JP4770754B2 - 人造大理石およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、家具の部材や建材等として用いられる人造大理石およびその製造方法に関するものである。
従来より、熱硬化性樹脂と、充填剤、柄材、補強材、内部離型剤、硬化剤などの添加物とを配合した樹脂組成物を所望の注型用金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を形成することが知られている。
人造大理石を製造するための原料となる熱硬化性樹脂としては、従来、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂などが用いられてきた。これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボールなどに広く利用されている。
人造大理石製品の厚みは10〜30mmが一般的であるが、このような人造大理石製品では、大型になると製品重量が重くなり、その結果、生産工程でのハンドリング性や、運搬あるいは施工でのハンドリング性が悪くなる。そのため、工数が増加したり、生産工程が複雑になったりする状況が生じていた。
この問題を解決するために、軽量化を目的として製品の厚みをなるべく薄くすることが考えられた。ところが、製品の厚みを薄くしていくと、徐々に製品強度が低下してしまい、商品としての品質に問題が発生することがある。
また、近年では人造大理石に新たな機能を付与しようとする様々な試みがなされているが、壁材や床材として人造大理石を用いる場合には、断熱機能の付与が重要となり、断熱機能が一体化されたものの実現が望まれていた。
このような問題点を解決する技術として、特許文献1には、片面にポリエチレン等の樹脂シートを設けたガラスクロス等の補強シートを注型金型内の一方の面に減圧吸着により配置し、人造大理石樹脂組成物を金型内に注入充填して加熱硬化することで、補強シートが一体化された人造大理石を得ることが記載されている。
特許文献2には、ガスケット付き注型金型を用いて、ガスケットの高さを可変自在として上金型と下金型との間隔を調節することで、硬化剤などを配合した樹脂組成物の注入充填および成形操作を上記間隔を変えながら繰り返して、断熱発泡層などを有する3層以上の積層成形品である人造大理石を得ることが記載されている。
特開2001−269948号公報 特開2003−062839号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術によっても、大型の大理石製品において軽量化を目的として製品の厚みを薄くした際に、製品強度および断熱機能を必ずしも十分に付与できない場合があった。
また、こうした製品強度および断熱機能を付与するための生産工程においては、効率やハンドリング性、およびコストを配慮する必要もある。
本発明は以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、たとえば大型の大理石製品において軽量化を目的として製品の厚みを薄くした場合であっても、十分な製品強度を有する人造大理石およびその製造方法を提供することを課題としている。
さらに本発明は、十分な製品強度を有すると共に、十分な断熱機能も有する人造大理石およびその製造方法を提供することを課題としている。
また本発明は、上記のような人造大理石を製造するに際し、生産効率やハンドリング性が良好な人造大理石の製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1:シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)を圧縮成形して得られた成形品であるガラス繊維複合材料と、当該ガラス繊維複合材料と共に注型成形することにより当該ガラス繊維複合材料に一体に積層された人造大理石成形品と、ガラス繊維複合材料の人造大理石成形品積層面とは反対側の面に、当該ガラス繊維複合材料と共に注型成形することにより当該ガラス繊維複合材料に一体に積層された発泡体樹脂層とを備えることを特徴とする人造大理石。
第2:一対の上金型および下金型を備えた金型内に、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)の成形品を配置し、前記金型内の注入空間部に発泡体樹脂組成物を注入し、発泡体樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、発泡体樹脂層と、SMCまたはBMCの成形品とが一体に積層された積層体を形成し、その後、前記金型内に、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、前記SMCまたはBMCの成形品側の面を注入空間部に向けて前記積層体を配置し、前記金型内の注入空間部に人造大理石樹脂組成物を注入し、人造大理石樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、人造大理石成形品と、SMCまたはBMCの成形品と、発泡体樹脂層とが一体に積層された人造大理石を得る人造大理石の製造方法。
第3:一対の上金型および下金型を備えた金型内に、シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)を配置し、加圧下においてSMCまたはBMCを加熱硬化する圧縮成形を行い、これによりSMCまたはBMCの成形品を形成し、その後、前記圧縮成形を行った金型を用いて、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、当該金型内に前記SMCまたはBMCの成形品を配置し、前記金型内の注入空間部に発泡体樹脂組成物を注入し、発泡体樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、発泡体樹脂層と、SMCまたはBMCの成形品とが一体に積層された積層体を形成し、その後、前記圧縮成形および注型成形を行った金型を用いて、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、当該金型内に、前記SMCまたはBMCの成形品側の面を注入空間部に向けて前記積層体を配置し、前記金型内の注入空間部に人造大理石樹脂組成物を注入し、人造大理石樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、人造大理石成形品と、SMCまたはBMCの成形品と、発泡体樹脂層とが一体に積層された人造大理石を得る人造大理石の製造方法。
第4:上記において、上金型と下金型との間に圧縮成形用スペーサーを設置して、当該圧縮成形用スペーサーにより形成された空間部にSMCまたはBMCを配置して圧縮成形を行い、その後、前記圧縮成形用スペーサーを取り外し、上金型と下金型との間に注型成形用ガスケットを設置し、前記金型内に前記SMCまたはBMCの成形品を配置した状態で、前記注型成形用ガスケットにより形成された注入空間部に発泡体樹脂組成物を注入して注型成形を行い、その後、前記注型成形用ガスケットを取り外し、得ようとする人造大理石成形品の厚みに応じた高さを有する新たな注型成形用ガスケットを上金型と下金型との間に設置し、発泡体樹脂層と、SMCまたはBMCの成形品とが一体に積層された前記積層体を前記金型内に配置した状態で、前記新たな注型成形用ガスケットにより形成された注入空間部に人造大理石樹脂組成物を注入して注型成形を行う人造大理石の製造方法。
上記第1の発明に係る人造大理石は、たとえば大型の人造大理石製品において軽量化を目的として製品の厚みを薄くした場合であっても十分な製品強度を有すると共に、十分な断熱機能も有している。
上記第2の発明によれば、たとえば大型の人造大理石製品において軽量化を目的として製品の厚みを薄くした場合であっても十分な製品強度を有すると共に、十分な断熱機能も有する人造大理石を得ることができる。
上記第3の発明によれば、補強機能を付与するためのSMCまたはBMCの圧縮成形と、発泡体樹脂組成物および人造大理石樹脂組成物の注型成形とが同一の金型で行われるので、成形工程が簡略化され、良好な生産効率やハンドリング性が得られる。また、圧縮成形と注型成形とを一つの金型を兼用して行っているので、人造大理石を安価に製造することができる。
上記第4の発明によれば、補強機能を付与するためのSMCまたはBMCの圧縮成形の際には金属等からなる圧縮成形用スペーサーを用い、発泡体樹脂組成物および人造大理石樹脂組成物の注型成形の際には、これをゴム材等からなる注型成形用ガスケットに交換することで、圧縮成形と注型成形とを同一の金型で行っているので、成形工程が簡略化され、良好な生産効率やハンドリング性が得られる。また、圧縮成形と注型成形とを一つの金型を兼用して行っているので、人造大理石を安価に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
1.人造大理石樹脂組成物
本発明において人造大理石の表面層を形成するために用いられる人造大理石樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と所要の添加物とを配合したものである。このような添加物の具体例としては、充填剤、硬化剤、柄材、紫外線吸収剤、減粘剤、補強材、内部離型剤、着色剤、低収縮剤などを挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、もしくは熱硬化型アクリル樹脂、またはこれらから選ばれる2種以上の混合物、あるいはエポキシ樹脂などを用いることができる。
不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸などの不飽和二塩基酸と、無水フタル酸などの飽和二塩基酸とを縮合反応させることにより合成されたものであり、分子内に不飽和結合とエステル結合とを有する。
通常は、この不飽和ポリエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマーなどが配合されているが、本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹脂はこれに限定されるものではない。
ビニルエステル樹脂としては、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂、ノボラック型ビニルエステル樹脂、またはこれらの混合物を用いることができる。
ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応により合成されたものであり、両末端のみに反応性不飽和基を有する。ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型など各種のものを用いることができる。
通常、このビニルエステル樹脂には架橋剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマーなどが配合されているが、本発明に用いられるビニルエステル樹脂はこれに限定されるものではない。
熱硬化型アクリル樹脂としては、メチルメタアクリレートモノマー、多官能のアクリルモノマー、またはプレポリマー、あるいはこれらのモノマーやプレポリマーを反応させたポリマーのうち、2種以上を含むアクリルシロップと称されるものを用いることができる。
熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、および熱硬化型アクリル樹脂から選ばれる2種以上の混合物を用いる場合、樹脂それぞれの特性および充填剤との相互作用などにより目的とする製品品質に合った最適な配合とすることが望ましい。
エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などに分類されるが、本発明ではこれらのいずれも用いることができる。
添加剤のうち充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスパウダー、もしくは炭酸カルシウム、またはこれらから選ばれる2種以上の混合物を用いることができる。
人造大理石用樹脂組成物には硬化剤が配合される。硬化剤としては、上述した熱硬化性樹脂のうちエポキシ樹脂以外のものについては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエートなどを用いることができる。この硬化剤の配合割合は、たとえばビニルエステル樹脂の場合、樹脂100重量部に対して好ましくは0.5〜5重量部である。
エポキシ樹脂の硬化剤は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどのアミン系;無水フタル酸、テトラおよびヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水HET酸、ドデセニル無水コハク酸などの酸無水物系;ダイマー酸とポリアミンとの縮合体として形成されるポリアミド系などに分類されるが、本発明ではこれらのいずれも用いることができる。しかし通常は、常温〜中温硬化系ではアミン系硬化剤を、高温系では硬化反応が緩やかで大型の成形品でも硬化歪みの少ない成形品が得られる酸無水物系硬化剤を用いることが好ましい。
減粘剤としては、たとえばBYK社製の品番「W996」を、補強材としては、ガラス繊維、たとえば日本板硝子社製の品番「RES03X−BM」を、内部離型剤としては、たとえば中京油脂社製の商品名「セパール」を用いることができる。
また、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリレート系、シアノアクリレート系、シュウ酸アニリド系、ベンゾフェノン系などのものを用いることができる。
人造大理石樹脂組成物は、これらの配合物を所定の割合で配合し、攪拌機などにより混合攪拌して配合調整する。この樹脂組成物から人造大理石を製造する際には、その配合調整された樹脂組成物を20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡処理する。
このようにして脱泡処理された樹脂組成物を、減圧状態から開放し、所定形状の金型へ注入して、この金型を50〜130℃の温度で50〜150分間加熱する。加熱により、樹脂組成物中における上記熱硬化性樹脂の反応性不飽和基と重合性モノマーとの共重合反応、あるいは、エポキシ樹脂の場合は樹脂と硬化剤との付加重合反応を進行させて、人造大理石樹脂組成物の硬化成形を行うことができる。
2.SMCおよびBMC
本発明において用いられるシートモールディングコンパウンド(Sheet Molding Compound:SMC)およびバルクモールディングコンパウンド(Bulk Molding Compound:BMC)は、熱硬化性樹脂に充填剤、ガラス繊維などの繊維強化材、低収縮剤、内部離型剤、増粘剤、柄材、着色剤、硬化剤などを含む樹脂組成物をSMC化またはBMC化した繊維強化成形材料である。SMCは繊維強化材を含む樹脂組成物がシート状に形成されたものであり、BMCは繊維強化材と樹脂組成物とを混練した塊状の成形材料である。これを金型に配置し、高温高圧下で圧縮成形により成形硬化させる。
SMC化およびBMC化には、樹脂中の酸(カルボキシル基)および水酸基を利用して、これと反応する無機または有機の化合物を加えて分子量を増大させる増粘操作が必要である。不飽和ポリエステル樹脂は、分子骨格にあるカルボキシル基を利用して、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物、すなわち酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化亜鉛などを適宜に添加配合して増粘操作を行うことができる。
ビニルエステル樹脂とエポキシ樹脂は、ビスフェノール型の場合、分子骨格中の水酸基を利用して、イソシアネート基によるウレタン増粘法で増粘操作を行うことができる。
また、熱硬化型アクリル樹脂および分子骨格中に水酸基を含まないビニルエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂に対して、分子骨格中にカルボキシル基や水酸基をペンダントさせて樹脂の改質を行ったものを用いることができる。
なお、本発明において、SMCおよびBMCの増粘の方法を特に限定するものではない。
3.発泡体樹脂組成物
本発明において、発泡体樹脂組成物は、硬化形態が泡を多量に含んだ状態となる樹脂組成物であり、発泡体樹脂層の形成方法としては、各種の熱硬化性樹脂に発泡剤を添加する方法、窒素ガスや炭酸ガスなどを吹き込んで発泡状態にする方法、1液型ウレタン樹脂や2液型ウレタン樹脂に水を添加配合して炭酸ガスを発生させ発泡させる方法など、硬化形態として泡を多量に含んだ状態ができ上がればいずれの方法であってもよく、断熱性、軽量性、加工工程の容易性などから適宜の方法を選択することができる。
本発明において、人造大理石は、一対の上金型および下金型からなる成形金型を用いて製造することができる。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。本実施形態では、最初に図1(a)に示すように、一対の上金型1aおよび下金型1bを備えた金型1内に、SMCまたはBMC11aを配置する。
本実施形態の金型1は、人造大理石カウンター用のものであり、その上金型1aには、上面から下面に貫通する直径が2〜5mm程度の減圧用配管穴4が設けられている。この減圧用配管穴4は、外部に設置された減圧用配管5に接続されている。金型1の内部空間は、減圧口4aから減圧用配管穴4および減圧用配管5を通じて減圧ポンプ(図示せず)に連通している。
また、上金型1aおよび下金型1bのそれぞれには、熱媒体流動用配管3が設けられており、熱媒体流動用配管3に適切な熱媒体(水や油)を通すことによって加熱制御が行われるようになっている。この他、加熱制御としては、金型内に電気ヒーターを埋め込んで温度制御する方法も可能である。
上金型1aと下金型1bとの間には、成形厚みを規制する金属製のスペーサー6が設けられており、このスペーサー6により形成された空間部2にSMCまたはBMC11aを投入する。そして、金型1を加熱し、加圧下においてSMCまたはBMC11aを硬化することにより、SMCまたはBMC11aを圧縮成形する。なお、この時は、減圧口4aは閉鎖された状態となっており、圧縮成形時にSMCまたはBMC11aが減圧口4aに浸入できないようになっている。
この圧縮成形が終了した後、図1(a)の金属製スペーサー6を外し、代わりに図1(b)に示すように、上金型1aと下金型1bとの間にゴム製のガスケット7を設置する。さらに、減圧口4aの閉鎖を解除して減圧状態にし、得られたSMCまたはBMCの成形品11を上金型1aの内面に吸い付けて密着させ、動かないように配置する。
このようにして金型1内に注入空間部10を形成した状態で、図1(c)に示すように、ガスケット7に設けられた樹脂組成物注入口8から、注入空間部10のエアーをガスケット7に設けられたエアー抜き口9より外部へ押し出しながら人造大理石樹脂組成物13aを注入充填する。このとき、適度のゴム硬度を有するガスケット7は、型締めした金型1内の注入空間部10に注入された人造大理石樹脂組成物13aが上金型1aと下金型1bとの境目(パーティングライン)から漏れ出さないように注入空間部10を密閉する。
その後、適宜の温度条件で所定時間加熱することによって、人造大理石樹脂組成物13aが硬化し、その後成形品を金型から取り出すことにより、図1(d)に示すような、人造大理石成形品13の裏面にSMCまたはBMCの成形品11が一体化された人造大理石14を得ることができる。
図2は、本発明の第2の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。なお、図1と同一の構成要素は同一の符号で示し、以下においてその説明を省略する。
本実施形態では、最初に図2(a)に示すように、一対の上金型1aおよび下金型1bを備えた金型1内に、SMCまたはBMC11aを配置する。
本実施形態の金型1は、人造大理石カウンター用のものであり、減圧系が設けられていない以外は図1(a)〜図1(c)の金型と同様のものである。
上金型1aと下金型1bとの間には、成形厚みを規制する金属製のスペーサー6が設けられており、このスペーサー6により形成された空間部2にSMCまたはBMC11aを投入する。そして、金型1を加熱し、加圧下においてSMCまたはBMC11aを硬化することにより、SMCまたはBMC11aを圧縮成形する。
この圧縮成形が終了した後、図2(a)の金属製スペーサー6を外し、代わりに図2(b)に示すように、上金型1aと下金型1bとの間にゴム製のガスケット7を設置する。得られたSMCまたはBMCの成形品11は、その周縁部をガスケット7で上金型1aに押さえ付けることで、上金型1aの内面に密着させ、動かないように配置される。
このようにして金型1内に注入空間部10を形成した状態で、図3(c)に示すように、ガスケット7に設けられた樹脂組成物注入口8から、注入空間部10のエアーをガスケット7に設けられたエアー抜き口9より外部へ押し出しながら人造大理石樹脂組成物13aを注入充填する。このとき、適度のゴム硬度を有するガスケット7は、型締めした金型1内の注入空間部10に注入された人造大理石樹脂組成物13aが上金型1aと下金型1bとの境目(パーティングライン)から漏れ出さないように注入空間部10を密閉する。
その後、適宜の温度条件で所定時間加熱することによって、人造大理石樹脂組成物13aが硬化し、その後成形品を金型から取り出すことにより、図2(d)に示すような、人造大理石成形品13の裏面にSMCまたはBMCの成形品11が一体化された人造大理石14を得ることができる。
このように、本実施形態ではSMCまたはBMCの成形品11のサイズを注入空間部10よりも少し大きくしてガスケット7で上金型1aに押さえ付けることでSMCまたはBMCの成形品12を金型1内に配置しているので、減圧口4aの設置や減圧装置が不要となり、より安価な金型での成形が可能となる。
また、図1と図2とを併用した形態、すなわち、図2において一部に減圧口4aを設けて(図1の減圧口4aの数よりもかなり少ない数であってよい)上金型1aに吸い付けてSMCまたはBMCの成形品11を配置するようにしてもよい。
図3および図4は、本発明の第3の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。なお、図1と同一の構成要素は同一の符号で示し、以下においてその説明を省略する。
本実施形態では、最初に図3(a)に示すように、図1(a)と同様にして金型1内にSMCまたはBMC11aを配置する。
上金型1aと下金型1bとの間には、成形厚みを規制する金属製のスペーサー6が設けられており、このスペーサー6により形成された空間部2にSMCまたはBMC11aを投入する。そして、金型1を加熱し、加圧下においてSMCまたはBMC11aを硬化することにより、SMCまたはBMC11aを圧縮成形する。なお、この時は、減圧口4aは閉鎖された状態となっており、圧縮成形時にSMCまたはBMC11aが減圧口4aに浸入できないようになっている。
この圧縮成形が終了した後、図3(a)の金属製スペーサー6を外し、代わりに図3(b)に示すように、上金型1aと下金型1bとの間にゴム製のガスケット7を設置する。さらに、減圧口4aの閉鎖を解除して減圧状態にし、得られたSMCまたはBMCの成形品11を上金型1aの内面に吸い付けて密着させ、動かないように配置する。
このようにして金型1内に注入空間部10を形成した状態で、図3(c)に示すように、ガスケット7に設けられた樹脂組成物注入口8から、注入空間部10のエアーをガスケット7に設けられたエアー抜き口9より外部へ押し出しながら発泡体樹脂組成物12aを注入充填する。このとき、適度のゴム硬度を有するガスケット7は、型締めした金型1内の注入空間部10に注入された発泡体樹脂組成物12aが上金型1aと下金型1bとの境目(パーティングライン)から漏れ出さないように注入空間部10を密閉する。
その後、適宜の温度条件で所定時間加熱することによって、発泡体樹脂組成物12aが硬化し、その後成形品を金型から取り出すことにより、図3(d)に示すような、発泡体樹脂層12と、SMCまたはBMCの成形品11とが一体に積層された積層体15を得ることができる。
次に、図4(a)に示すように、得ようとする人造大理石成形品の厚みに応じた高さを有する新たなガスケット7を金型1に設置し、さらに、減圧口4aからの吸引により減圧状態とした上で、積層体15を、SMCまたはBMCの成形品11側の面を注入空間部10に向けて上金型1aに吸い付けて配置する。
次に、図4(b)に示すように、ガスケット7に設けられた樹脂組成物注入口8から、注入空間部10のエアーをガスケット7に設けられたエアー抜き口9より外部へ押し出しながら人造大理石樹脂組成物13aを注入充填する。
その後、適宜の温度条件で所定時間加熱することによって、人造大理石樹脂組成物13aが硬化し、その後成形品を金型から取り出すことにより、図4(c)に示すような、人造大理石成形品13と、SMCまたはBMCの成形品11と、発泡体樹脂層12とが一体に積層された人造大理石14を得ることができる。
上記第1および第2の実施形態により得られる人造大理石14は、製品の強度がガラス繊維複合材料であるSMCまたはBMCの成形品11によって高くなり、特に耐衝撃性が向上して、熱衝撃などの耐熱性も高くなる。すなわち、大型の製品などにおいて軽量化のために製品厚みを薄くしても強度を保持することができる。
さらに上記第3の実施形態により得られる人造大理石14は、発泡体樹脂層12により断熱機能が付与される。
このような本発明により得られる人造大理石は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール、壁材、床材、家具の表面材等への商品化が容易となる。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット(株)製 ポリホープ ML3513)を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製 B−153)を150重量部、炭酸カルシウム(日東粉化(株)製 NS−100)を100重量部配合した。
これに低収縮剤(日本油脂(株)製 モディパーSV10B)を20重量部、また、増粘剤としてMgOを0.5重量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を3重量部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製 パーチブルZ)を3重量部添加し、補強材としてガラスロービング(日本電気硝子(株)製 ERS−235)から繊維長さ13mmにカットしたガラスチョップドストランドを30重量部散布してSMC基材を作成し、40℃で80時間養生してSMC(A)を得た。
図1に示す圧縮成形および注型成形兼用金型を用い、まず、図1(a)のように厚さ2.0mmの金属製スペーサーを設置した。SMC(A)を上記金型に配置し、コア金型温度=130℃、キャビ型の温度=120℃、成形圧力=95kgf/cm、成形時間=4分の成形条件下で成形し、2.0mm厚のSMC成形品(B)を得た。
その後、金型温度を60℃付近まで下げ、図1(b)のように、金属製スペーサーを注型用のガスケットに交換して、注入空間部のクリアランスが3.5mmになるよう設置した。
また、図1(b)の上金型に設けられた多数の減圧口に連通する減圧ポンプからの減圧によってSMC成形品(B)を上金型の内面に吸着し、固定配置した。
一方、人造大理石樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット(株)製 ポリホープ MR−800)を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−310)を130重量部、柄材として、粒状模様材(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.12)を2.5重量部、同じく(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.10)を2.0重量部、着色剤としてグレー色のトナー0.4重量部を配合した。
さらに、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)を3.0重量部添加し、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理して、注型成形用の人造大理石樹脂組成物(C)を得た。
上記のようにガスケットを設置しSMC成形品(B)を配置した図1(b)の注入空間部に、図1(c)に示すように人造大理石樹脂組成物(C)を注入口から注入充填して金型温度を徐々に昇温し、最終95℃で60分間加熱して人造大理石樹脂組成物(C)を硬化させた。
硬化完了後、金型を開き、表面部が人造大理石樹脂組成物の硬化体、裏面部がSMC硬化体で一体となって積層形成された5.5mm厚の人造大理石を得た。
得られた人造大理石は、その強度がガラス繊維複合材料であるSMCの成形品によって高くなり、特に耐衝撃性が向上して、熱衝撃などの耐熱性も高いものであった。
[実施例2]
熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 ポリライト PB−301)を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム(日本軽金属(株)製 B−153)を150重量部、炭酸カルシウム(日東粉化(株)製 NS−200)を100重量部配合した。
これに低収縮剤(日本油脂(株)製 モディパーM202S)を15重量部、また、増粘剤としてMgOを0.5重量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛を3重量部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製 パーチブルZ)を3重量部添加し、補強材としてガラスロービング(日本電気硝子(株)製 ERS−235)から繊維長さ6mmにカットしたガラスチョップドストランドを17重量部散布してBMC基材を作成し、40℃で55時間養生してBMC(D)を得た。
図2に示す圧縮成形および注型成形兼用金型を用い、まず、図2(a)のように厚さ2.5mmの金属製スペーサーを設置した。BMC(D)を上記金型に配置し、コア金型温度=130℃、キャビ型の温度=120℃、成形圧力=95kgf/cm、成形時間=4分の成形条件下で成形し、2.5mm厚のBMC成形品(E)を得た。
その後、金型温度を60℃付近まで下げ、図2(b)のように、金属製スペーサーを注型用のガスケットに交換して、注入空間部のクリアランスが3.5mmになるよう設置した。
また、図2(b)のように、BMC成形品(E)の周縁部をガスケットと上金型によって挟み込んで、BMC成形品(E)を上金型の内面に固定配置した。
一方、人造大理石樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂として、アクリルシロップ樹脂(日本フエロー(株)製 AC−02)を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、シリカ(龍森(株)製 CRYSTALITE M−3K)を140重量部、柄材として、粒状模様材(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.12)を2.0重量部、同じく(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.10)を1.5重量部、着色剤としてベージュ色のトナー0.35重量部を配合した。
さらに、硬化剤(化薬アクゾ(株)製 パーカドックス16)を1.6重量部添加し、20Torrの減圧下で70分間真空脱泡処理して、注型成形用の人造大理石樹脂組成物(F)を得た。
上記のようにガスケットを設置しBMC成形品(E)を配置した図2(b)の注入空間部に、図2(c)に示すように、人造大理石樹脂組成物(F)を注入口から注入充填して金型温度を徐々に昇温し、最終90℃で60分間加熱して人造大理石樹脂組成物(F)を硬化させた。
硬化完了後、金型を開き、表面部が人造大理石樹脂組成物の硬化体、裏面部がBMC硬化体で一体となって積層形成された6.0mm厚の人造大理石を得た。
得られた人造大理石は、その強度がガラス繊維複合材料であるBMCの成形品によって高くなり、特に耐衝撃性が向上して、熱衝撃などの耐熱性も高いものであった。
[実施例3]
図1に示す圧縮成形および注型成形兼用金型を用い、まず、図1(a)のように厚さ3.0mmの金属製スペーサーを設置した。実施例1で得たSMC(A)を上記金型にセットし、コア金型温度=130℃、キャビ型の温度=120℃、成形圧力=95kgf/cm、成形時間=4分の成形条件下で成形し、3.0mm厚のSMC成形品(G)を得た。
その後、金型温度を60℃付近まで下げ、図1(b)のように、金属製スペーサーを注型用のガスケットに交換して、注入空間部のクリアランスが3.5mmになるよう設置した。
また、図1(b)の上金型に設けられた多数の減圧口に連通する減圧ポンプからの減圧によってSMC成形品(G)を上金型の内面に吸着し、固定配置した。
一方、人造大理石樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂として、ビニルエステル樹脂(ジャパンコンポジット(株)製 プロミネート P−311)を用い、この樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−308B)を175重量部、柄材として、粒状模様材(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.11)を4.5重量部、同じく(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.10)を2.0重量部、着色剤としてグレー色のトナー0.50重量部を配合した。
さらに、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)を3.0重量部添加し、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理して、注型成形用の人造大理石樹脂組成物(H)を得た。
上記のようにガスケットを設置しSMC成形品(G)を配置した図1(b)の注入空間部に、図1(c)に示すように、人造大理石樹脂組成物(H)を注入口から注入充填して金型温度を徐々に昇温し、最終95℃で70分間加熱して人造大理石樹脂組成物(H)を硬化させた。
硬化完了後、金型を開き、表面部が人造大理石樹脂組成物の硬化体、裏面部がSMC硬化体で一体となって積層形成された6.5mm厚の人造大理石を得た。
得られた人造大理石は、その強度がガラス繊維複合材料であるSMCの成形品によって高くなり、特に耐衝撃性が向上して、熱衝撃などの耐熱性も高いものであった。
[実施例4]
図3および図4に示す圧縮成形および注型成形兼用金型を用い、まず、図3(a)のように厚さ2.0mmの金属製スペーサーを設置した。SMC(A)を上記金型にセットし、コア金型温度=130℃、キャビ型の温度=120℃、成形圧力=95kgf/cm、成形時間=4分の成形条件下で成形し、2.0mm厚のSMC成形品(I)を得た。
その後、金型温度を60℃付近まで下げ、図3(b)のように、金属製スペーサーを注型用のガスケットに交換して、注入空間部のクリアランスが5.0mmになるよう設置した。
また、図3(b)の上金型に設けられた多数の減圧口に連通する減圧ポンプからの減圧によってSMC成形品(I)を上金型の内面に吸着し、固定配置した。
こうして得られた注入空間部に、図3(c)に示すように、2液型ウレタン樹脂(エッチ・アンド・ケー(株))製 ハイアドーA、ハイアドーB、A:B=100:80)100重量部に水4.5重量部を配合したものを注入口から注入充填した。
注入完了後10分後に金型を開き、SMC成形品(I)とポリウレタンによる発泡体樹脂層が一体に積層された積層体(J)を得た。
その後、注入空間部のクリアランスが2.0mmになるように新たなガスケットに交換して設置した。
また、図4(a)の上金型に設けられた多数の減圧口に連通する減圧ポンプからの減圧によって積層体(J)を上金型の内面に吸着し、固定配置した。
一方、人造大理石樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂として、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシ R−804)と、ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット(株)製 ポリホープ5250)とを75/25の配合比で混合し、この混合樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−320)を160重量部、柄材として、粒状模様材(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.12)を2.5重量部、同じく(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.9)を1.0重量部、同じく(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.10)を1.5重量部、着色剤としてホワイト色のトナー0.50重量部を配合した。
さらに、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアHO)を3.5重量部添加し、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理して、注型成形用の人造大理石樹脂組成物(K)を得た。
上記のようにガスケットを設置し積層体(J)を配置した図4(a)の注入空間部に、図4(b)に示すように、人造大理石樹脂組成物(K)を注入口から注入充填して金型温度を徐々に昇温し、最終90℃で60分間加熱して人造大理石樹脂組成物(K)を硬化させた。
硬化完了後、金型を開き、表面部が人造大理石樹脂組成物の硬化体、裏面部がSMC硬化体と発泡体樹脂層とで一体となって積層形成された9.0mm厚の人造大理石を得た。
得られた人造大理石は、その強度がガラス繊維複合材料であるSMCの成形品によって高くなり、特に耐衝撃性が向上して、熱衝撃などの耐熱性も高いものであった。さらに、発泡体樹脂層により高い断熱性能を有するものであった。
[実施例5]
図3および図4に示す圧縮成形および注型成形兼用金型を用い、まず、図3(a)のように厚さ2.5mmの金属製スペーサーを設置した。実施例2で得られたBMC(D)を上記金型にセットし、コア金型温度=130℃、キャビ型の温度=120℃、成形圧力=95kgf/cm、成形時間=4分の成形条件下で成形し、2.5mm厚のBMC成形品(L)を得た。
その後、金型温度を60℃付近まで下げ、図3(b)のように、金属製スペーサーを注型用のガスケットに交換して、注入空間部のクリアランスが4.0mmになるよう設置した。
また、図3(b)の上金型に設けられた多数の減圧口に連通する減圧ポンプからの減圧によってBMC成形品(L)を上金型の内面に吸着し、固定配置した。
こうして得られた注入空間部に、図3(c)に示すように、2液型ウレタン樹脂(エッチ・アンド・ケー(株))製 ハイアドーA、ハイアドーB、A:B=100:80)100重量部に水5.0重量部を配合したものを注入口から注入充填した。
注入完了後10分後に金型を開き、BMC成形品(L)とポリウレタンによる発泡体樹脂層が一体に積層された積層体(M)を得た。
その後、注入空間部のクリアランスが2.0mmになるように新たなガスケットに交換して設置した。
また、図4(a)の上金型に設けられた多数の減圧口に連通する減圧ポンプからの減圧によって積層体(M)を上金型の内面に吸着し、固定配置した。
一方、人造大理石樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂として、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製 リポキシ R−804)と、アクリルシロップ樹脂(三井化学(株)製 XE924−1)とを85/15の配合比で混合し、この混合樹脂100重量部に対し、充填剤として、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製 H−320)と、ガラスパウダー(日本フリット(株)製 GF−2−30A)とを、80/20で混合したものを160重量部配合し、柄材として、粒状模様材(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.10)を1.5重量部、同じく(ダイヤ工業(株)製 レジンカラーPHU−18 No.12)を2.5重量部、着色剤としてブラウン色のトナー1.2重量部を配合した。
さらに、硬化剤(日本油脂(株)製 パーキュアWO)を3.0重量部添加し、20Torrの減圧下で60分間真空脱泡処理して、注型成形用の人造大理石樹脂組成物(N)を得た。
上記のようにガスケットを設置しBMC成形品(L)を配置した図4(a)の注入空間部に、図4(b)に示すように、人造大理石樹脂組成物(N)を注入口から注入充填して金型温度を徐々に昇温し、最終90℃で85分間加熱して人造大理石樹脂組成物(N)を硬化させた。
硬化完了後、金型を開き、表面部が人造大理石樹脂組成物の硬化体、裏面部がBMC硬化体と発泡体樹脂層とで一体となって積層形成された8.5mm厚の人造大理石を得た。
得られた人造大理石は、その強度がガラス繊維複合材料であるBMCの成形品によって高くなり、特に耐衝撃性が向上して、熱衝撃などの耐熱性も高いものであった。さらに、発泡体樹脂層により高い断熱性能を有するものであった。
図1は、本発明の第1の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。 図2は、本発明の第2の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。 図3は、本発明の第3の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。 図4は、本発明の第3の実施形態における人造大理石の製造工程を説明する図である。
符号の説明
1 金型
1a 上金型
1b 下金型
2 空間部
6 スペーサー
7 ガスケット
10 注入空間部
11 SMCまたはBMCの成形品
11a SMCまたはBMC
12 発泡体樹脂層
12a 発泡体樹脂組成物
13 人造大理石成形品
13a 人造大理石樹脂組成物
14 人造大理石
15 積層体

Claims (4)

  1. シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)を圧縮成形して得られた成形品であるガラス繊維複合材料と、当該ガラス繊維複合材料と共に注型成形することにより当該ガラス繊維複合材料に一体に積層された人造大理石成形品と、ガラス繊維複合材料の人造大理石成形品積層面とは反対側の面に、当該ガラス繊維複合材料と共に注型成形することにより当該ガラス繊維複合材料に一体に積層された発泡体樹脂層とを備えることを特徴とする人造大理石。
  2. 一対の上金型および下金型を備えた金型内に、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)の成形品を配置し、前記金型内の注入空間部に発泡体樹脂組成物を注入し、発泡体樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、発泡体樹脂層と、SMCまたはBMCの成形品とが一体に積層された積層体を形成し、その後、前記金型内に、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、前記SMCまたはBMCの成形品側の面を注入空間部に向けて前記積層体を配置し、前記金型内の注入空間部に人造大理石樹脂組成物を注入し、人造大理石樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、人造大理石成形品と、SMCまたはBMCの成形品と、発泡体樹脂層とが一体に積層された人造大理石を得ることを特徴とする人造大理石の製造方法。
  3. 一対の上金型および下金型を備えた金型内に、シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)を配置し、加圧下においてSMCまたはBMCを加熱硬化する圧縮成形を行い、これによりSMCまたはBMCの成形品を形成し、その後、前記圧縮成形を行った金型を用いて、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、当該金型内に前記SMCまたはBMCの成形品を配置し、前記金型内の注入空間部に発泡体樹脂組成物を注入し、発泡体樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、発泡体樹脂層と、SMCまたはBMCの成形品とが一体に積層された積層体を形成し、その後、前記圧縮成形および注型成形を行った金型を用いて、当該金型内に注入空間部を設けた状態で、当該金型内に、前記SMCまたはBMCの成形品側の面を注入空間部に向けて前記積層体を配置し、前記金型内の注入空間部に人造大理石樹脂組成物を注入し、人造大理石樹脂組成物を加熱硬化する注型成形を行い、これにより、人造大理石成形品と、SMCまたはBMCの成形品と、発泡体樹脂層とが一体に積層された人造大理石を得ることを特徴とする人造大理石の製造方法。
  4. 上金型と下金型との間に圧縮成形用スペーサーを設置して、当該圧縮成形用スペーサーにより形成された空間部にSMCまたはBMCを配置して圧縮成形を行い、その後、前記圧縮成形用スペーサーを取り外し、上金型と下金型との間に注型成形用ガスケットを設置し、前記金型内に前記SMCまたはBMCの成形品を配置した状態で、前記注型成形用ガスケットにより形成された注入空間部に発泡体樹脂組成物を注入して注型成形を行い、その後、前記注型成形用ガスケットを取り外し、得ようとする人造大理石成形品の厚みに応じた高さを有する新たな注型成形用ガスケットを上金型と下金型との間に設置し、発泡体樹脂層と、SMCまたはBMCの成形品とが一体に積層された前記積層体を前記金型内に配置した状態で、前記新たな注型成形用ガスケットにより形成された注入空間部に人造大理石樹脂組成物を注入して注型成形を行うことを特徴とする請求項3に記載の人造大理石の製造方法。
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