JP2006183972A - 電子部品用焼成治具 - Google Patents

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浩明 二本松
Hiroyuki Hotta
啓之 堀田
Yasuhisa Nakanishi
泰久 中西
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Abstract

【課題】中間層の気孔率を低くすることにより、表層を通過した被焼成体の成分(例えば、Pb、Bi、Na、K、Mn、Ca)の基材への浸透を防止することができるため、焼成治具の耐久性を向上させることができるとともに、表層の気孔率を高くし、表層に発生する応力を緩和することができるため、治具の反り、割れ及びコーティング層の剥離を防止し、焼成治具上に載置され焼成される被焼成体(例えば、電子部品)の性能を安定化させることができ、信頼性に優れた電子部品用焼成治具を提供する。
【解決手段】セラミックからなる基材の表面に、コーティング層が形成された電子部品用焼成治具である。コーティング層は、基材の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が10%以下の中間層と、中間層の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が20〜70%である表層から構成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、製品である電子部品の生産歩留まりが良く、長寿命であり、かつ、低コストで生産できる電子部品用焼成治具に関する。
機能性セラミックの焼成に使用される電子部品用焼成治具では、その焼成治具中の成分が被焼成体と反応したり、また被焼成体に含まれる成分が焼成治具中に吸収されて、被焼成体の特性が劣化するのを防止するため、焼成治具中の表面をできるだけ緻密でしかも反応性の低い被膜で被覆することが行われている。
ここで、焼成治具の基材には、Al23−SiO2質の材料がよく用いられる。この基材は、比較的安価であることに加え、熱衝撃に対しても強いため焼成治具を長寿命化することが可能であることから、電子部品用焼成治具の基材として広く使用されている。
ところが、その基材の最表面を緻密な被膜で覆っていても焼成を繰り返す中で、基材中のSiO2成分が被膜の組織を通り抜け、焼成治具の表面に存在するようになることがある。そうすると、そのSiO2成分が被焼成体に混入し、電子部品の特性に影響が出ることになるという問題があった。また、アルミナ質の焼成治具は、Al23含有率が高くなるほど熱膨張係数が大きくなることから、熱衝撃に弱くなり、寿命が短いという問題もあった。
そこで、特許文献1には、Al23含有量が65%以上のAl23−SiO2質基材表面に、厚み300μmのジルコニア溶射膜による被膜を形成することで、焼成用治具として加熱、冷却を繰り返しても溶射層の剥離が少なく耐用が向上することが開示されている。
また、特許文献2には、耐熱性基材表面に溶射被膜を形成した道具材であって、基材の表面に気孔率が12%以上の中間層と、更にその表面に気孔率が7%以下の緻密層を形成することで、実使用時における溶射被膜に発生する応力を緩和して表面の緻密層の剥離を少なくした焼成用治具が開示されている。
しかしながら、特許文献1では、基材から溶射層の剥離を防止することができるが、実使用時に、SiO2成分などの拡散を防止することができないため、被焼成体(例えば、電子部品)の特性が不安定となり、製品(焼成体)の歩留まりが低下するという問題があった。
また、特許文献2では、中間層の気孔率が高いため、緻密層(表層)を通過した被焼成体中の成分(例えば、Pb、Bi、Na、K、Mn、Ca等)が被膜層を通過して基材に浸透し、基材が劣化して割れ、反りといった不具合が発生するため、寿命が短く、緻密層(表層)の気孔率が低いため、実使用時に、緻密層(表層)に発生する応力を緩和することができないため、治具に反りが発生したり、溶射層の剥離を生じるなど短寿命となる問題及び被焼成体の有機物が効率良く除去されないなどの問題があった。
特開平10−158081号公報 特開平11−263671号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、中間層の気孔率を低くすることにより、表層を通過した被焼成体の成分(例えば、Pb、Bi、Na、K、Mn、Ca)の基材への浸透を防止することができるため、焼成治具の耐久性を向上させることができるとともに、表層の気孔率を高くし、表層に発生する応力を緩和することができるため、治具の反り、割れ及びコーティング層の剥離を防止し、焼成治具上に載置され焼成される被焼成体(例えば、電子部品)の性能を安定化させることができ、信頼性に優れた電子部品用焼成治具を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、以下の電子部品用焼成治具を提供するものである。
[1] セラミックからなる基材の表面に、コーティング層が形成された電子部品用焼成治具であって、前記コーティング層が、前記基材の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が10%以下の中間層と、前記中間層の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が20〜70%である表層から構成された電子部品用焼成治具。
[2] 基材の主成分が、Al23−SiO2質、Al23−SiO2−MgO質、SiC−Si34、SiC−Si質、SiC質からなる群より選択される少なくとも1種である[1]に記載の電子部品用焼成治具。
[3] 中間層の主成分が、Al23質又はAl23−SiO2質から構成される[1]又は[2]に記載の電子部品用焼成治具。
[4] 中間層が、ガス又は水プラズマ溶射により形成される[1]〜[3]のいずれかに記載の電子部品用焼成治具。
[5] 表層の主成分が、ZrO2質、Al23質、MgAl24質、MgO質からなる群より選択される少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれかに記載の電子部品用焼成治具。
[6] 表層の主成分が、安定化ZrO2もしくは未安定化ZrO2と安定化ZrO2との混在物である請求項[1]〜[4]のいずれかに記載の電子部品用焼成治具。
[7] 表層の未安定化ZrO2の含有率が、80質量%以下である[6]に記載の電子部品用焼成治具。
[8] 未安定化ZrO2の平均粒径が、1〜45μmである[6]又は[7]に記載の電子部品用焼成治具。
[9] 表層の主成分が、Al23−MgO又はMgOから構成される[1]〜[4]のいずれかに記載の電子部品用焼成治具。
本発明の電子部品用焼成治具は、中間層の気孔率を低くすることにより、表層を通過した被焼成体の成分(例えば、Pb、Bi、Na、K、Mn、Ca)の基材への浸透を防止することができるため、焼成治具の耐久性を向上させることができるとともに、表層の気孔率を高くし、表層に発生する応力を緩和することができるため、治具の反り、割れ及びコーティング層の剥離を防止し、焼成治具上に載置され焼成される被焼成体(例えば、電子部品)の性能を安定化させることができ、信頼性に優れている。
以下、本発明の電子部品用焼成治具について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
尚、本明細書において、「電子部品用焼成治具」とは、セラミックコンデンサ、サーミスタ、フェライト等のセラミックからなる電子部品の焼成に使用する部材を意味し、具体的には被焼成物を載置するためのセッタ、匣鉢、プレート等が包含される。
本発明に係る電子部品用焼成治具は、セラミックからなる基材の表面に、コーティング層が形成された電子部品用焼成治具である。コーティング層は、基材の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が10%以下の中間層と、中間層の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が20〜70%である表層から構成されたものである。
ここで、本発明の焼成治具の主な特徴は、基材の表面に被焼成体との反応性が低い材質である中間層及び表層から構成されたコーティング層を有するとともに、表層の気孔率を大きく、中間層の気孔率を小さくすることにある。
これにより、本発明の焼成治具は、表層の気孔率を大きくすることにより、焼成用治具上に載置され焼成される被焼成体との接触面積を必要最小限にすることができ、被焼成体の成分との反応により、実使用時(高温焼成時)に焼成治具に発生する応力を緩和することができるため、長寿命である。
また、本発明の焼成治具は、被焼成体の有機物を焼成時に効率良く除去することが可能であり、被焼成体の焼成条件(例えば、焼成時のガス抜きや均一焼成)を良好にすることができるため、被焼成体(例えば、電子部品)の性能を安定化させることができ、製品(焼成体)の歩留まりを向上させることができる。
更に、本発明の焼成治具は、繰り返し使用時に、表層で焼成治具に発生する応力を緩和することにより、中間層の気孔率を低くする、即ち、中間層を緻密にしても基材との密着性を維持することができるため、表層を通過した被焼成体の成分(例えば、Pb、Bi、Na、K、Mn、Ca)の基材への浸透を防止することができ、焼成治具の耐久性を向上させる、即ち、長寿命である。
尚、本発明構成する表層の気孔率は、好ましくは、20〜70%、より好ましくは、25〜50%、更に好ましくは、30〜40%である。また、本発明で用いる中間層の気孔率は、好ましくは、10%以下、より好ましくは、3〜9%、更に好ましくは、5〜8%である。
本発明を構成する基材の主成分は、耐スポール性及び耐ベント性に優れたAl23−SiO2質、Al23−SiO2−MgO質、SiC−Si34、SiC−Si質、SiC質からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
尚、本発明を構成する基材のAl23の含有量としては、70〜95質量%であることが好ましい。これは、基材のAl23の含有量が70%未満であると、基材の熱伝導率が低くなり、焼成治具内の温度のばらつきが出やすくなることから、焼成治具上のワーク特性が均一にならなくなるからである。一方、基材のAl23の含有量が95%より大きくなると、基材の熱膨張率が増大し、温度差による応力が大きくなるため、クラックが発生しやすくなる。
また、本発明を構成する中間層の主成分は、被焼成体に影響を与える成分の移動を防止できるAl23質から構成されることが好ましい。
更に、本発明を構成する中間層の厚さは、好ましくは、1000μm以下、より好ましくは、50〜500μm、更に好ましくは、100〜300μmであることが、中間層を施工する時に発生する応力の防止及び治具の重量を軽くする点から好ましい。
尚、本発明を構成する中間層のAl23の含有量としては、98質量%以上であることが好ましく、基材と基材に接する中間層のAl23の合計含有量としては、72〜96質量%であることが好ましい。これは、基材のAl23の含有量を70質量%未満とすると熱衝撃には強くなるものの、SiO2成分が相対的に増加し、被焼成体である電子部品の特性に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
更に、本発明を構成する表層の主成分は、ZrO2質、Al23質、MgAl24質、MgO質からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。ここで、本発明で用いる表層は、電子部品材料である被焼成体と反応性が低い材質でなければならないが、被焼成体の種類によりその材質は異なる。例えば、被焼成体がBaTiO3(チタン酸バリウム)で構成される場合、これと反応性の低いZrO2を、表層として選択することが好ましい。また、被焼成体がフェライトで構成されている場合、これと反応性の低いAl23又はAl23−MgO又はMgOを、表層として選択することが好ましい。
尚、本発明を構成する表層の厚さは、好ましくは、1000μm以下、より好ましくは、30〜300μm、更に好ましくは、50〜150μmであることが、被焼成体との反応により発生する残存膨張などの応力を極力少なくする点から好ましい。
本発明を構成する表層の主成分は、未安定化ZrO2と安定化ZrO2との混在物であることが好ましい。これは、実使用時(高温焼成時)に、表層を通過する被焼成体の成分でZrO2の安定化材として上げられる成分(例えば、Mn、Ca)を吸収する効果を付与することにより、中間層にかかる負担を軽減することができるだけでなく、コーティング層の安定性をより向上させることができるからである。
このとき、上記表層の未安定化ZrO2の含有率が、好ましくは、80質量%以下、より好ましくは、20〜75質量%、更に好ましくは、40〜60質量%であることが好ましい。これは、未安定化ZrO2の含有率が未添加(0%)である場合、表層を通過する被焼成体の成分でZrO2の安定化材として上げられる成分(例えば、Mn、Ca)を吸収する効果を付与することができないからである。一方、未安定化ZrO2の含有率が70質量%を超過する場合、上記効果を付与する反面、表層の硬度が不十分となり、実使用に耐えられない。
また、上記表層の未安定化ZrO2の平均粒径は、好ましくは、1〜100μm、より好ましくは、5〜50μm、更に好ましくは、10〜30μmである。これは、未安定化ZrO2の平均粒径が1μm未満である場合、表層の結合強度が低下する傾向を示し一方、未安定化ZrO2の平均粒径が100μmを超過する場合、表層の未安定化ZrO2の分布が不均一となり、実使用に耐えられない。
尚、本発明で用いる安定化ZrO2は、特に限定されないが、Y23安定化ZrO2、Y23部分安定化、CaO安定化ZrO2、CaO部分安定化ZrO2の1種又は2種以上であるものを適宜選択して用いることができる。
次に、本発明の焼成治具の製造方法は、まず、ガス又は水プラズマ溶射で基材に中間層を形成した後、得られた中間層の上に表層をスプレーコートし、焼付処理することが好ましい。これは、溶射により低い気孔率を得易いことまた高気孔率の表層を施工する製法としてスプレーコートが好ましいからである。
溶射とは、金属又はセラミックの微粉末(以下、「溶射材料」という。)を加熱して溶融状態とし、対象物の表面に吹き付けることにより溶射被膜を形成する方法をいう。加熱の方法により燃焼炎を用いるガス溶射、アークを用いるアーク溶射等、種々の方法が存在するが、本発明においてはプラズマジェットを用いるプラズマ溶射により中間層の溶射被膜を形成することが好ましい。
本発明では、プラズマ溶射の中でも水プラズマ溶射(水安定化プラズマ溶射)を用いることが、特に好ましい。ガスプラズマ溶射による溶射被膜は、最大膜厚が300μm程度であるが、水(安定化)プラズマ溶射によれば最大膜厚1000μm程度の厚い被膜を形成することができるからである。また、水(安定化)プラズマ溶射は、比較的ポーラスで表面が荒れた被膜を形成できるため、基材に対する密着性が向上する点においても好ましい。
本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
(基材の作製方法)
以下に示す基材(1)〜(6)をそれぞれ作製した。
(1)Al23−SiO2
最大粒径150μmのアルミナ電融粒子にアルミナ含有量が85%となるよう粘土、仮焼アルミナ、を添加し混練した坏土を油圧プレスで縦200mm×横200mm×厚さ5mmの板状体を1000kg/cm2の圧力で成形し成形体を得た。得られた成形体を乾燥し表1に示す条件で焼成を行いテストピースを作成した。
(2)Al23−SiO2−MgO質
最大粒径150μmのコーディエライト粒子に粘土5%、仮焼アルミナ10%を添加し混練した坏土をAl23−SiO2質と同様に成形、焼成を行いテストピースを作成した。
(3)再結晶SiC質(Re−SiC)
最大粒径100μmのSiC粒子70重量%と平均粒径1μmのSiCを30重量%で調合された原料をスラリー化し流し込み法で成形、表1に示す条件で焼成を行いテストピースを作成した。
(4)Si−SiC質
再結晶SiC質のテストピースに気孔率が0%となる様、表1に示す条件で金属Siを含浸させテストピースを作成した。
(5)常圧焼結SiC(SSC)
平均粒径0.5μmのSiCに焼結助剤を添加し、流し込みにより所定の形状を成形し、CIP処理(処理圧力4t/cm2)を行った後、Ar雰囲気中で2200℃で焼成を行いテストピースを得た。
(6)Si34−SiC質
最大粒径100μmのSiC粒子65重量%と平均粒径1μmのSiCを25重量%、金属Siを10重量%で調合された原料をスラリー化し、流し込み法で成形、表1に示す条件で焼成を行いテストピースを作成した。
Figure 2006183972
(中間層の作製方法)
(1)水プラズマ溶射:電融Al23、焼結Al23、ムライトのいずれか1種を使用(粒度70〜150μmの粒子を使用)。
(2)ガスプラズマ溶射:電融Al23、焼結Al23、ムライトのいずれか1種を使用(粒度45μmの粒子を使用)。
(3)焼付コート:電融Al23、焼結Al23、ムライトのいずれか1種を使用(粒度1〜45μmの粒子を使用)。スラリー化させ、基材に塗布後、1450℃、5時間保持し、コーティング層を焼き付けた。
(表層の作製方法)
(1)水プラズマ溶射:8Y−ZrO2(Y238質量%含有安定化ジルコニア)、電融Al23、焼結Al23のいずれか1種を使用(粒度70〜150μmの粒子を使用)。
(2)ガスプラズマ溶射:8Y−ZrO2(Y238質量%含有安定化ジルコニア)、電融Al23、焼結Al23のいずれか1種を使用(粒度45μmの粒子を使用)。
(3)焼付コート:8Y−ZrO2(Y238質量%含有安定化ジルコニア)、Al23、MgO、Al23−SiO2−MgOのいずれか1種を使用(粒度1〜45μmの粒子を使用)。スラリー化させ、中間層に塗布後、1450℃、5時間保持し、コーティング層を焼き付けた。
(焼成治具の評価方法1:コート硬度の評価)
テストピース(サイズ:50mm×50mm)の表面のコート部を定盤上に#42アルミナ(Al23)粒子を乗せた上に伏せて置き、500gの荷重を載せた後、1000mmの距離を移動させ磨耗の状態を測定した。
○:コーティング表層の損耗が見らない。
△:コーティング表層の損耗が一部見られる。
×:コーティング表層の全面が損耗している。
(焼成治具の評価方法2:コンデンサー評価)
(1)BaTiO3の30%水溶液を作製し、その溶液を0.8g塗布したテストピース(サイズ:150mm×20mm×4mm)を作製した。
(2)得られたテストピース(ワーク)を焼成治具に載せ、最高温度1350℃、1時間保持してテストピース(ワーク)の焼成を行った。焼成後、ワーク浸透度を焼成治具のコーティング層の剥離によって確認した。
(3)(1)及び(2)の操作を10回繰り返し、ワーク浸透度の評価を行った。
(焼成治具の評価方法3:フェライト評価)
(1)Mn−Znフェライトの30%水溶液を作製し、その溶液を0.8g塗布したテストピース(サイズ:150mm×20mm×4mm)を作製した。
(2)得られたテストピース(ワーク)を焼成治具に載せ、最高温度1350℃、1時間保持してテストピース(ワーク)の焼成を行った。焼成後、ワーク浸透度を焼成治具のコーティング層の剥離によって確認した。
(3)(1)及び(2)の操作を10回繰り返し、ワーク浸透度の評価を行った。
(ワーク浸透度の評価)
焼成用治具のコーティング層におけるワーク浸透度について、以下のような評価を行った。
◎:コーティング層が全く剥離していない状態。
○:コーティング層の内、表層の一部に剥離が見られる状態。
△:コーティング層の内、表層から中間層まで剥離した状態。
×:コーティング層(表層及び中間層)が剥離した状態。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
Al23含有量が85質量%、気孔率が25%であるAl23−SiO2材質からなる基材の表面に、表2に示す方法で、Al23の中間層(厚さ:100μm)及び表層(厚さ:100μm)を、表2に示す材質及び気孔率になるように形成することにより、焼成用治具をそれぞれ製造した。得られた焼成用治具について、コート硬度の評価及びワーク浸透度の評価(コンデンサー評価)を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2006183972
(実施例7〜14)
表3に示す基材に、表3に示す方法で、中間層(厚さ:100μm)及び表層(厚さ:100μm)を、表3に示す材質及び気孔率になるように形成することにより、焼成用治具をそれぞれ製造した。得られた焼成用治具について、コート硬度の評価及びワーク浸透度の評価(コンデンサー評価)を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2006183972
(実施例15〜18、比較例4)
Al23含有量が85質量%、気孔率が25%であるAl23−SiO2材質からなる基材の表面に、表4に示す方法で、中間層(厚さ:100μm)及び表層(厚さ:100μm)を表4に示す材質及び気孔率となるように形成することにより、焼成用治具をそれぞれ製造した。得られた焼成用治具について、コート硬度の評価及びワーク浸透度の評価(コンデンサー評価)を行った。その結果を表4に示す。
尚、上記表層は、8Y−ZrO2(Y238質量%含有安定化ジルコニア)原料(平均粒径:5μm)に未安定化ZrO2原料を(平均粒径:46μm)を混合し、スラリーとし、得られたスラリーをスプレー散布後、1450℃、5時間焼成することにより形成した。
Figure 2006183972
(実施例19〜22)
表5に示す基材の表面に、表5に示す方法で、中間層(厚さ:100μm)及び表層(厚さ:100μm)を表5に示す材質及び気孔率となるように形成することにより、焼成用治具をそれぞれ製造した。得られた焼成用治具について、コート硬度の評価及びワーク浸透度の評価(フェライト評価)を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2006183972
(考察:実施例1〜6、比較例1〜3)
表2の結果から、実施例1〜6は、気孔率が10%以下のAl23及びAl23−SiO2質の中間層と、気孔率が20〜70%である8Y−ZrO2(Y238質量%含有安定化ジルコニア)及びAl23の表層を備えたコーティング層を基材に形成することにより、実使用に十分なコート硬度及びワーク浸透度が得られることを確認した。一方、比較例1及び比較例2では、中間層の気孔率が10%を超過しているため、十分なワーク浸透度を得ることができなかった。また、比較例3では、表層の気孔率が70%を超過しているため、十分なコート硬度を得ることができなかった。
(考察:実施例7〜14)
表3の結果から、それぞれの基材に、気孔率が10%以下のAl23の中間層と、気孔率が20〜70%である8Y−ZrO2(Y238質量%含有安定化ジルコニア)の表層を備えたコーティング層を形成することにより、実使用に十分なコート硬度及びワーク浸透度が得られることを確認した。
(考察:実施例15〜18、比較例4)
表4の結果から、実施例15〜18は、表層の未安定化ZrO2の含有率を10〜80質量%にすることにより、実使用に十分なコート硬度及びワーク浸透度が得られることを確認した。特に、表層の未安定化ZrO2の含有率が30〜80質量%の時、ワーク浸透度は良好であった。一方、比較例4では、未安定化ZrO2の含有率が80質量%を超過するため、ワーク浸透度は良好であるが、コート硬度が不十分であった。
(考察:実施例19〜22)
表5の結果から、実施例19〜22は、気孔率が10%以下のAl23又はAl23−SiO2の中間層と、気孔率が20〜70%であるAl23−SiO2−MgO又はMgOの表層を備えたコーティング層を基材に形成することにより、フェライト焼成時において十分なコート硬度及びワーク浸透度が得られることを確認した。
本発明の電子部品用焼成治具は、セラミックコンデンサ、サーミスタ、フェライト等のセラミックからなる電子部品の焼成に使用する部材、具体的には被焼成物を載置するためのセッタ、匣鉢、プレート等に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. セラミックからなる基材の表面に、コーティング層が形成された電子部品用焼成治具であって、
    前記コーティング層が、前記基材の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が10%以下の中間層と、前記中間層の表面に被焼成体との反応性が低い材質であり、且つ気孔率が20〜70%である表層から構成された電子部品用焼成治具。
  2. 前記基材の主成分が、Al23−SiO2質、Al23−SiO2−MgO質、SiC−Si34、SiC−Si質、SiC質からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子部品用焼成治具。
  3. 前記中間層の主成分が、Al23質又はAl23−SiO2質から構成される請求項1又は2に記載の電子部品用焼成治具。
  4. 前記中間層が、ガス又は水プラズマ溶射により形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品用焼成治具。
  5. 前記表層の主成分が、ZrO2質、Al23質、MgAl24質、MgO質からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品用焼成治具。
  6. 前記表層の主成分が、安定化ZrO2もしくは未安定化ZrO2と安定化ZrO2との混在物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品用焼成治具。
  7. 前記表層の未安定化ZrO2の含有率が、80質量%以下である請求項6に記載の電子部品用焼成治具。
  8. 前記未安定化ZrO2の平均粒径が、1〜45μmである請求項6又は7に記載の電子部品用焼成治具。
  9. 前記表層の主成分が、Al23−MgO又はMgOから構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品用焼成治具。
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