JPH06136313A - プラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物およびその用途 - Google Patents

プラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物およびその用途

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JPH06136313A
JPH06136313A JP29036192A JP29036192A JPH06136313A JP H06136313 A JPH06136313 A JP H06136313A JP 29036192 A JP29036192 A JP 29036192A JP 29036192 A JP29036192 A JP 29036192A JP H06136313 A JPH06136313 A JP H06136313A
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JP
Japan
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resin
lactone
plastic film
ink composition
parts
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JP29036192A
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English (en)
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Takahiko Inoue
隆彦 井上
Koichi Uematsu
康一 植松
Katsumi Kosaka
勝巳 高坂
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Sakata Inx Corp
Original Assignee
Sakata Inx Corp
Sakata Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範なプラスチックフィルムに対する接着
性、ラミネート強度、耐ブロッキング性、各種耐性、ボ
イル・レトルト適性が共に優れたプラスチックフィルム
用ラミネートインキ組成物を提供すること。 【構成】 バインダー樹脂、顔料および有機溶剤から主
として構成されるプラスチックフィルム用ラミネートイ
ンキ組成物において、前記バインダー樹脂として、ポリ
ウレタン樹脂およびラクトン変性セルロース系樹脂を必
須成分として含有し、かつその含有比率が、ポリウレタ
ン樹脂100重量部に対して、ラクトン変性セルロース
系樹脂10〜50重量部の範囲であり、前記ラクトン変
性セルロース系樹脂が、セルロース系樹脂100重量部
の存在下で、環状エステル化合物50〜200重量部を
開環重合させてえられるものであることを特徴とするプ
ラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックフィルム
用ラミネートインキ組成物およびその用途に関する。よ
り詳しくは、インキのバインダーとして、特定の2種の
樹脂を併用することにより、広範な種類のプラスチック
フィルムに対する優れた接着性、ラミネート強度と、優
れた耐ブロッキング性、ボイル・レトルト適性を共に有
するプラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物、
およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、包装容器の多様化に伴い、装飾や
表面保護のために用いられる被覆剤、その中でも特にプ
ラスチックフィルム表面に塗工される各種コーティング
剤においては、被着体との充分な接着性、各種耐性、各
種適性など、さまざまな性能が要求されている。
【0003】たとえば、プラスチックフィルム用印刷イ
ンキにおいては、優れた印刷再現性、広範なフィルムに
対する接着性、印刷物を巻取るばあいに印刷面とフィル
ム裏面が接着しない耐ブロッキング性、各種耐性などの
基本性能はもとより、高品位印刷物がえられるように、
高い光沢と鮮明な発色性などを備えていることが必要で
ある。
【0004】さらに、印刷物をラミネート加工すること
によって、インキが内容物と直接触れることがなく衛生
的に優れ、また袋ごとボイル・レトルト処理できるため
に内容物の調理も簡単にできる包装袋が製造されるよう
になってきたため、印刷インキはこれらのラミネート適
性にも優れることが必要となってきた。
【0005】ここでいうラミネート加工とは、各種プラ
スチックフィルムを印刷基材として、インキで印刷した
後印刷面に接着剤を塗布し、さらにその上にプラスチッ
クフィルムを貼合するドライラミネート加工法、または
印刷面に必要に応じてアンカーコート剤を塗布し、さら
に溶融プラスチックをフィルム状に積層する押出しラミ
ネート加工法などにより、複数のプラスチックフィルム
を積層する加工である。
【0006】したがって、ラミネート加工が施される印
刷物では、使用する印刷インキが印刷基材と良好に接着
することはもとより、積層されるフィルムとの接着性に
も優れていなければならない。また、ラミネート加工の
後、ボイル・レトルト処理に付されるばあいは、ボイル
・レトルト処理の間における積層物の層間剥離を防止す
るために、耐熱性、耐熱水性、耐油性を有するインキで
なければならない。
【0007】これらのインキ性能は、主にバインダー樹
脂の性能に依存することから、ラミネート用インキのバ
インダー樹脂としては、広範な種類のプラスチックフィ
ルムに対して接着性を有し、ラミネート強度の高いポリ
ウレタン樹脂がよく使用されてきた。
【0008】しかし、ポリウレタン樹脂をバインダー樹
脂として使用しても、すべての性能に満足できるインキ
をうることは困難である。特に、このタイプのインキで
は、耐ブロッキング性が低くなり、また耐油性が低いこ
とからボイル・レトルト適性も充分でないなどの問題が
あった。
【0009】そこでこれらの問題を解決するために、ポ
リウレタン樹脂と相溶し、耐ブロッキング性、耐油性が
良好なセルロース系樹脂がしばしば併用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのセル
ロース系樹脂の併用量が多くなるほど、プラスチックフ
ィルムに対する接着性が低下し、またラミネート強度も
弱くなる。したがって、ポリウレタン樹脂系のインキに
セルロース系樹脂を併用して耐ブロッキング性、耐油性
を向上させても、接着性、ラミネート強度が低下し、や
はり全ての性能に優れた印刷インキを製造することは困
難である。
【0011】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、各種プラスチックフィルムに対して充分な接着性お
よびラミネート強度を有し、かつ耐ブロッキング性、ボ
イル・レトルト適性に優れた印刷インキを開発すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、バイ
ンダー樹脂、顔料および有機溶剤から主として構成され
るプラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物にお
いて、前記バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂お
よびラクトン変性セルロース系樹脂を必須成分として含
有し、かつその含有比率が、ポリウレタン樹脂100重
量部に対して、ラクトン変性セルロース系樹脂10〜5
0重量部の範囲であり、前記ラクトン変性セルロース系
樹脂が、セルロース系樹脂100重量部の存在下で、環
状エステル化合物50〜200重量部を開環重合させて
えられるものであることを特徴とするプラスチックフィ
ルム用ラミネートインキ組成物、それを用いた印刷物の
ラミネート加工方法およびそれによりえられたラミネー
ト物に関するものである。
【0013】
【作用および実施例】以下、本発明についてより詳しく
説明する。
【0014】まず、本発明のラミネートインキ組成物の
バインダー樹脂として使用するポリウレタン樹脂として
は、有機ジイソシアネート化合物と高分子ジオール化合
物とを反応させた後、鎖伸長剤で鎖伸長し、必要に応じ
て反応停止剤で反応停止してえられるポリウレタン樹脂
が使用できる。
【0015】有機ジイソシアネート化合物としては、芳
香族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート
化合物、脂肪族ジイソシアネート化合物、および芳香脂
肪族ジイソシアネート化合物のいずれも使用できる。
【0016】ここで、芳香族ジイソシアネート化合物と
しては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなど
が、脂環族ジイソシアネート化合物としては、1,4−
シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどが、脂肪族ジイソシアネート化合物として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−ま
たは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネートなどが、また芳香脂肪
族ジイソシアネート化合物としては、α,α,α´、α
´−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどがあ
げられる。これらの有機ジイソシアネート化合物は単独
または混合して使用できるが、溶解性、インキの流動性
の面から、脂環族、脂肪族または芳香脂肪族のものが好
ましい。
【0017】つぎに、高分子ジオール化合物としては、
ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化
合物のほか、各種高分子ジオール化合物が使用できる。
【0018】ここで、ポリエーテルジオール化合物とし
ては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリ
アルキレングリコール類、ビスフェノールAのエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンプロピレ
ンオキサイドなどのアルキレンオキサイド付加物などを
あげることができる。
【0019】また、ポリエステルジオール化合物として
は、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水フタ
ル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク
酸、グルタル酸などの二塩基酸と、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオールなどのグリコール類とを縮合反応させてえ
られるもの、およびポリカプロラクトンジオールなどを
あげることができる。
【0020】さらに、その他の高分子ジオール化合物と
して、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンジオ
ールなどをあげることができる。
【0021】これらの高分子ジオールは数平均分子量3
×102 〜6×103 のものが好ましく、単独または混
合して使用することができる。えられるラミネートイン
キのラミネート強度、ボイル・レトルト適性の面から、
ポリエステルジオール化合物がより好適に使用できる。
【0022】前記高分子ジオール化合物と有機イソシア
ネート化合物とは、高分子ジオールの水酸基に対する、
有機ジイソシアネートのイソシアネート基の当量比が、
1.3〜3.0、より好ましくは1.5〜2.0の範囲
で使用できる。当量比が1.3未満になると顔料分散
性、耐ブロッキング性が低下し、一方3.0を超えると
ポリエステルフィルム、ナイロンフィルムに対する接着
性が低下する。
【0023】つぎに、鎖伸長剤としては、ジオール化合
物あるいはジアミン化合物が利用できる。
【0024】ここで、ジオール化合物としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどをあげ
ることができる。
【0025】またジアミン化合物として、エチレンジア
ミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
α,α,α´,α´−テトラメチルキシリレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジア
ミンなどをあげることができる。
【0026】さらに、分子量の調整などのため、必要に
応じて使用する反応停止剤としては、n−ブチルアミ
ン、モノエタノールアミンなどのモノアミン、メタノー
ル、エタノール、プロパノールなどのモノアルコールな
どをあげることができる。
【0027】以上の各材料よりポリウレタン樹脂を製造
する方法としては、前記有機ジイソシアネート化合物と
高分子ジオール化合物とを反応させて遊離のイソシアネ
ート基を有するウレタンプレポリマーを合成した後、鎖
伸長剤を反応させて鎖伸長し、必要に応じて反応停止剤
を反応させてうる方法、あるいは高分子ジオール化合
物、有機ジイソシアネート化合物、必要に応じて鎖伸長
剤および反応停止剤を同時に反応させる方法のどちらで
もよい。ポリウレタン樹脂を製造する際の反応条件など
については、従来公知の条件が適用できる。
【0028】本発明で使用するポリウレタン樹脂の数平
均分子量としては、1×104 ないし1.5×105
より好ましくは3×104 ないし10×104 が適当で
ある。ポリウレタン樹脂の平均分子量が1×104 未満
になると、えられる印刷インキの耐ブロッキング性が低
下し、またラミネート強度も不充分となる。一方、平均
分子量が1.5×105 を超えると、顔料分散性が低下
して好ましくない。
【0029】つぎに、本発明で使用するラクトン変性セ
ルロース系樹脂としては、分子中に残存水酸基を有する
セルロース系樹脂の存在下で、環状エステル化合物を開
環重合させてえられるラクトン変性セルロース系樹脂が
使用できる。
【0030】まず、セルロース系樹脂としては、セルロ
ースアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセ
テートフタレート、硝酸セルロースなどのセルロースエ
ステル類、あるいはメチルセルロース、エチルセルロー
ス、ベンジルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチル
プロピルセルロースなどのセルロースエーテル類があげ
られ、単独または混合して使用できる。その中でも、ポ
リウレタン樹脂との相溶性などの面からセルロースアセ
テートプロピオネートが好適に使用できる。これらセル
ロース系樹脂としては平均置換度が30〜85%程度の
ものが好ましい。
【0031】また、環状エステル化合物としては、好ま
しくは4員環ないし7員環のラクトン類であり、これら
はアルキル基あるいはアルコキシル基などの置換基を有
するものであってもよい。具体的には、β−プロピオラ
クトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、δ
−バレロラクトン、β−エチル−δ−バレロラクトン、
ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクト
ン、β−メチル−ε−カプロラクトン、γ−メチル−ε
−カプロラクトン、β,γ−ジメチル−ε−カプロラク
トン、3,3,5−トリメチル−ε−カプロラクトンな
どがあげられ、これらは単独または混合して使用でき
る。
【0032】本発明で使用するラクトン変性セルロース
系樹脂を製造するに際して、使用するセルロース系樹脂
と環状エステル化合物の使用比率は、セルロース系樹脂
100重量部に対して、環状エステル化合物50ないし
200重量部である。ここで、セルロース系樹脂の使用
比率が前記範囲より低くなると、耐ブロッキング性やボ
イル・レトルト適性が低下する。一方、セルロース系樹
脂の使用比率が前記範囲より高くなると、接着性やラミ
ネート強度が低下する。
【0033】なお、環状エステル化合物の開環重合は、
反応促進のため触媒の存在下で行うことが必要である
が、触媒としては通常環状エステルの開環反応で使用さ
れるものを使用することができる。
【0034】具体的には、ナトリウムやカリウムなどの
アルカリ金属およびそのアルキルまたはアルコキシ誘導
体、ピリジンなどの三級アミン、トリエチルアルミニウ
ムなどのアルキルアルミニウムおよびその誘導体、テト
ラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどの
アルコキシチタン化合物、オクチル酸スズ、ジブチルス
ズオキサイド、ジブチルスズラウレートなどの有機スズ
化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズなどのハロゲン化
第一スズなどがあげられ、1.0〜1000ppmの濃
度の範囲で使用できる。
【0035】前記のセルロース系樹脂、環状エステル化
合物および触媒を使用して、ラクトン変性セルロース系
樹脂を製造するには、従来公知の方法で、100〜23
0℃の範囲の温度で加熱することにより製造することが
できる。また、反応時間は、セルロース系樹脂と環状エ
ステルの種類および反応比率、触媒の種類と濃度、反応
温度などによって異なるが、通常0.1ないし10時間
が好ましい。
【0036】本発明のラミネートインキ組成物におけ
る、前記ポリウレタン樹脂とラクトン変性セルロース系
樹脂を併用してなるバインダー樹脂は、インキ組成物中
5ないし30重量%の範囲で使用できるが、ポリウレタ
ン樹脂とラクトン変性セルロース系樹脂の使用比率は、
ポリウレタン樹脂100重量部に対して、ラクトン変性
セルロース系樹脂10〜50重量部の範囲である。ここ
で、ポリウレタン樹脂の使用比率が前記範囲より小さく
なると、えられる印刷インキのプラスチックフィルムに
対する接着性、ラミネート強度が低下して好ましくな
い。一方、ポリウレタン樹脂の使用比率が前記範囲より
大きくなると、えられるインキの耐ブロッキング性、ボ
イル・レトルト適性が低下して好ましくない。
【0037】さらに、本発明のラミネートインキ組成物
では、本発明の効果を低下させない範囲で、インキの再
溶解性、各種耐性の向上を目的として、アクリル系、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、石油樹脂、塩素化オレ
フィン系、アルキッド系などの各種併用可能な樹脂を併
用することができる。
【0038】つぎに、本発明で使用する顔料としては、
一般に印刷インキで使用できる各種無機、有機の着色顔
料あるいは体質顔料が、インキ中に1〜50重量%の範
囲で使用できる。
【0039】また、本発明で使用する有機溶剤として
は、通常のプラスチックフィルム用印刷インキで使用さ
れるものが利用でき、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール
系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン系溶剤の単独あるいは混合溶剤
があげられる。
【0040】以上のポリウレタン樹脂、ラクトン変性セ
ルロース系樹脂、顔料および有機溶剤を使用して本発明
のプラスチックフィルム用ラミネートインキを製造する
には、ポリウレタン樹脂の単独、あるいはラクトン変性
セルロース系樹脂との混合物に顔料を加えて、従来公知
の顔料分散装置を使用して分散した後、さらに所定量の
ポリウレタン樹脂、ラクトン変性セルロース系樹脂、有
機溶剤、必要に応じて可塑剤、静電気防止剤、レベリン
グ剤などの各種添加剤を添加して製造することができ
る。
【0041】本発明のラミネートインキは、グラビアも
しくはフレキソ印刷方式により、未処理または表面処理
されたポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、セロ
ファンなどのプラスチックフィルムに印刷することがで
きる。
【0042】さらに、これらの印刷物のラミネート加工
法としては、印刷面に接着剤を塗工した後、さらにプラ
スチックフィルムを積層させるドライラミネート加工
法、あるいは印刷面に必要に応じてアンカーコート剤を
塗工した後、溶融状態のポリマーを積層させる押出しラ
ミネート加工法があり、既知の装置を使用して加工する
ことができる。
【0043】ドライラミネートに用いるプラスチックフ
ィルムとしては、たとえばポリエチレンフィルム、無延
伸ポリプロピレンフィルムなどがあげられ、とくにレト
ルト用途で使用されるラミネート加工物では、基材と貼
合されるプラチックフィルムの間にアルミ箔をはさんで
ラミネートすることもできる。接着剤としてはラミネー
トする材料の種類に応じて適宜選択使用すればよいが、
たとえばウレタン系、ポリイソシアネート系などのもの
があげられる。押出しラミネートに用いるポリマーとし
ては低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリプロピレンなどがあげられ、さらに溶融樹脂を
中間層として、他の材料とサンドイッチ状に積層するこ
ともできる。また、アンカーコート剤としては、チタン
系、ウレタン系、イミン系、ポリブタジエン系などのも
のがあげられる。
【0044】このようにしてえられたラミネート物は、
スナック菓子やラーメンなどのドライ食品から、ボイル
・レトルト食品用の包装袋として、幅広く使用できる。
【0045】以下、本発明を実施例をあげて具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、実施例などにおける部および%は特に限定がない限
り、重量部および重量%を表わす。
【0046】<合成例> ポリウレタン樹脂ワニス 撹拌機、温度計、還流冷却管、チッ素ガス導入管を備え
た四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)44.4部、数平均分子量2000のポリカプ
ロラクトンジオール200部、ジブチルスズラウレート
0.01部を仕込み、チッ素ガスを導入しながら、90
〜100℃で6時間反応させた後、冷却し、トルエン1
60部、メチルエチルケトン160部、イソプロピルア
ルコール80部、イソホロンジアミン13.6部を加
え、さらにモノブチルアミン2.9部を加えて反応を停
止し、固形分40%のポリウレタン樹脂ワニスをえた。
【0047】ラクトン変性セルロース系樹脂No.1 撹拌機、温度計、還流冷却管、チッ素ガス導入管を備え
た四つ口フラスコに、平均置換度70〜80%のセルロ
ースアセテートプロピオネート(CAP、イーストマン
コダック社製、482−05)100部とトルエン30
0部を加え、3時間共沸乾燥した。その後トルエンを留
去し、ε−カプロラクトン50部を加え、180℃に加
熱してセルロースアセテートプロピオネートを均一に溶
解させた。つぎにテトラブチルチタネート0.12部を
ε−カプロラクトン16部に分散させたものを、反応液
を激しく撹拌しながら滴下し、180℃に加熱し、2時
間反応させて、ラクトン変性セルロース系樹脂No.1
をえた。
【0048】ラクトン変性セルロース系樹脂No.2 ε−カプロラクトンの量50部を100部に変えた以外
は、ラクトン変性セルロース系樹脂No.1の合成と同
様の操作でラクトン変性セルロース系樹脂No.2をえ
た。
【0049】ラクトン変性セルロース系樹脂No.3 ε−カプロラクトンの量50部を150部に変えた以外
は、ラクトン変性セルロース系樹脂No.1の合成と同
様の操作でラクトン変性セルロース系樹脂No.3をえ
た。
【0050】ラクトン変性セルロース系樹脂No.4 ε−カプロラクトンをδ−バレロラクトンに変えた以外
は、ラクトン変性セルロース系樹脂No.1の合成と同
様の操作でラクトン変性セルロース系樹脂No.4をえ
た。
【0051】ラクトン変性セルロース系樹脂No.5 ε−カプロラクトンの量50部を30部に変えた以外
は、ラクトン変性セルロース系樹脂No.1の合成と同
様の操作でラクトン変性セルロース系樹脂No.5をえ
た。
【0052】ラクトン変性セルロース系樹脂No.6 ε−カプロラクトンの量50部を250部に変えた以外
は、ラクトン変性セルロース系樹脂No.1の合成と同
様の操作でラクトン変性セルロース系樹脂No.6をえ
た。
【0053】実施例1〜6および比較例1〜6 表1の配合にしたがってえられた混合物をレッドデビル
型分散機で30分間分散し、実施例1〜6および比較例
1〜6のプラスチックフィルム用ラミネートインキ組成
物を製造した。
【0054】ここで、酸化チタンとしてはタイピュアー
R−902(デュポン社製)を使用した。また混合溶
剤としてはトルエン/メチルエチルケトン/イソプロパ
ノール(2:2:1重量比)を用いた。
【0055】評価試験方法および評価結果 実施例1〜6および比較例1〜6でえたそれぞれのプラ
スチックフィルム用ラミネートインキ組成物について、
接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、ボイル適
性、レトルト適性の評価を行い、その評価結果を表2に
示した。
【0056】評価方法および評価基準 1)接着性 各試験インキを用い、グラビア校正機で厚さ30μmの
二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、厚さ12μmのポ
リエチレンテレフタレート(PET)、厚さ15μmの
ナイロン(NY)の各フィルムに印刷後、印刷面にセロ
ハンテープを貼りつけて急速にはがしたときの、インキ
皮膜の剥離状態から接着性を評価した。
【0057】A:インキ皮膜が、フィルム表面から全く
剥離しないもの B:インキ皮膜が80%以上フィルム面に残ったもの C:インキ皮膜が50%以上、80%未満でフィルム面
に残ったもの D:インキ皮膜が50%未満でフィルム面に残ったもの 2)耐ブロッキング性 各試験インキを用い、グラビア校正機でOPPフィルム
に印刷後、印刷面にOPPフィルムを重ね合わせ、バイ
スにはさんで40℃の雰囲気温度で1日放置した。OP
Pフィルムを印刷面から剥離したときの状態から、耐ブ
ロッキング性を評価した。
【0058】A:抵抗なく剥離できる B:抵抗はあるが、インキ皮膜がフィルムに付着せずに
剥離する C:抵抗があり、インキ皮膜がフィルムに付着して剥離
する 3)押出しラミネート強度 各試験インキを用い、グラビア校正機でOPP、PE
T、ナイロンの各フィルムに印刷後、OPPフィルムに
ついてはイミン系、PET、ナイロンフィルムについて
はイソシアネート系のアンカーコート剤を使用し、押出
しラミネート機によって溶融ポリエチレンを30μmの
厚さに積層し、3日後試料を15mm幅に切断し、安田
精機(株)製剥離試験機を用いてT型剥離強度を測定し
た。なお、剥離強度は、単位g/15mmの実測値を記
載した。
【0059】4)ドライラミネート強度 各試験インキを用い、グラビア校正機でOPP、PE
T、ナイロンの各フィルムに印刷後、イソシアネート系
の接着剤を使用し、ドライラミネート機によって厚さ6
0μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)を積
層し、3日後試料を15mm幅に切断し、安田精機
(株)製剥離試験機を用いてT型剥離強度を測定した。
なお、剥離強度は、単位g/15mmの実測値を記載し
た。
【0060】5)ボイル適性 押出しラミネート試験の際にえられたPET、ナイロン
のラミネート物を製袋し、内部に水/サラダ油(9/1
重量比)の混合物を詰め、密封後90℃の熱水中で30
分間加熱した際の外観の変化からボイル適性を評価し
た。
【0061】A:外観が全く変わらないもの B:ピンホール状にラミ浮きのみられるもの C:全面にわたってスジ状のラミ浮きのみられるもの 6)レトルト適性 ドライラミネート試験の際にえられたPET、ナイロン
のラミネート物を製袋し、内部に水/サラダ油(9/1
重量比)の混合物を詰め、密封後120℃の加圧熱水中
で30分間加熱した際の外観の変化からレトルト適性を
評価した。
【0062】A:外観が全く変わらないもの B:ピンホール状にラミ浮きのみられるもの C:全面にわたってスジ状のラミ浮きのみられるもの
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】以上、実施例で示したとおり、本発明で
は特定のポリウレタン樹脂とラクトン変性セルロース系
樹脂をプラスチックフィルム用ラミネートインキのバイ
ンダー樹脂とすることにより、各種プラスチックフィル
ムに対する接着性、ラミネート強度、耐ブロッキング
性、各種耐性、ボイル・レトルト適性に優れたプラスチ
ックフィルム用ラミネートインキ組成物をうることがで
きる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダー樹脂、顔料および有機溶剤か
    ら主として構成されるプラスチックフィルム用ラミネー
    トインキ組成物において、前記バインダー樹脂として、
    ポリウレタン樹脂およびラクトン変性セルロース系樹脂
    を必須成分として含有し、かつその含有比率が、ポリウ
    レタン樹脂100重量部に対して、ラクトン変性セルロ
    ース系樹脂10〜50重量部の範囲であり、前記ラクト
    ン変性セルロース系樹脂が、セルロース系樹脂100重
    量部の存在下で、環状エステル化合物50〜200重量
    部を開環重合させてえられるものであることを特徴とす
    るプラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記ラクトン変性セルロース系樹脂が、
    セルロースアセテートプロピオネートの存在下で、環状
    エステル化合物を開環重合させてえられるものである請
    求項1記載のプラスチックフィルム用ラミネートインキ
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記ラクトン変性セルロース系樹脂が、
    セルロース系樹脂の存在下で、カプロラクトンおよび/
    またはバレロラクトンを開環重合させてえられるもので
    ある請求項1または2記載のプラスチックフィルム用ラ
    ミネートインキ組成物。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルム上に、請求項1、
    2または3記載のプラスチックフィルム用ラミネートイ
    ンキ組成物で印刷したのち、ドライラミネート法または
    押出しラミネート法によって、フィルム状または溶融状
    態のポリマーを積層させることを特徴とするラミネート
    加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のラミネート加工方法によ
    って加工されたラミネート物。
JP29036192A 1992-10-28 1992-10-28 プラスチックフィルム用ラミネートインキ組成物およびその用途 Pending JPH06136313A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014012753A (ja) * 2012-07-03 2014-01-23 Sakata Corp 押出ラミネート用溶剤型印刷インキ組成物
JP2014065786A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Dic Graphics Corp 軟包装用ラミネートインキ組成物
JP2022139294A (ja) * 2021-03-11 2022-09-26 東洋インキScホールディングス株式会社 有機溶剤系グラビアインキ、それを用いた印刷物及び積層体

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