂組成物には紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。
【0024】
そして上記の樹脂組成物中には、深み感を得るために樹脂組成物中に以下の化1に示すメラミンシアヌレートを添加配合している。
【0025】
【化1】
【0026】
メラミンシアヌレートは白色の粉体で光の屈折率は1.72である。このように熱硬化性樹脂及び充填剤と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを少量添加配合して半透明化していくことによって深み感を得ることができる。すなわち、熱硬化性樹脂及び充填剤の屈折率の範囲約1.49〜1.57を越える屈折率を有するメラミンシアヌレートを少量添加配合することによって半透明化していき、これによりメラミンシアヌレートの屈折率と化学構造との相互作用によって透明感の制御を行うのである。このように樹脂組成物中に熱硬化性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを添加配合することで、簡単に透明感の制御を行うことができ、尚且つこの透明感の制御を行いながら深み感を得ることができる。
【0027】
また、本実施形態における上記メラミンシアヌレートの配合割合は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部としている。メラミンシアヌレートが0.1重量部以下の場合には、添加量が少なくて透明感の制御や深み感の付与につながらず、また10重量部以上の場合には隠蔽効果が強くでる傾向になり、これにより人造大理石の成形品が不透明になってしまい、同じく透明性の制御や深み感の付与につながらないからであり、これによって透明感の制御を行ってより一層適度の深み感を得ることができる。
【0028】
また、本実施形態における上記メラミンシアヌレートはその粒径が0.5〜50μmのものを用いている。粒径が0.5μm以下では、透明感の制御や深み感の付与そのものへの影響はないが、樹脂組成物の粘度が上昇してしまい製造が困難になる傾向を示し、逆に50μm以上では、樹脂組成物の粘度は低下傾向になるため製造上の問題はないが、硬化成形した人造大理石成形品の強度が大きく低下する傾向を示すためであり、これによって樹脂組成物の粘度上昇を抑えて粘度上昇による製造上の問題を改善でき、尚且つ硬化成形した人造大理石成形品の強度低下を抑えることができる。
【0029】
また、本実施形態においてはメラミンシアヌレートと充填剤とを合わせた配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部としている。メラミンシアヌレートが50重量部以下では、人造大理石成形品の対衝撃強度は優れるが特に耐熱性を充分に発揮できないおそれがあり、また300重量部以上では耐熱性は優れるが対衝撃強度が大きく低下するおそれがあるからであり、これによって耐衝撃性及び耐熱性を兼ね備えた人造大理石成形品を製造することができる。
【0030】
そして注型用金型に注入される樹脂組成物は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調整することで得られる。人造大理石を製造するにあたっては、この配合調整された人造大理石樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理を行い、このようにして脱泡処理された人造大理石製造用の樹脂組成物を、減圧状態から開放し、所定形状の注型用金型へ注入し、注入後、加熱配管内に加熱媒体を通すことで注型用金型を加熱する。しかして注型用金型を加熱することによって樹脂組成物中の上記熱硬化性樹脂中の反応性不飽和基と、同じく樹脂中の重合性モノマーとの共重合反応を進行させて人造大理石樹脂組成物の硬化成形を行うことができる。
【0031】
このようにして得られた人造大理石成形品は、上記のようにメラミンシアヌレートを添加配合することによって、適度な透明感を有し、且つ深み感を有しており、これによって高級感、天然素材感を備えた人造大理石成形品を製造することができ、高い意匠性を付与して商品価値をさらに高めることが可能となる。そしてこのように高い意匠性を有する人造大理石製品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、トイレカウンター、床材、壁面部材、家具の表面材等への商品化が容易となる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳述する。
【0033】
(実施例1)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂(武田薬品(株)製 プロミネートP−311)を用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−600 粒径1〜5μm)を、そのビニルエステル樹脂100重量部に対して2重量部添加した。更に同様樹脂100重量部に対して充填剤として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−320 平均粒径10μm)100重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアWO)2.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0034】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃に昇温し、50分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0035】
(実施例2)
熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂(武田薬品(株)製 ポリマール5450)を用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−610 粒径1〜5μm)を、そのポリエステル樹脂100重量部に対して1.5重量部添加した。更に、同様樹脂100重量部に対して充填剤として水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製 BW−103 平均粒径8μm)110重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアWO)2.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0036】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃に昇温し、60分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0037】
(実施例3)
熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂(日本フェロー(株)製 AC−02)を用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−440 粒径10〜30μm)を、そのアクリルシロップ樹脂100重量部に対して1.0重量部添加した。更に、同様樹脂100重量部に対して充填剤としてシリカ(龍森(株)製 CRYSTALITE M−3K 平均粒径20μm)115重量部と、硬化剤(化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16)2.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で20分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0038】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を90℃に昇温し、90分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0039】
(実施例4)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシR−804)と、ポリエステル樹脂(武田薬品(株)製 ポリマール5250)を85/15の配合比で混合したものを用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−640 粒径1〜5μm)を混合樹脂100重量部に対して、1.0重量部添加した。更に、充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−320 平均粒径10μm)とガラスパウダー(日本フリット(株)製 GF−2−30A 平均粒径30μm)を90/10で混合したものを用い、混合樹脂100重量部に対して混合充填剤100重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)2.5重量部とを添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0040】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を90℃に昇温し、100分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0041】
(実施例5)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシR−804)と、アクリルシロップ樹脂(三井化学(株)製 XE924−1)を95/5の配合比で混合したものを用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−600 粒径1〜5μm)を、混合樹脂100重量部に対して、0.5重量部添加した。更に、充填剤として水酸化アルミニウム(住友化学(株)製 CW−316 平均粒径15μm)とガラスパウダー(日本フリット(株)製 GF−2−30A 平均粒径30μm)を95/5で混合したものを用い、混合樹脂100重量部に対して混合充填剤120重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)3.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で30分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0042】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃に昇温し、110分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0043】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、樹脂組成物中に熱硬化性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを添加配合することで、簡単に透明感の制御を行うことができ、尚且つ透明感の制御を行いながら深み感を得ることができ、より高級感、天然素材感を備えた人造大理石成形品を製造することが可能となる。
【0044】
また請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、メラミンシアヌレートの配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部とすることで、透明感の制御を行ってより一層適度な深み感を得ることができる。
【0045】
また請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、メラミンシアヌレートの粒径を0.5〜50μmとすることで、樹脂組成物の粘度上昇を抑えて粘度上昇による製造上の問題を改善でき、尚且つ硬化成形した人造大理石の強度低下を抑えることができる。
【0046】
また請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、充填剤とメラミンシアヌレートとを合わせた配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部とすることで、耐衝撃性及び耐熱性を兼ね備えた人造大理石成形品を製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂に、充填剤、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の形状を有する注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を製造することが知られている。人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、家具の部材、建材等に幅広く利用されている。
【0003】
また人造大理石製造用の樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の屈折率と充填剤の屈折率とを略同じにし、これによって人造大理石成形品の透明感を向上させて高級感を演出し、商品価値を高めたものも知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−67056号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記特許文献1に示す従来例においては、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の屈折率と充填剤の屈折率とを略同じにすることで透明感を向上することは出来るものの、人造大理石成形品の透明感は樹脂組成物中の熱硬化性樹脂及び充填剤の夫々の光の屈折率で決まってしまうため、透明感の制御が難しく、特に充填剤を単独系で配合したものにおいては透明感の制御が非常に困難であった。これにより人造大理石成形品の外観は単に透明なものとなってしまい、このような人造大理石成形品は深み感(深い透明感)がなく、その外観が天然の大理石とかけ離れたものとなってしまっていた。また深み感を出すための透明感の制御としては、着色剤のような隠蔽力の強いものの添加量を調整することで透明感の制御を行う方法が考えられるが、着色剤の添加量を多くしたり、隠蔽力が強い着色剤を使用した場合には、人造大理石成形品の表面側が隠蔽されてしまい、人造大理石成形品の透明感が著しく阻害されてしまい、特に深み感のないものとなってしまう。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、透明感の制御を簡単に行うことができて、尚且つこの透明感の制御を行いながら深み感を得ることができ、従来にない高い意匠性やデザイン性を付与できる人造大理石製造用の樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合したことを特徴とするものである。このように樹脂組成物中に熱硬化性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを添加配合することで、簡単に透明感の制御を行うことができ、尚且つこの透明感の制御を行いながら深み感を得ることができる。
【0008】
また請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記メラミンシアヌレートの配合割合が、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とするものである。このようにメラミンシアヌレートを配合することで、透明感の制御を行ってより一層適度な深み感を得ることができる。
【0009】
また請求項3記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1又は請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記メラミンシアヌレートの粒径が0.5〜50μmであることを特徴とするものである。このようにメラミンシアヌレートの粒径を0.5〜50μmとすることで、樹脂組成物の粘度上昇を抑えて粘度上昇による製造上の問題を改善でき、尚且つ硬化成形した人造大理石成形品の強度低下を抑えることができる。
【0010】
また請求項4記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1〜3のいずれかに記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記樹脂組成物中に充填剤からなる添加物を少なくとも配合し、この充填剤と上記メラミンシアヌレートとを合わせた配合割合が、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部であることを特徴とするものである。このように充填剤とメラミンシアヌレートとを合わせた配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部とすることで、耐衝撃性及び耐熱性を兼ね備えた人造大理石を製造することができる。
【0011】
また請求項5記載の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1〜4のいずれかに記載の人造大理石製造用の樹脂組成物において、上記熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうちの1種類、あるいは二種類以上の混合物であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合したものである。
【0014】
本実施形態における熱硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合物で用いられる。この熱硬化性樹脂の光の屈折率は夫々単独で、ポリエステル樹脂≒1.50、ビニルエステル樹脂≒1.56、熱硬化型アクリル樹脂≒1.49である。
【0015】
ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0016】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0017】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマーあるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0018】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用などにより目的とする製品品質に合った最適配合が求められるが、その配合量を特に限定されるものではない。
【0019】
充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダーの内の1種類、あるいは2種類以上の混合物を用いることができるが、これを特に限定するものではない。なお、上記水酸化アルミニウム、シリカの夫々の屈折率は単独で、水酸化アルミニウム≒1.57、シリカ≒1.54である。
【0020】
ところでより透明感のある人造大理石成形品を得るには、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂である樹脂成分と充填剤である充填剤成分とを屈折率の近いものとする、すなわち屈折率の略同じ熱硬化性樹脂と充填剤とを組み合わせて使用することが好ましく、本実施形態においても屈折率の近い熱硬化性樹脂と充填剤とを利用している。例を挙げると熱硬化性樹脂がビニルエステル樹脂(屈折率1.56)の場合には、充填剤として水酸化アルミニウム(屈折率1.57)を用いるのである。
【0021】
また充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石樹脂組成物の粘度は低下して製造上の問題はなくなるが、人造大理石成形品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になる。従って充填剤の平均粒径の範囲を3μm〜50μmの範囲とすることが好ましい。更に充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いることも好ましく、この場合、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石成形品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0022】
更に樹脂組成物には硬化剤を配合する。硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、例えばビニルエステル樹脂の場合は、樹脂と架橋剤との総量100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。硬化剤の配合量が0.5重量部未満では硬化反応が完結せず、未反応物が残留する傾向があり、また5重量部を越えると樹脂組成物のポットライフが極端に短くなる傾向があって成形の途中でゲル化が起こって成形性が悪くなるおそれがあるからである。
【0023】
また、樹脂組成物には紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。
【0024】
そして上記の樹脂組成物中には、深み感を得るために樹脂組成物中に以下の化1に示すメラミンシアヌレートを添加配合している。
【0025】
【化1】
【0026】
メラミンシアヌレートは白色の粉体で光の屈折率は1.72である。このように熱硬化性樹脂及び充填剤と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを少量添加配合して半透明化していくことによって深み感を得ることができる。すなわち、熱硬化性樹脂及び充填剤の屈折率の範囲約1.49〜1.57を越える屈折率を有するメラミンシアヌレートを少量添加配合することによって半透明化していき、これによりメラミンシアヌレートの屈折率と化学構造との相互作用によって透明感の制御を行うのである。このように樹脂組成物中に熱硬化性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを添加配合することで、簡単に透明感の制御を行うことができ、尚且つこの透明感の制御を行いながら深み感を得ることができる。
【0027】
また、本実施形態における上記メラミンシアヌレートの配合割合は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部としている。メラミンシアヌレートが0.1重量部以下の場合には、添加量が少なくて透明感の制御や深み感の付与につながらず、また10重量部以上の場合には隠蔽効果が強くでる傾向になり、これにより人造大理石の成形品が不透明になってしまい、同じく透明性の制御や深み感の付与につながらないからであり、これによって透明感の制御を行ってより一層適度の深み感を得ることができる。
【0028】
また、本実施形態における上記メラミンシアヌレートはその粒径が0.5〜50μmのものを用いている。粒径が0.5μm以下では、透明感の制御や深み感の付与そのものへの影響はないが、樹脂組成物の粘度が上昇してしまい製造が困難になる傾向を示し、逆に50μm以上では、樹脂組成物の粘度は低下傾向になるため製造上の問題はないが、硬化成形した人造大理石成形品の強度が大きく低下する傾向を示すためであり、これによって樹脂組成物の粘度上昇を抑えて粘度上昇による製造上の問題を改善でき、尚且つ硬化成形した人造大理石成形品の強度低下を抑えることができる。
【0029】
また、本実施形態においてはメラミンシアヌレートと充填剤とを合わせた配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部としている。メラミンシアヌレートが50重量部以下では、人造大理石成形品の対衝撃強度は優れるが特に耐熱性を充分に発揮できないおそれがあり、また300重量部以上では耐熱性は優れるが対衝撃強度が大きく低下するおそれがあるからであり、これによって耐衝撃性及び耐熱性を兼ね備えた人造大理石成形品を製造することができる。
【0030】
そして注型用金型に注入される樹脂組成物は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調整することで得られる。人造大理石を製造するにあたっては、この配合調整された人造大理石樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理を行い、このようにして脱泡処理された人造大理石製造用の樹脂組成物を、減圧状態から開放し、所定形状の注型用金型へ注入し、注入後、加熱配管内に加熱媒体を通すことで注型用金型を加熱する。しかして注型用金型を加熱することによって樹脂組成物中の上記熱硬化性樹脂中の反応性不飽和基と、同じく樹脂中の重合性モノマーとの共重合反応を進行させて人造大理石樹脂組成物の硬化成形を行うことができる。
【0031】
このようにして得られた人造大理石成形品は、上記のようにメラミンシアヌレートを添加配合することによって、適度な透明感を有し、且つ深み感を有しており、これによって高級感、天然素材感を備えた人造大理石成形品を製造することができ、高い意匠性を付与して商品価値をさらに高めることが可能となる。そしてこのように高い意匠性を有する人造大理石製品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、トイレカウンター、床材、壁面部材、家具の表面材等への商品化が容易となる。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳述する。
【0033】
(実施例1)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂(武田薬品(株)製 プロミネートP−311)を用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−600 粒径1〜5μm)を、そのビニルエステル樹脂100重量部に対して2重量部添加した。更に同様樹脂100重量部に対して充填剤として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−320 平均粒径10μm)100重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアWO)2.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0034】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃に昇温し、50分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0035】
(実施例2)
熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂(武田薬品(株)製 ポリマール5450)を用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−610 粒径1〜5μm)を、そのポリエステル樹脂100重量部に対して1.5重量部添加した。更に、同様樹脂100重量部に対して充填剤として水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製 BW−103 平均粒径8μm)110重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアWO)2.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0036】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃に昇温し、60分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0037】
(実施例3)
熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂(日本フェロー(株)製 AC−02)を用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−440 粒径10〜30μm)を、そのアクリルシロップ樹脂100重量部に対して1.0重量部添加した。更に、同様樹脂100重量部に対して充填剤としてシリカ(龍森(株)製 CRYSTALITE M−3K 平均粒径20μm)115重量部と、硬化剤(化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16)2.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で20分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0038】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を90℃に昇温し、90分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0039】
(実施例4)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシR−804)と、ポリエステル樹脂(武田薬品(株)製 ポリマール5250)を85/15の配合比で混合したものを用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−640 粒径1〜5μm)を混合樹脂100重量部に対して、1.0重量部添加した。更に、充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−320 平均粒径10μm)とガラスパウダー(日本フリット(株)製 GF−2−30A 平均粒径30μm)を90/10で混合したものを用い、混合樹脂100重量部に対して混合充填剤100重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)2.5重量部とを添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0040】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を90℃に昇温し、100分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0041】
(実施例5)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシR−804)と、アクリルシロップ樹脂(三井化学(株)製 XE924−1)を95/5の配合比で混合したものを用い、メラミンシアヌレート(日産化学工業(株)製 MC−600 粒径1〜5μm)を、混合樹脂100重量部に対して、0.5重量部添加した。更に、充填剤として水酸化アルミニウム(住友化学(株)製 CW−316 平均粒径15μm)とガラスパウダー(日本フリット(株)製 GF−2−30A 平均粒径30μm)を95/5で混合したものを用い、混合樹脂100重量部に対して混合充填剤120重量部と、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)3.0重量部とを添加して、20Torrの減圧下で30分間真空脱法処理しながら攪拌混合して人造大理石製造用の樹脂組成物を得た。
【0042】
この樹脂組成物を、厚み10mmの平板の形状に成形硬化させる注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃に昇温し、110分間加熱して硬化させ、透明感と深み感のある人造大理石成形品を得た。
【0043】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、樹脂組成物中に熱硬化性樹脂の屈折率と異なる屈折率を有するメラミンシアヌレートを添加配合することで、簡単に透明感の制御を行うことができ、尚且つ透明感の制御を行いながら深み感を得ることができ、より高級感、天然素材感を備えた人造大理石成形品を製造することが可能となる。
【0044】
また請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、メラミンシアヌレートの配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部とすることで、透明感の制御を行ってより一層適度な深み感を得ることができる。
【0045】
また請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、メラミンシアヌレートの粒径を0.5〜50μmとすることで、樹脂組成物の粘度上昇を抑えて粘度上昇による製造上の問題を改善でき、尚且つ硬化成形した人造大理石の強度低下を抑えることができる。
【0046】
また請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、充填剤とメラミンシアヌレートとを合わせた配合割合を、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部とすることで、耐衝撃性及び耐熱性を兼ね備えた人造大理石成形品を製造することができる。
Claims (5)
- 熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した人造大理石製造用の樹脂組成物であって、この樹脂組成物中にメラミンシアヌレートを添加配合したことを特徴とする人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記メラミンシアヌレートの配合割合が、熱硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とする人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記メラミンシアヌレートの粒径が0.5〜50μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記樹脂組成物中に充填剤からなる添加物を少なくとも配合し、この充填剤と上記メラミンシアヌレートとを合わせた配合割合が、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうちの1種類、あるいは二種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
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KR101316478B1 (ko) | 2008-03-13 | 2013-10-08 | (주)엘지하우시스 | 멜라민 수지칩을 포함하는 인조대리석 및 그 제조 방법 |
-
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- 2002-11-26 JP JP2002342917A patent/JP2004175612A/ja not_active Withdrawn
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