JPH0680217B2 - 偏在吸水性布帛 - Google Patents
偏在吸水性布帛Info
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- JPH0680217B2 JPH0680217B2 JP60145498A JP14549885A JPH0680217B2 JP H0680217 B2 JPH0680217 B2 JP H0680217B2 JP 60145498 A JP60145498 A JP 60145498A JP 14549885 A JP14549885 A JP 14549885A JP H0680217 B2 JPH0680217 B2 JP H0680217B2
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Description
【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は，特に直接肌に接して着用するような衣料用生
地として好適な偏在吸水性織編物に関するものである。
地として好適な偏在吸水性織編物に関するものである。
（ロ）従来の技術 従来から肌着やスポーツウェア等において，発汗時の濡
れによるべとつき感などの不快感を解消することを意図
して，親水性繊維である綿糸，レーヨン糸等を用いた布
帛，綿と合成繊維の混紡糸を用いた布帛，綿糸と合成繊
維糸を用いた裏綿組織の布帛などが生産され，また他方
では，合成繊維の製造時に，例えば重合段階で分子構造
そのものに親水性を付与したり，親水性ポリマーをブレ
ンド紡糸して親水化した繊維糸条を用いた布帛などが生
産されている。しかしながら，前者の綿糸や綿と合成繊
維の混紡糸を用いた布帛や，裏綿組織の布帛等は，親水
性繊維である綿繊維が吸水した場合，保水能力は大きい
が，膨潤保水するため蒸発散能力が劣るし，染色堅牢度
が不良であり，また，染色された布帛の色目がダル化し
て鮮明色が得られず，さらに着用時には，しばしば摩
擦，ひっかかり等により発生するピリング，スナッギン
グ等にも問題がある。後者のごとく、製造時に親水化さ
れた合成繊維を用いる場合には，紡糸時の製糸性の低
下，糸条や布帛の状態での強力低下や風合低下等の問題
がある。くわえて，これら従来の肌着やスポーツウェア
では，夏期の高温多湿時や，激しい運動等に発生する汗
を十分に吸収，蒸発散することができず，依然として肌
が濡れてべとつき感を生じたり，生地がまつわりついた
りするなどの不快感を十分に解消するに至っておらず，
さらに冷温時には，吸収した汗が冷えて風邪，筋肉障害
などの原因となることがしばしばある。特にスポーツウ
ェアの場合には，不快感や風邪の原因，筋肉障害への影
響を少なくするため，布帛が肌に発生した汗を素早く吸
い取り，表面層へ導水し，肌面に接する布帛面に残留す
る汗が少ないことが望ましい。
れによるべとつき感などの不快感を解消することを意図
して，親水性繊維である綿糸，レーヨン糸等を用いた布
帛，綿と合成繊維の混紡糸を用いた布帛，綿糸と合成繊
維糸を用いた裏綿組織の布帛などが生産され，また他方
では，合成繊維の製造時に，例えば重合段階で分子構造
そのものに親水性を付与したり，親水性ポリマーをブレ
ンド紡糸して親水化した繊維糸条を用いた布帛などが生
産されている。しかしながら，前者の綿糸や綿と合成繊
維の混紡糸を用いた布帛や，裏綿組織の布帛等は，親水
性繊維である綿繊維が吸水した場合，保水能力は大きい
が，膨潤保水するため蒸発散能力が劣るし，染色堅牢度
が不良であり，また，染色された布帛の色目がダル化し
て鮮明色が得られず，さらに着用時には，しばしば摩
擦，ひっかかり等により発生するピリング，スナッギン
グ等にも問題がある。後者のごとく、製造時に親水化さ
れた合成繊維を用いる場合には，紡糸時の製糸性の低
下，糸条や布帛の状態での強力低下や風合低下等の問題
がある。くわえて，これら従来の肌着やスポーツウェア
では，夏期の高温多湿時や，激しい運動等に発生する汗
を十分に吸収，蒸発散することができず，依然として肌
が濡れてべとつき感を生じたり，生地がまつわりついた
りするなどの不快感を十分に解消するに至っておらず，
さらに冷温時には，吸収した汗が冷えて風邪，筋肉障害
などの原因となることがしばしばある。特にスポーツウ
ェアの場合には，不快感や風邪の原因，筋肉障害への影
響を少なくするため，布帛が肌に発生した汗を素早く吸
い取り，表面層へ導水し，肌面に接する布帛面に残留す
る汗が少ないことが望ましい。
（ハ）発明が解決しようとする問題点 本発明は，上記のごとき従来の肌着やスポーツウェアに
用いられている布帛における発汗時の汗の蒸発散の不十
分さを解決するとともに，速やかに肌面より汗を表面に
導水することにより，べとつき感，まつわり，寒冷感等
の不快感が無く，快適に着用しうる肌着，スポーツウェ
ア等を形成することができる布帛を提供しようとするも
のである。
用いられている布帛における発汗時の汗の蒸発散の不十
分さを解決するとともに，速やかに肌面より汗を表面に
導水することにより，べとつき感，まつわり，寒冷感等
の不快感が無く，快適に着用しうる肌着，スポーツウェ
ア等を形成することができる布帛を提供しようとするも
のである。
（ニ）問題点を解決するための手段 本発明は,W形断面形状の表面親水化合成繊維よりなる表
面繊維層と，異形度50％以下の異形断面の表面親水化合
成繊維よりなる裏面繊維層とから構成されてなる二層構
造の偏在吸水性布帛を要旨とするものである。
面繊維層と，異形度50％以下の異形断面の表面親水化合
成繊維よりなる裏面繊維層とから構成されてなる二層構
造の偏在吸水性布帛を要旨とするものである。
以下，本発明を詳細に説明する。
まず，本発明の偏在吸水性布帛は，表面層がＷ形断面形
状で，繊維表面が親水化された合成繊維糸条で構成さ
れ，裏面層は繊維断面が異形度50％以下の異形断面で，
繊維表面が親水化された合成繊維糸条で構成，組織され
た二層構造の織編物である。
状で，繊維表面が親水化された合成繊維糸条で構成さ
れ，裏面層は繊維断面が異形度50％以下の異形断面で，
繊維表面が親水化された合成繊維糸条で構成，組織され
た二層構造の織編物である。
ここでいう合成繊維としては，ポリエステル系繊維（ポ
リエチレンテレフタレート繊維や，イソフタル酸，パラ
オキシ安息香酸，スルホイソフタル酸あるいはブチレン
グリコール等を共重合成分とする共重合ポリエチレンテ
レフタレート繊維）や，ポリアミド系繊維（ナイロン−
４繊維，ナイロン−６繊維，ナイロン−66繊維，ナイロ
ン−610繊維あるいはナイロン−11繊維）等を挙げるこ
とができる。本発明布帛の表面繊維層に用いる合成繊維
は第１図（イ）〜（ロ）に示すごとく,W形の横断面形状
を有するものである。Ｗ形断面形状の繊維は，隣接する
繊維間の凹部と凸部がうまくかみ合って密着し，毛細管
路が効果的に形成されるので，非常に良好な吸水性，導
水性を発揮する。第１図（イ）〜（ロ）に示すＷ形断面
形状繊維は，それぞれ第２図（イ）〜（ロ）に示す形状
のノズルの紡糸口金を用いて紡糸することができる。本
発明布帛の裏面繊維層に用いる合成繊維は，異形度50％
以下の異形断面形状を有するものである。ここでいう異
形度（％）は，次式により求められる。
リエチレンテレフタレート繊維や，イソフタル酸，パラ
オキシ安息香酸，スルホイソフタル酸あるいはブチレン
グリコール等を共重合成分とする共重合ポリエチレンテ
レフタレート繊維）や，ポリアミド系繊維（ナイロン−
４繊維，ナイロン−６繊維，ナイロン−66繊維，ナイロ
ン−610繊維あるいはナイロン−11繊維）等を挙げるこ
とができる。本発明布帛の表面繊維層に用いる合成繊維
は第１図（イ）〜（ロ）に示すごとく,W形の横断面形状
を有するものである。Ｗ形断面形状の繊維は，隣接する
繊維間の凹部と凸部がうまくかみ合って密着し，毛細管
路が効果的に形成されるので，非常に良好な吸水性，導
水性を発揮する。第１図（イ）〜（ロ）に示すＷ形断面
形状繊維は，それぞれ第２図（イ）〜（ロ）に示す形状
のノズルの紡糸口金を用いて紡糸することができる。本
発明布帛の裏面繊維層に用いる合成繊維は，異形度50％
以下の異形断面形状を有するものである。ここでいう異
形度（％）は，次式により求められる。
ただし,R;繊維断面の外接円半径 r;繊維断面の内接円半径 異形度50％以下の異形断面繊維としては，断面形状が通
常の丸断面（第３図（イ）参照）のものから三角断面
（第３図（ロ）参照）などの多角断面のものが含まれ
る。真円の丸断面は異形度０％として表すことができ
る。以上の各繊維は，マルチフィラメント糸，仮撚嵩高
加工糸，紡績糸等の形態で用いられる。数多くの実験結
果より，表面繊維層を形成する繊維は前述の水移行性，
保水性，蒸発散性を有効に保持するため，断面形状がＷ
形のものが選択される。他に各種の断面形状を有する合
成繊維糸条もあるが，吸水性の不良，製造時の製糸性不
良，製編織した布帛の品位低下，風合変化等実用面から
好ましくない。一方，裏面繊維層（肌に接する面）を構
成する繊維は，表面繊維層に対する相対的な吸水性のほ
か，肌ざわり，風合等の点から，断面形状が丸断面ない
し五角断面のもので，異形度50％以下のものが好ましく
選択される。布帛を構成するためには，必要に応じて経
編，緯編等の編物または織物のいずれかを選択すればよ
く，表面層には断面形状がＷ形の合成繊維層，裏面層に
は異形度50％以下の異形断面合成繊維層となるように，
常法の二重編，二重織等の方法により製編織する。
常の丸断面（第３図（イ）参照）のものから三角断面
（第３図（ロ）参照）などの多角断面のものが含まれ
る。真円の丸断面は異形度０％として表すことができ
る。以上の各繊維は，マルチフィラメント糸，仮撚嵩高
加工糸，紡績糸等の形態で用いられる。数多くの実験結
果より，表面繊維層を形成する繊維は前述の水移行性，
保水性，蒸発散性を有効に保持するため，断面形状がＷ
形のものが選択される。他に各種の断面形状を有する合
成繊維糸条もあるが，吸水性の不良，製造時の製糸性不
良，製編織した布帛の品位低下，風合変化等実用面から
好ましくない。一方，裏面繊維層（肌に接する面）を構
成する繊維は，表面繊維層に対する相対的な吸水性のほ
か，肌ざわり，風合等の点から，断面形状が丸断面ない
し五角断面のもので，異形度50％以下のものが好ましく
選択される。布帛を構成するためには，必要に応じて経
編，緯編等の編物または織物のいずれかを選択すればよ
く，表面層には断面形状がＷ形の合成繊維層，裏面層に
は異形度50％以下の異形断面合成繊維層となるように，
常法の二重編，二重織等の方法により製編織する。
本発明布帛の各層を構成する繊維は，いずれも繊維表面
が親水化加工により吸水性を付与されている。親水化加
工薬剤としては，ポリエステル系繊維の場合はポリエチ
レングリコールとテレフタル酸の重縮合物を用い，ポリ
アミド系繊維の場合はポリエチレングリコールとポリア
ミドの重縮合物を用いる。これら親水化薬剤の水溶液に
布帛を浸漬し処理すれば，布帛の表面層，裏面層の双方
について所望の程度に親水化された本発明の偏在吸水性
布帛が得られる。これらの親水化加工薬剤水溶液による
処理は，いずれの場合も処理濃度0.1〜20％o.w.f.,処理
温度80℃以上，処理時間10分以上の条件で行うことが望
ましい。処理濃度が0.1％o.w.f.未満の場合，十分な親
水性およびその耐久性を付与することができず，逆に20
％o.w.f.より高くしても処理効果はほぼ平衡状態とな
り，布帛の風合面ではむしろ悪化する傾向にあり，好ま
しくない。また，処理温度が80℃より低い場合や，処理
時間が10分間より短い場合には，いずれも十分な親水性
やその耐久性を付与することが困難となるので好ましく
ない。
が親水化加工により吸水性を付与されている。親水化加
工薬剤としては，ポリエステル系繊維の場合はポリエチ
レングリコールとテレフタル酸の重縮合物を用い，ポリ
アミド系繊維の場合はポリエチレングリコールとポリア
ミドの重縮合物を用いる。これら親水化薬剤の水溶液に
布帛を浸漬し処理すれば，布帛の表面層，裏面層の双方
について所望の程度に親水化された本発明の偏在吸水性
布帛が得られる。これらの親水化加工薬剤水溶液による
処理は，いずれの場合も処理濃度0.1〜20％o.w.f.,処理
温度80℃以上，処理時間10分以上の条件で行うことが望
ましい。処理濃度が0.1％o.w.f.未満の場合，十分な親
水性およびその耐久性を付与することができず，逆に20
％o.w.f.より高くしても処理効果はほぼ平衡状態とな
り，布帛の風合面ではむしろ悪化する傾向にあり，好ま
しくない。また，処理温度が80℃より低い場合や，処理
時間が10分間より短い場合には，いずれも十分な親水性
やその耐久性を付与することが困難となるので好ましく
ない。
親水化加工処理は，通常の精錬後，染色時，染色後のい
ずれの工程で行ってもよく，処理装置としては，布帛の
組織，構造等に応じて通常のウインス染色機，液流染色
機，ビーム染色機，あるいはジッガー染色機等を適宜選
択して用いればよい。
ずれの工程で行ってもよく，処理装置としては，布帛の
組織，構造等に応じて通常のウインス染色機，液流染色
機，ビーム染色機，あるいはジッガー染色機等を適宜選
択して用いればよい。
以上の方法によって得られる本発明の偏在吸水性布帛で
は，裏面（肌に接する面）において皮膚に発生した汗が
異形度50％以下の異形断面繊維で構成された層に吸い取
られ，続いて隣接する断面形状がＷ形の繊維で構成され
た層に素早く移動し，保水され，そこで蒸発散が速やか
に行われる。これは断面形状がＷ形の繊維で構成された
層は，繊維と繊維との間隔が異形度50％以下の異形断面
繊維で構成された層における間隔よりも小さく，毛管現
象による素早い水の移動性，水の表面張力による保水能
並びに単位繊維当りの表面積が大きく，しかも本質が疎
水性の合成繊維である性質により蒸発散性が大きいこと
等に起因する。
は，裏面（肌に接する面）において皮膚に発生した汗が
異形度50％以下の異形断面繊維で構成された層に吸い取
られ，続いて隣接する断面形状がＷ形の繊維で構成され
た層に素早く移動し，保水され，そこで蒸発散が速やか
に行われる。これは断面形状がＷ形の繊維で構成された
層は，繊維と繊維との間隔が異形度50％以下の異形断面
繊維で構成された層における間隔よりも小さく，毛管現
象による素早い水の移動性，水の表面張力による保水能
並びに単位繊維当りの表面積が大きく，しかも本質が疎
水性の合成繊維である性質により蒸発散性が大きいこと
等に起因する。
（ホ）作用 本発明の偏在吸水性布帛は，表面層がＷ形断面形状の表
面親水化合成繊維で構成され，裏面層が異形度50％以下
の異形断面の表面親水化合成繊維で構成されている。こ
のように組織された二層の積層構造を有する本発明の偏
在吸水性布帛は，肌着，スポーツウェア等の用途に用い
れば，着用時の発汗に際し，肌側の繊維層で繊維表面に
付着した汗は吸水・拡散の開始と同時に表側繊維層の高
い吸水性により速やかに吸い上げられて表側に保水さ
れ，表面から蒸発散されていく。その結果，肌側の繊維
層では表面がわずかに濡れているだけで，ほとんど汗が
存在しないようになる。したがって，肌側に汗が流れた
り，濡れてべとついたり，まつわりついたりする等の不
快感を感じることがない。
面親水化合成繊維で構成され，裏面層が異形度50％以下
の異形断面の表面親水化合成繊維で構成されている。こ
のように組織された二層の積層構造を有する本発明の偏
在吸水性布帛は，肌着，スポーツウェア等の用途に用い
れば，着用時の発汗に際し，肌側の繊維層で繊維表面に
付着した汗は吸水・拡散の開始と同時に表側繊維層の高
い吸水性により速やかに吸い上げられて表側に保水さ
れ，表面から蒸発散されていく。その結果，肌側の繊維
層では表面がわずかに濡れているだけで，ほとんど汗が
存在しないようになる。したがって，肌側に汗が流れた
り，濡れてべとついたり，まつわりついたりする等の不
快感を感じることがない。
（ヘ）実施例 本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが，実施例
における布帛の性能の測定評価は次の方法で行った。
における布帛の性能の測定評価は次の方法で行った。
（１）吸水性能 試料の編地を10cm×10cmの大きさに切断し，その裏側面
を上にして水滴滴下位置を浮かせた状態にして，ピペッ
トにて水0.1ml（水のぬれ状態を見やすくするために着
色してもよい。）を0.5cmの高さから滴下する。滴下後6
0秒後の表面と裏面のぬれ面積（cm2）を求める。
を上にして水滴滴下位置を浮かせた状態にして，ピペッ
トにて水0.1ml（水のぬれ状態を見やすくするために着
色してもよい。）を0.5cmの高さから滴下する。滴下後6
0秒後の表面と裏面のぬれ面積（cm2）を求める。
（２）保水性能 試料の編地を水中に10分間浸漬して十分に水を吸収させ
てから，家庭用洗濯機の付属脱水機で20秒間脱水し，次
に編地の表側面を上にして金網の上に10分間放置後，編
地の表側と裏側とをそれぞれ解編して重量を測定する。
重量測定後，解編した繊維糸条を乾燥し，乾燥後の重量
を求めたのち，次式にて算出する。
てから，家庭用洗濯機の付属脱水機で20秒間脱水し，次
に編地の表側面を上にして金網の上に10分間放置後，編
地の表側と裏側とをそれぞれ解編して重量を測定する。
重量測定後，解編した繊維糸条を乾燥し，乾燥後の重量
を求めたのち，次式にて算出する。
（３）ピリング JIS L-1076A法（ICI法,10時間） （４）スナッギング JIS L-1058……金鋸法（５時間） （５）着用感 シャツに仕立てて着用し，発汗を伴う過激な運動を行っ
た際の着用感を官能検査により判定。
た際の着用感を官能検査により判定。
（ｉ）肌側の汗による濡れ： ○……ほとんど無し △……やや濡れる ×……非常に濡れる （ii）まつわりつき： ○……ほとんど無し △……ややまつわりつく ×……まつわりつく 実施例１ 布帛の表側の面を形成する表糸としてＷ形横断面形状の
ポリエチレンテルフタレート仮撚嵩高加工糸75d/36fを
用い，裏側の面を形成する裏糸として丸型横断面形状
（異形度０％）のポリエチレンテレフタレート仮撚嵩高
加工糸75d/36fをそれぞれ用いて,24ゲージの編機で二重
組織のスムース目編地を編成した。次に，常法により精
錬した後，ポリエステル系繊維の親水化加工薬剤である
パーマローズTM（ICI社製）の８％o.w.f.水溶液中で130
℃にて30分間の処理を行い，次いで水洗し,115℃で乾燥
し,170℃で40秒間の仕上セットを行って本発明の偏在吸
水性布帛である編地Ａを得た。
ポリエチレンテルフタレート仮撚嵩高加工糸75d/36fを
用い，裏側の面を形成する裏糸として丸型横断面形状
（異形度０％）のポリエチレンテレフタレート仮撚嵩高
加工糸75d/36fをそれぞれ用いて,24ゲージの編機で二重
組織のスムース目編地を編成した。次に，常法により精
錬した後，ポリエステル系繊維の親水化加工薬剤である
パーマローズTM（ICI社製）の８％o.w.f.水溶液中で130
℃にて30分間の処理を行い，次いで水洗し,115℃で乾燥
し,170℃で40秒間の仕上セットを行って本発明の偏在吸
水性布帛である編地Ａを得た。
本発明との比較のため，本実施例において用いた表糸，
裏糸に代えてポリエチレンテレフタレート繊維65％，綿
繊維35％の混率の混紡糸で,40番手の太さのものを用い
るほかは，本実施例と全く同一の方法により比較用の編
地Ｂを得た。
裏糸に代えてポリエチレンテレフタレート繊維65％，綿
繊維35％の混率の混紡糸で,40番手の太さのものを用い
るほかは，本実施例と全く同一の方法により比較用の編
地Ｂを得た。
また，別に本発明との比較のため，本実施例において用
いた表糸，裏糸に代えて，丸断面を有するポリエチレン
テレフタレート繊維75d/36fの仮撚嵩高加工糸を用いる
ほかは，本実施例と全く同一の方法により比較用の編地
Ｃを得た。
いた表糸，裏糸に代えて，丸断面を有するポリエチレン
テレフタレート繊維75d/36fの仮撚嵩高加工糸を用いる
ほかは，本実施例と全く同一の方法により比較用の編地
Ｃを得た。
これらの編地の性能を測定，評価し，その結果を第１表
に示した。
に示した。
第１表より明らかなごとく，本発明の吸水性布帛は吸水
性能に優れ，表側面の保水率と裏面側の保水率に差があ
り，したがって，裏側面の繊維に付着した汗は速やかに
表側へ移行させられ，肌側は汗の濡れに伴うべたつきや
まつわりつきがほとんど無く，着心地が非常に良好であ
った。これに対し比較例の編地Ｂは，表側面と裏側面の
保水性能が同じで，吸水速度も遅く，また比較例の編地
Ｃは，表側面と裏側面の保水性能がほぼ同程度であり，
そのため裏側面に付着した汗は繊維内部に吸収される
か，または表側面への移行が少なく，肌にべたついた
り，まつわりついて着心地は不良であった。
性能に優れ，表側面の保水率と裏面側の保水率に差があ
り，したがって，裏側面の繊維に付着した汗は速やかに
表側へ移行させられ，肌側は汗の濡れに伴うべたつきや
まつわりつきがほとんど無く，着心地が非常に良好であ
った。これに対し比較例の編地Ｂは，表側面と裏側面の
保水性能が同じで，吸水速度も遅く，また比較例の編地
Ｃは，表側面と裏側面の保水性能がほぼ同程度であり，
そのため裏側面に付着した汗は繊維内部に吸収される
か，または表側面への移行が少なく，肌にべたついた
り，まつわりついて着心地は不良であった。
（ト）発明の効果 本発明の偏在吸水性布帛は片面層が優れた吸水性に富
み，他面層が吸水性，保水性，蒸発散性に優れているた
め，前者片面層を裏側面（肌面）として，後者を表側面
として肌着・スポーツウェア等に用いれば，夏期の高温
多湿時あるいは運動時等の多量の発汗に際して，汗が裏
側面に付着すると，繊維内部に吸収されることなく速や
かに吸い上げられ，同時に表側面の繊維層に吸い上げら
れて移行し，蒸発散されて汗を素早く肌から離す作用が
効果的に働き，したがって衣服内の湿度が上昇して肌に
汗が流れたり，濡れたり，また，まつわりついたりする
ことが無く，快適な着用感を与えるなどの格別の効果を
奏する。さらに，いずれの繊維層も合成繊維であるため
好みの色相が得られ，また，従来から綿糸使用布帛でし
ばしば問題となるピリング，スナッギング，洗濯時の寸
法安定性，堅牢度不良等が解消されるため，その効果は
非常に大きなものである。
み，他面層が吸水性，保水性，蒸発散性に優れているた
め，前者片面層を裏側面（肌面）として，後者を表側面
として肌着・スポーツウェア等に用いれば，夏期の高温
多湿時あるいは運動時等の多量の発汗に際して，汗が裏
側面に付着すると，繊維内部に吸収されることなく速や
かに吸い上げられ，同時に表側面の繊維層に吸い上げら
れて移行し，蒸発散されて汗を素早く肌から離す作用が
効果的に働き，したがって衣服内の湿度が上昇して肌に
汗が流れたり，濡れたり，また，まつわりついたりする
ことが無く，快適な着用感を与えるなどの格別の効果を
奏する。さらに，いずれの繊維層も合成繊維であるため
好みの色相が得られ，また，従来から綿糸使用布帛でし
ばしば問題となるピリング，スナッギング，洗濯時の寸
法安定性，堅牢度不良等が解消されるため，その効果は
非常に大きなものである。
本発明の布帛は，前述のごとく合成繊維で積層されてい
るため，使用繊維に適した親水化加工薬剤を選択して，
単に該加工用薬剤の水溶液中に浸漬して処理するだけで
簡単に吸水性を付与することができる。
るため，使用繊維に適した親水化加工薬剤を選択して，
単に該加工用薬剤の水溶液中に浸漬して処理するだけで
簡単に吸水性を付与することができる。
第１図は，本発明の偏在吸水性布帛に使用するＷ形断面
形状の合成繊維の一例を示す断面図であり，第２図は，
第１図に示すＷ形断面形状の合成繊維を紡糸するための
紡糸口金のノズルの平面図である。 第３図は，本発明の偏在吸水性布帛に使用する異形度50
％以下の合成繊維の一例を示す断面図である。
形状の合成繊維の一例を示す断面図であり，第２図は，
第１図に示すＷ形断面形状の合成繊維を紡糸するための
紡糸口金のノズルの平面図である。 第３図は，本発明の偏在吸水性布帛に使用する異形度50
％以下の合成繊維の一例を示す断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−21744（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−9942（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−60039（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−169574（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−144238（ＪＰ，Ｕ)
Claims (1)
- 【請求項１】Ｗ形断面形状の表面親水化合成繊維よりな
る表面繊維層と，異形度50％以下の異形断面の表面親水
化合成繊維よりなる裏面繊維層とから構成されてなる二
層構造の偏在吸水性布帛。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60145498A JPH0680217B2 (ja) | 1985-07-02 | 1985-07-02 | 偏在吸水性布帛 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60145498A JPH0680217B2 (ja) | 1985-07-02 | 1985-07-02 | 偏在吸水性布帛 |
Publications (2)
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Family
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Family Applications (1)
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| JP60145498A Expired - Lifetime JPH0680217B2 (ja) | 1985-07-02 | 1985-07-02 | 偏在吸水性布帛 |
Country Status (1)
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-
1985
- 1985-07-02 JP JP60145498A patent/JPH0680217B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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| JPS626933A (ja) | 1987-01-13 |
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