JP2008025634A - 自動変速機の変速制御装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 クラッチの掛け替えを要する変速時であって、変速機の入力部材について開放側クラッチの開放に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが同方向になる変速時において、まず、変速後の入力部材の回転速度に基づく目標値で開放側クラッチの回転を制御しながら、変速機のイナーシャを吸収する制御を行ない、その後、入力部材回転速度を上記目標値に維持できるように、変速機の総伝達トルクを求め、開放側クラッチのトルク分担を漸減させ、締結側クラッチのトルク分担を漸増させて、これに基づいて摩擦係合要素の各係合制御量を調整し、クラッチの掛け替えを行なう。
【選択図】 図1
Description
特許文献1に記載された技術は、摩擦係合要素の油圧サーボへの油圧を制御して、変速時のショックを軽減する技術である。この技術では、図15に示すように、開放から係合へ切り替えられる係合側の摩擦係合要素について、入力トルクに応じて、イナーシャフェーズ開始時の目標油圧PTAを算出し、該目標油圧と予め設定された所定時間tTAとにより、所定勾配が算出され、該勾配による第1のスイープアップにより油圧を上昇させる。油圧が目標油圧PTAになる時点で入力回転数が所定変化量となる際の目標回転変化率に基づき比較的緩やかな勾配δPTAが設定され、該勾配による第2のスイープアップにより油圧を上昇させる。入力回転の回転数変化ΔNが、入力軸回転数センサにて検知され得る回転変化開始判定回転数dNSになると、入力回転数変化を見ながら、所定勾配にて油圧がフィードバック制御される。更に、目標変速開始時間及び目標変速開始時における回転数変化率を計測して、目標油圧PTA,第2のスイープ部の勾配δPTA及び目標変速開始時間taimが学習補正される。
このような開放側油圧PAの制御と同時に、係合側油圧PBを所定勾配で上昇させ、これにより係合側実油圧を徐々に上昇させて係合側摩擦係合要素のトルク容量を徐々に増加させる。
また、上記摩擦係合要素制御手段は、上記準備段階制御では、上記目標値設定手段により、上記第1摩擦係合要素の出力回転速度と上記変速前目標差回転差とから上記第1摩擦係合要素の入力回転速度の目標値である第1目標回転速度を設定し、上記第1の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第1目標回転速度に漸近するように、上記第1摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御し、上記イナーシャ制御では、上記目標値設定手段により、上記第2摩擦係合要素の出力回転速度と上記変速後目標差回転差とから上記第2摩擦係合要素の入力回転速度の目標値である第2目標回転速度を設定し、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第2目標回転速度に漸近するように、上記第2摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御し、上記掛け替え制御では、上記目標値設定手段により上記第2目標回転速度を設定し、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第2目標回転速度を維持するように、上記第2摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御し、上記終了段階制御では、上記目標値設定手段により、上記第2摩擦係合要素の出力回転速度から上記第2摩擦係合要素の入力回転速度の目標値である第3目標回転速度を設定し、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第4目標回転速度に漸近するように、上記第2摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御することが好ましい(請求項5)。この場合、差回転ではなく回転速度に着目して制御することで、回転速度を確実に管理して制御することができる。
また、上記入力部材の回転速度,上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度,及び変速比のいずれかを制御パラメータとし、上記目標値設定手段は、上記制御パラメータの変速前の値から変速後の値までの目標値の軌跡を作成し、上記摩擦係合要素制御手段は、上記第2の摩擦係合要素の差回転を制御するに際して、上記制御パラメータの計測値を、作成された上記制御パラメータの目標値軌跡に追従させる軌跡追従制御により上記第2の摩擦係合要素を制御することが好ましい(請求項9)。これにより、好みの変速速度や変速時間で制御を実施することが可能になる。
また、上記摩擦係合要素制御手段は、上記の第1及び第2の摩擦係合要素のそれぞれに設定した上記個別伝達トルク容量に、上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各々の構造上から設定される分担率分を補正し、この補正した個別伝達トルク容量から上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量を設定することが好ましい(請求項15)。これにより、各摩擦係合要素の係合制御量をより適切に設定することができる。
さらに、上記摩擦係合要素制御手段は、上記の各伝達トルク容量から上記の各係合制御量を設定するにあたって、対象となる摩擦係合要素の締結開始初期油圧を用いることが好ましい(請求項17)。これにより、摩擦係合要素の締結開始初期油圧分を補正して、各係合制御量をより精度良く設定することができる。
この場合、上記摩擦係合要素制御手段は、変速段の掛け替え完了後は、上記第4制御を維持することが好ましい(請求項20)。これにより、変速時と共通の変速ロジックで、非変速時の制御を実施することができる。
本発明の自動変速機の変速制御方法は、変速段に応じて複数の摩擦係合要素の何れかを係合させてエンジンからの入力部材に入力された回転を適宜変速して出力する自動変速機において変速段を切り替える変速制御時に、第1の摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える、自動変速機の変速制御方法において、上記第1の摩擦係合要素又は上記第2の摩擦係合要素における入出力間の回転速度差の目標値である目標差回転を設定する第1ステップと、上記目標差回転を得るために要求される上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定する第2ステップと、上記第1及び第2の摩擦係合要素における伝達トルク容量の配分比を設定する第3ステップと、上記第2ステップにより算出又は推定された上記総伝達トルク容量と上記第3ステップにより設定された上記配分比とに基づいて上記の各摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を設定してこの設定した個別伝達トルク容量に基づいて上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量を調整する第4ステップと、をそなえ、上記第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる上記入力部材の回転変化と変速制御の結果生じる上記入力部材の回転変化とが同方向になる特定変速制御時には、まず、上記第1ステップにより、上記エンジンからの入力回転速度が変速前の変速比に応じた第1回転速度から変速後の変速比に応じた第2回転速度に変化するように上記第2の摩擦係合要素の上記目標差回転である変速後目標差回転を設定し、上記第2ステップにより、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記第3ステップにより、上記第1の摩擦係合要素に上記総伝達トルク容量を全て配分するように配分比を設定するイナーシャ制御(イナーシャフェーズ)を行ない、次いで、上記第1ステップにより、上記エンジンからの入力回転速度が変速前の変速比に応じた第1回転速度から変速後の変速比に応じた第2回転速度に変化するように上記第2の摩擦係合要素の上記目標差回転である変速後目標差回転を設定し、上記第2ステップにより、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記第3ステップにより、上記第1の摩擦係合要素の配分比は漸減し上記第2の摩擦係合要素の配分比は漸増するように、それぞれ上記配分比を設定する掛け替え制御(掛け替えフェーズ)を実施することを特徴としている(請求項22)。これにより、第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる回転変化と変速制御の結果生じる回転変化とが同方向になる特定変速制御時に、第1又は第2の摩擦係合要素における入出力間の回転速度差と、第1及び第2の摩擦係合要素による伝達トルクの配分状態とに着目しながら、摩擦係合要素の回転速度を制御することになり、掛け替え制御を、トルクに着目した制御と回転速度に着目した制御とに切り分けることのない、シンプルな制御ロジックで、円滑な掛け替え動作を実現できるようになる。また、摩擦係合要素の開放,締結のタイミングを完全に同期させることが可能になる。
[各実施形態に共通する自動変速機の変速制御の構成]
各実施形態を説明する前に、まず、図1〜図6を参照して、各実施形態に共通する自動変速機の変速制御における掛け替え制御の原理及び基本構成について説明する。
図2は、一般的な4速自動変速機の構成を示す模式図である。図2に示すように、この自動変速機は、入力軸11と出力軸12との間に介装され、2組のプラネタリギヤ21,22を直列に備えている。
一方、第2のプラネタリギヤ22のサンギヤ(S2)22Sは入力軸11に直結されている。また、第2のプラネタリギヤ22のプラネタリピニオンを枢支するキャリア22Cは、第1のプラネタリギヤ21のリングギヤ21Rに直結されるとともに出力軸12に直結されている。また、第2のプラネタリギヤ22のリングギヤ22Rは、上記のように第1のプラネタリギヤ21のキャリア21Cにクラッチ27を介して接続されている。
したがって、1速から2速へ変速する(変速段の切り替えをする)場合には、クラッチ27を締結したままで、締結状態にあるクラッチ26を開放しつつ、開放状態にあるクラッチ23を締結することになる。
このクラッチ33,34の掛け替えにあたって、クラッチ33,34の差回転制御と言う視点で、この構成を見ると、入力トルクTinと入力回転ωinとに対して、2つのクラッチの締結容量Tc1,Tc2を制御して、いずれかのクラッチの差回転を制御するのであるから、この2速変速機から、クラッチ部分だけを抜き出して考えると、図6に示すように、1つの統合クラッチの容量制御による差回転制御に置き換えて考えることができる。
このような制御系を用いて、変速機の入力軸(入力部材)11の回転に関し、変速前に締結していて変速に伴って開放する開放側クラッチ1の開放に伴い、自発的に生じる回転変化と、変速制御の結果生じる回転変化とが、同方向になるような変速を行なう場合を考える。
このような状況下では、まず、入力軸回転の速度を、変速前の変速比で作られる回転数相当から、変速後の変速比で作られる回転数相当に変化させ、その後に、クラッチの掛け替えを行なうことになる。
図7〜図11は本発明の第1実施形態に係る自動変速機の変速制御装置及び方法を示すものである。
(自動変速機の構成)
まず、本実施形態で対象とする自動変速機の構成について説明する。
1速,3速,5速の変速段を達成するには、達成すべき変速ギヤ組の係合機構61c又は63c又は65cのみを係合させ、第1クラッチ52を係合させ、第2クラッチ53を開放する。2速,4速,6速の変速段を達成するには、達成すべき変速ギヤ組の係合機構62c又は64c又は66cのみを係合させ、第2クラッチ53を係合させ、第1クラッチ52を開放する。
本実施形態では、本発明の掛け替え制御を、上述のような変速機の変速段に切り換え時に要求される第1クラッチ52と第2クラッチ53との一方を係合から開放に動作させ、他方を開放から係合に動作させる場合であって、開放するクラッチの開放に伴い自発的に生じる入力軸51の回転変化と、変速制御の結果生じる入力軸51の回転変化とが、同方向になるような変速を行なう場合に適用する。なお、ここでは、第1クラッチ52を係合から開放に切り替えるクラッチ1とし、第2クラッチ53を開放から係合に切り替えるクラッチ2として説明するが、第1クラッチ52を開放から係合に切り替え、第2クラッチ53を係合から開放に切り替える場合も、同様に本制御を適用できるのは勿論である。
目標値設定手段10Aは、変速機の入力軸回転速度の変速段切り替え前目標値(ここでは、変速段切り替え前の開放側クラッチの入力側回転速度の目標値に相当する)である第1目標回転速度(目標回転1ともいう)と、変速機の入力軸回転速度の変速段切り替え後目標値(ここでは、変速段切り替え後の係合側クラッチの入力側回転速度の目標値に相当する)である第2目標回転速度(目標回転2ともいう)と、を設定する。
例えば、準備フェーズにおける目標回転速度(フェーズ終了閾値)n1は、踏み込みダウンシフト(キックダウン)のように、エンジンからのトルクが積極的に入力されている状態、つまり、エンジン負荷が所定以上である状態では、変速前入力回転、即ち、準備フェーズ開始時点の入力回転速度(例えば、入力軸の回転速度)よりも所定速度Δn1だけ高い回転速度に設定する。この場合の所定速度Δn1は、一定値としても良いが、エンジン負荷状態(例えば、スロットル開度)に応じて、或いは、エンジン負荷状態及び準備フェーズ開始時点の入力回転速度に応じて可変(例えば、エンジン負荷が大きいほど大きく、また、入力回転速度が高いほど大きく)に設定しても良い。
nas=(Ras/Rbs)・nbs
により、算出することができる。
(踏み込みダウンシフト時のタイムチャート1)
本実施形態にかかる掛け替え制御を、図9の踏み込みダウンシフト時(アクセルペダル急踏込時の車速増加要求に応じたダウンシフト時)の時系列動作模式図(タイムチャート)を参照して説明する。
このイナーシャフェーズでは、入力軸の目標回転速度を、締結側クラッチの出力回転よりも所定の回転速度分(差回転)Δn2だけ高い第2目標回転速度n2に設定する。そして、入力軸の回転速度を第2目標回転速度n2に漸近させる。
この掛け換えフェーズでは、入力軸の実回転速度nrを目標回転速度n2に維持させつつ、開放側クラッチ1及び係合側クラッチ2の2つのクラッチヘの配分率を制御しながら、締結側クラッチ1を開放しつつ、開放されている係合側クラッチ2を締結する。
Rt1(n)=Rt1(n−1)−ΔRt
Rt2(n)=Rt2(n−1)+ΔRt
このとき、実回転速度nrを目標回転速度n2に維持させるには、入力軸に対する負荷トルク、つまり、開放側クラッチ1の伝達トルクと係合側クラッチ2の伝達トルクとの総量(総伝達トルク容量,単に、総トルク量ともいう)Tcを制御することが必要になる。
そして、クラッチトルク算出手段では、制御周期毎に総トルク量Tc(n)及び各トルク配分率Rt1(n),Rt2(n)に基づいて、各制御周期の開放側クラッチ1のトルク配分量T1(n)及び係合側クラッチ2のトルク配分量T2(n)を次式による算出する。
T1(n)=Tc(n)・Rt1(n)
T2(n)=Tc(n)・Rt2(n)
さらに、容量,圧力変換部において、各クラッチのトルク配分量T1(n),T2(n)をクラッチ油圧の制御指令圧P1(n),P2(n)に変換する。
終了フェーズでは、締結側クラッチのトルクを徐々に増加させ、このクラッチを完全締結して、変速制御を終える。
(ブロック図)
次に、本実施形態の装置にかかる具体的な制御構成について、図10のブロック図を用いて説明する。図10に示すように、本装置は、当然ながら、制御機能要素として図1に示す構成要素を含んでおり、入力信号演算部B1と、変速決心演算部B2と、変速スケジュール制御部B3と、制御対象回転選択部B4と、目標回転演算部B5と、配分比演算部B6と、回転F/B制御部(回転速度フィードバック制御部)B7と、加算部B8と、トルク容量配分部B9と、クラッチ1容量/圧変換部B10と、クラッチ2容量/圧変換部B11とを備えている。
まず入力信号演算部B1にて、入力信号の処理を行なう。この入力信号には、車速信号を生成するための車輪速信号,アクセル操作量信号を生成するためのアクセル開度信号,クラッチ1及び2の入力側回転速度である入力軸信号,クラッチ1の出力側回転速度である第1出力軸信号,クラッチ2の出力側回転速度である第2出力軸信号等が含まれる。
変速スケジュール制御部B3は、この変速パターンと、制御対象クラッチの出力側回転速度ωcと両クラッチのトルク容量配分比Rを監視し、これにより、制御の進行状況を判断して、準備フェーズ,イナーシャフェーズ,掛け替えフェーズ,終了フェーズの中の何れかのフェーズを選択して変速制御フェーズを生成する。
目標回転演算部B5は、変速スケジュール制御部B3で生成された変速フェーズと制御対象クラッチの出力側回転速度ωcとから、それぞれの変速制御に合わせ、目標回転速度を生成する。このとき、入力軸トルクTinが、符号が正の場合には、目標回転速度ωrefを、制御対象クラッチの出力側回転速度ωcよりも大きくなるように設定し、符号が負の場合には、制御対象クラッチの出力側回転速度ωcよりも小さくなるように設定する。
回転F/B制御部B7は、制御対象クラッチの出力側回転速度ωcと、目標回転速度ωrefと、入力側回転速度ωinとを用いて、目標回転に対するフィードハック制御量(F/B補正分)Tfbを生成する。
トルク容量配分部B9は、この総クラッチのトルク容量Tcを、配分比演算部B6で生成されたトルク容量配分比Rに応じて、各々のクラッチに配分し、クラッチ1容量Tc1,クラッチ2容量Tc2とする。
本実施形態にかかる自動変速機の掛け替え制御装置は、上述のように構成されており、例えば、図11のフローチャートに示すように、掛け替え制御が行なわれる。
図11に示すように、まず、ステップS1にて、変速制御中かを判断する。変速中であると判断されたら、続いてステップS2にて、準備フェーズか否かの判断をする。変速開始時点であれば、まず、準備フェーズが選定される。この準備フェーズでは、ステップS3にて、入力回転に関する差回転制御の目標値を変速前制御目標値(変速前目標回転速度)である目標回転速度n1に設定する。変速前制御目標値は、シフトアップの場合には、変速制御開始時の回転速度よりも高く、シフトダウンの場合には、変速制御開始時の回転速度よりも低く設定する。これと同時に、ステップS4にて、開放側クラッチの配分比を1に固定する。逆に、係合側クラッチの配分比は0に固定する。
つまり、ステップS23にて、目標回転速度と実回転速度との比較により、制御結果をフィードハックさせて総クラッチのトルク容量を設定する。つまり、入力側の実回転速度が目標回転速度よりも小さければ、総クラッチのトルク容量を予め設定された微小量だけ減少させ、入力側の実回転速度が目標回転速度よりも大きければ総クラッチのトルク容量を予め設定された微小量だけ増加させる。つづいて、ステップS24にて、総クラッチのトルク容量と配分比の積を開放側締結容量基本値とし、総クラッチのトルク容量と開放側締結容量の差を、締結側締結容量基本値とする。
このようにして、ステップS1,S2,S3,S4,S5,S23,S24,S26,S27の各処理を、制御周期毎に繰り返して、準備フェーズを実施することにより、実回転速度が目標回転速度に接近していくことになり、クラッチの締結開放以外の機械的操作によって締結側のギヤ列の構成変更が必要になる自動変速機の場合も、その機械的操作により、締結側変速段がこれから設定すべき変速段に設定されることになる。
この場合には、準備フェーズを終了し、ステップS6にて、イナーシャフェーズヘの移行設定をする。これにより、次回の制御周期では、ステップS2にて、準備フェーズでないと判断し、ステップS7にて、イナーシャフェーズか否かの判断をし、ここで、イナーシャフェーズであると判断することになる。
掛け換えフェーズ開始後しばらくは、開放側クラッチの配分比は0にはならず、この掛け換えフェーズにおいても、設定した配分比に基づいて、前述のステップS23,S24,S26,S27の各処理を行ない、総クラッチのトルク容量(ステップS23)、開放側締結容量基本値,締結側締結容量基本値(ステップS24)、最終的な開放側締結容量、締結側締結容量(ステップS26)をそれぞれ算出し、開放側クラッチ指令油圧、締結側クラッチ指令油圧に変換し(ステップS27)、アクチュエータに対して、指令する。
次の制御周期では、ステップS1にて、変速中でないと判断され、ステップS25にて、開放側,締結側のクラッチのトルク容量をそれぞれ、非変速時開放側クラッチのトルク容量基本値、非変速時締結側クラッチのトルク容量基本値に設定し、ステップS26にて、開放側締結容量基本値と、締結側締結容量基本値とのそれぞれに対し、変速機の構造による各変速段におけるクラッチの分担率分を補正した値を算出し、最終的な開放側締結容量と最終的な開放側締結容量をそれぞれ算出し、開放側クラッチ指令油圧、締結側クラッチ指令油圧に変換し(ステップS27)、アクチュエータに対して、指令する。
以上の処理を、所定の制御周期で繰り返すことで、本制御が実施される。
踏み込みダウンシフト時には、図12のタイムチャートに示すような制御態様も考えられる。この場合、イナーシャフェーズにおける入力軸回転の制御が上記の実施形態と異なっている。つまり、この手法では、イナーシャフェーズにおける入力軸回転の目標値として、イナーシャフェーズの開始当初から、イナーシャフェーズにおける最終目標値である第2目標回転速度(目標回転2)を目標とするのではなく、イナーシャフェーズ中の目標回転速度自体を第2目標回転速度に近づけるように制御周期の進行とともに変化させて、入力軸回転を第2目標回転速度に漸近させている。
(コーストアップシフト時のタイムチャート)
本実施形態にかかる変速制御を、コーストアップシフト時(アクセルペダルの踏込量減少又は踏込解除の負荷要求減に伴うアップシフト時)に適用すると、図13に示すように制御が行なわれる。なお、図13では、クラッチのトルク容量との比較のため、入力軸トルクを絶対値で表記しているが、実際は、トルクの符号が負、もしくは、0近傍の低トルクになる。
また、開放側クラッチの開放タイミングと、締結側クラッチの係合タイミングとを、完全に同期させることが可能になるため、変速動作を速やかに完了することができる効果もある。
図14は本発明の第2実施形態に係る自動変速機の掛け替え制御装置及び方法を示すもので、第2実施形態の装置にかかる具体的な制御構成について示すブロック図であり、第1実施形態の図10に対応する。
第1実施形態では、制御開始時の入力軸の回転速度に対して所定量Δnだけ増加又は減少をして入力軸の第1目標回転速度n1を設定したが、これは、開放側クラッチの入力側と出力側とに、所定量Δnに応じた差回転を与えることに相当し、制御開始後、入力軸の回転速度を第1目標回転速度に制御することは、開放側クラッチの入力側と出力側とに所定量Δnに応じた差回転が生じるように制御することに相当する。また、変速後の回転速度に対して所定量Δn´だけ増加又は減少をして入力軸の第2目標回転速度n2を設定したが、これは、締結側クラッチの入力側と出力側とに所定量Δn´に応じた差回転を与えることに相当し、入力軸の回転速度を第2目標回転速度に制御することは、締結側クラッチの入力側と出力側とに所定量Δn´に応じた差回転が生じるように制御することに相当する。
目標差回転演算部B12は、目標回転演算部B5と同様に、生成された変速制御フェーズに基づいて、それぞれの変速制御に合わせ、第1目標回転速度に対応する第1目標差回転sref1、及び、第2目標回転速度に対応する第2目標差回転sref2を生成する。入力軸トルクTinの符号が正の場合には、各目標差回転sref(第1,第2を区別しない場合には、srefとする)を正の値に、符号が負の場合には、各目標差回転を負の値に、それぞれ設定する。
このようにして、目標差回転に着目して第1実施形態と同様の制御を行なうことができ、これにより、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
例えば、上記の第1,2実施形態では、摩擦係合要素制御手段10は、入力軸回転速度を制御パラメータとしてクラッチ1,2の制御を行なっているが、入力軸回転速度自体ではなくこれに対応した他の入力部材の回転速度を制御パラメータとしてもよい。また、変速比を制御パラメータとしてクラッチ1,2の制御を行なってもよい。つまり、クラッチの入出力間に差回転を与えることは、見かけ上の変速比を微小に変更することにもなるので、目標変速比を変速前の値或いは変速後の値に対して微小に変更して、変速比が目標変速比となるようにクラッチ1,2の制御を行なうのである。
なお、準備フェーズにおける目標変速比(フェーズ終了閾値)r1は、目標回転速度を変速前入力回転或いは変速後入力回転よりも所定速度Δn1,Δn2だけ高い回転速度に設定する場合には、目標変速比を変速前変速比或いは変速後変速比よりも所定量Δr1,Δr2だけ高い変速比に設定し、目標回転速度を変速前入力回転或いは変速後入力回転よりも所定速度Δn1´,Δn2´だけ低い回転速度に設定する場合には、目標変速比を変速前変速比或いは変速後変速比よりも所定量Δr1´,Δr2´だけ低い変速比に設定に設定すればよい。
52 第1クラッチ(クラッチ1)
53 第2クラッチ(クラッチ2)
54 出力軸
60A 変速ギヤ機構
60B 変速ギヤ機構
10 摩擦係合要素制御手段
10A 目標値設定手段
10B 総トルク容量算出手段
10C 配分比設定手段
10D 調整手段(個別トルク容量算出手段)
B1 入力信号演算部
B2 変速決心演算部
B3 変速スケジュール制御部
B4 制御対象回転選択部
B5 目標回転演算部
B6 配分比演算部
B7 回転F/B制御部(回転速度フィードバック制御部)
B8 加算部
B9 トルク容量配分部
B10 クラッチ1容量/圧変換部
B11 クラッチ2容量/圧変換部
B12 目標差回転演算部
B13 回転差F/B制御部(回転速度フィードバック制御部)
B14 差分演算部
B15 積算部
B16 目標変速時間演算部
B17 演算部
Claims (24)
- 変速段に応じて複数の摩擦係合要素の何れかを係合させてエンジンからの入力部材に入力された回転を適宜変速して出力する自動変速機における変速段の切り替え時に、第1の摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える掛け替え制御を行なう、自動変速機の変速制御装置において、
上記の変速段の切り替え動作時に、上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量を調整することにより上記の第1及び第2の摩擦係合要素を制御する摩擦係合要素制御手段をそなえ、
上記摩擦係合要素制御手段は、
上記第1の摩擦係合要素又は上記第2の摩擦係合要素における入出力間の回転速度差の目標値である目標差回転を設定する目標値設定手段と、
上記目標差回転を得るために要求される上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定する総トルク容量算出手段と、
上記第1及び第2の摩擦係合要素における個別伝達トルク容量の配分比を設定する配分比設定手段と、
上記総トルク容量算出手段により算出又は推定された上記総伝達トルク容量と上記配分比設定手段により設定された上記配分比とに基づいて上記の各摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を設定してこの設定した個別伝達トルク容量に基づいて上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量を調整する調整手段とをそなえ、
上記摩擦係合要素制御手段では、上記第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる上記入力部材の回転変化と変速制御の結果生じる上記入力部材の回転変化とが同方向になる特定変速制御時に、上記目標値設定手段により、上記エンジンからの入力回転速度が変速前の変速比に応じた第1回転速度から変速後の変速比に応じた第2回転速度に変化するように上記第2の摩擦係合要素の上記目標差回転である変速後目標差回転を設定し、上記総トルク容量算出手段により、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記配分比設定手段により、上記掛け替え制御開始前のイナーシャ制御時には上記第1の摩擦係合要素に上記総伝達トルク容量を全て配分するように、上記イナーシャ制御後の上記掛け替え制御時には上記第1の摩擦係合要素の配分比は漸減し上記第2の摩擦係合要素の配分比は漸増するように、それぞれ上記配分比を設定する
ことを特徴とする、自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段では、上記特定変速制御の開始前の準備段階制御として、上記目標値設定手段により、上記第1の摩擦係合要素についての上記目標差回転である変速前目標差回転を設定し、上記総トルク容量算出手段により、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記配分比設定手段により、上記第1の摩擦係合要素に上記総伝達トルク容量を全て配分するように上記配分比を設定する
ことを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段では、上記掛け替え制御によって上記第2の摩擦係合要素に上記総伝達トルク容量が全て配分される状態になったら、終了段階制御として、この配分状態を維持するとともに、上記目標値設定手段により、上記第2の摩擦係合要素についての上記目標差回転を0に設定し、上記総トルク容量算出手段により、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記の第1及び第2の摩擦係合要素における入出力間の回転速度差を取得する回転速度差取得手段をそなえ、
上記摩擦係合要素制御手段は、上記回転速度差取得手段により取得された上記回転速度差に基づいて、上記準備段階制御から上記特定変速制御への移行判定と、上記特定変速制御における上記イナーシャ制御から上記掛け替え制御への移行判定と、上記準備段階制御の終了判定とを行なう
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段は、
上記準備段階制御では、上記目標値設定手段により、上記第1摩擦係合要素の出力回転速度と上記変速前目標差回転差とから上記第1摩擦係合要素の入力回転速度の目標値である第1目標回転速度を設定し、上記第1の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第1目標回転速度に漸近するように、上記第1摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御し、
上記イナーシャ制御では、上記目標値設定手段により、上記第2摩擦係合要素の出力回転速度と上記変速後目標差回転差とから上記第2摩擦係合要素の入力回転速度の目標値である第2目標回転速度を設定し、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第2目標回転速度に漸近するように、上記第2摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御し、
上記掛け替え制御では、上記目標値設定手段により上記第2目標回転速度を設定し、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第2目標回転速度を維持するように、上記第2摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御し、
上記終了段階制御では、上記目標値設定手段により、上記第2摩擦係合要素の出力回転速度から上記第2摩擦係合要素の入力回転速度の目標値である第3目標回転速度を設定し、上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度が上記第4目標回転速度に漸近するように、上記第2摩擦係合要素の入出力間の回転速度差を制御する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記第1又は第2目標回転速度の値は、上記第1の摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を低下させると上記入力部材の回転速度が増加する場合には、上記第1の摩擦係合要素の出力軸回転よりも増加側に設定され、上記第1の摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を低下させると上記入力部材の回転速度が減少する場合には、上記第1の摩擦係合要素の出力軸回転よりも減少側に設定される
ことを特徴とする、請求項5記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記第1の摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を低下させると上記入力部材の回転速度が増加するか減少するかは、上記入力部材に連結されたエンジンの負荷又は該負荷に対応する量の大小もしくは符号により決定する
ことを特徴とする、請求項6記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記第1又は第2目標回転速度の値は、上記入力部材に連結されたエンジンの負荷又は該負荷に対応する量と、上記入力部材の回転又は該回転に対応する量もしくは変速比とにより設定される
ことを特徴とする、請求項6又は7記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記入力部材の回転速度,上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度,及び変速比のいずれかを制御パラメータとし、
上記目標値設定手段は、上記制御パラメータの変速前の値から変速後の値までの目標値の軌跡を作成し、
上記摩擦係合要素制御手段は、上記第2の摩擦係合要素の差回転を制御するに際して、上記制御パラメータの計測値を、作成された上記制御パラメータの目標値軌跡に追従させる軌跡追従制御により上記第2の摩擦係合要素を制御する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記入力部材の回転速度及び上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度のいずれかを制御パラメータとし、
上記目標値設定手段は、上記制御パラメータの変速後の回転速度を目標値に設定し、
上記摩擦係合要素制御手段は、上記第2の摩擦係合要素の差回転を制御するに際して、上記制御パラメータの計測値を、上記制御パラメータの上記目標値に漸近させる
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記軌跡追従制御又は上記目標値漸近制御を行った結果、上記制御パラメータの計測値が予め設定された制御終了閾値になったとき、該制御を終了する
ことを特徴とする、請求項9又は10記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記制御パラメータは上記入力部材の回転速度及び上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度のいずれかであって、上記制御終了閾値は、アップシフトの際には、変速後回転速度よりも大きい回転速度に、ダウンシフトの場合、変速後回転速度よりも小さい回転速度に設定されている
ことを特徴とする、請求項11記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記制御終了閾値は、エンジンの負荷又は該負荷に対応する量と、上記入力部材の回転速度,上記第2の摩擦係合要素の入力回転速度,及び変速比のいずれかとに基づいて設定されている
ことを特徴とする、請求項11又は12記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記の第1及び第2の摩擦係合要素はいずれも油圧制御式多板クラッチであって、
上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量は、クラッチ制御圧である
ことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段は、上記の第1及び第2の摩擦係合要素のそれぞれに設定した上記個別伝達トルク容量に、上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各々の構造上から設定される分担率分を補正し、この補正した個別伝達トルク容量から上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量を設定する
ことを特徴とする、請求項1〜14の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段は、上記の各個別伝達トルク容量から上記の各係合制御量を設定するにあたって、対象となる摩擦係合要素の入出力軸の差回転に対する摩擦抵抗特性を用いる
ことを特徴とする、請求項1〜15の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段は、上記の各個別伝達トルク容量から上記の各係合制御量を設定するにあたって、対象となる摩擦係合要素の締結開始初期油圧を用いる
ことを特徴とする、請求項1〜16の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記自動変速機が、上記の第1及び第2の摩擦係合要素の締結解放以外の機械的操作を含めて上記の変速段の切り替えを行なうように構成され、
上記準備段階制御から上記イナーシャ制御への移行条件に、上記の機械的操作が完了したことが含まれている
ことを特徴とする、請求項2〜17の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段は、
上記掛け替え制御により、上記第2の摩擦係合要素における入出力間の回転速度差が上記目標差回転に到達したときに、上記第2の摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を最大容量まで増加させる
ことを特徴とする、請求項3〜18の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記摩擦係合要素制御手段は、変速段の掛け替え完了後は、上記第2の摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を最大容量とする状態を維持する
ことを特徴とする、請求項19記載の自動変速機の変速制御装置。 - 上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各入力側はいずれも共通の入力部材と一体回転するように構成され、
上記の第1及び第2の摩擦係合要素は互いに並列に配置されるとともに、
上記第1の摩擦係合要素には第1の変速ギヤ機構が接続され、上記第2の摩擦係合要素には第2の変速ギヤ機構が接続されている
ことを特徴とする、請求項1〜20の何れか1項に記載の自動変速機の変速制御装置。 - 変速段に応じて複数の摩擦係合要素の何れかを係合させてエンジンからの入力部材に入力された回転を適宜変速して出力する自動変速機において変速段を切り替える変速制御時に、第1の摩擦係合要素を係合から開放に切り替えると共に第2の摩擦係合要素を開放から係合に切り替える、自動変速機の変速制御方法において、
上記第1の摩擦係合要素又は上記第2の摩擦係合要素における入出力間の回転速度差の目標値である目標差回転を設定する第1ステップと、
上記目標差回転を得るために要求される上記自動変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定する第2ステップと、
上記第1及び第2の摩擦係合要素における伝達トルク容量の配分比を設定する第3ステップと、
上記第2ステップにより算出又は推定された上記総伝達トルク容量と上記第3ステップにより設定された上記配分比とに基づいて上記の各摩擦係合要素の個別伝達トルク容量を設定してこの設定した個別伝達トルク容量に基づいて上記の第1及び第2の摩擦係合要素の各係合制御量を調整する第4ステップと、をそなえ、
上記第1の摩擦係合要素の開放に伴い自発的に生じる上記入力部材の回転変化と変速制御の結果生じる上記入力部材の回転変化とが同方向になる特定変速制御時には、
まず、上記第1ステップにより、上記エンジンからの入力回転速度が変速前の変速比に応じた第1回転速度から変速後の変速比に応じた第2回転速度に変化するように上記第2の摩擦係合要素の上記目標差回転である変速後目標差回転を設定し、上記第2ステップにより、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記第3ステップにより、上記第1の摩擦係合要素に上記総伝達トルク容量を全て配分するように配分比を設定するイナーシャ制御を行ない、
次いで、上記第1ステップにより、上記エンジンからの入力回転速度が変速前の変速比に応じた第1回転速度から変速後の変速比に応じた第2回転速度に変化するように上記第2の摩擦係合要素の上記目標差回転である変速後目標差回転を設定し、上記第2ステップにより、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記第3ステップにより、上記第1の摩擦係合要素の配分比は漸減し上記第2の摩擦係合要素の配分比は漸増するように、それぞれ上記配分比を設定する掛け替え制御を実施する
ことを特徴とする、自動変速機の変速制御方法。 - 上記イナーシャ制御の開始前に、上記第1ステップでは、上記第1の摩擦係合要素についての上記目標差回転である変速前目標差回転を設定し、上記第2ステップでは、上記目標差回転に基づいて変速機の総伝達トルク容量を算出又は推定し、上記第3ステップでは、上記第1の摩擦係合要素に上記伝達トルク容量を全て配分するように上記配分比を設定する準備段階制御を実施する
ことを特徴とする、請求項22記載の自動変速機の変速制御方法。 - 上記掛け替え制御によって上記第2の摩擦係合要素に上記伝達トルク容量が全て配分される状態になったら、上記第1ステップでは、上記第2の摩擦係合要素についての上記目標差回転を0に設定し、上記第2ステップでは、上記目標差回転に基づいて変速機の伝達トルク容量を算出又は推定する終了段階制御として、上記第3ステップでは、上記第2の摩擦係合要素に上記総伝達トルク容量が全て配分される状態を維持する終了段階制御を実施する
ことを特徴とする、請求項22又は23記載の自動変速機の変速制御方法。
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