JPH0680770U - 紙幣の搬送、収納、払い出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高額紙幣も使用できる貸出機、販売機等にあ
って各パートごとに精度を増し、スムーズな作用を得ら
れるようにし、価格の低廉化も図る。 【構成】 スタッカーから払い出しトレイへ紙幣を送り
込むガイドローラを取り付けたシャフトに、ガイドロー
ラ間に先端を偏心させた羽根車を取り付け、払い出しト
レイの出入口にスプリングで附勢されたシャッターを備
え、スタッカーの一部に指掛け用の切り欠きを形成した
開閉蓋を備え、紙幣の挿入口と連通する搬路に断面略Ｓ
字状をした紙幣のガイドバーを一対備え、そのガイドバ
ーの上下に高額紙幣用と千円札用のスタッカーを各々形
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は紙幣の搬送、収納、払い出し装置、特に自動販売機、自動貸し出し 機、両替機等にあって、千円札のほか、五千円札、一万円札の高額紙幣も使用で き、千円札は釣り銭や両替金としてリサイクル使用することができる紙幣の搬送 、収納、払い出し装置に関し、主に、幅１００ｍｍ以内、奥行２５０ｍｍ以内、 高さ３５０ｍｍ以内程度の遊技場等に設置される小型の装置の改良に関する。

【０００２】

【考案の背景】

近年は、紙幣と硬貨を併用でき、しかも高額紙幣も使用することができる自 動装置が供給されているが、その多くは複雑な機構を有して装置が大がかりなも のとなり、設置スペースが限定されるほか、紙幣のジャムや重ね送り等の故障や 誤動作を生じることが多くなっている。

【０００３】

【考案の目的】

そこで、本考案は従来の幾つかの技術的な問題点に着目してなされたもので 、それらの問題点を解消して、装置の作動の精度を向上させ、また、限界に近く 小型化することで設置スペースを選ばず、供給価格の低廉化をも図ることができ る紙幣の搬送、収納、払い出し装置を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案に係る紙幣の搬送、収納、払い出し装置 は実用新案登録請求の範囲の各請求項に記載したところをその特徴としている。

【０００５】

【作用】

各請求項に記載された構成をとることにより、該当する各パートにおける性能 、作動性は目的に応じて向上することとなり、装置全体の精度を高め、また、部 品点数も少なくして全体の小型化が図れ、価格も低廉化させることとなるのであ る。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図１はガイドローラ及び ピンチローラの部分斜視図、図２はシャッターの部分斜視図、図３はスタッカー の開閉蓋の部分斜視図、図４は静止ローラ機構の正面図、図５はステッピングギ アの側面図、図６はステッピングギアの補助部材の側面図、図７は静止ローラ機 構の作動機構の側面図、図８は開閉蓋の操作前の平面図、図９は同操作後の平面 図、図１０は開閉蓋の他の作動機構の正面図、図１１は同端部の正面図、図１２ は一つの紙幣収納機構を示す側面図、図１３は同収納状態の側面図、図１４は紙 幣の分納機構を示す側面図、図１５は同平面図、図１６は同背面図である。

【０００７】 これらの図によって順次機構を説明するが、まず図１にあって１は装置の紙 幣挿入口より挿入された紙幣が真正な千円札として判定され、送り込まれるスタ ッカーの底面部を示し、そこからはローラやドラム等の組み合わせ機構によって 、釣り銭用として払い出しトレイへ千円札がカウントされて送り出されるものと なっている。ここで、図中２、２…は払い出しトレイへ千円札を送る際のガイド ローラを示しており、このガイドローラ２、２…は一本のシャフト３に同軸状態 で取り付けられている。

【０００８】 また、このシャフト３には先端をテーパ状とし、９０度ピッチで偏心させた 羽根を形成した羽根車４・４…がその羽根方向位置を揃えて取り付けられており 、千円札を払い出しトレイに送り込む際、ガイドローラ２・２…でガイドしなが ら、この羽根車４・４…で紙幣を捌き、整列させることでジャムや重ね送り等の 事故の発生の防止をより一層確実なものとしている。

【０００９】 さらに、前記したスタッカーの底面部１には窓孔５・５…が設けられ、その 窓孔５・５…からは送られる千円札と転接するピンチローラ６・６…の一部が突 出されている。このピンチローラ６・６…は一本のシャフトに同軸に取り付けら れているが、そのシャフトの端部にはブラケット７が取り付けられ、そのブラケ ット７の掛合孔８へコイルスプリング９の一端が係止されている。即ち、ピンチ ローラ６・６…はこのコイルスプリング９による附勢力を受け窓孔５・５に対し 弾設されているもので、送られる千円札のしわ等に応じ緩衝するように窓孔５・ ５…へ出入できるものとなっている。

【００１０】 また、図２に示す１０は払い出しトレイの出入口に取り付けられるシャッタ ーである。このシャッター１０はケーシングに架設された軸１１に回動自在に取 り付けられた支持部材１２に固着されており、その支持部材１２はコイルスプリ ング１３によって出入口を塞ぐ方向に附勢されている。払い出しトレイは突出す る際に、その先端でこのシャッター１０をコイルスプリング１３の附勢力に抗し て押し開くこととなり、払い出しトレイが引っ込むとシャッター１３はコイルス プリング１３によって自動的に出入口を塞ぐもので、外方からこのシャッター１ ０を開けることは困難となり、出入口へ異物を入れることを防止できるものとな っている。

【００１１】 さらに、図３は紙幣スタッカーに取り付けられる開閉蓋であり、この開閉蓋 １４下縁が軸支されて枢動するものとなっており、その上縁略中央には指掛け用 の切り欠き１５が形成されている。また、この開閉蓋１４の両側縁の略中央には 断面Ｌ字状に形成された係合片１６が一体に備えられており、その係合片１６に はハーフパンチの突起１７が形成されて、開閉蓋１４を係止させるものとなって いる。この開閉蓋１４をスタッカーに設けることで、紙幣の取り出しや、釣り銭 としてのセット等の作業が容易に行えるものとなっている。

【００１２】 また、図４乃至図７は静止ローラの機構に関するもので、図中１８は軸１９ に軸支された静止ローラを示している。この静止ローラ１８は元来、自らが静止 状態にあることで送られる紙幣が重なった場合にそれを払い出しトレイに到達す る前で防止するものであるが、常に静止ローラ１８の一定の周面のみが当接して いると摩耗でその機能を果たすことが困難となってくる。本機構はかかる点を補 正するためになされたものである。

【００１３】 本実施例にあっては軸１９に静止ローラ１８と密接一体化されてステッピン グギア２０が取り付けられている。このステッピングギア２０はリング状に成形 されており、その外周面及び内周面に所定角度をしたラッチ２１・２１…と２２ ・２２…が連続して形成されたものとなっており、外周のラッチ２１には先端に 係合爪２３を形成したバネ片２４が係合されたものとなっている。

【００１４】 このステッピングギア２０の内周面にはラッチ２２・２２…で押さえ付けて 芯体２５がはめ込まれている。この芯体２５には軸１９の挿通口２６が形成され ており、先端を遊端とさせてバネ性を保有させた弧状片２７・２７が一対対称配 置で一体に備えられており、その弧状片２７・２７の内側にはたわみのストッパ 用の膨出部２８・２８が形成されている。

【００１５】 より具体的には、前記したバネ片２４は払い出しトレイ部分の開閉蓋２９の 表面に取付部３０を介してフリー状態で枢着され、この開閉蓋２９を開けると、 そのバネ片２４の係合爪２３がステッピングギア２０のラッチ２１を引っ掛けた 状態から引き、そのラッチ２１のピッチ分を回転させ、同時に静止ローラ１８も その分回転させることとなり、静止ローラ１８の当接面をその都度ずらせていく ことができる。なお、図中３１は開閉蓋２９を開けた際にバネ片２４の衝突を防 ぐボッチであり、開閉蓋２９を閉めるとバネ片２４は自重で再びステッピングギ ア２０のラッチ２１と係合することとなる。尚、図７で示す構成に代え、スプリ ングで附勢したバーを押圧することで同等にステッピングギア２０を送ることも できる。

【００１６】 また、図８乃至図１１は開閉蓋１４や２９のロック及びその解除機構を示し ている。図８、図９はプッシュタイプのもので、ケーシング３２の側壁にコイル スプリング３３・３３で附勢されているロックピン３４・３４を板バネ３５で継 なぎ、その板バネ３５の中央をプッシュボタン３６に取り付けられたピン３７の 先端で押してやることにより、板バネ３５を屈曲させ、その力でロックピン３４ ・３４を内側へ引き、ロックを解除するものとなっている。閉める場合は蓋を戻 せばコイルスプリング３３・３３や板バネ３５の力で自動的にロックピン３４・ ３４によるロックがなされる。

【００１７】 さらに、図１０の場合は前記したプッシュタイプのものに、回転摘み３８を 付加して、回転によるロックとその解除も選択して行うことができるようにした ものである。

【００１８】 ここで、図１２乃至１６はより一層装置を小型化し、機構を簡略化すること ができる紙幣の搬入、収納機構を示している。まず図１２乃至図１３の機構を説 明すると、この場合は搬路中に紙幣の長さの略半分程度の長さとし、断面をＳ字 状とした第一のガイドバー３９の対と、第二のガイドバー４０の対を直交状態で 配備し、その各ガイドバー３９と４０とを弧状のガイド４１で継ないである。

【００１９】 図中４２はガイドバー３９の駆動モータを示し、ギア機構でガイドバー３９ を半回転させ、ベベルギア４３ａ・４３ｂで連結されたガイドバー４０もそれと 連動するものとなっている。また、図中４４は略直角に形成され、スプリング４ ５でガイドバー３９・４０方向へ附勢されている押え板である。

【００２０】 挿入口４６から挿入され、真正と判定された紙幣はローラやベルトによって 装置内へローディングされ、ガイドに沿って曲成されながらガイドバー３９と４ ０により、一旦保持状態とされる。その状態をセンサーがキャッチすると、ガイ ドバー３９と４０が半回転して紙幣を押え板４４に対して押し付けていく。これ を順次繰り返すことで紙幣は半折り状態で積重されることとなり、紙幣の長さよ りも奥行きを小さくした装置とすることができる。なお、図中Ａは紙幣を示して いる。

【００２１】 一方、図１４乃至１６は装置を小型化し、機構を簡略化できる紙幣の分納機 構を示す。近時は千円札に加え、高額紙幣も使用できる装置が開発されており、 高額紙幣と千円札を分納し、千円札は釣り銭としてリサイクル使用できるように 図っているが、従来の機構は各々のスタッカーへの送り機構が複雑なものとなっ ている。

【００２２】 本実施例はその分納を非常に簡単に、しかも正確に行なうもので、紙幣と略 同程度の長さをした一対の断面Ｓ字状をしたガイドバー４７・４７が利用され、 特にこの場合はそのガイドバー４７の遊端縁がテーパもしくはアール形状とされ ている。挿入口４６ａから挿入された紙幣は光センサー群４８・４８…等によっ て真贋や金種の判定がなされ、ローラやベルト等の搬送手段によって装置内へロ ーディングされ、その両端をガイドバー４７・４７によって保持された状態とな る。

【００２３】 ガイドバー４７・４７に紙幣が保持された状態が確認されるとエンコーダ４ ９を軸に取り付けたモータ５０が起動し、そのモータ５０の軸とギアで伝動され たシャフト５１を回転させる。このシャフト５１にはベベルギア５２・５２…が 端寄りに取り付けられ、そのベベルギア５２・５２…とガイドバー４７の回転軸 の先端のベベルギア５３が噛合され、ガイドバー４７・４７を回転させるものと なっている。なお、この構成におけるベベルギアに代え、平歯車等でも機構を組 むことができる。

【００２４】 ガイドバー４７の上方は高額紙幣の専用スタッカー５４、下方が千円札の専 用スタッカー５５となっており、スタッカー５４には押え板５６が設けられてお り、スタッカー５５には千円札を整然と揃え振り落とす十字車５７が備えられて いる。また、５８・５８はケーシングから切り起こされた紙幣の巻き込み防止片 でガイドバー４７・４７の後方の切落部に対応されている。

【００２５】 このガイドバー４７・４７は挿入された金種によって逆回転するようモータ ５０が制御されることとなっており、格別な搬路を不要として千円札と高額紙幣 を各々のスタッカー５４・５５へ送り込むことができるものとなっている。なお 、スタッカー５５からはその下方の払い出しトレイへ千円札が釣り銭として逐次 送られる。ガイドバー４７・４７を逆回転させて各々のスタッカー５４・５５へ 紙幣を送る際に、その遊端がテーパもしくはアール形状となっていることで摺接 がスムーズなものとなる。

【００２６】 本実施例における紙幣の搬送、収納、払い出し装置は上記のように構成され ている。また、紙幣の真贋や金種をチェックする光センサー群４８を予め位置決 めしてユニット化すれば、さらに装置の組み立て作業性が良くなり、精度も向上 する。

【００２７】

【考案の効果】

本考案に係る紙幣の搬送、収納、払い出し装置は上述のように構成され作動 する。そのために、紙幣の挿入、搬送、収納、払い出し等の各パートにおいてよ り一層作動精度が向上するとともに、装置全体のサイズを大幅に小型化でき、幾 多の部品点数を減少させることもできるので、価格もさらに低廉なものとするこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガイドローラ及びピンチローラの部分斜視図で
ある。

【図２】シャッターの部分斜視図である。

【図３】スタッカーの開閉蓋の部分斜視図である。

【図４】静止ローラ機構の正面図である。

【図５】ステッピングギアの側面図である。

【図６】ステッピングギアの補助部材（芯体）の側面図
である。

【図７】静止ローラ機構の作動機構の側面図である。

【図８】開閉蓋の操作前の平面図である。

【図９】開閉蓋の操作後の平面図である。

【図１０】開閉蓋の他の作動機構の正面図である。

【図１１】端部の正面図である。

【図１２】紙幣収納機構を示す側面図である。

【図１３】収納状態を示す側面図である。

【図１４】紙幣の分納機構を示す側面図である。

【図１５】平面図である。

【図１６】背面図である。

【符号の説明】

１ スタッカーの底面部 ２ ガイドローラ ４ 羽根車 ６ ピンチローラ ９ コイルスプリング １０ シャッター １２ 支持部材 １３ コイルスプリング １４ 開閉蓋 １５ 切り欠き １６ 係合片 １８ 静止ローラ １９ 軸 ２０ ステッピングギア ２１ ラッチ ２３ 係合爪 ２４ バネ片 ２５ 芯体 ３４ ロックピン ３５ 板バネ ３６ プッシュボタン ３８ 回転摘み ３９ 第一のガイドバー ４０ 第二のガイドバー ４１ ガイド ４４ 押え板 ４５ スプリング ４６ 挿入口 ４７ ガイドバー ４９ エンコーダ ５０ モータ ５２ ベベルギア ５３ ベベルギア ５４ 高額紙幣スタッカー ５５ 千円札スタッカー ５６ 押え板 ５７ 十字車 ５８ 巻き込み防止片

Claims (11)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スタッカーから払い出しトレイへ紙幣を
   送り込むガイドローラを取り付けたシャフトに、前記ガ
   イドローラ間に先端を偏心させた羽根車を取り付けてあ
   ることを特徴とする紙幣の搬送、収納、払い出し装置。
2. 【請求項２】 払い出しトレイの出入口にスプリングで
   附勢されたシャッターを備えていることを特徴とする紙
   幣の搬送、収納、払い出し装置。
3. 【請求項３】 スタッカーの一部に指掛け用の切り欠き
   を形成した開閉蓋を備えていることを特徴とする紙幣の
   搬送、収納、払い出し装置。
4. 【請求項４】 紙幣の挿入口と連通する搬路に断面Ｓ字
   状をした紙幣のガイドバーを一対備え、そのガイドバー
   の上下に高額紙幣用と千円札用のスタッカーを各々形成
   し、前記したガイドバーの正逆回転で挿入された紙幣を
   それぞれのスタッカーへ送り込むことを特徴とする紙幣
   の搬送、収納、払い出し装置。
5. 【請求項５】 前記したガイドバーの上方となるスタッ
   カーには押圧板を備えていることを特徴とする請求項４
   に記載の紙幣の搬送、収納、払い出し装置。
6. 【請求項６】 前記したガイドバーの回転軸には紙幣の
   巻き込み防止片がケーシングより臨まされていることを
   特徴とする請求項４または請求項５に記載の紙幣の搬
   送、収納、払い出し装置。
7. 【請求項７】 静止ローラに隣接させて爪車を取り付
   け、その爪車に作動爪の先端を掛け、静止ローラをステ
   ッピング回動させることを特徴とする紙幣の搬送、収
   納、払い出し装置。
8. 【請求項８】 ローラフリクションのピンチローラをス
   プリングで弾設したことを特徴とする紙幣の搬送、収
   納、払い出し装置。
9. 【請求項９】 紙幣の真贋及び金種の判別センサー群を
   一体的にユニット化し、着脱可能としたことを特徴とす
   る紙幣の搬送、収納、払い出し装置。
10. 【請求項１０】 開閉蓋はスプリングのデッドポイント
    でワンタッチで開閉させることを特徴とする紙幣の搬
    送、収納、払い出し装置。
11. 【請求項１１】 断面Ｓ字状とした紙幣のガイドバーを
    直角方向に配備し、紙幣を曲成状態で積層収納させるこ
    とを特徴とする紙幣の搬送、収納、払い出し装置。