JP2004115626A - 人造大理石製造用の樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス繊維を多量に配合する必要がなく、また、補強板や補強層を設ける必要がなく、高い耐衝撃性を有する人造大理石成形品を得ることができ人造大理石製造用の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物である。これにおいて、樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合する。
【選択図】 なし
【解決手段】熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物である。これにおいて、樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具の部材や建材として用いられる人造大理石成形品を製造する際に使用する材料である人造大理石製造用の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を形成することが知られている。
【0003】
人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボールなどに広く利用されている。
【0004】
通常、これらの人造大理石成形品の耐衝撃強度を高めて靱性を上げるために、成形材料としての人造大理石製造用の樹脂組成物に補強材としてガラス繊維を多量に配合することが行われている(例えば、特許文献1や特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−32443号公報
【特許文献2】
特許第2881854号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ガラス繊維を多量に配合すると、人造大理石柄や模様の流れが著しく阻害されたり、混合分散が困難になったりするおそれがあり、また、製品の透明性が低下したり、製品の表面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりするおそれがあり、この結果、均一な製品を得ることができなくなるおそれがある。したがって、ガラス繊雑の配合には限界を有するという問題があった。
【0007】
そこで、これを補うために、人造大理石の裏面に木製の補強板やFRPの補強層を設けたり、製品厚みを厚くしたりすることが行われている。しかし、この場合には、裏面補強のために加工手間が増大すると共にコスト高につながり、また、薄型化が困難になると共に製品重量が重くなって製品運搬や施工での負担が大きくなるという問題点が発生することもある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ガラス繊維を多量に配合する必要がなく、また、補強板や補強層を設ける必要がなく、高い耐衝撃性を有する人造大理石成形品を得ることができる人造大理石製造用の樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1の人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合したことを特徴とする。ゴム状の変性樹脂を添加配合することにより耐衝撃強度を高めて靱性を上げることができ、従来のようにガラス繊維を大量に配合する必要がなく、また補強板や補強層を設ける必要がなく、高衝撃性を有する人造大理石成形品を得ることができる。
【0010】
また本発明の請求項2の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1のゴム状の変性樹脂がエポキシ化変性樹脂であることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項3の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項2のエポキシ化変性樹脂がエポキシ化熱可塑性エラストマーであることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項4の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項2のエポキシ化変性樹脂がエポキシ化ポリブタジエン樹脂であることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項5の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1のゴム状の変性樹脂の添加配合割合が、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部であることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の請求項6の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1の充填剤の粒径が平均粒径3〜50μmであることを特徴とするものである。
【0015】
また本発明の請求項7の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1の樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の1種類、あるいは、2種類以上の混合物であることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合して調製した樹脂組成物であるある。
【0017】
更に本発明者らは、ゴム状の変性樹脂の強靱化効果について鋭意検討を電ねた結果、このゴム状の変性樹脂として、エポキシ化変性樹脂の添加の効果が大きく、更にエポキシ化変性樹脂の中で、エポキシ化熱可塑性エラストマーとエポキシ化ポリプタジエン樹脂が添加効果が大きいことを見いだした。そこで本発明ではこれを添加配合して用いるものである。
【0018】
エポキシ化熱可塑性エラストマーおよびエポキシ化ポリブタジエンは、次の化1および化2に示すような構造式を持ったものである。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
これらのエポキシ化変性樹脂は、樹脂組成物の硬化マトリックスの中に、一部、熱硬化性樹脂との架橋反応などにより入り込み、ゴム状のエポキシ変性樹脂の強靱性の性質が付与されて硬化物の靱性アップ効果が発現することとなるものである。
【0022】
また本発明では、樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合系で用いることができる。
【0023】
ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0024】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0025】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマー、あるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0026】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用あるいは、目的とする製品品質に合った最適配合が求められるが、その配合量を特に限定するものではない。
【0027】
充填剤は、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、クレーなどの内の1種類、あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。これを特に限定するものではない。充填剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部とするのが望ましい。この範囲に満たないと、製品の耐衝撃強度は優れるが耐熱性を十分に発揮できないおそれがあり、またこの範囲を越えると耐熱性は優れるが耐衝撃強度が低下するおそれがあるが、これを特に限定するものではない。
【0028】
充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石製造用の樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石製造用の樹脂組成物の粘度は低下して製造での問題はなくなるが、人造大理石製品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になる。従って、本発明では、充填剤の平均粒径の範囲を3μm〜50μmの範囲とするものである。また、充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いると、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石製品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0029】
また、樹脂組成物には硬化剤を配合する。硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。ごの硬化剤の配合割合は、例えばビニルエステル樹脂の場合は、樹脂と架橋剤との総量100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。硬化剤の配合量が0.5重量部未満では硬化反応が完結せず未反応物が残留する傾向があり、また5重量部を越えると樹脂組成物のポットライフが極端に短くなる傾向があって成形の途中でゲル化が起こって成形性が悪くなるおそれが発生する。
【0030】
また、樹脂組成物には本発明のゴム状の変性樹脂のほか、紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。
【0031】
本発明では、ゴム状の変性樹脂の添加は、樹脂組成物の熱硬化樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部とするものである。ゴム状の変性樹脂の添加による熱硬化樹脂との複合型での硬化物は、エポキシ化変性樹脂骨格の高い強靱性の性質が付与されたものとなり、耐衝撃性の非常に高い成形品を得ることができる。その効果として、0.1重量部未満の添加量では効果が少なく求める改善効果が得られない。50重量部以上になると、樹脂組成物の粘度が急激に上昇して、混合攪拌操作や金型への注入操作などに問題が発生し、更に、耐衝撃性以外の物性低下に繋がり、またコストアップに繋がるため、上限は50重量部とするものである。
【0032】
注入する人造大理石用の樹脂組成物は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調製し、更に、この樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理し、減圧状態から開放して注型用金型に注入する。注入後、加熱用配管内に加熱媒体を通して金型を加熱する。加熱することにより、これらの樹脂組成物中の上記熱硬化性樹脂中の反応性不飽和基と、同じく樹脂中の重合性モノマーの反応性不飽和基との共重合反応を進行させて人造大理石製造用の樹脂組成物の硬化成形を行うことができる。
【0033】
このようにして得られた本発明の人造大理石成形品は、エポキシ化変性樹脂骨格の導入により、耐衝撃強度が向上し、靱性の高い製品とすることができるものであり、従って、多量のガラス繊維を配合する必要がなくなって、製品の透明感が低下したり、製品の表面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりすることがなくなるもので、外観的に透明感に優れた人造大理石を得ることができるものである。また、人造大理石の製品の裏面に木製の補強板やFRPの補強層を設けたり、製品厚みを厚くしたりする必要がなくなり、薄型化が可能になると共に製品の軽量化を図ることができるものである。
【0034】
このような人造大理石成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、あるいは、床材や家具の表面材等への商品化が容易となるものである。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例1)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{武田薬品(株)製プロミネートP−311}を用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1005}を、ビニルエステル樹脂100重量部に対して、3重量部添加した。更にこれに、充填剤として水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}を、ビニルエステル樹脂100重量部に対して130重量部配合し、また硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0036】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し金型温度を100℃で110分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例2)
熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)製ポリマール5450}を用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1020}を、ポリエステル樹脂100重量部に対して、3.5重量部添加した。更にこれに、充填剤として水酸化アルミニウム{日本軽金属(株)製BW−103 平均粒径8μm}を、ポリエステル樹脂分100重量部に対して140重量部配合し、また硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}を2.5重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0037】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を100℃で100分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例3)
熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂{日本フェロー(株)製AC−02}を用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1010}を、アクリルシロップ樹脂100重量部に対して、4重量部添加した。更にこれに、充填剤としてシリカ{龍森(株)製CRYSTALITE M−3K 平均粒径20μm}を、アクリルシロップ樹脂100重量部に対して150重量部配合し、また硬化剤{化薬アクゾ(株)製パーカドックス16}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で20分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0038】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を90℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例4)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)ポリマール5250}を85/15の配合比で混合したものを用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1010}を、その混合樹脂100重量部に対して、5重量部添加した。更にこれに、充填剤として、水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を混合樹脂100重量部に対して150重量部配合し、更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュァHO}を3.0重量部添加して、減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0039】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を90℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例5)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、アクリルシロップ樹脂{三井化学(株)製XE924−1}を80/20の配合比で混合したものを用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1020}を、その混合樹脂100重量部に対して、7重量部添加した。更にこれに、充填剤として、水酸化アルミニウム{住友化学(株)製CW−316 平均粒径15μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を混合樹脂100重量部に対して125重量部配合した。更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で40分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0040】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を100℃で100分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例6〜10)
実施例1〜5の注型用樹脂組成物のゴム状の変性樹脂として添加配合したエポキシ化熱可塑性エラストマーをエポキシ化ポリブタジエン{ダイセル化学工業(株)製エポリードPB3600)に替えて、同一添加量で樹脂組成物を調製し、それに続く混合攪拌や硬化条件も同一にして、人造大理石成形品を得た。
(比較例1〜5)
実施例1〜5の注型用樹脂組成物でゴム状の変性樹脂の添加のない配合(その他は同一配合)で樹脂組成物を調製し、それに続く混合攪拌や硬化条件も同一にして、人造大理石成形品を得た。
【0041】
上記のような実施例1〜10の人造大理石成形品と比較例1〜5の人造大理石成形品について、シャルピー衝撃強度を測定して耐衝撃性を評価した。その結果を下記の表1に示す。尚、実施例1〜10のものはそれぞれ透明感が良好であり、比較例1〜5についても各実施例と同程度のものであった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明は熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合したので、耐衝撃強度を高めて靱性を上げることができ、従って従来のように多量のガラス繊維を配合する必要がなく、製品の透明感が低下したり、製品の表面のガラス繊維の毛羽立ちが発生したりすることがなくなり、外観的に透明感に優れた人造大理石の製品を得ることができるものであり、また製品の裏面に補強板や補強層を設けたり製品厚みを厚くしたりする必要がなくなり、薄型化が可能になると共に製品の軽量化を図ることができるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具の部材や建材として用いられる人造大理石成形品を製造する際に使用する材料である人造大理石製造用の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を形成することが知られている。
【0003】
人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボールなどに広く利用されている。
【0004】
通常、これらの人造大理石成形品の耐衝撃強度を高めて靱性を上げるために、成形材料としての人造大理石製造用の樹脂組成物に補強材としてガラス繊維を多量に配合することが行われている(例えば、特許文献1や特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−32443号公報
【特許文献2】
特許第2881854号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ガラス繊維を多量に配合すると、人造大理石柄や模様の流れが著しく阻害されたり、混合分散が困難になったりするおそれがあり、また、製品の透明性が低下したり、製品の表面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりするおそれがあり、この結果、均一な製品を得ることができなくなるおそれがある。したがって、ガラス繊雑の配合には限界を有するという問題があった。
【0007】
そこで、これを補うために、人造大理石の裏面に木製の補強板やFRPの補強層を設けたり、製品厚みを厚くしたりすることが行われている。しかし、この場合には、裏面補強のために加工手間が増大すると共にコスト高につながり、また、薄型化が困難になると共に製品重量が重くなって製品運搬や施工での負担が大きくなるという問題点が発生することもある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ガラス繊維を多量に配合する必要がなく、また、補強板や補強層を設ける必要がなく、高い耐衝撃性を有する人造大理石成形品を得ることができる人造大理石製造用の樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1の人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合したことを特徴とする。ゴム状の変性樹脂を添加配合することにより耐衝撃強度を高めて靱性を上げることができ、従来のようにガラス繊維を大量に配合する必要がなく、また補強板や補強層を設ける必要がなく、高衝撃性を有する人造大理石成形品を得ることができる。
【0010】
また本発明の請求項2の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1のゴム状の変性樹脂がエポキシ化変性樹脂であることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項3の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項2のエポキシ化変性樹脂がエポキシ化熱可塑性エラストマーであることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項4の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項2のエポキシ化変性樹脂がエポキシ化ポリブタジエン樹脂であることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項5の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1のゴム状の変性樹脂の添加配合割合が、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部であることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の請求項6の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1の充填剤の粒径が平均粒径3〜50μmであることを特徴とするものである。
【0015】
また本発明の請求項7の人造大理石製造用の樹脂組成物は、請求項1の樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の1種類、あるいは、2種類以上の混合物であることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の人造大理石製造用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合して調製した樹脂組成物であるある。
【0017】
更に本発明者らは、ゴム状の変性樹脂の強靱化効果について鋭意検討を電ねた結果、このゴム状の変性樹脂として、エポキシ化変性樹脂の添加の効果が大きく、更にエポキシ化変性樹脂の中で、エポキシ化熱可塑性エラストマーとエポキシ化ポリプタジエン樹脂が添加効果が大きいことを見いだした。そこで本発明ではこれを添加配合して用いるものである。
【0018】
エポキシ化熱可塑性エラストマーおよびエポキシ化ポリブタジエンは、次の化1および化2に示すような構造式を持ったものである。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
これらのエポキシ化変性樹脂は、樹脂組成物の硬化マトリックスの中に、一部、熱硬化性樹脂との架橋反応などにより入り込み、ゴム状のエポキシ変性樹脂の強靱性の性質が付与されて硬化物の靱性アップ効果が発現することとなるものである。
【0022】
また本発明では、樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合系で用いることができる。
【0023】
ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0024】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0025】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマー、あるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0026】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用あるいは、目的とする製品品質に合った最適配合が求められるが、その配合量を特に限定するものではない。
【0027】
充填剤は、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、クレーなどの内の1種類、あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。これを特に限定するものではない。充填剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して50〜300重量部とするのが望ましい。この範囲に満たないと、製品の耐衝撃強度は優れるが耐熱性を十分に発揮できないおそれがあり、またこの範囲を越えると耐熱性は優れるが耐衝撃強度が低下するおそれがあるが、これを特に限定するものではない。
【0028】
充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石製造用の樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石製造用の樹脂組成物の粘度は低下して製造での問題はなくなるが、人造大理石製品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になる。従って、本発明では、充填剤の平均粒径の範囲を3μm〜50μmの範囲とするものである。また、充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いると、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石製品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0029】
また、樹脂組成物には硬化剤を配合する。硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。ごの硬化剤の配合割合は、例えばビニルエステル樹脂の場合は、樹脂と架橋剤との総量100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。硬化剤の配合量が0.5重量部未満では硬化反応が完結せず未反応物が残留する傾向があり、また5重量部を越えると樹脂組成物のポットライフが極端に短くなる傾向があって成形の途中でゲル化が起こって成形性が悪くなるおそれが発生する。
【0030】
また、樹脂組成物には本発明のゴム状の変性樹脂のほか、紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。
【0031】
本発明では、ゴム状の変性樹脂の添加は、樹脂組成物の熱硬化樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部とするものである。ゴム状の変性樹脂の添加による熱硬化樹脂との複合型での硬化物は、エポキシ化変性樹脂骨格の高い強靱性の性質が付与されたものとなり、耐衝撃性の非常に高い成形品を得ることができる。その効果として、0.1重量部未満の添加量では効果が少なく求める改善効果が得られない。50重量部以上になると、樹脂組成物の粘度が急激に上昇して、混合攪拌操作や金型への注入操作などに問題が発生し、更に、耐衝撃性以外の物性低下に繋がり、またコストアップに繋がるため、上限は50重量部とするものである。
【0032】
注入する人造大理石用の樹脂組成物は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調製し、更に、この樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理し、減圧状態から開放して注型用金型に注入する。注入後、加熱用配管内に加熱媒体を通して金型を加熱する。加熱することにより、これらの樹脂組成物中の上記熱硬化性樹脂中の反応性不飽和基と、同じく樹脂中の重合性モノマーの反応性不飽和基との共重合反応を進行させて人造大理石製造用の樹脂組成物の硬化成形を行うことができる。
【0033】
このようにして得られた本発明の人造大理石成形品は、エポキシ化変性樹脂骨格の導入により、耐衝撃強度が向上し、靱性の高い製品とすることができるものであり、従って、多量のガラス繊維を配合する必要がなくなって、製品の透明感が低下したり、製品の表面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりすることがなくなるもので、外観的に透明感に優れた人造大理石を得ることができるものである。また、人造大理石の製品の裏面に木製の補強板やFRPの補強層を設けたり、製品厚みを厚くしたりする必要がなくなり、薄型化が可能になると共に製品の軽量化を図ることができるものである。
【0034】
このような人造大理石成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、あるいは、床材や家具の表面材等への商品化が容易となるものである。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例1)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{武田薬品(株)製プロミネートP−311}を用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1005}を、ビニルエステル樹脂100重量部に対して、3重量部添加した。更にこれに、充填剤として水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}を、ビニルエステル樹脂100重量部に対して130重量部配合し、また硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0036】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し金型温度を100℃で110分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例2)
熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)製ポリマール5450}を用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1020}を、ポリエステル樹脂100重量部に対して、3.5重量部添加した。更にこれに、充填剤として水酸化アルミニウム{日本軽金属(株)製BW−103 平均粒径8μm}を、ポリエステル樹脂分100重量部に対して140重量部配合し、また硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}を2.5重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0037】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を100℃で100分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例3)
熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂{日本フェロー(株)製AC−02}を用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1010}を、アクリルシロップ樹脂100重量部に対して、4重量部添加した。更にこれに、充填剤としてシリカ{龍森(株)製CRYSTALITE M−3K 平均粒径20μm}を、アクリルシロップ樹脂100重量部に対して150重量部配合し、また硬化剤{化薬アクゾ(株)製パーカドックス16}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で20分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0038】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を90℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例4)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)ポリマール5250}を85/15の配合比で混合したものを用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1010}を、その混合樹脂100重量部に対して、5重量部添加した。更にこれに、充填剤として、水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を混合樹脂100重量部に対して150重量部配合し、更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュァHO}を3.0重量部添加して、減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0039】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を90℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例5)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、アクリルシロップ樹脂{三井化学(株)製XE924−1}を80/20の配合比で混合したものを用い、ゴム状の変性樹脂として、エポキシ化熱可塑性エラストマー{ダイセル化学工業(株)製エポフレンドA1020}を、その混合樹脂100重量部に対して、7重量部添加した。更にこれに、充填剤として、水酸化アルミニウム{住友化学(株)製CW−316 平均粒径15μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を混合樹脂100重量部に対して125重量部配合した。更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で40分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用樹脂組成物を得た。
【0040】
この注型用樹脂組成物を平板の形状で12mm厚みに設定された注型金型内に注入充填し、金型温度を100℃で100分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品を得た。
(実施例6〜10)
実施例1〜5の注型用樹脂組成物のゴム状の変性樹脂として添加配合したエポキシ化熱可塑性エラストマーをエポキシ化ポリブタジエン{ダイセル化学工業(株)製エポリードPB3600)に替えて、同一添加量で樹脂組成物を調製し、それに続く混合攪拌や硬化条件も同一にして、人造大理石成形品を得た。
(比較例1〜5)
実施例1〜5の注型用樹脂組成物でゴム状の変性樹脂の添加のない配合(その他は同一配合)で樹脂組成物を調製し、それに続く混合攪拌や硬化条件も同一にして、人造大理石成形品を得た。
【0041】
上記のような実施例1〜10の人造大理石成形品と比較例1〜5の人造大理石成形品について、シャルピー衝撃強度を測定して耐衝撃性を評価した。その結果を下記の表1に示す。尚、実施例1〜10のものはそれぞれ透明感が良好であり、比較例1〜5についても各実施例と同程度のものであった。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】
本発明は熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合したので、耐衝撃強度を高めて靱性を上げることができ、従って従来のように多量のガラス繊維を配合する必要がなく、製品の透明感が低下したり、製品の表面のガラス繊維の毛羽立ちが発生したりすることがなくなり、外観的に透明感に優れた人造大理石の製品を得ることができるものであり、また製品の裏面に補強板や補強層を設けたり製品厚みを厚くしたりする必要がなくなり、薄型化が可能になると共に製品の軽量化を図ることができるものである。
Claims (7)
- 熱硬化性樹脂に充填材、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合して得られる樹脂組成物で、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石成形品を製造するのに用いる人造大理石製造用の樹脂組成物であって、その樹脂組成物にゴム状の変性樹脂を添加配合したことを特徴とする人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記変性樹脂がエポキシ化変性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記エポキシ化変性樹脂がエポキシ化熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記エポキシ化変性樹脂がエポキシ化ポリブタジエン樹脂であることを特徴とする請求項2記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記ゴム状の変性樹脂の添加配合割合が、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項1記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 上記充填剤の粒径が平均粒径3〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
- 樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂が、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の内の1種類、あるいは、2種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載の人造大理石製造用の樹脂組成物。
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