JP6541058B2 - 人造大理石の製造方法 - Google Patents

人造大理石の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6541058B2
JP6541058B2 JP2015078621A JP2015078621A JP6541058B2 JP 6541058 B2 JP6541058 B2 JP 6541058B2 JP 2015078621 A JP2015078621 A JP 2015078621A JP 2015078621 A JP2015078621 A JP 2015078621A JP 6541058 B2 JP6541058 B2 JP 6541058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow
mold
resin
mixed resin
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015078621A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016198889A (ja
Inventor
裕也 田中
裕也 田中
揖斐 秀実
秀実 揖斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2015078621A priority Critical patent/JP6541058B2/ja
Publication of JP2016198889A publication Critical patent/JP2016198889A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6541058B2 publication Critical patent/JP6541058B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、人造大理石の製造方法に関する。
流れ模様は大理石を特徴付ける意匠である。従来、人造大理石の意匠に高級感を付与することを目的として、流れ柄を有する人造大理石の製造方法に関する検討が行われてきた。
大理石模様を有する人造大理石の製造方法として、意匠を有するフィルムやゲルコート等と同時成形したり、あるいは成形後に塗装したりすることで、最表面のみに意匠を発現させる方法が知られている。しかし、これらの方法は、無垢材料を使用するものではないため、加工面や小口には大理石模様が存在せず、意匠面も使用時の磨耗劣化等により大理石模様が消失するおそれがある。このような問題を解消するためには、無垢材料を使用することが望ましい。
人造大理石の製造方法として、密閉型のキャビティを有する金型内に、1つまたは複数の注入口より樹脂を注入して硬化させる注型成形工法が知られている(特許文献1、2)。また、開放状態のキャビティに樹脂を注入して硬化させるオープン注入工法や、ベルトコンベア等に樹脂を連続的に供給して硬化させる押出成形工法が知られている。
無垢材料を使用した流れ柄を有する人造大理石の製造方法としては、オープン注入工法にて複数の色調の樹脂を使用して任意の模様を描く方法や、押出成形工法にてベース樹脂に差し込んだノズル等で色調の異なる柄用樹脂を供給する方法が知られている。
これらのうちオープン注入工法は、自由な模様を描画できるが、コストが高くなりやすいという問題や、注入時に樹脂中の有機溶剤が揮発し続けて作業環境が劣悪となるという問題がある。
また、押出成形工法には、樹脂の流れを利用した自然な模様が実現できるが、大規模な設備が必要となるという問題がある。
注型成形工法は、密閉型のキャビティを使用するために、オープン注入工法で問題となる溶剤の揮発を抑制でき、押出成形工法と比較して設備も小規模となることから、上述の問題が生じない工法である。
特開2012−111085号公報 特開2003−62840号公報
しかしながら、注型成形工法による流れ柄を有する人造大理石は、これまで製造されてこなかった。その理由は、自然な模様が得られないためである。
すなわち図8に示すように、注型成形工法では多くの場合、金型1の端部近傍に設けられた一点の注入口2より樹脂を金型1内のキャビティに注入する。ここで樹脂としては、第1の熱硬化性樹脂と、この第1の熱硬化性樹脂に比べて色調が異なり粘度が高い第2の熱硬化性樹脂とを、第2の熱硬化性樹脂が筋状となるように混合して得られる混合樹脂が使用される。この混合樹脂は、注入口2よりまず符号100の矢印として混合樹脂の流れを示すように放射状に広がり、次いで金型1内の壁面に沿って流れる。
そして柄模様はこの混合樹脂の流れ100に影響され、金型1のキャビティ形状と注入口2の位置を反映したものになってしまう。そのため、自然な大理石模様、すなわち巨大な岩より切り出したかのような均一な模様を表現することはできなかった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、注型成形工法によって、自然な模様の流れ柄を付与することができる人造大理石の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の流れ柄を有する人造大理石の製造方法は、第1の熱硬化性樹脂と、この第1の熱硬化性樹脂に比べて色調が異なり粘度が高い第2の熱硬化性樹脂とを、第2の熱硬化性樹脂が筋状となるように混合し、得られた混合樹脂を金型の注入口から金型内に供給して硬化させる、流れ柄を有する人造大理石の製造方法であって、注入口から供給された混合樹脂の流路を複数に分割する整流部材を金型内に設置して、整流部材によって金型内を上流側部分と下流側部分とに仕切り、整流部材は、注入口から遠い流路間の幅が、それよりも注入口から近い流路間の幅と同一またはそれよりも狭くなるように設置し、かつ、注入口から遠い流路の幅が、それよりも注入口から近い流路の幅と同一またはそれよりも広くなるように設置し、注入口から金型内の上流側部分に供給された混合樹脂の流路を、整流部材により複数に分割して下流側部分に供給し、混合樹脂を硬化させることによって、下流側部分で目的とする成形品を得ることを特徴としている。
本発明によれば、注型成形工法によって、自然な模様の流れ柄を付与することができる。
本発明の人造大理石の製造方法の一実施形態を概略的に説明するための平面図である。 本発明の人造大理石の製造方法の別の実施形態を概略的に説明するための縦断面図である。 本発明の人造大理石の製造方法の別の実施形態を概略的に説明するための縦断面図である。 本発明の人造大理石の製造方法の別の実施形態を概略的に説明するための縦断面図である。 (a)は、実施例1で使用した整流部材と、混合樹脂を金型内に供給し、硬化させて得られた人造大理石の平面写真、(b)は、実施例1で使用した整流部材と、金型および注入口を概略的に示す平面図である。 比較例1において、混合樹脂を金型内に供給し、硬化させて得られた人造大理石の平面写真である。 (a)は、実施例2で使用した整流部材と、混合樹脂を金型内に供給し、硬化させて得られた人造大理石の平面写真、(b)は、実施例2で使用した整流部材と、金型および注入口を概略的に示す平面図である。 注型成形工法による、流れ柄を有する人造大理石の製造方法の一例を概略的に説明するための平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の人造大理石の製造方法の一実施形態を概略的に説明するための平面図である。
本実施形態の流れ柄を有する人造大理石の製造方法では、第1の熱硬化性樹脂と、この第1の熱硬化性樹脂に比べて色調が異なり粘度が高い第2の熱硬化性樹脂とを、第2の熱硬化性樹脂が筋状となるように混合する。得られた混合樹脂を金型の注入口2から金型1内に供給して硬化させる。そして、注入口2から供給された混合樹脂の流路を複数に分割する整流部材10を金型1内に設置して、整流部材10によって金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切る。注入口2から金型1内の上流側部分3に供給された混合樹脂の流路を、整流部材10により複数に分割して下流側部分4に供給し、混合樹脂を硬化させることによって、下流側部分4で目的とする成形品を得る。
本実施形態で使用される第1の熱硬化性樹脂は、硬化することによって成形品の基調となるベース樹脂である。第2の熱硬化性樹脂は、硬化することによってベース樹脂の基調に流れ柄を付与する柄用樹脂である。
第1および第2の熱硬化性樹脂としては、例えば、主成分である樹脂に、充填剤、硬化剤等の添加剤を適宜配合した樹脂組成物を用いることができる。
樹脂としては、例えば、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、ガラスパウダー等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。充填剤の配合量は、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対して100〜300質量部とすることが好ましい。充填剤の配合量がこの範囲であると、成形品の耐衝撃強度、耐熱性を確保することができる。充填剤の粒径は、小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるが、熱硬化性樹脂の粘度を急激に上昇させて製造が困難となる場合があるため配合量を考慮して適宜設定することが望ましい。
硬化剤としては、人造大理石を成形する際の温度によって、半減期温度から選定することができる。具体的には、例えば、有機過酸化物を用いることができ、有機過酸化物として、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。
第1および第2の熱硬化性樹脂には、上記以外の添加剤として、例えば、着色剤、紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維等を配合することができる。各種着色剤(トナー)を配合することで、所望の色調に着色された、色調の異なる樹脂組成物を形成することができる。また、より高い意匠性を表現するために、蓄光剤や蛍光剤を配合することもできる。
また、第1および第2の熱硬化性樹脂は、例えば20〜50Torr程度の減圧下で真空脱泡の処理をすることができる。このようにして脱泡処理された色調の異なる第1および第2の熱硬化性樹脂の各々を個別に減圧状態から開放した後、これらを混合することができる。
柄用樹脂である第2の熱硬化性樹脂は、第1の熱硬化性樹脂に比べて粘度が高いものである。第2の熱硬化性樹脂の粘度は、充填剤を増量したり、充填剤を微粒子化させたり、微細粒子(アエロジル(登録商標)等)を添加することで調整できる。酸基を有する不飽和ポリエステル樹脂を使用する場合や、ビニルエステル樹脂やアクリル樹脂のうち特定のものを使用する場合には、増粘剤として希土類塩(酸化マグネシウム等)を使用することで粘度を調整できる。またヒドロキシル基を有する不飽和ポリエステル樹脂、ヒドロキシル基を有するビニルエステル樹脂、ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂には、増粘剤としてイソシアネートを使用することで粘度を調整できる。アクリル樹脂の場合、反応重合度が異なる樹脂を使用することでも粘度を調整できる。
第2の熱硬化性樹脂の粘度は、第1の熱硬化性樹脂の粘度に比べて1.5倍以上とすることが好ましい。流動性も必要なため、第2の熱硬化性樹脂の粘度は1000Pa・s以下とすることが好ましい。
第1の熱硬化性樹脂と第2の熱硬化性樹脂とを、第2の熱硬化性樹脂が細い筋状となるように混合し、混合樹脂を調製する。例えば、第1の熱硬化性樹脂が入った注型タンクに、第2の熱硬化性樹脂を、シリンジ等を使用して線状に投入した後、適宜混合し、攪拌することで柄用樹脂である第2の熱硬化性樹脂を均一に分散させつつ、筋状となるように混合することができる。
第2の熱硬化性樹脂の第1の熱硬化性樹脂に対する混合比は、第1の熱硬化性樹脂を1とした場合、質量比で0.001〜0.8とすることが好ましく、意匠性を考慮すると0.01〜0.5とすることがより好ましい。
このようにして得られた混合樹脂は、金型1の注入口2から金型1内に供給される。金型1内には、整流部材10が設置されている。整流部材10は、金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切り、かつ、注入口2から供給された混合樹脂の流路を複数に分割する。
整流部材10は、注入口2の近傍に設置される。整流部材10は、注入口2と干渉しない範囲で、注入口2より20cm以内に設置することが好ましい。整流部材10を注入口2に近付け過ぎないように設置することで、注入口2と整流部材10が干渉して混合樹脂の注入に悪影響を及ぼす可能性を低減できる。また、注入口2と整流部材10が離れ過ぎないように設置することで、整流部材10より注入口2側の硬化物は廃棄されるが、この廃棄される部分が少なくなり、成形ロスを少なくすることができる。
整流部材10は、混合樹脂を通さない閉鎖部11と、混合樹脂の流動が可能な開口部12を交互に形成する。例えば、独立した複数の整流部材10を一直線上に配置することで、閉鎖部11と開口部12を交互に形成し、かつ、金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切ることができる。あるいは、複数の閉鎖部11と複数の開口部12を連結して構成された一体の整流部材10を用いて、金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切ることができる。
整流部材10における金型1との接触部以外の材質は特に限定されない。この金型1との接触部以外の材質は、整流部材10を再利用するならば、成形に使用する混合樹脂との接着性が悪い材料が好ましい。具体的には、例えば、金属、難接着樹脂、シリコーン等が挙げられる。
整流部材10における金型1との接触部は、ゴム、粘着テープ、または磁石とし、金型1の締め付けによる摩擦力、粘着力、または磁力で金型1に拘束することが好ましい。これにより、混合樹脂の注入による圧力で整流部材10が移動してしまうことを抑制できる。
このようにして、注入口2から金型1内の上流側部分3に供給された混合樹脂の流路を、整流部材10により複数に分割して下流側部分4に供給し、混合樹脂を硬化させることによって、下流側部分4で目的とする成形品を得る。
混合樹脂は、注入口2よりまず上流側部分3に供給された後、整流部材10の開口部12を通過することで流路が複数に分割される。これにより混合樹脂の流れは整流され、図1の符号20の矢印として混合樹脂の流れを示すように金型1の注入口2とは反対側の端部に向かって、金型1の壁面と平行に直線状に流れる。
柄模様は、この整流された混合樹脂の流れ20に影響され、自然な大理石模様、すなわち巨大な岩より切り出したかのような均一な模様を表現することができる。
このようにして金型1内の下流側部分4に整流部材10を通じて混合樹脂を流し込んで供給した後、混合樹脂を硬化させて成形する。硬化の条件は、第1および第2の熱硬化性樹脂の種類、特性に応じて適宜設定することができるが、例えば、金型1を常温または、120℃までの温度で加熱して、30〜120分間静置することで硬化させる方法等が例示される。混合樹脂の硬化後は、金型1を開いて、流れ柄が形成された人造大理石を取り出すことができる。
本実施形態により製造された人造大理石は、自然な模様の流れ柄を有することから、意匠性、デザイン性に優れ、商品価値が高い。このような人造大理石の成形品は、例えば、洗面カウンター、キッチンカウンター等のカウンター材、あるいはテーブル材、床材、壁面材等に好適に使用することができる。
以上に説明した本実施形態の人造大理石の製造方法によれば、注型成形工法によって、自然な模様の流れ柄を付与することができる。
図2は、本発明の人造大理石の製造方法の別の実施形態を概略的に説明するための縦断面図である。
同図に示す整流部材10は、独立した複数の整流部材10を一直線上に配置することで、混合樹脂を通さない閉鎖部11と、混合樹脂の流動が可能な開口部12を交互に形成している。そして整流部材10は、上型1aと下型1bに接触して金型1内で固定され、金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切っている。独立した複数の整流部材10のそれぞれは、金型1の上型1aと下型2aとの締め付けによる摩擦力、粘着力、または磁力で、混合樹脂の注入によって移動しないように金型1に拘束される。
本実施形態では、整流部材10を、注入口2から遠い流路間(閉鎖部11)の幅が、それよりも注入口2から近い流路間(閉鎖部11)の幅と同一またはそれよりも狭くなるように設置している。すなわち、流路間の幅a〜aが、a≧a≧a≧aとなるように設置している。
このようにすることで、注入口2に近い側の開口部12と、注入口2に遠い側の開口部12との間で混合樹脂が通り抜けるタイミングに大きな時間差が生じることを抑制できる。すなわち、注入口2に近い側の開口部12を混合樹脂が通り抜けてから時間が経過して後に遠い側の開口部12を混合樹脂が通り抜けることを抑制できる。そのため、整流部材10を一直線に配置した仕切り部分の端部側において放射状に混合樹脂が流れることがなく、自然な流れ柄とすることができる。
閉鎖部11の幅を、注入口2に近い側からa, a, ……, aとする。このとき、50mm≧a≧a≧……≧aとすることが好ましい。閉鎖部11の幅を50mm以下にすると、閉鎖部11両脇の開口部12を通り抜けた混合樹脂が閉鎖部11に回り込むような流れの発生を抑え、自然な流れ柄とすることができる。
また、注入口2より遠い側の閉鎖部11を大きくすると(a<a<……<a)、注入口2に近い側の開口部12を混合樹脂が通り抜けてから時間が経過して後に遠い側の開口部12を混合樹脂が通り抜ける。そのため、整流部材10を一直線に配置した仕切り部分の端部側において放射状に混合樹脂が流れ、自然な流れ柄とならない場合がある。
また本実施形態では、整流部材10を、注入口2から遠い流路(開口部12)の幅が、それよりも注入口2から近い流路(開口部12)の幅と同一またはそれよりも広くなるように設置している。
このようにすることで、注入口2に近い側の開口部12と、注入口2に遠い側の開口部12との間で混合樹脂が通り抜けるタイミングに大きな時間差が生じることを抑制できる。すなわち、注入口2に近い側の開口部12を混合樹脂が通り抜けてから時間が経過した後に遠い側の開口部12を混合樹脂が通り抜けることを抑制できる。そのため、整流部材10を一直線に配置した仕切り部分の端部側において放射状に混合樹脂が流れることがなく、自然な流れ柄とすることができる。
開口部12の幅を、注入口2に近い側からb, b,……, bn−1とする。このとき、5mm≦b≦b≦……≦bn−1≦50mmとすることが好ましい。開口部12の幅を50mm以下にすると、開口部12の中でも注入口2に近い側のものと遠い側のものとの間での混合樹脂が通り抜ける時間差が小さくすることができる。そのため平行な流れとなって、自然な流れ柄とすることができる。開口部12の幅を5mm以上とすると、開口部12における流動抵抗を十分に小さくしながら混合樹脂を通過させることができる。
また、注入口2より近い側の開口部12の幅を大きくすると(b>b>……>bn−1)、注入口2に近い側の開口部12を混合樹脂が通り抜けてから時間が経過した後に遠い側の開口部12を混合樹脂が通り抜ける。そのため、整流部材10を一直線に配置した仕切り部分の端部側において放射状に混合樹脂が流れ、自然な流れ柄とならない場合がある。
本実施形態の人造大理石の製造方法によれば、注型成形工法によって、自然な模様の流れ柄を付与することができる。また、整流部材10を、注入口2から遠い流路間の幅が、それよりも注入口2から近い流路間の幅と同一またはそれよりも狭くなるように設置している。したがって、注入口2に近い側の開口部12と、注入口2に遠い側の開口部12との間で混合樹脂が通り抜けるタイミングに大きな時間差が生じることを抑制でき、自然な流れ柄とすることができる。さらに、整流部材10を、注入口2から遠い流路の幅が、それよりも注入口2から近い流路の幅と同一またはそれよりも広くなるように設置している。したがって、注入口2に近い側の開口部12と、注入口2に遠い側の開口部12との間で混合樹脂が通り抜けるタイミングに大きな時間差が生じることを抑制でき、自然な流れ柄とすることができる。
図3および図4は、本発明の人造大理石の製造方法の別の実施形態を概略的に説明するための縦断面図である。
図3の実施形態では、整流部材10として、一体化された単独の部材を使用している。すなわち、混合樹脂を通さない閉鎖部11と、混合樹脂の流動が可能な開口部12を交互に形成し、かつ、複数の閉鎖部11と開口部12を連結して構成された一体の整流部材10を用いている。複数の閉鎖部11と開口部12はそれぞれ、板状の底面部によって、この底面部の上で連結している。閉鎖部11と開口部12は断面矩形状で、開口部12は上方が開放されている。
この整流部材10は、上型1aと下型1bに接触して金型1内で固定され、金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切っている。独立した複数の整流部材10のそれぞれは、金型1の上型1aと下型2aとの締め付けによる摩擦力、粘着力、または磁力で、混合樹脂の注入によって移動しないように金型1に拘束される。
図4の実施形態では、図3と同様に、整流部材10として、一体化された単独の部材を使用している。複数の開口部12は、断面円形状で、板状の部材を板面と平行に穿孔して開口部12を形成している。複数の閉鎖部11は、この板状の部材の縦断面における、断面円形状に穿孔された以外の部分から構成されている。
この整流部材10は、上型1aと下型1bに接触して金型1内で固定され、金型1内を上流側部分3と下流側部分4とに仕切っている。独立した複数の整流部材10のそれぞれは、金型1の上型1aと下型2aとの締め付けによる摩擦力、粘着力、または磁力で、混合樹脂の注入によって移動しないように金型1に拘束される。
図3および図4の実施形態の人造大理石の製造方法によれば、整流部材10を金型1内に設置することで、注型成形工法によって、自然な模様の流れ柄を付与することができる。また、整流部材10として、一体化された単独の部材を使用しているので、金型1内への設置が容易である。さらに、一体化された単独の部材とすることで、複数の閉鎖部11と複数の開口部12の断面形状の設計の自由度も向上する。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
1.配合
表1の配合に基づき、第1の熱硬化性樹脂(ベース樹脂)および第2の熱硬化性樹脂(柄用樹脂)を調製した。
2.注型準備
第1の熱硬化性樹脂が入った注型タンクに、第1の熱硬化性樹脂の0.5質量%の第2の熱硬化性樹脂を、シリンジ等を使用して線状に投入し、適宜に混合、攪拌することで第2の熱硬化性樹脂を均一に分散させた。これにより、第2の熱硬化性樹脂が筋状となるように混合された混合樹脂を得た。
3.注型
金型として、図2〜図4に示すような、平面視で矩形状の上型および下型を備え、1つの注入口をこの矩形面の端部近傍に有するものを用意した。
ホースを通じて注型タンクと金型の注入口を接続し、注型タンクに圧力をかけ、金型の注入口から金型内に混合樹脂を供給した。
実施例1、2では、金型内にブロック状の複数の整流部材を一列に配置し、上型と下型で締め付けて設置した。
4.成形
金型内に供給した混合樹脂を、90℃で1時間加熱して硬化させた。
<実施例1>
図5(b)に示す注入口2から整流部材10までの距離Lを30mm、閉鎖部11の幅はa=a=a=a=30mm、開口部12の幅はb=b=b=30mmとした。
混合樹脂を金型内に供給し、硬化させて得られた人造大理石の平面写真を図5(a)に示す。自然な模様の流れ柄を得ることができた。
<比較例1>
整流部材10を設置せずに、それ以外は実施例1と同様にして成形を行った。混合樹脂を金型内に供給し、硬化させて得られた人造大理石の平面写真を図6に示す。不自然な流れ模様となり、自然な模様の流れ柄を得ることはできなかった。
<実施例2>
図7(b)に示す注入口2から整流部材10までの距離Lを30mm、閉鎖部11の幅と開口部12の幅は図7(b)のとおりとした。
混合樹脂を金型内に供給し、硬化させて得られた人造大理石の平面写真を図7(a)に示す。比較例1に比べると自然な模様の流れ柄を得ることができたが、実施例1に比べると、やや不自然な部分が見られた。図7(a)の地点(1)では、閉鎖部が100mmと長いため、両端の開口部より流れ込む樹脂の流れが発生し、この部分は大理石模様としてはやや不自然な意匠となっている。地点(2)では、開口部が75mmと広いため、開口部中央からやや上側の樹脂が先に流動してしまい、樹脂が先行した部分の柄が抜けてしまい、この部分は大理石模様としてはやや不自然な意匠となった。
1 金型
2 注入口
3 上流側部分
4 下流側部分
10 整流部材

Claims (1)

  1. 第1の熱硬化性樹脂と、この第1の熱硬化性樹脂に比べて色調が異なり粘度が高い第2の熱硬化性樹脂とを、前記第2の熱硬化性樹脂が筋状となるように混合し、得られた混合樹脂を金型の注入口から前記金型内に供給して、前記混合樹脂を硬化させる、流れ柄を有する人造大理石の製造方法であって、
    前記注入口から供給された前記混合樹脂の流路を複数に分割する整流部材を前記金型内に設置して、前記整流部材によって前記金型内を上流側部分と下流側部分とに仕切り、
    前記整流部材は、前記注入口から遠い流路間の幅が、それよりも前記注入口から近い流路間の幅と同一またはそれよりも狭くなるように設置し、かつ、前記注入口から遠い流路の幅が、それよりも前記注入口から近い流路の幅と同一またはそれよりも広くなるように設置し、
    前記注入口から前記金型内の前記上流側部分に供給された前記混合樹脂の流路を、前記整流部材により複数に分割して前記下流側部分に供給し、前記混合樹脂を硬化させることによって、前記下流側部分で目的とする成形品を得ることを特徴とする、流れ柄を有する人造大理石の製造方法。
JP2015078621A 2015-04-07 2015-04-07 人造大理石の製造方法 Active JP6541058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015078621A JP6541058B2 (ja) 2015-04-07 2015-04-07 人造大理石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015078621A JP6541058B2 (ja) 2015-04-07 2015-04-07 人造大理石の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016198889A JP2016198889A (ja) 2016-12-01
JP6541058B2 true JP6541058B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=57423572

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015078621A Active JP6541058B2 (ja) 2015-04-07 2015-04-07 人造大理石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6541058B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017087527A (ja) * 2015-11-09 2017-05-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 人造大理石の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61193851A (ja) * 1985-02-23 1986-08-28 東陶機器株式会社 流れ模様人造大理石成形物の製造方法
JP2635734B2 (ja) * 1988-12-09 1997-07-30 株式会社日本触媒 模様付き人工石の製法
JPH1158419A (ja) * 1997-08-19 1999-03-02 Sekisui Chem Co Ltd 流れ模様を有する成形品の製造方法
JP4052276B2 (ja) * 2004-04-15 2008-02-27 松下電工株式会社 人造大理石の製造方法および人造大理石製造用の注型用金型
JP2012171205A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Panasonic Corp カウンター用成形型

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016198889A (ja) 2016-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6707319B2 (ja) 付加製造システムおよび付加製造方法
CN102510844B (zh) 人造大理石及其制造方法
CN100336650C (zh) 在注入成型基片表面区域施加模内涂层的方法
CN103974920B (zh) 具有高硬度的合成大理石及其制造方法
CN103189327A (zh) 具有含珠光图案的丙烯酸合成大理石及其制备方法
EP1016510A1 (en) Process for manufacturing artificial marble having stripe patterns
JP6541058B2 (ja) 人造大理石の製造方法
WO1999050041A1 (fr) Procede de fabrication de marbre artificiel a motif en bande
JP3683503B2 (ja) 人工石材の製造方法及び接合方法
CN108047572A (zh) 一种功能型滑石粉母粒
JP6771187B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP2017047610A (ja) 樹脂成形品の製造方法
JPS61143133A (ja) 石調模様を有するレジンコンクリ−ト成型品とその製造方法
JP2017087527A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2018089934A (ja) 人造大理石の製造方法
JP5821018B2 (ja) 人造大理石の製造方法
JP2938008B1 (ja) ストライプ柄を有する人工大理石の製造方法
JP2938013B1 (ja) ストライプ柄を有する人工大理石の製造方法
JP2002036260A (ja) 人造大理石の製造方法
CA3113960C (en) Sanitary article
JP4296656B2 (ja) 人造大理石の製造方法
JP6403060B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP2005298270A (ja) 模様を有する人工大理石の製造方法
JP2003062840A (ja) 人造大理石の製造方法
KR20240002270A (ko) 자성안료 패턴이 형성된 입체 물품 및 그 패턴 형성 장치

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171220

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20171226

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190531

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6541058

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151