JPH0710621B2 - 2色感熱記録型券紙 - Google Patents

2色感熱記録型券紙

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JPH0710621B2
JPH0710621B2 JP60071678A JP7167885A JPH0710621B2 JP H0710621 B2 JPH0710621 B2 JP H0710621B2 JP 60071678 A JP60071678 A JP 60071678A JP 7167885 A JP7167885 A JP 7167885A JP H0710621 B2 JPH0710621 B2 JP H0710621B2
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はロイコ染料と顕色剤との間の発色反応を利用し
た2色感熱記録型券紙に関するものである。
〔従来技術〕
感熱記録材料は、加熱によって発色画像を形成しうる感
熱発色層を紙などの支持体上に設けたものであって、そ
の加熱にはサーマルヘッドを備えたサーマルプリンター
などが広く用いられている。こうした従来の感熱記録材
料としては、感熱発色層中にラクトン環、ラクタム環、
スピロピラン環などを有する無色又は淡色のロイコ染料
(発色主剤)と、加熱時にこのロイコ染料と反応して発
色させる顕色剤(発色助剤)とを含有するものが色調が
鮮明であり、しかもカブリ現象が少ないため多く利用さ
れている。
ところで、感熱記録材料は加熱するだけで容易に発色画
像が得られるため図書、文書などの複写に用いられるば
かりでなく、電子計算機、ファクシミリ、テレックスな
どの各種情報並びに計測機の出力記録等の分野で活用さ
れている。近年では、電車、バス等の乗車券や入場券に
限らず、その回数券、定期券の他、映画館、劇場、駐車
場、遊園地等の入場券や、競輪、競馬等の投票券の券紙
分野への活用が進んでおり、最近の需要の拡大は著しい
ものがある。その理由として印字スピードが早く、画像
濃度、地肌白色度がよい。又、印字後の後処理がいらな
い、メンテナンスフリーであることなどがあげられる。
これらの券紙で部分的に別の色調に発色させることがで
きれば非常に有用であり、例えば、電車等の乗車券で小
人料金の場合「小」の字が通常印字されるが、これが赤
等で発色すれば非常に便利である。しかしながら、従来
多色熱記録の方法は種々提案されてきてはいるものの、
十分に要求を満足するものはなく、実用化されているも
のもほとんどみられないのが現状である。
多色発色感熱記録紙は、一般に支持体上に、異なった発
色熱エネルギーで異なった色調に発色する2種の高温及
び低温発色層を重ねて形成したものであって、大別する
と以下の2種類に分けられる。その1つは、高温発色層
を発色させる場合に低温発色層の色調と混色して低温発
色層の発色色調とは異なる色調を得るものであり、他の
1つは、高温発色層を発色させる場合に低温発色層を消
色する消色剤を用いて低温発色層の発色色調の混色のな
い高温発色層の発色色調のみを得るものである。これら
の具体例として、前者のものは、特公昭49−69号公報、
特公昭49−4342号、特公昭49−27708号公報、特開昭48
−86543号公報、特開昭49−65239号公報等に記載され、
また後者のものは、特公昭50−17865号公報、特公昭50
−17866号公報、特公昭51−29024号公報、特公昭51−87
542号公報、特公昭54−36864号公報、特公昭55−36519
号公報等にそれぞれ開示されている。
しかしながら、前者の多色発色感熱記録紙の場合には、
高温発色の際、低温発色層の色調と混色させる為に具体
的に実現しうる発色色調が赤−黒、青−黒等のように高
温発色色調が隠蔽力のある黒系に限られるという欠点が
ある。一方、後者の多色発生感熱記録紙の場合には、発
色色調の組合せは自由に選べるが、高温発色の際、低温
発色層を消色させなければならず、そのための消色剤と
して各種の材料が提供されているが、満足のいくものは
今の所見当らない。例えば、特公昭51−19992号公報に
は、アセトアミド、ステアロアミド、フタロニトリル、
m−ニトロアニリン、β−ナフチルアミン等が開示され
ているが、これらのもののうち、ステアロアミド、フタ
ロニトリルは一般に増感剤として用いられ得るものであ
り、消色作用は微々たるものである。またm−ニトロア
ニリン、β−ナフチルアミンは幾分の消色効果を示すも
のの、非常に分解性が大きく、すぐに黄変するだけでな
く、水溶性も大きいため、低温発色画像までもすぐ消色
してしまうし、皮膚刺激性等の毒性もあり、実用的な材
料とは言えない。特公昭54−36864号公報には、アミン
誘導体の第4級アンモニウム塩が提案されているが、ア
ミン誘導体の第4級アンモニウム塩は水溶性が大きく、
画像の保存安定性に劣り、実用的とは言えなく、また、
アミン誘導体の場合、ヘキサデシルアミン、トリベンジ
ルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ジオクタデシル
アミン、N,N−ジベンジルピペラジン、シクロヘキシル
ジベンジルアミン等が挙げられているが、第1級アミン
は空気中での安定性に劣り、窒素原子に対し単にアルキ
ル基、アリール基、アルアルキル基のみが置換した第2
級アミン、第3級アミンも保存性に劣り、実用的とは言
えない。特公昭51−29024号公報には、グアニジン誘導
体が開示されているが、グアニジンは水溶性が大きいの
で、フェニル、シクロヘキシル等の疎水基をつけたり、
二量化したり等して水に難溶性のものとして保存性を向
上させることが必要である。これらのものは、ある程度
の消色効果を示し、実用的に近い材料といえるが、熱分
解しやすいという欠点を有し、ガスを発生しやすく保存
性に劣るという問題を含む。
以上のような問題点から、消色剤として要求される材料
物性としては、塩基性を示すこと、水に難溶であるこ
と、融点が少くとも80℃であること、空気中又は熱に対
し安定であること、毒性が少ないこと等が挙げられる。
一方、多色感熱記録型券紙は、未だ実用化されてはいな
が、種々のものが提案されている。これら従来の多色感
熱券紙においては、第1の発色系の濃度が低く、また第
2の発色系が指紋発色したり、可塑剤による発色がみら
れるという欠点を有し、又、第1の発色系の濃度をあげ
ると、逆に第2の発色系を発色させる際、第1の発色系
の消色が不十分で混色となるという問題が生じ実用的と
は言い難いものである。
〔目的〕
従って、本発明の目的は、十分な消色効果を有し、2色
の色分離性が良く、高温発色画像に混色を生じず、かつ
経時安定性にすぐれた2色感熱記録型券紙を提供するこ
とにある。
〔構成〕
本発明によれば、支持体上にそれぞれ発色熱エネルギー
が異なり、かつ異った色調に発色する第1及び第2の感
熱発色層を発色熱エネルギーの小さい方が上層となるよ
うに重ねて形成し、前記2つの感熱発色層のうち少なく
とも上層を形成する第2,感熱発色層を塩基性ロイコ染料
と顕色剤とからなる発色系を用いて構成すると共に、前
記第2感熱発色層の発色系に対する消色剤として、
(イ)下記一般式(I)、(II)又は(IV)で表わされ
るピペラジン誘導体、(ロ)下記一般式(III)で表わ
される二価カルボン酸のジ置換アミド化合物、及び
(ハ)分子中に3個のアミド基を有する化合物の中から
選ばれる少なくとも1種を、第2感熱発色層の発色系に
消色作用し得る位置に存在させることを特徴とする2色
感熱記録型券紙が提供される。
一般式(I): (式中、R1は、アルキル基、 R2はアルアルキル基を表す。) 一般式(II): (式中、R3及びR4は、アリール基を表す。) 一般式(III): (式中、R5、R6、R7及びR8は、アルキル基、アシルアミ
ノアルキル基、シクロアルキル基、又はR5とR6、R7とR8
は互いに結合して環状構造をとってもよい。Aは、二価
の脂肪族基、二価の芳香族基を表す。) 一般式(IV): (式中、R9及びR10は、フェニル基を、Y1、Y2はアルキ
レン基を表す。) 前記R1、R5〜R8で表わされるアルキル基としては、通
常、炭素数1〜18の直鎖又は分枝鎖のものが挙げられ、
R5〜R8で表わされるシクロアルキル基としては、シクロ
ヘキシル基が挙げられ、R3、R4で表わされるアリール基
としては、フェニル基等が挙げられ、R2で表わされるア
ルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げ
られ、R5〜R8で表わされるアシルアミノアルキル基とし
ては、ベンゾイルアミノプロピル基等が挙げられる。
前記一般式(I)で表わされる化合物の具体例として
は、例えば、以下のようなものが挙げられる。
N−メチル−N′−フェニルアセチルピペラジン N−プロピル−N′−フェニルアセチルピペラジン、 N−プロピル−N′−ベンゾイルピペラジン、 N−ブチル−N′−ベンゾイルピペラジン、 N−シクロヘキシル−N′−ベンゾイルピペラジン、 N−ヘキシル−N′−ベンゾイルピペラジン、 N−ラウリル−N′−ベンゾイルピペラジン、 N−ステアリル−N′−ベンゾイルピペラジン、 前記一般式(II)で表わされる化合物の具体例として
は、例えば、以下のようなものが挙げられる。
N,N′−ビス(ベンゼンスルホニル)ピペラジン、 前記一般式(III)式中、R5、R6、R7及びR8は、前記し
たように、アルキル基、アシルアミノアルキル基、シク
ロアルキル基を表わし、R5とR6又はR7とR8は、その末端
がそれぞれ結合して環を形成することもできるが、この
場合、前記アルキル基としては、好ましくは、炭素数4
〜18の直鎖又は分枝鎖のものが用いられる。また、Aは
脂肪族基又は芳香族基であるが、脂肪族基の場合、通
常、炭素数1〜8のアルキレンであり、芳香族基の場
合、置換又は未置換のフェニレン、トリレン、キシリレ
ン等のアリーレン等である。
前記脂肪族及び芳香族二価カルボン酸のジ置換アミド化
合物の具体例としては、例えば、以下のものを示すこと
ができる。
N,N,N′,N′−テトラブチルコハク酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトラオクチルコハク酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトララウリルコハク酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトラステアリルコハク酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトラブチルアジピン酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトラオクチルアジピン酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトララウリルアジピン酸ジアミド、 N,N,N′,N′−テトラステアリルアジピン酸ジアミド、 N,N′−ジシクロヘキシル−N,N′−ジメチルコハク酸ジ
アミド、 N,N′−ジシクロヘキシル−N,N′−ジメチルグルタル酸
ジアミド、 N,N′−ジシクロヘキシル−N,N′−ジメチルアジピン酸
ジアミド、 N,N,N′,N′−テトラシクロヘキシルアジピン酸ジアミ
ド、 N,N′−ジメチル−N,N′−ジシクロヘキシルスベリン酸
ジアミド、 N,N′−ジメチル−N,N′−ジシクロヘキシルセバシン酸
ジアミド、 N,N′−ジメチル−N,N′−ジシクロヘキシルマロン酸ジ
アミド、 アジポイルジピペリジン、 N,N′−テレフタロイルビスピペリジン、 N,N′−イソフタロイルビスピペリジン、 N,N′−フタロイルビスピペリジン、 N,N′−テレフタロイルビスピロリジン、 N,N′−イソフタロイルビスピロリジン、 N,N′−フタロイルビスピロリジン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジエチルアミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジエチルアミン、 N,N′−フタロイルビス−ジエチルアミン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジプロピルアミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジプロピルアミン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジブチルアミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジブチルアミン、 N,N′−テレフタロイルビス−シクロヘキシル−メチル
アミン、 N,N′−イソフタロイルビスシクロヘキシル−メチルア
ミン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジシクロヘキシルアミン N,N′−イソフタロイルビス−ジシクロヘキシルアミ
ン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジオクチルアミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジオクチルアミン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジベンゾイルアミノエチ
ルアミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジベンゾイルアミノエチ
ルアミン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジベンゾイルアミノプロ
ピルアミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジベンゾイルアミノプロ
ピルアミン、 N,N′−テレフタロイルビス−ジアセチルアミノエチル
アミン、 N,N′−イソフタロイルビス−ジアセチルアミノエチル
アミン、 N,N′−テレフタロイルビス(N−エチル−N′−シク
ロヘキシルアミン)、 N,N′−イソフタロイルビス(N−エチル−N′−シク
ロヘキシルアミン)、 N,N′−フタロイルビス(N−エチル−N′−シクロヘ
キシルアミン)、 N,N′−テレフタロイルビス(N−プロピル−N′−シ
クロヘキシルアミン)、 N,N′−イソフタロイルビス(N−プロピル−N′−シ
クロヘキシルアミン)、 N,N′−フタロイルビス(N−プロピル−N′−シクロ
ヘキシルアミン)、 N,N′−テレフタロイルビス(N−ブチル−N′−シク
ロヘキシルアミン)、 N,N′−イソフタロイルビス(N−フチル−N′−シク
ロヘキシルアミン)、 N,N′−フタロイルビス(N−ブチル−N′−シクロヘ
キシルアミン)、 前記一般式(IV)中、Y1及びY2は、置換又は分枝鎖の炭
素数1〜18のアルキレン基である。
前記一般式(IV)で表わされる化合物の具体例として
は、例えば、以下のようなものが挙げられる。
N,N′−ビス(エンゾイルアミノエチル)ピペラジン、 N,N′−ビス(ベンゾイルアミノプロピル)ピペラゾ
ン、 N,N′−ビス(ベンゾイルアミノブチル)ピペラジン、 N−ベンゾイルアミノプロピル−N′−ベンゾイルアミ
ノブチルピペラジン、 また、前記分子中に3個のアミド基を有する化合物の具
体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
N,N′,N″−トリベンゾイル−ジエチレントリアミン、 N,N′,N″−トリベンゾイル−ジプロピルトリアミン、 N,N′,N″,−テトラベンゾイル−トリエチレンテト
ラミン、 N,N′,N″−トリピバロイル−ジエチレントリアミン、 本発明で用いる前記消色剤は、単独又は2種以上の混合
物の形て用いられ、これらのものは通常白色で、空気中
で安定な固体であり、本発明の場合、80℃以上、好まし
くは120〜250℃の範囲の融点を持つものが好ましく使用
される。
本発明で用いる前記消色剤は、高熱エネルギーで第1感
熱発色層を発色させるに際し、前記第2感熱発色層の発
色系を消色し得る位置に存在させればよく、一般には、
第2感熱発色層と愛1感熱発色層との間に中間層(消色
剤層)を設け、この中間層に含有させるか、あるいは第
1感熱発色層に含有させることができる。
本発明において、第2感熱発色層に用いる発色剤は、低
エネルギー加熱で安定な画像を形成し、高エネルギー加
熱で消色剤で速やかに消色されやすいものであればよ
く、本発明の場合、塩基性ロイコ染料が用いられる。第
1感熱発色層に用いられる発色剤は消色剤によって消色
されにくいものであればよく、従って、この第1感熱発
色層に用いられる発色剤は、ロイコ染料に限らず、従来
公知の他の感熱発色系のものも用いられる。
本発明の2色発色感熱記録材料は、地肌白色度が高く、
経時でもその白色度は維持される上、低温発色画像濃度
が高く、その画像濃度は経時でも維持される。高温発色
画像は混色のない鮮明なもので、初期及び経時でも安定
なものである。本発明の2色発色感熱記録型券紙では、
必要に応じ、消色剤層と第1感熱発色層との間、消色剤
層と第2感熱発色層との間、又は消色剤を含む第1感熱
発色層と第2感熱発色層との間に中間層、例えば熱可融
性物質や、水溶性樹脂、ラテックス樹脂及び/又は填料
等を含む層を設けてもよいし、また第2感熱発色層の上
に保護層を1層又は多層の形で設けてもよい。さらに、
本発明では、磁気記録型券紙とするために、支持体の裏
面に磁気層を設けてもよく、必要ならば磁気層の下に接
着性向上の為のアンダー層を、磁気層の上に保護層を設
けたり、印刷を行ったりしてもよい。感熱面の上に印刷
や保護層をうけてもよい。
本発明の第2感熱発色層に用いられる塩基性ロイコ染料
は、単独又は2種以上混合して適用されるが、このよう
な塩基性ロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用
されているもの、例えば、トリフェニルメタン系、フル
オラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピ
ラン系等の染料のロイコ化合物が好ましく用いられる。
このような塩基性ロイコ染料の具体例としては、例えば
以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラク
トン)、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエ
チルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロ
ルフタリド、 3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン、 3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 2−{N−(3′−トリフルオルメチルフエニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロ
ルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−(N−イソアシル−N−エチル)アミノ−7−(o
−クロロアニリノ)フルオラン、 3−(N−ヘキシル−N−メチル)アミノ−7−(o−
クロロアニリノ)フルオラン 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N
−ジベンジルアミノ)フルオラン、 ベンゾイルロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフエニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフエニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフエニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフエニル)
フタリド、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
メチルフエニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフル
オラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル) メチルアミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フエニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フエ
ニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフ
エニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フエニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p
−n−ブチルアニリノ)フルオラン、 3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−
5、6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−プロ
モフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′、5′−ベンゾフルオラン等。
本発明において、高温発色層に含有させる好ましい塩基
性ロイコ染料の具体例としては、例えば、3−ジエチル
アミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−クロルフルオラン、3−シクロヘキシ
ルアミノ−6−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ
ベンゾ〔α〕フルオラン等が挙げられる。
本発明においては、高温発色層を形成する第1感熱発色
層には、酸性ロイコ染料、例えば、下記に示す如きアシ
ル化したラクトン型又はサルトン型のロイコ染料を含有
させることができる。
前記した塩基性ロイコ染料と熱時反応して発色させうる
顕色剤としては、例えば、以下のようなものが挙げられ
る。
N,N′−ジフェニルチオ尿素、N−p−エチルフェニル
−N′−フェニルチオ尿素、N−p−ブチルフェニル−
N′−フェニルチオ尿素、N,N′−ジ−m−クロロフェ
ニルチオ尿素、N,N′−ジ−p−クロロフェニルチオ尿
素、N,N′−ジ−m−トリフルオロメチルフェニルチオ
尿素、N,N′−ジ−m−メチルフェニルチオ尿素、4,4′
−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−イソプロピ
リデンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプ
ロピリデンビス(2,6−ジブロモフエノール)、4,4′−
イソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフエノール)、
4,4′−イソプロピリデンビス(2−メチルフエノー
ル)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフ
エノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert
−ブチルフエノール)、4,4′−sec−ブチリデンジフエ
ノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフエノール、
4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフエノー
ル)、4−tert−ブチルフエノール、4−フエニルフエ
ノール、4−ヒドロキシジフエノキシド、α−ナフトー
ル、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、
メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシ
アセトフエノン、ノボラツク型フエノール樹脂、2,2′
−チオビス(4,6−ジクロロフエノール)、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロロ
グリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オク
チルカテコール、2,2′−メチレンビス(4−クロロフ
エノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t
ert−ブチルフエノール)、2,2′−ジヒドロキシジフェ
ニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ
安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p
−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香
酸−p−クロルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o
−クロルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチ
ルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、
安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒド
ロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシジフエニルス
ルホン、4−ヒドロキシ−4′−クロロジフエニルスル
ホン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)スルフイド、o
−スルホフタルイミド、5−イソプロピル−o−スルホ
フタルイミド、5−ターシャリーブチル−o−スルホフ
タルイミド、5−オクチル−o−スルホフタルイミド
等。
本発明において、第1感熱発色層における発色系は特に
制約されず、前記したようなロイコ系の他、以下に示す
ような種々のものを用いることができる。
(イ)ステアリン酸第2鉄、ミリスチレン酸第2鉄のよ
うな長鎖脂肪族鉄塩と没食子酸、サリチル酸アンモニウ
ムのようなフェノール類との組合せ。
(ロ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸などのニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウムのようなアルカリ土類金属硫化物との組合
せ、又は前記有機酸重金属塩と、S−ジフェニルカルバ
ジド、ジフェニルカルバゾンのような有機キレート剤と
の組合せ。
(ハ)銀、鉛、水銀、トリウムの硫酸塩のような重金属
硫酸塩と、Na−テトラチオネート、チオ硫酸ソーダ、チ
オ尿素のような硫黄化合物との組合せ。
(ニ)ステアリン酸第2鉄のような脂肪酸第2鉄塩と、
3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタンのような芳香
族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ホ)蓚酸銀、蓚酸水銀のような有機貴金属塩と、ポリ
ヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコールのよう
な有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。
(ヘ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀のような有機金属塩
とプロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン
のような芳香族有機環居剤との組合せ。
(ト)ベラルゴン酸第2鉄、ラウリン酸第2鉄のような
脂肪族第2鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセ
シルカルバミド誘導体との組合せ。
(チ)カブロン酸鉛、ベラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛のよ
うな有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチ
オ尿素のようなチオ尿素誘導体との組合せ。
(リ)ステアリン酸第2鉄、ステアリン酸銅のような高
級脂肪酸重金属塩とジアルキルジチオカルバン酸亜鉛と
の組合せ。
(ヌ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのような
オキサジン染料を形成するもの。
(ル)芳香族ジアゾ化合物とカップラーとの組合せ。
(ヲ)ホルマザン化合物と金属塩との組合せ。
本発明においては、各感熱発色層や、消色剤層を支持体
上に結合支持させるために、慣用の種々の結合剤を適宜
用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、デ
ンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチ
ン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、
ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン
/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリ
ル系共重合体等のラテックス等を用いることができる。
また、本発明においては、各感熱発色層や消色剤層に
は、必要に応じ、更に、この種の感熱記録材料に慣用さ
れる補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、熱可融
性物質(又は滑剤)等を併用することができる。この場
合、填料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、
酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜
鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面処理されたカ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、尿素−ホルマ
リン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチ
レン樹脂等の有機系の微粉末を挙げることができ、熱可
融性物質としては、例えば、高級脂肪酸又はそのエステ
ル、アミドもしくは金属塩の他、各種ワックス類、芳香
族カルボン酸とアミンとの縮合物、安息香酸フエニルエ
ステル、高級直鎖グリコール、3,4−エポキシ−ヘキサ
ヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケトン、その他の熱可
融性有機化合物等の50〜200℃程度の融点を持つものが
挙げられる。
本発明の2色感熱記録型券紙を得るには、紙、合成紙、
プラスチックフィルム等の支持体の一方の面に発色性染
料、顕色剤、消色剤及び結着剤等を分散又は溶解した液
を塗布乾燥し、それを繰り返すことによって得ることが
できる。塗工された上に更に積層する場合は、下層が上
層に混合しないように、溶解性や、層の剥離性等に十分
気を付ける必要がある。また、塗布乾燥後、キャレンダ
ー処理した後に上層を塗工してもよい。高温発色層の染
料付着量は、0.3g/m2〜1.0g/m2、消色剤層の消色剤付着
量は、1.0g/m2〜10g/m2であり、また低温発色層の付着
量は、濃度を高める為には多い方が好ましいが、消色効
果を高める為及びコストを安くする為には少ない方が好
ましく、通常、その染料付着量は、0.2g/m2〜0.8g/が好
ましい。染料と顕色剤の比率は1:1〜1:5の重量比が好ま
しい。保護層を設ける場合の付着量は、0.5g/m2〜5.0g/
m2が好ましい。消色剤層と低温発色層の間及び又は消色
剤層と高温発色層との間に中間層を設ける場合、前者は
0.5g/m2〜5.0g/m2が好ましく、後者は1g/m2〜10g/m2
好ましい。
〔効果〕
本発明の2色感熱記録型券紙は、前記構成であり、第2
感熱発色層の塩基性ロイコ染料と顕色剤との組合せから
なる発色系に対し、本発明で用いる消色剤はすぐれた消
色効果を示すため、地肌白色に優れると共に、低温発色
画像の濃度が高く、高温発色画像も混色のない鮮明な画
像を得ることができ、しかも得られる画像は安定性の良
好なものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。な
お、以下において示される部及び%はいずれも重量基準
である。
実施例1 〔A1液〕 3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラン 10部 ポリビニルアルコール10%水溶液 10〃 水 30〃 〔A2液〕 3−ジブチルアミル−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 10部 ポリビニルアルコール10%水溶液 10〃 水 30〃 〔B1液〕 4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン 30部 ポリビニルアルコール10%水溶液 30〃 水 90〃 〔B2液〕 3,3−ジクロロジフェニルチオ尿素 30部 ポリビニルアルコール10%水溶液 30〃 水 90〃 〔C液〕 シリカ粉末 20部 ステアリン酸亜鉛 5〃 1,4−ジベンジルオキシナフタレン 20〃 ポリビニルアルコール10%水溶液 22.5部 水 112.5〃 〔D 液〕 テレフタロイルジピペリジドとイソフタロイルジ(シク
ロヘキシルメチルアミド)との1:1混合物(消色剤) 80
部 ポリビニルアルコール10%水溶液 80〃 水 240〃 〔E 液〕 ポリビニルアルコール10%水溶液 20部 シリカ微粒子 0.5部 ステアリン酸亜鉛 0.1〃 水 10部 〔F 液〕 ポリ塩化ビニリデンラテックス(固形分50%) 10部 高濃度ポリエチレンワックス分散液(固形分25%)40〃 水 70〃 なお、以上の〔A液〕〜〔F液〕の内〔A液〕〜〔E
液〕はサイドグラインダーを用い、又〔F液〕は攪拌機
を用いて、均一に分散混合して、各分散液を調製した。
前記〔A液〕〜〔F液〕のうち、先ず、〔A1液〕:〔B1
液〕:〔C液〕を1:1:1の比で混合し、第1発色層(高
温発色層)塗液を作成した。これを、坪量70g/m2の上質
紙に発色性塗料付着量が0.5g/m2になるようにラボコー
ティングロッドで塗布、乾燥して第1発色層を得た。
次に、前記〔D液〕を乾燥着付量が4g/m2となるように
前記第1発色層上に塗布乾燥して消色剤層を得た。
次に、前記〔A2液〕、〔B2液〕及び〔C液〕を1:1:1の
比で混合し、第2発色層(低温発色層)塗液を作成し、
これを前記消色剤層上に、発色層染料付着量が0.50g/m2
となるようにラボコーティングロッドで塗布乾燥し、第
2発色層を形成した。
次に、前記〔E液〕を、前記第2発色層上に乾燥付着量
が3g/m2となるにうに塗布乾燥して保護層を形成し、表
面をキャレンダー処理した。
以上のようにして得られた2色発色の感熱記録型券紙に
ついて、試作発券機を用いて、図面に示した券紙におい
て、「小」の字以外の部分を0.9mJ/ドットの印加エネル
ギーで印字して低温発色を行い、次に、「小」の字部分
を3.0mJ/ドットの印加エネルギーで印字し、高温発色を
行ったところ、低温発色で鮮明な画像濃度1.2の黒色画
像を、高温発色で鮮明な混色のない朱赤色の画像を有す
る試刷券を得た。これらの2つの発色画像はいずれも白
色度の高い地肌部に対し、コントラストのよい彩やかな
画像であった。
また、画像部に綿実油、可塑剤を付着したり、指紋をつ
けてみたが、数日経過後も画像部及び地肌部には何ら変
化がみられなかった。また、この券紙を、塩ビケースの
定期入れに入れ1ケ月放置しても殆んど変化はみられ
ず、鮮明な2色画像を保持した。
実施例2 実施例1において、消色剤層と第2発色層との間に、前
記〔F液〕を用い、乾燥付着量2.5g/m2の中間層を形成
させた以外は実施例1と同様にして2色発色の感熱記録
型券紙を得た。この券紙について、図面に示した券紙に
おいて、「小」の字以外の部分を0.9mJ/ドットの印加エ
ネルギーで印字して低温発色を行い、次に「小」の字部
分を3.0mJ/ドットの印加エネルギーで印字して高温発色
を行ったところ、低温発色で、鮮明な画像濃度1.3の黒
色画像を得、高温発色で鮮明な混色のない朱赤色の画像
を有する試刷券がが得られた。この発色の画像は、40℃
の恒温槽に2日間放置しても安定であったり、又綿実
油、可塑剤を付着しても、経時劣化がみられなかった。
実施例3 実施例1において消色剤層と第2発色層との間、及び第
1発色層と消色剤層との間に、前記〔F液〕を用い、乾
燥付着量2.5g/m2の中間層をそれぞれ形成した以外は実
施例1と同様にして2色発色の感熱記録型券紙を得た。
この券紙について、図面に示した券紙において、「小」
の字以外の部分を1.0mJ/ドットの印加エネルギーで印字
して低温発色を行い、次に「小」の字部分3.2mJ/ドット
の印加エネルギーで印字して高温発色を行ったところ、
低温発色で鮮明な画像濃度1.3の黒色画像及び、高温発
色で鮮明な混色のない朱赤色の画像を有する試刷券が得
られた。この発色画像は、40℃の恒温槽に2日間放置し
ても安定であった。
実施例4〜5 実施例1の〔D液〕中の消色剤の代りに、テレフタロイ
ルジピペリジドとN,N′−ビス(ベンゾイルアミノプロ
ピル)ピペラジンの1:1混合物(実施例4)及びテレフ
タロイルジピペリジドとN,N′−ジシクロヘキシル−
N″−フェニルグアニジンの1:1混合物(実施例5)を
用いた以外は実施例1と同様にして、2色発色の感熱記
録型券紙を作成した。これら券紙について、図面の券紙
の「小」の字以外の部分を0.9mJ/ドット(低温発色)、
次いで「小」の字部分を3.0mJ/ドット(高温発色)の印
加エネルギーで印字したところ、いずれも低温発色で鮮
明を画像濃度の高い黒色画像及び、高温発色で鮮明な混
色のない朱赤色の画像を有する試刷券が得られた。又、
恒温槽(40℃)中に2日間放置した後も、画像の経時劣
化はみられなかった。
実施例6 実施例1の〔A1液〕中の3−ジエチルアミノ−7−クロ
ロフルオランの代りに、3−ジエチルアミノ−6,8−ジ
メチルフルオランを用いた以外は実施例1と同様にして
2色発色の感熱記録型券紙を作成した。この券紙につい
て、図面の「小」の字以外の部分を1.0mJ/ドット(低温
発色)、次いで「小」の字部分を2.8mJ/ドット(高温発
色)の印加エネルギーで印加したところ、低温発色で鮮
明で高濃度の黒色画像及び、高温発色で鮮明なオレンジ
色の画像を有する試刷券を得た。この券紙を恒温槽(40
℃)で2日間放置しても画像の経時劣化はみられなかっ
た。
実施例7 実施例1において、〔A2液〕中の2−ジブチルアミノ−
7−o−クロロアニリノフルオランに代えて、3−(N
−エチル−N−イソアミル)アミノ−7−o−クロロア
ニリノフルオランを用いた以外は実施例1と同様にして
2色発色の感熱記録型券紙を作成した。この券紙につい
て、図面の券紙の「小」の字以外の部分を0.9mJ/ドット
(低温発色)、次いで「小」の字部分を2.8mJ/ドット
(高温発色)の印加エネルギーで印加したところ、低温
発色で鮮明で高濃度の黒色画像及び高温発色で鮮明な朱
赤色の画像を有する試刷券を得た。又、恒温槽(40℃)
内に2日間放置した後も、画像の経時劣化はみられなか
った。
実施例8 実施例1の〔D液〕中の消色剤の代りに、N−メチル−
N′−フェニルアセチルピペラジンと、N,N′−ビス
(ベンゼンスルホニル)ピペラジンの1:1混合物を用い
た以外は実施例1と同様にして2色発色の感熱記録型券
紙を作成した。これら券紙について、図面の券紙の
「小」の字以外の部分を0.9mJ/ドット(低温発色)、次
いで「小」の字部分を3.0mJ/ドット(高温発色)の印加
エネルギーで印字したところ、いずれも低温発色で鮮明
な画像濃度の高い黒色画像及び、高温発色で鮮明な混色
のない朱赤色の画像を有する試刷券が得られた。又、恒
温槽(40℃)中に2日間放置した後も、画像の経時劣化
はみられなかった。
実施例9 実施例1の〔D液〕中の消色剤の代りに、テレフタロイ
ルジピヘリジドとN,N′,N″−トリベンゾイル−ジエチ
レントリアミンの1:1混合物を用いた以外は実施例1と
同様にして2色発色の感熱記録型券紙を作成した。これ
ら券紙について、図面の券紙の「小」の字以外の部分を
0.9mJ/ドット(低温発色)、次いで「小」の字部分を3.
0mJ/ドット(高温発色)の印加エネルギーで印字したと
ころ、いずれも低温発色で鮮明な画像濃度の高い黒色画
像及び、高温発色で鮮明な混色のない朱赤色の画像を有
する試刷券が得られた。又、恒温槽(40℃)中に2日間
放置した後も、画像の経時劣化はみられなかった。
実施例10 実施例1の〔D液〕中の消色剤の代りに、N,N′−イソ
フタロイルビス−ジベンゾイルアミノプロピルアミンと
N,N,N′,N′−テトラブチルコハク酸ジアミドの1:1混合
物を用いた以外は実施例1と同様にして2色発色の感熱
記録型券紙を作成した。これら券紙について、図面の券
紙の「小」の字以外の部分を0.9mJ/ドット(低温発
色)、次いで「小」の字部分を3.0mJ/ドット(高温発
色)の印加エネルギーで印字したところ、いずれも低温
発色で鮮明な画像濃度の高い黒色画像及び、高温発色で
鮮明な混色のない朱赤色の画像を有する試刷券が得られ
た。又、恒温槽(40℃)中に2日間放置した後も、画像
の経時劣化はみられなかった。
比較例1〜3 実施例1において、〔D液〕中の消色剤の代りに、オク
タデシルアミン(比較例1)、トリベンジルアミン(比
較例2)、及びN,N,N′,N′−テトラベンジルヘキサメ
チレンジアミン(比較例3)を用いた以外は実施例1と
同様にして2色発色の感熱記録型券紙を得た。これらの
感熱記録型券紙の場合、その作成段階で地肌の黄色が目
立ち、経時でも著しく黄変が増大した。また、黒発色の
濃度も低く、実用的な画像とは言えないものであった。
また、発色画像は経時で殆んど消色してしまった。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の2色感熱記録型券紙を用いて得られる
試刷券の平面図を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の上にそれぞれ発色熱エネルギーが
    異なり、かつ異った色調に発色する第1及び第2の感熱
    発色層を発色熱エネルギーの小さい方が上層となるよう
    に重ねて形成し、前記2つの感熱発色層のうち少なくと
    も上層を形成する第2感熱発色層を塩基性ロイコ染料と
    顕色剤とからなる発色系を用いて構成すると共に、前記
    第2感熱発色層の発色系に対する消色剤として、(イ)
    下記一般式(I)、(II)又は(IV)で表わされるピペ
    ラジン誘導体、(ロ)下記一般式(III)で表わされる
    二価カルボン酸のジ置換アミド化合物、及び(ハ)分子
    中に3個のアミド基を有する化合物の中から選ばれる少
    なくとも1種を、第2感熱発色層の発色系に消色作用し
    得る位置に存在させることを特徴とする2色感熱記録型
    券紙。 一般式(I): (式中、R1は、アルキル基、 R2はアルアルキル基を表す。) 一般式(II): (式中、R3及びR4は、アリール基を表す。) 一般式(III): (式中、R5、R6、R7及びR8は、アルキル基、アシルアミ
    ノアルキル基、シクロアルキル基、又はR5とR6、R7とR8
    は互いに結合して環状構造をとってもよい。Aは、二価
    の脂肪族基、二価の芳香族基を表す。) 一般式(IV): (式中、R9及びR10は、フェニル基を、Y1、Y2はアルキ
    レン基を表す。)
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