JP4960573B2 - 人造大理石用の樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具の部材や建材として用いられる人造大理石を製造するための人造大理石用の樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂と、充填、柄材、補強材、内部離型、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を形成することが知られている。人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂などが用いられてきた。これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボールなどに広く利用されている。
【0003】
通常、これらの人造大理石成形品の耐衝撃強度を高めて靱性を上げるために、補強材としてガラス繊維を多量に配合することが行われている(例えば、特許文献1参照)。しかし、ガラス繊維を多量に配合すると、人造大理石の柄や模様の流れが著しく阻害されたり、混合分散が困難になったりするおそれがあり、また、製品の透明性が低下したり、製品の表面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりするおそれがあり、この結果、均一な製品を得ることができなくなるおそれがある。
したがって、ガラス繊維の配合には限界を有するという問題があった。
【0004】
そこで、これを補うために、人造大理石の裏面に木型の補強板やFRPの補強層を設けたり、製品厚みを厚くしたりすることが行われている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この場合には、裏面補強のために加工手間が増大すると共にコスト高につながり、また薄型化が困難になると共に製品重量が重くなって製品運搬や施工での負担が大きくなるという問題点が発生するものであった。
【0005】
【特許文献1】
特許第2881854号公報
【特許文献2】
特開昭60−51235号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ガラス繊維を多量に配合する必要がなく、また、補強板や補強層を設ける必要がなく、高い耐衝撃性を有する人造大理石成形品を得ることができる人造大理石用の樹脂組成物を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の請求項1の人造大理石用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に少なくとも柄材及び連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石を製造するのに用いる人造大理石用の樹脂組成物であって、柄材が、熱硬化性樹脂に、充填剤、内部離型剤、硬化剤から少なくとも選ばれた添加物と、連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを成形硬化させて成る成形品を粉砕することで得られるものであることを特徴とする。熱硬化性樹脂に少なくとも柄材及び連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石を製造するのに用いる人造大理石用の樹脂組成物であるので、鎖移動剤にて連鎖重合反応を抑えることができ、注型用金型に注入した樹脂組成物の成形硬化過程での極端な発熱ピークの出現を抑え、最高発熱温度を低下させることができ、内部応力により衝撃強度が弱くなることがない。また、柄材が内部応力の少ないものとなる。このため、ガラス繊維を大量に配合したり、補強板や補強層を設けたりすることなく、高い耐衝撃性の人造大理石成形品を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の人造大理石用の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石を製造するのに用いる人造大理石用の樹脂組成物であって、その熱硬化性樹脂に連鎖移動剤を添加配合して調整して用いるものである。かかる連鎖移動剤は重合調整剤とも呼ばれ、連鎖重合反応を抑制するものである。
【0015】
一般に熱硬化性樹脂の硬化反応の特性は、一般的にゲル化するまでの時間(GT)、硬化するまでの時間(CT)、及び硬化発熱の蓄積によって到達する最高発熱温度(PET)によって表される。この特性の中の最高発熱温度(PET)は、
その温度が高ければ高いほど硬化物の内部応力が高くなり、クラックの発生や変形の要因となる。人造大理石の製造に於いても同様の現象が発生してくる一方、得られた人造大理石成形品もその内部応力の為に、特に衝撃強度(機械的衝撃強度や熱的衝撃強度)が低下してしまうことになる。したがって、人造大理石成形品の耐衝撃強度を高める為には、硬化過程における最高発熱温度(PET)をいかに低く抑えるか、即ち成形品の内部応力をいかに抑えるかが課題となる。この課題が解決されれば、従来のような耐衝撃強度を上げる方法をもちいなくても十分に耐衝撃強度の高い成形品を得ることができる。
【0016】
そこで本発明では、連鎖移動剤を添加配合することによりこの課題を解決するものである。即ち連鎖移動剤の添加によって注型用金型に注入した人造大理石用の樹脂組成物の成形硬化過程での極端な発熱ピークの出現を抑え、最高発熱温度を低下させることができる。
【0017】
本発明では、この連鎖移動剤の種類として、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(=α−メチルスチレンダイマー)、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ラウリルメルカブタン、n−ドデシルメルカプタンの1種類あるいは、2種類以上を併用して用いることができる。併用する場合の混合比や種類を特に限定するものではない。
【0018】
また、本発明では連鎖移動剤の添加配合量を熱硬化性樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部とするものである。更に、樹脂組成物を構成する硬化剤(ラジカル重合開始剤;100%換算)の添加量が用いる熱硬化性樹脂成分100重量部に対して0.1〜5.0重量部とするものである。
【0019】
つまり、本発明の人造大理石用の樹脂組成物を硬化させる為の配合設計は、これらラジカル重合開始剤と連鎖移動剤のこれらの範囲で決定されるものである。即ち、ラジカル重合開始剤と連鎖移動剤の配合量その範囲より少ない場合は、硬化反応がうまく進まなかったり、重合終了後に樹脂単量体や架橋剤のモノマーが多量残存するようになったりして、十分な衝撃強度などの機械的強度が得られなくなる。また、これらの配合量がその範囲より多くなる場合は、ラジカル重合開始剤の分解物や連鎖移動剤の残留が多くなって、着色したり、衝撃強度などの機械的強度が極端に低下してしまう傾向になる。また、ラジカル重合開始剤の種類は、用いる熱硬化性樹脂を硬化させる硬化温度等によって適宜決定されるもので、本発明ではその種類を特に限定するものではなく、通常用いられるラジカル重合開始剤をそのまま用いることができる。
【0020】
また本発明では、樹脂組成物を構成する熱硬化性樹脂は、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合系で用いることができる。
【0021】
ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0022】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0023】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマー、あるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0024】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用あるいは、目的とする製品品質に合った最適配合が求められるが、その配合量を特に限定するものではない。
【0025】
充填剤は、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、クレーなどの内の1種類、あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。これを特に限定するものではない。但し、本発明では、配合量を熱硬化性樹脂100重量部に対して30〜300重量部とするものである。この範囲に満たないと、製品の耐衝撃強度は優れるが耐熱性を十分に発揮できないおそれがあり、またこの範囲を越えると耐熱性は優れるが耐衝撃強度が低下するおそれがある。
【0026】
また、充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石用の樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石用の樹脂組成物の粘度は低下して製造での問題はなくなるが、人造大理石製品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になる。従って、本発明では、充填剤の平均粒径の範囲を2μm〜50μmの範囲とするものである。また、充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いると、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石製品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0027】
硬化剤(ラジカル重合開始剤)としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやビス(4−tブチル−シクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等を用いることができる。
【0028】
また、樹脂組成物には本発明の連鎖移動剤のほかに、紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。この添加配合する柄材についても本発明の樹脂組成物を用いて成形したものを用いると、柄材自体も内部応力の少ないものとなり、本発明の樹脂組成物を用いないものに比べより高い衝撃強度の柄材入りの人造大理石成形品を得ることができる。
【0029】
注入する人造大理石用の樹脂組成物は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調整し、更に、この樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理をし、減圧状態から開放して加熱用配管が設置された注型用金型に注入する。注入後、その加熱用配管内に加熱媒体を通して金型を加熱する。加熱することにより、これらの樹脂組成物中の上記熱硬化性樹脂中の反応性不飽和基と、同じく樹脂中の重合性モノマーの反応性不飽和基との共重合反応を進行させ、この時、連鎖移動剤の働きでその共重合反応を制御して硬化特性における最高発熱温度の上昇を抑え、それによって成型品の内部応力発生を極力少なくした形で人造大理石用の樹脂組成物の硬化成形を行うことができる。
【0030】
このようにして得られた本発明の人造大理石成形品は、耐衝撃強度(機械的衝撃強度、熱的衝撃強度)が向上し、靱性の高い製品とすることができるものであり、従って、多量のガラス繊維を配合する必要がなくなって、製品の透明感が低下したり、製品の表面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりすることがなくなるもので、外観的に透明感に優れた人造大理石を得ることができるものである。また、人造大理石の製品の裏面に木製の補強板やFRPの補強層を設けたり、製品厚みを厚くしたりする必要がなくなり、薄型化が可能になると共に製品の軽量化を図ることができるものである。
【0031】
このような人造大理石成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、あるいは、床材や家具の表面材等への商品化が容易となるものである。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0033】
(実施例1)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{武田薬品(株)製プロミネートP−311}を用い、これに連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーをビニルエステル樹脂100重量部に対して2.5重量部添加した。更にこれに、充填剤として水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}を、同じく樹脂分100重量部に対して125重量部配合した(a)。
【0034】
この(a)に着色剤として黒色トナーを同じく樹脂分100重量部に対して0.5重量部と、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して柄材用の樹脂組成物(b)を得て、これを注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃で110分間加熱硬化させ、得られた成形品を粉砕機で粉砕して分級して平均粒径2.3mmの柄材(c)を得た。一方、樹脂組成物(a)の連鎖移動剤を添加しない樹脂組成物(d)を得て、(c)の配合と同様の操作で連鎖移動剤を添加しなかった柄材(e)を得た。
【0035】
次に、樹脂組成物(a)に柄材(c)を同じく樹脂分100重量部に対して5.5重量部添加して、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら撹絆混合して注型用の樹脂組成物を得て、平板の形状で15mm厚みに設定された注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃で110分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品(1)を得た。
【0036】
更に、樹脂組成物(a)に柄材(e)を上記柄材(c)の添加系の場合と全く同様にして、人造大理石成形品(2)を得た。
【0037】
(実施例2)
熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)製ポリマール5450}を用い、これに連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタンをポリエステル樹脂100重量部に対して1.5重量部添加した。更にこれに、充填剤として水酸化アルミニウム{日本軽金属(株)製BW−103 平均粒径8μm}を、同じく樹脂分100重量部に対して135重量部配合した(f)。
【0038】
この(f)に着色剤として白色のトナーを同じく樹脂分100重量部に対して、0.7重量部と、硬化剤{日本油脂(株)製パ一キュアWO}2.5重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して柄材用の樹脂細成物(g)を得て、これを注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃で110分間加熱硬化させ、得られた成形品を粉砕機で粉砕して分級して平均粒径2.5mmの柄材(h)を得た。一方、樹脂組成物(f)の連鎖移動剤を添加しない樹脂組成物(i)を得て、(g)の場合と同様の操作で連鎖移動剤を添加しなかった柄材(j)を得た。
【0039】
次に、樹脂組成物(f)に柄材(h)を同じく樹脂分100重量部に対して4.5重量部添加して、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}2.5重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら撹絆混合して注型用の樹脂組成物を得て、平板の形状で15mm厚みに設定された注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃で110分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品(3)を得た。
【0040】
更に、樹脂組成物(f)に柄材(j)を上記柄材(h)の添加系の場合と全く同様にして、人造大理石成形品(4)を得た。
【0041】
(実施例3)
熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂{日本フェロー(株)製AC−02}を用い、これに連鎖移動剤として、ラウリルメルカプタンを、アクリルシロップ樹脂100重量部に対して、1.0重量部添加した。更にこれに、充填剤としてシリカ{龍森(株)製CRYSTALITE M−3K 平均粒径20μm}を、同じく樹脂分100重量部に対して120重量部配合した(k)。
【0042】
この(k)に着色剤として茶色のトナーを同じく樹脂分100重量部に対して0.3重量部と硬化剤{化薬アクゾ(株)製パーカドックス16}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して柄材用の樹脂組成物(1)を得て、これを注型用金型内に注入充填し、金型温度を90℃で120分間加熱硬化させ、得られた成形品を粉砕機で粉砕して分級して平均粒径2.3mmの柄材(m)を得た。一方、樹脂組成物(k)の連鎖移動剤を添加しない樹脂組成物(n)を得て、(m)の場合と同様の操作で連鎖移動剤を添加しなかった柄材(o)を得た。
【0043】
次に、樹脂組成物(k)に柄材(m)を同じく樹脂分100重量部に対して5.0重量部添加して、硬化剤{化薬アクゾ(株)製パーカドックス16}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得て、平板の形状で15mm厚みに設定された注型用金型内に注入充填し、金型温度を90℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品(5)を得た。
【0044】
更に、樹脂組成物(k)に柄材(o)を上記柄材(m)の添加系の場合と全く同様にして、人造大理石成形品(6)を得た。
【0045】
(実施例4)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)ポリマール5250}を85/15の配合比で混合したものを用い、これに連鎖移動剤として、α一メチルスチレンダイマーとn−ドデシルメルカプタンをそれぞれその混合樹脂100重量部に対して、1.5重量部、0.5重量部を添加した。更にこれに、充填剤として、水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を混合樹脂分100重量部に対して150重量部配合した(p)。
【0046】
この(p)に着色剤として茶色のトナーと黒色トナーをそれぞれ同じく混合樹脂分100重量部に対して0.15重量部、0.20重量部と、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して柄材用の樹脂組成物(q)を得て、これを注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃で120分間加熱硬化させ、得られた成形品を粉砕機で粉砕して分級して平均粒径2.6mmの柄材(r)を得た。一方、樹脂組成物(p)の連鎖移動剤を添加しない樹脂組成物(s)を得て、(r)の場合と同様の操作で連鎖移動剤を添加しなかった柄材(t)を得た。
【0047】
次に、樹脂組成物(p)に柄材(r)を同じく樹脂分100重量部に対して6.0重量部添加して、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得て、平板の形状で15mm厚みに設定された注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品(7)を得た。
【0048】
更に、樹脂組成物(p)に柄材(t)を上記柄材(r)の添加系の場合と全く同様にして、人造大理石成形品(8)を得た。
【0049】
(実施例5)
熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、アクリルシロップ樹脂{三井化学(株)XE924−1}を95/5の配合比で混合したものを用い、これに連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマーとラウリルメルカプタンとn−ドデシルメルカプタンをそれぞれその混合樹脂100重量部に対して、1.5重量部、0.3重量部、0.2重量部を添加した。さらにこれに、充填剤として、水酸化アルミニウム{住友化学(株)製CW−316 平均粒径15μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、95/5で混合したものを用い、この混合充填剤を混合樹脂分100重量部に対して140重量部配合した(u)。
【0050】
この(u)に着色剤として茶色のトナーと黒色トナーをそれぞれ同じく混合樹脂分100重量部に対して0.20重量部、0.05重量部と、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して柄材用の樹脂組成物(v)を得て、これを注型用金型内に注入充填し、金型温度を95℃で120分間加熱硬化させ、得られた成形品を粉砕機で粉砕して分級して平均粒径2.1mmの柄材(w)を得た。一方、樹脂組成物(u)の連鎖移動剤を添加しない樹脂組成物(x)を得て、(w)の場合と同様の操作で連鎖移動剤を添加しなかった柄材(y)を得た。
【0051】
次に、樹脂組成物(u)に柄材(w)を同じく樹脂分100重量部に対して7.2重量部添加して、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュァHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得て、平板の形状で15mm厚みに設定された注型用金型内に注入充填し、金型温度を100℃で120分間加熱して硬化させ、人造大理石成形品(9)を得た。
【0052】
更に、樹脂組成物(u)に柄材(y)を上記柄材(w)の添加系の場合と全く同様にして、人造大理石成形品(10)を得た。
【0053】
(比較例1〜5)
実施例1〜5の連鎖移動剤を添加しない樹脂組成物(d)、(i)、(n)、(s)、(x)とそれぞれの柄材との組み合わせ、即ち、比較例1の場合は、樹脂組成物(d)と柄材(c)、樹脂組成物(d)と柄材(e)の組み合わせ、比較例2の場合は、樹脂組成物(i)と柄材(h)、樹脂組成物(i)と柄材(j)の組み合わせ、比較例3の場合は、樹脂組成物(n)と柄材(m)、樹脂組成物(n)と柄材(o)の組み合わせ、比較例4の蜴合は、樹脂組成物(s)と柄材(r)、樹脂組成物(s)と柄材(t)の組み合わせ、比較例5の場合は、樹脂組成物(x)と柄材(w)、樹脂組成物(x)と柄材(y)の組み合わせで、他はそれぞれの実施例と同一条件にしてそれぞれ人造大理石成形品、比較例1=(11)と(12)、比較例2=(13)と(14)、比較例3=(15)と(16)、比較例4=(17)と(18)、比較例5=(19)と(20)を得た。
【0054】
上記実施例1〜5の人造大理石成形品と比較例1〜5の人造大理石成形品について、シャルピー衝撃強度を測定して耐衝撃性を評価した。結果を表1.に示す。尚、実施例1〜5のものはそれぞれ透明感が良好であり、比較例1〜5についても各実施例と同程度のものであった。
【0055】
【表1】
Figure 0004960573
【0056】
【発明の効果】
本発明は熱硬化性樹脂に少なくとも柄材及び連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石を製造するのに用いる人造大理石用の樹脂組成物であるので、連鎖移動剤にて連鎖重合反応を抑えることができ、注型用金型に注入した樹脂組成物の成形硬化過程での極端な発熱ピークの出現を抑え、最高発熱温度を低下させることができ、内部応力により衝撃強度が弱くなることがない。また、柄材が、熱硬化性樹脂に、充填剤、内部離型剤、硬化剤から少なくとも選ばれた添加物と、連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを成形硬化させて成る成形品を粉砕することで得られるものであるので、柄材が内部応力の少ないものとなる。このためガラス繊維を大量に配合したり、補強板や補強層を設けたりすることなく、高い耐衝撃性の人造大理石成形品を得ることができるものである。

Claims (1)

  1. 熱硬化性樹脂に少なくとも柄材及び連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることにより人造大理石を製造するのに用いる人造大理石用の樹脂組成物であって、柄材が、熱硬化性樹脂に、充填剤、内部離型剤、硬化剤から少なくとも選ばれた添加物と、連鎖移動剤を配合した樹脂組成物を得て、これを成形硬化させて成る成形品を粉砕することで得られるものであることを特徴とする人造大理石用の樹脂組成物。
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