JPH0682166A - 焼成用治具 - Google Patents

焼成用治具

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JPH0682166A
JPH0682166A JP4131528A JP13152892A JPH0682166A JP H0682166 A JPH0682166 A JP H0682166A JP 4131528 A JP4131528 A JP 4131528A JP 13152892 A JP13152892 A JP 13152892A JP H0682166 A JPH0682166 A JP H0682166A
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JP
Japan
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zirconia
alumina
firing
jig
stabilized zirconia
Prior art date
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Pending
Application number
JP4131528A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimasa Mano
稔正 真野
Yoshihisa Kawamura
良久 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆層が熱安定性に優れ、長期にわたって使
用が可能な、被焼成物と反応しない焼成用治具を提供す
る。 【構成】 アルミナ質基材の表面に、イットリア安定化
ジルコニア質層及びカルシア安定化ジルコニア質層を順
次設けたことを特徴とする焼成用治具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックスコンデンサ
ー等の機能性セラミックスの焼成に用いる焼成用治具に
関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスコンデンサー等に代表され
る機能性セラミックスはチタン酸バリウム系,チタン酸
ストロンチウム系,チタン酸ジルコン酸鉛系,フェライ
ト系セラミックスを、高温で焼成することにより製造さ
れる。高温で焼成する際にはアルミナ質,ムライト質,
ジルコニア質,マグネシア質等の、緻密質あるいは多孔
質耐火物が焼成用治具として使用される。これらの焼成
用治具の材質は、価格,寿命,及び処理する機能性セラ
ミックスとの高温での反応性等を勘案して決定される。
それらのうち焼成する機能性セラミックスと高温で反応
しない材質を選定することが極めて重要である。すなわ
ち、両者の反応性が高い場合、製品である機能性セラミ
ックスの特性が著しく損なわれ商品価値を失うこととな
る。
【0003】そのため、前記材質のうちジルコニア質の
焼成用治具を選定せざるを得ない場合がある。しかし、
ジルコニア質の焼成用治具には、(1)高温で使用した
際に変形しやすい,(2)熱伝導率が低いために温度分
布が悪くなる,(3)熱膨張率が大きく耐熱衝撃性に劣
るため亀裂が発生しやすい,(4)高価である,等の耐
久性及び価格に関する諸問題がある。
【0004】この問題を解決するために、被焼成物との
反応性以外の物性についてジルコニア質よりも優れたア
ルミナ質あるいはアルミナ・シリカ質の焼成用治具の表
面にジルコニア質を被覆層として設けて、反応性、耐久
性及び価格の面においてバランスのとれたものを提供す
ることが試みられている。
【0005】アルミナ質あるいはアルミナ・シリカ質の
焼成用治具の表面にジルコニア質を被覆層として設ける
場合には、被覆層に亀裂が生じたり、剥離せぬ様に準安
定化ジルコニアもしくは安定化ジルコニアが使用され
る。ジルコニア質の安定化剤としては一般にマグネシ
ア,カルシア及びイットリアが知られている。しかしマ
グネシア安定化ジルコニアは熱安定性に劣り、またカル
シア安定化ジルコニアは、カルシア成分が、基材である
アルミナ質あるいはアルミナ・シリカ質との反応性が高
いために使用中に基材中に移行してしまい、剥離,亀裂
などが生じて寿命が極めて短くなる等の問題があるた
め、一般にイットリア安定化ジルコニアが選定される。
しかし、機能性セラミックスの種類によっては、イット
リア安定化ジルコニアと極めて容易に反応する場合もあ
るといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的と
するところは、被覆層が熱安定性に優れ、長期にわたっ
て使用が可能な、被焼成物と反応しない焼成用治具を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、アルミナ
質基材の表面にイットリア安定化ジルコニア質層及びカ
ルシア安定化ジルコニア質層を順次設けたことを特徴と
する焼成用治具により達成される。
【0008】本発明のアルミナ質基材のアルミナ含有量
は好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは85重
量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。残部
の成分としてはシリカを主体とするのが好ましいが、本
発明の目的を妨げない範囲でジルコニア,カルシア,マ
グネシア等の成分を含有しても良い。シリカは特にムラ
イト質として含有させるとアルミナ質基材の耐熱衝撃性
を改善する効果があり好ましい。また、シリカは石英な
どの結晶質あるいはシリカを含むガラス質として粒子あ
るいは繊維状で存在させることもできる。アルミナの含
有量が低すぎると基材の強度,耐熱性が低下するばかり
か、被覆層であるジルコニア層とシリカが反応して被覆
層の耐久性が劣り好ましくない。
【0009】本発明のアルミナ質基材は緻密質あるいは
多孔質耐火物いずれでも良いが、連通気孔多孔質体が熱
伝導率が高く温度が均一になりやすいため望ましい。
【0010】基材の耐久性及び被覆層の接着性の観点か
ら、アルミナ質基材の気孔率は10〜80%が好まし
く、40〜80%がさらに好ましい。気孔率が低すぎる
と基材の耐熱衝撃性が低下し焼成用治具としての寿命が
短くなるとともに、基材と被覆層の接着性が低下し剥離
しやすくなり、やはり焼成用治具としての寿命が短くな
る。気孔率が高すぎると基材強度が低下し焼成用治具と
して好ましくない。
【0011】本発明のジルコニア質の被覆層は、少なく
ともイットリア安定化ジルコニアとカルシア安定化ジル
コニアの2層からなるが、最内層のイットリア安定化ジ
ルコニアと最外層のカルシア安定化ジルコニアの中間に
例えば両者の混合物を多層に設けたいわゆる傾斜組成構
造としても良い。
【0012】被覆層の全厚みは40〜700μmが好ま
しく、100〜400μmがさらに好ましい。また、最
内層であるイットリア安定化ジルコニア層の厚みは10
μm以上が好ましく、30μm以上がさらに好ましい。
最外層であるカルシア安定化ジルコニア層の厚みは20
μm以上が好ましく、50μm以上がさらに好ましい。
被覆層の全厚みが薄すぎると被焼成物とアルミナ基材と
の反応を抑制する効果が少なく、一方被覆層の全厚みが
厚すぎると加熱,冷却操作により亀裂や剥離が生じ易
く、焼成用治具としての寿命が短くなる傾向にある。ま
た、最内層であるイットリア安定化ジルコニア層の厚み
が薄すぎると外層のカルシア安定化ジルコニア層から基
材へのカルシアの移行を十分に抑制する効果が少なくな
り、剥離,亀裂が起きやすくなる。さらに、最外層であ
るカルシア安定化ジルコニア層の厚みが薄すぎると被焼
成物とイットリア安定化ジルコニア層との反応を抑制す
る効果が少なくなる傾向にある。なお、最内層のイット
リア安定化ジルコニア層には30重量%以内の範囲でカ
ルシア安定化ジルコニアを混合しても良い。
【0013】本発明に用いるジルコニアの安定化度は1
5%以上のものを用いるのが好ましい。尚ここで安定化
度とは、ジルコニアを粉末X線回折法によって分析し、
その回折パターンのピークを積分して得た回折強度から
次式によって計算し求められるものである。
【0014】
【数1】
【0015】安定化度が15%未満であると、公知の通
り単斜晶ジルコニア(未安定化ジルコニア)の900〜
1200℃で生じる相変態にともなう熱膨張収縮により
被覆層に亀裂や剥離が生じる問題がある。
【0016】本発明に使用するジルコニアには、被焼成
物との非反応性を確保するためには不活性であることが
必要である事から、アーク放電法により一旦溶融した後
冷却固化した物を粉砕することにより得られた所謂電融
ジルコニアが好ましい。
【0017】一方、アルミナ質基材との接着性の観点か
らはある程度活性であることも必要であり、ジルコニア
粒子の平均粒子径は1〜100μmが好ましく、3〜5
0μmのジルコニア粒子を用いるのがさらに好ましい。
平均粒子径が小さすぎると後述の焼付工程でジルコニア
層に加熱収縮が生じ亀裂、剥離が起きやすくなる。平均
粒子径が大きすぎると後述の焼付工程を経てもジルコニ
ア層が十分にアルミナ基材に接着せず剥離、粉落ちが起
きやすくなる。
【0018】本発明の焼成用治具の製造方法の一例は以
下の通りである。アルミナ質を主体とする平均粒子径が
0.1μm〜1mmのセラミックス原料を必要に応じて
粒度配合し、また、必要に応じてバインダーを添加して
押出し成形,射出成形,プレス成形,鋳込み成形等の公
知の方法で賦形する。尚、気孔率が30%以上の基材を
得る場合には、有機質の気孔形成材を添加して賦形する
のが好ましい。
【0019】賦形に引き続き、必要に応じて乾燥した
後、電気炉,ガス炉等を用いて1200〜1700℃で
焼成する。気孔形成材を添加した場合は焼成に先だち2
00〜600℃で所謂脱脂を行うのが望ましい。
【0020】焼成体には引き続きジルコニア粒子をその
表面に塗布する。塗布法としてはスプレー法,フローコ
ーター法,刷毛塗り法,浸漬法等の公知の方法を用い
る。本発明においては、塗布工程は少なくとも2種以上
の組成のジルコニアを複数回繰返すが、その途中に乾燥
工程を設けても良い。
【0021】ジルコニアを塗布したアルミナ質は次いで
電気炉,ガス炉を用いて800〜1500℃で被覆層を
焼付けて、本発明の焼成用治具を得る。
【0022】前記の製造方法は一例を示すものであり、
本発明の焼成用治具の構造及び素材の特性を満たしてお
れば如何なる方法で作成されても良い。
【0023】
【発明の効果】本発明の焼成用治具はアルミナ質基材の
表面にカルシア安定化ジルコニアが被覆されているにも
かかわらず、長期使用にあたっても被覆層に亀裂や剥離
が発生せず安定に使用できる。
【0024】以下本発明を実施例をもって具体的に説明
する。
【0025】実施例1〜8,比較例1 市販の易焼結性アルミナ粉体(平均粒子径0.5μm,
アルミナ純度99.9%)50重量部と平均粒子径20
0μmのアクリルビーズ50重量部の混合物にバインダ
ーとしてポリビニールアルコールの5重量%水溶液を1
0重量%添加し、造粒,乾燥,整粒した後プレス成形機
で板状に成形した。次いで電気炉を用いて400℃で5
時間脱脂を行った後、1550℃で3時間焼成し100
×100×5mmの平板状アルミナ質基材を作成した。
得られたアルミナ質基材の気孔率は75%であった。
【0026】得られたアルミナ質基材上に表1に示すよ
うに各組成のジルコニア粒子を順次スプレー法により多
層コーティングした。ここで一層を塗布した後、全て乾
燥を行い次層の塗布を行った。次いで電気炉を用いて1
400℃で5時間焼付けを行い焼成用治具を作成した。
【0027】得られた焼成用治具を電気炉で300℃/
hrで昇温し、1400℃で6時間保持した後300℃
/hrで冷却するという操作を1サイクルとする加熱冷
却テストを10回まで実施し、ジルコニア被覆層の亀裂
あるいは剥離等の異常の発生の有無を目視にて判定し
た。判定基準として1〜5回で異常が発生するものを
×,6〜10回で異常が発生するものを△,10回で異
常の発生しないものを○とした。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】尚、ここでジルコニアの種類は表2の通り
である。
【0030】
【表2】
【0031】実施例9〜13,比較例2 市販の平均粒子径150μmの電融ムライトを65部と
市販の平均粒子径30μmの電融アルミナ35部の混合
粉体にヒドロキシエチル水溶液を加え混練して坏土と
し、押出成形機により板状に賦形後、乾燥し、ガス炉を
用いて1650℃で10時間焼成し、50×50×4m
mの平板状アルミナ質基材を得た。得られたアルミナ質
基材の化学成分はアルミナ86.2重量%,シリカ1
3.4重量%,その他(Fe2 3 ,Na2 O等)0.
4重量%であり、気孔率は15.6%であった。
【0032】得られたアルミナ質基材上に表3に示すよ
うに各組成のジルコニア粒子を順次フローコーター法に
よりコーティングした。ここで一層を塗布した後、全て
乾燥を行い次層の塗布を行った。次いで電気炉を用いて
1400℃で5時間焼付けを行い焼成用治具を作成し
た。
【0033】被焼成物との反応性を知るためにCoTi
3 ,CaTiO3 ,MgTiO3,SrTiO3 及び
BaTiO3 の等量混合物で直径10mm,厚さ3mm
の模擬ペレットをプレス成形により作成し、各5個ずつ
得られた焼成用治具上に乗せ、1300℃で20時間加
熱した後ジルコニア被覆層との反応性を目視観察した。
尚、反応したものを×、反応しなかったものを○とし
た。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】尚、ここでジルコニアの種類は実施例1の
表2の通りである。
【0036】比較例3 実施例9〜13で作成したアルミナ質基材上に刷毛塗り
法で平均粒子径20μmの電融未安定化ジルコニア(安
定化度0%)を200μm塗布し、電気炉にて1400
℃で2時間焼付けを行ったところ、ジルコニアの被覆層
には多数の亀裂が認められ剥離した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ質基材の表面にイットリア安定
    化ジルコニア質層及びカルシア安定化ジルコニア質層を
    順次設けたことを特徴とする焼成用治具。
JP4131528A 1992-04-23 1992-04-23 焼成用治具 Pending JPH0682166A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4131528A JPH0682166A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 焼成用治具

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JP4131528A JPH0682166A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 焼成用治具

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JPH0682166A true JPH0682166A (ja) 1994-03-22

Family

ID=15060181

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4131528A Pending JPH0682166A (ja) 1992-04-23 1992-04-23 焼成用治具

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JP (1) JPH0682166A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100686427B1 (ko) * 2000-08-28 2007-02-23 미노요교 가부시키가이샤 세라믹스 세터 및 그 제조방법
JP2008103100A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質およびその焼成用治具
JP2021147246A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 日本特殊陶業株式会社 セラミックス
CN114105656A (zh) * 2021-11-25 2022-03-01 吴丽贤 一种加入高温粘接剂、煨法烧结的新型脱硫枪生产方法

Cited By (4)

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