JPS6320317Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両用の灰皿のプロテクタであつ
て、自動車、列車等に設置される灰皿の部品とし
て用いられるものであり、煙草用灰皿の製造技術
分野に属するものである。

〔従来の技術〕

車両用の灰皿は、車両本体に成形された凹部に
設けられ、通常この凹部に収納されており、この
凹部から引出して使用されるようになつている。
このように凹部に出入れする構造になつているた
め、灰皿には、タバコの吸殻等が凹部内にこぼれ
落ちるのを防止すべくプロテクタが設けられる。
このプロテクタは、ケーシングに相互に対向して
穿設された一対の穴に両端を挿入した回転軸に枢
着される。ところがこの従来の回転軸は、ケーシ
ングの穴に単に圧入されるだけであるので、外力
を受けた場合に穴から抜けるおそれがある。これ
を防止するために、回転軸の一部に係合部を形成
するとともにこの係合部とケーシングとをビスを
介して固定する構造のものがあるが、この構成は
従来のものに比べ部品点数が多い。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の如き従来品に於ては、プロテクタの回転
軸がケーシングの穴から抜け易く、また抜け止め
の対策を施した物は部品点数が多いという製造上
の問題があつた。

本考案は、これら従来品に於ける問題点を解決
するものであり、回転軸に遊嵌するコイルスプリ
ングの取付けを困難にすることなく回転軸の抜脱
を防止するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

プロテクタ板の１面には、両側縁の基部にそれ
ぞれ回転軸を取付けるための軸孔を有する起立片
を設けると共に、コイルスプリングの内側の腕を
係止するための引掛片を１側縁から略スプリング
長内側に配設し、起立片に内側から当接するスト
ツパを回転軸の一方に設け、回転軸に嵌めたコイ
ルスプリングを回転軸上のストツパとプロテクタ
面上の引掛片間に位置させ、該スプリングの内側
腕を該引掛片に係止する。

〔作用〕

コイルスプリングは回転軸上のストツパとプロ
テクタ面上の引掛片間に張られているため、スト
ツパが起立片に内側から当接して回転軸のストツ
パ側への飛び出しを防止すると共に、回転軸のス
トツパ反対側への飛び出しはスプリング内側腕の
引掛片での係止により防止されている。

また本考案プロテクタの組立てに際し、スプリ
ングを単に回転軸にストツパの反対側端から嵌め
てストツパに当接した後スプリング内側腕をたわ
ませて引掛片に係止するだけである。

〔実施例〕

第１図は、本考案プロテクタ１を備えた車両用
灰皿の斜視図であり、プロテクタ１はスプリング
力によつて開放された状態である。図から明らか
な如く、プロテクタ基端に挿入した回転軸６上に
コイルスプリング１０が嵌められ、且つスプリン
グの外側腕１１′がケースに設けられた支承片１
５に内側腕１１がプロテクタ１の面に設けられた
引掛片５に係合している。

第２Ａ，２Ｂ，２Ｃ図は、プロテクタ各部材の
関係構造及び組立状態を示すものである。これら
図面から明らかな如く、プロテクタ１には基端部
の両側縁に回転軸挿入用のそれぞれの軸孔３，４
を有する起立片２，２′を設けると共に、スプリ
ングの内側腕１１を係止するための引掛片５を配
設する回転軸６には一端８の内側にストツパ７を
設ける。

次に組立ては、まず回転軸６の他端側からスプ
リング１０に挿通し、次に第２Ａ図の如く回転軸
６の他端９を起立片２′の軸孔４に挿入し、その
後一端８を起立片２の軸孔３に内側より挿通して
ストツプ７が起立片２に当接するまで進めて第２
Ｂ図の状態とする。次にスプリング１０をストツ
パ７に当接するまで摺動し、スプリング１０の内
側腕１１を引掛片５に係止し、回転軸６の一端８
が起立片２の軸孔３から抜脱しないように、即ち
スプリング１０によつてストツパ７が起立片２に
当接するようにスプリング１０をストツパ７と引
掛片５間に保持する。

得られたプロテクタ１は第１図に示す如く回転
軸の両端８，９をそれぞれ灰皿内部の支承部に係
止し、ストツパ外側腕１１′をケースの支承片１
５上に当接する。

〔考案の効果〕

スプリングを嵌めた回転軸をプロテクタに嵌着
する際に、スプリングを圧縮する操作が必要ない
ので回転軸の起立片軸孔への挿通が容易に実施出
来、スプリング取付時にスプリング自体を圧縮す
る操作は必要なく、腕１１をたわませて取付け可
能であるのでその取付けはきわめて容易となつ
た。

スプリングの線径を変更することが何ら支障な
く達成出来、従つてプロテクタのはね上がり力の
調節変更が容易となつた。スプリングがストツパ
とプロテクタ板の引掛片の両者間の間隔を一定に
保持するので、回転軸はストツパによる飛出し防
止と、スプリングによる引込み防止の両作用で抜
脱しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案プロテクターを備えた灰皿の
斜視図、第２Ａ図、第２Ｂ図及び第２Ｃ図は、そ
れぞれ本考案プロテクターの組立態様を順次に示
す。 １……プロテクタ板、２，２′……起立片、３，
４……軸孔、５……引掛片、６……回転軸、７…
…ストツパ、１０……コイルスプリング、１１…
…コイルスプリングの内側腕、１１′……コイル
スプリングの外側腕。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プロテクタ板１の１面には、両側縁の基部にそ
   れぞれ軸孔３，４を有する起立片２，２′を設け
   ると共に、引掛片５を配設し、回転軸６には一端
   近くに起立片２に内方から当接するストツパ７を
   設け、回転軸６を起立片２，２′に挿通して両起
   立片２，２′から突出した両端部を灰皿で支承す
   ると共に、外側腕１１′および内側腕１１を有す
   るコイルスプリング１０を回転軸６のストツパ７
   内側に遊嵌して内側腕１１をプロテクタ板１の引
   掛片５に係止した車両用灰皿のプロテクタ。