JP4693196B2 - 焼成治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電子材料・生体材料・工業用材料・光学材料などに利用されるセラミックスのうち、アルミナあるいはシリカ、ジルコニアと反応性の高いセラミックスを焼成する際に用いるセッターや棚板等に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子材料などのセラミックス製品を炉の中で焼成する際に、セッターあるいは棚板等の焼成治具を用い、これらの上に載置して焼成・焼結が行われていた。これらの焼成治具は、アルミナ質・ムライト質・炭化珪素質または窒化珪素質から選択されるものが高温酸化雰囲気下で使用でき、かつ安価であるため多量に使われてきた。しかし、被焼成物がこれらのものと反応性の高い、フォルステライト(2MgO・SiO)系の電子部品、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体を焼成する際には、表面にジルコニアを利用した反応防止層が存在しても反応が生じ、被焼成物と焼成治具の融着が起こったり、被焼成物の性能を低下させることとなった。また、焼成治具の繰り返し使用により、基材あるいは被焼成物と反応防止層との反応が生じ、反応防止層に亀裂や剥離現象を起こすようになる。
【0003】
焼成治具の基板をアルミナあるいはムライト等を用いずにマグネシア質にするという方法も存在したが、マグネシア質の焼成治具では熱衝撃に弱くまた熱間強度も弱いために、熱のために割れたり熱間使用により撓み・反りが生じてしまう。これらのうち、割れをを避けるために粗骨材を配合させた焼成治具にしたり、撓み・反りを避けるために焼成治具を厚くすることが行われた。ところが、粗骨材を配合させたセラミックス製品は製造方法が振動鋳込み方法による成型に限られ、手間の掛かるものとなり、製品となったものの強度が小さく、また粗骨材を含むために表面が粗面となってしまうことがあった。更に、焼成治具の厚みを大きくすることは、熱容量が大きくなり、焼成にかかる熱消費を大きくし、経済性に欠けるものとなった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、アルミナあるいはムライト等に対して反応性の高いセラミックスを焼成するのに適した焼成治具を安価に製造する方法が存在せず、また製造が容易でありかつ耐久性に優れた焼成治具も存在しなっかた。これはアルミナあるいはムライト等の焼成治具基板に対して、ジルコニアによる反応防止層を形成させたものの場合にも問題があった。
上記課題を解決するための手段として、本願出願人による特願平8−352798号では焼成治具の製造方法および焼成治具についての発明を行った。前出願においてもマグネシア粒子層を表面層に持つ焼成治具の技術があるが、基板の気孔率が20%以下のものを用いて製造された焼成治具の耐久性には問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明では、任意の気孔率を有する基板を用いて、アルミナあるいはムライトと反応性の高い被焼成物を問題なく焼成できる焼成治具を製造するために、前出願とは構成が一部異なる下記の手段を用いることとした。
【0006】
請求項1においては焼成治具の製造方法を示すものであり、アルミナ、ムライト、ジルコニア、シリカ、窒化珪素または炭化珪素から選択されるセラミックスを50重量%以上含む基板に対し、平均粒径が0.3〜200μmにあるジルコニア粒子を主成分とし、平均粒径が0.01〜500μmにあるアルミナ粒子、平均粒径が0.1〜500μmにあるチタニア粒子、平均粒径が1〜500μmにあるシリカ粒子のうち1種類以上を1〜50重量%含んだ層(以下、「ジルコニア粒子を主成分とする粒子層」と称する。)を20〜1500μmの厚みで形成させた後、純度が95%以上で平均粒径が0.1〜300μmにあるマグネシア粒子による層を20〜2000μmの厚みで形成させることを要旨とするものである。
【0007】
請求項2は、例えば請求項1の方法により製造された製品である焼成治具そのものの構成を示すものであり、主たるセラミックスがアルミナ、ムライト、ジルコニア、シリカ、窒化珪素または炭化珪素であり、この表面の1つ以上に厚みが20〜1500μmの平均粒径が0.3〜200μmにあるジルコニア粒子を主成分とし、平均粒径が0.01〜500μmにあるアルミナ粒子,平均粒径が0.1〜500μmにあるチタニア粒子,平均粒径が1〜500μmにあるシリカ粒子のうち1種類以上を1〜50重量%含んだ層、厚みが20〜2000μmの純度が95%以上で平均粒径が0.1〜300μmにあるマグネシア粒子層が順に積層されたものであることを要旨としている。
【0009】
請求項は、請求項2にある焼成治具を構成するセラミックスについて定めたものであり、基板及びジルコニア粒子を主成分とする粒子層、純度が95%以上のマグネシア粒子層が焼成されたものであることを要旨としている。
【0010】
請求項においても、請求項2にある焼成治具を構成するセラミックスについて定めたものであり、基板が焼成され、ジルコニア粒子を主成分とする粒子層およびマグネシア粒子層が未焼成のもの、もしくは基板およびジルコニア粒子を主成分とする粒子層が焼成され、純度が95%以上のマグネシア粒子層が未焼成のものであることを要旨としている。
【0011】
この発明では、基本的にマグネシア粒子による被覆層を表面側に有し、基板と被焼成物との反応防止あるいは熱膨張率の緩和に働くジルコニア粒子を主成分とする粒子による被覆層をマグネシア粒子による被覆層より下層に有するようにしている。ジルコニア粒子にアルミナ粒子、チタニア粒子ないし、シリカ粒子を混合することにより、基板とジルコニア粒子を主成分とする粒子層、ジルコニア粒子を主成分とする粒子層とマグネシア粒子層のそれぞれの界面に若干の反応を起こさせ、それら相互の結合力を高めることにより、繰り返し使用による剥離を防止している。この各界面の反応により、従来の技術では繰り返し使用に問題のあった気孔率20%以下の基板での焼成治具の耐久性を著しく向上させることができる。このジルコニア粒子を主成分とする粒子層は熱膨張率の緩和に働くとともに、基板にマグネシア粒子を直接被覆・焼成するときと比べてそれらの反応量を抑え、表面に良好なマグネシアの単一層を保持することを可能としている。
【0012】
以下、この発明に利用される原材料あるいは個々の手段について説明する。
まず始めに、この発明に利用される基板は入手が容易であり、汎用性の高いアルミナ、ムライト、ジルコニア、シリカ、窒化珪素または炭化珪素から選択されるセラミックスが50重量%以上含まれているものが利用される。
【0013】
気孔率とは真気孔率を示し、その値は(1−嵩比重/真比重)×100%で表される。この式で用いた嵩比重はアルキメデス法により求められ、真比重は、基板を微粉砕し、比重瓶を用いて求めることができる。
【0014】
ジルコニア粒子を主成分とする粒子層において、アルミナ粒子、チタニア粒子ないしシリカ粒子の混合量は1〜50重量%とするのが良い。1重量%未満の場合、添加の効果は無く、繰り返しの使用によって剥離が起こりやすくなる。50重量%以上の場合、マグネシア粒子との反応が進み、表面に良好なマグネシアの単一層を保持できず、被焼成物と反応してしまい良くない。
【0015】
ジルコニア粒子の大きさは平均粒径を0.3〜200μm、アルミナ粒子の大きさは平均粒径を0.01〜500μm、チタニア粒子の大きさは平均粒径が0.1〜500μm、シリカ粒子の大きさは平均粒径が1〜500μmとするのが良い。粒子径がそれぞれの数値未満では、粒子同士の焼結が進行するため、表面に収縮による亀裂が発生し、剥離しやすくなる。逆に、それぞれの数値を超える大きさでは基板との結合力(密着力)が弱く、剥離し易くなる。
ジルコニア粒子を主成分とする粒子層の厚みが20μm未満では層を構成する成分であるジルコニア、アルミナ、チタニア、シリカの僅かな偏析が熱衝撃時の割れや繰り返し使用による剥離が起こりやすく、また1500μmより厚い場合は繰り返し使用による剥離が起こり易くなり良くない。
【0016】
ジルコニア粒子とするジルコニアは、組成として未安定ジルコニアあるいはジルコニアをカルシア、マグネシア、イットリア、セリア等で部分安定化又は完全安定化したものが挙げられ、これらのジルコニアから選択される単一種あるいは複数種の混合品を用いても良い。
【0017】
アルミナ粒子とするアルミナの結晶形としては、α形、γ形またはθ形が挙げられ、これらの単一種あるいは複数種を混合して用いても良い。
【0018】
シリカ粒子とするシリカの結晶形としてはクオーツ、クリストバライト、トリジマイトまたは非晶質が挙げられ、これらの単一種あるいは複数種を混合して用いても良い。
【0019】
チタニア粒子とするチタニアの結晶形としてはルチル型またはアナタース型が挙げられ、これらの単一種あるいは複数種を混合して用いても良い。
【0020】
ジルコニア粒子を主成分とする粒子層を形成させる方法としては、それらの粒子を水などの溶媒に分散させたスラリーをスプレーコーティングするか、浸漬コーティングする、あるいは溶射等の既存のコーティング技術の応用で行うことができる。
【0021】
マグネシア粒子層は、焼成治具中の最も外側の表面に形成される反応防止層の一つである。マグネシア粒子の大きさは平均粒径が0.1〜300μmとするのが良い。平均粒径が0.1μm未満では焼き付け時の焼結によりコーティング面での収縮応力が大きくなり表面に微細なクラックが入ったり、繰り返し使用による剥離が起きやすくなる。また300μm以上では、焼き付け時の温度を高温にするか助剤を使用しないと密着力が得られず、前者はコスト面および基板の耐火度による撓み、ジルコニア粒子を主成分とする粒子層の剥離の問題があり、2000℃以上の焼成温度で焼成しなければならないので良くない。また、後者は助剤としての不純物を入れるため、被焼成物と反応し易くなり良くない。コート層に密着力がない場合は、ぼろふりや被焼成物に粉がつき、洗浄等の手間が必要となりあまり良くない。マグネシア粒子層の厚みが20μm未満の場合には、下層のジルコニア粒子を主成分とする粒子層をすべてカバーすることができず、一部下層が露出するため被焼成物と反応し、2000μmを越える場合では、繰り返し使用による剥離が起きやすくなる。マグネシア粒子層の形成は焼成治具を用いて被焼成物を焼成する際、マグネシア粒子層と被焼成物との反応が生じないことにより、良質な製品を製造することとなる。
【0022】
マグネシア粒子はマグネシアの純度が95%以上あることが必要である。この純度が95%未満となり、不純物としてシリカ、カルシア、アルミナ等を含む時には、被焼成物と反応することとなって良くない。マグネシア粒子層の形成は先のジルコニア粒子を主成分とする粒子層の形成と同様の方法、例えば塗装、浸漬、溶射等により形成が可能である。
【0023】
基板の表面に形成された二つの層はコーティング後乾燥させるだけでも焼成治具とすることができる。これらのセラミックス粒子層の焼成は1200〜2000℃の温度範囲が焼成温度となるが、溶射により被覆層を形成する場合はこの限りではない。
【0024】
図面を用いてこの発明の焼成治具を例示すると、図1にある断面を有するものとなる。図1では、請求項2にある焼成治具を断面図により示していて、アルミナ,ムライト,ジルコニア,シリカ,窒化珪素または炭化珪素から選択されるセラミックスが50重量%以上含まれているものによる基板1に対し、ジルコニア粒子を主成分とする粒子層2およびマグネシア粒子層を全ての外周面に有するようにしている。図に示す焼成治具では、複数の粒子層を基板の両面に形成するようにしているが、これは基板にかかる熱応力を均一にする上において効果がある。
【0025】
以下、実施例によりこの発明の製造方法および焼成治具を説明する。
【実施例1】
コランダム中にムライトが共存するシリカ含有アルミナセラミックス(SiO:18%、気孔率:10%)を基板とし、イットリア8モルを含む完全安定化された平均粒径0.4μmのジルコニア粒子と、平均粒径1.2μmのα-アルミナ粒子を8:2の重量比で水を溶媒として分散させ50%スラリー濃度としたものを基板の表面にスプレーコーティングした。コーティングの厚みは80μmであった。更に純度98%平均粒径50μmのマグネシア粒子をイソブチルアルコールを溶媒として分散させ50%スラリー濃度とした後、ジルコニア粒子とアルミナ粒子による粒子層の形成された基板の表面にスプレーコーティングした。コーティングの厚みは500μmであった。これを105℃条件下で2時間乾燥させ1450℃にて焼成させたものを実施例1とした。
【0026】
【実施例2】
純度99%のアルミナセラミックス(気孔率:1%)を基板とし、カルシア3モル、イットリア2モルを含む部分安定化された平均粒径10μmのジルコニア粒子と、非晶質で平均粒径10μmのシリカ粒子を9:1の重量比で水を溶媒として分散させ50%スラリー濃度としたものを用意し、スラリー中に基板を20秒間浸漬させ、基板表面に厚み150μmのジルコニア粒子とシリカ粒子による粒子層を形成させた。105℃雰囲気中において、16時間乾燥させた後 純度99%平均粒径1μmのマグネシア粒子をイソブチルアルコールを溶媒として分散させ30%スラリー濃度としたものを、ジルコニア粒子とシリカ粒子による粒子層の形成された基板の表面にスプレーコーティングした。コーティングの厚みは50μmであった。これを105℃条件下で2時間乾燥させ1450℃にて焼成させたものを実施例2とした。
【0027】
【実施例3】
炭化珪素(純度92%、気孔率:15%)のセラミックスを基板とし、この表面に実施例2において用いたジルコニア粒子とシリカ粒子の混合物のスラリーを用い基板にスプレーコーティングし、厚み400μmの被覆層を得た。次に同じく実施例2において用いたマグネシア粒子のスラリーをスプレーコーティングし、ジルコニア粒子とシリカ粒子による粒子層が形成された基板上に、厚み100μmのマグネシア粒子層を形成させ、105℃条件下で2時間乾燥させ1400℃にて焼成させたものを実施例3とした。
【0028】
【実施例4】
アルミナ95%・シリカ5%からなるセラミックス(気孔率:42%)を基板とし、この表面に実施例2において用いたジルコニア粒子とシリカ粒子の混合物のスラリーを用い基板にスプレーコーティングし、厚み100μmの被覆層を得た。次に同じく実施例2において用いたマグネシア粒子のスラリーをスプレーコーティングし、ジルコニア粒子とシリカ粒子による粒子層が形成された基板上に、厚み1000μmのマグネシア粒子層を形成させ、105℃条件下で2時間乾燥させ1480℃にて焼成させたものを実施例4とした。
【0029】
【実施例5】
アルミナ80%・シリカ20%からなるセラミックス(気孔率:12%)を基板とし、イットリア8モルを含む部分安定化された平均粒径30μmのジルコニア粒子と、平均粒径30μmのα−アルミナ粒子と、平均粒径15μmのルチル型チタニア粒子とを7:1:2の重量比で混合し、プラズマ溶射装置により溶射して150μmの層を形成した。更に、純度99%で平均粒径50μmのマグネシア粒子を同様の装置にて200μmの層を形成させたものを実施例5とした。
【0030】
【比較例1〜比較例4】
比較例1では、純度95%で平均粒径5μmのマグネシア粒子を焼成させたものからなる厚み20mmのセラミックスを焼成治具として用いた。
比較例2では純度95%のマグネシア粒子で、平均粒径が5μmのものと3mmのものを1:1の重量比で混合し、焼成させた厚み10mmのセラミックスを焼成治具として用いた。
比較例3では、純度99%のアルミナセラミック(気孔率:1%)からなる厚み5mmの基板に対して、実施例2で用いたジルコニア粒子とシリカ粒子の混合物のスラリーを実施例2と同様の方法により塗布し、厚み150μmのジルコニア粒子とシリカ粒子による粒子層を得た。これを1450℃で焼成し焼成治具として用いた。
比較例4では、純度99%のアルミナセラミック(気孔率:1%)からなる厚み5mmの基板に対して、実施例2で用いたマグネシア粒子のスラリーを同様の方法で塗布し、50μmのマグネシア粒子層を得た。これを1450℃で焼成し焼成治具として用いた。
【0031】
【比較例5〜比較例12】
比較例5以下比較例12として表1に示すジルコニア粒子を主成分とする粒子層ないしはマグネシア粒子層を有する焼成治具を作成した。基板としては実施例1と同じシリカ含有アルミナセラミックス(SiO:18%、気孔率:10%)を用いた。焼成温度は1450℃とした。
また、これらの比較例では被覆する粒子の粒径あるいは被覆する厚みを変化させているが、組成は実施例に用いたものと同じである。尚、比較例5,比較例6では実施例2に用いたジルコニア粒子とシリカ粒子の混合物のスラリーと同じものを使用し、比較例7,比較例8では実施例2に用いたマグネシア粒子のスラリーと同じものを使用した。比較例9,比較例10では実施例1に用いたジルコニア粒子とアルミナ粒子の混合物のスラリーと同じものを使用し、比較例11では実施例2に用いたジルコニア粒子とシリカ粒子の混合物のスラリーおよびマグネシア粒子のスラリーと同じものを使用した。
【0032】
【表1】
Figure 0004693196
【0033】
【比較例13】
比較例13では、実施例3において用いたマグネシア粒子層中のマグネシア粒子の純度が90%にあるもので、他の成分としてシリカ(SiO)、カルシア(CaO)、三酸化二鉄(Fe)を含んだものを用いて焼成治具を作成した。その他、基板およびジルコニア粒子とシリカ粒子の混合物のスラリーあるいはこのスラリーの塗装方法等は全て実施例3と同じ条件とした。
【0034】
【比較例14,比較例15】
比較例14では、ジルコニア粒子(平均粒径50μm)に平均粒径20μmのカルシアを9:1の重量比で混合したものを用い、比較例15では、ジルコニア粒子に平均粒径200μmの炭酸バリウム(BaCO)を7:3の重量比で混合したものを用い、実施例1と同様の手段、厚みにより塗布した。その他、比較例14および比較例15では、基板、ジルコニア粒子の粒径、マグネシア粒子の粒径、塗布厚・焼成条件等は全て実施例1と同じ条件とした。
【0035】
【比較例16〜比較例18】
比較例16では、純度99%のアルミナセラミック(気孔率10%)を基板とし、平均粒径150μmの未安定ジルコニアのみを水を溶媒として分散させ、50%スラリー濃度としたものを250μmの厚みでスプレーコーティングし、更に実施例1で用いたマグネシア粒子のスラリーと同じものを同様の方法にて150μmの厚みで塗布し、実施例1と同条件にて焼成した。比較例17では、純度99%のアルミナセラミック(気孔率20%)を基板とし、比較例18では、純度99%のアルミナセラミック(気孔率40%)を基板とした。比較例17,比較例18ともにコーティングに用いたスラリー、塗布量ならびに焼成条件は比較例16と同じとした。
【0036】
【比較試験】
上記実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例18による焼成治具を棚板として使用し、これらの上に組成がPZTからなる電子部品を載置して、実際に使用したのと同じ温度曲線により昇温・降温を繰り返す試験を問題が生じるまで、もしくは100回の繰り返しが可能かどうかの確認試験を行った。実施例1〜実施例5においては100回の繰り返し試験を行っても焼成治具においても被焼成物においても問題は生じなかった。比較例1〜比較例18における結果を 表2 に記した。
【0037】
【表2】
Figure 0004693196
【0038】
表2における異常発生回数は、チェック項目である反り・撓み,クラック,剥離,ぼろふり,反応・融着のうちの1項目または2項目に異常が発生した項目における異常発生サイクルを示す。従って、空欄部分は異常発生サイクル数以降の試験を省略したため空白とした。
【0039】
表2中にある異常の種類において、反り・撓みとは、焼成治具が湾曲、垂れ下がり、がたつきなどの状態になることを言う。クラックとは、焼成治具のマグネシア粒子層あるいは他の反応防止層に亀裂が入っている状態を言う。剥離とは、基板とジルコニアを主成分とする粒子層の間、またはジルコニアを主成分とする粒子層とマグネシア粒子層の間に空隙が生じふくらんだ状態、もしくはそのふくらんだ層が剥がれた状態を言う。ぼろふりとは、マグネシア粒子層あるいは他の反応防止層を形成する粒子が脱粒し、被焼成物に粒子が付着することにより脱粒が進行した焼成治具を言う。反応・融着とは、被焼成物と焼成治具とが反応し、それらが融着した状態を言う。
【0040】
全ての実施例において、前記被焼成物の焼成を繰り返し行う焼成試験を更に200回まで行った。実施例4では、150回位を経過したあたりから棚板の周辺部にクラックあるいは剥離が一部見られたが、他の実施例では全く異常が見られなかった。
【0041】
【発明の効果】
この発明の焼成治具は、アルミナと反応性の高いセラミックス製品を焼成する時に用いることが可能であり、その製法は容易であり、原価を小さくすることが可能である。また、使用に供した場合も繰り返し使用に耐え、かつ被焼成物の品質に問題が生じないものであり、焼成行程における熱消費を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板に対し、ジルコニア粒子を主成分とする粒子層およびマグネシア粒子層を順に形成した焼成治具の例を示す断面図。
【符号の説明】
1 基板
2 ジルコニア粒子を主成分とする粒子層
3 マグネシア粒子層

Claims (4)

  1. アルミナ、ムライト、ジルコニア、シリカ、窒化珪素または炭化珪素から選択されるセラミックスを50重量%以上含む基板に対し、平均粒径が0.3〜200μmにあるジルコニア粒子を主成分とし、平均粒径が0.01〜500μmにあるアルミナ粒子、平均粒径が0.1〜500μmにあるチタニア粒子、または平均粒径が1〜500μmにあるシリカ粒子のうちから任意に選択される酸化物のうち1種類以上を1〜50重量%含んだ層を20〜1500μmの厚みで形成させた後、純度が95%以上で平均粒径が0.1〜300μmにあるマグネシア粒子による層を20〜2000μmの厚みで形成させることを特徴とする焼成治具の製造方法。
  2. 基板の主たるセラミックスがアルミナ、ムライト、ジルコニア、シリカ、窒化珪素または炭化珪素から任意に選択されるものであり、この表面の1つ以上に平均粒径が0.3〜200μmにあるジルコニア粒子を主成分とし、平均粒径が0.01〜500μmにあるアルミナ粒子、平均粒径が0.1〜500μmにあるチタニア粒子、または平均粒径が1〜500μmにあるシリカ粒子のうちから任意に選択される酸化物の1種類以上を1〜50重量%含んだ混合物による粒子からなる厚みが20〜1500μmの層、純度が95%以上で平均粒径が0.1〜300μmにあるマグネシア粒子からなる厚みが20〜2000μmの層が順に積層されたものであることを特徴とする焼成治具。
  3. 基板およびジルコニア粒子を主成分とする粒子層、純度が95%以上のマグネシア粒子層が焼成されたものであることを特徴とする請求項2に記載の焼成治具。
  4. 基板が焼成されジルコニア粒子を主成分とする粒子層およびマグネシア粒子層が未焼成のもの、もしくは基板とジルコニア粒子を主成分とする粒子層が焼成され、純度が95%以上のマグネシア粒子層が未焼成のものであることを特徴とする請求項2に記載の焼成治具。
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