JPH07171951A - 柔軟性を有する印刷版の固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭いチャッキング溝を保ちながら、構造的に
簡単な部材によってバネがプレートの脚をリリースする
このとできる印刷板の固定装置を提供することを目的と
する。 【構成】 狭いチャッキング溝を有する印刷板の固定装
置において、プレートの脚５，７を押さえる板状のバネ
１９，２０が、印刷版を取り出す際に該印刷版から離脱
するように、シリンダー溝２の中に回転可能に取り付け
られたスピンドル８に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の全般的な説
明による柔軟性を有する印刷版を印刷機械の印刷シリン
ダーに固定する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】ヨ
ーロッパ特許出願 93 11 233 1.9 号に示されているプ
レート張り装置では、印刷版の脚が印刷シリンダーの隙
間に差し込まれる。これらの脚を固定するために、前記
の隙間の中に板状のバネが設置されている。これらのバ
ネは、プレートの脚を隙間の壁に押している。しかしな
がら、これらのバネは、プレートの取り出し、特に自動
的な取り出しの際に邪魔となる。

【０００３】特許出願 DE-27 44 371 号にも、シリンダ
ーの凹部に差し込まれたプレートの脚がバネによりそれ
ぞれの壁に押し付けられて固定される構成のものが示さ
れている。プレートを取り出すためにこれらのバネは、
プレートの脚から引き離すことができるようになってい
る。このため、ネップを移動させる機構は複雑になって
いる。前記機構を作動させるために、それぞれ１つのキ
ーをチャッキング溝に差し込まれなければならない。こ
のような構造上の複雑さに加えて、大きいチャッキング
溝が必要でもある。

【０００４】EP 0 534 579 A2 号には、プレートシリン
ダーのシリンダーの凹部に回転可能なスピンドルが設置
された装置が開示されている。この装置は、前記スピン
ドルがその長さに亙る溝を有しており、その溝の中に
は、複数の板状のバネが設置されている。これらの板状
のバネの片方の脚が溝の１つの壁と共に作用してプレー
トの先行端の脚を嵌め込む。プレートの後続端の脚がそ
の他の板状のバネの脚に引っかかるため、このプレート
自体も直角に曲がった部分がある。この付加的に形成さ
れた曲がった部分は、プレートを折り曲げる機械を高価
なものとし、また、より幅のあるチャッキング溝を要す
る。さらに、プレートの材料強度は小さいため、プレー
トにかかる張力によって直角に曲がった部分が広げら
れ、印刷版から離れる恐れもある。また、このチャッキ
ング装置は、スピンドルの３つの操作位置において作用
する。これを実現するため、プレートシリンダーの２つ
の異なる位置が必要である。そのため、それらの位置に
相当する制御、およびフィードバック部材を必要とす
る。

【０００５】本発明は、狭いチャッキング溝を保ちなが
ら、構造的に簡単な部材によってバネがプレートの脚を
リリースするこのとできる印刷板の固定装置を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の請
求項１に記載の特徴をこの類の装置に応用することによ
って解決される。第一と第二のバネは印刷版を確実に固
定する。スピンドルを回転させることによってプレート
の脚がリリースされ、その後印刷版を取り出すことがで
きる。プレートの取付けおよびスピンドルの操作、つま
りプレート交換の全過程を自動化することができる。ス
ピンドルを回転させるためにプレートシリンダーに要求
される位置は一箇所のみでよく、しかもこの位置にはさ
ほど高い正確さは要求されない。よって、技術的に費用
のかかる煩雑さが少なくなる。さらに、第２のバネは、
スピンドルを逆回転させる際、プレートの後続端の脚を
取り外す操作を助けるものとなる。スピンドルの回転に
伴う第２のバネの溝壁上のスライド運動によって自己掃
除効果が得られ、装置の汚れを防ぐ作用もある。加え
て、この装置は、狭いチャッキング溝を実現し、構造的
に簡単であるため、経済的に製造でき、かつプレートの
折り曲げ機械も非常に単純になる。

【０００７】他の特徴および利点は、従属項と明細書に
よって明らかになる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図１に示されている印刷シリンダー１に
は、該シリンダーの軸方向に走るシリンダー溝２が形成
されている。このシリンダー溝は２つの溝壁３，４を有
している。第一の溝壁３は、シリンダーの表面に対して
鋭角であり、このシリンダー表面と１つのエッジを形成
する。そのエッジに印刷版のプレートの先行端に形成さ
れた脚５が掛けられる。第２の溝壁４は、シリンダーの
表面と７５゜≦α≦８７゜の範囲にある角度αを形成し
ている（図５）。第２の溝壁４は、プレートの後続端の
脚７を受けとめるためのものである。シリンダー溝２の
中にスピンドル８が設置されおり、このスピンドルは、
例えば図２に示すように、シリンダーブッシュ９，１０
を通し、シリンダー溝２の端でベアリング１１，１２に
よって回転可能に支持されている。スピンドル８の両端
には、それぞれ１つのレバー１３，１４が挟んである。
各レバー１３，１４が印刷シリンダーの端面に設置され
たバネ１５（図３）によって付勢されている。レバー１
３は、図３に示す如く二重レバーとして形成され、その
一方が、スピンドル８の回転範囲を制限するストッパ１
６，１７と協働する。実施例では、ストッパ１６，１７
は、印刷シリンダーの端面にネジで止めされた偏心した
円盤として形成されている。レバー１３にはカム１８が
作用する。あるいは、場合によってはレバー１４にもカ
ムが作用する。カム１８は、図３に示すように、フレー
ムに設けられた空圧シリンダーにより駆動される。ただ
し、このシリンダーを直接前記レバーに作用するように
構成してもよい。印刷版６には、その全長にわたって第
一および第２の板状のバネ１９，２０が分布されてい
る。図示のストッパの位置では、第一のバネ１９は、プ
レートの後続端の脚７に弾性的に接触する。バネ１９，
２０は、腐食を避けるために特にステンレス鋼で作られ
ている。

【０００９】印刷版６を取り付けるためカム１８が作動
され、レバー１３をバネ１５の力に抗してストッパ１７
まで旋回させる。この位置は、図３では破線で示してあ
る。このときのスピンドル８の位置は図４に示されてい
る。この位置では、第一のバネ１９が溝壁３から引き離
されるように回転され、印刷版６のプレートの先行端の
脚５を該当する溝のエッジに引っかけることができる。
その後、カム１８の作動を停止させると、レバー１３
は、バネ１５の力で、再びストッパ１６に接触するまで
元の位置に戻される。この際、第一のバネ１９は、プレ
ートの先行端の脚５を溝壁３に押しつけることによって
固定する。次いで印刷シリンダー１が時計回りに回るこ
とによってこの印刷版６は、シリンダーに巻かれ、最後
に、プレートの後続端の脚７がシリンダー溝２内におけ
る前記第２のバネ２０と前記第２の溝壁４との間に押し
込まれる。このために特に転写シリンダー、あるいは１
つのローラーを印刷シリンダー１に接触させている。さ
らに、第２のバネ２０には、挿入を助けるため丸み２１
が形成されている。バネ２０は、その押圧力でプレート
の後続端の脚７を固定する。

【００１０】印刷版６を取り外すため、レバー１３がカ
ム１８によって図３に破線で示されている位置まで移動
される。この際、スピンドル８を回転させることによっ
て、第２のバネ２０が図６の破線で示した位置まで下に
引っ張られ、プレートの後続端の脚７を解放する。この
場合、プレートの後続端の脚７の縁が上に跳ね上がり、
カム１８の作用が停止した後にレバー１３がスピンドル
８と共に元の位置まで旋回する。この場合、溝壁４の上
に向かって外方に滑るバネ２０は、プレートの後続端の
脚７を押し出す作用をなすものとなる。次に、印刷シリ
ンダー１が右方向に回されることよって脚７が溝壁４よ
り開放される。さらに、レバー１３がもう一度ストッパ
１７まで回転されることにより、バネ１９がプレートの
先行端の脚５を解除する。これにより、印刷版６は印刷
シリンダー１から取り外される。

【００１１】以上説明した印刷版の取付けおよび取外し
は、簡単に機械化することが可能である。それにより、
プレートの自動交換も無論可能である。しかし、スピン
ドルを手で作動させることもできる。この場合、カムの
代わりにハンドレバーによるものであってもよく、その
場合は、ハンドレバーのための四角形のボックス・スパ
ナを単にスピンドル端に取り付けるだけでよい。さら
に、スピンドル８の回転運動を伴う第２のバネの第２の
溝壁４に沿った外側または内側への上方への滑り運動は
自己クリーニング作用があるという利点がある。

【００１２】図５に示す如く、プレートの後続端の脚７
の折り曲げ角度βを７５゜≦β≦８７゜の範囲に設定す
ることにより、プレートの脚をシリンダー溝に押し込む
ときの旋回半径が、該脚を９０゜に曲げた場合よりも小
さく抑えられるため、チャッキング溝の幅をより狭く構
成することができる。指定した角度の範囲は、押し込む
べきプレートの後続端の脚が、対応するエッジに接触せ
ず、プレートに永久的な変形を生じないように通過する
ことができるように確保される。そうでなければ、脚を
押しつける際に印刷版が変形し、部分的にシリンダーの
表面から離れることがある。同じことが、溝のエッジの
角度αと印刷版の折り曲げる角度βとが最初から合わな
い場合にも発生する。その場合、印刷版は、転写シリン
ダーと共に回転することによる不変荷重によってブレー
ク傾向を示す。

【００１３】上記実施例では、印刷シリンダーに印刷版
を張るためのシリンダー溝が１本のみ形成されたものと
して説明した。しかし、印刷シリンダーの周囲に複数の
溝が均等に形成され、それに該当する数の印刷版を配置
することも本発明の特許請求の範囲に含まれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】印刷板の固定装置の部分側断面図である。

【図２】印刷板の固定装置の部分正面断面図である。

【図３】図２におけるＺ方向から見た側面図である。

【図４】プレートの先行端の脚を掛止した状態を示す印
刷板の固定装置の部分側断面図ある。

【図５】プレートの後続端の脚を掛止する状態を示す印
刷板の固定装置の部分側断面図ある。

【図６】プレートの後続端のの脚を取り外す状態を示す
印刷板の固定装置の部分側断面図ある。

【符号の説明】 １ 印刷シリンダー ２ シリンダー溝 ３ 第一の溝壁 ４ 第二の溝壁 ５，７ 脚 ６ 印刷板 ８ スピンドル １９，２０ バネ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷シリンダーに該シリンダーの軸方向
   に沿って少なくとも１つのシリンダー溝が形成され、該
   溝を形成してシリンダー表面に対して鋭角となる第一の
   溝壁と前記シリンダー表面とで構成されるエッジにプレ
   ートの先行端に形成された脚が掛止され、かつ、前記シ
   リンダー表面から前記シリンダーの略半径方向に形成さ
   れた第２の溝壁にプレートの後続端に形成された脚が掛
   止され、さらに、印刷版の幅方向に沿って分布され、前
   記プレートの先行端の脚を前記第一の溝壁に、前記プレ
   ートの後続端の脚を前記第２の溝壁に押し付ける複数の
   第一および第２の板状バネを備えて成る、柔軟性を有す
   る印刷版を印刷シリンダーに取り付ける装置であって、
   前記バネ（１９、２０）が、シリンダー溝（２）の中で
   軸回りに回転できるスピンドル（８）に取り付けられ、
   該スピンドルの回転により前記バネ（１９、２０）を前
   記プレートの脚（５、７）から離脱させることができ
   る、柔軟性を有する印刷版の固定装置。
2. 【請求項２】 前記スピンドル（８）に、バネによって
   負荷されているレバー（１３、１４）が取り付けられ、
   これによってスピンドル（８）がストッパ（１６）まで
   回転できることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 前記スピンドル（８）にレバー（１３、
   １４）が取り付けられ、該レバーに、フレームに軸受け
   されたカム（１８）またはシリンダーが作用することを
   特徴とする請求項１または２に記載の装置。
4. 【請求項４】 前記第２の溝壁（４）は、印刷シリンダ
   ー（１）の表面と７５゜≦α≦８７゜の範囲にある角度
   αを囲み、印刷版（６）のプレートの後続端の脚（７）
   が前記角度αと同じ角度βで折り曲げられていることを
   特徴とする請求項１ないし３の何れかに記載の装置。