JPH068665B2 - 自動車の自動伝動装置におけるクラッチ間パワ−オン時シフトダウン方法 - Google Patents

自動車の自動伝動装置におけるクラッチ間パワ−オン時シフトダウン方法

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JPH068665B2
JPH068665B2 JP62030617A JP3061787A JPH068665B2 JP H068665 B2 JPH068665 B2 JP H068665B2 JP 62030617 A JP62030617 A JP 62030617A JP 3061787 A JP3061787 A JP 3061787A JP H068665 B2 JPH068665 B2 JP H068665B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動車の自動伝動装置においてクラッチ間速
度比シフト制御を実施する方法に関する。
本発明は、特に、自動車がトルクを伝達し、パワーオン
モードで走行しているときに速度比シフトダウンを実施
する方法に関する。
自動車の自動伝動装置は、一般に、その入力軸と出力軸
を結合する複数の歯車要素と、それらに対応して設けら
れた複数のトルク伝達断続装置とを含み、トルク伝達断
続装置は、所定の速度比の歯車装置に連結されており、
選択的に係合することにより入力軸と出力軸との間に所
望の速度比を設定するようになっている。
ブレーキは帯形、ディスク形のいずれでもよく、自動車
技術においては伝動装置のディスク形ブレーキを「クラ
ッチ」または「リアクション・クラッチ」と呼ぶ。
入力軸は、自動車の機関に流体式トルクコンバータなど
の流体カップリングを介して結合され、出力軸は車輪に
直接結合される。1つの順方向速度比から別の順方向速
度比へのシフト動作は、機関スロットル設定値および自
動車速度に応答して実行され、一般に、現在の速度比と
関連するクラッチ、すなわちブレーキ(オフに向かう)
の解放と、所望の速度比と関連するクラッチ、すなわち
ブレーキ(オンになる)の係合とから成る。
クラッチおよび/またはリアクション・クラッチを使用
して上述のように実行されるシフトは、クラッチ間シフ
トと呼ばれる。この種のシフトの良好な制御は、自動車
の加速のため、または上り坂で自動車の速度を維持する
ために低い速度比へのシフトダウンが要求される状況に
おいては特に困難である。そのようなシフトダウンは、
通常、高い伝動装置入力トルクを必要とし、ここではパ
ワーオン時シフトダウンと呼ばれる。
自動車の電子伝動装置制御システムに関連して、本発明
はフリーホイール(一方向)トルク伝達要素の必要な
く、高品質のクラッチ間パワーオン時シフトダウンを達
成することに関する。
このために、本発明による自動車の自動伝動装置のトル
ク伝達断続装置を動作させる方法は、特許請求の範囲第
1項に記載される特徴の組合せを有する。
自動車の電子伝動装置制御システムは、実際には、様々
な機関動作パラメータおよび伝動装置動作パラメータを
連続的に監視し、且つシフトに関するクラッチング(ク
ラッチ)装置に供給される圧力を精密に制御する能力を
備えているために有利である。
本発明による自動車の自動伝動装置のトルク伝達断続装
置を動作させる方法の好ましい実施例においては、パワ
ーオン時シフトダウンは、オフに向かうクラッチング装
置(高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続
装置)のトルク容量を減少させることにより開始され、
伝動装置入力速度すなわち機関回転速度をシフト後に最
終的に達成すべき目標速度に向かって上昇させる。その
後、入力速度が上昇するにつれて、目標速度の値は、現
在の自動車速度およびシフトダウンされる速度比の関数
として連続的に決定される。入力速度がその目標速度に
近づくと、加圧流体が、オンになるクラッチング装置
(低速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続装
置)にその係合準備のために供給され、オフに向かうク
ラッチング装置のトルク容量は、入力速度をほぼ目標速
度に維持するのに充分な値まで増加される。オンになる
クラッチング装置は、その係合準備が完了すると、オフ
に向かうクラッチング装置が解放されるにつれて係合さ
れ、そこでシフトは完了する。クラッチング装置の交代
が起こるときに入力速度はほぼその目標値にあるので、
最小限の駆動系のトルク中断で高品質のシフトを達成す
ることができる。
上述のシフト方式は、制御システムのシフト中に様々な
クラッチング装置のトルク容量を正確に制御する能力に
依存している。このために、シフト制御に使用される様
々な校正圧力パラメータおよびタイミングパラメータ
は、シフトごとのシステムの性能に基づいて適応すべく
更新される。その結果、複数回のシフトについて校正ミ
ス、伝動装置の摩耗等に起因するそのようなパラメータ
の不正確さは補正されるので、一貫して高品質のシフト
動作を達成することが可能である。
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図面の、特に第1図(a)および第1図(b)に関して
説明すると、参照数字10は、機関12と、1つの逆方
向速度比および4つの順方向速度比を有する並列軸型伝
動装置14とを含む自動車の駆動系である。機関12
は、機関出力トルクを調整する加速ペダル(図示せず)
などの運転者により操作自在の装置に機械的に結合され
るスロットル機構16を含む。機関出力トルクは、機関
出力軸18を介して伝動装置14に加えられる。
伝動装置14は、流体式トルクコンバータ24と、一連
の流体作動式クラッチング装置26〜34の1つまたは
幾つかとを介して、機関出力トルクを1対の駆動車軸2
0および22に伝達する。これらのクラッチング装置
は、所望の伝動装置速度比を発生するために、所定のテ
ーブルにしたがって係合または解放される。
次に伝動装置14に関してさらに詳細に説明すると、ト
ルクコンバータ24のインペラ(入力部材)36は、機
関12の出力軸18により入力シエル38を介して回転
駆動されるように結合される。トルクコンバータ24の
タービン(出力部材)40は、インペラ36により両者
間の流体伝達によって回転駆動され、シャフト42を回
転駆動するように結合され る。固定子部材(リアク
タ)44は、インペラ36をタービン40にトルク伝達
的に結合する流体を再誘導し、また固定子部材44は、
一方向装置46を介して伝動装置14のハウジングに結
合される。
トルクコンバータ24は、シャフト42に固定されるク
ラッチ板50から成るクラッチング装置26をさらに含
む。クラッチ板50には、機関出力軸18と伝動装置の
シャフト42との間に直接の機械的駆動関係を成立させ
るために、入力シエル38の内面と係合自在である摩擦
面52が形成される。クラッチ板50は、入力シエル3
8とタービン40との間の空間を2つの流体チャンバ
に、すなわち係合チャンバ54と解放チャンバ5とに分
割する。係合チャンバ54内の流体圧力が解放チャンバ
56内の流体圧力を超えると、クラッチ板50の摩擦面
52は、第1図に示されるように、入力シエル38と係
合するように移動され、それによりクラッチング装置2
6を係合させて、トルクコンバータ24と並列の機械的
駆動結合を成立させる。そのような場合、インペラ36
とタービン40との間に滑りは生じていない。
解放チャンバ56内の流体圧力が係合チャンバ54内の
圧力を超えたときは、クラッチ板50の摩擦面52は、
入力シエル38との係合から外れるように移動され、そ
れにより、上述のような機械的駆動結合を解除し、イン
ペラ36とタービン40との間に滑りを生じさせる。な
お、丸で囲まれた数字5により示された部分と係合チャ
ンバ54との間で流体連通が行なわれ、丸で囲まれた数
字6により示された部分と解放チャンバ56との間で流
体連通が行なわれる。
容積式油圧ポンプ60は、破線62により指示されるよ
うに、機関出力軸18により入力シエル38およびイン
ペラ36を介して機械的に駆動される。ポンプ60は、
流体タンク64から低圧の圧力作動流体を受け取り、加
圧流体を出力ライン66を介して伝動装置制御要素に供
給する。圧力調整弁(PRV)68は、ポンプの出力ライン
66に接続され、出力ライン内の流体の所定の量を制御
に従ってライン70を介して、流体タンク64に戻すこ
とにより出力ライン60内の流体圧力(以下、ライン圧
力という)を調整する。さらに、圧力調整弁68は、ト
ルクコンバータ24に対する流体圧力をライン74を介
して供給する。
ポンプおよび圧力調整弁の精密な構成は本発明の要点で
はない。代表的な形態のポンンは、米国特許4,34
2,545号に記載され、代表的な形態の圧力調整弁は
米国特許第4,283,970号に記載されている。
伝動シャフト42と別の伝動シャフト90には、それぞ
れ、複数個の歯車要素(トルク伝達装置)が回転自在に
支持される。さらに詳細に言えば、歯車要素80〜88
はシャッフト42上に支持され、歯車要素98〜102
はシャフト90上に支持される。歯車要素88はシャフ
ト42に堅固に結合され、歯車要素98および102は
シャフト90に堅固に結合されるる。歯車要素92はフ
リーホイール(一方向)装置93を介してシャフト90
に結合される。歯車要素80,84,86および88
は、歯車要素92,96,98および100とそれぞれ
噛み合い係合する状態に維持され、歯車要素82は、逆
方向遊び歯車103を介して歯車要素94に結合され
る。シャフト90自体は、歯車要素102および104
と、従来の差動歯車対(DG)106とを介して駆動車軸
20および22に結合される。
噛み合いクラッチ108は、シャフト90にそれに沿っ
て軸方向に摺動自在であるようにスプライン結合され、
シャフト90を歯車要素96に堅固に結合する(第1図
に示される状態)か又は歯車要素94に堅固に結合す
る。順方向速度比を介してのトルク伝達は、噛み合いク
ラッチ108がシャフト90を歯車要素96に結合する
時に歯車要素84とシャフト90との間に成立し、逆方
向速度比を介してのトルク伝達は、噛み合いクラッチ1
08がシャフト90を歯車要素94に結合するときに歯
車要素82とシャフト90との間に成立する。
クラッチング装置28〜34は、伝動シャフト42また
は90に堅固に結合される入力部材と、1つまたは複数
の歯車要素に堅固に結合される出力部材とをそれぞれ具
備し、従って、クラッチング装置の係合により、対応す
る歯車要素とシャフトは、シャフト42および90の間
に駆動結合を生じさせるように互いに結合する。クラッ
チング装置28はシャフト42を歯車要素80に結合
し;クラッチング装置30はシャフト42を歯車要素8
2および84に結合し;クラッチング装置32はシャフ
ト90を歯車要素100に結合し;クラッチング装置3
4はシャフト42を歯車要素86に結合する。クラッチ
ング装置28〜34は、それぞれ、戻しばね(図示せ
ず)により係合解除状態に向かって付勢される。
クラッチング装置の係合は、その係合チャンバに流体圧
力を供給することにより行なわれる。その結果得られる
クラッチング装置のトルク容量 は、戻しばねの圧力よ
り小さい加えられる流体圧力(以下、作動圧力デルタP
という)の関数である。丸で囲まれた数字1は、クラッ
チング装置28の係合チャンバに加圧流体を供給するた
めの流体通路を表わし;丸で囲まれた数字2と文字R
は、クラッチング装置30の係合チャンバに加圧流体を
供給するための流体通路を表わし;丸で囲まれた数字3
は、クラッチング装置32の係合チャンバに加圧流体を
供給するための流体通路を表わし;丸で囲まれた数字4
は、クラッチング装置34の係合チャンバに加圧流体を
誘導するための流体通路を表わす。
様々な歯車要素80〜88および92〜100の大きさ
の相対関係は、クラッチング装置28,30,32およ
び34の係合によりそれぞれ第1、第2、第3、および
第4の順方向速度比が係合されるように定められる。順
方向速度比を得るためには、噛み合いクラッチ108
は、第1図に示される位置になければならない。駆動車
軸20および22の機関出力軸18からの有効遮断を含
む中立速度比は、全てのクラッチング装置28〜34を
解放状態に維持することにより得られる。様々な対の歯
車要素により規定される速度比は、一般に、タービン速
度Ntと出力速度Noの比により表わされる。伝動装置1
4の代表的なNt/No比は次の通りである。
第1速−2.368 第2速−1.273 第3速−0.808 第4速−0.585 後 退−1.880 前述のように、現在の順方向速度比から所望の順方向速
度比にシフトするためには、現在の速度比と関連する
(オフに向かう)クラッチング装置を解放し、且つ、所
望の速度比と関連する(オンになる)クラッチング装置
を係合することが必要である。たとえば、第1の順方向
速度比から第2の順方向速度比へのシフトの場合、クラ
ッチング装置28の解放とクラッチング装置30の係合
が必要である。後述するように、このような解放と係合
のタイミングは高品質のシフト動作を達成するために重
要であり、本発明は、第1に、一貫して高品質のパワー
オン時シフトダウンを達成するために、様々なクラッチ
ング装置28〜34に流体圧力を供給する制御方法を提
供することを目的とする。
伝動装置14に関する流体制御要素は、手動弁140
と、方向サーボ機構160と、複数の電気的に動作され
る流体弁180〜190とを含む。手動弁140は、運
転者の要求に応答して動作し、方向サーボ機構160と
関連して、調整されたライン圧力を適切な流体弁182
〜188に誘導する。流体弁182〜188は、流体圧
力をクラッチング装置28〜34に誘導するように個々
に制御される。流体弁180は、ポンプ出力ライン66
から圧力調整弁68へ流体圧力を誘導するように制御さ
れ、流体弁190は、ライン74からトルクコンバータ
24のクラッチング装置26へ流体圧力を誘導するよう
に制御される。方向サーボ機構160は、手動弁140
の状態に応じて動作し、噛み合いクラッチ108の位置
を適正に決定する。
手動弁140は、自動車の運転者から、運転者が希望す
る速度範囲を指示する軸方向機械的入力を受け取るシャ
フト142を含む。シャフト142は、概して破線14
6により指示されるように、適切な機械的リンク機構を
介して表示機構144にさらに結合される。ポンプ出力
ライン66からの流体圧力は、ライン148を介して手
動弁140に入力として加えられ、弁出力ラインは、順
方向速度比の係合のために流体圧力を供給する順方向
(F)出力ライン150と、逆方向速度比の係合のため
に流体圧力を供給する逆方向(R)出力ライン152と
を含む。従って、手動弁140のシャフト142が、表
示機構144に示されるD4、D3またはD2の位置へ
移動されると、ライン148からのライン圧力 は、順
方向(F)出力ライン150へ誘導される。シャフト1
42が表示機構144に示されるR位置にあるときは、
ライン148からのランイン圧力は、逆方向(R)出力
ライン152へ送られる。手動弁140のシャフト14
2がN(中立)またはP(パーク)位置にあるときは、
入力ライン148は分離され、順方向出力ライン150
および逆方向出力ライン152は、全ての流体を流体タ
ンク64に戻す排出ライン154に接続される。
方向サーボ機構160は、流体にて作動される装置であ
り、順方向速度比または逆方向速度比のいずれかを選択
的に可能とするために噛み合いクラッチ108をシャフ
ト90に沿って軸方向のシフトさせるシフトフォーク1
64に結合される出力軸162を含む。出力軸162
は、サーボハウジング168の内部で軸方向に移動自在
であるピストン166に結合される。サーボハウジング
168の内部におけるピストン166の軸方向位置は、
チャンバ170および172に供給される流体圧力に従
って決定される。手動弁140の順方向出力ライン15
0は、ライン174を介してチャンバ170に接続さ
れ、手動弁140の逆方向出力ライン152は、ライン
176を介してチャンバ172に接続される。
手動弁140のシャフト142が順方向範囲位置にある
とき、チャンバ170内の流体圧力は、ピストン166
を第1図で見て右方向へ押圧して、噛み合いクラッチ1
08を係合させて歯車要素96を介してのトルク伝達を
可能にする。手動弁140のシャフト142がR位置へ
移動されると、チャンバ172内の流体圧力は、ピスト
ン166を第1図で見て左方向へ押圧して、噛み合いク
ラッチ108を歯車要素94と係合させ、逆方向速度比
の係合を可能にする。いずれの場合も、第2の速度比ま
たは逆方向速度比の実際の係合は、クラッチング装置3
0が係合するまで行なわれない。
方向サーボ機構160は、逆方向速度比を可能とする流
体弁としても動作する。そのために、方向サーボ機構1
60は、電気的に動作される流体弁186に接続される
出力ライン178を含む。運転者が順方向速度比による
トルク伝達を選択し、方向サーボ機構160のピストン
166が第1図に示される位置にあるとき、ライン17
6および178の間の通路は遮断される。これに対し、
運転者が逆方向歯車比によるトルク伝達を選択したとき
は、ライン176および178の間の通路は開いてい
る。
電気的に動作される流体弁180〜190は、それぞ
れ、その入力通路においてポンプ60からの流体圧力を
受け取り、流体圧力を圧力調整弁68またはそれぞれ対
応するクラッチング装置26〜34に誘導するように個
々に制御される。流体弁180はポンプ出力ライン66
からライン圧力を直接受け取り、丸で囲まれた文字Vに
より指示される位置へ、その圧力の内から可変量の圧力
を圧力調整弁68へ誘導するように制御される。流体弁
182,186および188は、手動弁140の順方向
出力ライン150から流体圧力を受け取り、丸で囲まれ
た数字4,3および1によりそれぞれ指示される位置
に、その圧力の内から可変量の圧力をクラッチング装置
34,32および38へ誘導するように制御される。流
体弁186は、順方向出力ライン150および方向サー
ボ機構の出力ライン178から流体圧力を受け取り、丸
で囲まれた数字2および丸で囲まれた文字Rにより指示
される位置に、その圧力の内から可変量の圧力をクラッ
チング装置30へ誘導するように制御される。流体弁1
90は圧力調整弁68のライン74から流体圧力を受け
取り、丸で囲まれた数字6により指示される位置に、そ
の圧力の内から可変量の圧力をクラッチング装置26の
解放チャンバ56へ誘導するように制御される。クラッ
チング装置26の係合チャンバ54には、丸で囲まれた
数字5により指示される位置に、出力ライン74からオ
リフィス192を介して流体圧力が供給される。
流体弁180〜190は、その入力通路と出力通路との
間で流体の流れを導くために、それぞれ対応する弁胴の
内部で軸方向に移動自在であるスプール要素210〜2
20をそれぞれ有する。それぞれのスプール要素210
〜220が、第1図(b)で見てその最も右側の位置に
あるとき、入力通路と出力通路は互いに接続される。そ
れぞれの流体弁180〜190は丸で囲まれた文字EXに
より指示されるように排出通路を含み、この排出通路
は、スプール要素が第1図(b)で見て最も左側の位置
へ移動されたときに、対応するクラッチング装置から流
体を排出する。
第1図(b)において、流体弁180および182のス
プール要素210および212は、それぞれの入力ライ
ンと出力ラインを互いに接続する最も右側の位置にあ
り、一方、流体弁184,186,188および190
のスプール要素214,216,218および220
は、それぞれの出力ラインと排出ラインを互いに接続す
る最も左側の位置にあるように示されている。それぞれ
の流体弁180〜190は、そのスプール要素210〜
220の位置を制御するソレノイド222〜232を含
む。このソレノイド222〜232は、対応するスプー
ル要素210〜220に結合されるプランジャ234〜
244と、対応するプランジャを包囲するソレノイドコ
イル246〜256とをそれぞれ有する。それぞれのソ
レノイドコイル246〜256の一方の端子は、図示さ
れるように接地電位に接続され、他方の端子は、ソレノ
イドコイルの動作を制御する制御装置270の出力信号
線258〜268に接続される。後述するように、制御
装置270は、圧力調整弁68およびクラッチング装置
26〜34に供給される流体圧力を調整するために、所
定の制御計算に従ってソレノイドコイル246〜256
をパルス幅変調する。この変調のデューティサイクルは
供給される圧力の所望の大きさに関連して決定される。
流体弁180〜190をスプール弁として図示したが、
その代わりに別の種類の弁を使用することもできるであ
ろう。たとえば、ボール・弁座形の弁を使用することが
できる。一般的には、流体弁180〜190は、何れか
の3ポートパルス幅変調弁装置を使用して形成されれば
よい。
制御装置270に対する入力信号は、入力信号線272
〜284に供給される。手動弁のシャフト142の運動
に応答する位置センサ(S)286は、入力信号線27
2を介して制御装置270に入力信号を供給する。速度
変換器288,290および292は、伝動装置14の
内部の様々な回転部材の回転速度を検出し、それに従っ
た速度信号を入力信号線274,276および278を
それぞれ介して制御装置270に供給する。速度変換器
288は、伝動シャフト42の速度、従ってタービン、
すなわち伝動装置の入力速度Nを検出し;速度変換器
270は、駆動車軸22の速度、従って伝動装置の出力
速度Nを検出し;速度変換器272は、機関出力軸1
8の速度、従って機関回転数Nを検出する。位置変換
器294は、機関のスロットル機構16の位置を検出
し、それに従った電気信号を入力信号線280を介して
制御装置270に供給する。
圧力変換器296は、機関12のマニホルド絶対圧力(M
AP)を検出し、それに従った電気信号を入力信号線28
2を介して制御装置270に供給する。温度センサ29
8は、伝動装置の流体タンク64の中の油の温度を検出
し、それに従った電気信号を入力信号線284を介して
制御装置270に供給する。
制御装置270は、入力信号線272〜284の入力信
号に後述する所定の制御計算に従い、流体弁のソレノイ
ドコイル246〜256の励磁を出力信号線258〜2
68を介して制御する。制御装置270は、入力信号を
入力し且つ様々なパルス幅変調信号を出力する入出力
(I/0)装置300と、アドレス、制御母線304お
よび両方向データ母線306を介してI/0装置300
と通信するマイクロコンピュータ302とを含む。本発
明による方法において、パルス幅変調出力を発生するた
めの適切なプログラム命令を表わす流れ図は、第7図か
ら第11図に示される。
本発明のパワーオン時シフトダウン方法に関連する伝動
装置の動作パラメータは、第2図のグラフaからdに共
通の時間軸に関して示される。第2図のグラフaは、オ
ンになるクラッチング装置に対する圧力命令P(ONC)を示
し;第2図のグラフbは、オフに向かうクラッチング装
置に対する圧力指令P(OFG)を示し;第2図のグラフc
は、タービン速度Nを示し;第2図のグラフdは、車
軸(出力)トルクTを示す。グラフ中に指示されるよ
うに、本発明によるパワーオン時シフトダウンは機能の
上で4つの段階A、B、CおよびDに分割される。さら
に、シフト中の事象の順序を説明しやすくなるために時
間軸上に符号t〜tが示されている。
時間tになる以前には、車軸トルクTを発生するた
めに相対的に高い速度比、たとえば第3の速度比が係合
される。従って、トルク伝達中の(オフに向かう)クラ
ッチング装置32に対する圧力指令P(OFG)は、第2図の
グラフbに示されるように、相対的に高い定常状態値P
ssに維持される。このような圧力指令は、滑りを阻止す
るように構成される所定の、トルクに従ったテーブルか
ら得られる。トルクコンバータ24のクラッチング装置
26を係合することもできるであろうが、この実施例に
関してはクラッチング装置26は解放されるものと仮定
する。
時間tにおいて、制御装置270は3速−2速シフト
ダウンを指令し、第2図に指示されるようなA段階(第
1の動作モード)を開始する。シフトは自動車速度の低
下または機関スロットル機構16の設定値の増加に応答
して指令されれば良く、その場合、パワーオン時シフソ
ダウンであると考えられる。シフトのA段階では、オフ
に向かうクラッチング装置32の圧力指令P(OFG)は、第
2図のグラフbに示されるように、所定の、トルクおよ
び時間に従うテーブルに従って徐々に低下される。この
テーブルは、ここではオフに向かう解放テーブルと呼ば
れ、第3図にグラフにより示される。第3図において、
P(OFG)は圧力指令であり、Tはトルク変数である。
第3図に示される圧力テーブルは、第2図のグラフbに
関連して述べた定常状態圧力テーブルに適応するので、
第3図のA段階テーブルから(時間tで)得られる初
期圧力指令P(OFG)は、実際にはシフト前の定常状態指令
ssに対応する。クラッチング装置32は、時間t
おいてスリップし始め、タービン速度Nは、第2図の
グラフcに示されるように機関回転数Nに伴なって上
昇し始める。スリップによって、車軸トルクTは、第
2図のグラフdに示されるように減少し始める。
オフに向かうクラッチング装置32の摩擦要素間のスリ
ップにより生じる、その入力速度と出力速度との速度差
デルタNofgが、タービン速度に従属する第1の基準値R
EFofgを超えると、シフトのA段階は終了し、B段階
(第2の動作モード)が開始される。スリップにより生
じる速度差デルタNofgはタービン速度Nと、差動歯
車対106を介して伝動シャフト90に伝えられる出力
速度nとの差として考えれば良い。従って、第1の基
準値REFofgは、第2図のグラフcにタービン速度のトレ
ースの延長線に関して示されている。
シフトのB段階に入ると、第2図のグラフbおよびcに
示されるように、クラッチング装置32に対する圧力指
令P(OFG)の低下は停止するので、タービン速度Nは上
昇し続ける。この時間中、車軸トルクTは、第2図の
グラフdに示されるように圧力指令P(OFG)に伴なって相
対的に一定のままである。第3図のオフに向かう解放テ
ーブルに関連していえば、B段階を圧力指令P(OFG)は、
A−B遷移時の時変数を不変とすることにより得られ
る。このように、圧力指令P(OFG)は、時間 tを後は
トルク従属性を保持し、第3図のトレース310に沿っ
て変化することができる。
時間tにおいて、タービン速度Nは、シフトダウン
される(第2の速度)比の目標値Ntarに対する第2の
基準値REFoncの範囲内まで上昇するので、シフトのB段
階は終了する。このような目標値は、第2図のグラフc
に破線のトレース312により表わされ、出力速度N
と、差動歯車対106および第2の速度比に関して作用
する歯車要素84により提供される速度比との関数とし
て容易に計算される。第2の基準値REFoncはタービン速
度の関数として決定され、物理的にはオンになるクラッ
チング装置30の摩擦要素間のスリップ量を示すと考え
られ、すなわちある速度でクラッチング装置30が係合
すればタービン速度が目標速度Ntarとなる場合のその
速度差を表わす。この基準値は第2図のグラフcに目標
速度のトレース312に関して示される。
前述のように、第2の基準値REFoncおよび第1の基準値
REFofgはタービン速度に従って決定される。さらに詳細
にいえば、第2の基準値REFoncおよび第1の基準値REF
ofgは、タービン速度の上昇に伴なって増加するので、
相対的に高速のシフト動作中はタービン速度はより速く
上昇することができる。そのため、タービン速度の上昇
に伴なってシフトのB段階の持続時間は短縮され、これ
により、高速シフトの持続時間が過剰に長くなる事態は
阻止される。
シフトのC段階(第3の動作モード)においては、オン
になるクラッチング装置30に対する圧力指令P(ONC)
は、第2図のグラフaに示されるように、クラッチ係合
準備のためにその係合チャンバを充満するようにトルク
従属レベルPまで上昇する。同時に、オフに向かうク
ラッチング装置32に対する圧力指令P(OFG)は、第2図
のグラフbに示されるように、タービン速度Nをトレ
ース312により示される第2の速度比の目標速度より
わずかに高い値に保持するために、動的値(圧力指令)
dynまで上昇する。後述するように、動的値(圧力指
令)Pdynは、開ループ項Pol、閉レープ項Pclおよび
適応項Padに従って決定される。開ループ項Polは、第
3図のオフに向かう解放テーブルの場合と同様にトルク
および時間の関数として所定のテーブルに従って決定さ
れ、閉ループ項PClは、タービン速度Nとシフダウン
される速度比に関する目標速度Ntarとの差の関数とし
て決定され;適応項Padは、B段階とC段階との遷移時
におけるタービン速度Nbcの関数として決定さる。圧力
指令が上昇すると、オフに向かうクラッチング装置32
のトルク容量は増加され、車時トルクTはほぼそのシ
フト前値Tに戻る。
実際には、オンになるクラッチング装置を充満するため
に必要な時間とは無関係に、タービン速度Nを、最短
保持時間tholdだけ目標速度Ntarよりわずかに高い値
に保持しなければならないことがわかっている。しかし
ながら、オンになるクラッチング装置を充満状態に保持
することは望ましくない。従って、計算上の充満時間t
fillが最短保持時間tholdより短い場合は、充満開始を
時間tの後まで遅らせれば良い。
時間tにおいて、オンになるクラッチング装置30は
充満されてC段階は終了し、D段階(第4の動作モー
ド)が開始される。この時点で、オンになるクラッチン
グ装置30に対する圧力指令P(ONC)は、第2図のグラ
フaに示されるように、テーブルに従った(トルクに従
属する)初期値Pまで低下された後、トルク変数T
および時間の関数として徐々に上昇する。オンになるク
ラッチング装置30のトルク容量が増加するにつれて、
タービン速度Nはシフトダウンされる速度比に関する
目標速度に向かって低下し、車軸トルクTはそのシフ
ト後値Tに向かって増加する。時間tの後の校正時
間である時間tにおいて、圧力指令P(OFG)は、第2図
のグラフbに示されるように、オフに向かうクラッチン
グ装置32を徐々に解放するために徐々にゼロまで低下
する。時間tにおいてオフに向かうクラッチング装置
32は完全に解放され、時間tにおいてオンになるク
ラッチング装置30は、完全に係合されるのでD段階は
終了し、3速−2速シフトダウンが完了する。
上述の制御方法により、フリーホイール(一方向)トル
ク伝達要素を使用せずに一貫して高品質のクラッチ間パ
ワーオン時シフトダウンを達成することができる。様々
なトルク伝達断続装置の係合力を電子的に決定する能力
は、オンになるクラッチング装置の係合に先立って伝動
装置の入力速度(タービン速度N)をシフトダウンさ
れる速度比における、その目標速度に関連する所定の値
とするために利用され、それにより、シフト中における
駆動系のトルク中断は最小限に抑えられる。圧力指令の
適応項Padは、制御要素の指令圧力を正確に供給する能
力に影響を及ぼす校正ミス、摩耗またはその他の誤差原
因によってシフトの質が劣化されることのないように作
用する。圧力指令P(OFG)の適応項Padに関するテーブル
は、第4図にグラフにより示される。前述のように、適
応項Padは、シフトのB段階とC段階との遷移時におけ
るタービン速度Nbcの関数として決定される。第4図に
示されるように、適応項adは、基準低速度Nloと、基準
高速度Nhiとにそれぞれ対応する2つの点LおよびHに
より規定される。NloとNhiとの間で降下するNbcの何
らかの値に対する適応値Padは、点LおよびHを結ぶ線
316に沿って直線的ち内挿され決定される。点Lおよ
びHは、それぞれ、必要に応じて適応項Padの値を調整
するために第4図に指示されるように上下されれば良
い。
パワーオン時シフトダウンの進行中に圧力指令P(OFG)の
発生に使用される適応項Padの調整は、第5図および第
6図にグラフにより示される。C段階からD段階への遷
移時にタービン速度Nと、シフトダウンされる速度比
に関する目標速度Ntarとの差、デルタNが測定され
る。先に第2図のグラフcに関連して説明したように、
圧力指令P(OFG)は、タービン速度Nを目標速度Ntar
よりわずかに高い値に維持するように形成される。パワ
ーオン時シフトダウンが終了するたびに、測定された
差、デルタNは、圧力指令の適応項Padを調整するた
めに使用されるタービン速度誤差項Etsに達するための
基準差REFdifと比較される。第5図のグラフは適応圧力
修正項Cadとタービン速度誤差項Etsとの関数を示し、
第6図のグラフは、適応圧力修正項Cadが第4図に規定
される点LおよびHにどのように適用されるかを示す。
第5図に関してさらに詳細に説明すると、適応圧力修正
項Cadは、タービン速度誤差項Etsの関数として非線形
基本利得テーブルおよび非線形方向感知動的利得変更子
に従って決定される。基本利得テーブルはトレース32
0により示され、圧力指令の適応項Padの収束調整ミス
を比較的少なく抑えるために相対的に低くなっており、
動的利得変更子は、測定誤差の時間積分値に関連して基
本利得を増加するように作用する。動的利得変更子の効
力はトレース322により示される最大総利得により制
限される。最大総利得は誤差の大きさによって決まる。
逆の符号の大きな誤差が検出されたとき、変更子はゼロ
にリセットされる。符号が正であるタービン速度誤差
(Ndiffが大きすぎる場合)は正の修正を実行させ
て、適応項Padを増加させる。符号が負であるタービン
速度誤差(Ndiffが小さすぎる場合)は負の修正を実行
させて、適応項Padを減少させる。動的利得変更子は、
基本利得修正(正方向または負方向)を一方向のタービ
ン速度誤差項Etsの積分値に関連して最大総利得に至る
まで増加させることができる。グラフにおいて、トレー
ス320および322の間の斜線領域は、動的利得変更
子の権限範囲を表わす。
このように、適応圧力修正項Cadは、検出される誤差の
分布がゼロ誤差を、またはその付近の値を中心としてい
る場合は主に基本利得テーブルに従って決定される。検
出誤差の分布が正方向または負方向に著しい偏りを生じ
たときは、動的利得変更子が有効状態となり、誤差の急
速修正を実行するために基本利得に加えられる。本質的
には、適応修正は検出誤差が大きくなるにつれて、ま
た、誤差を修正するために必要とされる時間が長くなる
につれて大きくなる。
第6図に関して詳細に説明すると、適応圧力修正項Cad
は、シフトのB段階とC段階との遷移時におけるタービ
ン速度Ntbcに従って、第4図の点LおよびHの間で割
当てられる。このような割当てがどのように実行される
かは、第6図にトレース324および326により示さ
れる。トレース324は終点Lに関する利得係数G
表わし、トレース326は終点Hに関する利得係数G
を表わす。
適応圧力修正が適正に行なわれたパワーオン時シフトダ
ウンが終了するたびに、終点Lは,量(Cad*G)だ
け調整され、終点Hは、量(Cad*G)だけ調整され
る。パワーオン時シフトダウンのそれぞれの種類(たと
えば3速−2速または4速−2速)に対して別個の適応
項Padと、対応する点LおよびHが提供され、従って、
それ以降のパワーオン時シフトダウンにおいて計算上の
圧力指令P(OFG)は、速度差Ndiffを基準差値REFdifによ
り密接に対応させる。その結果、制御システム要素のオ
フに向かう圧力指令P(OFG)を正確に決定する能力に影響
を及ぼす変化条件は、所定の種類のいくつかのパワーオ
ン時シフトダウンの全てについて完全に補正される。
第7図から第11図に示される流れ図は、本発明のパワ
ーオン時シフトダウン制御方法を実施する際に制御装置
270のマイクロコンピュータ302により実行される
べきプログラム命令を表わす。
第7図の流れ図は、必要に応じて特定の制御機能を実行
するために様々なサブルーチンを呼出す主または監視プ
ログラムを表わす。第8図から第11図の流れ図は、本
発明に関連するそれらのサブルーチンにより実行される
機能を表わす。
ここで第7図に関してさらに詳細に説明すると、370
は自動車の各動作周期の開始時に本発明の制御機能を実
行するのに使用される様々なレジスタ、タイマー等を初
期設定するために実行される一連のプログラム命令を示
す。この初期設定に続いて、命令ブロック372〜38
0は、それらの命令ブロックと戻り線382とを結ぶ流
れ図線により指示されるように順次繰返して実行され
る。命令ブロック372は入力信号線272〜284を
介してI/O装置300に印加される様々な入力信号を
読取り且つ調整し、制御装置の様々なタイマーを更新
(増分)する。命令ブロック374は、トルク変数T
を含めて、制御計算において使用される様々な項を計算
する。トルク変数項Tを計算するために使用される数
式は、シフトアップ時圧力指令の発生を目的とする19
85年11月29日出願の米国特許出願第802,67
6号に記載されている。
命令ブロック376は、スロットル位置、自動車速度お
よび手動弁の位置を含むいくつかの入力に従って所望の
速度比Rdesを決定する。伝動装置の制御においては、
この機能は一般にシフトパターン発生と呼ばれる。命令
ブロック378は、必要に応じて比シフトを実行するた
めにクラッチング装置に対する圧力指令を決定する。圧
力調整弁PRVおよびシフトに関与しないクラッチング装
置に対する圧力指令も決定される。命令ブロック378
の内容は、以下に第8図から第11図の流れ図に関連し
て詳細に説明される。命令ブロック380は、クラッチ
ング装置およびPRVに対する圧力指令を様々なアクチュ
エータの動作特性(実験的に得られる)に基づいて、PW
Mデューティサイクルに変換し、それに従ってアクチュ
エータコイルを励磁する。
第8図から第11図の流れ図は、第7図の主ループ命令
ブロック378に総括されているクラッチおよびPRVの
圧力決定計算を表わす。第8図に関して詳細に説明する
と、併せて388により示される各ブロックは、シフト
が適正である場合に初期条件をセットアップするために
実行される。シフトが適正である場合、併せて390に
より示される各ブロックは、シフトに関与するクラッチ
ング装置に対する圧力指令を発生するために実行され
る。その後、命令ブロック392および394は、シフ
トに関与しないクラッチおよび圧力調整弁PRVに対する
圧力指令を発生するために実行され、そこでルーチンを
完了する。
命令ブロック394に指示されるように、圧力調整弁PR
Vに対する圧力指令は、様々なクラッチング装置の圧力
指令の中で最も高い値と等しくなるように設定される。
数字388により示されるブロックには、「SHIFT IN P
ROGRESS」フラグの指示に従ってシフトが進行中である
か否かを判定する決定ブロック396と;実際の速度比
act(すなわちNt/No)が第7図の命令ブロック376
において決定される所望の速度比Rdesと等しいか否か
を判定する決定ブロック398と;比シフトに関する初
期条件をセットアップする命令ブロック400とが含ま
れる。命令ブロック400は、決定ブロック396およ
び398に対する返答が共に否定である場合にのみ実行
される。そのような場合、命令ブロック400は、先の
比変数RoldをRactと等しくなるように設定し、「SHIF
T IN PROGRESS」フラグをセットし、シフトタイマーを
クリアし且つオンになるクラッチング装置の充満時間t
fillを計算する。シフトが進行中である場合、流れ図線
402により指示されるように、ブロック398および
400の実行はスキップされる。シフトが進行中でな
く、決定ブロック398に対する返答が肯定である場合
は、命令ブロック400と、390により示される各ブ
ロックの実行は、流れ図線404により指示されるよう
にスキップされる。
390により示されるブロックには、シフトがシフトア
ップであるか、またはシフトダウンであるかを判定する
決定ブロック406と;シフトがシフトアップである場
合に係合中の(シフト中の)クラッチング装置に対する
圧力指令を発生する命令ブロック408;シフトがシフ
トダウンである場合に係合中のクラッチング装置に対す
る圧力指令を発生する命令ブロック410とが含まれ
る。本発明は、パワーオン時シフトダウンのための圧力
指令の発生に関連するものであるので、第9図から第1
1図の流れ図を参照して命令ブロック410をさらに詳
細に説明する。
第9図の流れ図に入ると、まず、指令されたシフトダウ
ンが低トルクであり、且つ手動弁140の再位置決めに
応答するものであるか否かを判定するために、決定ブロ
ック412が実行される。決定ブロック412に対する
返答が肯定である場合、従来のように係合中のクラッチ
ング装置を解放し、且つシフトダウンされる速度比のト
ルク伝達装置に関するクラッチング装置を係合するだけ
でシフトダウンを実行することができる。この種のシフ
トはパワーオフ時シフトダウンと呼ばれ、「POWER-OFF」
フラグをセットするために命令ブロック414が実行さ
れる。決定ブロック416は、「POWER-OFF」フラグがそ
の他の理由によりセットされているか否かを判定する。
パワーオフ時シフトダウンが適正に実行されていること
が判定されれば、オンになるクラッチング装置を充満
し、次にオフに向かうクラッチング装置を解放し、且つ
オンになるクラッチング装置を係合するために、第9図
の流れ図の残るブロックが実行される。この手順は、ま
ず、「FILL COMP」フラグ指示に従ってシフトの充満段階
が完了したか否かを、決定ブロック418において判定
することにより実行される。完了していない場合、全体
を420により示される流れ図分岐路が実行され;完了
した場合は、全体を422で示される流れ図分岐路が実
行される。
流れ図分岐路420は、ブロック424および426か
ら構成される充満初期設定ルーチンと、ブロック428
および430から構成される充満完了ルーチンとを含
む。パワーオフ時シフトダウンが開始されるたびに、「F
ILL COMP」フラグはセットされず、充満初期設定ルーチ
ンの決定ブロック424は、「FILL START」フラグの指示
に従って充満段階が開始されたか否かを判定する。当
初、「FILL START」フラグはセットされず、オンになるク
ラッチング装置の動作デューティサイクルDC(ONC)を1
00%に等しくなるように設定し、「FILL START」フラグ
をセットし、且つFILL TIMERを始動するために命令ブロ
ック426が実行される。その後、決定ブロック424
に対する返答は肯定となり、命令ブロック426の実行
は流れ図線432により指示されようにスキップされ
る。
充満完了ルーチンの決定ブロック428は、FILL TIMER
のカウントが第8図の命令ブロック400で決定される
充満時間tfill以上であるか否かを判定する。返答が肯
定であれば、DC(ONC)を0%に等しくなるように設定
し、且つ「FILL COMP」フラグをセットするために命令ブ
ロック430が実行される。決定ブロック428に対す
る返答が否定である場合は、充満段階は完了しておら
ず、命令ブロック430の実行は、流れ図線434によ
り指示されるようにスキップされる。
流れ図分岐路422は、ブロック436〜442から構
成されるシフト初期設定ルーチンと、ブロック444〜
450から構成されるシフト完了ルーチンとを含む。シ
フト初期設定ルーチンの決定ブロック436は、「FIRST
FILL」フラグの指示に従って「FILL COMP」フラグがセッ
トされているか否かを判定する。セットされていれば、
シフトのトルク段階および慣性段階をセットアップする
ために命令ブロック438および440が実行される。
命令ブロック438は、オンになる(ONC)クラッチング
装置およびオフに向かう(OFG)クラッチング装置に関す
る圧力パラメータP;Pおよびtを第3図に示さ
れる一般式形式の所定の、トルク従属圧力テーブルに従
って決定する。命令ブロック440は、慣性段階タイマ
ーIP TIMERを始動し且つ「FIRST FILL」フラグをリセット
する。その後、決定ブロック436に対する返答は否定
となり、比完了のパーセンテージ%RATCOMPを計算する
ために命令ブロック442が実行される。慣性段階完了
ルーチンにおいて、決定ブロック444および446
は、IP TIMERのカウントが最大値MAXであるか否か、ま
たは項%RATCOMPがほぼ100%に等しいか否かを判定
するために実行される。決定ブロック444および44
6のいずれか一方に対する返答が肯定であれば、シフト
は完了しており、「SHIFT IN PROGRESS」フラグをリセッ
トし、オンになるデューティサイクルDC(ONC)を100
%に等しくなるように設定し、オフに向かうデューティ
サイクルDC(OFG)を0%に等しくなるように設定し、且
つ「POWER-OFF」フラグをリセットするために命令ブロッ
ク448が実行される。決定ブロック444および44
6に対する返答が共に否定である場合は、オンになる圧
力指令P(ONC)およびオフに向かう圧力指令P(OFG)をテー
ブルに従ったP、P、tおよびIP TIMERの値の関
数として決定するために命令ブロック450が実行され
る。「 POWER-OFF」フラグがセット状態でない場合、指令され
たシフトはパワーオン時シフトダウンであり、第9図お
よび第10図の丸で囲まれた数字1と、第10図および
第11図の丸で囲まれた文字A〜Dとにより指示される
ように、シフトを実行するために第10図および第11
図の流れ図が実行される。第10図の流れ図はシフトの
進行を監視し、シフトの異なる段階を設定するためのも
のであり、ここでは、シフト段階確定ルーチンと呼ばれ
る。4つのフラグー「A」、「B」、「C」および
「D」−はシフトのどの段階が実行されているかを識別
するために使用され、それらのフラグは、第2図のグラ
フで使用される文字A、B、CおよびDに対応する。第
11図(a)から第11図(d)の流れ図は、それぞ
れ、段階A〜Dの間の圧力指令P(ONC)およびP(OFG)を発
生する。
第10図の流れ図は、決定ブロック452において
「A」、「B」、「C」または「D」フラグがセット状
態にあるか否かを判定することにより開始される。フラ
グがセットされていなければ、シフトは指令されてお
り、「A」フラグをセットするために命令ブロック45
4が実行される。次に、オフに向かうクラッチング装置
のスリップにより生じる速度差、デルトNofgの符号が
負であり、且つその大きさが基準値−REFを超えるか否
かを判定するために決定ブロック456が実行される。
その返答が肯定であれば、パワーオン時シフトダウン制
御は不適切であり、「POWER-OFF」フラグをセットし、且
つ様々なタイマーをクリアするために命令ブロック45
8が実行され、そこでシフトをパワーオフ時シフトダウ
ンとして改めて開始することができる。
丸で囲まれた文字Aにより指示されるように、次に、第
2図のグラフbに関連して先に説明した通り、オフに向
かうクラッチング装置の漸次解放のための圧力指令P(OF
G)を決定するために、第11図(a)の流れ図が実行さ
れる。この流れ図に関して説明すると、命令ブロック4
60は、オフに向かうタイマーOFG TIMERを増分するた
めに実行される。次に、OFG TIMERのカウントが相対的
に長い時間基準Trefを超えるか否かを判定するために
決定ブロック462が実行される。返答が否定であれ
ば、シフトは正常に進行しており、オフに向かうクラッ
チング装置に対する圧力指令P(OFG)を第3図の所定のテ
ーブルからトルク変数TおよびOFG TIMERカウント
(t)の関数として決定するために、命令ブロック46
4が実行される。決定ブロック462に対する返答が肯
定である場合は、シフトを第9図のパワーオフ時ルーチ
ンによって実行すべきであると仮定され、シフトをパワ
ーオフ時シフトとして改めて開始することができるよう
に「POWER-OFF」フラグをセットし、且つ様々なタイマー
をクリアするために命令ブロック466が実行される。
「A」フラグがセット状態にある間は、「B」、「C」
または「D」フラグがセット状態にあるか否かを判定す
るために、第10図のシフト段階確定ルーチンの決定ブ
ロック468が実行される。決定ブロック468に対す
る返答が否定であれば、シフトはA段階にあり、オフに
向かうクラッチング装置のスリップにより生じる速度
差、デルタNofgを第1の基準値REFofgと比較するため
に、決定ブロック470が実行される。測定された速度
差が第1の基準値以下である場合、シフトA段階は依然
として適切であり、第11図(a)の流れ図が再び実行
される。測定された速度差が第1の基準値より大きい場
合は、「B」フラグをセットし且つOFG TIMERからのカ
ウントを項tabに記憶することによりA段階からB段階
への移行を行なうために命令ブロック472が実行され
る。丸で囲まれた文字Bにより指示されるように、次
に、第2図のグラフbおよびcに関連して先に説明した
通り、タービン速度Nが機関回転数Nに伴なって上
昇する間に、圧力指令P(OFG)を保持するために第11図
(b)の流れ図が実行される。
この流れ図に関して説明すると、命令ブロック474
は、圧力指令P(OFG)を第3図の所定のテーブルからトル
ク変数Tおよび記憶時間tabの関数として決定するた
めに実行される。次に、現在のタービン速度Nを先の
タービン度N(old)と比較するために決定ブロック4
76が実行される。現在のタービン速度が先のタービン
速度値以下である場合、シフトは所望の通りに進行して
おらず、1.0より小さい校正定数をKとしてP(OFG)=K
*P(OFG)と設定することにより、圧力指令P(OFG)をさら
に低下させるために命令ブロック478が実行される。
現在タービン速度Nが先のタービン速度N(old)を
超えるようになるまで、圧力指令P(OFG)は、さらにこの
ように繰返し低下される。現在タービン速度Nが先の
タービン速度N(old)を超えた時点で、命令ブロック
478の実行は流れ図線480により指示されるように
スキップされる。
「B」フラグがセット状態にある間は、「C」または
「D」フラグがセット状態にあるか否かを判定するため
に、第10図のシフト段階確定ルーチンの決定ブロック
482が実行される。決定ブロック482に対する返答
が否定であれば、シフトはB段階にあり、オンになるク
ラッチング装置のスリップを表わす速度差、デルタN
oncを第2の基準値REFoncと比較するために決定ブロッ
ク484が実行される。測定された速度差が第2の基準
値を超える場合、B段階は依然として適切であり、丸で
囲まれた文字Bにより指示されるように、第11図
(b)の流れ図が再び実行される。測定された速度差が
第2の基準値以下である場合は、「C」フラグをセット
し且つ遷移時のタービン速度Nを項Nbcに記憶するこ
とによりB段階からC段階への移行を行なうために命令
ブロック486が実行される。次に、丸で囲まれた文字
Cにより指示されるように、オンになるクラッチング装
置の充満を開始し、且つ第2図のグラフaからcに関連
して先に説明した通り、タービン速度をシフトダウンさ
れる速度比に関する目標速度よりわずかに高い値に保持
するように、オフになるクラッチング装置の圧力指令P
(OFG)を上昇させるために第11図(c)の流れ図が実
行される。
この流れ図に関して説明すると、命令ブロック488
は、開ループ項Pol、閉ループ項Pclおよび適応項Pad
に従って圧力指令P(OFG)を決定するために実行される。
開ループ項Polは、第3図のオフに向かう解放テーブル
の場合と同様に、所定のテーブルに従ってトルク変数T
および時間の関数として決定され;閉ループ項Pc1
は、タービン速度Nとシフトダウンされる速度比に関
する目標速度との差の関数として決定され;適応項Pad
はB段階とC段階との遷移時に命令ブロック486によ
り記憶されるタービン速度Nbcの関数として決定され
る。
次に、「FILL START」フラグがセットされているか否かを
判定するために決定ブロック490が実行される。第9
図のパワーオフ時シフトダウンルーチンに関連して説明
したように、「FILL START」フラグは当初はリセット状態
にあり、決定ブロック490に対する返答は否定とな
る。そのような場合、次に、第8図の命令ブロック40
0において計算された充満時間tfillが、所定の保持時
間tholdより短いか否かを判定するために、決定ブロッ
ク492が実行される。その返答が否定であれば、「FIL
L START」フラグをセットし、オンになるクラッチング装
置と関連するソレノイド弁のデューティサイクルDC(ON
C)を100%に設定し、且つFILL TIMERを始動すること
によりオンになるクラッチング装置の充満を開始するた
めに命令ブロック494が実行される。充満時間tfill
が保持時間tholdより短い場合は、HOLD TIMERを増分す
るために命令ブロック496が実行され、HOLD TIMERの
カウントが差(thold−tfill)以上であるか否かを判
定するために決定ブロック498が実行される。
決定ブロック498に対する返答が肯定であれば、前述
のように充満を開始するために命令ブロック494が実
行される。決定ブロック498に対する返答が否定であ
る場合は、充満は遅延される。
以上の説明から明白であるように、オンになるクラッチ
ング装置の充満はシフトのC段階の開始時に開始される
とは限らない。厳密には、充満の開始は所定の保持時間
holdに関連して、C段階の持続時間が少なくともt
holdと等しくなるように決定される。第2図のグラフc
に関連して先に説明したように、これは、タービン速度
を目標速度NtarよりC段階とD段階との遷移時だけわ
ずかに大きい値に確実に安定させるために行なわれる。
オンになるクラッチング装置の充満を開始するために命
令ブロック494が実行された後は、決定ブロック49
0に対する返答は肯定となり、FILL TIMERのカウントが
充満時間tfillと少なくとも等しいか否かを判定するた
めに決定ブロック500が実行される。その返答が肯定
であれば充満は完了しており、オンになるクラッチング
装置と関連するソレノイド弁のデューティサイクルを0
%に設定し、且つ「FILL COMP」フラグをセットするため
に命令ブロック502が実行される。充満が完了してい
ない場合は、流れ図線504により指示されるように命
令ブロック502の実行はスキップされる。
「C」フラグがセット状態である間は、「D」フラグが
セット状態であるか否かを判定するために、第10図の
シフト段階確定ルーチンの決定ブロック506が実行さ
れる。決定ブロック506に対する返答が否定であれ
ば、シフトはC段階にあり、「FILL COMP」フラグがセッ
トされているか否かを判定するために決定ブロック50
8が実行される。セットされていない場合、C段階は依
然として適切であり、丸で囲まれた文字Cにより指示さ
れるように、第11図(c)の流れ図が再び実行され
る。「FILL COMP」フラグがセットされている場合は、
「D」フラグをセットし、且つタービン速度Nと遷移
時の目標速度Ntarとの差を項デルタNに記憶するこ
とによりC段階からD段階への移行を行なうために、命
令ブロック510が実行される。このような速度差は、
圧力指令P(OFG)の適応項Padを第4図から第6図に関連
して先に説明したように調整するために使用される。次
に、丸で囲まれた文字Dにより指示されるように、オン
になるクラッチング装置を係合し、第2図のグラフaお
よびbに関連して先に説明した通り、その後に所定の時
間を経てオフに向かうクラッチング装置を解放するため
に、第11図(d)の流れ図が実行される。
第11図(d)の流れ図において、決定ブロック512
は、「ADAPTIVE」フラグがセット状態にあるか否かを判定
する。このフラグは、所定のシフトにおけるD段階ルー
チンの1回目の実行を識別するために使用される。当
初、「ADAPTIVE」フラグはセットされておらず、「ADAPTIV
E」フラグをセットし、ターピン速度誤差項Etsを差(デ
ルタNt-REFdiff)に従って計算し、先に第4図から第
6図に関連して説明したように適応点LおよびHを更新
し、且つDPHASE TIMERを始動するために命令ブロック
514が実行される。シフト中のその後のD段階ルーチ
ンの実行により「ADAPTIVE」フラグはセットされ、流れ図
線516により指示されるように命令ブロック514の
実行はスキップされる。次に、オンになるクラッチング
装置に関する圧力指令P(ONC)を、先に第2図のグラフa
に関連して説明したようにトルク変数Tと、D PHAS
E TIMERのカウントtの関数として決定するために命令
ブロック518が実行される。D PHASE TIMERのカウ
ントが基準遅延値tdelを超えたことが決定ブロック5
20において判定されると、オフに向かうクラッチング
装置に対する圧力指令を、式P(OFG)=P(OFG)*Kに従っ
て決定するために命令ブロック522が実行される、た
だし、Kは定数であり、K=K−Kである。D PHAS
E TIMERのカウントtがtdelを超えるまで、命令ブロッ
ク522の実行は、流れ図線524により指示されるよ
うにスキップされる。
「D」フラグがセット状態である間は、オンになるクラ
ッチング装置が完全に係合したか否かを判定するため
に、第10図のシフト段階確定ルーチンの決定ブロック
526が実行される。これは圧力指令P(ONC)をテーブル
に従った最終圧力Pと比較することにより判定されて
も良い。オンになるクラッチング装置が完全に係合した
後は、「A」、「B」、「C」および「D」フラグをリ
セットして、パワーオン時にシフトダウンルーチンを完
了するために、命令ブロック528が実行される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による方法を適用すべき自動車のコン
ピュータベースの電子伝動装置制御システムを概略的に
示す図、 第2図は、本発明に従ったパワーオン時シフトダウンの
進行中の自動車の機関および伝動装置の様々なパラメー
タを示すグラフ、 第3図から第6図は、本発明による方法においてオフに
向かうクラッチング装置に対する圧力指令P(OFG)の発生
に使用される項を示すグラフ、および 第7図から第11図は、本発明による方法における制御
機能を実行するために第1図のコンピュータベースの制
御システムにより実行される適切なプログラム命令を表
わす流れ図であり、第7図は主ループプログラムを示
し、第8図から第11図はパワーオン時シフトダウンに
関する圧力制御機能を示す図である。 〔主要部分の符号の説明〕 機関……12 伝動装置……14 クラッチング装置……28,30,32
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラリー ティー.ニッズ アメリカ合衆国.48098 ミシガン トロ イ レスデイル 225 (56)参考文献 特開 昭59−26650(JP,A) 特開 昭59−47552(JP,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動伝動装置(14)を介して自動車を駆
    動するように結合される機関(12)を含み、機関(1
    2)はスロットルを開くことにより出力トルクを発生す
    るように動作し、且つ伝動装置(14)は高速度比トル
    ク伝達機構および低速度比トルク伝達機構にそれぞれ対
    応して設けられた、流体圧力により動作自在なトルク伝
    達断続装置(28,30,32)を含み、トルク伝達断
    続装置(28,30,32)は機関トルクをそれぞれ対
    応する速度比トルク伝達機構を介して伝達するために選
    択的に係合自在である自動車において、スロットルが開
    いた状態でシフトダウンが必要とされるときに伝動装置
    を高速度比から低速度比へシフトダウンするようにトル
    ク伝達断続装置を動作させる、自動車の自動伝動装置に
    おけるクラッチ間パワーオン時シフトダウン方法であっ
    て、高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続
    装置(28,30,32)に供給される流体圧力を徐々
    に低下させ、該トルク伝達断続装置の伝達トルク容量を
    減少させることにより、機関回転速度を上昇できるよう
    にする過程と; 低速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続装置
    (28,30,32)が係合した場合にスムーズなシフ
    トダウンが達成されると考えられる機関回転速度に対応
    する目標速度(Ntar)まで、機関回転速度がほぼ上昇
    したとき、高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝
    達断続装置(28,30,32)に供給される流体圧力
    を、機関回転速度をほぼ前記目標速度(Ntar)に保持
    するように決定された保持値(Pdyn)まで上昇させる
    過程と; 順次、低速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達継
    続装置を係合し、高速度比トルク伝達機構に対応するト
    ルク伝達継続装置を解放する過程と; から成る方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の方法におい
    て、 高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続装置
    に供給される流体圧力の前記漸次低下を実行することに
    より、機関(12)に伝動装置入力速度の漸次上昇を実
    行させる第1の動作モード(A)を開始する過程と; 前記第1の動作モード(A)の間に実行される流体圧力
    の低下によって機関回転速度の著しい上昇が起こったと
    きに流体圧力の低下を停止し、それにより、機関回転速
    度がその漸次上昇速度を持続できるようにする第2の動
    作モード(B)を開始する過程と; 高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続装置
    に供給される流体圧力の前記上昇を実行し、機関回転速
    度を前記目標速度(Ntar)に関して決定される値にほ
    ぼ一定に保持するように第3の動作モード(C)を開始
    する過程と; 機関回転速度が目標速度に関して決定される値に少なく
    とも所定の時間だけ保持された後、低速度比トルク伝達
    機構および高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝
    達断続装置(28,30,32)に供給される流体圧力
    をそれぞれ上昇、低下させ、それにより、低速度比トル
    ク伝達機構に対応するトルク伝達断続装置の前記係合
    と、高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続
    装置の解放とを徐々に実行することによってシフトダウ
    ンを完了する第4の動作モード(D)を開始する過程
    と; から成ることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の方法におい
    て、 第1の動作モード(A)の間に機関回転速度の変化を監
    視し、その変化を高速度比トルク伝達機構に対応するト
    ルク伝達断続装置の入力側および出力側の回転速度差
    (Nofg)を示す第1の基準値(REFofg)と比較する
    過程と; 監視される機関回転速度の変化が第1の基準値(REF
    ofg)を超えたときに第2の動作モード(B)を開始す
    る過程と; をさらに含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項記載の方法におい
    て、 機関回転速度の上昇に伴なって増加するように、第1の
    基準値(REFofg)が機関回転速度の関数として決定
    される過程を含み、第1の基準値(REFofg)が増加
    することにより、第2の動作モード(B)の間に機関回
    転速度の変化速度が速まり、それにより、機関が高速回
    転しているときはシフトダウン時間が短縮されるように
    なっていることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第2項から第4の項のいず
    れか1項に記載の方法において、 第2の動作モード(B)の間に機関回転速度を目標速度
    (Ntar)に対して監視し、その差を低速度比トルク伝
    達機構に対応するトルク伝達断続装置の入力側および出
    力側の回転速度差を示す第2の基準値(REFonc)と
    比較する過程と; 前記機関回転速度と該目標速度との回転速度差が、該第
    2の基準値(REFonc)より小さいことが比較により
    指示されたときに第3の動作モード(C)を開始する過
    程と; をさらに含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項記載の方法におい
    て、 機関回転速度の上昇に伴なって増加するように、第2の
    基準値(REFonc)が機関回転速度の関数として決定
    される過程を含み、第2の基準値(REFonc)が増加
    することにより、第3の動作モード(C)をその他の場
    合に比べて早期に開始するようになっており、それによ
    り、機関が高速回転しているときはシフトダウン時間が
    短縮されるようになっていることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第2項から第6項のいずれ
    か1項に記載の方法において、 高速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続装置
    に供給される流体の圧力用の圧力指令(P(OFG))は、
    該トルク伝達断続装置を介して伝達されるトルクと、時
    間とに従属して通常は変更されるようになっており、 第2の動作モード(B)の開始時に、前記圧力指令は、
    時間より独立し、伝達トルクのみに関して従属的に決定
    され、その結果、第2の動作モードの間は機関回転速度
    が制御にしたがって上昇することを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第2項から第7項のいずれ
    か1項に記載の方法において、 前記トルク伝達断続装置に供給される流体圧力は、開ル
    ープ項(Pol)および閉ループ項(Pcl)に従って決定
    され、 該開ループ項(Pol)は、該トルク伝達断続装置を介し
    て伝達されるトルクと、時間との関数に基づき決定さ
    れ、 該閉ループ項(Pcl)は、機関回転速度と、前記目標速
    度(Ntar)との差の関数に基づき決定される過程を含
    むことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第8項に記載の方法におい
    て、 前記トルク伝達断続装置に供給される流体圧力は、更に
    適応項(Pad)にしたがって決定され、 該適応項(Pad)は、前記第2の動作モード(B)から
    前記第3の動作モード(C)への遷移時における機関回
    転速度の関数に基づき決定される過程を含むことを特徴
    とする方法。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第2項から第7項のいず
    れか1項に記載の方法において、 低速度比トルク伝達機構に対応するトルク伝達断続装置
    を係合する前記過程は、このトルク伝達断続装置に所定
    の充満時間だけ流体を供給することにより、このトルク
    伝達断続装置の係合動作準備を行なう充満段階と、この
    トルク伝達断続装置への流体の供給圧力を徐々に上げ、
    このトルク伝達断続装置に係合動作を起こさせる完了段
    階とからなり、 前記充満段階の完了時が前記第4の動作モード(D)の
    開始時と一致するように、低速度比トルク伝達機構に対
    応するトルク伝達断続装置の充満開始を調整することを
    特徴とする方法。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第2項から第10項のい
    ずれか1項に記載の方法において、 前記第1の動作モード(A)の時間を計測する過程と、 該計測された時間が基準時間(Tref)を超えた場合、
    前記第2、第3および第4の動作モード(B、C、D)
    に移行せずに、パワーオフ時シフト制御を行なう過程
    と、 を含むことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】特許請求の範囲第2項から第11項のい
    ずれか1項に記載の方法において、 前記第2の動作モード(B)中に機関回転速度(N
    を検出し、基準回転速度(Nt(old))と比較してそれよ
    り低い場合には、低速度比トルク伝達機構に対応するト
    ルク伝達断続装置への流体の供給圧力を低下させる過程
    を含むことを特徴とする方法。
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