JPH067796B2 - 固定化生体触媒による反応方法 - Google Patents

固定化生体触媒による反応方法

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JPH067796B2
JPH067796B2 JP59124054A JP12405484A JPH067796B2 JP H067796 B2 JPH067796 B2 JP H067796B2 JP 59124054 A JP59124054 A JP 59124054A JP 12405484 A JP12405484 A JP 12405484A JP H067796 B2 JPH067796 B2 JP H067796B2
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crystallization
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正勝 古井
智 高松
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は固定化生体触媒による有用物質の生産方法に関
し、詳しくは基質/生産物溶解度の温度依存性を利用し
かつ固定化生体触媒充填反応槽と晶析槽からなる反応装
置を用いて高濃度に有用物質を生産する方法に関する。
固定化生体触媒を用いて有用物質を生産する方法は既に
良く知られており、これらの方法は触媒と生産物の分離
が用意であり、又触媒を繰り返し利用しうる等の技術的
特徴を有する。しかしながら、固定化生体触媒による反
応はその特徴を生かすため、多くの場合基質溶液を用い
る固・液系で行なわれるため使用可能な基質溶液の濃度
に限界があった。
即ち、多くの固定化生体触媒反応では、基質溶液は生産
物の濃度が飽和溶解度を超えない様な濃度で用いなけれ
ばならず、もし基質と触媒との反応で得られる生産物が
飽和溶解度以上となる様な濃度で用いると反応の進行に
伴なって生産物が触媒の内部・表面で結晶化し、基質の
透過を遅延させ・触媒の破損をもまねき、その操作が困
難になる等の欠点があった。
しかるに本発明者らは種々研究した結果、固定化生体触
媒反応装置を該触媒充填反応槽とろ過機能を有する晶析
槽の2層に分けかつ両槽間に温度差を設定し、かかる装
置中で基質溶液を循環させることとすれば、晶析槽では
生産物と基質が分離され、基質のみが逐時ろ液として反
応槽に供給されることとなるため、基質溶媒としては生
産物の溶解度に影響されることなく高濃度のものを用い
ることが可能となり、併せて有用生産物も従来法に比べ
てより高濃度に製造しうることを見い出した。
即ち、本発明は基質を固定化生体触媒と反応させて有用
生産物を製造するに際し、ろ過機能を備えた晶析槽の槽
内温度を、同槽における基質の溶解度が反応槽における
生産物の溶解度よりも小さくなる様に設定した上で当該
晶析槽に溶液状、けん濁状またはスラリー状基質を仕込
み、そのろ液を固定化生体触媒充填反応槽に導通し、得
られた反応液を再び該晶析槽へ循環させることを特徴と
する固定化生体触媒による反応方法に関する。
以下、本発明方法をより詳細に説明すると、まず本発明
方法は固定化生体触媒を反応槽に充填し、原料基質を晶
析槽に仕込むことによって実施する。この場合、反応槽
としては完全混合槽型、流動層型、充填層型など従来の
反応槽をそのまま用いるとができ、基質の流通方法も下
降流型、上昇流型のいずれでもよい。
又、この目的に使用されうる固定化生体触媒としては基
質との連続反応に使用できうるものどあればいずれも採
用できる。好ましい固定化生体触媒としては、例えば寒
天ゲル、カラギーナンゲル・ファーセレランゲル等の硫
酸根含有多糖類ゲル、アルギン酸アルカリ酸アルカリ土
類金属塩ゲル(例えば、アルギン酸カルシウム)、ポリ
ビニルアルコールゲル、ポリアクリル酸アミドゲル(例
えば、N.N′−低級アルキレン−ビス(アクリルアミ
ド)、ビス(アクリルアミドメチル)エーテル及びアク
リルアミドから選ばれる1〜2種のモノマーの重合体又
は共重合体)、セルロースサクシネートゲル・カゼイン
などのゲル担体に包括された各種酵素、微生物があげら
れ、とりわけカラギーナンまたはアルギン酸カルシウム
ゲルに包括されたものが好適である。ゲル内に包括され
る酵素、微生物の量はとくに制限されないが、一般的に
はゲル100g(湿潤重量)に対して固定化酵素の場合
は0.01g、固定化微生物の場合は1〜30gが包括
されているのが好ましく、またゲルの形状は厚さ1mm〜
5cmの粒状、立方体状、糸状又は膜状に成形したものが
好ましい。
これら固定化生体触媒の調製法としては、従来公知の方
法を採用することができ、例えば硫酸根含有多糖類ゲル
およびアルギン酸塩固定化酵素乃至微生物は、特開昭5
3−6483号、Biotechnol.Bioeng.19・387(1977)、
特公昭56−29516〜7号及び特公昭57−188
67号各号公報に記載されている方法により、ポリビニ
ルアルコールゲルはPaper at 5th Int.Ferment.Symp..B
erlin(1976)に記載されている方法により、アク
リルアミドゲルで固定化された酵素乃至微生物は、例え
ばBiotechnol.Bioeng.15、69(1973)、特公昭
53−1831号公報、Appl.Microbiol.27.878
(1974)等に記載されている方法により、またセル
ロースサクシネートゲルまたはカゼインゲルで固定化さ
れた微生物は、J.Solid Phase Biochem..225(1
977)に記載されている方法によって好適に調製する
ことができる。
本発明方法は通常バッチ型で操作され、ろ過機能を備え
た晶析槽としては、熱交換機能及び生産物と基質との分
離機能さえ備えておればいかなる型式のものでもよい。
本発明方法の実施にあたって反応槽内温としては、生体
触媒の活性と安定性を考慮して0〜60℃、とくに20
〜45℃に設定することが好ましく、晶析槽内温として
は、基質の溶解度が反応槽における生産物の溶解度より
も小さくなる様に槽内温を設定すればよい。例えば,L
−アスパラギン酸の脱炭酸反応によってL−アスニンを
製する場合、添加するアンモニア水の量で基質の溶解度
が定まるが、実施例1を例にとると、この時のアスパラ
ギン酸アンモニウム(基質)の仕込量は0.9mol/だか
ら、反応槽内温を37℃に設定すると晶析槽内温は、0
〜30℃に設定するのが好ましい。フマル酸カルシウム
よりフマラーゼ活性を含有する固定化ブレビバクテリウ
ム、アンモニアゲネスを用いてL−リンゴ酸カルシウム
を製する場合、反応槽内温を37℃に設定すると、晶析
槽内温は0〜10℃に設定するのが好ましく、またDL
−メチオニンより固定化アミノアシラーゼを用いてL−
メチオニンを製する場合、反応槽内温を37℃に設定す
ると、晶析槽内温を0〜17℃に設定するのが好まし
い。
上記の説明からも明らかな通り、本発明方法の実施に際
しては、基質及び生産物の溶解度が温度の上昇で減少し
ない限り、晶析槽における基質の溶解度が反応槽におけ
る生産物の溶解度より小さくなる様に晶析槽内温を設定
し、基質を均一にかく拌しながら、低温下飽和或いは過
飽和状態で溶解した基質を反応槽へ供給する。該基質は
反応層で反応液となって再び晶析槽へ戻される。晶析槽
は反応槽よりも低温に保たれているので晶析槽に戻され
た反応液が冷却されて生産物を晶析する。この時溶液中
の基質は不飽和状態になっているので再度基質が溶解し
て反応槽に導かれていく。この様な状態で晶析槽の基質
が生産物に変換するまで基質を循環し続け、反応を終了
する。
上記方法を実施するに際し、基質溶液の循環流量に特に
制限はないが一般的には反応槽出口で反応が完結してし
まわない程度の通液両を指標としてその循環流量を決め
るのが好ましい。ろ液循環流量は反応器の大きさや反応
速度によっても異なるが、例えばL−アスパラギン酸の
脱炭酸反応によってL−アラニンを製する場合、L−ア
スパラギン酸スラリーのろ液循環流量は通常0.2〜5/
hrが好ましく、フマラーゼ活性を有するブレビバクテリ
ウム・アンモニアゲネスによりL−リンゴ酸を製する場
合、フマル酸カルシウムスラリーのろ液循環流量は0.2
〜2/hrが好ましい。
本発明で原料化合物として使用する基質は、本発明方法
が基質/生産物溶解度の温度依存性を利用して行うもの
であるため温度の上昇に伴って溶解度も上昇する基質で
あれば、生産物の溶解度より大きな溶解度を示すもので
あってもよく或いは生産物の溶解度より小さな溶解度を
示すものであっても共に用いることができる。基質とし
ては、例えば高濃度基質溶液、けん濁状基質、スラリー
状基質等が挙げられる。又、その使用固定化生体触媒の
種類にもよるが、該触媒として固定化微生物、固定化酵
素を用いた場合には、基質を晶析槽と反応槽間に循環さ
せるに際し、酵素反応乃至微生物の生育に必要な補酵
素、栄養源その他それ自体公知の炭素源、窒素源、無機
質、ビタミン等を基質と共に適宜組合せて用いても良
い。更に、基質の充填方法としては、一度に晶析槽に仕
込んでもよいし、基質阻害がかかりやすい場合は逐時添
加していってもよい。
次に、この様な発明方法を適用した実施態様のひとつを
図面に基いて説明すると、第1図は連続循環型反応装置
の概略ブロツク図であり、(1)及び(2)はそれぞれ反応槽
と晶析槽であり、両槽間に基質溶液送付ライン(6)及び
反応液送付ライン(7)が連結され、(6)上には基質溶液送
り出しポンプ(5)が、晶析槽内にはろ過器(3)及びかく拌
棒(4)が配設されている。ろ過器(3)としては、例えば、
ろ過板を槽内の断面に取付けた吸引型フィルター(例え
ば、クラスフィルー等)、槽内浸せき型フィルター(例
えば、円筒フィルター、平板フィルター)等を用いるこ
とができる。この装置を用い、原料基質を晶析槽(2)に
仕込み、晶析槽(2)における基質の溶解度が反応槽(1)に
おける生産物の溶解度より小なる様に晶析槽内温を設定
した上で、かく拌棒(4)で基質を均一にかく拌しなが
ら、ポンプを作動させ、晶析槽内のろ過器(3)を通った
ろ液(基質溶液)を原料基質送付ライン(6)を介して反
応槽(1)へ送り、生成した反応液を反応液送付ライン(7)
を介して晶析槽(2)へ送る。ここで生産物が晶析し、同
時に基質が溶解されて反応槽(1)に導かれ、反応液とな
って再び晶析槽(2)に戻ってくる。この操作を反応が終
了するまでくり返す。
上記方法は連続循環型反応装置(第1図)を使用する際
の本発明方法に関するものであるが、該方法はろ液循環
を連続的に行うものであるため反応槽で得られた反応液
が晶析槽へ送り込まれた際そこで充分に生産物を晶析せ
ず、又基質の溶解も行わないままショートパスして反応
槽へ戻されることがありうる。このような場合には、基
質溶液の反応槽への送り操作と反応液の晶析槽への送り
操作を交互に操作できる様に調節した貯留槽を反応槽と
晶析槽間に配設した断続循環型の反応装置を使用するの
が好ましい。即ち、かかる場合には反応槽と晶析槽との
間に更に貯留槽を設け、晶析槽から反応槽への基質溶液
送り出し操作時は貯留槽から晶析槽への反応液の流出を
停止させ、該基質溶液送り出し操作停止時には貯留槽か
ら晶析槽へ反応液を流出させることによって基質溶液を
断続的に循環させれば反応槽から流出した反応液が晶析
槽でショートパスするのを防止することができる。
上記方法を適用した実施態様のひとつを第2図に基いて
説明すると、第2図は断続循環型反応装置の概略ブロッ
ク図であり、第2図中第1図は同じ符号の部分は第1図
と同じものを示す。(1)及び(2)はそれぞれ反応槽と晶析
槽であり、晶析槽(2)内にはかく拌棒(4)及びろ過器(3)
が配設され、また(1)と(2)の両槽間に基質溶液送付ライ
ン(6)及び反応液送付ライン(7)が、(6)上に基質溶液送
り出しポンプ(5)が、(7)上に貯留槽(8)が、貯留槽の排
出口付近に電磁弁(9)が、(5)と(9)の間にタイマー(10)
付きポンプ・電磁弁制御回路ライン(11)がそれぞれ配設
されている。
この装置を用い、原料基質を晶析槽(2)に仕込み、晶析
槽温を前記連続循環型反応装置を用いた場合と同様に設
定した上で、かく拌棒(4)で均一にかく拌しながら、タ
イマー(10)をセットして、ポンプ(5)を作動させ(但
し、ポンプ作動時、反応液は貯留槽(8)から晶析槽(2)へ
流出しない。)、晶析槽(2)からのろ液(基質溶液)を
反応槽(1)へ送り、ろ液は反応液となって貯留槽(8)へ流
出する。この時、電磁弁(9)はは閉じているため、反応
液は貯留槽(8)に貯められる。タイマー(10)によりポン
プ(5)が休止すると、電磁弁(9)が開き反応液が晶析槽
(2)へ流出し、生産物が晶析する。晶析が十分終了した
頃、タイマー(10)により電磁弁(9)が閉じ、ポンプ(5)が
作動して、晶析槽(2)からのろ液を反応槽(1)へ送る。こ
の操作を反応が終了するまでくり返す。上記操作におけ
るタイマー(10)によるポンプの作動・休止時間は、反応
系における基質の溶解速度、生産物の晶析速度によって
異なるため、充分に溶解、晶析出来る時間を適当に選べ
ばよい。
以上の如く、本発明方法は簡単な装置と操作で、生産物
と基質とが分離されると共に基質のみが連続或いは断続
的にろ液として循環し、反応させることができるため、
基質溶液としては生産物の溶解度に影響されることなく
高濃度のものを用いることが可能となり、併せて有用生
産物も高濃度に製造でき、更に反応速度がpHによって顕
著に影響を受ける場合(例えば、L−アスパラギン酸の
脱炭酸反応に見られる如く、炭酸ガスの放散に伴って反
応pHが至適値から偏奇してゆく場合)では、晶析槽がpH
コントロール槽の役目をするので効率のよい反応を達成
することができ、又その結果として反応時間を従来法に
比し顕著に短縮することができるという諸々の利点を得
ることができる。
以下、実施例によって本発明を説明する。
実施例1 (アスパルテート−β−デカルボキシラーゼ活性を含有
する固定化シュードモナス・ダクネによるL−アラニン
の生産) (a)0.5容量の充填層型の反応槽(直径8cm、高さ
10cmの円筒形)と平板型ろ過器を備えた1容量のか
く拌槽型晶析槽を直列に連結(連結状態は第1図参照)
した連続循環型反応装置を用いてL−アラニンスラリー
を連続的に生産した。
固定化微生物は次の如く調製した。まず、グルタミン酸
ナトリウム3.2%、ミースト(ビール酵母エキス)0.5
%、KH2PO4 0.05%、MgSO4・7H2O 0.01%を含む培地(pH
7.3)310mにシュードモナス・ダクネIMA1152
を植菌し、30℃にて24時間振とう培養後、この培養
液から菌体を遠心分離して集め、これを生理食塩水25
mにけん濁する。このけん濁液にアクリル酸アミド4.
69g,N.N′−メチレン−ビス(アクリル酸アミド)0.2
5g,5%β−(ジメチルアミノ)−プロピオニトリル
3.13mおよび1%過硫酸カリウム3.13mを加え、25
℃にて10分間静置後、生成したゲルを直径3mmの粒状に成型
し、生理食塩水で洗浄することにより固定化シュードモ
ナス・ダクネ50gを調製した。
この固定化シュードモナス・ダクネ50g(湿潤重量)
を上記反応槽に充填し、また上記晶析槽にはL−アスパ
ラギン酸スラリー(L−アスパラギン酸500g、アン
モニア水50m、ピリドキサルフォスフェート40m
g、水700ml)を仕込み、反応槽内温を37℃、晶析
槽内温を15℃に調節し、ポンプを作動して晶析槽から
のろ液を反応槽へ、また反応槽から流出する反応液を晶
析槽へ各々2/hrの流速で循環させた。72時間後、
晶析槽からL−アラニンスラリーが得られ、その転換率
は99.9%であった。また、生成L−アラニンは70%が
固相に残り30%が液相に存在した。
(b)(a)で調製した同一の固定化シュードモナス・ダクネ
50g(湿潤重量)を外浴付カラム(直径3cm、高さ1
5cm)に充填し、37℃恒温下1モル濃度のL−アスパ
ラギン酸アンモニウムを通液して脱炭酸反応を行い、転
換率99.9%を与える液流量を調べたところ16m/Hだ
った。
上記結果をまとめれば下記第1表の記載の通りであり、
これからも明らかな通り、本法によれば従来のカラム反
応の約1/3の時間で同一両のL−アスパラギン酸アンモ
ニウムを脱炭酸することができ、反応系の濃度も4.5
倍にすることができた。
実施例2 (固定化アミノアシラーゼによるL−メチオニンの生
産) 実施例1−(a)と同一の連続循環型反応装置を用いてL
−メチオニンを生産した。
固定化酵素としては、ポリアクリルアミド法で固定化し
たものを用いた。即ち0.8gのアミノアシラーゼを含む
生理食塩水30mに、アクリル酸アミド3.75g、N.
N′−メチレン−ビス(アクリル酸アミド)0.2g・5%
β−(ジメチルアミノ)−プロピオニトリル2.5mお
よび2.5%過硫酸カリウム2.5mを加え、25℃にて1
0分間静置する。生成したゲルを直径3mmの粒状に成型
し、生理食塩水で洗浄することにより固定化アミノアシ
ラーゼ40gを調製した。
この固定化アミノアミラーゼ40g(湿潤重量)を反応
槽に充填し、また晶析槽には1.7モル濃度のアセチルD
L−チメオニン溶液1(コバルトイオン10−4モル
濃度、pH7.0)を仕込み、反応槽内温を37℃、晶析槽
内温を15℃に調節し、ポンプを作動して晶析槽からの
ろ液を反応槽へまた反応槽から流出する反応液を晶析槽
へ各々2/hrの流速で循環させた。120時間後、L
−/メチオニンスラリーが得られ、その転換率は55%
であった。また、分割されたL−メチオニンは60%が
固相に、。40%が液相に残存した。また、アセチルD
−メチオニンは全量液相に残存した。
実施例3 (固定化アミノアシラーゼによるL−バリンの生産) 実施例1−(a)と同一の連続循環型反応装置及び同一の
方法で調製した固定化アミノアシラーゼを用いてL−バ
リンを生産した。
上記固定化アミノアシラーゼ40g(湿潤重量.粒径3
mm)を反応槽に充填し、晶析槽には1.5モル濃度のア
セチルDL−バリン溶液1(コバルトイオン10−4
モル濃度)を仕込み、反応槽内温37℃、晶析槽内温1
0℃に調節し、ポンプを作動して晶析槽からのろ液を反
応槽へ、また反応槽から流出する反応液を晶析槽へ各々
2/hrの流速で循環させた。72時間後、L−バリン
スラリーが得られ、その転換率は57%であった。ま
た、分割されたL−バリンは30%が固相に、70%が
液相に残存した。また、アセチルD−バリンは全量液相
に残存した。
実施例4 (フマラーゼ活性を含有するブレビバクテリウム・アン
モニアゲネスによるL−リンゴ酸の生産) 0.7容量の充填層型反応槽(直径7.5cm、高さ16cmの
円筒形)、平板型ろ過型を備えた1容量のかく拌槽型
晶析槽及び450m容量の円筒型貯留槽(直径7.5c
m、高さ10cm)を直列に連結(連結状態は第2図参
照)した断続循環型反応装置を用いてL−リンゴ酸を生
産した。
固定化微生物は次の如く調製した。まず、グルコース2
%、フマル酸0.5%、尿酸0.2%、第;1リン酸カリウム
0.2%、硫酸マグネシウム7・水和物0.05%、コーンス
チープリカ−10%を含む培地(pH7)2.5にブレビ
バクテリウムアンモニアゲネスIAM1645を植菌
し、30℃で24時間培養し、この培養液から菌体を遠
心分離して集め、ついでこれを生理的食塩水200mlに
けな濁する。このけん濁液にアクリル酸アミド37.5g、
N.N′−メチレン−ビス(アクリル酸アミド)2g.5
%β(ジメチルアミノ)−プロピオニトリル25m及
び1%過硫酸カリウム25mを加え、25℃で10分
間静置後、生成したゲル直径3mmの粒状に成型し、生理
食塩水で洗浄することにより固定化ブレビバクテリウ
ム、フラバム310gを調製した。
この固定化ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス粒子
310g(湿潤重量)を上記反応槽に充填し、また上記
晶析槽にはフマル酸カルシウムスラリー(フマル酸92.8
g、炭酸カルシウム85.4g、水800m)を仕込み、
反応槽内温37℃、晶析槽内温10℃に調節し、タイマ
ーでポンプ作動時間を7分、ポンプ休止時間を15分に
セット(このとき、電磁弁はポンプ作動時には閉じ、ポ
ンプ休止時には開くようにも同時にセットされてい
る。)して反応を開始する。ポンプを作動して、晶析槽
からのろ液を反応槽へ、また反応槽から流出する反応液
を貯留槽へ各々1.8/hrの流速で循環させ、反応液を貯
留槽に蓄える。反応開始7分後、ポンプが休止し、その
時電磁弁が開き、反応液が25.2/hrの流速で晶析槽へ
流出する。ポンプ休止15分後、再びポンプが作動して
晶析槽からのろ液を反応槽へ、また反応槽から流出した
反応液を貯留槽へ循環させた。このような操作をくり返
して反応開始96時間後、反応を停止して晶析槽からL
−リンゴ酸カルシウムスラリーが得られ、その転換率は
96%であった。生成したL−リンゴ酸カルシウムの9
0%が固相に、10%が液相に残存していた。
実施例5 (フマラーゼ活性を含有する固定化ブレビバクテリウム
・アンモニアゲネスによるL−リンゴ酸の生産) 実施例4と同一の断続循環型反応装置及び同一の方法で
調製した固定化ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス
を用いてL−リンゴ酸カルシウムを生産した。
この固定化ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス粒子
310g(湿潤重量、粒径3mm)を反応槽に充填し、ま
た晶析槽にはフマル酸ナトリウム64gを含むフマル酸
カルシウムスラリー(フマル酸92.8g、炭酸カルシウム
40g、水酸化ナトリウム32.5g、水800m)を仕
込み、反応槽内温37℃、晶析槽内温10℃に調節し、
実施例4と同様の方法で実施した所、実施例4の場合よ
り速い速度で反応が進行し、55時間後にL−リンゴ酸
カルシウムスラリーが得られ、その転換率は87%であ
った。生成したL−リンゴ酸カルシウムは、80%が固
相に、20%が液相に残存した。
実施例6 (フマラーゼ活性を含有する固定化ブレビバクテリウム
・フラバムによるL−リンゴ酸の生産) 実施例4と同一の反応装置を用いて、L−リンゴ酸を生
産した。
固定化微生物は次の如く調製した。まず、コーンスチー
ブリカ−2.0%、マロン酸2.0%、クエン酸第2アンモニ
ウム0.5%第1リン酸カリウム0.2%、硫酸マグネシウ
ム、7水和物0.05%を含む培地(pH7.0)2にブレビ
バクテリウム、フラバムATCC14067を植菌し、
30℃にて48時間培養後、培養液から遠心分離して集
めた菌体を生理食塩水32mにけん濁し、これをあら
かじめ50℃に保温した5.0%ゲニューゲルWG(コペ
ンハーゲンペクチンファクトリー社製のカラギーナン)
水溶液136mlを加えて混合する。この混合液に2%塩
化カリウム水溶液1000mを静かに加え、5時間静
置後、得られたゲルを直径3mmの粒状に成型し、2%塩
化カリウム水溶液で洗浄することにより固定化ブレビバ
クテリウム・フラバム200gを調製した。
この固定化ブレビバクテリウム・フラバム粒子200g
(湿潤重量)を反応槽に充填し、晶析槽には1.5モル濃
度のフマル酸ナトリウム溶液にけん濁したフマル酸カル
シウムスラリー(フマル酸0.6モル、炭酸カルシウム0.6
モル)を仕込み、反応槽内温37℃、晶析槽内温0℃に
調節し、タイマーでポンプ作動時間7分、ポンプ休止時
間15分にセット(このとき、電磁弁はポンプ作動時に
は閉じ、ポンプ休止時には開くようにも同時にセットさ
れている。)して反応を開始する。ポンプを作動して、
晶析槽からのろ液を反応槽へ、また反応槽から流出する
反応液を貯留槽へ各々1.8/hrの流速で循環させ、
反応液を貯留槽へ貯える。反応開始7分後、ポンプが休
止し、その時貯留槽出口付近の電磁弁が開き、反応液が
25.2/hrの流速で晶析槽へ流出する。ポンプ休止15
分後、再びポンプが作動して晶析槽からのろ液を反応槽
へ、また反応槽から流出する反応液を貯留槽へ循環させ
た。反応開始72時間後、反応を停止して、晶析槽から
L−リンゴ酸カルシウムスラリーを抜き出し、L−リン
ゴ酸カルシウムをろ別した後、母液にフマル酸カルシウ
ム0.6モルをけん濁し、該けん濁液を晶析槽に仕込み、
再度同様に反応させた。上記操作を14回繰り返して、
本方法による取得結晶の収率及び固定化生体触媒の寿命
を調べた。
結果は、第2表に示されている通りであり、L−リンゴ
酸カルシウムの収率は約90%で固定化標品の安定性も
通常の液相反応で用いる場合と同様、長期間安定だっ
た。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図はそれぞれ本発明を実施するために用
いる連続循環型反応装置と断続循環型反応装置の実施態
様の概略ブロツク図である。 (図面の符号) (1):反応槽 (2):晶析槽 (3):ろ過器 (4):かく拌棒 (5):ポンプ (6):ろ液循環ライン (7):反応液循環ライン (8):貯留槽 (9):電磁弁 (10):タイマー (11):ポンプ・電磁弁作動制御ライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基質を固定化生体触媒と反応させて有用生
    産物を製造するに際し、ろ過機能を備えた晶析槽の槽内
    温度を同槽における基質の溶解度が反応槽における生産
    物の溶解度より小さくなる様に設定した上で、当該晶析
    槽に溶液状、けん濁状又はスラリー状基質を仕込み、そ
    のろ液を固定化生体触媒充填反応槽に導通し、得られた
    反応液を再び該晶析槽へ循環させることを特徴とする固
    定化生体触媒による反応方法。
  2. 【請求項2】 反応槽と晶析槽との間に貯留槽を設け、晶析槽から反応
    槽への基質送り出し操作時は貯留槽から晶析槽への反応
    液の流出を停止させ、該基質送り出し操作停止時に貯留
    槽から晶析槽へ反応液を流出させることによって基質を
    断続的に循環させることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
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