JP4052276B2 - 人造大理石の製造方法および人造大理石製造用の注型用金型 - Google Patents
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Description
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、柄材を配合した人造大理石樹脂組成物を金型内に素早く、勢いよく、かつ均一に流し込むことができ、その結果、柄ムラのない均一分布の柄模様を有した人造大理石の成形品を得ることができる製造方法およびその注型用金型を提供することを目的とする。
請求項3では、請求項1において、充填剤の添加量は、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、10〜300重量部であることを特徴とする。
請求項4では、請求項1において、充填剤の平均粒径が2〜100μmであることを特徴とする。
請求項5では、請求項1において、硬化剤の添加量は、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であることを特徴とする。
請求項7では、請求項6において、樹脂溜まり部は注型用金型の幅方向に沿って凹設された樹脂溜まり溝であることを特徴とする。
そしてその結果、柄ムラのない均一分布の柄模様を有した人造大理石の成形品を得ることができる。また、大粒柄や多粒柄にも対応することができる。
請求項2では、熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうちの1種類または2種類以上の混合物を用いているため、各種樹脂特性を有した成形品を得ることができる。
請求項3では、充填剤の添加量が熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、10〜300重量部であるため、耐熱性、耐衝撃強度ともに優れた成形品を得ることができる。
請求項4では、充填剤の平均粒径が2〜100μmであるため、粒径が小さすぎて樹脂組成物の粘度を急激に上昇させることがなく、また粒径が大きすぎて耐衝撃強度を低下させることもない。
請求項5では、硬化剤の添加量が熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であるため、硬化剤が少なすぎて熱硬化性樹脂の硬化を妨げることがなく、また多すぎて急激なラジカル反応により硬化に伴う発熱量が大きくなり、成形クラックが発生することもない。
注型用金型は上金型1と下金型2とで構成されており、上金型1と下金型2の間に樹脂組成物を注入して成形するとともに加熱硬化させて成形品を得ることができるようになっている。なお、上金型1と下金型2の少なくとも一方は上下に駆動されるようになっている。
この樹脂溜まり部5は材料注入口3に略相対する箇所に位置し、幅方向に沿って延出された溜まり溝として形成されている。なお、樹脂溜まり部5の位置や形状、大きさ、深さは限定されるものではなく、材料注入口3から注入された樹脂組成液が金型空間内8に溢れ出る前に材料が溜まるような凹部として形成されていればよい。
人造大理石の製造に使用する樹脂組成物は、熱硬化性樹脂に柄材、充填剤、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合したものである。
ここで、ビスフェノール型ビニエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型ビニエステル樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。
なお、硬化剤の添加量は、ラジカル重合開始剤100%換算で熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、0.1〜5.0重量部とすることが好ましい。0.1重量部以下の添加量では熱硬化性樹脂の硬化が完全硬化とならず、また5.0重量部以上ではラジカル反応が急激すぎて硬化に伴う発熱量が大きくなり成形クラックが発生し正常な成形品ができなくなるからである。
まず、材料注入口3より樹脂組成物9が注入される(図3(a))。注入された樹脂組成物9は樹脂溜まり部5に順次溜まっていく(図3(b))。樹脂溜まり部5がいっぱいになると、樹脂組成物9はダムから水がいっせいに溢れ出るように、金型の幅方向に広がった状態でいっせいに金型長手方向に流れ出し、ベントノズル6からエアーを排出しながら充填用空間8を満たしていく(図3(c)〜(e))。
そして、その後、加熱硬化させて成形品を得る。なお、溜まり部5に残った、硬化した樹脂は必要に応じて除去する。
これを注型用金型に材料注入口3から注入し、充填用空間8に充填し、その後、金型温度を100℃で120分間、加熱硬化させ、ベンガラ色と黒色が均一に入り混じった柄ムラのない大粒の柄模様を有した人造大理石成形品を得た。
これを注型用金型に材料注入口3から注入し、充填用空間8に充填し、その後、金型温度を100℃で130分間、加熱硬化させ、緑色、白色、黒色が均一に入り混じった柄ムラのない大粒の柄模様を有した人造大理石成形品を得た。
これを注型用金型に材料注入口3から注入し、充填用空間8に充填し、その後、金型温度を90℃で120分間、加熱硬化させ、ベージュ色、白色、黒色が均一に入り混じった柄ムラのない大粒の柄模様を有した人造大理石成形品を得た。
これを注型用金型に材料注入口3から注入し、充填用空間8に充填し、その後、金型温度を95℃で150分間、加熱硬化させ、茶色、白色、黒色、ベージュ色が均一に入り混じった柄ムラのない多粒の柄模様を有した人造大理石成形品を得た。
これを注型用金型に材料注入口3から注入し、充填用空間8に充填し、その後、金型温度を95℃で150分間、加熱硬化させ、黒色、白色、茶色、緑色が均一に入り混じった柄ムラのない多粒の柄模様を有した人造大理石成形品を得た。
2 下金型
3 材料注入口
4 ガスケット
5 樹脂溜まり部
6 ベントノズル
7 加熱用配管
8 充填用空間
9 樹脂組成物
Claims (7)
- 充填用空間内の材料注入口に略相対する位置に、金型の幅方向に延出される樹脂溜まり部を設けた、一対の注型用金型を準備し、
熱硬化性樹脂に柄材、充填剤、硬化剤を配合した樹脂組成物を上記注型用金型の上記材料注入口より注入して、樹脂組成物をいったん上記樹脂溜まり部に溜まらせた後、充填用空間内に充填させ、しかる後に加熱硬化させて成形品を得ることを特徴とする、人造大理石の製造方法。 - 請求項1において、
上記熱硬化性樹脂は、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂のうちの1種類または2種類以上の混合物であることを特徴とする、人造大理石の製造方法。 - 請求項1において、
上記充填剤の添加量は、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、10〜300重量部であることを特徴とする、人造大理石の製造方法。 - 請求項1において、
上記充填剤の平均粒径が2〜100μmであることを特徴とする、人造大理石の製造方法。 - 請求項1において、
上記硬化剤の添加量は、熱硬化性樹脂成分100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であることを特徴とする、人造大理石の製造方法。 - 樹脂組成物を材料注入口より注入し、充填用空間内に充填させた後に、加熱硬化させて成形品を得るようにした、上下一対の金型からなる注型用金型であって、
上記充填用空間内の上記材料注入口に略相対する位置に樹脂溜まり部を設けていることを特徴とする、人造大理石製造用の注型用金型。 - 請求項6において、
上記樹脂溜まり部は、上記注型用金型の幅方向に沿って凹設された樹脂溜まり溝であることを特徴とする人造大理石製造用の注型用金型。
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