JPH0673162A - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性エポキシ樹脂組成物

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JPH0673162A
JPH0673162A JP2621893A JP2621893A JPH0673162A JP H0673162 A JPH0673162 A JP H0673162A JP 2621893 A JP2621893 A JP 2621893A JP 2621893 A JP2621893 A JP 2621893A JP H0673162 A JPH0673162 A JP H0673162A
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JP
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epoxy resin
curing accelerator
resin composition
curing
thermosetting epoxy
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JP2621893A
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Yasuharu Ono
康晴 大野
Tomohisa Iinuma
知久 飯沼
Hideki Kato
秀樹 加藤
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Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硬化性と常温での貯蔵安定性の両立を実用レベ
ルで実現するエポキシ樹脂組成物を提供する。 【構成】(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)
硬化促進剤を層状無機化合物の層間に担持させた潜在性
硬化促進剤を含有することを特徴とする熱硬化性エポキ
シ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化性と常温での貯蔵
安定性に優れる熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関し、本
発明の組成物は塗料、接着剤、積層材、成形材及び封止
材等の従来よりエポキシ樹脂が利用される種々の分野で
利用することができるものである。
【0002】
【従来技術】エポキシ樹脂組成物は、一般に主剤である
エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤からなり、硬化剤
と主剤とを別々に保存し、使用時にこれらを混合して使
用するタイプ(2液型という)と、硬化剤と主剤とが配
合済のタイプ(1液型という)がある。これらのタイプ
において、使用時に計量・混合の労力が不要である、配
合ミスが発生しない、材料のロスが少ない等の利点があ
ることから、1液型のエポキシ樹脂組成物が好まれてい
る。1液型のエポキシ樹脂組成物は、保存時間の経過と
共に硬化反応が徐々に進行するため、使用可能な時間に
制限があり、この制限を緩和するために種々の添加剤又
は保存方法が提案されている。エポキシ樹脂組成物の使
用可能な時間を長くするために、貯蔵安定性を高めるこ
とは、一般にエポキシ樹脂組成物の硬化性を低下させる
ことにつながるため、実用的な1液型エポキシ樹脂組成
物を開発するためには、エポキシ樹脂組成物の硬化性と
貯蔵安定性を両立させることが重要となる。現在、硬化
性と貯蔵安定性を両立させるために、1液型のエポキシ
樹脂組成物を低温で輸送するあるいは低温で保管する等
の方法が採用されているが、このような低温での輸送あ
るいは保管は大幅なコストアップになるため、エポキシ
樹脂組成物の硬化性を損なわず、常温での貯蔵安定性を
高めることが強く望まれている。従来より、エポキシ樹
脂組成物の硬化性と貯蔵安定性の両立を図るため、潜在
性硬化促進剤の研究が盛んに行われ、その結果、多くの
潜在性硬化促進剤の提案がなされてきたが、いずれの提
案も硬化性と常温での貯蔵安定性に関する実用レベルの
要求を満たすものではなかった。又、マイクロカプセル
化した硬化促進剤を用いて潜在性を付与する提案も多く
なされているが、熱ロールによる予備混合時において、
カプセルに高い剪断応力がかかるためにカプセルが破壊
されてしまい、潜在性が損なわれてしまう等の欠点があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は不充分であった硬化性と常温での貯蔵安定性の両立を
実用レベルで実現するエポキシ樹脂組成物を提供するこ
とを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、硬化促進剤を層状無
機化合物の層間に担持させたものが潜在性硬化促進剤と
して有効であり、これをエポキシ樹脂組成物中に配合す
ることにより、エポキシ樹脂の硬化性を損なわず常温で
の貯蔵安定性を向上させることができるとの新たな知見
を得、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、
下記成分(a)、(b)及び(c)を含有することを特
徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物である。 (a)エポキシ樹脂 (b)硬化剤 (c)硬化促進剤を層状無機化合物の層間に担持させた
潜在性硬化促進剤 以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】○エポキシ樹脂 本発明におけるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有し、硬化可能であれば特に種類は問わ
ず、好ましい具体例としてフェノール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂、オルソクレゾール・ノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等、及びこれ
らの樹脂の臭素化物等があり、その他ビスフェノールA
型エポキシ樹脂とこの樹脂の100重量部当たりフェノ
ール・ノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾール・ノボ
ラック型エポキシ樹脂の5〜20重量部を混合したもの
がある。
【0006】○硬化剤 本発明における硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤であ
り、従来より知られたものを何れも使用でき、具体的に
はメチルブチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルナ
ジック酸、無水フタル酸、無水メリット酸、無水ヘット
酸、無水トリメリット酸、テトラカルボン酸のピロメリ
ット酸二無水物等の酸無水物;脂肪族アミン、脂環族ア
ミン、ベンジルメチルアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン等のアミ
ン系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、ジシアンジアミ
ド、及びフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラ
ック樹脂等のフェノール系硬化剤等がある。硬化剤の好
ましい配合割合は、特に制限はないが、よく知られてい
るように、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤の活性水
素とが当量近くになるように調整することが望ましい。
例えば、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂100
重量部に対しては、ジシアンジアミド2〜8重量部を配
合すると良い。
【0007】○潜在性硬化促進剤 本発明における潜在性硬化促進剤は、層状無機化合物の
層間にエポキシ樹脂の硬化促進剤を担持させたものであ
る。 ・層状無機化合物 この層状無機化合物は、原子又はイオンからなる層構造
を有する無機化合物であり、層間に存在する化学種が電
荷を持つものか否かにより分子性及びイオン交換性層状
無機化合物に分けられる。分子性層状無機化合物は、層
が電気的に中性であり、電気的に中性の分子を層間に有
する化合物であり、イオン交換性層状無機化合物は、層
が電気的に中性ではないので、層が有する電荷の反対に
帯電したイオンを層間に有し、イオン交換機能を持って
いるものである。本発明では分子性及びイオン交換性の
いずれの層状無機化合物を使用してもかまわない。好ま
しい分子性層状無機化合物としてはグラファイト等があ
る。好ましいイオン交換性層状無機化合物としては、例
えばケイ酸塩であるモンモリロナイト、バーミキュライ
ト、バイデライト、カオリナイト、デイッカイト、ナク
ライト、ハロイサイト、スメクタイト、アロフェン、ヘ
ラクタイト、セピオライト、ベントナイト、パイロフィ
ライト、白雲母、マーガライト、アンチゴライト、クリ
ソタイル、タルク、金雲母、ザンソフィライトなどの粘
土鉱物;カネマイト、マカタイト、アイラーアイト、マ
ガディアイト、ケニヤアイト等の含水ケイ酸ナトリウ
ム;トバモライト等のケイ酸カルシウム;燐酸ジルコニ
ウム、燐酸チタン等の四価金属のリン酸塩;その他チタ
ン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチ
ウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チ
タン酸コバルト、チタン酸ニッケル、チタン酸鉛、チタ
ン酸亜鉛などのチタン酸塩;その他、ウラン酸塩、バナ
ジン酸塩、ニオブ酸塩、タングステン酸塩、モリブデン
酸塩、ハイドロタルサイト類化合物、アルミン酸塩、塩
基性酢酸銅等がある。本発明における層状無機化合物と
して特に好ましいものは、層状無機化合物のイオン交換
反応や異種化学種の層内挿入過程を支配している重要な
因子である層の電荷密度(層間に存在する分子又はイオ
ンの1個当たりが占有する面積)が20A2 以上有りか
つ塩基置換性に優れることから、粘土鉱物、含水ケイ酸
ナトリウム及び燐酸塩である。潜在性硬化促進剤の粒子
径は、エポキシ樹脂組成物の溶融状態での分散性を維持
することが非常に重要であることから、平均粒径5μm
以下のものが好ましく、より好ましくは1μm以下のも
のが良い。
【0008】・硬化促進剤 硬化促進剤は、エポキシ樹脂とは反応性を有しないが、
硬化反応の活性化エネルギーを低下させる作用を持つも
のであり、本発明におけるエポキシ樹脂の硬化促進剤と
して知られている化合物は何れも使用できる。好ましい
具体例には3級アミン類、イミダゾール類及び3級フォ
スフィン類等があり、これらの中で3級アミン類、イミ
ダゾール類が好ましい。具体的化合物としてトリジメチ
ルアミノフェノール、トリジメチルアミノメチルフェノ
ール、オルトジメチルアミノメチルフェノール、トリエ
タノールアミン、ベンジルメチルアミン、ヘキサメチレ
ンテトラミン、トリエチレンジアミン、キノリン、N−
メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザ−ビシ
クロ(2,2,2)オクタン、イミダゾール、ベンゾイ
ミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2
−メチルイミダゾール、トリフェニルフォスフィン等が
ある。
【0009】・担持方法 硬化促進剤を層状無機化合物に担持させる方法には、特
に制限はなく、基本的には硬化促進剤と層状無機化合物
を接触させれば良い。担持方法の一具体例を示せば、以
下の通りである。即ち、層間に担持させたい硬化促進剤
を所定量とり、これが水溶性ならば水中に添加し、これ
が水不溶性又は水難溶性ならば、その硬化促進剤を溶解
することが可能な有機溶媒に添加することにより、硬化
促進剤の溶液を調製する。次に、この溶液に層状無機化
合物を添加し数時間撹拌することにより、層間に硬化促
進剤を担持させた潜在性硬化促進剤を得ることができ
る。なお、硬化促進剤の担持量の制御は、硬化促進剤の
溶液濃度及び硬化促進剤の溶液に添加する層状無機化合
物の量を変えることにより自由に行うことが出来る。
【0010】本発明の組成物における潜在性硬化促進剤
の好ましい配合割合は、硬化剤100重量部(以下単に
部という)当り担持された硬化促進剤が2〜20部、よ
り好ましくは4〜20部、更により好ましくは6〜10
部となる量である。20部より多いとエポキシ樹脂の硬
化特性以外の諸特性例えば電気特性等が悪化する恐れが
あり、また2部より少ないとエポキシ樹脂の硬化が不十
分となる恐れがある。潜在性硬化促進剤の添加により導
入される硬化促進剤及びエポキシ樹脂組成物における硬
化剤の配合量が上記の好ましい条件を満たすように、層
状無機化合物における硬化促進剤の担持量は任意に調整
でき、このことによりエポキシ樹脂の硬化特性を広範囲
にわたり任意に制御することが可能である。
【0011】○その他の成分 本発明のエポキシ樹脂組成物においては、必要に応じて
無機充填物、ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモ
ン等の難燃剤、カーボンブラック等の着色剤、シランカ
ップリング剤等の表面処理剤、カルバナワックス、モン
タンワックス、ステアリン酸等の離型剤、増粘剤、酸化
防止剤及びその他添加剤を配合することができる。無機
充填剤としては、結晶性シリカ粉、石英ガラス粉、熔融
シリカ粉、酸化アルミニウム粉、タルク等が挙げられ、
中でも結晶性シリカ粉、石英ガラス粉及び熔融シリカ粉
が安価で好ましい。無機充填剤の好ましい配合割合は、
エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の合計量100部
当り、150〜450部である。150部未満では熱膨
張率、成形収縮率が大きく、又熱伝導率が低く、一方4
50部を超えると流動性の低下及び金型の摩耗が著しく
なる恐れがある。
【0012】本発明の組成物は、上記各種成分を所定の
組成比で配合し、これをミキサー等によって混合すれば
よく、常温で固体状の場合には、更に熱ロールやニーダ
ー等による溶融混合を行なうことにより容易に得ること
ができる。なお、マイクロカプセルによって硬化促進剤
を包んだ場合には、熱ロール等による混合時に、高い剪
断応力がかかり、低強度な複合体であるマイクロカプセ
ルが破壊されるために潜在硬化性が損なわれるという問
題があったが、本発明の組成物は、其自体充分高い強度
を有する化合物の層間に硬化促進剤が担持された潜在性
硬化促進剤を含有するものであるので、熱ロール等の混
合時に潜在性硬化促進剤が物理的に破壊されて、潜在硬
化性が損なわれるという問題は生じない。
【0013】○用途 本発明の組成物は、塗料、接着剤、注型品、積層板等の
積層材及び成形材等の従来よりエポキシ樹脂が利用され
る種々の分野で有用である。
【0014】本発明の組成物は、常温では硬化性を実質
的に有せず、極めて貯蔵安定性に優れており、その硬化
は加熱により行われる。加熱温度、加熱時間及び加熱装
置等の加熱条件には特に制限はなく、各種用途に応じて
常法に従えば良い。例えば、本発明の組成物を積層板用
として用いる場合、常法に従い、一旦プリプレグを作製
し、次いでこれを適当な形状に成形するために、加圧及
び加熱することにより積層板を得る。プリプレグを作製
する時及びこれを成形して積層板を作製する時の、温度
及び圧力等の条件は、一般的に採用されている範囲内と
すれば良く、具体的には温度100〜250℃、圧力2
0〜70Kg/cm2 の範囲である。本発明の組成物は
上記の通り常温における硬化性が低いという特長を有し
ているが、そればかりでなく、本発明の組成物を用いて
積層板用プリプレグを作製した後、これを室温に貯蔵す
る場合にもプリプレグの硬化性が低いため、このプリプ
レグは次の成形工程迄の間における貯蔵安定性に優れる
という特長も有している。
【0015】
【作用】本発明の組成物が所謂潜在性硬化反応を呈する
理由について詳細には明らかではないが、本発明者らは
以下のように考えている。即ち、硬化促進剤は層状無機
化合物の層間に担持されているために、常温乃至熱硬化
性エポキシ樹脂組成物の調製樹脂の通常の溶融温度にお
いては層間から開放されず、硬化促進剤と硬化剤との接
触は、層状無機化合物の層端面のみに限られ、硬化反応
は実質的に停止されており、一方エポキシ樹脂組成物を
硬化温度に加熱すると、層状無機化合物の層間に担持さ
れていた硬化促進剤が層間から開放され、硬化剤との接
触が可能となるため、硬化反応が進行するものと推定さ
れる。
【0016】
【実施例】
(参考例1〜2)潜在性硬化促進剤の調製 硬化促進剤であるトリジメチルアミノメチルフェノール
(DMP−30)17.6gを400mlの純水に溶解
させた後、この溶液を100〜80ml秤取し、この溶
液に純水を0〜20ml添加した溶液を調製した。この
ときの純水の添加量を下記表1に示した。
【0017】
【表1】 表1に示した各溶液中にリン酸ジルコニウム〔Zr(H
PO4 2 ・H2 O〕10.0gを添加し、40℃で1
5時間振とう攪拌した後、窒素加圧濾過を行い、残渣を
110℃で15時間乾燥させ、潜在性硬化促進剤No.
1〜2を得た。
【0018】(参考例3〜5)硬化促進剤である1,8
−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン(D
BU)の15.2gを400mlの純水に溶解させた
後、この溶液の100ml中にリン酸ジルコニウム、リ
ン酸チタン〔Ti(HPO4 2 ・H2 O〕又はリン酸
スズ〔Sn(HPO4 2 ・H2 O〕をそれぞれ10g
添加し、40℃で15時間振とう攪拌した後、窒素加圧
濾過を行い、残渣を110℃で15時間乾燥させ、潜在
性硬化促進剤No.3〜5を得た。
【0019】
【表2】
【0020】(実施例1〜5)潜在性硬化促進剤No.
1〜5の各々について、これを下記表3の組成物に3部
添加し、これらを混合器を用いて均一に混合後、100
℃、3分間熱ロールで混練りし、粉砕機で粉末状した5
種類の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。潜在性硬化
促進剤No.1を配合した熱硬化性エポキシ樹脂組成物
を実施例1、同No.2を配合した熱硬化性エポキシ樹
脂組成物を実施例2とし、以下順次同様にして、同N
o.5を配合した熱硬化性エポキシ樹脂組成物を実施例
5とする。
【0021】
【表3】
【0022】(比較例1〜2)硬化剤であるフェノール
ノボラック樹脂130部にDMP−30を13.2g又
はDBUを11.4gそれぞれ添加し溶融混合後、各1
0wt%を硬化剤成分として上記表3の組成物に、フェ
ノールノボラック樹脂の代わりに混合し、同様な方法に
従って粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。な
お、DMP−30を配合した熱硬化性エポキシ樹脂組成
物は比較例1であり、DBUを配合した熱硬化性エポキ
シ樹脂組成物は比較例2である。
【0023】○エポキシ樹脂組成物の硬化性と貯蔵安定
性の評価方法 ・硬化性の評価 実施例1〜5及び比較例1〜2で調製した粉末状の熱硬
化性エポキシ樹脂組成物について、キュラストメーター
を用いて硬化性を評価した。その測定条件は、以下のよ
うである。 温度: 175℃ 硬化開始時間:加熱開始時からトルクが上昇し始める迄
の時間 硬化度 :硬化開始から5分後のトルク幅
【0024】・貯蔵安定性の評価 実施例1〜5及び比較例1〜2で調製した粉末状の熱硬
化性エポキシ樹脂組成物について、40℃に保管した時
にスパイラルフローが初期に比べて10%低下する迄の
日数で評価した。硬化性及び貯蔵安定性の評価結果を下
記表4に示した。なお、下記表4における貯蔵安定性及
び評価の項は以下の基準で表示した。 (貯蔵安定性の表示) A:30日以上 B:4日以下 (評価の表示) ◎:総合評価として特に優れている。 ○:総合評価として優れている。 ×:貯蔵安定性が劣る。
【0025】
【表4】
【0026】表4の結果からわかるように、本発明の組
成物は、硬化促進剤をエポキシ樹脂組成物中に直接配合
した場合と比較すると、同程度の硬化性を有すると同時
に、貯蔵安定性が格段に優れている。
【0027】(参考例6〜15)潜在性硬化促進剤の調
製 硬化促進剤であるイミダゾール6.8g、ベンゾイミダ
ゾール11.8g、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル11.0g、トリジメチルアミノフェノール17.6
g、又は1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン15.2gを、それぞれ500mlの純粋に溶解さ
せ、溶液を調製した。これらの各溶液中にリン酸ジルコ
ニウム[Zr(HPO4 2 ・H2 O]10.0を添加
し、40℃で15時間振とう攪拌した後、吸引濾過を行
い、残渣を90℃で24時間乾燥させ、潜在性硬化促進
剤No.6〜10を得た。同様に、前記の各溶液中に、
リン酸ジルコニウムの代わりに、酸処理によってH型に
置換したマガディアイト [H2 Si1429・3H
2 O]10.0gを添加し、40℃で15時間振とう攪
拌した後、吸引濾過を行い、残渣を90℃で24時間乾
燥させ、潜在性硬化促進剤No.11〜15を得た。
【0028】
【表5】
【0029】(実施例6〜15)潜在性硬化促進剤N
o.6〜15のそれぞれについて、これを下記表6の組
成物に1.5部添加し、これらを混合器を用いて均一に
混合後、10種類の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得
た。なお、潜在性硬化促進剤No.6を配合した熱硬化
性エポキシ樹脂組成物を実施例6、同No.7を配合し
た熱硬化性エポキシ樹脂組成物を実施例7とし、以下順
次同様にして、No.15を配合した熱硬化性エポキシ
樹脂組成物を実施例15とする。
【0030】
【表6】
【0031】(比較例3〜7)硬化剤であるジシアンジ
アミド50部に、イミダゾールを1.4g、ベンゾイミ
ダゾールを2.4g、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ールを2.2g、トリジメチルアミノフェノールを3.
6g、又は1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウン
デセンを5.1g、それぞれ別々の組成物として添加し
溶融混合後、各10wt%を硬化剤成分として上記表6
の組成物に、ジシアンジアミドの代わりに混合し、同様
な方法に従って粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を
得た。なお、硬化促進剤の種類と比較例No.との対応
は下記表7の通りである。
【0032】
【表7】
【0033】・プリプレグの調製 実施例1〜5及び比較例1〜5で調製した熱硬化性エポ
キシ樹脂組成物からなるワニスを、厚さ0.21mmの
ガラスクロス(旭シュエーベル社製,7628)に、樹
脂量が45重量%になるように含浸し、ドラフト中で風
乾20分、140℃オーブン中で10分間乾燥してプリ
プレグを得た。
【0034】・積層板の成形 調製したプリプレグをそれぞれ8枚重ね、上下面に厚さ
0.035mmの銅箔を配設した積層体を金属プレート
に挟み、成形圧力50Kg/cm2 、175℃の温度で
120分間加熱加圧成形し、厚さ1.6mmの両面銅張
積層板を得た。
【0035】・積層板の評価 成形した積層板について耐熱性、曲げ強度、銅箔剥離強
度等の特性を評価した。その結果、実施例6〜15及び
比較例3〜7で得た熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用い
て作製した積層板は、いずれも下記の特性を有してお
り、充分に実用性の高いものであった。 耐熱性:250℃、30分ふくれ無し はんだ耐熱性(260℃):100秒以上 曲げ強さ:30kgf/mm2 以上 銅箔剥離強度:1.2kgf/cm以上
【0036】・熱硬化性エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定
性の評価 実施例6〜15及び比較例3〜7で調製した熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物について、40℃に保管した時にスパ
イラルフローが初期に比べて10%低下するまでの日数
で評価した。その結果、実施例6〜15で調製した熱硬
化性エポキシ樹脂組成物においては、いずれも30日以
上であったのに対して、比較例3〜7で調製した熱硬化
性エポキシ樹脂組成物においては、4日以下であった。
【0037】・プリプレグの貯蔵安定性の評価 実施例6〜15及び比較例3〜7で調製した熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物のプリプレグについて、40℃で2週
間保管した時の成形性で評価した。その結果、実施例6
〜15で調製した熱硬化性エポキシ樹脂組成物によるプ
リプレグを上記のように保管した後、これを用いた場合
においては、複数のプリプレグは互いに密着して積層さ
れ、いずれも成形性は良好であったのに対して、比較例
3〜7で調製した熱硬化性エポキシ樹脂組成物によるプ
リプレグを上記のように保管した後、これを用いた場合
においては、プリプレグの密着性が悪く、成形が困難で
あり、積層板の表面に凹凸が生じた。
【0038】
【発明の効果】本発明の組成物は、潜在性硬化促進剤を
含有するため、常温における貯蔵安定性と硬化性の両特
性において実用レベルの要求に充分応え得る優れた熱硬
化性エポキシ樹脂組成物であり、塗料、接着剤、積層板
等の積層材、成形材及び封止材等の従来よりエポキシ樹
脂が利用される種々の分野で有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(a)、(b)及び(c)を含有
    することを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物。 (a)エポキシ樹脂 (b)硬化剤 (c)硬化促進剤を層状無機化合物の層間に担持させた
    潜在性硬化促進剤
JP2621893A 1992-07-06 1993-01-20 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 Pending JPH0673162A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1115005A (ja) * 1997-06-27 1999-01-22 Hitachi Ltd 液晶表示素子とその製造方法
JP2020183473A (ja) * 2019-05-08 2020-11-12 学校法人常翔学園 潜在性硬化触媒及びそれを含む樹脂組成物

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