JPH0682425U - 回転型ナス環 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 係止片が誤って回動してしまう事がなく、組
み立ても容易なナス環を提供する。 【構成】 環部材１２の一側部に筒状の連結部１４を有
し、Ｊ字状のフック部１０と、フック部１０の基端部に
一体に設けられ連結部１４に挿入される取付軸２２を有
する。取付軸２２及び連結部１４が同軸に挿通される筒
体１８と、筒体１８からフック部１０側に突出した係止
片２０と、取付軸２２及び連結部１４の中心軸を横切る
ように形成された透孔１６，１７，２３を設ける。係止
片２０がフック部１０の先端部１０ａと対面した状態
で、透孔１６，１７，２３と対面する操作孔２５を筒体
１８に設ける。透孔２３内に設けられた付勢部材２６
と、付勢部材２６により突出方向に付勢され操作孔２５
に先端部が突没自在に突出しているとともに、透孔１
６，１７，２３内に挿通された係合部材２７，２８を設
ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、環部材に回動自在に取り付けられたフック部と、このフック部に 上記環部材と同軸に回動自在に設けられた係止片とが設けられ、この係止片を回 動させてフック部を他の環状部材に係合可能にする回転型ナス環に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、実開平２−１０７８１４号公報に開示されているように、フック部の係 止片が回動することによりフック部に他の環状部材を掛ける構造の回転型ナス環 は、フック部に対して回動自在に設けられた環部材を有し、フック部と、このフ ック部の先端の開口部分を閉じる係止片とが、相対的に上記環部材の回動軸と同 軸に回動して、フック部に他の環状部材を掛けることができるようにしたもので ある。

【０００３】 この回転型ナス環は、フック部の基端部に回転軸を形成し、係止片をこの回転 軸に対して回動自在に取り付け、さらに、環部材もこの回転軸に回動自在に取り 付けたものである。さらに、回動に際して、係止片先端がフック部先端に当接す るよう付勢するコイルバネが設けられている。また、環部材の軸受部に回転軸を 挿通後、環部材が回転軸から抜けないように、環部材の軸受部をかしめているも のである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術の場合、係止片がコイルバネにより付勢されてフック部の先端 に係合しているだけであるので、誤って係止片が回動し、フック部と環状部材と の係合が外れてしまい易いという欠点があった。さらに、各部の形状が複雑であ る上、コイルバネの取り付けや位置合わせが面倒であり、組み立て工数がかかる という問題があった。

【０００５】 この考案は、上記従来の技術の問題点に鑑みて成されたもので、係止片が誤っ て回動してしまう事がなく、組み立ても容易な回転型ナス環を提供することを目 的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、環部材の一側部に連結部を設け、この環部材と連結されるＪ字状 のフック部と、このフック部の基端部に一体に設けられ上記連結部に同軸的に取 り付けられる取付部とを有し、この取付部及び上記連結部が同軸に挿通される筒 体と、この筒体からフック部側に突出した係止片が設けられ、上記取付部及び連 結部にはその中心軸を横切る透孔が形成され、上記係止片が上記フック部の先端 部と対面した状態で上記透孔と一致する操作孔が上記筒体の側面に設けられ、上 記透孔内に付勢部材が設けられ、上記付勢部材により突出方向に付勢され上記操 作孔に先端部が突没自在に突出している係合部材が上記透孔内に挿通されている 回転型ナス環である。

【０００７】

【作用】

この考案の回転型ナス環は、筒体の操作孔から突出した係止ピンを押圧するこ とにより筒体がフック部に対して回動可能となり、係止片をフック部先端と対面 した位置から他方へ回動させて、フック部に他の環状部材を掛けることができる ようにするものである。そして、環状部材をフック部に掛けた後、係止片をフッ ク部の先端と対面した位置にすることにより、付勢部材で付勢された係合部材の 先端が筒体の操作孔に嵌合し、係止片が回動不能となるものである。

【０００８】

【実施例】

以下この考案の実施例について図面に基づいて説明する。図１、図２は、この 考案の回転型ナス環の第一実施例を示すもので、この実施例の回転型ナス環は、 図示するように、Ｊ字状に形成され金属製のフック部１０と、環状に形成された 金属製の環部材１２とを有し、環部材１２の一側部に、軸受部１３が形成され、 この軸受部１３に、筒状の連結部１４の一端部に一体に形成された取付頭部１５ が挿通され、取付頭部１５の先端部が軸受部１３の内径より大きく形成された大 径部１５ａとなっている。連結部１４の他端部は、開口し、側面には互いに対向 した透孔１６，１７が設けられ、一方の透孔１７は、この連結部１４の開口部分 に連通したＵ字状の切欠き部となっている。そして、連結部１４は、筒状の筒体 １８内に挿通可能に設けられている。

【０００９】 筒体１８は、フック部１０に回動自在に挿通されており、フック部１０の開口 部１９を閉じる係止片２０が一端面部から延出している。このフック部１０の基 端部には、筒状の連結部１４に挿入される取付部２２が一体に形成されている。 取付部２２には、連結部１４に挿入された状態で、連結部１４の透孔１６，１７ と連通する透孔２３が設けられている。さらに、係止片２０がフック部１０の先 端部１０ａと対面した状態で透孔１６，１７，２３と一致しこれらよりわずかに 内径の小さい操作孔２５が、筒体１８の側面に設けられている。操作孔２５の外 周部には、テーパ状にくり抜かれた凹部２５ａが形成されている。

【００１０】 取付部２２の透孔２３内には、付勢部材であるコイルバネ２６と、係合部材で ある支持ピン２７及び係止ピン２８が挿通されている。支持ピン２７は、透孔２ ３と連結部１４の透孔１６に跨がって挿通され、係止ピン２８は、その周縁部が 筒体１８の操作孔２５の内周縁部に当接し、その頭部２９が筒体１８の操作孔２ ５から突出し凹部２５ａ内に位置している。また、取付部２２が突出した部分の フック部１０の側面には、筒体１８の回転範囲を規制するストッパ部３０，３１ が所定間隔で形成されている。

【００１１】 この実施例の回転型ナス環の組み立て方法は、当初、図２の二点鎖線に示すよ うに、連結部１４の取付頭部１５が、環部材１２の軸受部１３を挿通可能に、大 径部１５ａが形成されていない形状となっている。そして、取付部２２を連結部 １４に挿入し、これらの透孔１６，１７，２３に、コイルバネ２６と支持ピン２ ７及び係止ピン２８を挿通する。さらに、筒体１８を連結部１４の取付頭部１５ 側から連結部１４に嵌合し、係止ピン２８の頭部２９を操作孔２５から突出させ る。最後に、取付頭部１５に環部材１２の軸受部１３を嵌合させ、取付頭部１５ をかしめて大径部１５ａを形成し、組み立てが完了する。この時、フック部１０ の先端部１０ａと係止片２０とが対面して、フック部１０の開口部１９が閉じら れた状態となっている。

【００１２】 また、他の組み立て方法として、環部材１２と連結部１４とを同時に成形し、 この時大径部１５も同時に回転自在に成形することも可能であるので、図１に示 すように、環部材１２と連結部１４とを同時成形した後、筒体１８を連結部１４ に嵌合し、コイルバネ２６と支持ピン２７及び係止ピン２８を透孔２３に挿通し た取付部２２を、連結部１４に挿入しても良い。挿入方法は、係止ピン２８を連 結部１４の透孔１７の切欠き部分に沿って挿入し筒体１８の操作孔２５に嵌合さ せるとともに、取付部２２に挿通された支持ピン２７を、連結部１４の透孔１６ に嵌合させる。この状態で、フック部１０の先端部１０ａと係止片２０とが対面 して、フック部１０の開口部１９が閉じられたものとなる。

【００１３】 この実施例の回転型ナス環の使用時の動作は、通常、係止片２０がフック部１ ０の先端部１０ａと対面し、フック部１０の開口部１９が閉じられている。この フック部１０に他の環状部材を掛ける場合、筒体１８の操作孔２５から突出した 係止ピン２８の頭部２９を押圧して筒体１８を回動可能にし、筒体１８を回動さ せる。これにより、係止片２０がフック部１０の先端部１０ａから離れ、他の環 状部材をフック部１０に掛けることができるようになる。そして、環状部材を掛 けた後、筒体１８を逆方向に回動させ、係止片２０がフック部１０の先端部１０ ａと対面する位置に来ると、係止ピン２８の頭部２９がコイルバネ２６の付勢力 により操作孔２５内に突出して嵌合する。これにより、環状部材はフック部１０ から外れなくなり、確実に係合される。

【００１４】 この実施例によれば、回転型ナス環の係止片２０は、係止ピン２８によりフッ ク部１０の先端部１０ａと対面する位置に固定され、係止ピン２８を押圧して操 作孔２５との係合を解除しない限り回動不能であり、確実な掛け止が可能である 。

【００１５】 次にこの考案の第二実施例について図３を基にして説明する。ここで、上述の 実施例と同様の部材については同一符号を付して説明を省略する。この実施例は 、環部材１２と連結部１４とを同時に成形したもので、大径部１５も当初より成 形したものである。このナス環は、組み立て容易にするため、連結部１４の先端 開口周縁部に内側方向の傾斜がつけられたテーパ部１４ａが形成され、支持ピン ２７及び係止ピン２８の環部材１２側にも、テーパ部２７ａ，２８ａが形成され たものである。

【００１６】 これにより、環部材１２と連結部１４とを同時成形し、先ず、フック部１０の 取付部２２の透孔２３にコイルバネ２６と支持ピン２７及び係止ピン２８を挿通 する。そして、筒体１８をフック部１０の取付部２２に嵌合させ、この後、連結 部１４を筒体１８に挿入すると同時に取付部２２を連結部１４内に挿入させるも のである。そして、この時、連結部１４のテーパ部１４ａと支持ピン２７及び係 止ピン２８のテーパ部２７ａ，２８ａとが互いに対面して摺接し、容易に連結部 １４の挿入が可能となるものである。

【００１７】 尚、この考案の回転型ナス環は、係止片が設けられた筒体をフック部に対して 回転可能に設けたものであれば良く、この筒体内に、突没自在の係止ピンが設け られていれば良いものであり、これらの形状は問わないものである。また、係止 ピンの形状は、例えば、図４に示すように、支持ピン２７及び係止ピン２８に互 いに対向する凹部２７ｂ，２８ｂを形成し、この凹部２７ｂ，２８ｂにコイルバ ネ２６を嵌合させても良い。これにより、コイルバネ２６が、より安定に取付部 ２２内に挿通され、確実な付勢動作を行わせることが可能となる。

【００１８】 また、この考案の回転型ナス環は、図５に示すように、取付部２２を筒状に形 成し、その中に軸状の連結部１４を挿入するようにしても良い。この場合、筒状 の取付部２２の側面に互いに対向した一対の透孔２３が形成され、連結部には、 中心軸を横切る透孔１６が形成され、この中に、コイルバネ２６と支持ピン２７ 及び係止ピン２８が挿通されているものである。

【００１９】

【考案の効果】

この考案の回転型ナス環は、その組み立てにおいて、各部品を個々に製造した 後、各部品を互いに挿通させることにより簡単に組み立てられるものであり、組 み立てが容易且つ確実に成されるものである。また、係止片がフック部に対して 回動し、係止片と対面した位置で係止ピンによりその位置で固定され、不用意に 係止片が回動せず、確実な掛け止が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第一実施例の回転型ナス環の分解斜
視図である。

【図２】この考案の第一実施例の回転型ナス環の縦断面
図である。

【図３】この考案の第二実施例の回転型ナス環の縦断面
図である。

【図４】この考案の回転型ナス環の係止ピンと支持ピン
及びコイルバネの他の実施例の縦断面図である。

【図５】この考案の回転型ナス環のさらに他の実施例を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ フック部 １２ 環部材 １４ 連結部 １６，１７，２３ 透孔 １８ 筒体 ２０ 係止片 ２２ 取付部 ２５ 操作孔 ２６ コイルバネ ２７ 支持ピン ２８ 係止ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環部材（１２）の一側部に連結部（１
   ４）を設け、この環部材（１２）と連結されるＪ字状の
   フック部（１０）と、このフック部（１０）の基端部に
   一体に設けられ上記連結部（１４）に同軸的に取り付け
   られる取付部（２２）と、この取付部（２２）及び上記
   連結部（１４）が同軸に挿通される筒体（１８）と、こ
   の筒体（１８）からフック部（１０）側に突出した係止
   片（２０）と、上記取付部（２２）及び連結部（１４）
   の中心軸を横切るように形成された透孔（１６，１７，
   ２３）と、上記筒体（１８）に設けられ上記係止片（２
   ０）が上記フック部（１０）の先端部（１０ａ）と対面
   した状態で上記透孔（１６，１７，２３）と対面する操
   作孔（２５）と、上記透孔（２３）内に設けられた付勢
   部材（２６）と、上記付勢部材（２６）により突出方向
   に付勢され上記操作孔（２５）に先端部が突没自在に突
   出しているとともに上記透孔（１６，１７，２３）内に
   挿通された係合部材（２７，２８）を設けたことを特徴
   とする回転型ナス環。