JP2002220478A - 人造大理石の製造方法 - Google Patents

人造大理石の製造方法

Info

Publication number
JP2002220478A
JP2002220478A JP2001019222A JP2001019222A JP2002220478A JP 2002220478 A JP2002220478 A JP 2002220478A JP 2001019222 A JP2001019222 A JP 2001019222A JP 2001019222 A JP2001019222 A JP 2001019222A JP 2002220478 A JP2002220478 A JP 2002220478A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
artificial marble
resin
filler
average particle
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001019222A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyomi Tagawa
清美 田川
Masahiko Suzuki
雅彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2001019222A priority Critical patent/JP2002220478A/ja
Publication of JP2002220478A publication Critical patent/JP2002220478A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人造大理石の耐衝撃強度を向上することがで
きて、人造大理石から形成される製品に補強板等を設け
る必要をなくし、製品の薄型化・軽量化を達成すること
ができると共に、透明性を高めて外観を向上することが
できる人造大理石の製造方法を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂と充填材とを含有する樹脂
組成物を調製する。この樹脂組成物を成形硬化させるこ
とによって人造大理石を製造する。樹脂組成物中には充
填材として平均粒径1μm以下の析出型シリカを配合す
る。このため、優れた耐衝撃強度を有する人造大理石を
製造することができ、人造大理石の裏面に木製の補強板
やFRP補強層等を形成して強度を補うような必要がな
く、高い耐衝撃性を発揮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具の部材や建材
等として用いられる人造大理石の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂に充填材、補強材、内部
離型剤、硬化剤等の添加物を配合した樹脂組成物を所望
の形状を有する注型金型に注入し、加熱硬化させること
によって人造大理石を形成することが知られていた。
【0003】このような人造大理石を製造するための原
料となる樹脂としては、従来からポリエステル系、アク
リル系、ビニルエステル系などが用いられてきた。
【0004】これらを活用した人造大理石の成形品は、
洗面カウンター、キッチンカウンター、浴槽、洗面ボー
ル等に利用されている。
【0005】通常、人造大理石の耐衝撃強度(靱性)を
向上するためには、補強材として、ガラス繊維の配合量
を増大することが行なわれている。しかし、ガラス繊維
の配合量を増大させると、人造大理石に形成される柄や
模様の流れが著しく阻害されたり、混合分散性が不均一
になったり、製品の透明感が低下したり、製品面にガラ
ス繊維の毛羽立ちが発生したりして、均一な製品が得ら
れず、そのため、製品強度の向上には限界があった。
【0006】そのため、このような問題を解消するため
に、人造大理石の裏面に木製の補強板を設けたり、FR
P(繊維強化プラスチック)による補強層を設けたりし
て、製品の厚みを厚くすることが行なわれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
して人造大理石の裏面を補強するためには、加工の手間
がかかると共にコストアップにも繋がるものであった。
また、製品に補強板等の厚みが加わるため、製品の薄型
化が困難となり、それに伴って製品の重量が大きくなっ
て、製品の運搬や施工における負担が大きくなるもので
あった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、人造大理石の耐衝撃強度を向上することができ
て、人造大理石から形成される製品に補強板等を設ける
必要をなくし、製品の薄型化・軽量化を達成することが
できると共に、透明性を高めて外観を向上することがで
きる人造大理石の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
人造大理石の製造方法は、熱硬化性樹脂と充填材とを含
有する樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を成形硬化
させることによって人造大理石を製造するにあたって、
樹脂組成物中に充填材として平均粒径1μm以下の析出
型シリカを配合することを特徴とするものである。
【0010】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、平均粒径1μm以下の析出型シリカの配合量を、樹
脂組成物中の、平均粒径1μm以下の析出型シリカを除
く充填材全量の1〜30質量%とすることを特徴とする
ものである。
【0011】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂のうちの、少なくとも一
種のものを用いることを特徴とするものである。
【0012】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、平均粒径1μm以下の析出型シリカ
以外の充填材として、水酸化アルミニウム、シリカ、ガ
ラスパウダーのうちの少なくとも一種のものを用いるこ
とを特徴とするものである。
【0013】また請求項5の発明は、請求項1乃至4に
おいて、平均粒径1μm以下の析出型シリカ以外の充填
材の平均粒径を、5〜50μmの範囲とすることを特徴
とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】人造大理石の製造に用いられる樹脂組成物
は、樹脂成分、充填材、補強材、内部離型剤、硬化剤等
を含有する。
【0016】樹脂成分は、熱硬化性樹脂に必要に応じて
架橋剤が配合されたものであり、熱硬化性樹脂として
は、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル
樹脂のうちのいずれか一種を用い、あるいは二種以上を
併用することができる。
【0017】ビニルエステル樹脂としてはビスフェノー
ル型ビニルエステル樹脂又はノボラック型ビニルエステ
ル樹脂のうちの、いずれか一方又は双方を用いることが
できる。
【0018】ここで、ビスフェノール型ビニルエステル
樹脂とは、ビスフェノール型エポキシ樹脂と酸との付加
反応物であり、またノボラック型エポキシ樹脂はノボラ
ック型エポキシ樹脂と酸との付加反応物であって、いず
れも両末端のみに反応性付加反応物を有する。
【0019】ビスフェノール型ビニルエステル樹脂を得
るためのビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビス
フェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノー
ルS型、ビスフェノールF型等の各種のものを用いるこ
とができる。
【0020】またエポキシ樹脂に付加させる酸としては
通常、不飽和一塩基酸を使用するものであり、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、
ヒドロキシエチルメタクリレート・マレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート・マレート、ヒドロキシプロピル
メタクリレート・マレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート・マレート、ジシクロペンタジエン・マレート等
を用いることができる。
【0021】また通常、ビニルエステル樹脂には、架橋
剤としてスチレンモノマー、アクリルモノマー等が配合
されているが、特にこのような形態に限定されるもので
はない。
【0022】アクリル樹脂としては、通常、メチルメタ
アクリレートモノマー、多官能のアクリルモノマー、あ
るいはこれらのプレポリマー、あるいはこれらのポリマ
ーのうち、二種以上のものを含有する通常アクリルシロ
ップ樹脂と称される熱硬化型のものを用いることができ
るが、特にこのような形態に限定されるものではない。
【0023】またポリエステル樹脂としては、無水マレ
イン酸のような不飽和二塩基酸及び無水フタル酸のよう
な飽和二塩基酸とグリコール類とを縮合反応させて合成
され、分子内に不飽和結合とエステル結合とを有する熱
硬化型のものを用いることができる。また通常、このポ
リエステル樹脂としては、架橋剤としてスチレンモノマ
ー、アクリルモノマー等が配合されている不飽和ポリエ
ステル樹脂と称されるものが用いられるが、特にこのよ
うな形態に限定されるものではない。
【0024】また熱硬化性樹脂として、ビニルエステル
樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂のうちの二種以
上の混合型とする場合は、それぞれの樹脂の有する特
性、充填材との相互作用などにより、目的とする製品の
物性等に適合した適宜の割合で配合されるものであり、
その配合比は特に限定されるものではない。
【0025】硬化剤としては、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエートや、
t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等
を用いることができる。この硬化剤の配合割合は、例え
ば熱硬化性樹脂としてビニルエステル樹脂を用いている
場合は、熱硬化性樹脂の総量100質量部に対して、
0.5〜5質量部とすることが好ましい。
【0026】また、充填材としては、平均粒径1μm以
下の析出型シリカを必須成分とするものである。この析
出型シリカとは、天然シリカや溶融シリカと呼ばれるよ
うな、シリカの塊を粉砕して分級することにより得られ
るシリカとは異なり、金属シリコン(ケイ素単体)を直
接連続的に酸化反応させて微粉状に析出させて得られる
シリカであり、粒子形状が真球状でかつ粒度分布が比較
的シャープであるという特徴を有する。
【0027】また他の充填材としては、平均粒径が1μ
mを超えるシリカ、水酸化アルミニウム、あるいはガラ
スパウダーを用いることができ、平均粒径1μm以下の
析出型シリカに加えて、これらの他の充填材を一種のみ
用い、あるいは二種以上を併用することができる。この
平均粒径1μm以下の析出型シリカ以外の充填材の平均
粒径は小さいほど人造大理石の耐衝撃強度を向上するこ
とができるが、あまりにも小さくなりすぎると人造大理
石製造用の樹脂組成物の粘度が急激に上昇して成形性が
悪化するため、平均粒径が5μm以上となるようにする
ことが好ましい。一方、この充填材の平均粒径が大きく
なりすぎると樹脂組成物の粘度は低下し、成形性が悪化
することはなくなるが、得られる人造大理石の耐衝撃強
度を充分に向上することが困難となるため、平均粒径が
50μm以下となるようにすることが好ましい。またこ
れらの充填材の表面に予めシランカップリング剤処理を
施しておくと、樹脂組成物中において充填材と樹脂成分
との密着性を向上することができ、更に充填材の分散性
も向上することができて、得られる人造大理石の耐衝撃
強度を更に向上することができるものである。シランカ
ップリング剤としては、γ−(メタクリロイルオキシプ
ロピル)トリメトキシシラン等を用いることができる。
【0028】このように充填材として平均粒径1μm以
下の析出型シリカが配合された樹脂組成物にて人造大理
石を成形すると、粒径の小さい析出型シリカが、他の充
填材の隙間に入り込んで、充填材の粒子配置が最密充填
に近い構造を形成することとなり、充填材が高密度かつ
均一に充填された人造大理石を得ることができ、これに
より人造大理石の耐衝撃強度を向上することができるも
のである。この析出型シリカの平均粒径が1μmを超え
ると、充填材の密充填性を充分に向上することができ
ず、人造大理石の耐衝撃強度を充分に向上することがで
きないものである。またこの析出型シリカの平均粒径の
下限は特に制限されるものではないが、市販品として使
用できる析出型シリカの平均粒径の下限は0.1μmで
あり、これが実際上の下限となる。
【0029】ここで、析出型シリカの平均粒径は1μm
以下と小さなものであるが、その形状が真球状であるた
めに、樹脂組成物の粘度上昇が抑制され、このような析
出型シリカを樹脂組成物に配合しても成形性を悪化させ
ることはないものである。また、この平均粒径1μm以
下の析出型シリカの配合量は、樹脂組成物に配合され
る、平均粒径1μm以下の析出型シリカを除く充填材の
総量に対して1〜30質量%の範囲とすることが好まし
く、この範囲に満たないと人造大理石の耐衝撃強度を充
分に向上することは困難となり、またこの範囲を超える
と、その形状が真球状であるといっても配合量が大きく
なりすぎることによって樹脂組成物の粘度が上昇し、成
形性が悪化するおそれがある。また樹脂組成物の粘度上
昇を充分に抑制すると共に、人造大理石の耐衝撃強度を
充分に向上するためには、より好ましくは平均粒径1μ
m以下の析出型シリカの配合量を、平均粒径1μm以下
の析出型シリカを除く充填材の総量に対して5〜25質
量%の範囲とするものである。
【0030】また、充填材の総配合量は、熱硬化性樹脂
の総量100質量部に対して、130〜300質量部と
することが好ましい。配合量がこの範囲に満たないと、
得られる人造大理石の耐衝撃強度は向上することができ
るが、充分な耐熱性が得られないおそれがあり、またこ
の範囲を超えると充分な耐熱性は得られるものの、耐衝
撃強度を充分に向上することができなくなるおそれがあ
る。
【0031】また、樹脂組成物には必要に応じて、紫外
線吸収剤、減粘剤、離型剤、ガラス繊維、着色剤等を配
合することもできる。
【0032】減粘剤としては例えばBKY製の品番「W
996」を、離型剤としては例えば中京油脂製の商品名
「セパール」を、ガラス繊維としては例えば日本板硝子
製の品番「RES03X−BM」を用いることができ
る。
【0033】また紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾ
ール系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリレート
系、シアノアクリレート系、シュウ酸アニリド系、ベン
ゾフェノン系等のものを使用することができる。
【0034】樹脂組成物は、樹脂成分に充填材を配合
し、更に硬化剤及びその他の各種の添加剤を所定の割合
で配合し、攪拌機等により撹拌混合することによって調
製される。
【0035】樹脂組成物から人造大理石を製造するにあ
たっては、まず樹脂組成物を4.0〜6.7kPa(3
0〜50Torr)の減圧下で攪拌することにより脱泡
する。このようにして脱泡された樹脂組成物を、減圧状
態から大気圧下に開放し、所定の金型内へ注入して、こ
の金型を50〜110℃の温度で30〜120分間加熱
することにより、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の重合反
応を進行させて、硬化成形を行う。
【0036】このようにして製造される人造大理石は、
優れた耐衝撃強度を有することとなり、人造大理石の裏
面に木製の補強板やFRP補強層等を形成して強度を補
うような必要がなく、高い耐衝撃性(靱性)を発揮する
ことができ、更にこの人造大理石にて形成される製品の
薄型化を可能とすると共に軽量化を図ることができ、ま
た外観、特に透明性に優れた人造大理石を得ることがで
きるものである。
【0037】このような人造大理石の成形品は、洗面カ
ウンター、キッチンカウンター、浴槽洗面ボール等への
商品化が容易となるものである。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0039】(実施例1)熱硬化性樹脂としてポリエス
テル樹脂(武田薬品工業株式会社製「ポリマール545
0」)を用い、この熱硬化性樹脂100質量部に対し
て、充填材として水酸化アルミニウム(昭和電工株式会
社製「H−310」;平均粒径17μm)を180質量
%配合した。これに、平均粒径0.2〜0.3μmの範
囲の析出型シリカ(株式会社アドマテックス製「SO−
E1」)を18質量部(析出型シリカ以外の充填材総量
に対して10質量%)配合した。更に硬化剤(t−ヘキ
シルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂株
式会社製「パーキュアーHO」)を3.5質量部添加し
て、樹脂組成物を調製した。
【0040】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱し
て、厚み12mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0041】(実施例2)熱硬化性樹脂としてビニルエ
ステル樹脂(武田薬品工業株式会社製「プロミネートP
−311」)を用い、この熱硬化性樹脂100質量部に
対して、充填材として水酸化アルミニウム(昭和電工株
式会社製「H−308B」;平均粒径8μm)を200
質量部配合した。これに平均粒径0.4〜0.6μmの
析出型シリカ(株式会社アドマテックス製「SO−E
2」)を25質量部(析出型シリカを除く充填材総量に
対して12.5質量%)配合した。更に硬化剤(日本油
脂株式会社製「パーキュアーHO」)を4.0質量部添
加して、樹脂組成物を得た。
【0042】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度90℃で90分間加熱して、
厚み12mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0043】(実施例3)熱硬化性樹脂として、アクリ
ルシロップ樹脂(日本フェロー株式会社製「AC−0
2」)を用い、この熱硬化性樹脂100質量部に対して
充填材としてシリカ(龍森株式会社製「CRYSTAL
ITE M−3K」;平均粒径20μm)を150質量
部配合した。これに平均粒径0.2〜0.3μmの析出
型シリカ(株式会社アドマテックス製「SO−C1」)
を30質量部(析出型シリカを除く充填材総量に対して
20質量%)配合した。更に硬化剤(化薬アクゾ株式会
社製「パーカドックス16」)を1.5質量部添加し
て、樹脂組成物を調製した。
【0044】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度90℃で80分間加熱して、
厚み12mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0045】(実施例4)熱硬化性樹脂としてビニルエ
ステル樹脂(昭和高分子株式会社製「リポキシR−80
4」)と、ポリエステル樹脂(武田薬品工業株式会社製
「ポリマール5250」)を60/40の質量比で配合
し、この混合樹脂100質量部に対して、充填材として
水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製「H−32
0」;平均粒径10μm)を150質量部配合した。こ
れに平均粒径0.4〜0.6μmの析出型シリカ(株式
会社アドマテックス製「SO−C2」)を40質量部
(析出型シリカを除く充填材総量に対して27質量%)
配合した。更に硬化剤(日本油脂株式会社製「パーキュ
アーHO」)を3.0質量部配合して、樹脂組成物を調
製した。
【0046】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、50分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱し
て、厚み12mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0047】(実施例5)熱硬化性樹脂としてビニルエ
ステル樹脂(昭和高分子株式会社製「リポキシR−80
6」)と、アクリルシロップ樹脂(三井化学株式会社製
「XE924−1」)を70/30の質量比で配合し、
この混合樹脂100質量部に対して、充填材として水酸
化アルミニウム(昭和電工株式会社製「H−320」;
10μm)とガラスパウダー(日本フリット株式会社製
「GF−2−30A」;平均粒径30μm)を80/2
0の質量比で混合したものを180質量部配合した。こ
れに平均粒径0.2〜0.3μmの析出型シリカ(株式
会社アドマテックス製「SO−E1」)を36質量部
(析出型シリカを除く充填材総量に対して20質量%)
配合した。更に硬化剤(1,1,3,3−テトラメチル
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日本油
脂株式会社製「パーキュアーWO」)を3.5質量部添
加して、樹脂組成物を調製した。
【0048】この樹脂組成物を2.7kPa(20To
rr)の減圧下で、60分間真空脱泡処理し、これを金
型内に注入して、金型温度90℃で100分間加熱し
て、厚み12mmの平板状の人造大理石を成形した。
【0049】(比較例1〜5)樹脂組成物中に析出型シ
リカしていない以外は、実施例1〜5と同様の配合組成
及び成形条件にて、人造大理石を成形した。
【0050】(評価試験)以上の各実施例及び各比較例
にて得られた人造大理石につき、シャルピー衝撃強度を
測定し、また目視にて透明性を判定した。この結果を表
1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】以上の結果のように、実施例1〜5では平
均粒径1μm以下の析出型シリカを配合していない比較
例1〜5よりも衝撃強度が向上した。また各実施例及び
比較例で得られた人造大理石には、透明性に大きな差異
はなく、いずれも良好な透明性を有するものであった。
【0053】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る人
造大理石の製造方法は、熱硬化性樹脂と充填材とを含有
する樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を成形硬化さ
せることによって人造大理石を製造するにあたって、樹
脂組成物中に充填材として平均粒径1μm以下の析出型
シリカを配合するため、粒径の小さい析出型シリカが、
他の充填材の隙間に入り込んで、充填材の粒子配置が最
密充填に近い構造を形成することとなり、充填材が高密
度かつ均一に充填された人造大理石を得ることができ、
これにより優れた耐衝撃強度を有する人造大理石を製造
することができ、人造大理石の裏面に木製の補強板やF
RP補強層等を形成して強度を補うような必要がなく、
高い耐衝撃性を発揮することができるものであり、この
人造大理石にて形成される製品の軽量化を図ると共に、
外観、特に透明性を向上することができるものである。
【0054】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、平均粒径1μm以下の析出型シリカの配合量を、樹
脂組成物中の、平均粒径1μm以下の析出型シリカを除
く充填材全量の1〜30質量%とするため、人造大理石
の耐衝撃強度を充分に向上すると共に、樹脂組成物の粘
度上昇を抑制して良好な成形性を維持することができる
ものである。
【0055】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂のうちの、少なくとも一
種のものを用いるため、それぞれの樹脂の有する特性に
応じて配合割合を調整することにより、目的とする製品
に適した物性を有する人造大理石を得ることができるも
のである。
【0056】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、平均粒径1μm以下の析出型シリカ
以外の充填材として、水酸化アルミニウム、シリカ、ガ
ラスパウダーのうちの少なくとも一種のものを用いるた
め、通常の人造大理石製造用の樹脂組成物に対して応用
が可能となり、目的とする製品に適した物性を有する人
造大理石を得ることができるものである。
【0057】また請求項5の発明は、請求項1乃至4に
おいて、平均粒径1μm以下の析出型シリカ以外の充填
材の平均粒径を、5〜50μmの範囲とするため、樹脂
組成物の粘度上昇を抑制して良好な成形性を維持すると
共に、優れた耐衝撃強度を有する人造大理石を得ること
ができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/00 C08L 33/00 63/02 63/02 67/06 67/06 Fターム(参考) 4F071 AA31 AA42 AA49 AB18 AB26 AB28 AD02 AH03 BA02 BB01 BB12 BC03 4J002 BG001 CD051 CF211 DE146 DJ016 DL006 EK057 FA086 FD016 FD147 GL02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂と充填材とを含有する樹脂
    組成物を調製し、この樹脂組成物を成形硬化させること
    によって人造大理石を製造するにあたって、樹脂組成物
    中に充填材として平均粒径1μm以下の析出型シリカを
    配合することを特徴とする人造大理石の製造方法。
  2. 【請求項2】 平均粒径1μm以下の析出型シリカの配
    合量を、樹脂組成物中の、平均粒径1μm以下の析出型
    シリカを除く充填材全量の1〜30質量%とすることを
    特徴とする請求項1に記載の人造大理石の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂として、ビニルエステル樹
    脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂のうちの、少なく
    とも一種のものを用いることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の人造大理石の製造方法。
  4. 【請求項4】 平均粒径1μm以下の析出型シリカ以外
    の充填材として、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラス
    パウダーのうちの少なくとも一種のものを用いることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の人造大理
    石の製造方法。
  5. 【請求項5】 平均粒径1μm以下の析出型シリカ以外
    の充填材の平均粒径を、5〜50μmの範囲とすること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の人造大
    理石の製造方法。
JP2001019222A 2001-01-26 2001-01-26 人造大理石の製造方法 Withdrawn JP2002220478A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001019222A JP2002220478A (ja) 2001-01-26 2001-01-26 人造大理石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001019222A JP2002220478A (ja) 2001-01-26 2001-01-26 人造大理石の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002220478A true JP2002220478A (ja) 2002-08-09

Family

ID=18885138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001019222A Withdrawn JP2002220478A (ja) 2001-01-26 2001-01-26 人造大理石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002220478A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3139685B2 (ja) アクリル樹脂プリミックスおよびアクリル人工大理石の製造方法
JP2002285006A (ja) 人造大理石製造用の樹脂組成物
JP2002220478A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2002284559A (ja) 人造大理石
JP3724313B2 (ja) 人造大理石の製造方法
JP2002321231A (ja) 人造大理石の製造方法
JP3640163B2 (ja) 人造大理石の製造方法
JP2003266449A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2001233648A (ja) 人造大理石の製造方法
JP3700647B2 (ja) 人造大理石の製造方法
JP3565130B2 (ja) 人造大理石の製造方法
JP2001233650A (ja) 人造大理石の製造方法
JPS6157644A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2001270753A (ja) 人造大理石の製造方法
JP3648591B2 (ja) 人造大理石製造用樹脂組成物
JP2002348155A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2002104859A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2002103343A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2002104858A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2000026149A (ja) 人造大理石用樹脂組成物
JP4960573B2 (ja) 人造大理石用の樹脂組成物
JP2001064062A (ja) 人造大理石の組成物
JP2006062904A (ja) 人造大理石用の樹脂組成物
JP2002127158A (ja) 人造大理石の製造方法
JP4218613B2 (ja) 人造大理石用の樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401