JPH06201034A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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Publication number
JPH06201034A
JPH06201034A JP4361324A JP36132492A JPH06201034A JP H06201034 A JPH06201034 A JP H06201034A JP 4361324 A JP4361324 A JP 4361324A JP 36132492 A JP36132492 A JP 36132492A JP H06201034 A JPH06201034 A JP H06201034A
Authority
JP
Japan
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transmission
shift
line
pressure
main transmission
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Pending
Application number
JP4361324A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Kuriyama
実 栗山
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP4361324A priority Critical patent/JPH06201034A/ja
Publication of JPH06201034A publication Critical patent/JPH06201034A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H37/00Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00
    • F16H37/02Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings
    • F16H37/04Combinations of toothed gearings only
    • F16H2037/047Combinations of toothed gearings only comprising one or more orbital gear sets coaxial with a first shaft and having more than one drive connection to a second shaft parallel to the first shaft

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに独立して作動する主変速機と副変速機
とを備えた自動変速機において、主変速機と副変速機と
でギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われる変
速時に、変速動作に悪影響を及ぼさない範囲で変速ショ
ックを適切に防止するようにすることを目的とする。 【構成】 2−3変速時に、副変速機30のギヤ比進度
が主変速機20のギヤ比進度に対応した目標ギヤ比進度
となるように、副変速機30の直結クラッチ32に供給
する締結圧をフィードバック制御する。そして、フィー
ドバック制御の終了時に、1回のフィードバック制御の
全期間にわたって積算したフィードバック補正係数の積
算値をフィードバック回数で徐算して平均化し、その平
均値が所定の上限値と下限値との間に含まれるときに、
主変速機30の3−4ブレーキ28に供給する締結圧
を、副変速機30の変速動作が終了するタイミングで一
時的に低下させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、互いに独立して作動
する主変速機と副変速機とを備えた自動変速機の変速制
御装置、特に所定の変速時に主変速機と副変速機とでギ
ヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われる自動変
速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、エンジン出力が入力されるトルクコンバータと、該
コンバータの出力によって駆動される変速機構とを組み
合わせ、この変速機構の動力伝達経路をクラッチやブレ
ーキなどの複数の摩擦要素の選択的作動により切り換え
て、所定の変速段に自動的に変速するように構成したも
ので、この種の自動変速機においては、上記摩擦要素の
締結力が油圧によって制御されるようになっている。
【0003】ところで、この種の自動変速機において
は、例えば62−165050号公報に記載されている
ように、互いに独立して作動する2つの変速機を設け
て、これらの変速機を同時にまたは交互にシフトさせる
ことにより多段変速を行わせるようにしたものがある。
このような自動変速機においては、仮にメインの変速動
作を行う一方の変速機を主変速機とし、他方を副変速機
とすると、所定の変速時に主変速機と副変速機とでギヤ
比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われる場合があ
る。
【0004】このような場合、変速ショックの観点から
見れば、両変速機の変速動作が同期して開始、終了する
のが望ましいのであるが、現実には油圧のバラツキなど
により両変速機における変速動作のタイミングにズレが
生じることになる。その場合に、例えば副変速機の変速
動作が開始した後に主変速機の変速動作が開始したり、
副変速機の変速動作が終了する前に主変速機の変速動作
がしたりすると、例えばシフトダウン変速中に全体のギ
ヤ比がアップシフト方向に変化するなど、運転者に違和
感を感じさせることになる。そこで、このような場合に
は、主変速機が変速動作を行う間に、副変速機の変速動
作を開始、終了させるような変速制御が行われるのが通
例である。
【0005】しかし、上記のような変速制御を行わせる
と、車輪側にエンジン出力が伝達されている状態で変速
段をアップシフトさせる際に次のような問題を発生する
ことになる。
【0006】つまり、一般にシフトアップ変速時におけ
る変速動作は、基本的には新たな摩擦要素が締結するこ
とにより変速機構に制動力が作用して出力軸トルクが落
ち込む比較的時間の短いトルクフェーズと、変速機構の
各構成要素の回転調整により出力軸トルクが増大する比
較的時間の長いイナーシャフェーズとで構成される。そ
の場合に、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が互い
に逆方向の変速動作が同時に行われている場合における
イナーシャフェーズの出力軸トルクは、アップシフト方
向に作動する主変速機の回転低下により放出されるトル
クを、ダウンシフト方向に作動する副変速機で回転上昇
のために消費されるトルクを差し引いた値となる。した
がって、副変速機の変速動作が終了した後には、該副変
速機で消費されるトルクがなくなる分だけ出力軸トルク
が増大することになり、その移行時に出力軸トルクが急
変して、これが新たな変速ショックを惹起させることに
なる。
【0007】この問題に対しては種々の対策が試みられ
ているが、その対策のひとつとして上記公報にも開示さ
れているように、当該変速動作に関与する主変速機側の
摩擦要素に供給する締結圧を、副変速機の変速動作が終
了するタイミングで一時的に低下させることが考えられ
ている。これによれば、当該変速動作に関与する主変速
機側の摩擦要素のトルク伝達容量が少なくなって自動変
速機の伝達トルクが小さくなり、副変速機で消費される
トルクがなくなることにより相対的に増大する出力軸ト
ルクの増大分が打ち消されて上記変速ショックの低減が
期待される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように主変速機側の摩擦要素に供給する締結圧を無条件
で低下させるようにすると、次のような弊害を発生する
可能性がある。
【0009】つまり、例えば前進3段の変速段が設定さ
れた主変速機と、高低2段の変速段が設定された副変速
機とが組み合わされることにより前進5段の変速段が設
けられた自動変速機において、例えば2速から3速への
シフトアップ変速時に主変速機と副変速機とでギヤ比の
変化が逆方向の変速動作が同時に行われるものとする。
そして、この2−3シフトアップ変速時において、油圧
のバラツキなどにより、例えば図11の実線で示すよう
に、主変速機の変速動作が、副変速機の変速動作の終了
点よりもかなり遅れたタイミングで終了したとする。そ
の場合に、何もしなければ、副変速機の変速動作が終了
した後も変速動作を続行する主変速機から放出される慣
性トルクにより、図の矢印(a)で示すように出力軸ト
ルクが更に持ち上げられることになる。
【0010】これに対して、変速動作に関与する主変速
機側の摩擦要素に供給される締結圧を、例えば副変速機
の変速動作が終了するタイミングで所定量だけ低下させ
れば、同図の矢印(b)で示すように、出力軸トルクの
波形がフラットになって変速ショックが効果的に防止さ
れることにはなる。しかし、締結圧を低下させることに
より当該摩擦要素のトルク伝達容量が少なくなることか
ら、該摩擦要素がスリップしやすくなり、図の矢印
(c)で示すように主変速機の変速動作の進行がますま
す遅れるばかりでなく、過度のスリップにより当該摩擦
要素の耐久性を損なわせるおそれがある。
【0011】一方、図12に示すように、今度は主変速
機の変速終了点が副変速機の変速終了点に近づきすぎた
場合には、主変速機と副変速機とがほぼ同期しているこ
とから出力軸トルクの上昇量が小さいことに加えて、油
圧の応答遅れによって主変速機の変速動作が終了する時
点での油圧が低下しすぎることから、出力軸トルクが矢
印(d)で示すように落ち込みすぎて、走行フィーリン
グを悪化させたり、摩擦要素の耐久性を損なわせるおそ
れがある。
【0012】この発明は、互いに独立して作動する主変
速機と副変速機とを備えた自動変速機において、主変速
機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同
時に行われる変速時における上記の問題に対処するもの
で、変速動作に悪影響を及ぼさない範囲で変速ショック
を適切に防止するようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る自動変速機の
変速制御装置は、互いに独立して作動する主変速機と副
変速機とを備え、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化
が逆方向の変速動作が同時に行われる変速時に、少なく
とも主変速機の変速動作が終了する前に副変速機の変速
動作が終了するように副変速機側の摩擦要素に供給する
締結圧を制御する締結圧制御手段が設けられた自動変速
機において、上記所定の変速時において副変速機の変速
動作が終了するタイミングで主変速機側の摩擦要素に供
給される締結圧を低下させる締結圧低下手段と、副変速
機の変速動作が終了した時点から主変速機の変速動作が
終了するまでの時間差に関連する状態量を検出する状態
量検出手段と、該状態量検出手段によって検出された状
態量が予め設定された範囲を逸脱するときに上記締結圧
低下手段の作動を禁止する締結圧低下禁止手段とを設け
たことを特徴とする。
【0014】そして、本願の請求項2の発明(以下、第
2発明という)に係る自動変速機の変速制御装置は、互
いに独立して作動する主変速機と副変速機とを備え、主
変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作
が同時に行われる変速時に、少なくとも主変速機の変速
動作が終了する前に副変速機の変速動作が終了するよう
に、主変速機のギヤ比の変化に対応して副変速機側の摩
擦要素に供給する締結圧をフィードバック制御する締結
圧制御手段が設けられた自動変速機において、上記所定
の変速時において副変速機の変速動作が終了するタイミ
ングで主変速機側の摩擦要素に供給される締結圧を低下
させる締結圧低下手段と、副変速機の変速動作が終了し
た時点から主変速機の変速動作が終了するまでの時間差
に関連する状態量を検出する状態量検出手段と、該状態
量検出手段によって検出された状態量が予め設定された
範囲を逸脱するときに上記締結圧低下手段の作動を禁止
する締結圧低下禁止手段とを設けたことを特徴とする。
【0015】また、本願の請求項3の発明(以下、第3
発明という)に係る自動変速機の変速制御装置は、上記
第2発明の構成において、副変速機の変速動作が終了し
た時点から主変速機の変速動作が終了するまでの時間差
に関連する状態量として、フィードバック補正量の平均
値を採用したことを特徴とする。
【0016】
【作用】上記の構成によれば、次の作用が得られる。
【0017】すなわち、第1〜第3発明のいずれにおい
ても、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の
変速動作が同時に行われる変速時に、少なくとも主変速
機の変速動作が終了する前に副変速機の変速動作が終了
するように副変速機側の摩擦要素に供給する締結圧を制
御するようにしたものにおいて、上記所定の変速時にお
いて副変速機の変速動作が終了するタイミングで締結圧
低下手段を作動させることにより、主変速機側の摩擦要
素に供給される締結圧を低下させるようにしているの
で、副変速機の変速動作が終了した時点における出力軸
トルクの上昇が抑制されることになる。
【0018】特に、第1発明によれば、副変速機の変速
動作が終了した時点から主変速機の変速動作が終了する
までの時間差に関連する状態量が予め設定された範囲を
逸脱するときに、上記締結圧低下手段の作動を禁止する
ようにしているので、油圧を低下させることにより、主
変速機の変速動作の進行が遅れて変速時間が長くなった
り、変速終了時に出力軸トルクが落ち込みすぎたりする
ことが防止される。
【0019】そして、第2発明によれば、主変速機と副
変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行
われる変速時に、少なくとも主変速機の変速動作が終了
する前に副変速機の変速動作が終了するように、主変速
機のギヤ比の変化に対応して副変速機側の摩擦要素に供
給する締結圧をフィードバック制御するようにしたもの
において、副変速機の変速動作が終了した時点から主変
速機の変速動作が終了するまでの時間差に関連する状態
量が予め設定された範囲を逸脱するときに上記の作用が
得られることになる。
【0020】また、第3発明によれば、副変速機の変速
動作が終了した時点から主変速機の変速動作が終了する
までの時間差に関連する状態量として、フィードバック
補正量の平均値を採用したことにより、このフィードバ
ック補正量の平均値が上記時間差に精度良く対応するこ
とから、油圧を低下させる範囲を幅広く設定することが
可能となって、変速ショックを効果的に防止できる実益
がある。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0022】図1に示すように、この実施例に係る自動
変速機1は、トルクコンバータ10と、該トルクコンバ
ータ10と同一軸線上に配置された主変速機20と、こ
れらの軸線と平行な軸線上に配置された副変速機30と
を有する。
【0023】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつワンウェイクラッ
チ14を介して変速機ケース3に支持されたステータ1
5と、上記タービン13に連結されたコンバータ出力軸
16と、上記ケース11を介して該出力軸16をエンジ
ン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とで構
成されている。
【0024】なお、トルクコンバータ10と主変速機2
0との間には、該トルクコンバータ10を介してエンジ
ン出力軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されてい
る。
【0025】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上におけるトルクコンバータ側に配置されたフロント
遊星歯車機構21と、反トルクコンバータ側に配置され
たリヤ遊星歯車機構22とを有する。そして、上記コン
バータ出力軸16が、前進クラッチ23を介してフロン
ト遊星歯車機構21のサンギヤ21aに、また、直結ク
ラッチ24を介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ2
2aにそれぞれ結合されるようになっていると共に、フ
ロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aとリヤ遊星歯
車機構22のリングギヤ22bとが結合されている。
【0026】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウェ
イクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されていると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギ
ヤ22aと変速機ケース3との間には、第2ワンウェイ
クラッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置さ
れ、かつ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコース
トブレーキ29が配置されている。そして、フロント遊
星歯車機構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキ
ャリヤ21c,22cが結合され、これらに主変速機2
0から副変速機30へ動力を伝達する中間ギヤ5が連結
されている。
【0027】このような構成により、この主変速機20
によれば、上記前進クラッチ23、直結クラッチ24、
3−4ブレーキ28及びローリバースブレーキ26を選
択的に締結させることにより、前進の低速段、中速段及
び高速段と後退段とが得られることになる。
【0028】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリング
ギヤ31aに連結されていると共に、該リングギヤ31
aとサンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置
され、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウェイクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、該遊星歯車機構31
のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ7が連結され、該
ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。
【0029】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と高速段
の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力することができ
るようになっている。
【0030】つまり、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速
ブレーキ34によって遊星歯車機構31のサンギヤ31
bが固定されることにより、該遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに入力される中間ギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31cから出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより低速段が得られる。その場合に、上記減
速ブレーキ34が締結されておれば、この副変速機30
の単体として、エンジンブレーキが作動することにな
る。
【0031】また、上記直結クラッチ32が締結され、
かつ減速ブレーキ34が解放されておれば、該遊星歯車
機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結合
されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がピニオ
ンキャリヤ31cからそのまま出力ギヤ7に出力され、
これにより高速段(直結段)が得られることになる。
【0032】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては前進に
ついては6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、この実施例では、
前進変速段としては上記6段のうちの所定の5段を採用
するようになっている。
【0033】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用のレンジのみで締結されることを示す。
【0034】
【表1】 次に、上記表1に従って各クラッチ及びブレーキを選択
的に締結させることにより、運転状態もしくは運転者の
要求に応じた変速段を形成する油圧回路について説明す
る。
【0035】図2に示すように、この油圧回路40に
は、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧力
を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ4
1が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調整
されたライン圧が、メインライン42により、運転者に
よって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制御用
元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ44,
45,46とに供給されるようになっている。
【0036】これらのレデューシングバルブ44〜46
のうち、第1レデューシングバルブ44によって一定圧
に減圧された制御用元圧はライン47を介してモデュレ
ータバルブ48に供給されるようになっている。そし
て、このモデュレータバルブ48の制御ポート48aに
はデューティソレノイドバルブ49によって調整された
制御圧が供給され、このデューティソレノイドバルブ4
9のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間の比率)に応じて上記制御元圧からモデュレータ圧が
生成されると共に、このモデュレータ圧がライン50を
介して上記レギュレータバルブ41の第1増圧ポート4
1aに供給され、これにより、ライン圧が上記デューテ
ィ率に応じて増圧されるようになっている。その場合
に、上記デューティ率は例えばエンジンのスロットル開
度などに応じて設定さることにより、ライン圧が該スロ
ットル開度などに応じた値に調整されることになる。
【0037】なお、上記モデュレータ圧をレギュレータ
バルブ41の第1増圧ポート41aに供給するライン5
0には、デューティソレノイドバルブ49の周期的O
N,OFF動作に起因する油圧の脈動を抑制するための
第1アキュムレータ51が設置されている。
【0038】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N
(中立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とさ
れており、前進レンジでは、上記メインライン42を前
進ライン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞ
れ接続させるようになっている。
【0039】上記前進ライン52は、作動油の供給時と
排出時とで絞り量を異ならせたオリフィス54を介して
前進クラッチ23に導かれており、したがって、D,
3,2,1の各前進レンジでは、前進クラッチ23が常
時締結されることになる。その場合に、この前進ライン
52には、前進クラッチ23への締結圧の供給時におけ
るショックを緩和するための第2アキュムレータ55が
設置され、このアキュムレータ55に上記メインライン
42からライン56を介して背圧が供給されるようにな
っている。
【0040】ここで、副変速機30における直結クラッ
チ32の油圧室として受圧面積の異なる第1、第2油圧
室321,322が設けられており、これらの油圧室32
1,322に同一の締結圧が導入された場合に、受圧面積
の大きい第1油圧室321に導入された場合の方が第2
油圧室322に導入された場合より大きな締結力が得ら
れるようになっている。
【0041】また、減速ブレーキ34についても、受圧
面積の異なる第1、第2油圧室341,342が設けられ
ており、この場合においても、これらの油圧室341
342に同一の締結圧が導入された場合に、受圧面積の
大きい第1油圧室341に締結圧が導入された場合の方
が第2油圧室342に導入された場合より大きな締結力
が得られることになる。
【0042】そして、副変速機30における減速ブレー
キ34の受圧面積の大きな第1油圧室341に上記後退
ライン53が直接導かれており、したがって、Rレンジ
では、この第1油圧室341に導入されるライン圧によ
り、減速ブレーキ34が大きな締結力で締結されること
になる。なお、この後退ライン53からはレギュレータ
バルブ41の第2増圧ポート41bに通じるライン57
が分岐され、Rレンジでライン圧の調整値を高くするよ
うになっている。
【0043】一方、上記メインライン42、前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1、第2、第3シフトバルブ61,62,6
3と、副変速機30における変速用の第4、第5シフト
バルブ64,65とにライン圧が供給されるようになっ
ている。
【0044】これらのシフトバルブ61〜65は、いず
れも一端に制御ポート61a〜65aが設けられ、上記
第2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧
ライン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61
〜63の各制御ポート61a〜63aに、また、第3レ
デューシングバルブ46から導かれた制御用元圧ライン
67が副変速機用の第4、第5シフトバルブ64,65
の各制御ポート64a,65aにそれぞれ接続されてい
る。
【0045】上記制御用元圧ライン66,67には、第
1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が設置され
ている。これらのON−OFFソレノイドバルブ71〜
75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65の制御ポ
ート61a〜65a内をドレンさせるようになってお
り、したがって、各シフトバルブ61〜65のスプール
は、対応するON−OFFソレノイドバルブ71〜75
がONのときに図面上、左側に位置し、OFFのときに
右側に位置することになる。
【0046】そして、これらのソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せ、即ち各シフトバルブ61
〜65のスプールの位置の組合せに応じて、上記メイン
ライン42、前進ライン52もしくは後退ライン53か
ら各クラッチ及びブレーキに通じるラインが選択的に連
通され、これにより、前記表1に示すところに従って各
クラッチ及びブレーキが締結されて、1〜5速と後退速
とが得られることになる。その場合に、各クラッチ及び
ブレーキに供給される締結圧は、それぞれ次のようにし
て適正値に制御されるようになっている。
【0047】つまり、主変速機20における直結クラッ
チ24、コーストブレーキ29、ローリバースブレーキ
26及び3−4ブレーキ28については、ライン圧を減
圧して所定の締結圧に調整するためのコントロールバル
ブ76,77,78,79がそれぞれ備えられ、これら
のうち、コーストブレーキ用、ローリバースブレーキ用
及び3−4ブレーキ用のコントロールバルブ77,7
8,79については、制御ポート77a,78a,79
aに第1リニアソレノイドバルブ80によって調整され
た制御圧がライン81を介して供給されて、該制御圧に
応じて締結圧がそれぞれ制御されるようになっている。
【0048】また、直結クラッチ用コントロールバルブ
76の制御ポート76aには、ライン82によって直結
クラッチ24に供給される締結圧自体がワンウェイオリ
フィス83と第3アキュムレータ84とが設けられたラ
イン85を介して制御圧として供給され、このアキュム
レータ84の作動により該締結圧の立ち上がりが制御さ
れるようになっている。
【0049】なお、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0は、上記第1レデューシングバルブ44からライン4
7を介して供給される制御元圧をコントローラ(図3参
照)からの制御信号に応じて調整して、そのときの変速
段や運転状態に応じた制御圧を生成するようになってい
る。また、上記直結クラッチ用コントロールバルブ76
と、上記ローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
8の一端に設けられたポート76b,78bには、上記
後退ライン53から分岐された調圧動作禁止用ライン8
6がそれぞれ接続され、Rレンジで、これらのポート7
6b,78bにライン圧が供給されてスプールが図面
上、左側の位置に固定されることにより、該直結クラッ
チ用及びローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
6,78の調圧動作が阻止されるようになっている。さ
らに、3−4ブレーキ用コントロールバルブ79の一端
のポート79bには、コーストブレーキ29に締結圧が
供給されるときに、該締結圧がライン87を介して供給
されて、該コントロールバルブ79の調圧動作が制限さ
れるようになっている。
【0050】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0によって生成された制御圧は、ライン81を介してア
キュムレータ用コントロールバルブ88の制御ポート8
8aにも供給されるようになっている。このコントロー
ルバルブ88は、メインライン42からライン89を介
して供給されるライン圧を上記第1リニアソレノイドバ
ルブ80からの制御圧に応じて調整して、上記第3アキ
ュムレータ84及び第4アキュムレータ90用の背圧を
生成し、これをライン91によって両アキュムレータ8
4,90の背圧ポート84a,90aに供給するように
なっている。
【0051】一方、副変速機30における締結圧の制御
用として、直結クラッチ32の受圧面積の大きな第1油
圧室321及び受圧面積の小さな第2油圧室322に供給
される締結圧を調整する直結クラッチ用コントロールバ
ルブ101と、減速ブレーキ34の受圧面積の小さな第
2油圧室342に供給される締結圧を調整する減速ブレ
ーキ用コントロールバルブ102と、第2リニアソレノ
イドバルブ103とが備えられている。なお、減速ブレ
ーキ34の受圧面積の大きな第1油圧室341には、前
述のように、Rレンジでマニュアルバルブ43から後退
ライン53を介してライン圧が直接供給される。
【0052】上記第2リニアソレノイドバルブ103
は、メインライン42からライン圧が制御元圧として供
給され、これをコントローラからの制御信号に応じて調
整した上で、ライン104及び第5シフトバルブ65か
ら、ライン105もしくはライン106を介して減速ブ
レーキ用コントロールバルブ102の制御ポート102
aに供給し、もしくは直結クラッチ32の第1油圧室3
1に連通して該油圧室321の油圧を調整する。そし
て、上記減速ブレーキ用コントロールバルブ102は、
上記のようにして第2リニアソレノイドバルブ103で
生成された制御圧が制御ポート102aに供給されてい
るときに、メインライン42からライン107、第4シ
フトバルブ64、ライン108、第5シフトバルブ65
及びライン109を介して供給されるライン圧を上記制
御圧に応じて調整し、これをライン110を介して減速
ブレーキ34の第2油圧室342に供給する。
【0053】一方、直結クラッチ用コントロールバルブ
101には、メインライン42からライン107、第4
シフトバルブ64、ライン111を介してライン圧が供
給され、これを調整した上で、ワンウェイオリフィス1
12、ライン113及び第5シフトバルブ65から、上
記ライン106もしくはライン114を介して直結クラ
ッチ32の第1油圧室321もしくは第2油圧室322
選択的に供給するようになっている。
【0054】そして、この直結クラッチ用コントロール
バルブ101の制御ポート101aには、上記直結クラ
ッチ32の第1油圧室321もしくは第2油圧室322
供給される締結圧自体が、ワンウェイオリフィス115
及び第5アキュムレータ116が設けられたライン11
7を介して制御圧として供給されるようになっており、
したがって、上記締結圧は、第5アキュムレータ116
の作動により一定の棚圧状態を経て立ち上がることにな
る。なお、このアキュムレータ116の背圧ポート11
6aには、メインライン42からライン118を介して
背圧が供給されるようになっている。
【0055】そして、以上の構成の油圧回路40におい
て、第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5のON,OFFの組合せパターンは表2に示すように
なっており、これにより前進の1〜5速と後退速とが得
られるようになっている。ここで、表2中、(1)、
(2)はエンジンブレーキ用レンジでの1速及び2速を
示す。
【0056】
【表2】 次に、この表2に従って各ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜75のON,OFFの組合せと変速段との関係
を具体的に説明する。
【0057】まず、Dレンジなどで採用されるエンジン
ブレーキの作動しない1速では、主変速機20側では、
第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73が
ON,OFF,OFFの状態にあって、第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが左側、右側、右側にそ
れぞれ位置している。この状態では、前進ライン52か
ら分岐されたライン121が第1シフトバルブ61を介
してライン122に連通し、さらに第2シフトバルブ6
2を介してライン123に連通するが、このライン12
3は第3シフトバルブ63で遮断される。また、同じく
前進ライン52から分岐された他のライン124は第2
シフトバルブ62で、メインライン42から分岐された
ライン125は第1シフトバルブ61でそれぞれ遮断さ
れる。したがって、この場合は、前述のように、前進レ
ンジで常時締結される前進クラッチ23のみが締結され
た状態となり、主変速機20においてエンジンブレーキ
が作動しない低速段が得られる。
【0058】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42がライン107及び第4シフトバルブ64を
介してライン108に連通し、さらに、第5シフトバル
ブ65を介して減速ブレーキ用コントロールバルブ10
2に至るライン109に連通して、該コントロールバル
ブ102にライン圧が供給される。このとき、第2リニ
アソレノイドバルブ103で生成された制御圧がライン
104、第5シフトバルブ65及びライン105を介し
て減速ブレーキ用コントロールバルブ102の制御ポー
ト102aに供給されることにより、上記ライン圧が該
制御圧に応じて調整され、所定の締結圧とされた上で、
ライン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室3
2に供給され、該減速ブレーキ34が締結される。
【0059】また、直結クラッチ32は、第1油圧室3
1がライン106、第5シフトバルブ65、ライン1
13、直結クラッチ用コントロールバルブ101及びラ
イン111を介して第4シフトバルブ64のドレンポー
トに連通し、また、第2油圧室322が、ライン114
を介して第5シフトバルブ65のドレンポートに連通す
ることにより解放された状態にある。その結果、副変速
機30の変速段はエンジンブレーキが作動する低速段と
なり、自動変速機全体としては、エンジンブレーキの作
動しない1速となる。
【0060】また、1レンジや2レンジなどで採用され
るエンジンブレーキが作動する1速では、上記のエンジ
ンブレーキ非作動の1速に対して主変速機20における
第3ソレノイドバルブ73がONとなり、これに伴っ
て、第3シフトバルブ63のスプールが左側に位置す
る。したがって、この場合は、上記前進ライン52が、
その分岐ライン121、第1シフトバルブ61、ライン
122、第2シフトバルブ62、ライン123及び第3
シフトバルブ63を介してローリバースブレーキ用コン
トロールバルブ78に通じるライン126に連通し、該
コントロールバルブ78にライン圧が供給されることに
なる。
【0061】そして、このコントロールバルブ78に供
給されたライン圧は、第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して制御ポート78aに供給されて
いる制御圧に応じた締結圧に調整され、これがライン1
27を介してローリバースブレーキ26に供給される。
これにより、前進クラッチ23に加えて、ローリバース
ブレーキ26が締結され、主変速機20において、エン
ジンブレーキが作動する低速段が得られることになる。
そして、副変速機30においては、前述のエンジンブレ
ーキ非作動の1速の場合と同様に減速ブレーキ34が締
結されているから、自動変速機全体として、エンジンブ
レーキが作動する1速が得られる。
【0062】次に、Dレンジなどで採用されるエンジン
ブレーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジなどで
採用されるエンジンブレーキ作動の2速では、上記のエ
ンジンブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ作動
の1速の状態に対して副変速機30の変速段のみが変化
する。
【0063】つまり、副変速機30における第4ON−
OFFソレノイドバルブ74がONとなり、これに伴っ
て第4シフトバルブ64のスプールが左側に位置する。
したがって、メインライン42からライン107を介し
て第4シフトバルブ64に供給されているライン圧が該
第4シフトバルブ64からライン111を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ101に供給されると共
に、該コントロールバルブ101で立ち上がりを調整さ
れた上で、ライン113、第5シフトバルブ65及びラ
イン106を介して直結クラッチ32の第1油圧室32
1に供給されることになる。これにより、副変速機30
の変速段が高速段となり、その結果、自動変速機の全体
として、エンジンブレーキが作動しない2速或はエンジ
ンブレーキが作動する2速が得られることになる。
【0064】さらに、3速では、主変速機20におい
て、第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第
3シフトバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、
左側に位置することになる。この場合、まず、前進ライ
ン52からの一方の分岐ライン121が、第1シフトバ
ルブ61を介してライン128に連通し、さらに第3シ
フトバルブ63を介してコーストブレーキ用コントロー
ルバルブ77に通じるライン129に連通する。したが
って、該コントロールバルブ77にライン圧が供給さ
れ、これが第1リニアソレノイドバルブ80からライン
81を介して供給される制御圧に応じて所定の締結圧に
調整された上で、ライン130を介してコーストブレー
キ29に供給され、これにより該コーストブレーキ29
が締結される。
【0065】また、前進ライン52からの他方の分岐ラ
イン124が第2シフトバルブ62を介して3−4ブレ
ーキ用コントロールバルブ79に通じるライン131に
連通し、該コントロールバルブ79にライン圧を供給す
る。このコントロールバルブ79には、上記第1リニア
ソレノイドバルブ80からライン81を介して制御圧が
供給されると共に、上記コーストブレーキ29に供給さ
れている締結圧がライン87を介して制御圧として供給
され、これらの制御圧に応じて調整された締結圧がライ
ン132を介して3−4ブレーキ28に供給されること
になる。
【0066】その結果、主変速機20においては、前進
クラッチ23に加えて3−4ブレーキ28が締結され、
しかも上記コーストブレーキ29も締結されることによ
り、エンジンブレーキが作動する中速段が得られること
になる。
【0067】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速段がエンジンブレーキの作動する低速段に設定されて
いる。したがって、自動変速機の全体としては、所定の
減速比を有し、かつ、エンジンブレーキが作動する3速
が得られることになる。
【0068】そして、4速では、この3速の状態から副
変速機30における第4、第5ON−OFFソレノイド
バルブ74,75が共にONとなって、第4、第5シフ
トバルブ64,65のスプールが左側に位置し、これに
より、まず、前記の2速の場合と同様に、メインライン
42からライン107、第4シフトバルブ64、及びラ
イン111を介してライン圧が直結クラッチ用コントロ
ールバルブ101に供給され、該コントロールバルブ1
01で立ち上がりを調整され、所定の締結圧となって、
ライン113及び第5シフトバルブ65から、今度はラ
イン114を介して直結クラッチ32の第2油圧室32
2に供給されることになる。その結果、直結クラッチ3
2が締結されて副変速機30の変速段が高速段となる。
そして、主変速機20は上記の3速の場合と同様に中速
段に設定されているから、自動変速機全体としての変速
段は4速となる。
【0069】さらに、5速においては、主変速機20に
おける第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜
73がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位
置する。そのため、メインライン42から分岐されたラ
イン125が第1シフトバルブ61を介してライン13
3に連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を
介して直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じる
ライン134に連通し、したがって、該コントロールバ
ルブ76にライン圧が供給されることになる。そして、
このコントロールバルブ76によって調整された締結圧
がライン82によって直結クラッチ24に供給され、該
クラッチ24を締結させる。これにより、主変速機20
においては、前進クラッチ23と直結クラッチ24とが
締結されて、変速段が高速段となる。なお、この直結ク
ラッチ24の締結時には、第3アキュムレータ84の作
用により、締結圧が一定の棚圧状態を経て供給される。
【0070】一方、副変速機30は、前述の4速の場合
と同様に、第4、第5ON−OFFソレノイドバルブ7
4,75が共にONの状態にあって、変速段は高速段に
設定されており、その結果、自動変速機の全体としては
5速が得られることになる。
【0071】さらに、上記マニュアルバルブ43がRレ
ンジに操作された後退速においては、該マニュアルバル
ブ43を介して後退ライン53がメインライン42に連
通されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがい
ずれも右側に位置することになる。
【0072】そのため、まず、メインライン42から分
岐されたライン125が、前述の5速の場合と同様に、
第1シフトバルブ61を介してライン133に連通する
と共に、さらに、第3シフトバルブ63を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ76に通じるライン134
に連通し、したがって、該コントロールバルブ76にラ
イン圧が供給されることになる。この場合は、該コント
ロールバルブ76の一端のポート76bに、上記後退ラ
イン53からライン86を介してライン圧が供給され
て、該コントロールバルブ76のスプールが図面上、左
側に固定されることにより、上記ライン134から供給
されたライン圧は、減圧されることなくライン82を介
してそのまま直結クラッチ24に供給され、該直結クラ
ッチ24を高い締結圧で締結させる。
【0073】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス135
を有するライン136、第3シフトバルブ63及び前述
のライン126を介してローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78に連通して、上記のエンジンブレーキ
作動の1速の場合と同様に、該コントロールバルブ78
にライン圧を供給する。この場合、該コントロールバル
ブ78の一端のポート78bには、上記後退ライン53
から分岐されたライン86によってライン圧が導入され
ることにより、該コントロールバルブ78のスプールが
図面上、左側に固定される。そのため、上記ライン12
6によって供給されているライン圧は、該コントロール
バルブ78で調整されることなく、そのままローリバー
スブレーキ26に供給され、該ローリバースブレーキ2
6を高い締結圧で締結することになる。
【0074】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ26が締結さ
れ、後退段が得られる。そして、副変速機30において
は、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,7
5が共にOFFで、変速段がエンジンブレーキの作動す
る低速段に設定された状態にあり、減速比の大きな後退
速が得られる。
【0075】なお、上記ローリバースブレーキ26に締
結圧が供給される際には、上記ライン136からライン
137を介して第4アキュムレータ90に作動油が導入
されることにより、該締結圧が所定の棚圧状態を経て徐
々に立ち上がることになる。
【0076】以上の構成に加えて、この油圧回路40に
は、トルクコンバータ10内のロックアップクラッチ1
7を制御するためのロックアップ第1、第2シフトバル
ブ141,142と、ロックアップコントロールバルブ
143と、ロックアップ制御用のON−OFFソレノイ
ドバルブ144と、デューティソレノイドバルブ145
とが備えられて、ロックアップクラッチ17の締結、解
放制御と、該クラッチ17をスリップさせるスリップ制
御とが行われるようになっている。
【0077】そして、この油圧回路40に備えられたラ
イン圧調整用のデューティソレノイドバルブ49、変速
用の第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5、締結圧調整用の第1、第2リニアソレノイドバルブ
80,103、ロックアップ制御用のON−OFFソレ
ノイドバルブ144及びデューティソレノイドバルブ1
45は、図3に示すように、コントローラ160からの
制御信号によって制御されるようになっている。そし
て、このコントローラ160には、車速を検出するセン
サ161からの信号、エンジンのスロットル開度を検出
するセンサ162からの信号、及び運転者によって選択
されたシフト位置(レンジ)を検出するセンサ163か
らの信号などが入力され、これらの信号によって示され
る運転状態や運転者の要求に応じて上記各ソレノイドバ
ルブを制御するようになっている。
【0078】また、このコントローラ160には、主変
速機20の入力側の回転数を検出する第1回転センサ1
64と、主変速機20の出力側(副変速機30の入力
側)の回転数を検出する第2回転センサ165と、副変
速機30の出力側の回転数を検出する第3回転センサ1
66とが接続されている。
【0079】本実施例に係る自動変速機1は以上のよう
な構成であるが、この自動変速機1においては、2速状
態から3速への変速時及び3速状態から2速への変速時
においては、上記表1に示すところに従って、それぞれ
主変速機20と副変速機30とでギヤ比の変化が逆方向
の変速動作が同時に行われることになる。例えば2−3
変速時においては、主変速機20においては3−4ブレ
ーキ28が締結されて、変速段が低速段から中速段にア
ップシフトすると同時に、副変速機30においては、直
結クラッチ32が解放し、かつ減速ブレーキ34が締結
して、変速段が高速段から低速段にダウンシフトするこ
とになる。その場合に、この実施例においては、両変速
機20,30における変速動作を互いに適切な関係を保
ちながら進行させるために、主変速機20のギヤ比の減
少に対応して副変速機30のギヤ比が増大するように、
主変速機20のギヤ比に基づいて副変速機30の直結ク
ラッチ32の締結圧をフィードバック制御するようにな
っているのであるが、この2−3変速制御は、具体的に
は図4〜図6に示すフローチャートに従って次のように
行われることになる。
【0080】すなわち、コントローラ160は、図4の
フローチャートにおけるステップS1で各種信号を読み
込んだ上で、ステップS2で変速指令が2−3変速指令
か否かを判定し、2−3変速指令であるときにはステッ
プS3に進んでタイマの計時動作をスタートさせると共
に、ステップS4を実行して第1リニアソレノイドバル
ブ80によって制御される主変速機側の第1油圧P1
して学習締結圧PGをセットした上で、ステップS5で
第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75
を、ON,ON,OFF,OFF,ONの状態にセット
する。
【0081】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61,63のスプールが、それぞれ左
側、左側、右側に位置することになって、前進ライン5
2のライン圧が、第2シフトバルブ62及びライン13
1を介して3−4ブレーキ用コントロールバルブ79に
供給されると共に、上記第1油圧P1となるように第1
リニアソレノイドバルブ80によって調圧された締結圧
が、ライン132を介して3−4ブレーキ28に供給さ
れることにより、該3−4ブレーキ28の締結動作が開
始する。
【0082】一方、副変速機30においては、第5シフ
トバルブ65のスプールが左側に位置することになっ
て、直結クラッチ32の第1油圧室321が、ライン1
06及びライン104を介して第2リニアソレノイドバ
ルブ103に連通することになる。
【0083】そして、コントローラ160は、ステップ
S6に進んで、第1、第2回転センサ164,165か
らの信号に基づいて主変速機20のギヤ比進度(以下、
主変ギヤ比進度という)RMを算出すると共に、ステッ
プS7で上記主変ギヤ比進度RMが所定のフィードバッ
ク制御開始判定値RM0(例えば5%)を超えたか否かを
判定して、YESと判定したときにステップS8に進ん
で、上記第2リニアソレノイドバルブ103によって制
御される副変速機側の第2油圧P2として、後述するよ
うに学習補正された初期締結圧P0をセットし、この初
期締結圧P0が実現されるように第2リニアソレノイド
バルブ103に制御信号を出力する。
【0084】ここで、ギヤ比進度は、例えば主変速機2
0の変速途中における現実のギヤ比から変速前のギヤ比
を差し引いた値を、変速後の目標ギヤ比から変速前のギ
ヤ比を差し引いた値で徐算した値を百分率で示した数値
であって、この場合、変速開始前の低速段においてはギ
ヤ比進度が0%となり、変速終了後の中速段においては
ギヤ比進度が100%となる。
【0085】次いで、コントローラ160は図5のフロ
ーチャートのステップS9に進んで上記第2、第3回転
センサ165,166からの信号に基づいて副変速機3
0のギヤ比進度(以下、副変ギヤ比進度という)RS
算出して、ステップS10でこの副変ギヤ比進度RS
所定のフィードバック制御終了判定値RSE(例えば10
0%)よりも小さいか否かを判定する。そして、コント
ローラ160は上記副変ギヤ比進度RSがフィードバッ
ク制御終了判定値RSEよりも小さいと判定したときに
は、ステップS11に進んで副変速機30の目標ギヤ比
進度RSTに対する現実のギヤ比進度RSの偏差量△R
S(以下、ギヤ比進度偏差量という)を算出すると共
に、ステップS12で算出したギヤ比進度偏差量△RS
に基づいてフィードバック補正係数KFBを設定した後、
ステップS13でこのフィードバック補正係数KFBを上
記初期締結圧P0に乗算することにより第2油圧P2をフ
ィードバック補正する。
【0086】つまり、コントローラ160は、図7に示
すように予め主変ギヤ比進度をパラメータとして設定し
た副変速機30の目標ギヤ進度RSTのマップに、現実の
主変ギヤ比進度RMを照らし合わせて対応する目標ギヤ
進度RSTを読み出し、その目標ギヤ進度RSTから現実の
副変ギヤ比進度RSを減算することにより上記ギヤ比進
度偏差量△RSを算出する。そして、このギヤ比進度偏
差量△RSを、図8に示すように予め上記ギヤ比進度偏
差量をパラメータとして設定したフィードバック補正係
数のマップに当てはめて、対応する値をフィードバック
補正係数KFBとして設定するのである。ここで、上記フ
ィードバック補正係数のマップは、ギヤ比進度偏差量△
Sが0のとき、つまり副変ギヤ比進度RSが目標ギヤ比
進度RSTと一致するときにはフィードバック補正係数K
FBが1となるように設定されていると共に、該ギヤ比進
度偏差量△RSが0からプラス方向に増大するに伴って
フィードバック補正係数KFBが1から次第に減少し、ま
た該ギヤ比進度偏差量△RSが0からマイナス方向に減
少するに伴ってフィードバック補正係数KFBが1から次
第に増加するように設定されている。つまり、副変速機
30の変速動作が主変速機20よりも相対的に進みすぎ
て、現実の副変ギヤ比進度RSが目標ギヤ比進度RST
りも大きくなるときには、直結クラッチ32の解放動作
を遅らせるためにフィードバック補正係数KFBが1以上
の値に設定され、逆に副変速機30の変速動作が主変速
機20よりも相対的に遅れすぎて、現実の副変ギヤ比進
度RSが目標ギヤ比進度RSTよりも小さくなるときに
は、直結クラッチ32の解放動作を進めるためにフィー
ドバック補正係数KFBが1以下の値に設定されることに
なる。
【0087】続いて、コントローラ160はステップS
14を実行して、フィードバック制御信号の出力回数を
カウントする出力カウンタのカウント値Cをインクリメ
ントすると共に、ステップS15でフィードバック補正
係数KFBをフィードバック補正係数積算値IFBの前回値
に加算してステップS9に戻り、ステップS9〜S15
のループ処理を実行する。したがって、1ループごとに
上記出力カウンタのカウント値Cが1ずつ増加すると共
に、フィードバック補正係数積算値IFBもフィードバッ
ク補正係数KFBの値に応じて増加することになる。
【0088】そして、コントローラ160は上記ステッ
プS10において、副変ギヤ比進度R Sが上記フィード
バック制御終了判定値RSEよりも小さくないと判定した
ときに上記ループ処理から抜け出してステップS16へ
移り、フィードバック補正係数積算値IFBを上記出力カ
ウンタのカウント値Cで徐算することによりフィードバ
ック補正係数平均値AFBを算出すると共に、ステップS
17で該平均値AFBが所定の上限値αと下限値βとの間
に含まれるか否かを判定し、YESと判定したときにス
テップS18に進んで学習締結圧PGから所定値PDを減
算した値を第1油圧P 1としてセットする。これによ
り、3−4ブレーキ28に供給される締結圧が低下する
ことになる。
【0089】また、コントローラ160はステップS1
9を実行して、上記フィードバック補正係数平均値AFB
に1を加算した結果を学習補正係数の前回値に乗算した
値を今回値に置き換えることにより学習補正係数Gを更
新すると共に、ステップS20を実行して初期締結圧P
0の前回値に、ステップS19で更新した学習補正係数
Gと所定の安全係数Sとを乗算することにより初期締結
圧P0を学習補正した上で、ステップS21,S22で
上記カウント値Cとフィードバック補正数積算値IFB
をそれぞれリセットした後、ステップS23で第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75を、ON,
ON,OFF,OFF,OFFの状態にセットする。こ
れにより、副変速機30における第5シフトバルブ65
のスプールが右側に位置することになって、ライン10
7、第4シフトバルブ64及びライン108を介して第
5シフトバルブ65に供給されていたライン圧が、ライ
ン109、減速ブレーキ用コントロールバルブ109及
びライン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室
342に締結圧として供給されることになる。
【0090】そして、コントローラ160は、図6のフ
ローチャートのステップS24に進んで、タイマの計時
動作を停止した上で、ステップS25で該タイマのタイ
マ値Tから主変速機20の目標変速時間T0を減算した
差分が所定値γよりも大きいか否かを判定して、YES
と判定したときにはステップS26に移って学習締結圧
Gを所定量△Pだけ増圧補正した後、ステップS27
で上記タイマ値Tをリセットする。一方、上記ステップ
S25においてNOと判定したときには、ステップS2
8で今度は主変速機20の目標変速時間T0から上記タ
イマのタイマ値Tを減算した差分が所定値γよりも大き
いか否かを判定して、YESと判定したときにはステッ
プS29に移って学習締結圧PGを所定量△Pだけ減圧
補正する。
【0091】次いで、コントローラ160は再度主変ギ
ヤ比進度RMを算出して、そのギヤ比進度RMが所定の主
変速機変速終了判定値RM2(例えば100%)に到達し
たときに第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71
〜75を、OFF,ON,ON,OFF,OFFの状態
にセットすると共に、フィードバック補正係数係数平均
値AFBをリセットする(ステップS30〜S33)。
【0092】つまり、主変速機20においては、第1〜
第3シフトバルブ61〜63の各スプールが、それぞれ
右側、左側、左側に位置することになって、前進ライン
52のライン圧が、ライン121、第1シフトバルブ6
1、ライン128、第2シフトバルブ63及びライン1
29を介してコーストブレーキ用コントロールバルブ7
7に供給され、これが第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して供給される制御圧に応じて所定
の締結圧に調整された上で、ライン130を介してコー
ストブレーキ29に供給されることになる。
【0093】次に、この実施例の作用を説明する。
【0094】図9に示すように、例えば車速の上昇によ
る2−3変速指令が出力されると、主変速機20の3−
4ブレーキ28に学習締結圧P0が供給されて、該ブレ
ーキ28の締結動作が開始されることになる。そして、
主変速機20のギヤ比の減少が進行して主変ギヤ比進度
Mがフィードバック制御開始判定値RM0を超えた時点
で、副変速機30における直結クラッチ32の第2油圧
室322の締結圧が初期締結圧P0にまで減圧された後、
コントローラ160の作動による直結クラッチ32の締
結圧のフィードバックが開始される。これにより、主変
速機20のギヤ比の減少の進行に逆方向に対応して副変
速機30のギヤ比が増大することになる。この間に、1
回フィードバック制御が行われるごとに上記カウント値
Cがインクリメントされると共に、その際に算出される
フィードバック補正係数KFBが積算されることになる。
【0095】変速動作が更に進んで副変ギヤ比進度RS
が上記フィードバック制御終了判定値RSEに到達した時
点で、直結クラッチ32の締結圧のフィードバック制御
が停止されると同時に、減速ブレーキ34の第2油圧室
342への締結圧の供給が開始されることになる。
【0096】そして、フィードバック制御が停止した直
後に、前述したようにフィードバック補正係数積算値I
FBを上記出力カウンタのカウント値Cで徐算することに
よりフィードバック補正係数平均値AFBが算出されるの
であるが、その際に、フィードバック補正係数積算値I
FBの最終積算値が、フィードバック補正係数KFBが1に
対応するフィードバック補正係数積算値の最終積算値よ
りも大きいときには、フィードバック補正係数平均値A
FBは1よりも大きくなる。したがって、学習補正係数G
は前回値よりも大きくなり、それに伴って次回の2−3
変速時における初期締結圧P0は今回よりも大きくな
る。
【0097】ここで、上記フィードバック補正係数平均
値AFBが上、下限値α,βの間に含まれるときには、副
変速機30の変速動作が終了するタイミングで3−4ブ
レーキ28に供給される締結圧が低下することになるの
で、該3−4ブレーキ28のトルク伝達容量が少なくな
り、副変速機30で消費されるトルクがなくなることに
よって相対的に増大する出力軸トルクの増大分が打ち消
されて変速ショックの発生が回避される。
【0098】なお、上記主変ギヤ比進度RMが主変速機
変速終了判定値RMEに到達した時点で、コーストブレー
キ29に対する締結圧の供給が開始される。
【0099】一方、副変速機30の変速動作の進行が早
すぎてフィードバック制御が追従しきれず、図10に示
すように副変速機30のギヤ比が早期に目標ギヤ比に収
束するときには、それに伴ってフィードバック補正係数
平均値AFBも増大することになる。その場合に、該平均
値AFBが上限値αよりも大きいときには、主変速機20
における3−4ブレーキ28に供給される締結圧が、副
変速機30の変速動作が終了した時点で低下されないこ
とになる。これにより、3−4ブレーキ28のトルク伝
達容量が不足することがなくなり、主変速機20の変速
動作が遅れて変速時間が徒に長くなることが回避される
ことになる。なお、この場合、副変速機30の変速動作
が終了した時点で出力軸トルクが若干持ち上げられるこ
とになるが、変速時間の長期化による変速フィーリング
の悪化に比べて許容できるものである。
【0100】また、上記フィードバック補正係数平均値
FBが下限値βよりも小さいときにも、3−4ブレーキ
28に対して供給される締結圧が、副変速機30の変速
動作が終了した時点で低下されないことになる。これに
より、仮に副変速機30の変速動作が終了するタイミン
グと主変速機の変速動作が終了するタイミングとが近づ
きすぎたとしても、主変速機20の変速動作が終了した
時点で出力軸トルクが落ち込みすぎることがない。
【0101】そして、実施例のように副変速機30の学
習補正に用いるフィードバック補正係数平均値AFBを、
副変速機30の変速動作が終了した時点から主変速機2
0の変速動作が終了するまでの時間差に関連する状態量
として採用することにより、このフィードバック補正係
数平均値AFBが上記時間差に精度良く対応することか
ら、上記上、下限値α,βの範囲を幅広く設定すること
が可能となって、副変速機30の変速動作が終了した後
の変速ショックを効果的に防止できる実益がある。
【0102】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、互いに独
立して作動する主変速機と副変速機とを備えた自動変速
機において、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆
方向の変速動作が同時に行われる変速時に、少なくとも
主変速機の変速動作が終了する前に副変速機の変速動作
が終了するように副変速機側の摩擦要素に供給する締結
圧を制御するように場合に、上記所定の変速時において
副変速機の変速動作が終了するタイミングで主変速機側
の摩擦要素に供給される締結圧を低下させるようにして
いるので、副変速機の変速動作が終了した時点における
出力軸トルクの上昇が抑制されることになる。
【0103】また、副変速機の変速動作が終了した時点
から主変速機の変速動作が終了するまでの時間差に関連
する状態量が予め設定された範囲を逸脱するときには、
主変速機側の摩擦要素に供給される締結圧を低下させな
いようにしているので、締結圧を低下させることによ
り、主変速機の変速動作の進行が遅れて変速時間が長く
なったり、変速終了時に出力軸トルクが落ち込みすぎた
りすることが防止される。
【0104】そして、副変速機の変速動作が終了した時
点から主変速機の変速動作が終了するまでの時間差に関
連する状態量としてフィードバック補正量の平均値を採
用することにより、このフィードバック補正量の平均値
が上記時間差に精度良く対応することから、締結圧を低
下させる範囲を幅広く設定することが可能となって、変
速ショックを効果的に防止できる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 自動変速機の油圧回路を示す回路図である。
【図3】 図2の油圧回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図4】 2−3変速制御の1部を示すフローチャート
図である。
【図5】 2−3変速制御の1部を示すフローチャート
図である。
【図6】 2−3変速制御の1部を示すフローチャート
図である。
【図7】 上記変速制御に用いる主変速機のギヤ比進度
と副変速機の目標ギヤ比進度との関係を示す特性図であ
る。
【図8】 該制御で用いる副変速機のギヤ比進度偏差量
とフィードバック補正係数との関係を示す特性図であ
る。
【図9】 フィードバック補正係数の平均値が適正な場
合の作用を示すタイムチャート図である。
【図10】 フィードバック補正係数の平均値が異常な
場合の作用を示すタイムチャート図である。
【図11】 主変速機の変速動作が終了するタイミング
と主変速機の変速動作が終了するタイミングとが離れす
ぎている場合の問題点を示すタイムチャート図である。
【図12】 主変速機の変速動作が終了するタイミング
と主変速機の変速動作が終了するタイミングとが近すぎ
ている場合の問題点を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 自動変速機 20 主変速機 28 3−4ブレーキ 30 副変速機 32 直結クラッチ 40 油圧回路 160 コントローラ 164 第1回転センサ 165 第2回転センサ 166 第3回転センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに独立して作動する主変速機と副変
    速機とを備え、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が
    逆方向の変速動作が同時に行われる変速時に、少なくと
    も主変速機の変速動作が終了する前に副変速機の変速動
    作が終了するように副変速機側の摩擦要素に供給する締
    結圧を制御する締結圧制御手段が設けられた自動変速機
    の変速制御装置であって、上記所定の変速時において副
    変速機の変速動作が終了するタイミングで主変速機側の
    摩擦要素に供給される締結圧を低下させる締結圧低下手
    段と、副変速機の変速動作が終了した時点から主変速機
    の変速動作が終了するまでの時間差に関連する状態量を
    検出する状態量検出手段と、該状態量検出手段によって
    検出された状態量が予め設定された範囲を逸脱するとき
    に上記締結圧低下手段の作動を禁止する締結圧低下禁止
    手段とが設けられていることを特徴とする自動変速機の
    変速制御装置。
  2. 【請求項2】 互いに独立して作動する主変速機と副変
    速機とを備え、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が
    逆方向の変速動作が同時に行われる変速時に、少なくと
    も主変速機の変速動作が終了する前に副変速機の変速動
    作が終了するように、主変速機のギヤ比の変化に対応し
    て副変速機側の摩擦要素に供給する締結圧をフィードバ
    ック制御する締結圧制御手段が設けられた自動変速機の
    変速制御装置であって、上記所定の変速時において副変
    速機の変速動作が終了するタイミングで主変速機側の摩
    擦要素に供給される締結圧を低下させる締結圧低下手段
    と、副変速機の変速動作が終了した時点から主変速機の
    変速動作が終了するまでの時間差に関連する状態量を検
    出する状態量検出手段と、該状態量検出手段によって検
    出された状態量が予め設定された範囲を逸脱するときに
    上記締結圧低下手段の作動を禁止する締結圧低下禁止手
    段とが設けられていることを特徴とする自動変速機の変
    速制御装置。
  3. 【請求項3】 副変速機の変速動作が終了した時点から
    主変速機の変速動作が終了するまでの時間差に関連する
    状態量が、フィードバック補正量の平均値であることを
    特徴とする請求項2に記載の自動変速機の変速制御装
    置。
JP4361324A 1992-12-28 1992-12-28 自動変速機の変速制御装置 Pending JPH06201034A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018091360A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 トヨタ自動車株式会社 車両の変速制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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