JP3374453B2 - 熱硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性エポキシ樹脂組成物

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、硬化性と常温での貯蔵
安定性に優れる熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関し、本
発明の組成物は塗料、接着剤、積層材(板)、成型材及
び封止材等の従来よりエポキシ樹脂が利用される種々の
分野で利用することができるものである。 【0002】 【従来技術】エポキシ樹脂組成物は、一般に主材である
エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤からなり、硬化剤
と主剤とを別々に保存し、使用時にこれらを混合して使
用するタイプ(2液型という)と、硬化剤と主剤とが配
合済みのタイプ(1液型という)がある。これらのタイ
プにおいて、使用時に計量・配合の労力が不用である、
配合ミスが発生しない、材料のロスが少ない等の利点が
あることから、1液型のエポキシ樹脂組成物が好まれて
いる。1液型のエポキシ樹脂組成物は、保存時間の経過
と共に、硬化反応が徐々に進行するため、使用可能な時
間に制限があり、この制限を緩和するために、種々の添
加剤又は保存方法が提案されている。エポキシ樹脂組成
物の使用可能な時間を長くするために、貯蔵安定性を高
めることは、一般にエポキシ樹脂組成物の硬化性を低下
させることにつながるため、実用的な1液型エポキシ樹
脂組成物を開発するためには、エポキシ樹脂組成物の、
硬化性と貯蔵安定性を両立させることが重要となる。現
在、硬化性と貯蔵安定性を両立させるために、1液型の
エポキシ樹脂組成物を低温で輸送する或いは低温で保管
する等の方法が採用されているが、このような低温での
輸送或いは保管は大幅なコストアップになるため、エポ
キシ樹脂組成物の硬化性を損なわず、常温での貯蔵安定
性を高めることが強く望まれている。従来より、エポキ
シ樹脂組成物の硬化性と貯蔵安定性の両立を図るため、
潜在性硬化促進剤の研究が盛んに行われ、その結果、多
くの潜在性硬化促進剤が提案されてきたが、いずれの提
案も硬化性と常温での貯蔵安定性に関する実用レベルの
要求を満たすものではなかった。また、マイクロカプセ
ル化した硬化促進剤を用いて潜在性を付与する提案も多
くなされているが、熱ロールによる予備混合時におい
て、カプセルに高い剪断応力がかかるためにカプセルが
破壊されてしまい、潜在性が損なわれてしまう等の欠点
があった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は不十分であった硬化性と貯蔵安定性の両立を実用レベ
ルで実現する熱硬化性エポキシ樹脂組成物を提供するこ
とを課題とするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、硬化促進剤及び金属
イオンをイオン交換性層状無機化合物の層間に担持させ
たものが潜在性硬化促進剤として有効であり、これをエ
ポキシ樹脂組成物中に配合することにより、エポキシ樹
脂の硬化性を損なわず貯蔵安定性を向上させることがで
きるとの新たな知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記成分(a)、(b)及び(c)を
含有することを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物
である。 (a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂 (b)硬化剤 (c)硬化促進剤及び金属イオンをイオン交換性層状無
機化合物の層間に担持させた潜在性硬化促進剤 以下、本発明を詳細に説明する。 【0005】○エポキシ樹脂 本発明におけるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有し、硬化可能であれば特に種類は問わな
い。好ましい具体例として、フェノール・ノボラック型
エポキシ樹脂、オルソクレゾール・ノボラック型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂等、及びこれらの樹脂の臭素化物等があり、そ
の他これらの混合物等がある。 【0006】○硬化剤 本発明における硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤であ
り、従来より知られているものを何れも使用できる。例
えば、メチルブチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチ
ルナジック酸、無水フタル酸、無水メリット酸、無水ヘ
ット酸、無水トリメリット酸、テトラカルボン酸のピロ
メリット酸二無水物等の酸無水物;脂肪族アミン、脂環
族アミン、ベンジルメチルアミン、ジアミノジフェニル
メタン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン等の
アミン系硬化剤メルカプタン系硬化剤、ジシアンジアミ
ド、及びフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラ
ック樹脂等のフェノール系硬化剤等がある。硬化剤の好
ましい配合割合は、特に制限はないが、よく知られてい
るように、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤の活性水
素とが当量近くになるように調製することが望ましい。
例えば臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重
量部(以下単に部と略称する)に対しては、フェノール
ノボラック樹脂10〜70部を配合するとよい。 【0007】○潜在性硬化促進剤 本発明における潜在性硬化促進剤は、イオン交換性層状
無機化合物の層間にエポキシ樹脂の硬化促進剤及び金属
イオンを担持させたものである。 ・イオン交換性層状無機化合物 イオン交換性層状無機化合物は、層が電気的に中性では
ないので、層が有する電荷の反対に帯電したイオンを層
間に有し、イオン交換機能を持っているものである。好
ましいイオン交換性層状無機化合物としては、例えばケ
イ酸塩であるモンモリロナイト、バーミキュライト、バ
イデライト、カオリナイト、デイッカイト、ナクライ
ト、ハロイサイト、スメクタイト、アロフェン、ヘラク
タイト、セピオライト、ベントナイト、パイロフィライ
ト、白雲母、マーガライト、アンチゴライト、クリソタ
イル、タルク、金雲母、ザンソフィライトなどの粘土鉱
物;カネマイト、マカタイト、アイラーアイト、マガデ
ィアイト、ケニヤアイト等の含水ケイ酸ナトリウム;ト
バモライト等のケイ酸カルシウム;燐酸ジルコニウム、
燐酸チタン等の四価金属の燐酸塩;その他チタン酸カリ
ウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チ
タン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸コ
バルト、チタン酸ニッケル、チタン酸鉛、チタン酸亜鉛
等のチタン酸塩;その他、ウラン酸塩、バナジン酸塩、
ニオブ酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、ハイ
ドロタルサイト類化合物、アルミン酸塩、塩基性酢酸銅
等がある。本発明におけるイオン交換性層状無機化合物
として好ましいものは、層間の交換可能なイオンがH型
のものであり、特に好ましいものは、燐酸ジルコニウ
ム、燐酸チタン、燐酸スズ等の四価金属の燐酸塩であ
る。潜在性硬化促進剤の粒子径は、エポキシ樹脂組成物
の溶融状態での分散性を維持することが非常に重要であ
り、平均粒径が5μm以下のものが好ましく、より好ま
しくは1μm以下のものが良い。 【0008】・硬化促進剤 硬化促進剤は、エポキシ樹脂とは反応性を有しないが硬
化反応の活性化エネルギーを低下させる作用をもつもの
であり、本発明におけるエポキシ樹脂の硬化促進剤とし
て知られている化合物はいずれも使用できる。好ましい
具体例には、イミダゾール類、3級アミン類及び3級フ
ォスフィン類等があり、これらの中でイミダゾール類、
3級アミン類が好ましい。具体的化合物としてイミダゾ
ール、ベンゾイミダゾール、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、2−メチルイミダゾール、トリジメチルア
ミノフェノール、トリジメチルアミノメチルフェノー
ル、トリエタノールアミン、ベンジルメチルアミン、ヘ
キサメチレンテトラミン、トリエチレンジアミン、キノ
リン、N−メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ジメ
チルシクロヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジ
アザ−ビシクロ(2,2,2)オクタン及びトリフェニ
ルフォスフィン等がある。 【0009】・金属イオン 金属イオンは、イオン交換性層状無機化合物から硬化促
進剤を放出することを促進するものであって、イオン交
換性層状無機化合物の層間に担持し得るものならいずれ
も使用できる。金属イオンの好ましい具体例には、ナト
リウム、リチウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシ
ウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属がある。金属
イオンの好ましい担時量は、金属イオンの種類により多
少変動するが、硬化促進剤の放出速度が最も速くなる量
が好ましく、イオン交換性層状無機化合物の金属イオン
の飽和イオン交換容量を基準として5〜60%程度とす
るのが好ましい。例えば、全イオン交換容量が6.7m
eq/gである燐酸ジルコニウムに対して、ナトリウム
イオンの場合には、0.3〜4meq/gの担持が好ま
しい。 【0010】・担持方法 硬化促進剤及び金属イオンをイオン交換性層状無機化合
物の層間に担持させる方法には、特に制限はなく、硬化
促進剤及び金属イオンを、イオン交換が可能な環境下で
イオン交換性層状無機化合物と接触させれば、イオン交
換性層状無機化合物のイオン交換能により、硬化促進剤
及び金属イオンをイオン交換性層状無機化合物の層間に
容易に担持させることができる。具体的な方法として例
えば以下の方法がある。即ち、層間に担持させたい硬化
促進剤及び金属イオンを有する化合物を所定量秤取し、
これが水溶性ならば水中または温水中に添加し、これが
水不溶性または水難溶性ならば、その硬化促進剤及び金
属イオンを有する化合物を溶解することが可能な有機溶
媒に添加することにより、硬化促進剤及び金属イオンを
含有する溶液を調製する。次に、この溶液にイオン交換
性層状無機化合物を添加し、数時間攪拌することによ
り、層間に硬化促進剤及び金属イオンを担持させた潜在
性硬化促進剤を得ることができる。また、硬化促進剤及
び金属イオンを担持させる順序として、先ず金属イオン
を所定量担持させた後に硬化促進剤を所定量担持させる
方法、硬化促進剤及び金属イオンを所定量同時に担持さ
せる方法、硬化促進剤を所定量担持させた後に金属イオ
ンを所定量担持させる方法等がある。なお、硬化促進剤
及び金属イオンの担持量の制御は、硬化促進剤及び金属
イオンの溶液濃度、並びに硬化促進剤及び金属イオンの
溶液に添加するイオン交換性層状無機化合物の量を変え
ることにより自由に行うことができる。 【0011】 ・潜在性硬化促進剤のエポキシ樹脂組成物への配合 潜在性硬化促進剤のエポキシ樹脂組成物への好ましい配
合量は、エポキシ樹脂の種類及びその量と、硬化剤の種
類及びその量により左右されるが、イオン交換性層状無
記化合物の層間に担持させた硬化促進剤の担持量が、エ
ポキシ樹脂組成物中へ直接添加する量と同等の量であれ
ば良い。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂10
0部及びフェノールノボラック樹脂60部からなる組成
物に直接硬化促進剤を添加する場合には、硬化促進剤の
添加量は従来0.1〜1.0部の範囲であるが、本発明
ではこれと同等量の硬化促進剤を有する潜在性硬化促進
剤を配合することができる。 【0012】○その他の成分 本発明のエポキシ樹脂組成物においては、必要に応じて
無機充填物、ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモ
ン等の難燃剤、カーボンブラック等の着色剤、シランカ
ップリング剤等の表面処理剤、カルバナワックス、モン
タンワックス、ステアリン酸等の離型剤、増粘剤、酸化
防止剤及びその他の添加剤を配合することができる。 【0013】本発明の組成物は、上記各種成分を所定の
組成比で配合し、これをミキサー等によって混合すれば
よく、常温で固体状の場合には、更に熱ロールやニーダ
等による溶融混合を行ったり、エポキシ樹脂及び硬化剤
を溶解し得る有機溶剤を配合して均一に混合することに
より容易に得ることができる。有機溶剤の具体例として
は、アセトン、メチルエチルケトン及びジメチルホルム
アミド等があり、これらの配合量は、従来より採用され
ている常法に従えばよい。なお、マイクロカプセルによ
って硬化促進剤を包んだ場合には、熱ロール等による混
合時に、高い剪断応力がかかり、低強度な複合体である
マイクロカプセルが破壊されるために潜在硬化性が損な
われるという問題があったが、本発明の組成物は、其れ
自体充分高い強度を有する化合物の層間に硬化促進剤が
担持された潜在性硬化促進剤を含有するものであるの
で、熱ロール等による混合時に潜在性硬化促進剤が物理
的に破壊されて、潜在硬化性が損なわれるという問題は
生じない。 【0014】○用途 本発明の組成物は、塗料、接着剤、注型品、積層板等の
積層材及び成形材等の従来よりエポキシ樹脂が利用され
る種々の分野で有用である。 【0015】本発明の組成物は、常温では硬化性を実質
的に有せず、極めて貯蔵安定性に優れており、その硬化
は加熱により行われる。加熱温度、加熱時間及び加熱装
置等の加熱条件には特に制限はなく、各種用途に応じて
常法に従えば良い。 【0016】○作用 本発明の組成物が諸謂潜在性硬化反応を呈する理由につ
いては詳細には明かではないが、本発明者らは以下のよ
うに考えている。即ち、硬化促進剤はイオン交換性層状
無機化合物の層間に担持されているために、熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物を調製するために通常採用される溶融
温度以下においては、硬化促進剤は層間から解放され
ず、硬化促進剤と硬化剤との接触は、層状無機化合物の
層端面のみに限られ、硬化反応は実質的に停止されてお
り、一方エポキシ樹脂組成物を硬化温度に加熱すると、
層状無機化合物の層間に担持されていた硬化促進剤が層
間から解放され、硬化剤との接触が可能となるため、硬
化反応が進行するものと推定される。また、硬化促進剤
と金属イオンをイオン交換性層状無機化合物の層間に共
存させると、金属イオンが共存することによってイオン
交換性層状無機化合物の層内の電荷が変化し、硬化促進
剤を担持する力が減少し、担持させた硬化促進剤をエポ
キシ樹脂組成物中に放出させ易くなるため、硬化性が向
上するものと推定される。 【0017】 【実施例】 参考例1〜4(潜在性硬化促進剤の調製) 1.0g又は3.0gの水酸化ナトリウムを、それぞれ
500mlの純水に溶解して、ナトリウムイオン濃度が
異なる二種類の水溶液を調製した。これらの水溶液中
に、リン酸ジルコニウム[Zr(HPO4 2 ・H
2 O]25.0gを添加し、40℃で15時間振とう攪
拌した後、吸引濾過を行い、残渣を90℃で24時間乾
燥させることにより、層間にナトリウムイオンを担持さ
せた二種のイオン交換性層状無機化合物を得た。硬化促
進剤であるイミダゾール又は2−メチルイミダゾールを
用いて、前者の3.4g又は後者の4.1gを、それぞ
れ300mlの純水に溶解して、二種の水溶液を調製し
た。これらの溶液の各々に、上記のようにしてナトリウ
ムイオンを担持させた二種のイオン交換性層状無機化合
物を各々単独で5.0g添加し、40℃で15時間振と
う攪拌した後、吸引濾過を行い、残渣を90℃で24時
間乾燥させることにより、四種の潜在性硬化促進剤を得
た。このようにして得た潜在性硬化促進剤の調製条件を
下記表1に示した。なお、以下において引用する潜在性
硬化促進剤のNo.は、各々を調製した参考例のNo.
と同じである。 【0018】 【表1】 注)担持量の単位:meq/g (括弧内の数は潜在性硬化促
進剤に対する重量百分率を示す。) 【0019】比較参考例1及び2 3.4gのイミダゾール及び4.1gの2−メチルイミ
ダゾールを、各々別々に300mlの純水に溶解して、
二種の水溶液を調製した。これらの水溶液中にリン酸ジ
ルコニウム[Zr(HPO4 2 ・H2 O]を5.0g
添加し、40℃で15時間振とう攪拌した後、吸引濾過
を行い、残渣を90℃で24時間乾燥させることによ
り、金属イオンを担持させず、硬化促進剤のみを担持さ
せた潜在性硬化促進剤を得た。このようにして得た潜在
性硬化促進剤の調製条件を下記表2に示した。 【0020】 【表2】注)担持量の単位:meq/g (括弧内の数は潜在性硬化促
進剤に対する重量百分率を示す。) 【0021】なお、このようにして得た潜在性硬化促進
剤を引用するNo.は、以下のように比較参考例のN
o.と対応させたものである。 【0022】実施例1〜4 No.1〜4の潜在性硬化促進剤のそれぞれについて、
これを下記表3に示した組成物に3.3部添加し、これ
らを混合器を用いて均一に混合後、30℃、2時間エバ
ポレーターで脱溶媒し、4種類の熱硬化性エポキシ樹脂
組成物を得た。No.1の潜在性硬化促進剤を配合した
熱硬化性エポキシ樹脂組成物を実施例1、同No.2の
潜在性硬化促進剤を配合した熱硬化性エポキシ樹脂組成
物を実施例2とし、以下順次同様にして、No.4の潜
在性硬化促進剤を配合した熱硬化性エポキシ樹脂組成物
を実施例4とする。 【0023】 【表3】 *1:油化シェル社製商品名 828 *2:日本化薬株式会社製商品名 PN−100 【0024】比較例1 実施例1において、3.3部の潜在性硬化促進剤No.
1を配合する代わりに0.46部(潜在性硬化促進剤N
o.1に担持させた硬化促進剤と同等量)のイミダゾー
ルを、上記表3の組成物に添加し、同様な方法に従って
高粘度液体状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。 【0025】比較例2 実施例1において、金属イオンと硬化促進剤を担持させ
た潜在性硬化促進剤No.1を配合する代わりに、硬化
促進剤のみを担持させた潜在性硬化促進剤No.5を、
上記表3の組成物に添加し、同様な方法に従って高粘度
液体状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。 【0026】比較例3 実施例3において、3.3部の潜在性硬化促進剤No.
3を配合する代わりに0.66部(潜在性硬化促進剤N
o.3に担持させた硬化促進剤と同等量)の2−メチル
イミダゾールを、上記表3の組成物に添加し、同様な方
法に従って高粘度液体状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物
を得た。 【0027】比較例4 実施例3において、金属イオンと硬化促進剤を担持させ
た潜在性硬化促進剤No.3を配合する代わりに、硬化
促進剤のみを担持させた潜在性硬化促進剤No.6を、
上記表3の組成物に添加し、同様な方法に従って高粘度
液体状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。 【0028】 ○エポキシ樹脂組成物の硬化性と貯蔵安定性の評価方法 ・硬化性の評価 実施例1〜4及び比較例1〜4で調製した高粘度液体状
の熱硬化性エポキシ樹脂組成物について、ゲル化試験器
を用いて硬化性を評価した。その評価条件は、以下のよ
うである。 温度:170℃ ゲルタイム:加熱開始からゲル化するまでの時間(単
位:分) 【0029】・貯蔵安定性の評価 実施例1〜4及び、比較例1〜4で調製した高粘度液体
状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物について、40℃で保
管したときに、ゲルタイムが50%になるまでの日数で
評価した。 【0030】硬化性及び貯蔵安定性の評価結果を下記表
4に示した。なお、下記表4における貯蔵安定性及び、
評価の項は以下の基準で示した。 (貯蔵安定性の表示) A:10日以上 B:4日以下 (総合評価の表示) ◎:総合評価として特に優れている ○:総合評価として優れている ×:貯蔵安定性または硬化性が劣る 【0031】 【表4】 【0032】表4の実施例1、2と比較例1及び実施例
3、4と比較例3の結果を比較するとわかるように、エ
ポキシ樹脂組成物中に硬化促進剤を含有させるに際し
て、硬化促進剤を直接配合した場合と比較すると、硬化
促進剤をイオン交換性層状無機化合物に担持させた潜在
性硬化促進剤を配合すると、エポキシ樹脂組成物は実用
的な硬化性を有すると同時に、貯蔵安定性が格段に優れ
ている。また、表4の実施例1、2と比較例2及び実施
例3、4と比較例4の結果を比較するとわかるように、
潜在性硬化促進剤に硬化促進剤のみを担持させた場合に
比較して、更に金属イオンを担持させた場合には、エポ
キシ樹脂組成物は優れた貯蔵安定性を有すると同時に、
硬化性が更に高められる。 【0033】 【発明の効果】本発明の組成物は、常温における貯蔵安
定性と硬化性の両特性において実用レベルの要求に充分
応え得る優れた熱硬化性エポキシ樹脂組成物であり、塗
料、接着剤、積層板等の積層材、成形材及び封止材等の
従来よりエポキシ樹脂が利用される種々の分野で有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−73162(JP,A) 特開 平5−121465(JP,A) 特開 平5−140419(JP,A) 特開 昭58−176237(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/18 - 59/72

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】下記成分(a)、(b)及び(c)を含有
    することを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物。 (a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキ
    シ樹脂 (b)硬化剤 (c)硬化促進剤及び金属イオンをイオン交換性層状無
    機化合物の層間に担持させた潜在性硬化促進剤
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