JPH09286678A - ジルコニア被覆耐火物 - Google Patents

ジルコニア被覆耐火物

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JPH09286678A
JPH09286678A JP8098387A JP9838796A JPH09286678A JP H09286678 A JPH09286678 A JP H09286678A JP 8098387 A JP8098387 A JP 8098387A JP 9838796 A JP9838796 A JP 9838796A JP H09286678 A JPH09286678 A JP H09286678A
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zirconia
refractory
firing
coated
coating
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JP8098387A
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Hiroyuki Matsumura
浩行 松村
Shigeru Inoue
茂 井上
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】表面被覆層に生成された無数の微小クラック
が、加熱冷却による膨脹収縮を吸収し、熱衝撃による耐
火物の割れ頻度が少ないので、繰り返して使用すること
ができるジルコニア被覆耐火物、および耐火物表面に発
生したクラックを補修したジルコニア被覆耐火物を提供
する。 【解決手段】焼成に用いられる耐火物の表面に、平均粒
径1μm以下のジルコニアを主成分とするスラリーを被
覆させ、焼成したことを特徴とするジルコニア被覆耐火
物であり、そのジルコニア被覆層の平均粒子径が2μm
以下、膜厚が200μm以下であり、被覆層に無数の微
小クラックがあることを特徴とするジルコニア被覆耐火
物。また、表面にクラックの発生した耐火物に、平均粒
径1μm以下のジルコニアを主成分とするペーストを埋
め込み、その上から、平均粒径1μm以下のジルコニア
を主成分とするスラリーを被覆させ、焼成することを特
徴とするジルコニア被覆耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セッター、匣鉢、
棚板、蓋など焼成用耐火物、およびその補修方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】積層コンデンサ、高電圧コンデンサなど
を含むセラミックコンデンサ、圧電セラミックスなどの
圧電材料、マイクロ波誘電体、積層LC複合チップ、S
AWフィルタなどの高周波部品、半導体コンデンサ、P
TCサーミスタ、NTCサーミスタ、セラミックバリス
タ、セラミックセンサーなどの半導体セラミックスの原
料としてチタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸
ジルコン酸鉛(PbTiZrO3)、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジ
ルコニウム(ZrO2)、稀土類酸化物、ガラス材料な
どの酸化物あるいはこれらの複合物が用いられている。
【0003】各種コンデンサやセンサーなど電子材料部
品を焼成する際は、酸化物系のセッターや棚板などの耐
火物が使用されている。このような電子部品は、一般
に、これらの原料を調合し、成形し、焼成用セッターに
のせ、800〜1400℃で焼成することで、セラミッ
クス素体をつくり、この素体へ電極を形成させることで
素子がつくられ、最終的に組み立てることで部品となっ
ている。
【0004】また、非晶質の酸化物粉末を焼成し、結晶
質の酸化物粉末にする工程においては、酸化物系の匣
鉢、ルツボ、蓋などが焼成用耐火物として使用され、射
出、押出、鋳込、プレスなどの成形方法により得られた
セラミックスなどの成形体を焼成する工程においても、
酸化物系などのセッター、匣鉢、棚板、蓋などが焼成用
耐火物として使用されている。
【0005】焼成用の耐火物としても、プッシャー式、
ローラーハース式、コンベア式、ウォーキングビーム式
などの連続焼成炉に用いられる台板、支柱、煉瓦やセラ
ミックボードなどの内張材あるいは、エレベーター式、
台車式、シャトル式などのバッチ焼成炉に用いられる支
柱、煉瓦やセラミックボードなどの内張材として使用さ
れている。
【0006】耐火物に使用される材質は、軽量で強度が
あり、かつ安価なものが好まれ、酸化物系であれば、ア
ルミナ質、ムライト質、スピネル質、ジルコニア質、コ
ージェライト質などが用いられ、非酸化物系であれば、
窒化珪素質、炭化珪素質などが用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】コンデンサの主原料で
あるBaTiO3のBaやPbTiO3のPbは、アルミ
ナと反応し汚染され、電気特性が低下したり、ガラス成
分が多い焼成物は、ガラスの溶融温度に近いところで焼
成した場合、ガラス成分が溶融し、セッターと焼成物が
接着したり、高純度な非晶質ジルコニア粉末を結晶化す
る工程において、ムライト匣鉢など高SiO2の材質の
ものを使用すると、焼成物がSiO2と反応するなどの
問題が生じていた。
【0008】また、射出、押出、鋳込、プレスなどの成
形方法により得られたセラミックスなどの成形体を焼成
する工程においても、成形体中に含まれるアクリル、P
VAなどの成形バインダーを脱脂する際に、セラミック
ボードを内張りとして築炉してある炉を用いた場合、バ
インダーとアルミナボードが反応し、ボードが侵食され
る現象が生じていた。
【0009】これらの問題を解決する方法、並びに耐食
性、耐酸化性、耐摩耗性、耐熱性、遮熱特性、電気絶縁
性などの向上を目的として、耐火物表面にジルコニア薄
膜を保護膜として形成させる技術がある。この被覆方法
としては、真空中で原料を蒸発させ、これを基板上に凝
縮させる真空蒸着、原料を蒸発、イオン化させて、負電
圧を印加した基板上に堆積させるイオンプレーティン
グ、イオン銃で原料から原子やクラスタを叩き出し、そ
れを基板上に析出させるスパッタリングなどに代表され
る反応を伴わない物理蒸着方法(PVD);加熱された
基板上で、有機金属、金属ハロゲン化物、炭化水素化合
物などを熱分解、水素還元、あるいはこれらの混合気体
を化学反応させて、基板上に金属をはじめ、酸化物、炭
化物などの無機材料を付着させる化学蒸着方法(CV
D);ジルコニアの微粉末あるいは棒状、板状の焼結体
をプラズマジェット、酸素−アセチレン炎などを用い
て、高温で瞬間的に溶融し、基板上に吹き付ける溶射方
法(TBC)などがあるが、いずれの方法も、施工費用
が高く、セッター、匣鉢、台板など軽量かつ安価で、耐
熱、耐熱衝撃があり、機械的強度の優れた焼成用耐火物
には適さない。
【0010】一般には、セッター、匣鉢などの焼成用耐
火物の表面に、耐火物と同じ粒径のジルコニアスラリー
を吹き付け、あるいは流し込みで、0.3〜1.0mm
の厚さにコーティングする方法があるが、この方法を用
いると、セッター、匣鉢、台板など繰り返して使用され
る耐火物の場合、焼成物と反応や接着防止には効果があ
るが、機械的強度を保つため、コーティング時の熱処理
温度を高くし、気孔率を30%以下にするので、被覆層
が緻密なジルコニア被膜となり、耐火物と被膜の熱膨張
率が異なるため、被膜の厚みが厚いと熱衝撃などによ
り、被覆層に割れや剥離が起こりやすかった。この割れ
が成長すると耐火物にも伝播し、耐火物が破損すること
もあった。
【0011】そこで、特開昭62−216974にある
ように、粒子径10〜45μmのジルコニア粉末40〜
60重量%と粒子径0.5〜5μmジルコニア粉末40
〜60重量%を膜厚50〜500μmとなるように被膜
させた多孔性耐火物があるが、多孔性のため、耐火物の
厚みが薄くなると強度が弱いという欠点がある。また、
特開平3−177383にあるように、70〜200メ
ッシュの粗粒92〜75重量%を骨材とし、1500メ
ッシュ以下の微粒8〜25重量%を結合材とした空隙を
含んだジルコニア質コート層を有する耐火物があるが、
75μm以上の骨材を用いるため、被膜が厚くなるとい
う欠点がある。
【0012】本発明は、これらの問題の解決された、耐
熱性および耐熱衝撃性がよく、表面がジルコニアで被覆
されているため、焼成温度が高くなっても、焼成物と反
応あるいは接着することがなく、また、バインダー類と
も反応することがなく、高温で、繰り返して使用して
も、これら被覆層が剥離することがないので、焼成物へ
混入もなく、表面被覆層に生成された無数の微小クラッ
クが、加熱冷却による膨脹収縮を吸収し、熱衝撃による
耐火物の割れ頻度が少ないので、繰り返して使用するこ
とができるジルコニア被覆耐火物、および耐火物表面に
発生したクラックを補修したジルコニア被覆耐火物を提
供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼成に用いら
れる耐火物の表面に、平均粒径1μm以下のジルコニア
を主成分とするスラリーを被覆させ、焼成したことを特
徴とする、ジルコニア被覆耐火物を要旨とするものであ
る。
【0014】以下に、本発明のジルコニア被覆耐火物
が、充足すべき要件について、詳細に説明する。
【0015】(a)焼成用耐火物 一般に、セラミック粉末やセラミック成形品などを焼成
する際に用いられる耐火物としては、セッター、匣鉢、
ルツボ、棚板、台板、枠、支柱、煉瓦、内張材などがあ
る。これらに用いられる材料としては、アルミナ、シリ
カ、ムライト、ジルコニア、ジルコン、コージェライト
などの酸化物やこれらの混合物、あるいは、窒化珪素、
炭化珪素などの非酸化物がある。
【0016】その製造工程としては、通常、原料調合
し、成形し、乾燥したものを焼成することで行われてい
る。耐火物の種類あるいは用途により、耐火物の気孔率
に差はあるが、耐熱衝撃性のよい焼成用耐火物は、ポー
ラスおよびファイバー質のものを除き、その気孔率は、
5〜25%程度である。気孔率が5%未満のものは、機
械的強度には優れているが、吸水率が低く、耐火物にジ
ルコニアスラリーが含浸あるいは浸透しないので、耐火
物表面に被覆されても、この被膜が焼成後に剥離してし
まい、焼成物中に混入することがあるので、好ましくな
い。
【0017】また、繰り返して使用するうちに耐火物表
面にクラックが発生した場合においても、初期段階であ
れば、ジルコニアスラリーを塗布した後、乾燥させ、焼
成することで、このクラックの成長を抑制することもで
きる。
【0018】一方、ポーラス状のものは、熱衝撃には強
いが、機械的強度面で劣るので、ハンドリング時にコー
ナーが、チッピングなどにより欠けていたが、このよう
な現象も抑制できる。また、内張材として用いられるア
ルミナファイバー入りなどのセラミックボードは、セラ
ミック成形体中に含まれるアクリル、PVAなどのバイ
ンダーとアルミナボードが反応し、ボードが侵食され、
ボードの脱落や天井部の落下となるが、このような現象
も抑制できる。
【0019】(b)ジルコニア質スラリー 耐火物の表面に塗布あるいは含浸させるジルコニア粉末
の製法は、電融法、加水分解法、中和共沈法、加水分解
−中和法、水熱酸化法、熱分解法、アルコキシド法など
があるが、平均粒径が、1μm以下であれば、その製法
を特に限定する必要はない。粉末の平均粒径が1μmよ
り大きいと、焼成温度によっては、焼成後のジルコニア
被覆層のジルコニア平均粒径が、2μmより大きくなる
ことがあり、被覆層に発生した無数の微小クラックが大
きくなりすぎ、被覆層が剥離しやすくなるからである。
【0020】また、安定化剤として、MgO、CaO、
23、CeO2などの稀土類酸化物が多く使用されて
いるが、熱的に安定であればよく、特に安定化剤を限定
する必要はない。例えば、Y23であれば、Y23/Z
rO2のモル比で1.5/98.5以上、より好ましく
は、3/97以上であることが好ましい。1.5/9
8.5未満であれば単斜晶系ジルコニアが多くなり、転
移により耐熱衝撃性が弱くなるからである。
【0021】また、安定化剤および不可避成分以外に、
耐熱性や機械強度の向上などのために、Al23、Ti
2、SiO2などの酸化物あるいはこれらの化合物を共
存させてもよい。焼成時に焼成物と反応あるいは接着し
なければ、含有量を限定する必要はないが、ジルコニア
と安定化剤との合計に対し、0.05〜5質量%の範囲
内で用いることが好ましい。5質量%より多くなると焼
成物によっては、反応したり、接着するものがあるから
である。
【0022】スラリー濃度については、耐火物への塗布
方法に左右されるが、60質量%以下がよく、好ましく
は、5〜50質量%がよい。スラリー濃度が、60質量
%を越えると、スラリー化に時間がかかると共に、刷毛
塗りや噴霧した場合、耐火物表面の被膜が厚くなり、焼
成後に耐火物から剥離する可能性が高くなる。5質量%
より薄くなると、1回の塗布では、クラックを抑制する
だけの被膜が生成されず、数回以上の塗布を要するので
効率が悪くなる。
【0023】また、その分散媒は、水あるいは有機溶媒
が使用できるが、スラリー粘度が100cP以下であれ
ば、気泡を巻き込み難いので、水だけで充分である。1
00cPを越えるようであれば、アクリル酸メチル共重
合体オリゴマーアンモニウム塩などの分散剤や消泡剤を
添加するればよい。
【0024】(c)処理方法 焼成用耐火物の製造工程としては、通常、原料調合し、
成形し、乾燥したものを焼成することで行われるが、本
発明の耐火物表面への含浸、あるいは塗布時期は、焼成
前後どちらでもよいが、好ましくは、焼成後の方がよ
い。耐火物焼成後の方が、焼成時にクラックが発生した
場合の補修も可能であり、表面に無数の微小クラックを
含んだ薄い被膜を生成させやすく、成形後に塗布する場
合は、スラリー中の水分などを急激に成形体が吸収する
ので、被膜が厚くなりやすいからである。
【0025】耐火物表面への塗布あるいは含浸方法とし
ては、公知の吹き付け、刷毛塗り、含浸引き上げ方法な
どがあるが、濃度や粘度などスラリー特性を考え、被膜
が厚くならない方法を採用すればよい。例えば、吹き付
ける場合は、気泡を巻き込んでいるので、ローラーや刷
毛を使用し、できるだけ薄く引き伸して気泡を除去しな
がら塗布すればよい。1回に塗布する被膜厚さは、50
〜60μm以下が好ましい。耐火物表面の被膜が厚すぎ
ると、この被膜が焼成後に剥離してしまい、焼成物中に
混入することがあるので、好ましくない。焼成後の被膜
の厚さは、200μm以下が好ましい。
【0026】炉の枠、支柱、煉瓦及び内張材などに使用
する耐火物は、露出部分にしか塗布できないが、セッタ
ー、匣鉢、ルツボ、棚板など焼成物と直接接触する耐火
物については、全面に塗布した方が効果がある。
【0027】焼成後にクラックが発生した耐火物につい
ては、クラック部分に、ジルコニア粉末を水を加えなが
ら乳鉢などで粉砕し、ペースト状にしたものを練り込
み、その上からジルコニアスラリーを塗布する方法で処
理を行う。
【0028】ジルコニアスラリー塗布後の熱処理温度
は、被膜が耐火物に完全に接着し、剥離しない温度であ
ればよいが、耐火物の耐熱温度を越えてはいけない。好
ましくは、1100〜1700℃、更に好ましくは、1
200〜1550℃がよい。
【0029】この熱処理温度以下でも使用は可能である
が、被膜強度が弱くなるので、摩耗あるいは剥離して、
焼成物中に混入する可能性がある。
【0030】
【発明の効果】以上の如く、本発明のジルコニア被覆耐
火物は、耐熱性および耐熱衝撃性がよく、表面がジルコ
ニアで被覆されているため、焼成温度が高くなっても、
焼成物と反応あるいは接着することがなく、また、バイ
ンダー類とも反応することがなく、高温で、繰り返して
使用しても、これら被覆層が剥離することがないので、
焼成物へ混入もなく、表面被覆層に生成された無数の微
小クラックが、加熱冷却による膨脹収縮を吸収し、熱衝
撃による耐火物の割れ頻度が少ないので、繰り返して使
用することができる。
【0031】この方法を用いれば、繰り返して使用して
も、耐熱性、耐熱衝撃性、機械的強度に優れた軽量、か
つ安価な焼成用耐火物を容易に得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら
限定されるものでない。
【0033】実施例1 市販の(株)ヨータイの匣鉢(材質:電融アルミナ(S
B−KP−2)、サイズ:215×152×107Hm
m、見掛気孔率:20%)9個と同材質の試験片(10
0×100×15tmm)1個の全面に、市販の東ソー
(株)製ジルコニア粉末TZ−3Y(Y23:3モル
%、平均粒径:0.7μm)をスラリー濃度55質量%
に調整したものを1回刷毛塗りした。自然乾燥させた
後、液中造粒法により製造した直径106〜150μm
のジルコニア質成形球体をそれぞれ80容量%充填し、
3列×3段に電気炉内にセットし、大気雰囲気下で、温
度1500℃(昇温速度100℃/h)、保持2時間の
条件で焼成し、温度200℃で炉外に取り出した。
【0034】この塗布と焼成操作を4回繰り返した後、
焼成操作のみ15回、合計20回焼成を繰り返したが、
匣鉢にクラック、変形は見受けられなかった。試験片表
面への被膜の厚さは、約150μm、被覆層のジルコニ
ア平均粒径は、1.0μmだった。
【0035】比較例1 比較例1として、全面にジルコニアコーテイング処理を
行わない以外は実施例と同様に焼成操作を繰り返した
が、匣鉢9個中7個が、数回から10回で中央底部にク
ラックが発生し、繰り返して使用することで、クラック
が成長し半割れとなり、使用不可能となった。
【0036】実施例2 市販の(株)ヨータイの匣鉢(材質:ムライト(MA
R)、サイズ:215×152×107Hmm、見掛気
孔率:22%)9個と同材質の試験片(100×100
×15tmm)1個の全面に、実施例1と同じジルコニ
ア粉末をスラリー濃度30質量%に調整したものを1回
刷毛塗りした。自然乾燥させた後、3列×3段に電気炉
内にセットし、大気雰囲気下で、温度1300℃(昇温
速度100℃/h)、保持2時間の条件で空焼成した。
この操作を更に、2回繰り返した後、焼成処理した匣鉢
に中和法により製造した非晶質ジルコニア粉末をそれぞ
れ80容量%充填し、3列×3段に電気炉内にセット
し、大気雰囲気下で、温度1200℃(昇温速度100
℃/h)、保持2時間の条件で焼成し、温度200℃で
炉外に取り出した。
【0037】更に、粉末の焼成操作のみ17回、合計2
0回焼成を繰り返したが、匣鉢にクラック、変形は見受
けられなかった。試験片表面への被膜の厚さは、約10
0μm、被覆層のジルコニア平均粒径は、0.8μmだ
った。また、20回目の焼成後に得られたジルコニア粉
末中のSiO2量は、40ppmだった。
【0038】比較例2 比較例2として、全面にジルコニアコーテイング処理を
行わない以外は実施例と同様に焼成操作を繰り返した
が、匣鉢9個中5個が、数回で中央底部にクラックが発
生し、繰り返して使用することで、クラックが成長し、
この部分から粉末が流出するため、使用不可能となっ
た。また、2回目の焼成後に得られたジルコニア粉末中
のSiO2量は、150ppmだった。
【0039】実施例3 市販のイソライト工業(株)のセラミックボード(材
質:アルミナファイバー(カオウール1600HA)、
サイズ:220×150×20Hmm(両サイドガス抜
きカット))2枚と同材質の試験片(100×100×
20tmm)1個の全面に、市販の東ソー(株)製ジル
コニア粉末TZ−5Y(Y23:5モル%、平均粒径:
0.7μm)をスラリー濃度15質量%に調整したもの
を数回噴霧塗布し、大気雰囲気下で、温度1500℃
(昇温速度100℃/h)、保持2時間の条件で焼成し
た。更に、実施例1で使用した匣鉢2個に、アクリル系
バインダーを約15%含むジルコニア質成形体(サイ
ズ:140×50×30Hmm)をそれぞれ3枚入れ、
焼成処理したセラミックボードを蓋として置き、大気雰
囲気下で、温度1400℃(昇温速度:500℃まで2
0℃/h、それ以降100℃/h)、保持2時間の条件
で焼成し、温度200℃で炉外に取り出した。この塗布
と焼成操作を4回繰り返した後、焼成操作のみ10回、
合計15回焼成を繰り返したが、ボード表面に変化は見
受けられなかった。試験片表面への被膜の厚さは、約1
50μm、被覆層のジルコニア平均粒径は、1.8μm
だった。
【0040】比較例2 比較例2として、全面にジルコニアコーテイング処理を
行わない以外は実施例と同様に焼成操作を繰り返した
が、数回目からボード表面が変色し、10回目では表面
がかなりざらつき侵食された状態になった。
【0041】実施例4 実施例1と同じ匣鉢を用いて、比較例1と同じ焼成によ
り、数回で中央底部にクラックが発生した匣鉢のクラッ
ク部分に、実施例1のジルコニア粉末を水を加えなが
ら、乳鉢で粉砕しペースト状にしたものを埋め込み、更
に、匣鉢全面に実施例1と同じスラリーを1回刷毛塗り
した。自然乾燥させた後、実施例1と同じ焼成を行っ
た。
【0042】処理後、スラリーの塗布と焼成操作を4回
繰り返した後、焼成操作のみ10回繰り返したが、クラ
ックは、ほとんど成長せず、匣鉢に変形も見受けられな
かった。
【0043】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼成に用いられる耐火物の表面に、平均粒
    径1μm以下のジルコニアを主成分とするスラリーを被
    覆させ、焼成することを特徴とするジルコニア被覆耐火
    物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のジルコニア被覆耐火物にお
    いて、ジルコニア被覆層の平均粒子径が2μm以下、膜
    厚が200μm以下であり、被覆層に無数の微小クラッ
    クがあることを特徴とするジルコニア被覆耐火物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のジルコニ
    ア被覆耐火物において、表面にクラックの発生した耐火
    物に、平均粒径1μm以下のジルコニアを主成分とする
    ペーストを埋め込み、その上から、平均粒径1μm以下
    のジルコニアを主成分とするスラリーを被覆させ、焼成
    することを特徴とするジルコニア被覆耐火物。
JP8098387A 1996-04-19 1996-04-19 ジルコニア被覆耐火物 Pending JPH09286678A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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