JP3930352B2 - ヒンジ - Google Patents

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浩明 遠山
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株式会社ムラコシ精工
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば折り戸の扉体などの被取付部材間を回動可能に連結させるヒンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヒンジとしては、例えば実開昭62−110490号公報に記載の構成が知られている。
【0003】
この実開昭62−110490号公報に記載のヒンジは、家具本体の開口部を開閉可能にする折り戸を構成する被取付部材としての一対の扉体間を回動可能に連結させる。また、このヒンジは、互いの端部が回動可能に連結された一対のヒンジ本体を備えている。
【0004】
さらに、これらヒンジ本体それぞれの端部には、これら一対のヒンジ本体間を回動可能に連結させる軸受部がそれぞれ設けられている。また、これら各軸受部には、互いに同心状に連通した軸受孔が穿設されている。そして、一対のヒンジ本体は、一方のヒンジ本体の軸受部が他方のヒンジ本体の軸受部の間に入り込んだ状態で、これら各軸受部それぞれの軸受孔を連通させて、これら連通した軸受孔にヒンジ軸を挿通させることにより回動可能に連結されている。
【0005】
また、これら一対のヒンジ本体それぞれの裏面には、互いに等しい略円筒状の埋設突部としての立上がり部がそれぞれ突設されている。これら立上がり部のそれぞれは、折り戸を構成する各扉体の内側面における互いに対向した内縁に設けられた凹状の埋込凹部に埋設される。すなわち、これら立上がり部は、これら立上がり部のそれぞれを扉体の各埋込凹部に埋設させて取り付けることにより、これら扉体を内側に向けて回動可能に連結し、これら扉体にて構成される折り戸を内側に向けて折り畳むことにより家具本体の開口部を開閉可能にする。
【0006】
したがって、上記実開昭62−110490号公報に記載のヒンジでは、幅の異なる軸受部を備えた一対のヒンジ本体の裏面に、略同径の立上がり部を設けなければならないから、これら一対のヒンジ本体の製造が煩雑となるので、これら一対のヒンジ本体の製造コストの削減が容易ではなく、これら一対のヒンジ本体の取り扱いが容易ではない。
【0007】
また、この種のヒンジとしては、例えば特開平7−233669号公報に記載の構成が知られている。
【0008】
この特開平7−233669号公報に記載のヒンジは、互いの端部が回動可能に連結される一対のヒンジ本体を備えている。そして、これら一対のヒンジ本体の端部には、一方の間に他方が入り込んで互いを回動可能に連結させる軸受部がそれぞれ設けられている。これら各軸受部には、互いに同心状に連通した軸受孔が穿設されている。
【0009】
そして、これら一対のヒンジ本体は、一方のヒンジ本体の軸受部の間に他方のヒンジ本体の軸受部を入り込ませて、これら軸受部の各軸受孔を互いに連通させ、これら互いに連通した軸受孔にヒンジ軸を挿通させることにより回動可能に連結される。
【0010】
さらに、これら一対のヒンジ本体それぞれの裏面には、折り戸を構成する一対の扉体の内側面における互いに対向した内縁に形成された凹状の埋込凹部に埋設させて、これら一対のヒンジ本体の裏面を各扉体の内側面に固定させる取付部材としての偏平略円柱状の埋込部材がそれぞれ取り付けられている。
【0011】
そして、折り戸を構成する扉体の内側面に設けられた埋込凹部は、互いに等しい内径寸法を有する凹溝状に形成されている。このため、各ヒンジ本体の裏面に取り付けられる埋込部材は、各扉体の埋込凹部への汎用性を向上させるために、互いの外径寸法が等しく形成されている。
【0012】
したがって、上記特開平7−233669号公報に記載のヒンジでは、幅の異なる軸受部を備えた一対のヒンジ本体の裏面に、外径寸法の等しい埋込部材を取り付けるためには、各ヒンジ本体の幅の異なる軸受部を避けてこれら各ヒンジ本体の裏面に埋込部材を取り付けなければならない。
【0013】
このため、一方のヒンジ本体の裏面に取り付けられる埋込部材と、他方のヒンジ本体の裏面に取り付けられる埋込部材とが異なる形状となるので、これら埋込部材の製造が煩雑であり、これら埋込部材の製造コストの削減が容易ではない。また、異なる形状の埋込部材を識別して各ヒンジ本体の裏面に取り付けなければならないから、これら埋込部材の取り扱いが容易ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、上記実開昭62−110490号公報に記載のヒンジでは、幅の異なる軸受部を備えた一対のヒンジ本体の裏面に、略同径の立上がり部を設けなければならないから、これら一対のヒンジ本体の製造コストの削減が容易ではないとともに、これら一対のヒンジ本体の取り扱いが容易ではない。
【0015】
また、上記特開平7−233669号公報に記載のヒンジでは、幅の異なる軸受部を備えた一対のヒンジ本体の裏面に、外径寸法の等しい埋込部材を取り付けなければならないから、一方のヒンジ本体に取り付けられる埋込部材と、他方のヒンジ本体に取り付けられる埋込部材とが異なる形状となるので、これら埋込部材の製造コストの削減が容易ではなく、また、異なる形状の埋込部材を識別して各ヒンジ本体に取り付けなければならないから、これら埋込部材の取り扱いが容易ではないという問題を有している。
【0016】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、取り扱いが容易なヒンジを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のヒンジは、被取付部材間を回動可能に連結させるヒンジであって、切り起し形成された一対の切起突部をそれぞれ備え、互いに回動可能に連結された一対のヒンジ本体と、これら一対のヒンジ本体の切起突部に嵌挿される一対の嵌挿凹部をそれぞれ備え、これら一対の嵌挿凹部への前記切起突部による嵌挿で前記一対のヒンジ本体に取り付けられ、前記被取付部材に取り付けられて前記一対のヒンジ本体にて前記被取付部材間を回動可能に連結させ、互いに等しい形状に形成された2つの取付部材とを具備し、前記各ヒンジ本体それぞれの一対の切起突部は、これら一対の切起突部のうちの一方の切起突部と他方の切起突部とが、これら各ヒンジ本体の回動軸方向の中心位置から互いに等間隔に離間された位置に設けられ、前記2つの取付部材それぞれの一対の嵌挿凹部は、これら一対の嵌挿凹部のうちの一方の嵌挿凹部と他方の嵌挿凹部との間の距離が前記各ヒンジ本体の一対の切起突部間の距離に略等しく形成されているものである。
【0018】
そして、互いに回動可能に連結された一対のヒンジ本体に切り起し形成した切起突部を、取付部材の嵌挿凹部に嵌挿させることにより、これら取付部材が一対のヒンジ本体に取り付けられるので、これら一対のヒンジ本体への取付部材の取り付けが容易になるから、この取付部材の取り扱いが容易になる。
【0019】
さらに、本発明のヒンジは、一対のヒンジ本体は、一方の間に他方が入り込んで互いを回動可能に連結させる軸受部の幅が異なり、取付部材は、前記一対のヒンジ本体における幅の大きな軸受部に幅方向に亘って嵌合される嵌合部を備えているものである。
【0020】
そして、一方の軸受部間に他方の軸受部を入り込ませて一対のヒンジ本体を回動可能に連結する。被取付部材に取り付けられてこれら被取付部材間を一対のヒンジ本体にて回動可能に連結させる取付部材の嵌合部が、一対のヒンジ本体における幅の大きな軸受部に幅方向に亘って嵌合する。よって、この取付部材の嵌合部にて一対のヒンジ本体における幅の小さな軸受部をも幅方向に亘って嵌合できる。このため、一対のヒンジ本体のそれぞれに取り付けられる取付部材を互いに等しい形状にできるから、製造コストの削減を容易にでき、取付部材の取り扱いが容易になる。
【0021】
また、本発明のヒンジは、一対のヒンジ本体は、一方の間に他方が入り込んで互いを回動可能に連結させる軸受部の幅が異なり、取付部材は、前記一対のヒンジ本体における幅の小さな軸受部に空隙を介して幅方向に亘って嵌合される嵌合部を備えているものである。
【0022】
そして、被取付部材に取り付けられてこれら被取付部材間を一対のヒンジ本体にて回動可能に連結させる取付部材の嵌合部が、一対のヒンジ本体における幅の小さな軸受部に空隙を介して幅方向に亘って嵌合する。よって、この取付部材の嵌合部にて一対のヒンジ本体における幅の大きな軸受部に幅方向に亘って嵌合させることが可能となる。このため、一対のヒンジ本体のそれぞれに取り付けられる取付部材を互いに等しい形状にできるから、製造コストの削減を容易にでき、取付部材の取り扱いが容易になる。
【0023】
さらに、本発明のヒンジは、一対のヒンジ本体は、互いを回動可能に連結させる軸受部を備え、取付部材は、前記一対のヒンジ本体の軸受部に嵌合される嵌合部を備え、表裏同形であるものである。
【0024】
そして、一対のヒンジ本体を回動可能に連結する軸受部に嵌合される嵌合部を備え、被取付部材に取り付けられてこれら被取付部材間を一対のヒンジ本体にて回動可能に連結させる取付部材を、表裏同形にした。よって、これら取付部材を一対のヒンジ本体それぞれの嵌合部に嵌合させる際に、この取付部材の表裏を判断する必要がなくなるから、この取付部材の取り扱いが容易になる。
【0025】
さらに、本発明のヒンジは、取付部材は、一対のヒンジ本体に互いに異なる方向に向けて係合する複数の係合部を備え、これら係合部による前記ヒンジ本体への係合でこのヒンジ本体に取り付けられるものである。
【0026】
そして、互いに回動可能に連結された一対のヒンジ本体に、取付部材の複数の係合部のそれぞれを互いに異なる方向に向けて係合させることにより、これら一対のヒンジ本体のそれぞれに取付部材が取り付けられるので、これら一対のヒンジ本体への取付部材の取り付けがより確実になるから、この取付部材の取り扱いが容易になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のヒンジの第1の実施の形態の構成を図1ないし図7を参照して説明する。
【0028】
図1ないし図7において、1はヒンジで、このヒンジ1は、内部に収容空間を有した図示しない家具本体の前面の開口部を開閉動作により開閉可能にする折り戸2を構成する一対の被取付部材としての扉体3間を、上下方向に沿って回動可能に連結させる。すなわち、このヒンジ1は、折り戸2の各扉体3を回動させて、これら扉体3を家具本体の前側に突出させるように折り曲げて畳み込むことにより、この家具本体の開口部を開口させる。
【0029】
ここで、この折り戸2を構成する一対の扉体3の内側面における互いに対向した外縁には、図1および図7に示すように、上面視円形の一側縁を直線にて切り欠いた断面凹溝状の埋込凹部4がそれぞれ切削されて形成されている。これら埋込凹部4は、各扉体3の互いに対向した外縁に連通して開口している。
【0030】
さらに、ヒンジ1は、金属製の細長偏平板状の平板体の長手方向である幅方向における中間部を、この幅方向に直交する方向である前後方向に沿って凸状にプレス成形などにて折り曲げて形成された一対のヒンジ本体5,6を備えている。これら一対のヒンジ本体5,6は、プレス成形による折り曲げおよび穿設のみで製造されている。また、これら一対のヒンジ本体5,6の幅方向における中間部には、これら各ヒンジ本体5,6の裏面側に向けて断面略コ字状に突出した折り曲げ部としての突出部7がそれぞれ形成されている。
【0031】
これら突出部7は、前後方向のそれぞれに向けて開口しており、両側に一対の立上がり面部8が設けられている。これら立上がり面部8は、互いに平行に立設されており、各扉体3の埋込凹部4の内径寸法より小さい長手寸法を有している。また、これら立上がり面部8の高さ寸法は、各扉体3の埋込凹部4の深さ寸法に略一致している。
【0032】
さらに、これら一対の立上がり面部8の高さ方向における先端部には、略矩形平板状の突出面部9の幅方向における両側が一体的に連結されている。この突出面部9の幅寸法および長手寸法のそれぞれは、各扉体3の埋込凹部4の内径寸法より小さい。よって、各ヒンジ本体5,6の突出部7は、扉体3の埋込凹部4に嵌合されて、この埋込凹部4内における底面部に突出面部9の下端面が当接する。また、これら各ヒンジ本体5,6に突出部7を形成したことにより、これら各ヒンジ本体5,6の表面側には、断面凹状の空間部10が形成される。
【0033】
ここで、一方のヒンジ本体6の突出部7は、他方のヒンジ本体5の突出部7とは形状が異なる。すなわち、一方のヒンジ本体6の突出部7における一対の立上がり面部8間の幅寸法は、一方のヒンジ本体6の立上がり面部8の間に他方のヒンジ本体5の立上がり面部8のそれぞれが入り込めるように、他方のヒンジ本体5の突出部7における一対の立上がり面部8間の幅寸法より大きく幅広である。具体的には、一方のヒンジ本体6における立上がり面部8の内側面間の距離は、他方のヒンジ本体5における立上がり面部8の外側面間の距離に略等しい。
【0034】
また、各ヒンジ本体5,6の突出部7の突出面部9における前端面には、これら各ヒンジ本体5,6を連結させて互いの面方向を一致させた際に互いに当接する平坦な当接面部11がそれぞれ突設されている。これら当接面部11は、各ヒンジ本体5,6の面方向に対して直交した面方向を有しており、一対のヒンジ本体5,6間における逆反りを防止する。また、これら当接面部11に対向した各ヒンジ本体5,6の突出部7の突出面部9における後端部には、この突出面部9の面方向に向けて一体的に突出する引掛け部としての平坦な板状の係合縁部12が設けられている。
【0035】
このため、この係合縁部12と後述する各載置片部15との間には、各ヒンジ本体5,6の後方に向けて、これら各ヒンジ本体5,6の立上がり面部8に沿って開口した係合凹部13がそれぞれ形成されている。また、これら係合縁部12それぞれの先端面は、幅方向における中心部が最も突出した円弧面状に形成されて湾曲部14とされている。
【0036】
さらに、各ヒンジ本体5,6の突出部7における各立上がり面部8の基端には、この突出部7の突出面部9に平行に突出した略矩形平板状のフランジ状である対をなす載置片部15がそれぞれ直角に折り曲げられて形成されている。これら載置片部15の面方向は、突出部7の突出面部9の面方向に平行であり、この突出部7の各立上がり面部8の面方向に直交している。また、これら載置片部15それぞれにおける外周縁近傍には、上下方向に貫通した円形のねじ挿通孔16が複数、例えば2つずつ穿設されている。これら各ねじ挿通孔16は、ヒンジ本体5,6の前側中央を中心とした略円弧状に並設されている。
【0037】
そして、これら各載置片部15の基端縁から離間した位置であり、これら載置片部15の前後方向における中心部には、これら各載置片部15の裏面側に向けて突出した切起突部としての圧入突起である凸片状の対をなす嵌挿突部21が切り起し形成されている。これら嵌挿突部21は、各ヒンジ本体5,6の幅方向における中心部から互いに等間隔に離間された位置に設けられている。よって、一方のヒンジ本体6における各嵌挿突部21間の幅寸法は、他方のヒンジ本体5における各嵌挿突部21間の幅寸法に等しい。また、これら嵌挿突部21は、各載置片部15の基端縁からこれら各載置片部15の先端側に向けて直角に切り起されて形成されている。
【0038】
さらに、これら各ヒンジ本体5,6の各立上がり面部8の前端には、これら各ヒンジ本体5,6の載置片部15から切り起されて形成された略円板状の対をなす軸受部22がそれぞれ設けられている。これら軸受部22は、立上がり面部8に対して面一な平板状であり、ヒンジ本体5,6の前側上方に向けて突出している。さらに、これら各軸受部22の中心部には、これら各軸受部22の面方向に向けて開口し互いに同心状に連通した円形の軸受孔23がそれぞれ穿設されている。
【0039】
そして、これら軸受孔23には、一方のヒンジ本体6の各軸受部22の内側から、これら軸受部22の各軸受孔23に略円環状のカラー24を介在させた後、他方のヒンジ本体5の対をなす軸受部22それぞれの外側面を、一方のヒンジ本体6の軸受部22の内側面の間に入り込ませて嵌め込んで、これら軸受部22の各軸受孔23を一方のヒンジ本体6の各軸受部22の軸受孔23のそれぞれに同心状に連通させた状態で、細長円柱状のピン体としてのヒンジ軸25が挿通される。このヒンジ軸25の軸方向における一端部には、同心状に拡径された抜止突部26が形成されている。また、このヒンジ軸25の軸方向における他端部には、この他端部をかしめて拡径させる凹弧面状に同心状に窪んだかしめ凹部27が形成されている。
【0040】
次いで、一方のヒンジ本体6の突出部7における突出面部9には、このヒンジ本体6の表面側に向けて突出した凸状の抜止片部31が設けられている。この抜止片部31は、突出面部9の後側から前側に向けて直角に切り起されて形成されており、この突出面部9の後側中央部に設けられている。すなわち、この抜止片部31は、この突出面部9の面方向に対して直交した面方向を有している。
【0041】
さらに、この突出面部9における抜止片部31より前側には、一対の係合片部32が突設されている。これら一対の係合片部32は、突出面部9の幅方向における両側近傍に、この突出面部9の前後方向に沿って突出している。また、これら一対の係合片部32は、突出面部9の幅方向における中央域からこの突出面部9の両側に向けて直角に切り起されて形成されている。さらに、これら係合片部32の先端部は、互いに向かい合う方向に向けて略直角に折り曲げられて形成された断面L字状の係合爪部33が設けられている。これら係合爪部33は、突出面部9の前後方向に沿って形成されており、互いの面方向が一致している。
【0042】
そして、これら一対の係合片部32の各係合爪部33には、他方のヒンジ本体5に対する一方のヒンジ本体6の回動角度を保持あるいは規制する付勢手段としての押圧体であるスライダ34が摺動可能に係合されている。このスライダ34の両側面における下端縁には、このスライダ34の前後方向に沿った凹溝状の摺動溝部35がそれぞれ形成されている。これら摺動溝部35は、係合片部32の係合爪部33それぞれに摺動可能に係合される。
【0043】
また、このスライダ34の前端面の上側縁には、幅方向に沿って上下方向に向けて湾曲した断面略円弧状の押圧部としての付勢面部36が形成されている。この付勢面部36は、他方のヒンジ本体5に対する一方のヒンジ本体6の折り曲げを規制するとともに、これら一対のヒンジ本体5,6間における折り曲げ角度を保持する。
【0044】
さらに、この付勢面部36に対向したスライダ34の後側には、幅方向に沿って下方縁が段状に切り欠かれた切欠凹部37が形成されている。この切欠凹部37の下端側に位置する後端面には、スライダ34の後側に向けて開口した細長円筒状のばね取付凹部38が設けられている。このばね取付凹部38には、螺旋状に巻回した弾性体としての巻きばねであるばね体39の軸方向における一端部が嵌挿されている。このため、このばね取付凹部38の内径寸法は、ばね体39の最大外径寸法に略等しい。よって、このばね体39の一端部は、スライダ34のばね取付凹部38に嵌挿されて径方向への移動が規制されている。
【0045】
すなわち、このばね体39は、一端部をスライダ34のばね取付凹部38に嵌挿させた状態で、このばね体39の他端部が抜止片部31の内側面に当接するように、このスライダ34の摺動溝部35を係合片部32の係合爪部33に係合させることにより、このスライダ34を付勢面部36側に向けて弾性力にて付勢する。
【0046】
次いで、他方のヒンジ本体5の突出面部9には、この突出面部9の幅方向に沿った長手方向を有する細長矩形状の嵌合孔としての保持凹部41が開口されている。この保持凹部41は、突出面部9の上下方向に向けて貫通しており、この突出面部9における当接面部11から後側に向けて離間された位置に設けられている。
【0047】
そして、この保持凹部41には、他方のヒンジ本体5に対する一方のヒンジ本体6の回動を規制するとともに、これらヒンジ本体5,6の回動角度を規制および保持するカム42が取り付けられている。すなわち、このカム42は、スライダ34とばね体39とにより、一対のヒンジ本体5,6間における回動角度を規制あるいは保持する保持手段としてのキャッチング機構40を構成する。また、このカム42の下端部には、保持凹部41に嵌合される矩形状の嵌合突部43が突設されている。この嵌合突部43は、保持凹部41に合致した細長矩形状に形成されており、この保持凹部41に嵌合させることにより、カム42を他方のヒンジ本体5に取り付けて、このカム42の水平方向および周方向への回動やずれなどを防止する。
【0048】
また、このカム42の下端部における嵌合突部43より前側および後側のそれぞれには、この嵌合突部43を保持凹部41に嵌合させた際に、突出面部9の内側面に当接する平坦な載置面部44が形成されている。なお、カム42の幅寸法は、他方のヒンジ本体5の軸受部22間における幅寸法に略等しい。また、このカム42の幅方向における両側面には、このカム42の幅方向に沿った軸方向を有する軸挿通孔45が開口されている。この軸挿通孔45は、ヒンジ軸25の外径寸法に略等しい内径寸法を有しており、このヒンジ軸25が挿通される。
【0049】
さらに、このカム42の上端側には、このカム42の軸挿通孔45の内周面に沿った円弧状の円弧面カム部46が設けられている。この円弧面カム部46は、カム42の幅方向に沿って形成されている。また、このカム42における円弧面カム部46より前側には、略山形の係合カム部47が設けられている。この係合カム部47は、円弧面カム部46に連続して、この円弧面カム部46の幅方向に沿って設けられている。また、この係合カム部47と円弧面カム部46との間には、略V溝状の係合溝部48が形成されている。この係合溝部48には、一方のヒンジ本体6に取り付けられたスライダ34の付勢面部36が、これら一対のヒンジ本体5,6による回動により摺動して係脱可能に係合する。
【0050】
また、このカム42における円弧面カム部46より後側には、図7に示すように、幅方向に沿ったV溝状の回動規制カム部49が形成されている。この回動規制カム部49は、円弧面カム部46に対して連続して設けられており、この円弧面カム部46よりカム42の径方向に向けて突出している。すなわち、この回動規制カム部49は、他方のヒンジ本体5に対する一方のヒンジ本体6の回動角度を所定値に規制して、これらヒンジ本体5,6間における回動過度を防止する。
【0051】
一方、これら各ヒンジ本体5,6の裏面側には、比較的硬質で弾性変形可能な合成樹脂などにて成形された略C字状の取付部材としての埋込部材51が取り付けられている。この埋込部材51は、折り戸2の各扉体3の埋込凹部4に埋め込まれて、これら扉体3の内側面に取り付けられて位置決め固定されることにより、一対のヒンジ本体5,6にて折り戸2の扉体3間を回動可能に連結させる。すなわち、この埋込部材51は、互いに回動可能に連結された一対のヒンジ本体5,6の回転中心、すなわちヒンジ軸25の軸心を折り戸2の各扉体3の内側面に近接させて、これら一対のヒンジ本体5,6の回動で折り戸2の各扉体3間を折り畳んだ際にこれら扉体3間に生じる隙間を少なくして、この隙間に利用者の手などが挟まることを防止する。
【0052】
そして、この埋込部材51は、各扉体3の埋込凹部4の内周面に略等しい円弧状の外周面を有する細長棒状の基体部52を備えている。そして、この基体部52の幅方向における両端部には、この基体部52における前側に向けて突出した一対の嵌合片部53が一体的に突設されている。これら一対の嵌合片部53は、基体部52に面一に形成されており、各扉体3の埋込凹部4の内側面に略等しい外側面を有している。
【0053】
さらに、これら一対の嵌合片部53の内側面と基体部52の内側面とにより、各ヒンジ本体5,6の裏面側からこれら各ヒンジ本体5,6の突出部7の周囲に嵌合される嵌合部としての上下方向に貫通した凹状の嵌合凹部54が形成されている。この嵌合凹部54の幅寸法、すなわち一対の嵌合片部53の内側面間の距離は、幅の大きな軸受部22を有する一方のヒンジ本体6の立上がり面部8における外側面間の距離に略等しい。
【0054】
よって、この嵌合凹部54は、対をなす軸受部22間の幅寸法が大きな一方のヒンジ本体6の軸受部22および突出部7に対して、この一方のヒンジ本体6の裏面側から嵌合されて、この一方のヒンジ本体6の各軸受部22に対して幅方向に亘って嵌合される。また、この嵌合凹部54は、対をなす軸受部22間の幅寸法が小さい他方のヒンジ本体5の軸受部22および突出部7に対して、これら軸受部22および突出部7の周囲である両側域に空隙58を介してこの他方のヒンジ本体5の裏面側から嵌合されて、この他方のヒンジ本体5の各軸受部22に対して幅方向に亘って嵌合される。
【0055】
さらに、埋込部材51の一対の嵌合片部53それぞれの先端部における上側には、これら嵌合片部53の幅方向に沿った凹弧面状の軸逃凹部55がそれぞれ設けられている。これら各軸逃凹部55は、各ヒンジ本体5,6の軸受部22の軸受孔23に挿通したヒンジ軸25の抜止突部26、およびこのヒンジ軸25のかしめ凹部27を用いてこのヒンジ軸25の端部をかして形成したかしめ突部28による当接を避ける。
【0056】
また、埋込部材51の一対の嵌合片部53の前後方向における中間部には、これら一対の嵌合片部53の上下方向に向けて貫通して開口した圧入孔としての断面矩形状の嵌挿凹部56がそれぞれ穿設されている。これら嵌挿凹部56は、各ヒンジ本体5,6の嵌挿突部21とともに、これら各ヒンジ本体5,6に埋込部材51を係合させる際の係合部を構成する。これら嵌挿凹部56間の距離は、各ヒンジ本体5,6の嵌挿突部21間の距離に略等しい。よって、これら嵌挿凹部56は、埋込部材51の嵌合凹部54を各ヒンジ本体5,6の突出部7に嵌合させた際に、これら各ヒンジ本体5,6の嵌挿突部21のそれぞれが圧入されて嵌挿される。
【0057】
ここで、これら各嵌挿凹部56の内部には、図3(a)ないし(c)に示すように、これら各嵌挿凹部56における先端側の内側面から基端側に向けて突出した抜止突部57がそれぞれ設けられている。これら抜止突部57は、各嵌挿凹部56に嵌挿された嵌挿突部21による圧入により弾性変形されて、この嵌挿突部21による嵌挿凹部56への嵌挿を抜け止め保持する。
【0058】
さらに、埋込部材51の基体部52における上側には、この基体部52の内側縁から外方へと突出した平坦な板状の位置決め片部61が一体的に設けられている。この位置決め片部61は、基体部52の幅方向に沿った長手方向を有しており、この基体部52の幅方向における中心部に設けられている。また、この位置決め片部61は、各ヒンジ本体5,6の載置片部15における係合凹部13間の距離に略等しい長手寸法を有している。さらに、この位置決め片部61は、各ヒンジ本体5,6の載置片部15における係合凹部13の深さ寸法に略等しい前後方向における幅寸法を有している。すなわち、この位置決め片部61は、各ヒンジ本体5,6に埋込部材51を取り付けた際に、これらヒンジ本体5,6の係合凹部13間を載置片部15の表面に対して面一にする。
【0059】
また、この位置決め片部61に対向した基体部52の裏面には、この基体部52の内側に向けて幅方向に沿って段状に切り欠かれた係合段部62が形成されている。この係合段部62は、各ヒンジ本体5,6の係合縁部12とともに、これらヒンジ本体5,6に埋込部材51を係合させる際の係合部を構成する。また、この係合段部62による各ヒンジ本体5,6の係合縁部12への係合は、これらヒンジ本体5,6の嵌挿突部21による埋込部材51の嵌挿凹部56への係合方向とは異なるこの係合方向に直交した方向である。
【0060】
さらに、この係合段部62は、各ヒンジ本体5,6の係合縁部12の幅寸法に略等しい幅寸法を有しており、この係合縁部12の湾曲部14に略等しい凹弧状の内側面を有している。よって、この係合段部62は、図3(b)に示すように、このヒンジ本体5,6の係合縁部12の湾曲部14に引っ掛けて、この係合段部62の内縁を中心に埋込部材51を回動させることにより、図3(c)に示すように、各ヒンジ本体5,6の突出部7に埋込部材51の嵌合凹部54が嵌合されるとともに、この埋込部材51の各嵌挿凹部56にヒンジ本体5,6の各嵌挿突部21が圧入されて嵌挿される。さらに、この係合段部62の下端面には、一対のリブ体63を介して複数の肉盗み凹部64が形成されている。
【0061】
次に、上記第1の実施の形態の組立動作を説明する。
【0062】
まず、スライダ34のばね取付凹部38にばね体39の一端部を挿入した後、このばね体39の他端部が一方のヒンジ本体6の抜止片部31の前端面に当接するように、このスライダ34の各摺動溝部35を一方のヒンジ本体6の係合片部32の各係合爪部33に摺動可能に係合させる。
【0063】
次いで、カム42の係合カム部47を一方のヒンジ本体6の当接面部11側に向けた状態で、このカム42の嵌合突部43を他方のヒンジ本体5の保持凹部41に嵌合させるとともに、一方のヒンジ本体6の各軸受孔23の内側からカラー24を取り付ける。
【0064】
この状態で、一方のヒンジ本体6の一対の軸受部22の内側にカラー24を介在させつつ、他方のヒンジ本体5の各軸受部22を嵌め込んで入り込ませて、これら一対のヒンジ本体5,6の各軸受孔23のそれぞれを同心状に連通させるとともに、これら各軸受孔23のそれぞれをカム42の軸挿通孔45に対して同心状に連通させる。
【0065】
そして、互いに連通した各軸受孔23、カラー24およびカム42の軸挿通孔45のそれぞれにヒンジ軸25を挿通させるとともに、このヒンジ軸25の他端部のかしめ凹部27をかしめて拡径させてかしめ突部28を形成する。
【0066】
次に、上記第1の実施の形態のヒンジ本体への埋込部材の取付方法を図3を参照して説明する。
【0067】
まず、図3(a)に示すように、ヒンジ本体5,6の後方からこのヒンジ本体5,6の突出部7に埋込部材51の嵌合凹部54の前側を向けつつ、この埋込部材51の各嵌合片部53それぞれの先端部を下方へと回動させた状態で、この埋込部材51を水平に移動させる。
【0068】
そして、図3(b)に示すように、この埋込部材51の位置決め片部61をヒンジ本体5,6の係合凹部13に係合させるとともに、このヒンジ本体5,6の係合縁部12に埋込部材51の係合段部62を係合させる。
【0069】
この後、この埋込部材51の係合段部62の先端縁を回転中心として、この埋込部材51の各嵌合片部53それぞれの先端部を上側に向けて回転させて、図3(c)に示すように、この埋込部材51の各嵌挿凹部56にヒンジ本体5,6の各嵌挿突部21のそれぞれを圧入して嵌挿させる。
【0070】
次に、上記第1の実施の形態の取り付け動作を説明する。
【0071】
まず、図1に示すように、折り戸2の一対の扉体3における内側面の互いに対向する内縁近傍に、互いに対向した一対の埋込凹部4を形成する。
【0072】
次いで、図7に示すように、これら一対の扉体3の各埋込凹部4を対向させた状態で、これら埋込凹部4に各ヒンジ本体5,6の裏面に取り付けられた埋込部材51を埋め込む。
【0073】
この後、これらヒンジ本体5,6の各載置片部15のねじ挿通孔16それぞれに図示しないねじ体を挿入させて、これらねじ体にて各ヒンジ本体5,6を各扉体3の内側面に位置決め固定させて、これら一対の扉体3をヒンジ1にて回動可能に連結させる。
【0074】
そして、これら一対の扉体3の内側面を互いに向かい合わせて回動させて、他方のヒンジ本体5のカム42の係合カム部47を一方のヒンジ本体6のスライダ34の付勢面部36に対してばね体39の弾性力に抗して乗り上げさせる。
【0075】
このとき、このカム42の係合カム部47へのスライダ34の付勢面部36による係合が解除されて、一対の扉体3が回動可能となる。
【0076】
さらに、これら一対の扉体3を回動させると、カム42の円弧面カム部46に対してスライダ34の付勢面部36が摺動する。
【0077】
そして、このスライダ34の付勢面部36をカム42の回動規制カム部49に係合させることにより、このスライダ34の付勢面部36の移動がカム42の回動規制カム部49により規制されるので、一対のヒンジ本体5,6の間における回動が規制されて、一対の扉体3の回動角度、すなわち折り畳み角度が規制される。
【0078】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、突出部7の幅寸法が大きな一方のヒンジ本体6の軸受部22の間に、突出部7の幅寸法が小さな他方のヒンジ本体5の軸受部22を入り込ませて嵌め込んで、これらヒンジ本体5,6それぞれの軸受部22の各軸受孔23のそれぞれにヒンジ軸25が挿通されて、これらヒンジ本体5,6が回転可能に連結されている。
【0079】
そこで、ヒンジ本体5,6の裏面側に取り付けられる埋込部材51に、一方のヒンジ本体6の幅の大きな突出部7の幅寸法に略等しい幅寸法を有する嵌合凹部54を設ける。さらに、各ヒンジ本体5,6の載置片部15のそれぞれに裏面側に向けて突出する嵌挿突部21を形成するとともに、これら嵌挿突部21が嵌挿される嵌挿凹部56を埋込部材51の各嵌合片部53のそれぞれに開口する。
【0080】
この結果、ヒンジ本体5,6の突出部7の幅寸法とは無関係に、これらヒンジ本体5,6の突出部7を埋込部材51の嵌合凹部54に嵌合させるとともに、この埋込部材51の各嵌挿凹部56のそれぞれに各ヒンジ本体5,6それぞれの嵌挿突部21を嵌挿させて圧入することにより、他方のヒンジ本体5が有する幅寸法の小さな突出部7に対しては両側に空隙58を介して埋込部材51の嵌合凹部54に嵌合される。このため、幅寸法の異なる突出部7を備えた一対のヒンジ本体5,6それぞれに埋込部材51を確実かつ簡単に取り付けることができる。
【0081】
よって、突出部7の幅寸法が異なる一対のヒンジ本体5,6に取り付けられる埋込部材51を互いに等しい形状にして共通化できるから、この埋込部材51を製造する際の金型を一種類にできる。このため、この埋込部材51を製造するための金型の製造コストを削減できるから、この埋込部材51の製造コストの削減が容易にできるとともに、この埋込部材51の部品管理に手間を省くことができる。
【0082】
また、各ヒンジ本体5,6に埋込部材51を取り付ける際に、この埋込部材51を識別する必要がなくなるので、組み立て時における部品混入を無くすことができる。さらに、ヒンジ本体5,6の各嵌挿突部21を埋込部材51の各嵌挿凹部56に圧入にて嵌挿させるだけで、この埋込部材51をヒンジ本体5,6に取り付けることができる。よって、各ヒンジ本体5,6への埋込部材51の取り付けを容易にできるから、この埋込部材51の汎用性を向上でき、この埋込部材51の取り扱い性を容易に向上できる。
【0083】
さらに、埋込部材51をヒンジ本体5,6に取り付けるためには、このヒンジ本体5,6の裏面側から、このヒンジ本体5,6の係合縁部12に埋込部材51の係合段部62をこのヒンジ本体5,6の前後方向に沿って引っ掛けて係合させ、この状態から埋込部材51の各嵌合片部53の先端側を上方に向けて回動させて、これら各嵌合片部53それぞれの嵌挿凹部56にヒンジ本体5,6の嵌挿突部21をこのヒンジ本体5,6の厚み方向に向けて圧入にて嵌挿させる必要がある。
【0084】
このため、この埋込部材51は、この埋込部材51の嵌挿凹部56および係合段部62と各ヒンジ本体5,6の嵌挿突部21および係合縁部12とによって、これらヒンジ本体5,6に対して互いに直交する前後方向および厚み方向のそれぞれに沿って係合された状態で取り付けられる。よって、これら各ヒンジ本体5,6それぞれに埋込部材51を簡単な作業でより確実に取り付けることができるから、これら各ヒンジ本体5,6から埋込部材51をより外れにくくできるとともに、この埋込部材51の取り扱い性をより容易に向上できる。
【0085】
また、カム42の下端部に嵌合突部43を突出させ、この嵌合突部43が嵌合する保持凹部41を他方のヒンジ本体5の突出面部9に穿設して、この保持凹部41にカム42の嵌合突部43を嵌合させることにより、一対のヒンジ本体5,6を互いに回動させた際における他方のヒンジ本体5に対するカム42のずれを防止している。
【0086】
このため、他方のヒンジ本体5の先端縁に凹状の嵌合凹部54を設けて、この嵌合凹部54にカム42の嵌合突部43を係合させて、一対のヒンジ本体5,6を互いに回動させた際におけるカム42のずれを防止する場合に比べ、他方のヒンジ本体5の当接面部11を切り欠く必要がないので、一対のヒンジ本体5,6を回動させて互いの当接面部11を当接させる際におけるこれら当接面部11による当接面積をより大きく確保できる。
【0087】
よって、これらヒンジ本体5,6の各当接面部11間を当接させた際における強度をより向上できるとともに、これらヒンジ本体5,6による開き角度、およびこれらヒンジ本体5,6の軸受部22間の距離のそれぞれをより安定できる。この結果、これらヒンジ本体5,6の製品精度の確保が容易にできるとともに、これらヒンジ本体5,6に対するカム42の取り付け強度を簡単な構成で確実かつ容易に確保できる。
【0088】
そして、各ヒンジ本体5,6は、金属製の一枚の平板体の幅方向における中心部をコ字状にプレス成形にて折り曲げて突出部7を形成するとともに、この平板体から嵌挿突部21、抜止片部31および係合片部32をプレス成形にて切り起し、さらに、この平板体をプレス成形にて穿設してねじ挿通孔16、保持凹部41および軸挿通孔45を形成することにより構成されている。
【0089】
このため、これら各ヒンジ本体5,6は、箱折りや絞りなどといった比較的複雑な成形をすることなく、折り曲げおよび穿設のみの比較的簡単なプレス成形のみで製造できるから、これら各ヒンジ本体5,6の製造が容易となり、これら各ヒンジ本体5,6の製造コストを削減できるとともに、これら各ヒンジ本体5,6の強度を簡単な構成で確実に向上できるので、これら各ヒンジ本体5,6の強度を容易に確保できる。
【0090】
なお、上記第1の実施の形態では、他方のヒンジ本体5に保持凹部41を設け、この保持凹部41に嵌合される嵌合突部43をカム42の下端部に設けたが、他方のヒンジ本体5の突出面部9に嵌合突部43を設け、この嵌合突部43が嵌合する保持凹部41をカム42の下端部に設けても、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0091】
次に、本発明の第2の実施の形態の構成を図8を参照して説明する。
【0092】
この図8に示す埋込部材51は、基本的には図1ないし図7に示す埋込部材51と同様であるが、この埋込部材51を厚み方向における上下方向に向けて同形、すなわち表裏同形にしたものである。
【0093】
そして、この埋込部材51の基体部52の上端面および下端面のそれぞれには、この基体部52の内側に向けて幅方向に沿って段状に切り欠かれた互いに等しい形状の係合段部62がそれぞれ設けられている。
【0094】
したがって、この図8に示す埋込部材51は、ヒンジ本体5,6の後方からこのヒンジ本体5,6の突出部7に嵌合凹部54を嵌合させつつ、このヒンジ本体5,6の係合縁部12に下側の係合段部62を係合させた状態で回動させて、ヒンジ本体5,6の各嵌挿突部21のそれぞれを各嵌挿凹部56に圧入にて嵌挿させることにより、このヒンジ本体5,6に取り付けられるので、図1ないし図7に示す埋込部材51と同様の作用効果を奏することができる。
【0095】
さらに、この埋込部材51をヒンジ本体5,6に取り付ける際に、この埋込部材51の表裏を判断して識別する必要がなくなるので、この埋込部材51をヒンジ本体5,6に取り付ける際における面勝手を向上でき、この埋込部材51の取り扱い性を簡単な構成で確実かつ容易に向上できる。
【0096】
なお、上記各実施の形態では、家具本体の開口部を開閉可能にする折り戸2の一対の扉体3を回動可能に連結させるヒンジ1について説明したが、このヒンジ1を対応させて用いることにより、多種多用な部材間を回動可能に連結させることができる。
【0097】
また、扉体3の埋込凹部4の形状に合わせて、埋込部材51の形状を変更させれば、どのような形状の埋込凹部4に対しても埋込部材51を埋め込んでヒンジ本体5,6を位置決めできる。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、一対のヒンジ本体の切起突部への取付部材の嵌挿凹部の嵌挿で、これら取付部材が一対のヒンジ本体に取り付けられるから、これら一対のヒンジ本体への取付部材の取り付けが容易になり、この取付部材の取り扱いを容易にできる。
【0099】
さらに、一対のヒンジ本体における幅の大きな軸受部に幅方向に亘って嵌合する取付部材の嵌合部を、一対のヒンジ本体における幅の小さな軸受部に幅方向に亘って嵌合できるので、これら取付部材を互いに等しい形状にすることにより製造コストの削減を容易にでき、取付部材の取り扱いを容易にできる。
【0100】
また、一対のヒンジ本体における幅の小さな軸受部に空隙を介して幅方向に亘って嵌合する取付部材の嵌合部を、一対のヒンジ本体における幅の大きな軸受部に幅方向に亘って嵌合できるので、これら取付部材を互いに等しい形状にすることにより製造コストの削減を容易にでき、取付部材の取り扱いを容易にできる。
【0101】
さらに、一対のヒンジ本体の軸受部に嵌合される嵌合部を備えた取付部材を表裏同形にしたので、これら取付部材を一対のヒンジ本体の嵌合部に嵌合させる際に、この取付部材の表裏を判断する必要がなくなるから、この取付部材の取り扱いを容易にできる。
【0102】
また、取付部材の複数の係合部によるヒンジ本体への互いに異なる方向に向けた係合により、これら一対のヒンジ本体に取付部材が取り付けられるので、これら一対のヒンジ本体への取付部材の取り付けがより確実になり、この取付部材の取り扱いを容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヒンジの第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】 同上ヒンジを示す分解斜視図である。
【図3】 同上ヒンジのヒンジ本体への取付部材の取り付けを示す説明図である。
(a) ヒンジ本体に取付部材の嵌合部を嵌合させた説明側面図
(b) ヒンジ本体の切欠突部を取付部材の嵌挿凹部に嵌挿させる前の説明側面図
(c) ヒンジ本体の切欠突部を取付部材の嵌挿凹部に嵌挿させた後の説明側面図
【図4】 同上ヒンジを示す上面図である。
【図5】 同上ヒンジを示す側面図である。
【図6】 同上ヒンジを示す下面図である。
【図7】 同上ヒンジを示す断面図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態のヒンジの一部を示す斜視図である。
(a) 取付部材の表面斜視図
(b) 取付部材の裏面斜視図
【符号の説明】
1 ヒンジ
3 被取付部材としての扉体
5 他方のヒンジ本体
6 一方のヒンジ本体
12 係合部としての引掛け部である係合縁部
21 係合部としての切起突部である嵌挿突部
22 軸受部
51 取付部材としての埋込部材
54 嵌合部としての嵌合凹部
56 係合部としての嵌挿凹部
58 空隙
62 係合部としての係合段部

Claims (6)

  1. 被取付部材間を回動可能に連結させるヒンジであって、
    切り起し形成された一対の切起突部をそれぞれ備え、互いに回動可能に連結された一対のヒンジ本体と、
    これら一対のヒンジ本体の切起突部に嵌挿される一対の嵌挿凹部をそれぞれ備え、これら一対の嵌挿凹部への前記切起突部による嵌挿で前記一対のヒンジ本体に取り付けられ、前記被取付部材に取り付けられて前記一対のヒンジ本体にて前記被取付部材間を回動可能に連結させ、互いに等しい形状に形成された2つの取付部材と
    を具備し、
    前記各ヒンジ本体それぞれの一対の切起突部は、これら一対の切起突部のうちの一方の切起突部と他方の切起突部とが、これら各ヒンジ本体の回動軸方向の中心位置から互いに等間隔に離間された位置に設けられ、
    前記2つの取付部材それぞれの一対の嵌挿凹部は、これら一対の嵌挿凹部のうちの一方の嵌挿凹部と他方の嵌挿凹部との間の距離が前記各ヒンジ本体の一対の切起突部間の距離に略等しく形成されている
    ことを特徴としたヒンジ。
  2. 一対のヒンジ本体は、一方の間に他方が入り込んで互いを回動可能に連結させる軸受部の幅が異なり、
    取付部材は、前記一対のヒンジ本体における幅の大きな軸受部に幅方向に亘って嵌合される嵌合部を備えている
    ことを特徴とした請求項1記載のヒンジ。
  3. 一対のヒンジ本体は、一方の間に他方が入り込んで互いを回動可能に連結させる軸受部の幅が異なり、
    取付部材は、前記一対のヒンジ本体における幅の小さな軸受部に空隙を介して幅方向に亘って嵌合される嵌合部を備えている
    ことを特徴とした請求項1記載のヒンジ。
  4. 一対のヒンジ本体は、互いを回動可能に連結させる軸受部を備え、
    取付部材は、前記一対のヒンジ本体の軸受部に嵌合される嵌合部を備え、表裏同形である
    ことを特徴とした請求項1記載のヒンジ。
  5. ヒンジ本体は、取付部材の端部が引っ掛けられる引掛け部を備え、
    前記取付部材は、前記ヒンジ本体の引掛け部に端部を引っ掛けて回動させて、このヒンジ本体の切起突部への嵌挿凹部による嵌挿でこのヒンジ本体に取り付けられる
    ことを特徴とした請求項1ないし4いずれか記載のヒンジ。
  6. 取付部材は、一対のヒンジ本体に互いに異なる方向に向けて係合する複数の係合部を備え、これら係合部による前記ヒンジ本体への係合でこのヒンジ本体に取り付けられる
    ことを特徴とした請求項1ないし5いずれか記載のヒンジ。
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