JPH0717483U - 作業台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】テーブル高さを製品に合わせて自在に調整でき
る調整機構を、その操作や目視をしやすい位置に設置す
る。 【構成】テーブル４とベース２間にＸ型リンク機構３を
有した作業台１において、外リンク６下方に架設した連
結板１５の中央部には圧縮スプリング１９の下バネ受け
２１がピン１６によって回動可能に軸支され、圧縮スプ
リング１９上方の内リンク５にはガイド板１７が架設さ
れており、その後壁には調整ネジ２７が螺着されてい
る。又圧縮スプリング１９の上バネ受け２３には両端に
ガイドローラ２６を有したヘッドピンが調整ネジ２７に
連結されている。従って調整ネジ２７を締め付けると矢
印Ｂ方向へ、緩めると矢印Ａ方向へ上バネ受け２３と共
に圧縮スプリング１９の上端をネジ送りできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、Ｘ型リンク機構によりベースへ水平支持されるテーブルを有した作 業台に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

上記作業台にあっては実開平４−１３４６５号に開示の如く、車輪を有した移 動台車のベースより下方位置で枢支したスプリングの上端部を、一方のリンクに 固着した上バネ受けに並設した複数のピン孔に軸支させることで、スプリングの 取付位置を変更可能とし、作業台を用いる製品の重量に応じてテーブルの高さを 調整しようとするものが、又実開昭５６−１７１３７５号に開示の如く、台車に 枢支される側の主リンクに、同主リンクに沿ってスライド可能な横軸を設け、該 横軸と台車におけるベースの下方位置との間に補助リンク（ばね係止リンク）を 軸着すると共に前記横軸と主リンクの下方位置との間にはスプリングを設け、テ ーブルをスプリングで支持すると共に、前記補助リンクの下端位置を変更可能と する調整機構を設けて、スプリングの付勢力を調整させようとする考案が夫々知 られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の作業台において前者のものは、上バネ受けに設けたピン孔との取付 位置が間欠的に変化する構造であるから、バネの反発力の微調整ができず、取り 扱う製品や荷物の重量に全て適応したテーブル高さに設定できるとは限らない。 又バネは前記ピン孔とピンとの係止による取付構造であるから、取付位置の変更 のためにピンを抜くとバネが効かなくなってテーブルが落下し大変危険である。 次に後者のものは、調整機構が台車の下部に設けられているから操作しにくい上 、調整位置の確認もしにくく、又バネ力がダイレクトにＸリンクに作用しない構 造であるから、補助リンクやバネが係止する横軸等に不具合が生じるとテーブル の支持力が失われてしまう。 更に両者とも夫々ベース下にバネやバネ受け等を突出させる構造であるため、 キャスターや足部材を設けてベースを地面から持ち上げる必要が生じ、そのため に製作コストが余計に掛かる上、路面に凹凸があると台車の移動時には前記突出 部分が当り、作業台が損傷してしまう虞れも生じる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、簡単な構造で、バネ力の微調整が効くのは勿論製品載置中で あってもその変更は可能で、操作性や信頼性も良好な調整機構を有した作業台を 提供するもので、その構成は、ベースとテーブルとを左右一対のＸ型リンク機構 で連結し、圧縮スプリングを介して前記テーブルをリフトアップせしめ、テーブ ル上の載置荷重に応じて圧縮スプリングが圧縮されてテーブル上の載置物を一定 高さに支持可能とした作業台において、前記圧縮スプリングを、Ｘ型リンク機構 を構成する一方のリンクの上下何れかの一端部と、そのリンクと交差する他方の リンクにおける交叉位置より他端部側との間に配置すると共に、圧縮スプリング の一端を前記一方のリンクに枢着し、他端を他方のリンクの長手方向に沿ってネ ジ送り可能に取着された移動部材へ枢着したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

圧縮スプリングの他端が枢着される移動部材を圧縮スプリングの角度が大きく なる方向へネジ送りすると、Ｘ型リンク機構を支持する反発力が大きくなる。逆 に移動部材を圧縮スプリングの角度が小さくなる方向へネジ送りすると、同反発 力が小さくなる。よってテーブル上への載置物の重量や大きさに合わせて圧縮ス プリングの反発力を任意に調整でき、一定のテーブル高さを維持することができ る。又移動部材のネジ送りをリンク側へ設けたことにより、ベース下への突出部 が無くなって構造を簡略化できる。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。 図１、２において、作業台１はベース２、Ｘ型リンク機構３、テーブル４から なり、Ｘ型リンク機構３は一対の内リンク５、５に同じく一対の外リンク６、６ を夫々外方からクロスさせてその交点を連結軸７によって軸着されている。前記 内リンク５、５の下端は夫々ベース２の端部間に架設した側板２ａにピン８によ って枢着されると共に、上端は連結杆９を架設して両端部に夫々テーブルローラ １０、１０を取り付け、テーブル４の裏面に設けた左右一対の断面コ字状のロー ラガイド１１、１１内を摺動可能になっている。同様に外リンク６、６において は上端が夫々テーブル４の端部（ローラガイド１１、１１の端部）にピン１２、 １２によって枢着されると共に、下端には夫々ベースローラ１３、１３を突設さ せてベース２に設けた同じく左右一対の断面コ字状のローラガイド１４、１４内 を摺動可能になっている。 前記Ｘ型リンク機構３において、外リンク６、６間の下方には連結板１５を架 設し、連結板１５の中央部にはピン受板１５ａ、１５ａが突設され、更に該ピン 受板１５ａ、１５ａには、圧縮スプリング１９の下バネ受け２１の下方へ一体に 突設した軸着部２２、２２がピン１６によって回動可能に軸支されている。又図 ３にネジ送り機構２０の詳細を示す。同図において圧縮スプリング１９上方の内 リンク５、５間にはガイド板１７が、連結軸７よりやや上方位置で内リンク５に 沿って架設されており、ガイド板１７の後壁１７ａにはネジ孔１８ａを有した円 柱状の螺合部１８が突設されている。又圧縮スプリング１９の上バネ受け２３に は軸着部２４、２４が一体に突設され、軸着部２４、２４にはヘッドピン２５が 貫通して両端にガイドローラ２６、２６を螺着している。一方圧縮スプリング１ ９は、前記下バネ受け２１と、中央部で下バネ受け２１の筒部２１ａに嵌合する やや大径の筒部２３ａを有した上バネ受け２３との間にあって前記両筒部２１ａ 、２３ａに巻装し、そのバネ力によりガイドローラ２６、２６をガイド板１７内 面へ押圧している。更にガイド板１７のネジ孔１８ａには調整ネジ２７が螺着さ れ、調整ネジ２７の一端部はガイド板後壁１７ａの後方へ突出してハンドル２８ が設けられ、他端部は軸着部２４、２４間にあってヘッドピン２５に貫通される 移動部材２９の連結部２９ａへ回動自在に連結されている。従って調整ネジ２７ を締め付けると、移動部材２９、ヘッドピン２５、ガイドローラ２６、２６、上 バネ受け２３は一体に矢印Ｂ方向へ、緩めると矢印Ａ方向へ夫々ネジ送りされる ことになる。

【０００７】 以上の如く構成された作業台は、テーブル４に製品Ｔが積載されたとき、製品 Ｔの重量に応じてＸ型リンク機構３が縮まり圧縮スプリング１９が圧縮されるが 、圧縮スプリング１９の反発力によってテーブル４の下降を阻止し、釣り合う位 置でテーブル４は保持される。そして製品Ｔを積載しない状態でハンドル２８を 回転させて調整ネジ２７を締め付けると、移動部材２９、ガイドローラ２６、２ ６、ヘッドピン２５等と共に上バネ受け２３がガイド板１７内をＢ方向へスライ ドするが、下方で枢着される下バネ受け２１の位置は変化しないため、ベース２ に対する圧縮スプリング１９の角度が大きくなり、その分テーブル４を保持する 圧縮スプリング１９の反発力が強くなる。逆に調整ネジ２７を緩めると、移動部 材２９、上バネ受け２３等がガイド板１７内をＡ方向へスライドし、ベース２に 対する圧縮スプリング１９の角度が小さくなってその反発力は弱くなる。従って テーブル４に載置する製品Ｔの重量や大きさに合わせて圧縮スプリング１９の反 発力をネジ送り機構２０で上記の如く選択すれば、常に最適な高さでテーブル位 置を設定できる。又上記調整はネジ送りであるから微調整がきき、勿論製品を載 置した状態でも操作調整は可能であるから、載置物毎に適応した作業台を選択で き、調整時のテーブル落下等の危険も防止可能となる。更に上記ネジ送り機構を Ｘ型リンク機構の中央付近に設置し、スプリングはベースとテーブル間でリンク をダイレクトに押し拡げる構造としたことで、余分な構成を排除できて全体が簡 略化すると共に、荷重に対してスプリングによるテーブル上下動の応答性も良好 となる。又ネジ送り操作もしやすい上、ネジ位置の目視も容易に行える。

【０００８】 尚上記実施例において、圧縮スプリングのスライドをガイド板内を摺動するロ ーラによるものとしたが、ローラガイドに変えてクロスヘッドシューを用いても よく、又図４の如く、ガイド板１７の内リンク方向両側に側板３０を設け、該側 板３０に長孔３１を夫々設けて該長孔３１内にヘッドピン３２の両端部を夫々挿 通し、ヘッドピン３２が長孔３１内をスライドする構造としても差し支えない。 更に圧縮スプリングは上記実施例では一方のリンクの下端と他方のリンクとの交 叉点付近の間に配置するものとしたが、上記と逆に、即ち一方のリンクの上端と 他方のリンクとの交叉点付近の間に配置してもよい。 加えて圧縮スプリングはＸ型リンク機構に配置すれば偏荷重にも有効であるが 、左右何れかのＸリンクのみにネジ送り機構と共に配置したり、或は両サイドに 夫々ネジ送り機構と圧縮スプリングを配置したりしても差し支えない。又ネジ送 りの方向はガイド板の前後どちらからでも良い。

【０００９】

【考案の効果】

以上本考案によれば、圧縮スプリングの反発力を連続的に変化させることが可 能であるから、用いる製品に合わせて最適な作業台のテーブル高さを選択できる と共に、製品載置時でも反発力の調整が容易となってテーブルが落下する危険等 を解消できる。更に移動部材をＸ型リンク機構の略中央に配置し、スプリングの 反発力をダイレクトにリンクへ伝達させる構成としたから、全体の構造を簡略化 でき、荷重に対するテーブルの応答性も良くなるのに加え、調整位置も容易に確 認でき、操作性に優れた作業台を構成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】上記実施例の作業台の縦断側面図である。

【図２】上記の実施例の作業台の側面図である。

【図３】ネジ送り機構の詳細を示す説明図である。

【図４】ネジ送り機構の他の実施例を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１・・作業台、２・・ベース、３・・Ｘ型リンク機構、
４・・テーブル、５・・内リンク、６・・外リンク、７
・・連結軸、８・・ピン、９・・連結杆、１０・・テー
ブルローラ、１１・・ローラガイド、１２・・ピン、１
３・・ベースローラ、１４・・ローラガイド、１５・・
連結板、１６・・ピン、１７・・ガイド板、１８・・螺
合部、１９・・圧縮スプリング、２０・・ネジ送り機
構、２１・・下バネ受け、２２・・軸着部、２３・・上
バネ受け、２４・・軸着部、２５・・ヘッドピン、２６
・・ガイドローラ、２７・・調整ネジ、２８・・ハンド
ル、２９・・移動部材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベースとテーブルとを左右一対のＸ型リ
   ンク機構で連結し、圧縮スプリングを介して前記テーブ
   ルをリフトアップせしめ、テーブル上の載置荷重に応じ
   て圧縮スプリングが圧縮されてテーブル上の載置物を一
   定高さに支持可能とした作業台において、前記圧縮スプ
   リングを、Ｘ型リンク機構を構成する一方のリンクの上
   下何れかの一端部と、そのリンクと交差する他方のリン
   クにおける交叉位置より他端部側との間に配置すると共
   に、圧縮スプリングの一端を前記一方のリンクに枢着
   し、他端を他方のリンクの長手方向に沿ってネジ送り可
   能に取着された移動部材へ枢着したことを特徴とする作
   業台。
2. 【請求項２】 前記Ｘ型リンク機構が一方のリンクを外
   側とした左右対称に配置され、圧縮スプリングの一端
   は、外側の一対のリンク間に架設された連結軸の中央に
   枢着され、他端は、内側の一対のリンク間に架設された
   ガイド板中央に設けたネジ送り機構により内側のリンク
   長手方向に沿ってネジ送りされる移動部材に枢着したも
   のである実用新案登録請求の範囲第１項の作業台。