JP3640163B2 - 人造大理石の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具の部材や建材等として用いられる人造大理石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、樹脂に充填材、補強材、内部離型剤、硬化剤等の添加物を配合した樹脂組成物を所望の形状を有する注型金型に注入し、加熱硬化させることによって人造大理石を形成することが知られていた。
【0003】
このような人造大理石を製造するための原料となる樹脂としては、従来からポリエステル系、アクリル系、ビニルエステル系などが用いられてきた。
【0004】
これらを活用した人造大理石の成形品は、洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボール等に利用されている。
【0005】
通常、人造大理石の耐衝撃強度(靱性)を向上するためには、補強材として、ガラス繊維の配合量を増大することが行なわれている。しかし、ガラス繊維の配合量を増大させると、人造大理石に形成される柄や模様の流れが著しく阻害されたり、混合分散性が不均一になったり、製品の透明感が低下したり、製品面にガラス繊維の毛羽立ちが発生したりして、均一な製品が得られず、そのため、製品強度の向上には限界があった。
【0006】
そのため、このような問題を解消するために、人造大理石の裏面に木製の補強板を設けたり、FRP(繊維強化プラスチック)による補強層を設けたりして、製品の厚みを厚くすることが行なわれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにして人造大理石の裏面を補強するためには、加工の手間がかかると共にコストアップにも繋がるものであった。また、製品に補強板等の厚みが加わるため、製品の薄型化が困難となり、それに伴って製品の重量が大きくなって、製品の運搬や施工における負担が大きくなるものであった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、人造大理石の耐衝撃強度を向上することができて、人造大理石から形成される製品に補強板等を設ける必要をなくし、製品の薄型化・軽量化を達成することができると共に、透明性を高めて外観を向上することができる人造大理石の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る人造大理石の製造方法は、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂に充填材などの添加剤を配合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を成形硬化させることによって人造大理石を製造するにあたって、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂にジアリルフタレートモノマーを添加して複合型としたものを用いて樹脂組成物を調製することを特徴とするものである。
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対してジアリルフタレートモノマーを0.5〜100質量部用いることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、スチレン架橋型ビニルエステル100質量部に対して充填材を150〜300質量部配合することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、充填材として平均粒径が3〜50μmのものを用いることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
人造大理石の製造に用いられる樹脂組成物は、樹脂成分、充填材、補強材、内部離型剤、硬化剤等を含有する。
【0015】
樹脂成分としては、ビニルエステル樹脂と架橋剤であるスチレンモノマーとからなるスチレン架橋型ビニルエステル樹脂が用いられる。
【0016】
ビニルエステル樹脂としてはビスフェノール型ビニルエステル樹脂又はノボラック型ビニルエステル樹脂のうちの、いずれか一方又は双方を用いることができる。ここで、ビスフェノール型ビニルエステル樹脂とは、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であり、またノボラック型エポキシ樹脂はノボラック型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いずれも両末端のみに反応性付加反応物を有する。
【0017】
ビスフェノール型ビニルエステル樹脂を得るためのビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いることができる。
【0018】
またエポキシ樹脂に付加させる酸としては通常、不飽和一塩基酸を使用するものであり、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキシエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等を用いることができる。
【0019】
また、ビニルエステルを二種類以上の混合型とする場合は、樹脂それぞれの特性及び充填材との相互作用あるいは複合するジアリルフタレートモノマーとの相互作用などにより目的とする製品品質に適合する配合比率に設定されるものであり、その配合比率は特に限定されるものではない。
【0020】
また本発明においては上記のスチレン架橋型ビニルエステル樹脂は、ジアリルフタレートモノマーを添加混合した複合型とした状態で使用するものである。このジアリルフタレートモノマーとしては、例えば次の構造式(a)で示されるオルソフタル酸ジアリルエステル、構造式(b)で示されるイソフタル酸ジアリルエステル、構造式(c)で示されるテレフタル酸ジアリルエステル等を用いることができるが、これらの構造のものに限定されるものではない。
【0021】
【化1】
【0022】
このようなジアリルフタレートモノマーの添加量は、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対して0.5〜100質量部の範囲とすることが好ましい。添加量がこの範囲に満たないと人造大理石の耐衝撃強度を充分に向上することが困難となるおそれがある。一方、添加量がこの範囲を超えると樹脂組成物の粘度が急激に増大して、成形性が悪化し、人造大理石を成形することが困難となるおそれがあり、また高濃度のジアリルフタレートモノマーの影響により通常の注型金型における人造大理石の成形温度である110℃以下では樹脂組成物の硬化反応の進行が極端に遅くなって製品中の未反応のモノマーの割合が増大し、人造大理石の耐衝撃強度を充分に向上することが困難となるおそれがある。
【0023】
また、充填材としてはシリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスフリット、クレー等を用いることができ、これらを一種のみ用い、あるいは二種以上を併用することができる。
【0024】
このような充填材の配合量は、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂の総量100質量部に対して、150〜300質量部とすることが好ましい。配合量がこの範囲に満たないと、得られる人造大理石の耐衝撃強度は向上することができるが、充分な耐熱性が得られないおそれがあり、またこの範囲を超えると充分な耐熱性は得られるものの、耐衝撃強度を充分に向上することができなくなるおそれがある。
【0025】
また、充填材全体の平均粒径が、50μm以下のものを用いることが好ましく、この場合、人造大理石の靱性を向上して耐衝撃強度を効果的に向上することができる。一方、充填材全体の平均粒径が小さすぎると、樹脂組成物中における充填材の分散性が低下して充填材の凝集が生じるおそれがあるため、充填材の平均粒径の下限は3μmとすることが好ましい。
【0026】
また充填材の表面に予めシランカップリング剤処理を施しておくと、樹脂組成物中において充填材と樹脂成分との密着性を向上することができ、更に充填材の分散性も向上することができて、得られる人造大理石の耐衝撃強度を更に向上することができるものである。シランカップリング剤としては、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等を用いることができる。
【0027】
また、硬化剤としては、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエートや、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂の総量100質量部に対して、0.5〜5質量部とすることが好ましい。硬化剤の配合量がこの範囲に満たないと、樹脂組成物の硬化成形時において硬化反応を完全に進行させることが困難となって、製品中に未反応物が残留するおそれがある。一方、硬化物の配合量がこの範囲を超えると、樹脂組成物のポットライフが極端に短くなる傾向となり、人造大理石の製造過程において、成形前の樹脂組成物が硬化してゲル化現象が発生するおそれがる。
【0028】
また、樹脂組成物には必要に応じて、紫外線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配合することもできる。
【0029】
そして、樹脂組成物を調製するにあたっては、まずスチレン架橋型ビニルエステル樹脂に対してジアリルフタレートモノマーを添加配合して複合型とする。そしてこの複合型樹脂に、充填材、硬化剤及び各種添加剤を所定の割合で配合し、攪拌機等により撹拌混合することによって調製される。
【0030】
また、ジアリルフタレートモノマーは充填材等の添加剤の配合途中に配合してもよく、例えばスチレン架橋型ビニルエステル樹脂に充填材を配合して混合した後にジアリルフタレートモノマーを配合して混合しても良いものであり、添加配合の順序は特に限定されるものではない。
【0031】
樹脂組成物から人造大理石を製造するにあたっては、まず樹脂組成物を0.4〜6.7kP(3〜50Torr)程度の減圧下で5〜30分間攪拌することにより脱泡する。このようにして脱泡された樹脂組成物を、減圧状態から開圧し、所定形状の金型内へ注入して、この金型を50〜110℃の温度で30〜120分間加熱することにより、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の重合反応を進行させて、硬化成形を行うことができる。
【0032】
このように加熱るすことによって、樹脂組成物中の反応性不飽和基と重合性モノマーとの共重合反応を進行させ、樹脂組成物を硬化成形した人造大理石を獲ることができる。
【0033】
このようにして製造される人造大理石は、優れた耐衝撃強度を有することとなり、人造大理石の裏面に木製の補強板やFRP補強層等を形成して強度を補うような必要がなく、高い耐衝撃性(靱性)を発揮することができる。更にこの人造大理石にて形成される製品の軽量化を図ると共に、外観、特に透明性に優れた人造大理石を得ることができるものである。
【0034】
この人造大理石は例えば板状に成形してキッチンカウンターの天板等に使用することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0036】
(実施例1)
スチレン架橋型ビニルエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製;商品名「プロミネートP−311」)にジアリルフタレートモノマー(オルソフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップモノマー」)をスチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対して10.0質量部添加した。
【0037】
更にこれに、充填材として水酸化アルミニウム(住友化学工業株式会社製;品番「CW−308B」;平均粒径8μm)を、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂とジアリルフタレートモノマーとの総量100質量部に対して200質量部配合し、また硬化剤として、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製;商品名「パーキュアWO」)を3.5質量部配合し、攪拌機で混合することによって、樹脂組成物を調製した。
【0038】
この樹脂組成物を2.7kPa(20Torr)の減圧下で、50分間真空脱泡処理し、これを金型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱して、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0039】
(実施例2)
スチレン架橋型ビニルエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製;商品名「プロミネートP−311」)にジアリルフタレートモノマー(イソフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップ100モノマー」)をスチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対して15.0質量部添加した。
【0040】
更にこれに、充填材として水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製;品番「H−310平均粒径17μm)を、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂とジアリルフタレートモノマーとの総量100質量部に対して220質量部配合し、また硬化剤として、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製;商品名「パーキュアHO」)を3.0質量部配合し、攪拌機で混合することによって、樹脂組成物を調製した。
【0041】
この樹脂組成物を2.7kPa(20Torr)の減圧下で、40分間真空脱泡処理し、これを金型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱して、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0042】
(実施例3)
スチレン架橋型ビニルエステル樹脂(昭和高分子株式会社製;商品名「リポキシR−804」)にジアリルフタレートモノマー(テレフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップレンモノマー」)をスチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対して12.5質量部添加した。
【0043】
更にこれに、充填材として水酸化アルミニウム(住友化学工業株式会社製;品番「CW−325LV」;平均粒径25μm)を、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂とジアリルフタレートモノマーとの総量100質量部に対して200質量部配合し、また硬化剤として、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製;商品名「パーキュアHO」)を4.0質量部配合し、攪拌機で混合することによって、樹脂組成物を調製した。
【0044】
この樹脂組成物を2.7kPa(20Torr)の減圧下で、40分間真空脱泡処理し、これを金型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱して、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0045】
(実施例4)
スチレン架橋型ビニルエステル樹脂(昭和高分子株式会社製;商品名「リポキシR−806」)にジアリルフタレートモノマー(オルソフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップモノマー」)とジアリルフタレートモノマー(テレフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップレンモノマー」)をスチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対してそれぞれ10.0質量部ずつ添加した。
【0046】
更にこれに、充填材として水酸化アルミニウム(住友化学工業株式会社製;品番「CW−316」;平均粒径16μm)を、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂とジアリルフタレートモノマーとの総量100質量部に対して200質量部配合し、また硬化剤(化薬アクゾ株式会社製;商品名「トリゴノックス121−50」)を4.0質量部配合し、攪拌機で混合することによって、樹脂組成物を調製した。
【0047】
この樹脂組成物を2.7kPa(20Torr)の減圧下で、50分間真空脱泡処理し、これを金型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱して、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0048】
(実施例5)
スチレン架橋型ビニルエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製:商品名「プロミネートP−310」)とスチレン架橋製ビニルエステル樹脂(昭和高分子株式会社製;商品名「リポキシR−806」)とを80:20の質量比で用い、これにジアリルフタレートモノマー(イソフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップ100モノマー」)とジアリルフタレートモノマー(テレフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップレンモノマー」)をスチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対してそれぞれ7.0質量部と8.0質量部添加した。
【0049】
更にこれに、充填材として水酸化アルミニウム(住友化学工業株式会社製;品番「CW−308」;平均粒径8μm)を、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂とジアリルフタレートモノマーとの総量100質量部に対して220質量部配合し、また硬化剤(化薬アクゾ株式会社製;商品名「トリゴノックス121−50」)を4.0質量部配合し、攪拌機で混合することによって、樹脂組成物を調製した。
【0050】
この樹脂組成物を2.7kPa(20Torr)の減圧下で、50分間真空脱泡処理し、これを金型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱して、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0051】
(実施例6)
スチレン架橋型ビニルエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製:商品名「プロミネートP−311」)とスチレン架橋製ビニルエステル樹脂(昭和高分子株式会社製;商品名「リポキシR−804」)とを50:50の質量比で用い、これにジアリルフタレートモノマー(オルソフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップモノマー」)とジアリルフタレートモノマー(イソフタル酸ジアリルエステル;ダイソー株式会社製;商品名「ダイソーダップレン100モノマー」)をスチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対してそれぞれ7.0質量部と9.0質量部添加した。
【0052】
更にこれに、充填材として水酸化アルミニウム(住友化学工業株式会社製;品番「CW−308」;平均粒径8μm)とガラスフィラー(日本フリット株式会社製;品番「CF002−10D」;平均粒径10μm)とを質量比で70:30で混合したものを、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂とジアリルフタレートモノマーとの総量100質量部に対して210質量部配合し、また硬化剤(化薬アクゾ株式会社製;商品名「トリゴノックス121−50」)を4.0質量部配合し、攪拌機で混合することによって、樹脂組成物を調製した。
【0053】
この樹脂組成物を2.7kPa(20Torr)の減圧下で、50分間真空脱泡処理し、これを金型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱して、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0054】
(比較例1〜6)
ジアリルフタレートモノマーの添加を行わなかった以外は実施例1〜6と同様にして、厚み11mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0055】
(評価試験)
以上の各実施例及び各比較例にて得られた人造大理石につき、シャルピー衝撃強度を測定した。またこの各人造大理石の外観を目視にて観察して、透明性を評価した。この結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
以上の結果のように、実施例1〜6ではジアリルフタレートモノマーを添加していない比較例1〜6よりも衝撃強度が向上し、また透明性に優れた人造大理石が得られた。
【0058】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る人造大理石の製造方法は、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂に充填材などの添加剤を配合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を成形硬化させることによって人造大理石を製造するにあたって、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂にジアリルフタレートモノマーを添加して複合型としたものを用いて樹脂組成物を調製するため、優れた耐衝撃強度を有する人造大理石を製造することができ、人造大理石の裏面に木製の補強板やFRP補強層等を形成して強度を補うような必要がなく、高い耐衝撃性を発揮することができるものであり、この人造大理石にて形成される製品の軽量化を図ると共に、外観、特に透明性を向上することができるものである。
【0059】
また請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対してジアリルフタレートモノマーを0.5〜100質量部用いるため、更に優れた耐衝撃強度を有する人造大理石を製造することができるものである。
【0060】
また請求項3の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、スチレン架橋型ビニルエステル100質量部に対して充填材を150〜300質量部配合するため、耐熱性と耐衝撃性が共に優れた人造大理石を得ることができるものである。
【0061】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、充填材として平均粒径が3〜50μmのものを用いるため、充填材の分散性を低下させることなく、耐衝撃性に優れた人造大理石を得ることができるものである。
Claims (4)
- スチレン架橋型ビニルエステル樹脂に充填材などの添加剤を配合して樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を成形硬化させることによって人造大理石を製造するにあたって、スチレン架橋型ビニルエステル樹脂にジアリルフタレートモノマーを添加して複合型としたものを用いて樹脂組成物を調製することを特徴とする人造大理石の製造方法。
- スチレン架橋型ビニルエステル樹脂100質量部に対してジアリルフタレートモノマーを0.5〜100質量部用いることを特徴とする請求項1に記載の人造大理石の製造方法。
- スチレン架橋型ビニルエステル100質量部に対して充填材を150〜300質量部配合することを特徴とする請求項1又は2に記載の人造大理石の製造方法。
- 充填材として平均粒径が3〜50μmのものを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の人造大理石の製造方法。
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