JP2512234B2 - 紙幣収納箱 - Google Patents

紙幣収納箱

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JP2512234B2
JP2512234B2 JP2401703A JP40170390A JP2512234B2 JP 2512234 B2 JP2512234 B2 JP 2512234B2 JP 2401703 A JP2401703 A JP 2401703A JP 40170390 A JP40170390 A JP 40170390A JP 2512234 B2 JP2512234 B2 JP 2512234B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は循環式紙幣入出金機等に
着脱可能な紙幣収納箱に関し、特に上方より一括して収
納された紙幣を下方より1枚ずつ繰り出すことが可能な
紙幣収納箱であって、収納している紙幣の量が一定量以
下のとき、収納紙幣の繰り出しに際して収納紙幣を上方
より押圧するビルプレス装置を備えた紙幣収納箱に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上方より一括して収納された紙幣を下方
より1枚ずつ繰り出すことが可能な紙幣収納箱であっ
て、収納している紙幣の量が一定量以下のとき、収納紙
幣の繰り出しに際して収納紙幣を上方より押圧するビル
プレス装置を備えた紙幣収納箱について、本出願人は先
の出願を行い、既に特開平1ー296397号公報に開
示されている。
【0003】この紙幣収納箱には、上方より一括して収
納された紙幣を下方より1枚ずつ繰り出すことができる
ように、紙幣をその上面に載置し、モータによって紙幣
収納箱内を上下に移動可能なエレベータ部と、収納して
いる紙幣の量が一定量以下のとき、モータによって紙幣
の収納空間外から移動して、収納している紙幣を上方よ
り押圧するビルプレス部とが設けられている。
【0004】そして、紙幣収納箱の下方には、前記エレ
ベータ部を上下に移動するためのエレベータモータが配
置され、他方、紙幣収納箱の側方には、ビルプレス部を
駆動するためのビルプレスモータが配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、紙幣収納箱内
のエレベータ部及びビルプレス部に対して2つのモータ
が必要になるとともに、装置が大型化する。
【0006】また、その機能上の制約、すなわち、エレ
ベータ部は上下動するのみに対し、ビルプレス部は、エ
レベータ部上の紙幣の量、あるいはエレベータ部が上下
動するに際して、それぞれビルプレス動作するか否かが
選択されなければならず、さらに、紙幣収納箱は装置に
対して着脱されることから、各部とモータ間の連結機構
が複雑になる傾向がある。
【0007】本発明の目的は、ビルプレス部を駆動する
専用のモータを特に設けることなく、エレベータ部の動
作を利用して、必要に応じてビルプレス動作を行う等が
可能なビルプレス駆動機構を有する紙幣収納箱を提供す
ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の紙幣収納箱は、上下方向に
移動自在に設けられるとともに上面に紙幣が搭載される
エレベータ部と、前記エレベータ部の移動範囲外から移
動範囲内にわたって揺動自在に設けられ、該エレベータ
部が前記移動範囲の下限位置に設定されかつ該エレベー
タ部上の紙幣が所定量以下のとき該紙幣を上方より押圧
するビルプレス部とを有するものであって、前記ビルプ
レス部と一体に揺動する揺動アームと、該揺動アームと
係合可能に設けられ、前記ビルプレス部を、係合時にお
いて前記エレベータ部の移動範囲外に保持するロックア
ームと、該ロックアームに揺動自在に連結されて、その
位置が、前記エレベータ部の移動に連動して動作するロ
ック解除アームに係合する係合側と係合しない非係合側
とに選択的に設定される選択アームと、該選択アームに
連結され、該選択アームを揺動動作させるラッチ連結ア
ームと、該ラッチ連結アームと揺動自在に連結されると
ともに、前記エレベータ部の移動範囲の上限位置から所
定量下降した範囲内に突出可能に設けられ、突出時にお
いて、該エレベータ部が前記範囲内に位置するとき、該
エレベータ部により押圧され、前記ラッチ連結アームを
介して前記選択アームの位置を前記ロック解除アームに
係合する係合側に設定するラッチ作動アームと、前記ラ
ッチ連結アームと揺動自在に連結されて、その位置が、
前記エレベータ部の移動に連動して動作するラッチアー
ムと係合するラッチ側と係合しない非ラッチ側とに選択
的に設定され、該ラッチ側に設定されるときに、前記ラ
ッチ連結アームを介して前記選択アームを前記ロック解
除アームに係合する係合側に設定し、また前記非ラッチ
側に設定されるときに、前記ラッチ連結アームを介して
前記選択アームを前記ロック解除アームに係合しない非
係合側に設定させる被ラッチアームとが具備されてな
り、前記ロック解除アームは、前記エレベータ部の移動
範囲内に突出可能に設けられて、前記選択アームが該ロ
ック解除アームと係合する係合側にある時に、前記エレ
ベータ部の下方への移動により押圧されて前記選択アー
ムを移動させ、該選択アームと連結している前記ロック
アームを揺動させて、該ロックアームと前記揺動アーム
との係合を解除し、前記ラッチアームは、前記エレベー
タ部の移動範囲内に設けられて、前記エレベータ部が移
動範囲の下限位置に位置したときに、該エレベータ部に
より押圧されて前記被ラッチアームを前記ラッチアーム
に係合しない非ラッチ側に設定し、前記ビルプレス部
は、これと一体に揺動する揺動カムを有し、前記エレベ
ータ部は、該エレベータ部の移動範囲の下限位置への移
動にともなって、前記ロックアームとの係合が解除され
た前記ビルプレス部の前記揺動カムのカム面を接触させ
つつ該ビルプレス部を前記紙幣上に揺動させて該紙幣を
押圧させかつ該エレベータ部の移動範囲の下限位置から
の移動にともなって、前記ロックアームとの係合が解除
された前記ビルプレス部の前記揺動カムのカム面を接触
させつつ前記エレベータ部の移動範囲外に向けて揺動さ
せて、該ビルプレス部と一体に揺動する前記揺動アーム
を前記ロックアームに係合させる揺動カムフォロアを有
することを特徴としている。
【0009】また、本発明の請求項2記載の紙幣収納箱
は、請求項1記載のものに加えて、前記紙幣収納箱が該
紙幣収納箱を装填する装置の所定位置に装填されないと
き、前記ラッチアームと係合して、該ラッチアームと前
記被ラッチアームとの係合を解除する方向に前記ラッチ
アームを押圧し、前記紙幣収納箱が前記装置の所定位置
に装填されたとき、該装置側に設けられる位置決めピン
に押圧されて前記ラッチアームとの係合を解除するラッ
チ解除アームを有することを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明の請求項1記載の紙幣収納箱によれば、
エレベータ部上の紙幣が所定量より少ない場合、エレベ
ータ部は上昇して、その移動範囲の上限位置から所定量
下降した範囲内に位置することになり、これによって、
この範囲内に突出しているラッチ作動アームを押圧し、
ラッチ連結アームを介して選択アームの位置をロック解
除アームと係合する係合側に設定するとともに被ラッチ
アームをラッチ側に位置させ、ラッチアームと被ラッチ
アームとを係合させる。そして、この状態でエレベータ
部が紙幣を繰り出す等のために下方に移動する場合に
は、エレベータ部の移動範囲内に突出しているロック解
除アームをエレベータ部が押圧して揺動させ、これと係
合している選択アームを移動させ、ロックアームを揺動
させてこれと揺動アームとの係合を解除する。すると、
揺動アームと一体的に形成されたビルプレス部が、揺動
カムのカム面をエレベータ部と一体的に形成された揺動
カムフォロアに接触させつつ、エレベータ部の移動範囲
の下限位置への移動にともなって、自重によりエレベー
タ部上に搭載された紙幣に向って円滑に揺動しこれを押
圧することになる。また、エレベータ部が、その移動範
囲の下限位置へ向ってさらに移動することにより、この
移動範囲内に設けられたラッチアームと当接してこれを
揺動させ、被ラッチアームとの係合を解除させて、被ラ
ッチアームをラッチアームと係合しない非ラッチ側に設
定させることになる。これによって、被ラッチアームと
連結するラッチ連結アームは選択アームをロック解除ア
ームと係合しない非係合側に位置させ、またラッチ作動
アームをエレベータ部の移動範囲の上限位置から所定量
下降した範囲内に突出させる。選択アームがロック解除
アームと係合しない非係合側に位置されることにより、
該ロックアームは揺動アームと係合可能な位置に復帰す
る。
【0011】次に、必要に応じて、エレベータ部が上昇
すると、エレベータ部は揺動カムフォロアを揺動カムに
接触させつつ、揺動アームを揺動させて、ビルプレス部
をエレベータ部の移動範囲外へ揺動させ、揺動アームを
ロックアームに係止させてビルプレス部をエレベータ部
の移動範囲外に保持する。そして、エレベータ部上の紙
幣が所定量より少ない場合、上記動作が繰り返されるこ
とになる。
【0012】エレベータ部上の紙幣が所定量より多い場
合、エレベータ部が必要に応じて上昇しても、その上昇
停止位置が移動範囲の上限位置から所定量下降した範囲
より下方に位置することになり、エレベータ部はラッチ
作動アームを押圧することがない。したがって、選択ア
ームの位置をロック解除アームと係合しない非係合側
に、被ラッチアームをラッチアームと係合しない非ラッ
チ側に設定した状態のままで、下方に移動することにな
り、エレベータ部により、これの移動範囲内に突出して
いるロック解除アームを押圧し揺動させても、ロック解
除アームは、選択アームと係合していないため、ビルプ
レス部は揺動することなくエレベータ部の移動範囲外に
保持されたままとなる。
【0013】本発明の請求項2記載の紙幣収納箱によれ
ば、紙幣収納箱がこれを装填する装置に装填されないと
きには、ラッチ解除アームがラッチアームと係合して、
ラッチアームをこれと被ラッチアームとの係合を解除す
る方向に押圧する。したがって、エレベータ部の移動に
よってラッチ作動アームが揺動されてもラッチアームと
被ラッチアームとは係合することはなく、エレベータ部
が下方に移動しロック解除アームを揺動させても、その
とき選択アームが係合側に位置することがないため、ビ
ルプレス部はエレベータ部の移動範囲外に常に保持され
たままの状態となる。そして、ラッチ解除アームは、紙
幣収納箱を装置の所定位置に装填されたときに、装置側
に設けられたピンに押圧されてラッチアームとの係合を
解除し、これにより請求項1記載の紙幣収納箱の作用を
もたらすことになる。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例による紙幣収納箱について
図1〜図3を参照して以下に説明するが、まず、本実施
例の紙幣収納箱を装填する循環式紙幣入出金機について
図3を参照して概略構成を説明する。
【0015】図中、符号1は、循環式紙幣入出金機の装
置本体(装置)であって、この装置本体1の前面側には、
テラーによって紙幣の入金・出金が行なわれる入金投入
部2、出金投出部3がそれぞれ設けられ、この装置本体
1の内部には、入金投入部2を起点とする入金ルート
4、出金投出部3を終着点とする出金ルート5が設けら
れている。
【0016】入金ルート4は、入金系搬送モータ6によ
って駆動される搬送ベルト7の移動経路に沿って、入金
投入部2に投入された入金紙幣を受け入れてこれを1枚
ずつ分離搬送する受け入れ機構8、該受け入れ機構8か
ら搬送される紙幣の金種を判別かつ計数し、またこの紙
幣が正券であるか否かを判定する入金鑑別部9、該入金
鑑別部9による鑑別の結果、紙幣が正券であり、かつ例
えば万券である場合等に入金ルート4からこれを第1の
紙幣一時貯留装置10aに送り込む第1のゲート11a、
前記入金鑑別部9による鑑別の結果、紙幣が正券であ
り、かつ例えば千券である場合等に入金ルート4からこ
れを第2の紙幣一時貯留装置10bに送り込む第2のゲ
ート11b、前記入金鑑別部9による鑑別の結果、紙幣
が例えば万券及び千券以外の紙幣、すなわち万券、千券
の損券及び五千券である場合等に、入金ルート4からこ
れらを第3の紙幣一時貯留装置10cに送り込む第3の
ゲート11c及び前記入金鑑別部9による鑑別の結果、
紙幣が例えば偽券、判別不能券(二重送り券等)である場
合等に、入金ルート4からこれらを装置本体1の前面側
の設けられた排除口12を通じてテラーに送り出させる
入金紙幣の排除機構13が順次設けられたものである。
【0017】次に、前記各紙幣一時貯留装置10a〜1
0cについて概略説明する。各紙幣一時貯留装置10a〜
10cの下端には、これら紙幣一時貯留装置10a〜10
c内に振り分けられた紙幣を下方から支持するゲート1
4a〜14cがそれぞれに設けられており、テラーが操作
するテラーズマシン(図示せず)等からの命令に基づいて
各ゲート14a〜14cの開閉が行われ、後述する紙幣収
納箱15a〜15cに紙幣を投入することになる。また、
各紙幣一時貯留装置10a〜10cには、スライド機構
(図示せず)が設けられており、図3左側に二点鎖線で示
すように、必要に応じて装置本体1の前面側(図3にお
ける左方)から外部に引き出すことができるようになっ
ており、一時貯留紙幣を返却可能となっている。
【0018】次いで、本発明にかかわる第1〜第3の紙
幣収納箱15a〜15cについて概略説明するが、詳細に
ついては後述する。各紙幣収納箱15a〜15cは、上述
の紙幣一時貯留装置10a〜10cの下方にそれぞれ設け
られており、各紙幣一時貯留装置10a〜10cのゲート
14a〜14cが開かれるとこれらの中に一時貯留されて
いた紙幣が挿入されるものである。各紙幣収納箱15a
〜15cの内部には、水平状態を維持しつつ昇降し、か
つその上面に紙幣が搭載されるエレベータ部16a〜1
6cがそれぞれ設けられており、またエレベータ部16a
〜16c上に搭載された紙幣を必要に応じて上方から押
圧するビルプレス部(図3においては図示せず)が設けら
れている。
【0019】また、各紙幣収納箱15a〜15cの下部に
は、エレベータ部16a〜16c上の紙幣を出金ルート5
に1枚ずつ繰り出すための繰出ローラ17a〜17c及び
蹴出ローラ18a〜18cがそれぞれ設けられている。こ
こで、エレベータ部16a〜16cが紙幣を出金ルート5
に繰り出すため最下位置にあるときに蹴出ローラ18a
〜18cは、その上部がこれらエレベータ部16a〜16
cから上方に突出するように設けられ、エレベータ部1
6a〜16c上の紙幣の最下に位置する紙幣をその摩擦に
より1枚ずつ繰出ローラ17a〜17c側に蹴り出して出
金ルート5に繰り出させるものである。
【0020】ここで、ビルプレス部(図3においては図
示せず)は、エレベータ部16a〜16c上の紙幣を上方
から押圧して、蹴出ローラ18a〜18cと紙幣との摩擦
力を増大させて、蹴出ローラ18a〜18cによる紙幣の
蹴り出しを確実にするためのものである。なお、ビルプ
レス部は、エレベータ部16a〜16cの上昇時等にはエ
レベータ部16a〜16cの移動範囲外に移動するように
なっている。
【0021】また、上述と同様、紙幣収納箱15a〜1
5cにもスライド機構 (図示せず) が設けられており、
図3左側に二点鎖線で示すように、必要に応じて装置本
体1の前面側(図3における左方)から引き出すことがで
きるようになっており、装填、取り出し、交換等の作業
が容易に行えるようになっている。
【0022】続いて、出金ルート5について概略説明す
る。出金ルート5は出金系搬送モータ19によって駆動
される搬送ベルト20の移動経路に沿って、上記各紙幣
収納箱15a〜15cから必要に応じて紙幣を1枚ずつ送
り出すための上述した繰出ローラ17a〜17c、該繰出
ローラ17a〜17cによって繰り出された紙幣の金種判
別、計数を行うとともに、繰り出された紙幣に搬送エラ
ーが生じていないか否か等を判別する出金判別部21、
該出金判別部21の判別結果に応じて、紙幣が異金種で
あったり、搬送エラー等が発生している場合等に該紙幣
を出金排除部22に排除し、一方紙幣が正常なものであ
ると判別された場合に、該紙幣を後述の受出機構23内
の出金投出部3に案内するゲート24、該ゲート24に
案内された出金投出部3内の正常紙幣を要求したテラー
が受け取るための受出機構23が順次設けられている。
【0023】次に、上述した循環式紙幣入出金機装置本
体1内に設けられる本発明にかかわる紙幣収納箱につい
て図1及び図2を主に参照して以下に詳述する。なお、
上述の循環式紙幣入出金機装置本体1には第1〜第3の
紙幣収納箱15a〜15cが設けられているが、それらは
いずれも同様の構造であるため、以下においては符号1
5を付し、特にどの紙幣収納箱という限定をせずに説明
する。またこれにより、エレベータ部は符号16、繰出
ローラは符号17、蹴出ローラは符号18でそれぞれ代
表して以下に説明する。さらに、以下の説明における上
下左右の方向は図1及び図2における上下左右の方向と
し、回転方向も図1及び図2における回転方向として説
明する。
【0024】図中符号25は本実施例の紙幣収納箱15
のケーシング、符号16は上面に紙幣が搭載される上述
したエレベータ部、符号26は前記エレベータ部16の
移動範囲外から移動範囲内にわたって揺動自在に支持さ
れ、必要に応じてエレベータ部16上の紙幣を上方より
押圧するビルプレス部、符号27はエレベータ部16の
動作を利用してビルプレス部26を揺動させるためのビ
ルプレス駆動機構をそれぞれ示している。なお、図1及
び図2において斜線で示す部分は、ビルプレス駆動機構
27を構成する後述する各要素の軸のうちケーシング2
5に対して上下左右に移動しない固定軸を示しており、
その他の軸はケーシング25に対して移動可能な軸また
はピンを示している。
【0025】まず、ケーシング25について説明する
が、内部に紙幣が投入されるこのケーシング25には、
エレベータ部16の移動方向に延在し、エレベータ部1
6の昇降移動をガイドするガイド孔28を有し、下端に
は、装置本体1(図3参照)に装填されるときに該装置本
体1に設けられた後述する位置決めピン78に係止され
る位置決め溝29が下端に設けられている。またケーシ
ング25の下側には、装置内にセットした時に、上述し
た蹴出ローラ18(図3参照)が突出する溝(図示せず)が
設けられており、また同様に下端には紙幣を上述した繰
出ローラ17(図3参照)に向けて繰り出すためのスリッ
ト(図示せず)等が設けられている。
【0026】次に、紙幣収納箱15に上下方向に移動自
在に設けられるエレベータ部16について説明するが、
エレベータ部16は、ケーシング25内に収納され、上
面に紙幣が搭載されるエレベータ部材30と、該エレベ
ータ部材30を固定するガイドブロック31と、ガイド
ブロック31に設けられるとともに、ケーシング25の
ガイド孔28に嵌合し、ガイドブロック31に固定され
たエレベータ部材30の水平状態を維持しつつ、これを
昇降させるためにガイド孔28に沿って摺動する上下に
連結する2つのガイドローラ32a、32bとを有してい
る。ここでガイドブロック31には、エレベータ部16
が下降すると後述するラッチアーム33と当接し、これ
を押圧して揺動させる当接部34が設けられており、ま
た同様の下降により後述するロック解除アーム35に当
接しこれを揺動させる棒部36が設けられている。
【0027】そして、エレベータ部16には、該エレベ
ータ部16の移動範囲の下限位置への移動にともなって
ビルプレス部26が揺動する(後述する)と、図1に二点
鎖線で示すように、ビルプレス部26に形成された後述
する揺動カム37のカム面37aに接触しつつ、ビルプ
レス部26の揺動動作を制御して該紙幣を押圧させる揺
動カムフォロア38が設けられている。また、この揺動
カムフォロア38はエレベータ部16の下限位置からの
上昇移動にともなって、紙幣を押圧していたビルプレス
部26をその揺動カム37のカム面37aに接触しつつ
エレベータ部16の移動範囲外に向けて揺動させるもの
である。また、エレベータ部16はバネ(図示せず)によ
り上方に移動するように付勢されている。なお、エレベ
ータ部材30には、最下に位置した時に上述した蹴出ロ
ーラ18(図3参照)が突出するための溝(図示せず)が上
述のケーシング25の溝部(図示せず)と対応する位置に
設けられている。また、エレベータ部16は、その移動
範囲の下限位置に達したときに、エレベータ部材30の
上面の位置を上述の紙幣繰り出し部分である図示せぬス
リットに合わせるようになっている。
【0028】また、ケーシング25のガイド孔28の下
端の側方には、エレベータ部16を昇降させるための下
部駆動ギヤ39が設けられ、またガイド孔28の上端の
側方には、同じくエレベータ部16を昇降させるための
上部駆動ギヤ40が設けられており、両駆動ギヤ39、
40間にはタイミングベルト41が巻回されている。し
たがって、このタイミングベルト41をエレベータ部1
6に接続し、駆動ギヤ39、40のいずれかをモータ等
の駆動手段(図示せず)で駆動することによりエレベータ
部16を上下に昇降移動させるようになっている。
【0029】次いで、ビルプレス部26について説明す
るが、ビルプレス部26は、ケーシング25に嵌合され
る取付軸42と、紙幣を押圧するためのビルプレス部材
43と、取付軸42とビルプレス部材43とを連結する
取付アーム44とを有しており、取付軸42を中心に揺
動するようになっている。またビルプレス部26は、こ
れに一体的に設けられた後述する揺動アーム45と、後
述するロックアーム46とが係合することにより、エレ
ベータ部16の移動範囲外に保持されるようになってお
り(図1に示す状態)、この係合が解除されると自重によ
り取付軸42を中心に揺動してエレベータ部16の移動
範囲内に入り、エレベータ部16上に搭載された紙幣を
上方から押圧するようになっている。そして、この押圧
によって、上述した蹴出ローラ18(図3参照)と紙幣と
の間の摩擦力を増大させるものである。
【0030】次に、ビルプレス駆動機構27について説
明するが、ビルプレス駆動機構27は、揺動アーム4
5、ロックアーム46、選択アーム47、ラッチ連結ア
ーム48、ラッチ作動アーム49、被ラッチアーム5
0、ラッチアーム33、ロック解除アーム35及び揺動
カム37等から構成されている。
【0031】揺動アーム45は、上述したようにビルプ
レス部材43と所定の角度をなすようにビルプレス部2
6に一体的に形成されたもので、ビルプレス部26の自
重により上記取付軸42を中心にビルプレス部26と一
体に揺動する。また揺動アーム45の先端にはロックア
ーム46に係脱可能なピン部51を有している。なお、
前記角度は、ロックアーム46に係合したときにビルプ
レス部26がエレベータ部16の移動範囲外に保持され
るように設定されるものである。
【0032】ロックアーム46は、上端の取付軸52に
おいてケーシング25と嵌合し、この取付軸52を中心
に揺動して下端の係止爪53を上記揺動アーム45の先
端のピン部51に係合させることができ、これによりビ
ルプレス部26をエレベータ部16の移動範囲外に保持
するものである。またロックアーム46の略中央には、
選択アーム47と揺動自在に係合する軸部54が設けら
れており、これにより選択アーム47の側方への移動で
ロックアーム46は揺動して揺動アーム45との係合を
解除することになる。さらにロックアーム46には、揺
動アーム45と係合する位置を定位置とし、ロックアー
ム46を揺動アーム45との係合を解除する方向に揺動
させると、前記定位置に戻るように反時計回りに付勢す
るバネ(図示せず)が設けられている。
【0033】選択アーム47はエレベータ部16の移動
方向に対して略直交する位置にあり、ロックアーム46
の軸部54に端部の穴部55において揺動自在に連結さ
れるもので、前記端部の逆側の端部にはラッチ連結アー
ム48の軸部56と揺動自在に係合し、かつラッチ連結
アーム48の側方の若干の移動を許容する長穴部57が
形成されている。また選択アーム47は、ラッチ連結ア
ーム48が上方に位置するとエレベータ部16の移動に
連動して動作するロック解除アーム35と係合しない非
係合側に位置され(図2に示す状態)、ラッチ連結アーム
48が下方に位置するとロック解除アーム35と係合す
る係合側に位置される(図1に示す状態)ものである。こ
のため選択アーム47の略中央にはロック解除アーム3
5と係脱可能な下方に開口する溝部58が設けられてお
り、前記係合側に位置するときこの溝部58において選
択アーム47はロック解除アーム35の係合軸74(後
述する)と係合し、エレベータ部16の押圧によるロッ
ク解除アーム35の揺動(後述する)によりアーム方向に
沿って移動させられる。
【0034】ラッチ連結アーム48は、エレベータ部1
6の移動方向と略同方向に位置するもので、選択アーム
47の長穴部57に略中央の軸部56を嵌合させること
によりこれと揺動自在に連結し、上部の軸部59におい
てラッチ作動アーム49と揺動自在に係合し、下端の軸
部60において被ラッチアーム50と揺動自在に連結さ
れており、よってラッチ連結アーム48により選択アー
ム47は上記のような揺動動作をすることになる。
【0035】ラッチ作動アーム49は、ケーシング25
と嵌合する取付軸61と、エレベータ部16の移動範囲
の上限位置から所定量下降した範囲内に突出可能であ
り、突出しているとき、エレベータ部16が前記範囲内
に位置すると、これと当接し、これにより押圧される当
接辺部62と、取付軸61を介して当接辺部62と略直
交する位置にあり、ラッチ連結アーム48の上部の軸部
59と係合する穴部63とを有するものである。そし
て、当接辺部62がエレベータ部16により押圧される
と取付軸61を中心に反時計回りに揺動し、ラッチ連結
アーム48を介して選択アーム47の位置をロック解除
アーム35に係合する係合側に設定することになる。な
お、前記反時計回りに揺動した位置においてはエレベー
タ部16の上方への移動から逃げるようになっている。
また、ラッチ作動アーム49には、エレベータ部16の
移動方向に対して所定角度傾き、エレベータ部16の前
記範囲内に突出し、エレベータ部16により押圧されな
い状態(図2に示す状態)を定位置とし、エレベータ部1
6に押圧されて揺動すると、これを前記定位置に戻すよ
うに時計回り方向に付勢するバネ(図示せず)が設けられ
ている。
【0036】被ラッチアーム50は、ケーシング25と
嵌合する取付軸64と、ラッチ連結アーム48の下端の
軸部60と嵌合する穴部65と、ラッチアーム33と係
脱可能に形成されたラッチピン66とを有しており、取
付軸64を中心に揺動するもので、ラッチアーム33と
係合するラッチ側(図1に示す状態)とラッチアーム33
と係合しない非ラッチ側(図2に示す状態)に設定される
ものである。ここで、被ラッチアーム50は、ラッチ作
動アーム49が前記エレベータ部16によりその移動範
囲外に配置されることにより、ラッチ連結アーム48を
下方に位置させて、これと連結する選択アーム47をロ
ック解除アーム35に係合する係合側に設定するととも
に、前記ラッチ側に設定される。
【0037】また、ラッチアーム33との係合が解除さ
れて、被ラッチアーム50が前記非ラッチ側に設定され
るときには、ラッチ連結アーム48を上方に位置させ
て、選択アーム47をロック解除アーム35に係合しな
い非係合側に設定するとともにラッチ作動アーム49を
前記エレベータ部16の移動範囲の上限位置から所定量
下降した範囲内に突出させる。なお、被ラッチアーム5
0には、上記ラッチアーム33と係合しない非ラッチ側
を定位置とし、ラッチ作動アーム49がエレベータ部1
6により揺動され、ラッチ連結アーム48が下方に移動
してこれにより取付軸64を中心に反時計回り方向に揺
動すると、これを前記定位置に戻すように時計回り方向
に付勢するバネ(図示せず)が設けられている。
【0038】ラッチアーム33は、下端の取付軸67に
おいてケーシング25と嵌合し、先端の当接ピン68が
エレベータ部16の下降によりガイドブロック31の当
接部34と当接してこれにより押圧されると、取付軸6
7を中心に揺動するようになっている。またラッチアー
ム33には、ガイドブロック31による押圧のない状態
を定位置とし、押圧があって時計回りに揺動した場合に
前記定位置に戻るように反時計回り方向に付勢するバネ
(図示せず)が設けられている。さらにラッチアーム33
には、ラッチ作動アーム49がエレベータ部16により
押圧されて揺動し、選択アーム47の位置が上記係合側
に設定されるとき、上記ラッチ側に設定された被ラッチ
アーム50のラッチピン66と係合可能なラッチ爪69
が設けられている。したがってエレベータ部16が下降
して移動範囲の下限位置に位置したときに、ラッチアー
ム33は該エレベータ部16により押圧されて被ラッチ
アーム50のラッチピン66とラッチ爪69との係合を
解除することになる。また、本実施例においては、ラッ
チアーム33に、後述するラッチ解除アーム70により
押圧される押圧部71を有し、この押圧部71が後述す
るラッチ解除アーム70に押圧されると、エレベータ部
16により押圧されなくとも、常にエレベータ部16に
より押圧された状態と同じ状態になり、ラッチアーム3
3は被ラッチアーム50との係合ができなくなるように
なっている。
【0039】ロック解除アーム35は、上端の取付軸7
2においてケーシング25と嵌合するとともに、下端に
は接触部73を有し、この接触部73が下降するエレベ
ータ部16の移動範囲内に突出していて、エレベータ部
16が下降すると接触部73が棒部36に当接し、これ
により押圧されて取付軸72を中心に揺動することにな
る。なお揺動した位置においてはエレベータ部16の下
方への移動から逃げるようになっている。また、ロック
解除アーム35の略中央には、選択アーム47の溝部5
8と係脱自在の係合軸74を有している。なお、この係
合軸74は選択アーム47が上記係合側に位置する場合
に溝部58に係合し、この状態でエレベータ部16によ
り揺動されると、選択アーム47を左方向に移動させ、
ロックアーム46を揺動させて、ロックアーム46と揺
動アーム45との係合を解除させるものである。また、
ロック解除アーム35には、接触部73がエレベータ部
16の棒部36により押圧されない状態(図1に示す状
態)を定位置とし、エレベータ部16により揺動される
とこれを前記定位置に戻すように反時計回り方向に付勢
するバネ(図示せず)が設けられている。
【0040】揺動カム37はビルプレス部26の取付ア
ーム44に一体的に設けられたもので、取付軸42を中
心に揺動し、ビルプレス部26の揺動時にエレベータ部
16の揺動カムフォロア38と接触するカム面37aを
有している。このカム面37aの形状は、エレベータ部
16の移動範囲の下限位置への移動にともなうロックア
ーム46との係合が解除されたビルプレス部26の自重
による揺動動作を円滑に行わせる等の必要に応じて形成
されている。
【0041】揺動カムフォロア38は、エレベータ部1
6と一体的に形成されるとともに、ビルプレス部26が
設けられている方向に突出し、エレベータ部16の下降
に伴いロックアーム46との係合が解除されたビルプレ
ス部26の揺動カム37のカム面37aに接触しつつ、
該ビルプレス部26を紙幣上に揺動させて該紙幣を押圧
させるものであり、また、逆にエレベータ部16の下限
位置からの上昇に伴って紙幣を押圧していたビルプレス
部26をエレベータ部16の移動範囲外に揺動させ、ロ
ックアーム46の係止爪53と揺動アーム45のピン部
51とを係合させるものである。
【0042】また、本実施例においては、紙幣収納箱1
5が該紙幣収納箱15を装填する装置本体1(図3参照)
の所定位置に装填されないときに、エレベータ部16を
昇降させても、ビルプレス部26を常にエレベータ部1
6の移動範囲外に保持するように、エレベータ部16の
移動方向と略同方向に延在するラッチ解除アーム70を
有している。このラッチ解除アーム70の下端には、ラ
ッチアーム33の取付軸67に嵌合し、エレベータ部1
6の移動方向に延在する下端長穴75が、上端にはロッ
ク解除アーム35の取付軸72と嵌合し、上記下端長穴
75と同方向に延在する上端長穴76が設けられてお
り、この両長穴75、76によりケーシング25に対し
て、上下に所定量移動可能になっている。また、ラッチ
アーム33の押圧部71の上方に位置する押圧ピン77
を有し、装置本体1の所定の位置に装填されたときに装
置本体1側に設けられた位置決めピン78により押圧さ
れる下端面79を有している。そしてラッチ解除アーム
70には位置決めピン78により押圧されず押圧ピン7
7がラッチアーム33の押圧部71に係合した状態を定
位置とし、位置決めピン78により下端面79が押圧さ
れて上方に移動すると、これを前記定位置に戻すように
下方向に付勢する、上記ラッチアーム33の図示せぬバ
ネによる回転力よりも大きい付勢力を有するバネ(図示
せず)が設けられている。
【0043】このような構造の本実施例の紙幣収納箱1
5の動作の概略について以下に説明する。
【0044】まず、紙幣収納箱15がこれを装填する装
置本体1外にある場合には、図示せぬバネにより付勢さ
れたラッチ解除アーム70の押圧ピン77がラッチアー
ム33の押圧部71と係合して、ラッチアーム33をこ
れと被ラッチアーム50との係合が解除する時計回り方
向に取付軸67を中心に揺動させるように押圧する。し
たがって、エレベータ部16の移動によってラッチ作動
アーム49が取付軸61を中心に揺動されてもラッチア
ーム33と被ラッチアーム50とは係合することはな
く、エレベータ部16が下方に移動しロック解除アーム
35を取付軸72を中心に揺動させても、そのとき選択
アーム47が上記係合側に位置することがないため、ビ
ルプレス部26はエレベータ部16の移動範囲外に常に
保持されていることになる。
【0045】このような状態で紙幣収納箱15は、図示
せぬ開口部より人手によって、エレベータ部16が所定
量下降させられ、その内部のエレベータ部16の上面に
紙幣が搭載され、この状態で装置本体1内の所定の位置
にセットされる(図3参照)。なお、このときエレベータ
部16は紙幣収納箱15の図示せぬ上蓋との間で紙幣を
挾持していることになる。そして、紙幣収納箱15が装
置本体1内の所定の位置にセットされると、装置本体1
側に設けられた位置決めピン78がケーシング25の位
置決め溝29に係合し、ラッチ解除アーム70の下端面
79を押圧してこれを上方に移動させる。するとラッチ
解除アーム70の押圧ピン77とラッチアーム33の押
圧部71との係合は解除され、ラッチアーム33の被ラ
ッチアーム50との係合が可能な状態になる。
【0046】そして、紙幣収納箱15セット当初、搭載
された紙幣が少ないときは、図1に示すように、エレベ
ータ部16はその移動範囲の上限位置から所定量下降し
た範囲内にあり、ラッチ作動アーム49の当接辺部62
に当接して、これを押圧し、ラッチ作動アーム49を取
付軸61を中心に反時計回り方向に揺動させる。すると
ラッチ作動アーム49と連結したラッチ連結アーム48
が下方向に移動し、これと連結する選択アーム47を係
合側に位置させ、選択アーム47の溝部58とロック解
除アーム35の係合軸74とを係合させるとともに、同
様にこれと連結する被ラッチアーム50を取付軸64を
中心に反時計回りに揺動させ、被ラッチアーム50のラ
ッチピン66と図示せぬバネにより付勢されたラッチア
ーム33のラッチ爪69とを係合させることになる。
【0047】次に、装置本体1(図3参照)内にセットさ
れた紙幣収納箱15内のエレベータ部16は移動範囲の
下限位置に移動して、搭載した紙幣を最下のものから1
枚ずつ上述の蹴出ローラ18(図3参照)により繰出ロー
ラ17(図3参照)に向けて蹴り出すことになる。すなわ
ち、エレベータ部16を移動範囲の下限位置に配置する
ために、エレベータ部16がガイド孔28に沿って下降
すると、係合側に位置する選択アーム47と係合してい
るロック解除アーム35の接触部73を棒部36が押圧
して、該ロック解除アーム35を取付軸72を中心に時
計回りに揺動させることになる。すると、ロック解除ア
ーム35と係合している選択アーム47を係合軸74を
介して左方向に移動させて、選択アーム47と連結して
いるロックアーム46を取付軸52を中心として時計回
りに揺動させ、これによりロックアーム46の係合爪5
3と揺動アーム45のピン部51との係合を解除するこ
とになる。
【0048】係合が解除された揺動アーム45に一体的
に形成されたビルプレス部26は自重により取付軸42
を中心に反時計回りに揺動するが、このときビルプレス
部26は、これと一体的に形成された揺動カム37のカ
ム面37aをエレベータ部16と一体的に形成された揺
動カムフォロア38に接触させることになる。そして、
エレベータ部16の下降にともなって、エレベータ部の
移動範囲内にあってエレベータ部16上に搭載された紙
幣に向ってさらに揺動することになり、紙幣を上方から
押圧し、蹴出ローラ18(図3参照)と紙幣との間に十分
な摩擦力を付与することになる。
【0049】次いで、図2に示すように、エレベータ部
16が移動範囲の下限位置に移動すると、当接部34が
ラッチアーム33の当接ピン68と当接してこれを押圧
し、ラッチアーム33を取付軸67を中心として時計回
りに揺動させ、ラッチ側にある被ラッチアーム50のラ
ッチピン66とラッチアーム33のラッチ爪69との係
合を解除させる。すると、図示せぬバネにより被ラッチ
アーム50は、取付軸64を中心として時計回りに揺動
してラッチアーム33と係合しない非ラッチ側に位置
し、これと連結するラッチ連結アーム48を上方に移動
させ、ラッチ連結アーム48と連結する選択アーム47
をロック解除アーム35と係合しない非係合側に位置さ
せ、ラッチ作動アーム49の当接辺部62をエレベータ
部16の移動範囲の上限位置から所定量下降した範囲内
に突出させることになる。
【0050】そして、この状態で蹴出ローラ18及び繰
出ローラ17(図3参照)により最下の紙幣を1枚ずつ上
述の出金ルート5(図3参照)に繰り出すことになるが、
上述のように紙幣と蹴出ローラ18の間には、ビルプレ
ス部26の押圧により十分な摩擦力が付与されているた
め、紙幣の繰り出し性が著しく向上することになる。な
お、図2においては便宜上紙幣をエレベータ部16上に
搭載していない状態を示している。
【0051】次に、紙幣を再度投入する必要等が生じる
と、エレベータ部16は上昇することになるが、このと
き、エレベータ部16は揺動カムフォロア38を揺動カ
ム37に接触させつつ、揺動アーム45を取付軸42を
中心として時計回りに揺動させて、ビルプレス部26を
エレベータ部16の移動範囲外へ揺動させ、揺動アーム
45のピン部51をロックアーム46の係止爪53に係
止させてビルプレス部26をエレベータ部16の移動範
囲外に保持させる。この時、ラッチアーム33及びロッ
ク解除アーム35はエレベータ部16による押圧がなく
なるため、それぞれ上述した定位置に戻ることになる。
【0052】そして、さらにエレベータ部16は上昇す
ることになるが、このとき紙幣の量が所定量より少ない
場合には、エレベータ部16がその移動範囲の上限位置
から所定量下降した範囲内に位置することになり、この
範囲にあるラッチ作動アーム49の当接辺部62を押圧
してラッチ作動アーム49を取付軸61を中心として反
時計回りに揺動させる。すると、ラッチ作動アーム49
はラッチ連結アーム48を下方向に移動させて選択アー
ム47の位置をロック解除アーム35と係合する係合側
に設定し、選択アーム47の溝部58とロック解除アー
ム35の係合軸74とを係合させるとともに、被ラッチ
アーム50を取付軸64を中心として反時計回りに揺動
させてラッチアーム33と係合可能なラッチ側に位置さ
せ、被ラッチアーム50のラッチピン66と図示せぬバ
ネに付勢されたラッチアーム33のラッチ爪69とを係
合させる。次いで、この状態で紙幣を上述と同様に投入
することになり、以後、上述の動作を適宜繰り返すこと
になる。なお、エレベータ部16上の紙幣の量は紙幣の
最上面を図示せぬ光学センサ等により検出することによ
り計るようになっている。
【0053】一方、エレベータ部16上の紙幣の量が所
定量より多くなると、これをビルプレス部26により押
圧することなくとも、紙幣は自重により上記摩擦力を十
分に得ることができる。このため、紙幣投入の必要等が
生じてエレベータ部16が上昇しても、ビルプレス部2
6を上述と同様にしてロックアーム46に係合させた
後、移動範囲の上限位置から所定量下降した範囲内に達
する前に、上述の図示せぬ光学センサによりその位置が
検出され、停止させられるようになっている。よって、
エレベータ部16はラッチ作動アーム49と当接するこ
とがないため、これを揺動させることがない。
【0054】次いで、上記状態で紙幣は図示せぬ開口部
から投入されるが、ラッチ作動アーム49の揺動がなけ
れば、ラッチ連結アーム48の移動もないため、選択ア
ーム47はロック解除アーム35に係合しない非係合側
に位置したままとなり、被ラッチアーム50も揺動する
ことなくラッチアーム33と係合しない非ラッチ側に位
置したままとなる。したがって、エレベータ部16が紙
幣を繰り出すために再び下降してロック解除アーム35
を揺動させてもロック解除アーム35と選択アーム47
とは係合が解除されたままの状態であり、ロックアーム
46が揺動しないため、ビルプレス部26は揺動するこ
となく、エレベータ部16の移動範囲外に保持されるこ
とになり、よって一度最下面にエレベータ部16が設定
されると、再度、ラッチ作動アーム49を作動させない
限り、二度とビルプレス部26による紙幣の押圧はなさ
れないことになる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の紙幣収納箱によれば、エレベータ部が紙幣を繰り
出すためにその移動範囲の下限位置へ向って移動する
と、ラッチアームと被ラッチアームとの係合を解除させ
て選択アームをロック解除アームと係合しない非係合側
に位置させ、またラッチ作動アームをエレベータ部の移
動範囲の上限位置から所定量下降した範囲内に突出させ
る。次に、エレベータ部はビルプレス部をエレベータ部
の移動範囲外へ揺動させて保持させつつ上昇するが、こ
こで搭載された紙幣が所定量より少ない場合、突出した
ラッチ作動アームを押圧し、選択アームの位置をロック
解除アームと係合する係合側に設定するとともにラッチ
アームと被ラッチアームとを係合させ、この状態でエレ
ベータ部が下方に移動すると、ロック解除アームを揺動
させ、選択アームを介してロックアームを揺動させて、
ビルプレス部をエレベータ部上の紙幣に向って揺動さ
せ、これを押圧させる。一方、搭載された紙幣が所定量
より多い場合、エレベータ部が上昇しても、エレベータ
部はラッチ作動アームを押圧する前に停止し、選択アー
ムの位置及び被ラッチアームの位置をそのままの状態で
下方に移動することになり、エレベータ部がロック解除
アームを押圧し揺動させても、ロック解除アームは選択
アームと係合していないため、ビルプレス部は揺動する
ことなく保持されたままとなる。
【0056】したがって、エレベータ部の移動動作を利
用して搭載紙幣量に応じたビルプレス部による紙幣の押
圧を行うことができるため、エレベータ部駆動用のモー
タをこの紙幣収納箱を装填する装置に特に設ける必要が
ない。このため、該装置をコンパクトにすることができ
るとともに、前記モータを設ける場合に必要であったモ
ータと紙幣収納箱各部との複雑な連結機構等を必要とし
ないため、前記装置と紙幣収納箱との連結機構が簡素化
できることになる。
【0057】本発明の請求項2記載の紙幣収納箱によれ
ば、上記請求項1記載のものによる効果に加えて、さら
に、紙幣収納箱がこの紙幣収納箱を装填する装置内に装
填されないときには、ラッチ解除アームがラッチアーム
をこれと被ラッチアームとの係合を解除する方向に押圧
し、エレベータ部が移動してもビルプレス部は常にエレ
ベータ部の移動範囲外に保持されることになる。このた
め、紙幣収納箱への紙幣の投入を容易に行うことができ
ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による紙幣収納箱を概略的に
示す正面図であって、エレベータ部がその移動範囲の上
限位置から所定量下降した範囲内に位置にあり、ビルプ
レス部をエレベータ部の移動範囲外に保持した状態を示
すものである。
【図2】本発明の一実施例による紙幣収納箱を概略的に
示す正面図であって、エレベータ部がその移動範囲の下
限位置にあり、ビルプレス部がエレベータ部上の紙幣を
上方より押圧する方向に設定された状態を示すものであ
る。
【図3】本発明の一実施例による紙幣収納箱が装填され
る循環式紙幣入出金機を概略的に示す全体構成図であ
る。
【符号の説明】
1 装置本体(装置) 15 紙幣収納箱 16 エレベータ部 26 ビルプレス部 33 ラッチアーム 35 ロック解除アーム 37 揺動カム 37a カム面 38 揺動カムフォロア 45 揺動アーム 46 ロックアーム 47 選択アーム 48 ラッチ連結アーム 49 ラッチ作動アーム 50 被ラッチアーム 70 ラッチ解除アーム 78 位置決めピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65H 83/02 B65H 83/02 G07D 9/00 408 G07D 9/00 408E

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に移動自在に設けられるととも
    に上面に紙幣が搭載されるエレベータ部と、前記エレベ
    ータ部の移動範囲外から移動範囲内にわたって揺動自在
    に設けられ、該エレベータ部が前記移動範囲の下限位置
    に設定されかつ該エレベータ部上の紙幣が所定量以下の
    とき該紙幣を上方より押圧するビルプレス部とを有する
    紙幣収納箱において、前記ビルプレス部と一体に揺動す
    る揺動アームと、該揺動アームと係合可能に設けられ、
    前記ビルプレス部を、係合時において前記エレベータ部
    の移動範囲外に保持するロックアームと、該ロックアー
    ムに揺動自在に連結されて、その位置が、前記エレベー
    タ部の移動に連動して動作するロック解除アームに係合
    する係合側と係合しない非係合側とに選択的に設定され
    る選択アームと、該選択アームに連結され、該選択アー
    ムを揺動動作させるラッチ連結アームと、該ラッチ連結
    アームと揺動自在に連結されるとともに、前記エレベー
    タ部の移動範囲の上限位置から所定量下降した範囲内に
    突出可能に設けられ、突出時において、該エレベータ部
    が前記範囲内に位置するとき、該エレベータ部により押
    圧され、前記ラッチ連結アームを介して前記選択アーム
    の位置を前記ロック解除アームに係合する係合側に設定
    するラッチ作動アームと、前記ラッチ連結アームと揺動
    自在に連結されて、その位置が、前記エレベータ部の移
    動に連動して動作するラッチアームと係合するラッチ側
    と係合しない非ラッチ側とに選択的に設定され、該ラッ
    チ側に設定されるときに、前記ラッチ連結アームを介し
    て前記選択アームを前記ロック解除アームに係合する係
    合側に設定し、また前記非ラッチ側に設定されるとき
    に、前記ラッチ連結アームを介して前記選択アームを前
    記ロック解除アームに係合しない非係合側に設定させる
    被ラッチアームとが具備されてなり、前記ロック解除ア
    ームは、前記エレベータ部の移動範囲内に突出可能に設
    けられて、前記選択アームが該ロック解除アームと係合
    する係合側にある時に、前記エレベータ部の下方への移
    動により押圧されて前記選択アームを移動させ、該選択
    アームと連結している前記ロックアームを揺動させて、
    該ロックアームと前記揺動アームとの係合を解除し、前
    記ラッチアームは、前記エレベータ部の移動範囲内に設
    けられて、前記エレベータ部が移動範囲の下限位置に位
    置したときに、該エレベータ部により押圧されて前記被
    ラッチアームを前記ラッチアームに係合しない非ラッチ
    側に設定し、前記ビルプレス部は、これと一体に揺動す
    る揺動カムを有し、前記エレベータ部は、該エレベータ
    部の移動範囲の下限位置への移動にともなって、前記ロ
    ックアームとの係合が解除された前記ビルプレス部の前
    記揺動カムのカム面を接触させつつ該ビルプレス部を前
    記紙幣上に揺動させて該紙幣を押圧させかつ該エレベー
    タ部の移動範囲の下限位置からの移動にともなって、前
    記ロックアームとの係合が解除された前記ビルプレス部
    の前記揺動カムのカム面を接触させつつ前記エレベータ
    部の移動範囲外に向けて揺動させて、該ビルプレス部と
    一体に揺動する前記揺動アームを前記ロックアームに係
    合させる揺動カムフォロアを有することを特徴とする紙
    幣収納箱。
  2. 【請求項2】 前記紙幣収納箱が該紙幣収納箱を装填す
    る装置の所定位置に装填されないとき、前記ラッチアー
    ムと係合して、該ラッチアームと前記被ラッチアームと
    の係合を解除する方向に前記ラッチアームを押圧し、前
    記紙幣収納箱が前記装置の所定位置に装填されたとき、
    該装置側に設けられる位置決めピンに押圧されて前記ラ
    ッチアームとの係合を解除するラッチ解除アームを有す
    ることを特徴とする請求項1記載の紙幣収納箱。
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