JP2004148547A - 人造大理石の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】人造大理石成形品と無機系成形板との複合板を得る際に、従来の複合するもののように板厚の精度その表面性が要求されず、貼り合わせるための設備・装置などが全く不要で、しかも複合板の厚み精度が高く、極めて低コストで実現できる人造大理石の製造方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物1を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法である。無機系成形板3を注型用金型A内に予め設置して樹脂組成物1を注入硬化させ、人造大理石成形品4と無機系成形板3とを複合一体化成形する。
【選択図】 図1
【解決手段】熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物1を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法である。無機系成形板3を注型用金型A内に予め設置して樹脂組成物1を注入硬化させ、人造大理石成形品4と無機系成形板3とを複合一体化成形する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具の部材や建材として用いられる人造大理石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石成形品を形成することが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照、)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−32443号公報
【特許文献2】
特開2002−104859号公報
この人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。
これらを活用した人造大理石成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンタ、浴槽、洗面ボールなどに広く利用されている。
【0004】
近年、人造大理石の高意匠性や高強度、不燃性や難燃性、あるいは断熱性、軽量化、あるいはその他の新しい機能材を求めて各種の無機系成形板との複合材が検討されている。
【0005】
通常、人造大理石成形品と無機系成形板との複合は、各種の接着剤を両者のどちらか一方またはその両方に塗布して貼リ合わせる方法で行うのが一般的に考えられる。しかしこの接着剤で貼り合わせる方法では、貼り合わせる面を均一に研磨加工することが必要で、また、貼り合わされた複合板の厚み精度が両方の板厚の精度、塗布する接着剤の塗布(厚み)あるいは、貼り合わせる時の圧着圧力などの影響でぱらつく為、多大な加工工数と条件をコントロールするための設備・装置が必要で、非常にコスト高となるものであった。多大な加工工数や貼り合わせの条件コントロールなどが必要ない低コストの方法の出現が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、人造大理石成形品と無機系成形板との複合板を得る際に、従来の複合するものように板厚の精度その表面性が要求されず、貼り合わせるための設備・装置などが全く不要で、しかも複合板の厚み精度が高く、人造大理石成形品の成形と同時に無機系成形板との複合一体化ができるため、極めて低コストで実現できる人造大理石の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1の人造大理石の製造方法は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法において、無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形することを特徴とする。上記のように無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形することにより、人造大理石成形品の成形と同時に無機系成形板を一体に複合でき、従来の接着剤を介して貼り合わせて複合するもののように板厚の精度やその表面状態が要求されず、また貼り合わせるための設備、装置などが全く不要で、しかも得た製品である複合板の厚み精度が高く、また極めて低いコストで実現できる。
【0008】
また本発明の請求項2の人造大理石の製造方法は、請求項1において、注型用金型に樹脂組成物を注入後、その注型用金型を反転して硬化させて人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化することを特徴とする。この場合、樹脂組成物にあった気泡が無機系成形板にて内部に封入されて表面に気泡が出てこない状態で成形硬化させられ、気泡のない表面性のよい複合板を得ることができる。
【0009】
また本発明の請求項3の人造大理石の製造方法は、請求項1において、複合化する無機系成形板が複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴のどちらか一方、あるいはその両方共を持つものであることを特徴とする。この場合、穴に樹脂組成物が入り、このアンカー効果にて無機系成形板が人造大理石成形品に強固に一体化される。
【0010】
また本発明の請求項4の人造大理石の製造方法は、請求項3において、無機系成形板が持つ複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴が、複合一体化する人造大理石成形品側の穴の径がその反対側の穴の径より小さくなっていることを特徴とする。この場合、一層アンカー効果があって無機系成形板が人造大理石成形品に一層強固に一体化される。
【0011】
また本発明の請求項5の人造大理石の製造方法は、請求項1において、熱硬化性樹脂がポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の単独あるいは、2種類以上の混合系で構成したものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の人造大理石の製造方法は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物1を得て、これを注型用金型Aに注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法において、無機系成形板3を注型用金型A内に予め設置して樹脂組成物1を注入硬化させ、人造大理石成形品4と無機系成形板3とを複合一体化成形することを特徴とする。
【0013】
上記無機系成形板3は、特に限定するものでなく、セメント板、炭酸カルシウム板、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板、ロックウール板、グラスウール板など各種のものを用いることができる。また、無機系成形板3は図10(a)のような無塗装板や図10(b)のように塗装を施した塗装板や表面に凹凸を形成した化粧板などの種類があるがいずれも用いることができる。これらの無機系成形板3そのままを用いることもできるが、人造大理石成形品4との複合密着性より強固にし、反りや変形や剥離に強い性能を得る為に、図10(c)に示すように貫通した穴5あるいは未貫通の穴6を複数を施した形態のものを用いることができる。図10(d)は無機系成形板3に貫通した穴5を設けた状態を示し、図10(e)は無機系成形板3に未貫通の穴6を設けた状態を示す。この貫通した穴5や未貫通の穴6は本例の場合、板厚方向にテーパーを持つものであり、一端の径a、cが他端の径b、dに比べて小さくしてある(a<b、c<d)。
【0014】
無機系成形板3に貫通した穴5あるいは未貫通の穴6を設けるが、貫通した穴5と未貫通の穴6とはどちらか一方の形態のものだけで構成しても良いし、その両方が混在する形態で構成されても構わないものである。さらに、穴加工の大きさや数や配列あるいは穴5,6の深さなど特に限定するものではないが、本発明の実施の形態の例ではこの貫通した穴5や未貫通の穴6が板厚方向にテーパーを持つものであり、一端の径a、cが他端の径b、dに比べて小さくしてある(a<b、c<d)。そしてこの無機系成形板3の穴5,6の径の小さい方を人造大理石成形品4側に向けて後述するように無機系成形板3を人造大理石成形品4に複合一体化すると、そのアンカー効果により強固に一体化でき、複合密着性や反りや変形や剥離に強い性能をより高め、複合材の耐久品質を大きく向上させることができる。
【0015】
また、複合する無機系成形板3の表面は凹凸がひどくても、均一な面でなくても注入する人造大理石の樹脂組成物1が液状である為、その面に沿う形で一体化され、無機系成形板3を人造大理石成形品4に複合した複合材の厚みは注型用金型Aの上下金型7,8のクリアランスで設定される。従って、従来、必要であった複合する板表面の均一化や板厚の精度が不要なものとなるものである。
【0016】
無機系成形板3を人造大理石成形品4に複合した複合材を製造する方法について説明すると次の通りである。図1は複合化するための注型用金型Aを示しており、上金型7及び下金型8で主体が構成されている。上金型7と下金型8のクリアランスは得られる複合材の厚み寸法で調整し設定されている。上下金型7,8には加熱するための加熱用温水配管14が設けられており、上下金型7,8間に注型成形空間部9が設けられている。上金型7には樹脂組成物1を注入するための注入口11が形成されており、上下金型7,8の周縁間にはガスケット10が設けられており、ガスケット10はベントノズル12が設けられている。
【0017】
図2は上金型7を開いて、複合する無機系成形板3を下金型8にセットした状態を示している。セットした無機系成形板3の表面(化粧面)は下金型8面側になる。もし、この無機系成形板3が貫通した穴5あるいは未貫通の穴6を持つ場合はその下金型8面側の穴径が大きく、上金型7面側の穴径は小さくして構成された形態を持つものである。
【0018】
その後、図3に示すように上金型7を閉じて樹脂組成物1の注入待ちの状態とする。次に図3の樹脂組成物充填空間部13に注入口11から人造大理石の樹脂組成物1を図4に示すように注入充填する。樹脂組成物1の注入充填後、注入口11を閉じて図5、図6に示すように注型用金型Aを反転して設置する。樹脂組成物1の注型用金型A内への注入は、注型用金型A内にあった空気を押しのけて行きながら樹脂組成物1が充填される。この時、押しのけられた空気はベントノズル12から排出されるが、それは完全ではなく注入する樹脂組成物1の中に空気が巻き込まれる現象がおこる。従って、注入充填された樹脂組成物1の中には多少の空気(気泡)が存在することになる。次の操作で注型用金型Aを加温して温度を上昇させ、樹脂組成物1を成形硬化させる段階に入るが、この時樹脂組成物1内に存在する気泡が大きくなってその表面部に上昇して密集する形となり、それがそのまま硬化すると成形品の片面側に気泡の凹凸が残り良好な成形品とならない。つまり、図4のような形態で成形硬化させると人造大理石成形品4側の表面側即ち上金型面7側に気泡の凹凸が残る面となり表面性の悪い成形品(複合材)になってしまうことになる。
【0019】
本発明の方法即ち、樹脂組成物1の注入完了後に注型用金型Aを反転させて硬化操作を行う方法では、樹脂組成物1内にあった気泡は設定された無機系成形板3とこれから硬化成形される人造大理石成形品4の境目に上昇して密集する状態となるため複合板の内部に封入されて表面には出てこない形態で成形硬化されることになる。従って、得られる複合板はその表面性が良好なものとなるものである。
【0020】
成形硬化後、図7、図8に示すように再び注型用金型Aを反転し、図9に示すように注型用金型Aを開いて無機系成形板3を複合した人造大理石成形品4を取り出す。また、硬化完了後、注型用金型Aを反転しないで下金型8を開いて無機系成形板3を複合した人造大理石成形品4を取り出すことも可能である。
【0021】
本発明では、その樹脂組成物1を構成する熱硬化性樹脂は、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合系で用いることができる。ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0022】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0023】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマー、あるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0024】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用あるいは、目的とする製品品質に合った最適配合が求められが、その配合量は特に限定されるものではない。充填剤は水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、クレーなどのうちの1種類、あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。
【0025】
充填剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して100〜300重量部とすることが好ましく、この範囲に満たないと、製品の耐衝撃強度は優れるが耐熱性を十分に発揮できないおそれがあり、またこの範囲を越えると耐熱は優れるが耐衝撃強度が低下するおそれがある。しかし、これを特に限定するものではない。
【0026】
充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石の樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石の樹脂組成物の粘度は低下して製造での問題はなくなるが、人造大理石製品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になるため平均粒径は5μm〜50μm程度の範囲のものを用いるのが望ましい。しかし、特にこれを限定するものではない。また、充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いると、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石製品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0027】
また、樹脂組成物には硬化剤を配合する。硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、例えばビニルエステル樹脂の場合は樹脂と架橋剤との総量100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。また、樹脂組成物1には本発明の反応型紫外線吸収剤のほか、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。注入する人造大理石用の樹脂組成物1は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調整し、更に、この樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理し、減圧状態から開放して注型用金型Aに注入する。注入後、加熱用配管14内に加熱媒体を通して注型用金型Aを加熱する。このようにして得られた本発明の無機系成形板3を複合した人造大理石成形品4は、キッチンや浴室など壁面材、カウンター類、あるいは床材や家具の表面材等への商品化が容易となるものである。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳述する。
(実施例1)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを12mmに設定した。次に図2のように金型を開いて、6mm厚みの炭酸カルシウム板{未貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(e)のc=4mm,d=6mmを形成したもの)を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{武田薬品(株)製プロミネートP−311}を用い、この樹脂100重量部に対して、充填剤として水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}を140重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ3重量部、6重量部、4重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で50分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、95℃で120分加熱保持して硬化させた。再び、注型用金型を反転させ、上金型を開いて炭酸カルシウム板と複合一体化された12mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
(実施例2)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを13mmに設定した。次に図2のように注型用金型を開いて、7mm厚みのセメント板{未貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(e)のc=5mm,d=7mmを形成したもの}を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)製ポリマール5450}を用い、この樹脂100重量部に対して、充填剤として水酸化アルミニウム{日本軽金属(株)製BW−103 平均粒径8μm}を150重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ2.5重量部、5重量部、3重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.35重量部添加した。更に硬化剤{日本油脂(株)製パーキュァHO}2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で50分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、95℃で110分加熱保持して硬化させた。再び、注型用金型を反転させ、上金型を開いてセメント板と複合一体化された13mm厚みのグラニット調の模様を持っ人造大理石の複合材を得た。
(実施例3)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを12mmに設定した。次に図2のように金型を開いて、7mm厚みのケイ酸カルシウム板{貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(d)c=4mm、b=7mmを形成したもの}を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂{日本フェロー(株)製AC−02}を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、シリカ{龍森(株)製CRYSTALlTE M−3K 平均粒径20μm)を150重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ1.5重量部、2重量部、3重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に、硬化剤{化薬アクゾ(株)製パーカドックス16}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で50分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、90℃で110分加熱保持して硬化させた。再び、注型用金型を反転させ、上金型を開いてケイ酸カルシウム板と複合一体化された12mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
(実施例4)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを15mmに設定した。次に図2のように注型用金型を開いて、8mm厚みの炭酸マグネシウム板{貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(d)のa=4mm、b=7mmを形成したもの)を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)ポリマール5250}を80/20の配合比で混合したものを用い、この混合樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を145重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ3.5重量部、5重量部、6重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、93℃で120分加熱保持して硬化させた。再び、金型を反転させ、上金型を開いて炭酸マグネシウム板と複合一体化された15mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
(実施例5)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを15mmに設定した。次に図2のように注型用金型を開いて、8mm厚みのロックウール化粧板{未貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(d)のc=4mm、d=6mmに形成したもの}を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、アクリルシロップ樹脂{三井化学(株)製XE924−1)を95/5の配合比で混合したものを用い、この混合樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム{住友化学(株)製CW−316 平均粒径15μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、95/5で混合したものを用い、この混合充填剤を150重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ4重量部、3.5重量部、5重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、95℃で120分加熱保持して硬化させた。再び注型用金型を反転させ、上金型を開いてロックウール化粧板と複合一体化された15mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
【0029】
【発明の効果】
本発明は叙述の如く無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形するので、人造大理石成形品の成形と同時に無機系成形板を一体に複合でき、従来の接着剤を介して貼り合わせて複合するもののように板厚の精度やその表面状態が要求されず、また貼り合わせるための設備、装置などが全く不要で、しかも得た製品である複合板の厚み精度が高く、また極めて低いコストで実現できるものである。
【0030】
また本発明の請求項2の発明は、請求項1において、注型用金型に樹脂組成物を注入後、その注型用金型を反転して硬化させて人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化するので、樹脂組成物にあった気泡が無機系成形板にて内部に封入されて表面に気泡が出てこない状態で成形硬化させられ、気泡のない表面性のよい複合板を得ることができるものである。
【0031】
また本発明の請求項3の発明は、請求項1において、複合化する無機系成形板が複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴のどちらか一方、あるいはその両方共を持つものであるので、穴に樹脂組成物が入り、このアンカー効果にて無機系成形板が人造大理石成形品に強固に一体化されるものである。
【0032】
また本発明の請求項4の発明は、請求項3において、無機系成形板が持つ複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴が、複合一体化する人造大理石成形品側の穴の径がその反対側の穴の径より小さくなっているので、一層アンカー効果があって無機系成形板が人造大理石成形品に一層強固に一体化されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の成形工程を説明する断面図である。
【図2】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図3】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図4】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図5】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図6】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図7】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図8】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図9】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図10】(a)(b)(c)は同上の無機系成形板の斜視図、(d)(e)は(c)の要部を拡大せる断面図である。
【符号の説明】
A 注型用金型
1 樹脂組成物
3 無機系成形板
4 人造大理石成形品
5 貫通した穴
6 未貫通の穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具の部材や建材として用いられる人造大理石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を所望の注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石成形品を形成することが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照、)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−32443号公報
【特許文献2】
特開2002−104859号公報
この人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来よりポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。
これらを活用した人造大理石成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンタ、浴槽、洗面ボールなどに広く利用されている。
【0004】
近年、人造大理石の高意匠性や高強度、不燃性や難燃性、あるいは断熱性、軽量化、あるいはその他の新しい機能材を求めて各種の無機系成形板との複合材が検討されている。
【0005】
通常、人造大理石成形品と無機系成形板との複合は、各種の接着剤を両者のどちらか一方またはその両方に塗布して貼リ合わせる方法で行うのが一般的に考えられる。しかしこの接着剤で貼り合わせる方法では、貼り合わせる面を均一に研磨加工することが必要で、また、貼り合わされた複合板の厚み精度が両方の板厚の精度、塗布する接着剤の塗布(厚み)あるいは、貼り合わせる時の圧着圧力などの影響でぱらつく為、多大な加工工数と条件をコントロールするための設備・装置が必要で、非常にコスト高となるものであった。多大な加工工数や貼り合わせの条件コントロールなどが必要ない低コストの方法の出現が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、人造大理石成形品と無機系成形板との複合板を得る際に、従来の複合するものように板厚の精度その表面性が要求されず、貼り合わせるための設備・装置などが全く不要で、しかも複合板の厚み精度が高く、人造大理石成形品の成形と同時に無機系成形板との複合一体化ができるため、極めて低コストで実現できる人造大理石の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の請求項1の人造大理石の製造方法は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法において、無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形することを特徴とする。上記のように無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形することにより、人造大理石成形品の成形と同時に無機系成形板を一体に複合でき、従来の接着剤を介して貼り合わせて複合するもののように板厚の精度やその表面状態が要求されず、また貼り合わせるための設備、装置などが全く不要で、しかも得た製品である複合板の厚み精度が高く、また極めて低いコストで実現できる。
【0008】
また本発明の請求項2の人造大理石の製造方法は、請求項1において、注型用金型に樹脂組成物を注入後、その注型用金型を反転して硬化させて人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化することを特徴とする。この場合、樹脂組成物にあった気泡が無機系成形板にて内部に封入されて表面に気泡が出てこない状態で成形硬化させられ、気泡のない表面性のよい複合板を得ることができる。
【0009】
また本発明の請求項3の人造大理石の製造方法は、請求項1において、複合化する無機系成形板が複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴のどちらか一方、あるいはその両方共を持つものであることを特徴とする。この場合、穴に樹脂組成物が入り、このアンカー効果にて無機系成形板が人造大理石成形品に強固に一体化される。
【0010】
また本発明の請求項4の人造大理石の製造方法は、請求項3において、無機系成形板が持つ複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴が、複合一体化する人造大理石成形品側の穴の径がその反対側の穴の径より小さくなっていることを特徴とする。この場合、一層アンカー効果があって無機系成形板が人造大理石成形品に一層強固に一体化される。
【0011】
また本発明の請求項5の人造大理石の製造方法は、請求項1において、熱硬化性樹脂がポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の単独あるいは、2種類以上の混合系で構成したものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明の人造大理石の製造方法は、熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物1を得て、これを注型用金型Aに注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法において、無機系成形板3を注型用金型A内に予め設置して樹脂組成物1を注入硬化させ、人造大理石成形品4と無機系成形板3とを複合一体化成形することを特徴とする。
【0013】
上記無機系成形板3は、特に限定するものでなく、セメント板、炭酸カルシウム板、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板、ロックウール板、グラスウール板など各種のものを用いることができる。また、無機系成形板3は図10(a)のような無塗装板や図10(b)のように塗装を施した塗装板や表面に凹凸を形成した化粧板などの種類があるがいずれも用いることができる。これらの無機系成形板3そのままを用いることもできるが、人造大理石成形品4との複合密着性より強固にし、反りや変形や剥離に強い性能を得る為に、図10(c)に示すように貫通した穴5あるいは未貫通の穴6を複数を施した形態のものを用いることができる。図10(d)は無機系成形板3に貫通した穴5を設けた状態を示し、図10(e)は無機系成形板3に未貫通の穴6を設けた状態を示す。この貫通した穴5や未貫通の穴6は本例の場合、板厚方向にテーパーを持つものであり、一端の径a、cが他端の径b、dに比べて小さくしてある(a<b、c<d)。
【0014】
無機系成形板3に貫通した穴5あるいは未貫通の穴6を設けるが、貫通した穴5と未貫通の穴6とはどちらか一方の形態のものだけで構成しても良いし、その両方が混在する形態で構成されても構わないものである。さらに、穴加工の大きさや数や配列あるいは穴5,6の深さなど特に限定するものではないが、本発明の実施の形態の例ではこの貫通した穴5や未貫通の穴6が板厚方向にテーパーを持つものであり、一端の径a、cが他端の径b、dに比べて小さくしてある(a<b、c<d)。そしてこの無機系成形板3の穴5,6の径の小さい方を人造大理石成形品4側に向けて後述するように無機系成形板3を人造大理石成形品4に複合一体化すると、そのアンカー効果により強固に一体化でき、複合密着性や反りや変形や剥離に強い性能をより高め、複合材の耐久品質を大きく向上させることができる。
【0015】
また、複合する無機系成形板3の表面は凹凸がひどくても、均一な面でなくても注入する人造大理石の樹脂組成物1が液状である為、その面に沿う形で一体化され、無機系成形板3を人造大理石成形品4に複合した複合材の厚みは注型用金型Aの上下金型7,8のクリアランスで設定される。従って、従来、必要であった複合する板表面の均一化や板厚の精度が不要なものとなるものである。
【0016】
無機系成形板3を人造大理石成形品4に複合した複合材を製造する方法について説明すると次の通りである。図1は複合化するための注型用金型Aを示しており、上金型7及び下金型8で主体が構成されている。上金型7と下金型8のクリアランスは得られる複合材の厚み寸法で調整し設定されている。上下金型7,8には加熱するための加熱用温水配管14が設けられており、上下金型7,8間に注型成形空間部9が設けられている。上金型7には樹脂組成物1を注入するための注入口11が形成されており、上下金型7,8の周縁間にはガスケット10が設けられており、ガスケット10はベントノズル12が設けられている。
【0017】
図2は上金型7を開いて、複合する無機系成形板3を下金型8にセットした状態を示している。セットした無機系成形板3の表面(化粧面)は下金型8面側になる。もし、この無機系成形板3が貫通した穴5あるいは未貫通の穴6を持つ場合はその下金型8面側の穴径が大きく、上金型7面側の穴径は小さくして構成された形態を持つものである。
【0018】
その後、図3に示すように上金型7を閉じて樹脂組成物1の注入待ちの状態とする。次に図3の樹脂組成物充填空間部13に注入口11から人造大理石の樹脂組成物1を図4に示すように注入充填する。樹脂組成物1の注入充填後、注入口11を閉じて図5、図6に示すように注型用金型Aを反転して設置する。樹脂組成物1の注型用金型A内への注入は、注型用金型A内にあった空気を押しのけて行きながら樹脂組成物1が充填される。この時、押しのけられた空気はベントノズル12から排出されるが、それは完全ではなく注入する樹脂組成物1の中に空気が巻き込まれる現象がおこる。従って、注入充填された樹脂組成物1の中には多少の空気(気泡)が存在することになる。次の操作で注型用金型Aを加温して温度を上昇させ、樹脂組成物1を成形硬化させる段階に入るが、この時樹脂組成物1内に存在する気泡が大きくなってその表面部に上昇して密集する形となり、それがそのまま硬化すると成形品の片面側に気泡の凹凸が残り良好な成形品とならない。つまり、図4のような形態で成形硬化させると人造大理石成形品4側の表面側即ち上金型面7側に気泡の凹凸が残る面となり表面性の悪い成形品(複合材)になってしまうことになる。
【0019】
本発明の方法即ち、樹脂組成物1の注入完了後に注型用金型Aを反転させて硬化操作を行う方法では、樹脂組成物1内にあった気泡は設定された無機系成形板3とこれから硬化成形される人造大理石成形品4の境目に上昇して密集する状態となるため複合板の内部に封入されて表面には出てこない形態で成形硬化されることになる。従って、得られる複合板はその表面性が良好なものとなるものである。
【0020】
成形硬化後、図7、図8に示すように再び注型用金型Aを反転し、図9に示すように注型用金型Aを開いて無機系成形板3を複合した人造大理石成形品4を取り出す。また、硬化完了後、注型用金型Aを反転しないで下金型8を開いて無機系成形板3を複合した人造大理石成形品4を取り出すことも可能である。
【0021】
本発明では、その樹脂組成物1を構成する熱硬化性樹脂は、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の単独あるいは、これらの2種類以上の混合系で用いることができる。ポリエステル樹脂としては、熱硬化性のものとして無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成され、分子内に不飽和結合とエステル結合を有するものである。また通常、この樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されていて、いわゆる、不飽和ポリエステル樹脂と称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0022】
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂あるいはノボラック型ビニルエステル樹脂あるいはその両方を混合して用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性不飽和基を有するものである。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。また通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合されているものであるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0023】
熱硬化型アクリル樹脂としては、通常熱硬化型として、メチルメタアクリレートモノマーあるいは、多官能のアクリルモノマーあるいはプレポリマー、あるいはポリマーのそれぞれ2種以上の混合物で構成されたアクリルシロップと称されるものを用いるが、その形態を特に限定されるものではない。
【0024】
また、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂の2種類以上の混合系とする場合は、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用あるいは、目的とする製品品質に合った最適配合が求められが、その配合量は特に限定されるものではない。充填剤は水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、クレーなどのうちの1種類、あるいは2種類以上の混合物として用いることができる。
【0025】
充填剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して100〜300重量部とすることが好ましく、この範囲に満たないと、製品の耐衝撃強度は優れるが耐熱性を十分に発揮できないおそれがあり、またこの範囲を越えると耐熱は優れるが耐衝撃強度が低下するおそれがある。しかし、これを特に限定するものではない。
【0026】
充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、人造大理石の樹脂組成物の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる傾向になり、また一方、充填剤の粒径が大きくなると、人造大理石の樹脂組成物の粘度は低下して製造での問題はなくなるが、人造大理石製品の耐衝撃強度が低下してしまう傾向になるため平均粒径は5μm〜50μm程度の範囲のものを用いるのが望ましい。しかし、特にこれを限定するものではない。また、充填剤の表面にあらかじめシランカップリング処理を施したものを用いると、その充填剤と樹脂との密着性を向上できて、人造大理石製品の耐衝撃強度を向上させることができる。
【0027】
また、樹脂組成物には硬化剤を配合する。硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートやt−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、例えばビニルエステル樹脂の場合は樹脂と架橋剤との総量100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ましい。また、樹脂組成物1には本発明の反応型紫外線吸収剤のほか、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできるし、より高級感を付与するために柄材を添加配合することも可能である。注入する人造大理石用の樹脂組成物1は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機等により混合攪拌して配合調整し、更に、この樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理し、減圧状態から開放して注型用金型Aに注入する。注入後、加熱用配管14内に加熱媒体を通して注型用金型Aを加熱する。このようにして得られた本発明の無機系成形板3を複合した人造大理石成形品4は、キッチンや浴室など壁面材、カウンター類、あるいは床材や家具の表面材等への商品化が容易となるものである。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳述する。
(実施例1)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを12mmに設定した。次に図2のように金型を開いて、6mm厚みの炭酸カルシウム板{未貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(e)のc=4mm,d=6mmを形成したもの)を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{武田薬品(株)製プロミネートP−311}を用い、この樹脂100重量部に対して、充填剤として水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}を140重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ3重量部、6重量部、4重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアWO}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で50分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、95℃で120分加熱保持して硬化させた。再び、注型用金型を反転させ、上金型を開いて炭酸カルシウム板と複合一体化された12mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
(実施例2)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを13mmに設定した。次に図2のように注型用金型を開いて、7mm厚みのセメント板{未貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(e)のc=5mm,d=7mmを形成したもの}を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)製ポリマール5450}を用い、この樹脂100重量部に対して、充填剤として水酸化アルミニウム{日本軽金属(株)製BW−103 平均粒径8μm}を150重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ2.5重量部、5重量部、3重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.35重量部添加した。更に硬化剤{日本油脂(株)製パーキュァHO}2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で50分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、95℃で110分加熱保持して硬化させた。再び、注型用金型を反転させ、上金型を開いてセメント板と複合一体化された13mm厚みのグラニット調の模様を持っ人造大理石の複合材を得た。
(実施例3)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを12mmに設定した。次に図2のように金型を開いて、7mm厚みのケイ酸カルシウム板{貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(d)c=4mm、b=7mmを形成したもの}を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、アクリルシロップ樹脂{日本フェロー(株)製AC−02}を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、シリカ{龍森(株)製CRYSTALlTE M−3K 平均粒径20μm)を150重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ1.5重量部、2重量部、3重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に、硬化剤{化薬アクゾ(株)製パーカドックス16}を2.0重量部添加して、20Torrの減圧下で50分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、90℃で110分加熱保持して硬化させた。再び、注型用金型を反転させ、上金型を開いてケイ酸カルシウム板と複合一体化された12mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
(実施例4)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを15mmに設定した。次に図2のように注型用金型を開いて、8mm厚みの炭酸マグネシウム板{貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(d)のa=4mm、b=7mmを形成したもの)を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、ポリエステル樹脂{武田薬品(株)ポリマール5250}を80/20の配合比で混合したものを用い、この混合樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム{昭和電工(株)製H−320 平均粒径10μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、90/10で混合したものを用い、この混合充填剤を145重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ3.5重量部、5重量部、6重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用の樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、93℃で120分加熱保持して硬化させた。再び、金型を反転させ、上金型を開いて炭酸マグネシウム板と複合一体化された15mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
(実施例5)
図1の注型用金型で上下金型のクリアランスを15mmに設定した。次に図2のように注型用金型を開いて、8mm厚みのロックウール化粧板{未貫通の穴をランダムに形成したもの;図10(d)のc=4mm、d=6mmに形成したもの}を設置して、注型用金型を閉じた。一方、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂{昭和高分子(株)製リポキシR−804}と、アクリルシロップ樹脂{三井化学(株)製XE924−1)を95/5の配合比で混合したものを用い、この混合樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム{住友化学(株)製CW−316 平均粒径15μm}とガラスパウダー{日本フリット(株)製GF−2−30A 平均粒径30μm}を、95/5で混合したものを用い、この混合充填剤を150重量部配合した。これに、白色の柄材と黒色の柄材と茶色の柄材をそれぞれ4重量部、3.5重量部、5重量部配合し、更に、着色剤として白のトナーを0.3重量部添加した。更に、硬化剤{日本油脂(株)製パーキュアHO}を3.0重量部添加して、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理しながら攪拌混合して注型用の樹脂組成物を得た。この注型用樹脂組成物を図3の状態の注型用金型に注入した。注入充填後、注入口を閉じ注型用金型を反転させて、図6の状態に設定し、徐々に金型温度を上昇させて、95℃で120分加熱保持して硬化させた。再び注型用金型を反転させ、上金型を開いてロックウール化粧板と複合一体化された15mm厚みのグラニット調の模様を持つ人造大理石の複合材を得た。
【0029】
【発明の効果】
本発明は叙述の如く無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形するので、人造大理石成形品の成形と同時に無機系成形板を一体に複合でき、従来の接着剤を介して貼り合わせて複合するもののように板厚の精度やその表面状態が要求されず、また貼り合わせるための設備、装置などが全く不要で、しかも得た製品である複合板の厚み精度が高く、また極めて低いコストで実現できるものである。
【0030】
また本発明の請求項2の発明は、請求項1において、注型用金型に樹脂組成物を注入後、その注型用金型を反転して硬化させて人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化するので、樹脂組成物にあった気泡が無機系成形板にて内部に封入されて表面に気泡が出てこない状態で成形硬化させられ、気泡のない表面性のよい複合板を得ることができるものである。
【0031】
また本発明の請求項3の発明は、請求項1において、複合化する無機系成形板が複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴のどちらか一方、あるいはその両方共を持つものであるので、穴に樹脂組成物が入り、このアンカー効果にて無機系成形板が人造大理石成形品に強固に一体化されるものである。
【0032】
また本発明の請求項4の発明は、請求項3において、無機系成形板が持つ複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴が、複合一体化する人造大理石成形品側の穴の径がその反対側の穴の径より小さくなっているので、一層アンカー効果があって無機系成形板が人造大理石成形品に一層強固に一体化されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の成形工程を説明する断面図である。
【図2】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図3】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図4】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図5】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図6】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図7】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図8】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図9】同上の成形工程を説明する断面図である。
【図10】(a)(b)(c)は同上の無機系成形板の斜視図、(d)(e)は(c)の要部を拡大せる断面図である。
【符号の説明】
A 注型用金型
1 樹脂組成物
3 無機系成形板
4 人造大理石成形品
5 貫通した穴
6 未貫通の穴
Claims (5)
- 熱硬化性樹脂に充填剤、柄材、内部離型剤、硬化剤などの添加物を配合した樹脂組成物を得て、これを注型用金型に注入して成形硬化させることより人造大理石成形品を得る人造大理石の製造方法において、無機系成形板を注型用金型内に予め設置して樹脂組成物を注入硬化させ、人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化成形することを特徴とする人造大理石の製造方法。
- 注型用金型に樹脂組成物を注入後、その注型用金型を反転して硬化させて人造大理石成形品と無機系成形板とを複合一体化することを特徴とする請求項1記載の人造大理石の製造方法。
- 複合化する無機系成形板が複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴のどちらか一方、あるいはその両方共を持つものであることを特徴とする請求項1記載の人造大理石の製造方法。
- 無機系成形板が持つ複数の貫通した穴あるいは未貫通の穴が、複合一体化する人造大理石成形品側の穴の径がその反対側の穴の径より小さくなっていることを特徴とする請求項3記載の人造大理石の製造方法。
- 熱硬化性樹脂がポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂の単独あるいは、2種類以上の混合系で構成したものであることを特徴とする請求項1記載の人造大理石の製造方法。
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2002
- 2002-10-28 JP JP2002313447A patent/JP2004148547A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008207397A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Matsushita Electric Works Ltd | 人造大理石およびその製造方法 |
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