JPH07113098B2 - ラミネート加工用印刷インキ組成物及びそれを用いたラミネート加工方法及びラミネート加工物 - Google Patents

ラミネート加工用印刷インキ組成物及びそれを用いたラミネート加工方法及びラミネート加工物

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JPH07113098B2
JPH07113098B2 JP13359088A JP13359088A JPH07113098B2 JP H07113098 B2 JPH07113098 B2 JP H07113098B2 JP 13359088 A JP13359088 A JP 13359088A JP 13359088 A JP13359088 A JP 13359088A JP H07113098 B2 JPH07113098 B2 JP H07113098B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、プラスチックフィルムもしくは、シート用の
ラミネート加工用印刷インキ組成物及びそれを用いたラ
ミネート加工方法及びラミネート加工物に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、包装容器の多様化、合成樹脂製品の高機能化に伴
い、プラスチックフィルム等の装飾、あるいは表面保護
のために用いられる印刷インキにも高度な性能、品質が
要求されるようになってきている。
とりわけ、包装容器に使用される印刷インキに関して
は、包装容器の美粧化、高級化のために各種複合フィル
ムに対する幅広い接着性、更には各種後加工適性例えば
種々のラミネート加工適性、ボイル適性、レトルト適性
等への対応も必要になって来ている。
一般的に、プラスチックフィルム等の印刷にはグラビア
印刷、フレキソ印刷等の方式が用いられるが、包装材料
としてのフィルム印刷の場合には多くが巻取方式である
ため、印刷インキに速乾性が要求される。また食品用の
包装として使用する場合は、特に残留溶剤の少ないこと
が要求される。
また包装材料の高性能化のため、印刷後にドライラミネ
ート加工、エクストルージョンラミネート加工を施すこ
とが屡々ある。特に、ポリエステル(PET)やナイロン
(NY)等のフィルムはその強度や気密性が他のフィルム
に優っていることを利用し、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等でラミネート加工するが、この場合ドライラミネ
ートにはウレタン系等の接着剤を使用し、エクストルー
ジョンラミネート加工の場合にはアンカーコート剤を使
用する。さらに中間にアルミニウム箔を介在させること
もあり、ボイル、レトルト加工が可能な包装材料とする
こともある。レトルト加工までの強度は要求されない
が、透明基材をベースとした包装材分野においては、延
伸ポリプロピレン(OPP)を基材フィルムとして、アン
カーコート剤は用いずに、直接、溶融ポリプロピレンで
被覆するラミネート加工方法(通常、PPダイレクトラミ
ネートと呼ばれている)も行われている。
以上説明したような後加工を行うためにはその全段階で
用いる印刷インキに対し、種々の基材フィルムに対する
接着性、印刷適性はもとより、それぞれの後加工に対す
る適性を具備していることが要求され、しかもこのよう
な各種適性は印刷インキ等に使用するバインダー樹脂に
よって主として決定されるものである。
従来、ポリエステルフィルムに用いる印刷インキとして
は熱可塑性ポリエステル樹脂をバインダーとするものが
用いられ、ナイロンフィルム及びポリエステルフィルム
を対象としては水酸基を有するポリエステル樹脂等とイ
ソシアネート化合物との2液タイプの反応型インキが用
いられている。また最近では、ナイロン、ポリエステル
その他の基材フィルムに対して広い適性を有するものと
してポリウレタン樹脂をバインダーとした印刷インキも
使用されて来ている。
一方、PPダイレクトラミネートが施されるポリオレフィ
ンに対しては塩素化ポリプロピレンなどの比較的低塩素
化度の塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷イ
ンキが使用されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、バインダーとして熱可塑性ポリエステル
樹脂を用いたものは基材フィルムが限定されるばかり
か、乾燥性が十分でなく、ブロッキングの発生など作業
性に問題があり、2液型インキは、反応型であるためポ
ットライフが短く、作業性に種々の制約を受け、未使用
のインキの廃棄など経済的損失がある。また、ポリウレ
タン樹脂をバインダーとして用いた印刷インキ等は、ナ
イロンフィルム、ポリエステルフィルム等に対しては十
分な接着性を示すが、汎用フィルムであるポリエチレン
フィルム、ポリプロピレンフィルムに対しては未だ十分
な接着性がなく、またラミネート加工適性、特にPPダイ
レクトラミネート適性が不十分であるという問題があ
る。
一方、塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷イ
ンキ等は、塩素化度の低い範囲において、ポリオレフィ
ンフィルムに対しては良好な接着性を示すが、高い塩素
化度ではポリオレフィンフィルムに対しては接着性が劣
るものである。またナイロンフィルム、ポリエステルフ
ィルムに対しては十分な接着性がないため基材フィルム
が大幅に制限され、またPPダイレクトラミネート適性は
有するもののボイル、レトルト適性がなく、用途が制限
されるものである。
こうした問題を解決すべく、本発明者らは、ポリウレタ
ン樹脂と塩素化ポリプロピレンの混合物をバインダーと
して使用したラミネート加工用インキを提案している。
しかしながら、本来ポリウレタン樹脂と塩素化ポリウレ
タンの相溶性が悪く、特にポリオレフィンに対し、接着
性の良好な低塩素化度の塩素化ポリプロピレンを用いた
場合、経時安定性に問題が生じたり、あるいは相溶させ
るために毒性の強い芳香族炭化水素系の溶剤を多量に使
用しなければならず、また一方、ウレタン樹脂との相溶
性が比較的良好な高塩素化度の塩素化ポリプロピレンを
用いると、ポリオレフィンに対する接着性が低下すると
いう欠点を有していた。
従って、本発明は、各種基材フィルムに対する広範な接
着性、各種ラミネート加工適性更には、ボイル、レトル
ト適性を具備したラミネート加工用印刷インキ組成物を
提供することを目的とする。
また、本発明は、従来PPダイレクトラミネート用インキ
の大きな問題点であった残留溶剤を大幅に低減したPPダ
イレクトラミネート用加工用印刷インキ組成物を提供す
ることを目的とする。
また更に、本発明は、前記各ラミネート加工用印刷イン
キを使用したラミネート加工方法及びラミネート加工物
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、顔料、樹脂及び有機溶剤を必須成
分とするラミネート加工用印刷インキ組成物において該
樹脂として、分子量5,000〜200,000の範囲にあるポリウ
レタン樹脂及び、分子量5,000〜500,000、塩素化度20〜
60の範囲にあるラクトン重合体変性塩素化ポリプロピレ
ンとの混合物を主たる成分として含有するラミネート加
工用印刷インキ組成物(請求項1項)。前記変性塩素化
ポリプロピレンが分子中に少なくとも1個のラジカル反
応性二重結合を有するラクトン樹脂との反応によって得
られた塩素化ポリプロピレンであるラミネート加工用印
刷インキ組成物(請求項2項)、前記ポリウレタン樹脂
5〜95重量%、前記変性塩素化ポリプロピレン5〜95重
量%の範囲にあるラミネート加工用印刷インキ組成物
(請求項3項)、前記ポリウレタン樹脂10〜50重量%、
前記変性塩素化ポリプロピレン50〜90重量%の範囲にあ
るポリオレフィンフィルムに対する接着性を向上したラ
ミネート加工用印刷インキ組成物(請求項4項)に関す
るものがある。
また更に本発明は、前記ラミネート加工用印刷インキ組
成物を使用したラミネート加工方法、並びにラミネート
加工物に関する。
以下、本発明のそれぞれについて説明する。
本発明で使用するポリウレタン樹脂としては分子量5,00
0ないし200,000のものが使用でき、10,000ないし150,00
0のものが好ましい。分子量600未満ではブロッキングが
生じ易くなり、又ラミネート適性が不十分となる傾向が
ある。逆に200,000を超えると、顔料分散性が低下する
傾向がある。
上記ポリウレタン樹脂を得るにはポリエーテル型及び/
又はポリエステル型ジオール等の高分子ジオール化合物
(分子量400〜4,000)、有機ジイソシアネート化合物、
必要に応じ鎖伸長剤、反応停止剤等、従来より公知の各
種添加剤を用いて製造することができる。
ポリエーテル型ジオールの代表的なものとしてはポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオ
キシテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレ
ングリコール類またはビスフェノールAのエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレンオ
キサイド等のアルキレンオキサイド付加物などが例示さ
れる。
ポリエステル型ジオールの代表的なものとしては、アジ
ピン酸、無水フタール酸、イソフタール酸、マレイン
酸、フマル酸、コハク酸等の二塩基酸とエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−
ヘキサンジオール等のグリコール類との縮合反応によっ
て得られるものが挙げられる。
またはポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネート
ジオール、ポリブタンジエンジオール等もジオール成分
として挙げることができる。
有機ジイソシアネート成分の代表的なものとしては、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジイソ
シアネート、イソプロピレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、水添化キシリレンジイソシアネート、1,4−
シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート等が挙げられる。
なお、溶解性に優れた樹脂が得られるという見地からイ
ソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート等の脂環族系ジイソシアネートが
好適である。
鎖伸長剤等としてのジアミン類の代表的なものとしては
エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロホロンヘキ
シルメタンジアミン等が挙げられ、ジオール類の代表的
なものとしては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキシルグリ
コール等が挙げられる。
また、反応停止剤の代表的なものとしてはn−ブチルア
ミン、モノエタノールアミン等のモノアミン、メタノー
ル、エタノール、プロピレンアルコール等のモノアルコ
ールが使用できる。
本発明において使用するポリウレタン樹脂としては、上
記ジオール成分、ジイソシアネート成分及び必要に応じ
て使用する鎖伸長剤、反応停止剤反応比率を調整した
り、あるいは、特別な鎖伸長剤、反応停止剤を使用する
ことによって遊離の水酸基、アミノ基、イミノ基更には
アミノアルコール性水酸基等を導入したポリウレタン樹
脂を合成することができる。
上記の反応に際して使用される溶剤としては、通常、印
刷インキ等の溶剤として多用されるベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアル
コール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶剤の単独あるいは混合
溶剤が挙げられるが、残留溶剤、作業環境上の見地から
エステル系溶剤、アルコール系溶剤の単独もしくはそれ
ら溶剤を主たる成分とする混合溶剤が最適である。しか
し、食品用途以外の印刷物を得る場合で、ポリオレフィ
ンフィルムへの強力な接着性を必要な場合は、低塩素化
度の塩素化ポリプロピレンを使用することが望ましく、
この場合においては、低塩素化度の塩素化ポリプロピレ
ンとの相溶性を向上させるためにトルエンを主たる溶剤
成分とすることもできる。
一方、ラクトン重合体変性塩素化ポリプロピレンを得る
ため使用する出発材料である塩素化ポリプロピレンは、
分子量としては5,000〜500,000のものが使用でき、7,00
0〜300,000のものが好ましい。分子量が5,000未満では
ブロッキングが生じ易くなり、またラミネート適性が不
十分となる傾向がある。また、分子量が500,000を超え
ると溶解性が問題となってくる。
また、塩素化ポリプロピレンの塩素化度が20以下である
と有機溶剤に対する溶解度が低下し、逆に60以上では、
ポリオレフィンフィルムに対する密着性等が低下するか
ら、塩素化ポリプロピレンとして、塩素化度が20ないし
60のものが使用できる。特に、残留溶液の低減を考慮し
た場合で、トルエンをできるだけ含有しない混合溶剤を
使用する場合は、塩素化度35以上、より好ましくは、37
以上の塩素化ポリプロピレンを使用することがウレタン
との相溶性の面から好ましい。
また、塩素化ポリプロピレンを変性するため使用するラ
クトン重合体としては、環の中に4以上、好ましくは6
またはそれ以上の炭素原子をもつラクトン類、例えば、
ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロ
ラクトン等あるいはこれらラクトン類のアルキル基、ア
ルコキシル基等の置換基を有するものを開始剤の存在
下、開環重合せしめることによって得られ、分子中に少
なくとも1個のラジカル反応性不飽和二重結合を有する
ものが使用できる。
ラクトン重合体の分子量としては、400〜40,000のも
の、より好ましくは、2,000〜20,000のものが使用でき
る。分子量が400未満では、他の樹脂との相溶性の面で
十分でなく、逆に40,000を超えると、塩素化ポリプロピ
レンとの反応性が低下し、目的とする変性物を得ること
が難かしくなるという欠点を有する。
なお、ラクトン重合体に、ラジカル反応性の不飽和二重
結合を導入する好適な方法としては、ラクトン類の開環
重合に用いる開始剤として、3−ブテン−1−オール、
5−ヘキセン−1−オール等のアルケノール、1,4−ブ
テンジオール、ヘキセンジオール等のアルケンジオー
ル、あるいはポリブタジエングリコール等のポリオレフ
ィングリコール類を用いることによって、目的とするラ
クトン重合体を得ることができる。
前述した塩素化ポリプロピレン及びラクトン重合体を用
いて目的とする変性塩素化ポリプロピレンを得る場合
は、従来のアクリル変性もしくはマレイン酸変性の場合
と同様な方法によって反応せしめることができる。な
お、ラクトン重合体(A)と塩素化ポリプロピレン
(B)との反応比率としては、A/Bの重量比で5/95〜75/
25の範囲であることが必要である。ラクトン重合体の比
率が5%より少ないと、ポリエステル等の併用樹脂との
相溶性が十分得られず、75%を超えると塩素化ポリプロ
ピレン本来の特性が低下する。
そして本発明のラミネート加工用印刷インキを得るには
変性塩素化ポリプロピレンとポリウレタンとを重量比に
して5/95〜95/5の範囲で混合して使用することができ
る。変性塩素化ポリプロピレンの含有量が5%未満であ
ると、ポリオレフィンへの密着性が低下し、95%を超え
ると、残留溶剤が問題となる。
ここで、PPダイレクトラミネート適性を保持した形で、
広範囲なフィルムに対する接着性並びにその他のラミネ
ート適性を有する印刷インキを得ようとすれば、変性塩
素化ポリプロピレンとポリウレタン樹脂との混合比が前
者5〜75重量%、好ましくは5〜50重量%、より好まし
くは10〜30重量%に対して、後者を25〜95重量%、好ま
しくは50〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%にな
るよう混合する必要がある。変性塩素化ポリプロピレン
が75重量%以上では、ポリエステル、ナイロン等に対す
る接着性が低下し、変性塩素化ポリプロピレンの量が5
重量%以下になると、ポリオレフィンフィルム及びPPダ
イレクトラミネート適性が低下する。また、使用する変
性塩素化ポリプロピレンの塩素化度が35未満のものを使
用する場合は、使用する混合溶剤として、トルエンの使
用量を多くすることが相溶性を向上せしめる上で必要と
なる。食品包装分野の印刷で、残留溶剤が特に問題とな
る場合は、塩素化度が35より好ましくは37以上の塩素化
ポリプロピレンを使用すれば、トルエンをできるだけ少
なくした混合溶剤もしくはトルエンを使用しない溶剤を
用いることが可能となり、残留溶剤の問題を大幅に低減
することができるものである。
一方、ポリオレフィンフィルムに対する強力な接着性を
特に必要とする場合においては、変性塩素化ポリプロピ
レン50〜90重量%に対して、ポリウレタン樹脂を10〜50
重量%の範囲での混合物を使用することが望ましい。ま
た更に、変性塩素化ポリプロピレンのうちでも塩素化度
が35未満の範囲にある低塩素化度の塩素化ポリプロピレ
ンを使用する方がより効果的である。フィルムがポリオ
レフィンに限定され、用途も特定されている場合には、
ナイロン、ポリエステルへの接着性、ボイル、レトルト
適性を低下させても、ポリオレフィンに対する接着性を
向上させるよう調整することが好ましい。
この場合、使用する溶剤としても、低塩素化ポリプロピ
レンを使用したときは、ポリウレタン樹脂との相溶性の
観点から、トルエンの使用比率を高くすることが必要と
なる。
以上のようにして得られたポリウレタン樹脂及び塩素化
ポリプロピレンの混合物を使用してラミネート加工用印
刷インキ等を製造する場合には、混合物に各種の顔料及
び前記溶剤を加えて練肉、分散し、必要に応じてブロッ
キング防止剤、可塑剤等の添加剤、あるいは相溶性を有
する硝子綿、塩素化ポリエチレン、塩素化エチレン/プ
ロピレンまたはクロルスルホン化ポリオレフィン、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体またはその塩素化もしくはク
ロルスルホン化物、マレイン酸樹脂または塩ビ/酢ビ共
重合体等の樹脂を併用して製造することができる。
[実施例] 以下、実施例を用い、具体的に説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。(なお、実施例等におけ
る部とは重量部を示す。) ポリウレタン樹脂合成例1 撹拌機、ジムロート、窒素ガス導入管を付与した四つ口
フラスコに、イソホロンジイソシアネート40.0部及びア
ジピン酸と1,4−ブタンジオールから合成された分子量
2,000のポリエステルジオール200部を仕込み、窒素ガス
を導入しながら数時間反応させる。冷却後、トルエン31
6部、メチルエチルケトン(MEK)316部、イソプロピル
アルコール(IPA)158部を加えた後、イソホロンジアミ
ン95.4部を加えて鎖伸長を行い、更にモノエタノールア
ミン2.9部を加えて反応を停止せしめ、ポリウレタン樹
脂溶液(1)を得た。
ポリウレタン樹脂合成例2 合成例1と同様の装置を使用し、分子量1,000のポリカ
プロラクトンジオール200部、イソホロンジイソシアネ
ート57.7部、イソホロンジアミン5.1部、モノエタノー
ルアミン3.7部、トルエン248部、MEK248部、IPA123部を
仕込み、合成例1と同様に反応せしめてポリウレタン樹
脂溶液(2)を得た。
ポリウレタン樹脂合成例3 合成例1と同様の装置を使用し、アジピン酸と1,4−ブ
タンジオールから得られる平均分子量2,000のポリエス
テルジオールを200部、イソホロンジイソシアネート44.
4部を仕込み、窒素ガスを導入しながら数時間反応させ
る。冷却後、トルエン242部、MEK242部、IPA121部を加
える。均一に溶解し、メチルイミノビスプロピルアミン
12.3部を加え、更にジメチルアミノプロピルアミン3.1
部を加えて反応を停止し、ポリウレタン樹脂の溶液
(3)を得た。
変性塩素化ポリプロピレン合成例1 撹拌機、温度計、ジムロート、窒素ガス導入管を付した
四つ口フラスコ中に、塩素化ポリプロピレン(塩素化度
35,平均分子量60,000)の60%トルエン溶液5,000部と1,
4−ブテンジオールを開始剤として得られた平均分子量
2,000のポリカプロラクトンジオール(a)75部とトル
エン50部を仕込み、更に過酸化ベンゾイル3部を仕込
み、90℃で2時間反応させ、更に過酸化ベンゾイルを2
時間毎に1部づつ加えて4時間反応させ、目的とする変
性塩素化ポリプロピレンの樹脂溶液を得た(変性塩素化
ポリプロピレン−)。
変性塩素化ポリプロピレン合成例2 前記合成例と同様の操作を行い下記の配合組成において
変性塩素化ポリプロピレン−を得た。
実施例1 ウレタン樹脂合成例1で得たポリウレタン樹脂溶液
(1)21重量部に対して、変性塩素化ポリプロピレン
30部とトルエン12.2部からなるバインダーに対し、白色
インキでは酸化チタン30部、MEK18.5部、IPA9.3部、ま
た青色インキでは、シアニンブルー顔料10部、トルエン
20.2部、MEK26.5部、IPA13.3部を加え、常法により練肉
し、ラミネート用印刷インキを製造する(なお溶剤組成
は、トルエン/MEK/IPA=4/4/2である)。
実施例2〜3,比較例1 実施例1と同様に下記配合からなる樹脂をバインダーと
してそれぞれ30部使用し、白色インキ、青色インキを製
造する。
実施例2 ポリウレタン樹脂溶液(2) 21部 変性塩素化ポリプロピレン 9部 実施例3 ポリウレタン樹脂溶液(3) 21部 変性塩素化ポリプロピレン 9部 比較例1 ポリウレタン樹脂溶液(1) 30部 実施例4 以下の配合に従い、それぞれインキを調整する。
なお、インキ調合にあたり、十分な貯蔵安定性を得るに
必要なインキ系中の溶剤組成比(トルエン/MEK/IPA)
は、13/60/27である。
比較例2 従来のPPルーダー適性を付与せしめたインキとして下記
材料からなる印刷インキを製造する。
比較例3(70/25/5) 比較例4(13/60/27) 比較例5(4/4/2) 実施例1と同様の処方で下記の配合でインキを調整し
た。
比較例6(13/60/27) 評価試験1 実施例1,4及び比較例5,6で得たそれぞれの印刷インキに
つき、顔料分散性及びインキの安定性を評価した。顔料
分散性については、印刷物の発色性、透明性及び濃度に
つき、最も優れたものを◎、印刷に支障のない程度のも
のを○、十分でないものを△、適性のないものを×とし
た。安定性については、調製後5日経過しても分離ある
いはゲル化等を生ぜず、安定なものを○、そうでないも
のを×とした。
評価試験1の結果を表−1に示す。
表−1の結果から判るように、ポリウレタンに対して、
変性塩素化ポリプロピレンを混合したバインダーを用い
たインキは、トルエンの含有比率が少ない溶剤において
も顔料分散性並びに経時安定性に優れるものであること
が判る。
一方、変性を行っていない塩素化ポリプロピレンを用い
た場合は、トルエン比率が少ない溶剤の場合は、上記性
能において劣るものであり、多くのトルエン使用を必要
とするものであり、食品用途のインキとしては不適当で
あると言える。
評価試験2 実施例1〜4及び比較例1〜4で得たそれぞれの印刷イ
ンキにつき、各種フィルムに対する接着性、顔料分散
性、ラミネート適性、ボイル適性、レトルト適性を評価
し、その結果を表−2に示した。
なお、各評価方法は次の通りである。
1)接着性 各試験インキを用い、グラビア校正機で所定のフィルム
に印刷したものを1日放置後、印刷面にセロテープを貼
り付け、これを急速にはがしたとき、印刷皮膜の全くは
がれなかったものを◎、80%以上フィルムに残ったもの
を○、50〜80%残ったものを△、20%以下にとどまった
ものを×として表示した。
2)顔料分散性 印刷物の発色性、透明性及び濃度につき、最も優れたも
のを◎、印刷に支障のない程度のものを○、十分でない
ものを△、適性のないものを×として評価した。
3)押し出しラミネート強度 各印刷物に延伸ポリプロピレン(OPP)についてはイミ
ン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン
(NY)にはイソシアネート系のアンカーコート剤を使用
し、押し出しラミネート機によって溶融ポリエチレンを
積層し、3日後、試料を15mm幅に切断し、安田精機社製
剥離試験機にてT型剥離強度を測定した。
4)ドライラミネート強度 各印刷物にウレタン系接着剤を使用し、ドライラミネー
ト機によってCCP(無延伸ポリプロピレン)フィルムを
積層し、3日後、押し出しラミネート強度の測定と同様
の方法で剥離強度を測定した。
5)ボイル適性とレトルト適性 ラミネート加工後、印刷物を製袋し、内部に水/油の混
合物を入れ、密封後、ボイル適性については90℃/30分
間、レトルト適性については120℃/30分間加熱した後、
ラミ浮きの有無を外観から判断した。全くラミ浮きのな
いものを○、ピンホール状にラミ浮きの認められるもの
を△、全面デラミレーションが生じたものを×として評
価した。
6)PPダイレクトラミネート適性 OPP印刷物について押し出しラミネート機によって、直
接溶融ポリプロピレンを積層し、2日後、押し出しラミ
ネート強度の測定と同様の方法で剥離強度を測定した。
7)残留溶剤 各印刷物(0.2m2)を500ccのフラスコに入れ、130℃、1
0分間オーブン中で加熱して印刷物中に残存している溶
剤を気化させ、フラスコ中よりガス1ccを採取し、ガス
クロマトグラフィーで残留溶剤(PPM)を測定する。
表−2の結果から判るように、ポリウレタン樹脂と変性
塩素化ポリプロピレンとの混合樹脂をバインダーとした
本発明に係るラミネート用印刷インキは、ポリウレタン
樹脂をバインダーとした従来インキ(比較例1)のポリ
オレフィンに対する接着性不良、並びにPPルーダー適性
の十分な点、並びに後述する従来のPPルーダー用インキ
(比較例2)におけるポリエステル、ナイロンフィルム
に対する接着性及びボイル、レトルト適性の不十分なと
ころを同時に改善できるものであることがわかる。
また、更に、上記性能を具備したうえで、溶剤として、
トルエンの使用を大幅に少なくすることができるため、
食品用途における残留溶剤の問題を著しく改善できるも
のであることがわかる。
なお、本発明において使用する変性塩素化ポリプロピレ
ンを得るに際し、塩素化ポリプロピレンのトルエン溶液
を使用している関係上、溶剤中にトルエンを含有する結
果となっているが、ラクトン変性塩素化ポリプロピレン
の合成段階で、トルエンを使用しない方法を用いれば、
トルエンを完全に使用しないものも可能であると言え
る。
[発明の効果] 以上、実施例で示したとおり、本発明で得られたラミネ
ート加工用印刷インキは、特に1)ポリオレフィンフィ
ルムをはじめ、ポリエステルフィルム、ナイロンフィル
ム等広範なプラスチックフィルムに対する接着性、2)
顔料分散性、3)貯蔵安定性、4)ラミネート加工適
性、特にPPダイレクトラミネート加工適性、5)ボイ
ル、レトルト等の後加工適性などすぐれた特性を有する
一方、作業上、衛生上問題とされているトルエンの使用
を大幅に削減もしくは全くなくすことができるものであ
る。
また、本発明で混合使用するポリウレタン樹脂と変性塩
素化ポリプロピレンとの混合比もしくは塩素化ポリプロ
ピレンの塩素化度を考慮することによって、各種プラス
チックに対する接着性、ボイル、レトルト適性、残留溶
剤などの適性などを調整することができるものであり、
印刷物の用途、目的にあわせて、最も適した配合組成を
調節できるという効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加野 仁紀 大阪府大阪市北区東天満2丁目6番2号 南森町中央ビル内 サカタインクス株式会 社内 (72)発明者 井上 隆彦 大阪府大阪市北区東天満2丁目6番2号 南森町中央ビル内 サカタインクス株式会 社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料、樹脂及び有機溶剤を主成分とするラ
    ミネート加工用印刷インキ組成物において、該樹脂とし
    て、分子量5,000〜200,000の範囲にあるポリウレタン樹
    脂、及び分子量5,000〜500,000、塩素化度20〜60の範囲
    にあるラクトン重合体変性塩素化ポリプロピレンとの混
    合物を主たる成分として含有することを特徴とするラミ
    ネート加工用印刷インキ組成物。
  2. 【請求項2】前記変性塩素化ポリプロピレンが、塩素化
    ポリプロピレンと、分子中に少なくとも1個のラジカル
    反応性二重結合を有するラクトン重合体との反応によっ
    て得られた請求項1記載のラミネート加工用印刷インキ
    組成物。
  3. 【請求項3】前記ポリウレタン樹脂5〜95重量%、前記
    変性塩素化ポリプロピレン5〜95重量%の範囲の混合物
    である請求項1又は2記載のラミネート加工用印刷イン
    キ組成物。
  4. 【請求項4】前記ポリウレタン樹脂50〜80重量%、前記
    変性塩素化ポリプロピレン20〜50重量%からなる請求項
    3記載のラミネート加工用印刷インキ組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリウレタン樹脂10〜50重量%、前記
    変性塩素化ポリプロピレン50〜90重量%の範囲の混合物
    であるポリオレフィンに対する接着性の優れる請求項3
    記載のラミネート加工用印刷インキ組成物。
  6. 【請求項6】プラスチックフィルム、もしくはシートに
    対して、請求項1〜4記載のラミネート加工用印刷イン
    キ組成物を使用して、グラビアもしくはフレキソ印刷方
    式により印刷し、しかる後、溶融プラスチック、もしく
    はプラスチックフィルムをラミネートするラミネート加
    工方法。
  7. 【請求項7】ポリオレフィンフィルムもしくはシートに
    対して、請求項5のラミネート加工用印刷インキ組成物
    を使用して、グラビアもしくはフレキソ印刷方式により
    印刷し、しかる後、溶融ポリオレフィンフィルムをアン
    カーコート剤を使用しないでラミネートするラミネート
    加工方法。
  8. 【請求項8】請求項6及び7のラミネート加工方法によ
    り得たラミネート物。
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