JPH0710212B2 - 保存安定性の改良された液卵 - Google Patents

保存安定性の改良された液卵

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JPH0710212B2
JPH0710212B2 JP59139547A JP13954784A JPH0710212B2 JP H0710212 B2 JPH0710212 B2 JP H0710212B2 JP 59139547 A JP59139547 A JP 59139547A JP 13954784 A JP13954784 A JP 13954784A JP H0710212 B2 JPH0710212 B2 JP H0710212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、保存安定性の改良された液卵に関する。
〔従来技術〕
従来から鶏卵がマヨネーズの製造、製菓、製パンなどに
広く用いられている。
このような分野に使用される鶏卵は、多くのばあい、運
搬や保存がしやすい、簡単に所望量の鶏卵成分、すなわ
ち卵黄、卵白あるいは全卵をえらんで使用することがで
きるなどの利点を有する液卵として使用されている。
前記のごとき利点を有する液卵の保存法としては、低温
で保存する方法が採用されており、長期間保存する必要
があるばあいには、冷凍保存法が一般に採用されてい
る。
しかしながら、液卵を長期間保存しようとして冷凍保存
すると、保存中に凍結変性をおこし、解凍しても蛋白質
がもとにもどらず、液卵の機能を利用しようとする分野
には適さない、解凍に時間がかかり、部分的に凍結した
状態と解凍した状態のところができ、細菌的汚染、腐敗
が部分的に起こるなどの問題がある。
液卵に凍結変性をおこさせないで冷凍保存する方法とし
て、塩や糖などを加えて冷凍する方法もあるが、加える
塩や糖により味がかわったりするので用途が限定され
る、充分な耐凍結変性を有していないので、解凍後の乳
化力、乳化されたものの乳化安定性などが劣る、液卵を
加えたものの粘度が上昇するというような問題や、起泡
力・起泡安定性が劣るなどの問題が生じたりする。
〔発明の概要〕
本発明者らは前記のことき実情に鑑み、液卵を冷凍変性
することなく長期間貯蔵することを目的として鋭意研究
を重ねた結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、液卵100重量部に対して、アミノ酸
エステルで修飾した蛋白質(以下、MPという)からなる
不凍剤0.03〜10重量部添加したことを特徴とする保存安
定性の改良された液卵に関する。
〔発明の実施態様〕
本発明においては、酵素を用いてまたは化学的方法によ
りアミノ酸エステルで修飾した蛋白質が不凍剤として使
用される。
該不凍剤を製造するのに用いる蛋白質としては、たとえ
ばカゼイン、ゼラチン、アルブミン、ラクトアルブミ
ン、大豆蛋白質、魚肉蛋白質などを好適に用いることが
できるが、これらに限定されるものではなく、アミノ酸
エステルで修飾して製造した不凍剤が、食品中に混入し
ても害のないものであれば使用しうる。これら蛋白質が
カゼインなどのように水に溶けにくい蛋白質であるばあ
いには、前記のように、製造した不凍剤が食品内に混入
しても害のないものとなるかぎり、水溶性を増す目的で
アシル化、シクシニル化などして用いてもよい。
前記蛋白質がアミノ酸エステルで修飾され、不凍剤とし
て使用される。
前記アミノ酸エステルを構成するアミノ酸としては、た
とえばロイシン、ノルロイシン、アラニンなどの疎水性
を有するアミノ酸が好適に用いられる。しかし、これら
に限定されるものではない。
前記アミノ酸エステルを構成するアルコールとしては、
脂肪族アルコールが好ましいが、これらに限定されるも
のではない。脂肪族アルコールのうちでは炭素数4〜16
のものがさらに好ましく、炭素数が小さくなると製造さ
れるMPの起泡力ご大きくなり、炭素数が大きくなると乳
化力が大きくなる傾向が生ずる。
本発明に用いるMPの具体例としては、たとえばサクシニ
ルカゼインロイシンドデシルエステル、ゼラチンロイシ
ンデシルエステル、ゼラチンロイシンドデシルエステル
などがあげられ、たとえば分子量が2000〜40000ダルト
ンのものがあげられる。
蛋白質をアミノ酸エステルで修飾するのに酵素を用いる
ばあいには、たとえばパパイン、ブロメライン、フィシ
ンなどで代表されるチオールプロテアーゼが好適に使用
される。
酵素を用いて蛋白質をアミノ酸エステルで修飾するばあ
いの具体例としては、渡辺ら、J.Food Sci.,45 1467〜1
469(1981)に記載されているように、蛋白質とアミノ
酸エステルとを水性溶媒中で酵素反応させる方法などが
あげられる。
前記水性溶媒としては、たとえば水−アセトン系、水−
エタノール系などろ使用し、2-メルカプトエタノール、
システィンなどのチオール保護剤を使用して行なうの
が、反応系を均一にし、酵素反応を効率的にするなどの
面から好ましい。このような方法は容易に行なうことが
できるので、MPを工業的規模で多量に生産することが可
能である。
反応条件は蛋白質の種類、酵素の種類、アミノ酸エステ
ルの種類などによって適宜選定すればよいが、通常、反
応系をpH7〜10に調整し、5〜50℃で0.15〜24時間反応
させればよい。
MPを化学的方法により製造するばあいの具体例として
は、蛋白質とアミノ酸エステルとの混合物を超音波処理
する方法などが例示できるが、このような方法に限定さ
れるものではない。
MPの添加量としては、液卵(卵黄、卵白または全卵)10
0部(重量部、以下同様)に対して好ましくは0.03〜10
部、さらに好ましくは0.03〜5部である。該量が0.03部
未満になると不凍効果が生じにくくなる。一方、MPの使
用量が10部をこえても、液卵が冷凍する温度を‐10℃程
度以下につることは困難である。
液卵にMPを加える方法としては、MPの水性液を加える方
法が、容易かつ均一に混合させうるため好ましいが、こ
のような方法に限定されるものではなく、液卵およびMP
が変性しないような方法であれば、いずれの方法によっ
てもよい。
上記のように、液卵とMPとを混合すると、液卵が凍結す
るような温度にしても過冷却現象が生じ、冷凍すること
なく長期間保存することができるようになるが、MPと氷
点降下効果のあるもの、たとえば食塩などの塩類、ショ
糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、ソルビトール、マルチ
トールなどの糖アルコール類などとを併用すると、MP単
独で用いるばあいよりもさらに過冷却現象を安定化させ
るとともに、さらに低温下でも過冷却現象をおこさせる
ことができる。
なおMPを加えた液卵は、たとえ冷凍しても、解凍したも
のの風味や乳化性などは、液卵のみのものよりは生卵に
近く、凍結障害は少ない。この理由は明確には解明され
ていないが、MPを用いると氷の結晶が大きく成長せず、
液卵の組織を破壊しにくいためではないかと考えてい
る。
つぎに本発明の保存安定性の改良された液卵を実施例に
もとづき説明する。
実施例1および比較例1〜2 第1表に示す組成の卵黄を第1表に示す条件で所定期間
保存したのち、卵黄中の一般細菌数を測定した。それら
の結果を第1図に示す。
なお第1表中のMPとはゼラチンロイシンデシルエステル
のことである。
(一般細菌数) 標準寒天培地による一般細菌数の測定標準法で測定を行
なった。
実施例2および比較例3〜4 実施例1および比較例1で用いた組成および保存状態で
2週間保存した卵黄(それぞれ実施例2および比較例3
に対応)および生卵黄(比較例4)を用いて、下記方法
により乳化力および乳化安定性を測定した。それらの結
果を第2表に示す。
(乳化力) 水/サラダ油=1/1(重量比)の試料に、水100部に対し
て5部の卵黄を加え、ホモジナイザーで充分攪拌したの
ち30分間放置し、分離する水の量を測定。
(乳化安定性) 乳化力を測定した試料を25℃で12時間放置し、分離する
水の量を測定。
実施例3 実施例1で用いたのと同じ組成の卵黄を、該卵黄が冷凍
する温度である。‐20℃で2週間保存したのち、実施例
2と同様にして乳化力および乳化安定性を測定した。そ
れらの結果を第2表に示す。
実施例4および比較例5 実施例1と同様にして2週間保存した卵黄および生卵黄
を用いて(それぞれ実施例4および比較例5に対応)、
常法によりカスタードクリームを製造した。
えられたカスタードクリームを15名のパネラーを用い
て、3点比較法にて官能検査を行ない評価したところ、
味に差はなかった。
実施例5〜6および比較例6〜7 第3表に示す組成の卵黄を第3表に示す条件で14日間保
存したのち、下記組成になるように配合し(生地の絞り
量15g)、常法によりシューを焼成して、シューの比容
積、割れ、空洞を下記方法により評価した。それらの結
果を第3表に示す。
油脂 150部 水 125〃 薄力粉 100〃 卵 230〃 炭酸アンモニウム 1.5〃 (比容積) シューの体積および重量を測定し、下記式により算出。
(割れ) シューを目視判定し、割れのない外観の非常によいもの
を5、小さな割れはあるが外観の良いものを3、大きな
割れのある外観のわるいものを1、5と3との中間を
4、3と1との中間を2として判定。
(空洞) シューを割り、断面に空洞のない非常に均一なものを
5、小さな空洞はあるがほぼ均一なものを3、大きな空
洞のあるものを1、5と3との中間を4、3と1との中
間を2として判定。
なお第3表中のMPはゼラチンロイシンデシルエステル のことである。
実施例7〜8および比較例8〜9 実施例5〜6および比較例6〜7で用いたのと同様の液
卵(それぞれ実施例7〜8および比較例8〜9に対応)
900gおよび上白糖720gを20コートたて型ミキサーに入
れ、ワイヤーホイッパーにて40℃に昇温溶解し、15分間
攪拌含気させ、含気量を測定した。
そののち水120gおよび薄力粉600gを加えて手で攪拌し、
生地を調製し、生地重量(g)/生地体積(cc)で表わ
される生地比重を測定した。
つぎに7寸焼型に450gの生地を取り、170℃で30分間オ
ープンにて焼成して、ケーキ用スポンジを作製した。
えられたケーキ用スポンジのケーキボリウム(=ケーキ
体積(cc)/ケーキ重量(g))を測定するとともに、
そのきめを目視判定した。
それらの結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の保存安定性の改良された液卵は、1〜‐10℃と
いう低温で、液状で保存することができるため、長期間
保存できる、保存後の乳化力や該液卵を用いた乳化物の
乳化安定性が良好である、長期間保存しても風味や味が
ほとんど低下しない、たとえ凍結しても乳化力、乳化安
定性、風味や味などの低下が少ない、凍結させずに保存
することができるため、冷凍および解凍のためエネルギ
ーや時間が節約できる、また腐敗をおこしにくいなどの
効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、卵黄の保存方法が異なるばあいの保存期間と
一般細菌数との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液卵100重量部に対して、アミノ酸エステ
    ルで修飾した蛋白質からる不凍剤0.03〜10重量部添加し
    たことを特徴とする保存安定性の改良された液卵。
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