JPH05331264A - 球状のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤及びその製造方法 - Google Patents

球状のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤及びその製造方法

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JPH05331264A
JPH05331264A JP4333070A JP33307092A JPH05331264A JP H05331264 A JPH05331264 A JP H05331264A JP 4333070 A JP4333070 A JP 4333070A JP 33307092 A JP33307092 A JP 33307092A JP H05331264 A JPH05331264 A JP H05331264A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 製造コストが安く、室温での貯蔵安定性及び
硬化性能に優れたエポキシ樹脂用潜在性硬化剤又は高温
硬化型硬化剤用の潜在性硬化促進剤球状粒子。 【構成】 潜在性エポキシ樹脂用硬化剤は、分散安定剤
の存在下において、有機溶媒中でアミン化合物とエポキ
シ化合物とを付加反応させて球状付加体粒子を形成させ
るに際して、更に過剰の多官能性エポキシ化合物の存在
下に行うことにより、又は反応終了後に多官能性イソシ
アネート化合物で処理することにより、あるいは過剰の
多官能性エポキシ化合物の存在下で反応を行いかつ反応
終了後に多官能性イソシアネート化合物で処理すること
により製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(産業上の利用分野)本発明は、エポキシ
樹脂用潜在性硬化剤球状粒子に関するものである。更に
詳しくは、本発明は、製造コストが安く、室温での貯蔵
安定性及び硬化性能に優れたエポキシ樹脂用潜在性硬化
剤又は高温硬化型硬化剤用の潜在性硬化促進剤球状粒子
に関するものである。
【0002】(従来の技術)エポキシ樹脂硬化物は、接
着性、機械的性質、熱的性質及び電気的性質に優れてい
ることから、塗料、接着剤、電気・電子用絶縁材料とし
て幅広く工業的に利用されている。これらの用途に用い
られるエポキシ樹脂配合物は、大きく1成分系と2成分
系とに分けられる。
【0003】もっとも一般的に使用されているエポキシ
樹脂配合物は2成分系のものである。2成分系配合物
は、エポキシ樹脂配合物と硬化剤又はその配合物とから
なり、それらは別々に保管されて、必要に応じて両者を
計量・混合して使用に供されるため、以下のような欠点
が指摘されている。(1) 計量ミスを避けて常に均質な硬
化組成物とすることは困難である。(2) 混合と脱泡の不
完全さに起因する性能のばらつきが発生しやすい。(3)
エポキシ樹脂と硬化剤との反応は混合と同時に始まり、
系の粘度は次第に上昇してゲル化を経て硬化に至る。配
合物の粘度は経時的に変化するため、自動化への適用は
不可能になる。(4) 配合物の可使時間はエポキシ樹脂と
硬化剤の化学構造及び配合によって定まる。一般に硬化
速度の速い系ほど可使時間は短くなる。硬化速度に主眼
をおけば室温あるいは低温硬化配合も可能であるが、必
然的に可使時間が短くなり、少量を頻繁に配合する必要
が生ずるなど作業効率の大幅な低下は免れ難い。
【0004】これに対して1成分系では、エポキシ樹脂
に予め硬化剤が配合されているので2成分系に付随する
問題は全て解消される。しかしながら、室温で貯蔵安定
性のよい1成分系エポキシ樹脂配合物を調製するために
は、硬化剤として潜在性硬化剤が必要である。この目的
に供される潜在性硬化剤としてこれまでいくつか提案さ
れている。もっとも単純な潜在性硬化剤としては、室温
では固体でエポキシ樹脂に溶解しないが、融点近傍まで
加熱すると溶解して急激に反応を開始する分散型潜在性
硬化剤、例えば、ジシアンジアミド、フェノールノボラ
ック、アジピン酸ジヒドラジド、ジアリルメラミン、ジ
アミノマレオニトリル、三フッ化ホウ素−アミン錯体、
アミン塩、イミダゾール誘導体などがある。これらは室
温における貯蔵安定性に優れているが、そのほとんどは
高温硬化型で、160℃以上の高温・長時間硬化を必要
とする欠点がある。また、これと類似して、酸無水物硬
化剤、例えば、室温で液状のメチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸も高温硬化型硬化剤の一種であり、その硬化反応
機構を反映して、水酸基濃度の低い液状エポキシ樹脂と
の配合物は室温では比較的安定であるが、逆に反応速度
が極端に遅く、160℃程度に加熱しても反応はほとん
ど進行しない欠点がある。
【0005】これら高温硬化型硬化剤を使用する場合、
通常、硬化温度を下げる目的で、トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノールを代表とする第3アミン類、2−
エチル−4−メチルイミダゾールを代表とするイミダゾ
ール化合物などの硬化促進剤を併用することが知られて
いる。しかし、硬化促進剤を添加すると硬化温度は12
0〜150℃に低下させることが可能であるが、その反
面、貯蔵安定性が著しく損なわれ、高温硬化型硬化剤の
潜在性の利点が発揮できなくなる。
【0006】他の潜在性硬化剤としては、例えば熱分解
により活性化されるアミンイミド化合物、水分との接触
により活性化されるケチミン化合物、光照射により活性
化される芳香族ジアゾニウム塩化合物、ジアリルヨード
ニウム塩化合物、トリアリルスルホニウム塩又はセレニ
ウム塩化合物、機械的圧力又は熱で破壊される材料でマ
イクロカプセル化された硬化剤などが挙げられる。中で
も最も研究が進んでいるのは、アミン化合物/エポキシ
化合物付加体固体粒子を液状エポキシ樹脂の共存下で多
官能性イソシアネート化合物で処理してその潜在性を大
幅に改良した硬化剤であり、特開昭64−70523号
公報及び特開平1−113480号公報においてこれら
の技術が開示されている。この場合、硬化剤粒子の表面
にカプセル化膜が形成されると推定されている。
【0007】アミン化合物/エポキシ化合物付加体は、
アミン化合物とエポキシ化合物を反応させて得られたも
ので、アミン化合物硬化剤の欠点、例えば取扱い上問題
となる揮発性、並びに硬化性に大きな影響を及ぼす吸湿
性やエポキシ樹脂との相溶性などが大幅に改良されるば
かりでなく、融点の制御も可能になる。性能面からは、
金属腐食の恐れのない3級アミン付加体のようなアニオ
ン重合触媒型硬化剤が好まれる。実用上特にこの目的に
適するのがイミダゾール化合物/エポキシ樹脂付加体で
あり、特開昭58−13623号公報及び特開昭61−
268721号公報に開示されている。
【0008】これら従来の方法によると、アミン化合物
/エポキシ化合物付加体は、有機溶媒中でアミン化合物
とエポキシ樹脂とを反応させた後、系から溶媒を除去し
て一先ず塊状として得られる。次いでこれを粉砕・分級
して目的とするサイズの硬化剤粒子が取り出される。こ
の場合、付加体硬化剤粒子のサイズが重要であり、それ
が小さくなるほど硬化速度は速くなるが貯蔵安定性が悪
くなる。逆に、粒子サイズが大きくなると貯蔵安定性は
改良されるが低温硬化性が損なわれる傾向にあり、硬化
性と貯蔵安定性の両面で十分に満足できる硬化剤が得ら
れ難い。また、粉砕には限度があり、ストークス径3μ
m以下の微細な粒子を製造することは工業的に極めて困
難である。更に、溶媒の除去や生成物の微粉砕・分級な
どに多大なエネルギーがかかり、製造工程は長くて繁雑
なために製造コストが非常に高くつくばかりでなく、粉
砕による粒子化の限界とその破砕状の形態に起因する様
々な欠点、例えばかさ高で包装及び輸送に不都合であっ
たり、エポキシ樹脂硬化組成物の粘度に対する寄与が大
きいなどが指摘される。
【0009】更に、硬化速度が速いと思われる平均粒子
径の小さい粉砕・分級した付加体粒子に潜在性を付与す
るために、従来、これを液状エポキシ樹脂中に分散して
加熱状態で多官能性イソシアネート化合物を添加して反
応させることによって、目的とする硬化剤のマスターバ
ッチが製造されている。しかしながら、この状態では分
散媒エポキシ樹脂の重合などの副反応がどうしても起こ
ってしまうため、得られた硬化剤マスターバッチは往々
として非常に粘度の高いものとなり、取扱いにくく、ま
たエポキシ樹脂硬化組成物の配合設計の自由度を低下さ
せるので好ましくない。
【0010】(発明が解決しようとする課題)上述した
ように、アミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子は、
エポキシ樹脂用の硬化剤として優れた利点を有するにも
拘わらず、1成分系硬化組成物においては上記のいろい
ろな問題点があるために、それが十分に生かされるには
至っていない。
【0011】1成分系エポキシ樹脂硬化組成物の利点を
生かすために、製造工程が簡略化されて製造コストが安
く、しかも粒径を容易に制御することが可能で硬化性と
貯蔵安定性並びに得られる硬化物の物性に優れた潜在性
硬化剤微粉体が大いに望まれている。
【0012】本発明者らは、上記の視点の下に、従来技
術におけるアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒子が
もつ課題を克服し、1成分系エポキシ樹脂硬化組成物の
利点が十分に生かせる硬化剤を開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、先に、従来技術における有機溶媒中でのアミ
ン化合物とエポキシ化合物との付加反応に際して、有機
溶媒として、アミン化合物とエポキシ化合物は溶解する
が得られる付加体は溶解しないものを選び、更に適当な
分散安定剤を共存させ、生成する付加体粒子を凝集させ
ることなく安定に分散させることによって、粒子径が制
御された球状のアミン化合物/エポキシ化合物付加体粒
子を一段で得ることができ、得られる球状アミン化合物
/エポキシ化合物付加体粒子が潜在性エポキシ樹脂用硬
化剤として極めて有用であることを見出し、特許出願を
行った(本願出願人の特願平2−138176号)。
【0013】本願発明は、この特願平2−138176
号に記載の発明を更に改良したものである。
【0014】(課題を解決するための手段)本発明者ら
は、潜在性エポキシ樹脂用硬化剤として有用な球状アミ
ン化合物/エポキシ化合物付加体粒子に関して更に鋭意
研究を行った結果、上記先行発明に係る有機溶媒中での
アミン化合物とエポキシ化合物との付加反応に際して、
更に過剰の多官能性エポキシ化合物の存在下に行うこと
により、又は前記付加反応終了後に多官能性イソシアネ
ート化合物で処理することにより、あるいは過剰の多官
能性エポキシ化合物の存在下で反応を行いかつ反応終了
後に多官能性イソシアネート化合物で処理することによ
り、上記先行発明に係る球状付加体粒子の潜在性が更に
改良されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、その一態様においては、本発明に係
る潜在性エポキシ樹脂用硬化剤の製造方法は、アミン化
合物とエポキシ化合物とを、分散安定剤の存在下におい
て、そのアミン化合物及びエポキシ化合物を共に溶解す
るが、両者から生成する付加体は溶解しない有機溶媒中
で反応させて形状が球状の付加体粒子を製造する方法に
おいて、更にアミン化合物とエポキシ化合物との反応の
過程中に更なる多官能性エポキシ化合物を存在させる
か、あるいは該反応の終了後に更なる多官能性エポキシ
化合物を添加して更に反応させることを特徴とするもの
である。かかる方法によって得られる付加体は、アミン
化合物とエポキシ化合物とから合成される形状が球状の
付加体の表面上に更に多官能性エポキシ化合物によって
形成される被包層を有することを特徴としており、該被
包層の存在によりその潜在性が著しく向上される。
【0016】また、他の態様においては、本発明は、上
記のようにして得られた付加体に更に多官能性のイソシ
アネート化合物を作用させることを特徴とする球状付加
体粒子の製造方法も包含するものである。かかる製造方
法によれば、アミン化合物とエポキシ化合物から合成さ
れる形状が球状の付加体の表面上に更にエポキシ樹脂に
より形成される被包層を有し、更に該エポキシ被包層上
に多官能性イソシアネート化合物により形成される被包
層、又はそれらの混合被包層を有することを特徴とす
る、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤としての潜在性が更に
優れた球状付加体粒子が得られる。
【0017】更に、他の態様においては、本発明は、ア
ミン化合物とエポキシ化合物とを、分散安定剤の存在下
において、そのアミン化合物及びエポキシ化合物を共に
溶解するが、両者から生成する付加体は溶解しない有機
溶媒中で反応させて形状が球状の付加体粒子を製造する
方法において、該反応の終了後に所定量の多官能性イソ
シアネート化合物を更に反応させることを特徴とする方
法に関するものである。かかる製造方法によれば、アミ
ン化合物とエポキシ化合物から合成される形状が球状の
付加体であって、その表面上に更に多官能性イソシアネ
ート化合物により形成される被包層を有することを特徴
とする、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤としての潜在性が
更に優れた球状付加体粒子が得られる。
【0018】かかる製造方法によれば、従来の粉砕・マ
スターバッチ方式による潜在性硬化剤の調製方法に比べ
て、微粉砕、分級及び高粘度の混練などの操作が不要と
なるため、製造工程がかなり簡略化され、製造コストを
大幅に低減することが可能となる。また、球状付加体粒
子は粉砕粒子に比べてかさ密度が高く、エポキシ樹脂配
合物の粘度に対する寄与が小さいなどの利点を有する。
更に、本発明によって、アミン化合物/エポキシ化合物
付加体球状粒子のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤としての
潜在性が、アミン化合物とエポキシ化合物との反応の過
程において上記に示すいずれかの処理を用いることのみ
によって、エポキシ樹脂配合物の硬化性能及び硬化物性
を損なうことなく大幅に改良される。
【0019】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0020】まず、本発明の潜在性硬化剤を構成する付
加体の原料となるアミン化合物とエポキシ化合物である
が、これらは硬化剤としての付加体の性質を考慮して選
択される。重要なのはアニオン重合硬化を推進する化学
構造、融点、溶融状態で硬化対象となる配合エポキシ樹
脂に対する優れた相溶性、速い硬化性及び添加効果(少
ない添加量での高い硬化反応性)である。
【0021】この目的に供されるアミン化合物としては
すべての種類が対象たりうるが、それに組み合わせるエ
ポキシ化合物の種類による制約を受ける。なぜならば、
純粋な付加体を合成するためには、重合を避けて付加反
応に止めなければならないからである。
【0022】1官能性エポキシ化合物に対しては、すべ
ての種類のアミン化合物を組み合わせることが可能であ
るが、多官能性エポキシ化合物に組み合わせうるのは、
エポキシ基との反応に寄与する活性水素を1個しか持た
ないアミン化合物だけとなる。いずれの場合において
も、活性水素を持たない3級アミノ基が含まれることは
一向に差し支えない。むしろ、付加体の硬化反応に寄与
するアミノ基濃度を高める、即ち硬化剤としての添加効
果を高めるうえにおいてその存在は好ましい。更に、こ
の組合せの条件を満たせば、1種類又は2種類以上のア
ミン化合物を組合せて使用してもよい。
【0023】多官能性エポキシ化合物に組合せ得るアミ
ン化合物の具体例としては、2−メチルイミダゾールや
2,4−ジメチルイミダゾールを代表とするイミダゾー
ル化合物、イミダゾリンや2−メチルイミダゾリンを代
表とするイミダゾリン化合物、N−メチルピペラジンや
N−ヒドロキシエチルピペラジンを代表とするピペラジ
ン化合物、アナバシンを代表とするアナバシン化合物、
3,5−ジメチルピラゾールを代表とするピラゾール化
合物、テトラメチルグアニジンやプリンを代表とするプ
リン化合物、1,2,4−トリアゾールを代表とするト
リアゾール化合物などが挙げられる。
【0024】もう一方の原料であるエポキシ化合物とし
てもすべての種類が対象たりうる。例を挙げれば、1官
能性エポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエ
ーテル、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテ
ル、2官能性エポキシ化合物としては、ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、
フタル酸ジグリシジルエステル、3官能性エポキシ化合
物としては、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグ
リシジルパラアミノフェノール、4官能性エポキシ化合
物としては、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、それ以上
の官能基を持つエポキシ化合物としては、クレゾールノ
ボラックポリグリシジルエーテル、フェノールノボラッ
クポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。但し、組
み合わせるアミン化合物の種類によって制約を受けるこ
とはアミン化合物について述べたと同様である。即ち、
活性水素を1個しか持たないアミン化合物についてはす
べての種類のエポキシ化合物と組み合わせることが可能
であるが、2個以上の活性水素を持つアミン化合物に組
合せうるのは1官能性のエポキシ化合物だけである。
【0025】エポキシ化合物は、生成する付加体の融点
と溶融状態においての硬化対象であるエポキシ樹脂との
相溶性を考慮して選ばれる。硬化対象となるエポキシ樹
脂としては圧倒的な量がビスフェノールAジグリシジル
エーテルで占められているから、付加体の原料であるエ
ポキシ化合物としては、それに対する相溶性に優れかつ
コスト的にも有利なこの化合物が一般的に用いられる。
エポキシ化合物において、エポキシ濃度はエポキシ当量
(1当量当たりのグラム数)の逆数で表される。エポキ
シ当量が低くなるほどエポキシ基濃度は高くなる。アミ
ンとの付加反応で形成した付加体に含まれる3級アミノ
基濃度をできるだけ高くして硬化剤としての添加効果を
高めるために高いエポキシ基濃度が望ましい。したがっ
て、エポキシ化合物のエポキシ当量としては、出来る限
り小さいことが望まれる。通常は1000以下、好まし
くは500以下のエポキシ化合物が用いられる。
【0026】アミン化合物/エポキシ化合物付加体の融
点は、用いた原料の化学構造、並びに付加の方式、付加
体の構造及びアミン化合物に対するエポキシ樹脂の付加
比率によって決定される。それらの適切な選択により、
目的に応じて低融点から高融点の付加体を合成すること
が可能となる。融点が高くなるほど取扱い易くなるが、
反対に配合物の硬化反応開始温度が高くなる。したがっ
て、硬化性から見れば融点は低いにこしたことはない
が、取り扱い性、特に夏季における取り扱いを考慮する
と最低50℃の融点を必要とする。
【0027】アミン化合物/エポキシ化合物付加体は、
通常、等当量又はアミン過剰の条件下で合成されるが、
1官能性エポキシ化合物を用いた場合、エポキシ過剰に
すると得られた付加体の融点が下がる。逆に多官能性エ
ポキシ化合物を用いた場合には、エポキシ過剰にすると
付加反応と重合反応が競争的に起こり、付加体の融点が
上昇する。本発明で球状のアミン化合物/エポキシ化合
物付加体を製造する際のエポキシ化合物とアミン化合物
との反応当量比は、特に制限はないが化学量論量を基本
とする。
【0028】本発明の一態様においては、かかる量比に
基づいて更なる過剰量の多官能性エポキシ化合物を作用
させて、該付加体の表面上に被包層を形成させる。かか
る更なる多官能性エポキシ化合物の添加量は、形成させ
る付加体粒子の粒径によって変化するが、一般的には上
記付加体100重量部に対して1〜100重量部であ
り、5〜50重量部が好ましい。かかる量が1重量部未
満ではエポキシ樹脂用潜在性硬化剤としての潜在性が十
分でなく、かかる硬化剤を添加した1液型エポキシ樹脂
硬化組成物の保存安定性が十分でなくなる。また、10
0重量部を超えると、低温硬化性が損なわれ、実用的で
ない。
【0029】被包層を形成するかかる更なる多官能性エ
ポキシ化合物は多官能性のものであればよく、アミン化
合物と反応して付加体を形成するエポキシ化合物が多官
能性エポキシ化合物である場合には、付加体を形成する
エポキシ化合物と同じものであってもよく、異なる種類
のものであってもよい。かかる更なる多官能性エポキシ
化合物を添加する時期は、付加体形成反応の開始前(即
ち反応原料の仕込み段階)、反応中、反応終了後のいず
れであってもよい。付加体形成用エポキシ化合物と被包
形成用多官能性エポキシ化合物とが同一の場合には、予
めエポキシ化合物を過剰量用いることによっても本発明
の被包層を有する球状付加体粒子を製造することができ
る。
【0030】また、本発明の別の態様においては、上記
に記載したようなほぼ等当量比のアミン化合物/エポキ
シ化合物を反応させることによって球状付加体粒子が形
成された後に、あるいは、更に過剰の多官能性エポキシ
化合物を作用させることによって該多官能性エポキシ化
合物により形成される被包層を有する球状付加体粒子が
形成された後に、多官能性イソシアネート化合物による
処理を行うことによって、該付加体粒子の表面上に多官
能性イソシアネートにより形成される被包層又は上記両
者の混合被包層を形成させる。かかる被包層を形成させ
ることにより、球状付加体粒子の潜在性硬化剤としての
潜在性が更に優れたものとなる。
【0031】かかる多官能性イソシアネート化合物によ
る被包層形成反応は、上記付加体の生成反応又は更なる
多官能性エポキシ化合物による被包層形成反応の反応率
が100%到達した後に行われる。この目的に供される
多官能性イソシアネート化合物としては、トルエンジイ
ソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートの
1核体及び多核体、水添メチレンジフェニルジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー
ト、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホ
スフェート、ならびにそれらと他の活性水素含有化合物
との付加反応で生成する多官能性イソシアネート化合物
などが挙げられる。かかる多官能性イソシアネート化合
物は、付加体粒子の生成反応において用いられる溶媒に
溶解するものを選択し、1種又は2種以上が組み合わせ
て使用される。付加体粒子に対する添加量は、付加体粒
子の粒径によって異なるが、体積平均粒子径が0.05
μm〜100μmの範囲の粒子に対しては付加体粒子1
00重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは
1〜50重量部である。かかる添加量が0.1重量部未
満では十分な貯蔵安定性が得られず、また100重量部
を超えるとかなりの長時間の反応を必要とし、また硬化
反応性が低下する。
【0032】本発明に係る球状付加体粒子の形成は、本
発明者らが特願平2−138176号において提案して
いる沈殿又は分散付加反応によりはじめて実現できるも
のである。即ち、本発明の球状付加体粒子の形成は、ア
ミン化合物とエポキシ化合物とを、有機溶媒として、ア
ミン化合物とエポキシ化合物は溶解するが得られる付加
体は溶解しないものを選び、更に適当な分散安定剤を共
存させ、生成する付加体粒子を凝集させることなく安定
に分散させることによって行い、かかる方法によって粒
子径が制御された球状のアミン化合物/エポキシ化合物
付加体粒子を一段で得ることができる。この反応を行う
に際して最も重要なのは反応に用いる溶媒の選択であ
る。基本的に付加体の原料としてのアミン化合物とエポ
キシ化合物及び後述の分散安定剤を溶解し、その付加生
成物を溶解することなく粒子として析出させる溶媒を用
いることが必要である。一般的にいえば、物質はその極
性が近似した溶媒に溶解する。溶媒の極性の尺度として
溶解度パラメーター(単位:[cal/cm3]1/2)がよく用い
られる。この表示方法によれば、エポキシ化合物、アミ
ン化合物、アミン化合物/エポキシ化合物付加体は、そ
れぞれ、溶解度パラメーターが8〜11、8以上及び1
1〜16の溶媒に溶解する。したがって、本発明の沈殿
又は分散付加反応を実施するためには、溶解度パラメー
ターが8〜11の溶媒が適当である。
【0033】本発明の反応に用いられる溶媒としては、
例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、アセトン、n−ブチルアセ
テート、イソブチルアセテート、エチルアセテート、メ
チルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、セロソルブ、エチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソ
ール、トルエン、p−キシレン、ベンゼン、シクロヘキ
サン、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエチレ
ン、クロロベンゼン、ピリジンなどが挙げられる。これ
らは単独あるいは2種以上の組み合わせで使用に供され
る。溶解度パラメーターが8〜11の範囲外の溶媒であ
っても、2種以上の組合せで特定した範囲内の溶解度パ
ラメーターに調節して使用に供することも可能である。
但し、適合する溶媒は、当然にアミン化合物とエポキシ
化合物の化学構造によって多少異なるので、各々の場合
に応じて厳密に選択することが肝要である。
【0034】本発明の沈殿又は分散付加反応において、
析出する付加体粒子を溶媒中に安定に分散させて球状粒
子として得るためには、適切な分散安定剤を共存させる
必要がある。かかる分散安定剤が存在しないと、生成し
た付加体粒子が反応中に互いに凝集して相分離を起こ
し、目的とする球状粒子が得られなくなる。この目的に
供される分散安定剤としては、生成した付加体と有機溶
媒の両方に対して共に高い親和力をもつ両親媒性の高分
子化合物が適している。また、最初は両親媒性を示さな
くても、官能基の変換反応により両親媒性に変換し得る
高分子化合物を用いてもよい。化学構造的には、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体及び
他の重合体のいずれでもよい。
【0035】グラフト共重合体としては、例えばポリ
((メチルメタクリレート−co−メタクリル酸)−g
−スチレン)、ポリ((メチルメタクリレート−co−
2−ヒドロキシエチルメタクリレート)−g−スチレ
ン)、ポリ((メチルメタクリレート−co−グリシジ
ルメタクリレート)−g−スチレン)、ポリ((スチレ
ン−co−グリシジルメタクリレート)−g−スチレ
ン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート−g
−スチレン)、ポリ(2,3−ジヒドロキシプロピルメ
タクリレート−g−スチレン)、ポリ(アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸−g−スチレン)、ポ
リ(酢酸ビニル−g−スチレン)、ポリ(メタクリル酸
−g−スチレン)、ポリ(アクリルアミド−g−スチレ
ン)、ポリ(エチレンオキシド−g−スチレン)、ポリ
(4−ビニル−N−エチルピリジウムブロミド−g−ス
チレン)、ポリ((メチルメタクリレート−co−メタ
クリル酸)−g−メタクリル酸アルキル(R=C1〜C
12))、ポリ((メチルメタクリレート−co−フルオ
ロアルキルアクリレート)−g−メチルメタクリレー
ト)、ポリ((メチルメタクリレート−co−グリシジ
ルメタクリレート)−g−メチルメタクリレート)、ポ
リ((スチレン−co−グリシジルメタクリレート)−
g−メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール
−g−メチルメタクリレート)、ポリ((メチルメタク
リレート−co−グリシジルメタクリレート)−g−メ
タクリル酸)、ポリ(ブタジエン−g−メタクリル
酸)、ポリ(メチルメタクリレート−g−2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレー
ト−g−N−メチロールアクリルアミド)、ポリ(2−
ヒドロキシエチルメタクリレート−g−N−メチロール
アクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート−g−
12−ヒドロキシステアリン酸)、ポリ((エチルアク
リレート−co−メタクリル酸)−g−12−ヒドロキ
システアリン酸)、ポリ((メチルアクリレート−co
−メタクリル酸)−g−12−ヒドロキシステアリン
酸)、ポリ((スチレン−co−メタクリル酸)−g−
12−ヒドロキシステアリン酸)、ポリ((エチルアク
リレート−co−メタクリル酸)−g−ラウリルメタク
リレート)、ポリ(酢酸ビニル−g−2−エチルヘキシ
ルアクリレート)、ポリ(クロロプレン−g−2−エチ
ルヘキシルアクリレート)などが挙げられる。
【0036】ブロック共重合体としては、例えばポリ
(酢酸ビニル−b−スチレン)、ポリ(スチレン−b−
ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン−b−メタクリ
ル酸)、ポリ(ラウリルメタクリレート−b−メタクリ
ル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−スチレン−b−
エチレンオキシド)、ポリ(12−ヒドロキシステアリ
ン酸−b−エチレンオキシド−b−12−ヒドロキシス
テアリン酸)などが挙げられる。
【0037】また、ランダム共重合体としては、例えば
ポリ(酢酸ビニル−co−ビニルアルコール)、ポリ
(N−ビニルピロリドン−co−酢酸ビニル)、ポリ
(N−ビニルピロリドン−co−メチルメタクリレー
ト)、ポリ(長鎖メタクリレート又はアクリレート−c
o−N−ビニルピロリドン)などが挙げられる。更に、
その他の重合体の例としては、カルボン酸変性ポリフタ
ル酸グリコールエステル、4級化アミン変性ポリエステ
ルなどが挙げられる。
【0038】本発明に用いる分散安定剤としては、上述
のように構造的に多種類のものがあり、また分子量的に
も低分子量から高分子量まで種々あるが、生成した付加
体粒子に対する分散安定化効果は、当然、アミン化合物
/エポキシ化合物の化学構造及び溶媒の性質によって異
なる。実用的には試行錯誤的な選択を必要とする。勿
論、これらの分散安定剤は目的に応じて単独又は2種以
上混合使用してもよい。
【0039】本発明の付加体及び硬化剤粒子の生成反応
において、適切な溶媒及び分散安定剤を選択することに
よって、凝集物の生成を避けて付加反応及び多官能性エ
ポキシ化合物又は多官能性イソシアネート化合物による
被包層形成反応を反応率100%まで円滑に進行させる
ことが可能であるが、凝集物が生成しない安定な反応の
進行と生成する付加体及び硬化剤粒子の粒子径の制御が
重要である。
【0040】まず安定な反応であるが、これを支配する
のは、原料濃度、分散安定剤濃度、反応温度、撹拌条件
及び反応率又は反応時間である。付加体粒子の生成反応
において、安定な分散液を生成させるためには、適切な
分散安定剤を添加する必要がある。分散安定剤の添加量
としては、通常、アミン化合物とエポキシ化合物の合計
に対して1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%を
用いる。十分な分散安定剤が存在していても、原料濃度
と反応温度が高くなると、付加反応の速度は速くなるが
凝集物が生成しやすくなり、系は不安定になる。したが
って、原料濃度としては、溶媒中で通常2〜40重量
%、好ましくは5〜30重量%を用いる。また、反応温
度としては、通常40〜90℃、好ましくは50〜70
℃を用いる。
【0041】反応系の安定性には、更に撹拌条件と反応
率とが関係する。適当な撹拌速度は、配合、反応条件及
び撹拌翼の形状によってそれぞれ異なるので、一概に述
べることはできないが、速すぎる撹拌は凝集物の生成を
促し、逆に遅すぎる撹拌は球状粒子を得るのに適しな
い。個々の系に対応して試行錯誤的な実験を必要とする
が、通常は50〜1000rpm、好ましくは100〜
500rpmを用いる。反応条件にもよるが、一般的
に、凝集物は反応率が高くなるにつれて生成しやすくな
る。傾向的には、先に述べたように、原料濃度と反応温
度が高くなるほど、分散安定剤濃度が低いほど、また生
成させる付加体粒子のサイズが小さいほど、低い反応率
で凝集物が生成し始める。条件を整えることによって1
00%の反応率に到達させることは可能である。
【0042】付加体粒子の生成を100%の収率で進行
させた後に、更なる多官能性エポキシ化合物又は多官能
性イソシアネート化合物による被包層形成反応におい
て、上記付加体の形成反応に用いた反応条件(原料濃
度、反応温度)と撹拌条件を適用することができる。但
し、多官能性イソシアネート化合物による被包層形成反
応は低温でも起こるので、反応温度としては、室温〜9
0℃、好ましくは50〜70℃を用いる。被包層形成反
応の反応時間は、用いた多官能性エポキシ化合物又は多
官能性イソシアネート化合物の添加量及び反応温度によ
って異なり、一般に、回収された硬化剤粒子の収率が1
00%になるための時間を反応の終点とする。また、赤
外スペクトル法で反応液を分析し、未反応物の残存量を
定量することによって反応の終点を決定することもでき
る。
【0043】次に、生成する硬化剤粒子の粒子径である
が、これは用いた付加体粒子の粒子径及び多官能性エポ
キシ化合物又は多官能性イソシアネート化合物の添加量
によって支配される。
【0044】付加体粒子の粒子径は、原料と溶媒の種
類、反応条件並びに分散安定剤の化学構造、分子構造及
びその添加量によって支配される。これらの因子のう
ち、決定的なのは分散安定剤の化学構造と分子構造であ
る。例えば、2−メチルイミダゾールとビスフェノール
Aジグリシジルエーテルとのメチルイソブチルケトン中
での沈殿又は分散付加反応において、ポリ((メチルメ
タクリレート−co−メタクリル酸)−g−スチレン)
のグラフト共重合体を分散安定剤として用いる場合には
ミクロンサイズの粒子を与えるのに対して、4級化アミ
ン変性ポリエステル系の分散安定剤はサブミクロンサイ
ズの微粒子を与える。また、分散安定剤の化学構造にも
よるが、一般に分散安定剤の分子量が小さいほど、得ら
れる付加体粒子の粒子径は大きくなる。次に、粒子の生
成に大きな影響を及ぼすのは反応条件である。一般的に
いえば、分散安定剤濃度、反応温度及び撹拌速度が高く
なるほど、また原料濃度及び反応率が低くなるほど、生
成する粒子は小さくなる。これらの因子を適当に組み合
わせれば、生成する付加体又は硬化剤粒子の体積平均粒
子径を0.05〜100μmまで制御することができ
る。
【0045】所望の粒子径の付加体粒子の生成後、更な
る多官能性エポキシ化合物又は多官能性イソシアネート
化合物の添加によって、付加体粒子の表面上に被包層が
形成される。多官能性エポキシ化合物は、付加体の触媒
作用によって粒子の表面上に重合が起こり重合エポキシ
樹脂膜を形成する。また、多官能性イソシアネート化合
物は、付加体粒子の表面に存在する水酸基、吸着された
水分及び他の活性水素官能基と反応してポリウレタン、
ポリユリアなどの重合体に転換し、カプセル化膜を形成
すると考えられる。したがって、これらの被包層を形成
することにより、得られた潜在性硬化剤の体積平均粒子
径は、元の付加体粒子の体積平均粒子径よりも大きくな
る。
【0046】被包層の厚みは、反応前の付加体粒子の体
積平均粒子径及びその表面反応に用いた多官能性エポキ
シ化合物又は多官能性イソシアネート化合物の添加量に
よって決まるので、最終的に得られた硬化剤の体積平均
粒子径もこれらの因子によって制御される。前記の付加
体粒子の体積平均粒子径、多官能性エポキシ化合物の過
剰添加量及び多官能性イソシアネート化合物の添加量の
範囲に対して、得られた本発明の硬化剤の体積平均粒子
径は、0.1〜200μmとなる。
【0047】なお、ここでいう体積平均粒子径は、「粉
体、理論と応用」(丸善、1979年版)の第6・3・
4節及び第6・3・6節に示す重力又は遠心沈降法で求
めた粒子の体積基準平均ストークス径を指す(以下、単
に「体積平均粒子径」という)。
【0048】反応装置に所定量の溶媒を仕込み、それに
選択されたアミン化合物、エポキシ化合物及び分散安定
剤を溶解し、撹拌しながら所定温度まで昇温して加熱し
続けると、当初透明であった反応溶液は付加体粒子の生
成に伴って不透明になる。反応の進行に伴って系の不透
明度は次第に増し、分散液特有の乳白色を呈するように
なる。この段階において、アミン化合物とエポキシ化合
物との量比が等当量である場合にはアミン化合物/エポ
キシ化合物付加体球状粒子が形成されており、アミン化
合物に対して多官能性エポキシ化合物を用いておりかつ
該多官能性エポキシ化合物の当量が過剰量である場合に
はアミン化合物/エポキシ化合物付加体球状粒子の表面
上に更に多官能性エポキシ化合物により形成される被包
層を有する球状付加体粒子が形成される。前者の場合に
は、この時点で更なる多官能性エポキシ化合物を添加混
合して反応を継続させることによって、付加体粒子の表
面上に多官能性エポキシ化合物による被包層を形成させ
ることができる。更に、上記の付加体形成及び被包層形
成の後に多官能性イソシアネート化合物を添加して反応
を更に継続することによって、付加体粒子の表面上ある
いは多官能性エポキシ化合物による被包層の上に多官能
性イソシアネート化合物による被包層あるいは両者から
なる混合被包層を更に形成させることができる。
【0049】これらの反応が終了した後に、分散液を室
温に冷却して有機溶媒用のスプレードライヤーで噴霧乾
燥するか、強制沈降回収して乾燥すれば、目的とする球
状の硬化剤粒子の粉末が直ちに得られる。
【0050】スプレー乾燥法による硬化剤粒子の回収は
最も効率的である。スプレードライヤーに付属の冷却装
置によって、反応に用いた溶媒はほぼ100%回収で
き、次の反応にリサイクル的に利用することが可能であ
る。したがって、原料コストに使用する溶媒の分がほと
んどかからないことがこのプロセスの大きな特徴のひと
つである。スプレードライヤーを用いない場合には、硬
化剤粒子は溶媒中にかなり安定に分散されていて、また
粒子径も小さいため、通常の濾過法や自然沈降法による
粒子の回収はかなり難しい。この場合、分散系に対して
凝集作用を示す溶媒を添加し、分散粒子を凝集沈降させ
て濾過するかまたは遠心分離すれば、硬化剤粒子を溶媒
から分離することができる。更に所定温度で乾燥すると
粒子はほぼ100%回収できる。用いた溶媒は、分別蒸
留することによってスプレー乾燥法と同様に再利用する
ことができる。
【0051】以下比較例および実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0052】なお、比較例および実施例に用いた硬化剤
粒子の微粉体は、以下に示す方法で調製した。得られた
硬化剤粒子をエポキシ樹脂硬化剤としての性質を調べる
ために、汎用エポキシ樹脂であるエピコート828にほ
ぼ同じアミン濃度となるように配合し、乳鉢で均一混練
して硬化組成物とした。また、高温硬化型硬化剤の硬化
促進剤としての性質を調べるために、エピコート828
に配合して硬化組成物を調製した。その際、高温硬化型
硬化剤として、ジシアンジアミド(Dicy)およびメ
チルヘキサヒドロ無水フタル酸(MHHPA)を用い、
添加量はそれぞれ8phrおよび85phrであった。
【0053】硬化組成物について、25℃の初期粘度、
各温度における硬化時間および40℃で1週間保存後の
粘度増加倍率を測定した。さらに、硬化組成物の一部を
100℃で1時間、次いで150℃で3時間加熱硬化し
て硬化体を作成し、そのガラス転移温度(Tg)および
沸騰水中における吸水率を測定した。
【0054】測定方法または使用装置は以下の通りであ
った。
【0055】体積平均粒子径:超遠心式自動粒度分布測
定装置(CAPA-700,堀場製作所)粘度 :B型粘度計(東京計器(株))。
【0056】硬化時間:アルミニウム板に試料を約0.
1g垂らし、予め所定温度に調整した通風循環式のオー
ブン中に入れて加熱硬化させ、鉛筆硬度試験でH以上の
硬度を発現するための時間を測定した。
【0057】Tg:熱機械分析装置(TMA,セイコー
電子工業(株)製)を用い、ペネトレーション法にて測
定した。
【0058】沸騰吸水率:直径約40mm,厚さ約4m
mの試料を100℃の沸騰水中に1時間浸漬した後、そ
の重量増加率を測定した。
【0059】比較例1 温度計、還流冷却器、滴下漏斗および鋼製プロペラ型撹
拌装置を備えた内容積3,000mlの四つ口丸底フラ
スコに、キシレン600gと2−メチルイミダゾール
(2MZ)300g(3.654当量)を仕込、撹拌し
ながら温度を120℃に上げて2MZを完全に溶解させ
た。次いで撹拌を続けながら300gのキシレンに68
0gのエポキシ当量186のビスフェノールAジグリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製、エピコート828、“EP828”と略す
る、3.656当量)を溶解した溶液を、温度120℃
に保ちながら90分間にわたって滴下漏斗より添加し
た。生成した付加体はキシレンに不溶のために、反応の
進行に伴って粘稠な飴状体として析出した。さらに2時
間にわたって反応を続け、反応率がほぼ98%以上に到
達した。次に内容物の温度を室温まで下げて撹拌を停止
し、上層のキシレンを傾斜法で除去してから、フラスコ
の内容物を140℃に加熱し、残留キシレンを10mm
Hgの減圧下で留去した。次いで溶融している付加体を
浅皿に流し込み、室温で冷却して赤褐色の付加体塊を得
た。これをハンマーで粗砕してからジェットミルで繰り
返し粉砕し、最後に分級して黄色の微粉体を得た。この
微粉体の体積平均粒子径は2.9μmであった。
【0060】比較例2 温度計、還流冷却器、滴下漏斗および鋼製プロペラ型撹
拌装置を備えた内容積1,000mlの四つ口丸底フラ
スコに、メチルイソブチルケトン(MIBK)325g
と2−フェニルイミダゾール(2PZ)162.5g
(0.4514当量)を仕込、撹拌しながら温度を10
0℃に上げて2PZを完全に溶解させた。次いで撹拌を
続けながら195gのMIBKに195.2gのエポキ
シ当量173のビスフェノールAジグリシジルエーテル
(ダウ・ケミカル社製、DER332,0.4514当
量)を溶解した溶液を、温度を100℃に保ちながら6
0分間にわたって滴下漏斗より添加した。生成した付加
体はMIBKに不溶のために、反応の進行に伴って粘稠
な飴状体として析出した。さらに4時間にわたって反応
を続け、反応率がほぼ98%以上に到達した。次に内容
物の温度を室温まで下げて撹拌を停止し、上層のMIB
Kを傾斜法で除去してから、フラスコの内容物を100
℃〜140℃に加熱し、残留MIBKを10mmHgの
減圧下で留去した。次いで溶融している付加体を浅皿に
流し込み、室温で冷却して褐色の付加体塊を得た。これ
を比較例1と同じ方法で粉砕・分級して黄色の微粉体を
得、粉体の体積平均粒子径は4.5μmであった。
【0061】比較例3 温度計、バンドヒーターおよび鋼製プロペラ型撹拌装置
を備えた内容積500mlのビーカーに、276.8g
のDER332(1.60当量)を仕込、内容物を撹拌
しながらバンドヒーターで加熱した。内容物の温度が7
0〜75℃に達したら、加熱を止めて室温で液状の2−
エチル−4−メチルイミダゾール(EMI−24)17
6.3g(1.60当量)を一気に添加し、500rp
mで高速撹拌しながら内容物を均一混合させた。内容物
の温度は一度60℃位に下がったが、間もなくすると付
加反応による発熱が観察され、温度は急激に上昇し23
0℃位に到達した。内容物を撹拌しながら徐々に温度を
下げて140℃になった時点で生成した付加体は粘稠な
飴状となり、それを浅皿に流し込み、室温に冷却して赤
褐色の付加体塊を得た。これを比較例1同じ方法で粉砕
・分級して黄色の微粉体を得、粉体の体積平均粒子径は
4.3μmであった。
【0062】比較例4 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
28.0gの2−メチルイミダゾール(2MZ,0.3
4当量)および分散安定剤としてポリ((スチレン−c
o−グリシジルメタクリレート)−g−メチルメタクリ
レート)のグラフト共重合体(東亜合成株式会社製、レ
ゼダGP−300)4.54gを仕込、これに542.
53gのMIBKを加えてから、温度を70℃に上げて
完全に溶解した。次いでエピコート828の50%MI
BK溶液125.60g(0.34当量)を加え、内容
物を300rpmの速度で撹拌しながら70℃で9時間
反応させた。当初無色透明の反応液は、反応時間が経過
するにつれて次第に乳白色・不透明な液に変化し、反応
終期においてはクリーム色を帯びた乳白色の分散液とな
った。
【0063】70℃で9時間の反応で反応率100%に
達したら、室温に冷却し、有機溶剤系用スプレードライ
ヤー(ヤマト科学株式会社製,GS−31型)で噴霧乾
燥して、硬化剤粒子を回収した。噴霧乾燥の条件は次の
通りであった。
【0064】乾燥チャンバー入口温度: 100℃ 乾燥チャンバー出口温度: 74℃ コンデンサー出口温度: 16℃ 噴霧ノズル径: 0.4mm 噴霧圧力: 1.2kg/cm2 熱風流量: 0.5m3/min 送液速度: 10g/min この噴霧乾燥により、ほぼ理論量の硬化剤粒子が白色の
乾燥粉末として回収された。走査型電子顕微鏡による観
察では、硬化剤粒子はほぼ一次粒子のままで回収されて
いることがわかった。また、超遠心式自動粒度分布測定
装置(堀場製作所製,CAPA−700)による測定
で、得られた硬化剤粒子の体積平均粒子径は2.8μm
であった。また、溶媒としてMIBKの回収率は99.
2%であった。
【0065】比較例5 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
40.37gの2−フェニルイミダゾール(2PZ,
0.280当量)及び4.44gのレゼダGP−300
を仕込、これに543.6gのMIBKを加えてから、
温度を70℃に上げて完全に溶解した。次いでDER3
32の50%MIBK溶液96.88g(0.280当
量)を加え、内容物を300rpmの速度で撹拌しなが
ら70℃で15時間反応させた。当初無色透明の反応液
は、反応時間が経過するにつれて次第に乳白色・不透明
な液に変化し、反応終期においてはクリーム色の均一か
つ安定な分散液となった。こうして合成した硬化剤粒子
の分散液を2,000mlのビーカーに移し、内容物を
撹拌しながら約50mlのn−ヘキサンを徐々に加え、
分散粒子を凝集沈降させた。粒子をガラスフィルターで
濾別し、さらに50℃で2日間真空乾燥してクリーム色
を帯びた白色の粉体を95.5%の収率で得た。得られ
た硬化剤粒子の体積平均粒子径は3.8μmであった。
【0066】比較例6 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
20.00gの2−エチル−4−メチルイミダゾール
(EMI−24,0.182当量)及び2.57gのレ
ゼダGP−300を仕込、これに310.4gのMIB
Kを加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解し
た。次いでDER332の50%MIBK溶液62.8
3g(0.182当量)を加え、内容物を300rpm
の速度で撹拌しながら70℃で15時間反応させた。当
初黄色透明の反応液は、反応時間が経過するにつれて次
第に黄褐色・不透明な液に変化し、反応終期においては
黄褐色の均一かつ安定な分散液となった。こうして合成
した硬化剤粒子の分散液を比較例5と同じ方法でn−ヘ
キサンによる分散粒子の凝集沈降回収を行い、粒子をガ
ラスフィルターで濾別し、さらに45℃で2日間真空乾
燥して黄色の粉体を70.0%の収率で得た。得られた
硬化剤粒子の体積平均粒子径は4.1μmであった。
【0067】上記比較例1〜6の反応において、アミン
化合物/エポキシ化合物付加体粒子は化学量論的に合成
されたものであり、何の修飾反応も行われていないケー
スである。
【0068】実施例1 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
28.0gの2−メチルイミダゾール及び4.99gの
レゼダGP−300を仕込、これに593.95gのM
IBKを加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解
した。次いでエピコート828の50%MIBK溶液1
43.74gを加え、内容物を300rpmの速度で撹
拌しながら70℃で10時間反応させ、反応率をほぼ1
00%まで到達させた。反応終期においては、外観上比
較例4とほぼ変わらない均一かつ安定な分散液となっ
た。こうして合成した硬化剤粒子の分散液を比較例4と
同じ条件で噴霧乾燥し、乾燥した白色の粉末を定量的に
得た。得られた硬化剤粒子の体積平均粒子径は2.8μ
mであった。
【0069】本実施例においては、硬化剤粒子は、仕込
み最初の段階で多官能性エポキシ化合物を比較例4に比
べて9%過剰添加して1段法で合成したものである。
【0070】実施例2 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
26.0gの2−メチルイミダゾール及び5.06gの
レゼダGP−300を仕込、これに599.47gのM
IBKを加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解
した。次いでエピコート828の50%MIBK溶液1
50.40gを加え、内容物を300rpmの速度で撹
拌しながら70℃で11時間反応させ、反応率をほぼ1
00%まで到達させた。反応終期においては、外観上比
較例4とほぼ変わらない均一かつ安定な分散液となっ
た。こうして合成した硬化剤粒子の分散液を比較例4と
同じ条件で噴霧乾燥し、乾燥した白色の粉末を定量的に
得た。得られた硬化剤粒子の体積平均粒子径は2.9μ
mであった。
【0071】本実施例においては、硬化剤粒子は、仕込
み最初の段階で多官能性エポキシ化合物を比較例4に比
べて19%過剰添加して1段法で合成したものである。
【0072】実施例3 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
23.0gの2−メチルイミダゾール及び4.95gの
レゼダGP−300を仕込、これに584.17gのM
IBKを加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解
した。次いでエピコート828の50%MIBK溶液1
52.06gを加え、内容物を300rpmの速度で撹
拌しながら70℃で12時間反応させ、反応率をほぼ1
00%まで到達させた。反応終期においては、外観上比
較例4とほぼ変わらない均一かつ安定な分散液となっ
た。こうして合成した硬化剤粒子の分散液を比較例4と
同じ条件で噴霧乾燥し、乾燥した白色の粉末を定量的に
得た。得られた硬化剤粒子の体積平均粒子径は3.0μ
mであった。
【0073】本実施例においては、硬化剤粒子は、仕込
み最初の段階で多官能性エポキシ化合物を比較例4に比
べて33%過剰添加して1段法で合成したものである。
【0074】実施例4 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
24.0gの2−メチルイミダゾール及び3.90gの
レゼダGP−300を仕込、これに465.03gのM
IBKを加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解
した。次いでエピコート828の50%MIBK溶液1
07.66gを加え、内容物を300rpmの速度で撹
拌しながら70℃で9時間反応させた。更に、エピコー
ト828の50%MIBK溶液51.01gおよび洗浄
用のMIBK21.43gを添加し、更に同温度で4時
間反応させて反応率をほぼ100%まで到達させた。反
応終期においては、外観上実施例3とほぼ変わらない均
一かつ安定な分散液となった。こうして合成した硬化剤
粒子の分散液を比較例4と同じ条件で噴霧乾燥し、乾燥
した白色の粉末を定量的に得た。得られた硬化剤粒子の
体積平均粒子径は3.0μmであった。
【0075】本実施例においては、硬化剤粒子は、比較
例4と同様の粒子を100%の収率で合成した後に、多
官能性エポキシ化合物を33%過剰添加して2段法で合
成したものである。
【0076】実施例5 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
40.37gの2−フェニルイミダゾール(2PZ,
0.280当量)及び4.44gのレゼダGP−300
を仕込み、これに543.6gのMIBKを加えてか
ら、温度を70℃に上げて完全に溶解した。次いでDE
R332の50%MIBK溶液96.88g(0.28
0当量)を加え、内容物を300rpmの速度で撹拌し
ながら70℃で18時間反応させた。当初無色透明の反
応液は、反応時間が経過するにつれて次第に乳白色・不
透明な液に変化し、クリーム色の均一かつ安定な分散液
となった。これにエピコート828の50%MIBK溶
液44.50gおよび洗浄用のMIBK20.0gを2
次添加し、さらに同温度で6時間反応させた。反応終期
においてはクリーム色の均一かつ安定な分散液となっ
た。こうして合成した硬化剤粒子の分散液を比較例5と
同じ方法でnーヘキサンによる分散粒子の凝集沈降回収
を行い、粒子をガラスフィルターで濾別し、さらに50
℃で2日間真空乾燥してクリーム色を帯びた白色の粉体
をほぼ定量的に得た。得られた硬化剤粒子の体積平均粒
子径は4.1μmであった。
【0077】本実施例においては、硬化剤粒子は、比較
例5と同様の粒子をほぼ100%の収率で合成した後
に、多官能性エポキシ化合物を25%過剰添加して2段
法で合成したものである。
【0078】実施例6 温度計、還流冷却器およびテフロン製半月型撹拌装置を
備えた内容積1,000mlの三つ口丸底フラスコに、
20.00gの2−エチル−4−メチルイミダゾール
(EMI−24,0.182当量)及び2.57gのレ
ゼダGP−300を仕込、これに310.4gのMIB
Kを加えてから、温度を70℃に上げて完全に溶解し
た。次いでDER332の50%MIBK溶液62.8
3g(0.182当量)を加え、内容物を300rpm
の速度で撹拌しながら70℃で15時間反応させた。当
初黄色透明の反応液は、反応時間が経過するにつれて次
第に黄褐色・不透明な液に変化し、反応終期においては
黄褐色の均一かつ安定な分散液となった。これにエピコ
ート828の50%MIBK溶液31.42gおよび洗
浄用のMIBK20.0gを2次添加し、さらに同温度
で6時間反応させ、反応終期においては濃いクリーム色
の均一かつ安定な分散液となった。こうして合成した硬
化剤粒子の分散液を比較例5と同じ方法でnーヘキサン
による分散粒子の凝集沈降回収を行い、粒子をガラスフ
ィルターで濾別し、さらに45℃で2日間真空乾燥して
黄色の粉体を87.1%の収率で得た。得られた硬化剤
粒子の体積平均粒子径は4.4μmであった。
【0079】本実施例においては、硬化剤粒子は、比較
例6と同様の粒子を合成した後に、多官能性エポキシ化
合物を31%過剰添加して2段法で合成したものであ
る。
【0080】実施例7 温度計、還流冷却器、滴下漏斗およびテフロン製半月型
撹拌装置を備えた内容積1,000mlの四つ口丸底フ
ラスコに、24.0gの2−メチルイミダゾール及び
3.90gのレゼダGP−300を仕込、これに46
5.03gのMIBKを加えてから、温度を70℃に上
げて完全に溶解した。次いでエピコート828の50%
MIBK溶液107.66gを加え、内容物を300r
pmの速度で撹拌しながら70℃で9時間反応させた。
これに、メチレンジフェニルジイソシアネート(MD
I,日本ポリウレタン工業株式会社製,ミリオネートM
T)の10%MIBK溶液49.04gを漏斗よりゆっ
くりと滴下し、滴下終了後更に同温度で5時間反応さ
せ、反応率をほぼ100%まで到達させた。反応終期に
おいては、やや濃いクリーム色を呈するが均一かつ安定
な分散液となった。こうして合成した硬化剤粒子の分散
液を比較例4と同じ条件で噴霧乾燥し、乾燥したクリー
ム色を帯びた白色の粉末を定量的に得た。得られた硬化
剤粒子の体積平均粒子径は2.9μmであった。
【0081】本実施例においては、硬化剤粒子は、比較
例4と同様の付加体粒子を100%の収率で合成してか
ら、多官能性イソシアネート化合物を付加体粒子に対し
て6%添加して調製したものである。
【0082】実施例8 温度計、還流冷却器、滴下漏斗およびテフロン製半月型
撹拌装置を備えた内容積1,000mlの四つ口丸底フ
ラスコに、24.0gの2−メチルイミダゾール及び
3.90gのレゼダGP−300を仕込、これに46
5.03gのMIBKを加えてから、温度を70℃に上
げて完全に溶解した。次いでエピコート828の50%
MIBK溶液107.66gを加え、内容物を300r
pmの速度で撹拌しながら70℃で9時間反応させた。
更に、エピコート828の50%MIBK溶液13.1
6gを添加して更に同温度で4時間反応させて反応率を
ほぼ100%まで到達させた。次に、メチレンジフェニ
ルジイソシアネート(MDI,ミリオネートMT)の1
0%MIBK溶液49.04gを漏斗よりゆっくりと滴
下し、滴下終了後更に同温度で5時間反応させた。反応
終期においては、外観上実施例7とほぼ変わらない均一
かつ安定な分散液となった。こうして合成した硬化剤粒
子の分散液を比較例4と同じ条件で噴霧乾燥し、クリー
ム色を帯びた白色の粉末を定量的に得た。得られた硬化
剤粒子の体積平均粒子径は3.0μmであった。
【0083】本実施例においては、硬化剤粒子は、同じ
く多官能性エポキシ化合物を8%過剰添加して2段法で
合成し、その後多官能性イソシアネート化合物を付加体
粒子に対して6%添加して調製したものである。
【0084】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 本発明の一態様として、アミン化合物/エポキシ化合物
付加体を合成する際に、反応の過程において過剰の多官
能性エポキシ化合物で処理することを特徴とするが、そ
の効果は、表2に示されている。比較例として、何の処
理もしていないものは、表1に示されている。また、第
2の態様として、上記付加体を合成した後に、多官能性
イソシアネート化合物で処理することを特徴とし、第3
の態様として、上記過剰の多官能性エポキシ化合物で処
理後、更に多官能性イソシアネート化合物で処理するこ
とを特徴とするが、それらの効果は、表3に示されてい
る。これらの表に硬化剤粒子の調製条件と結果、及び硬
化剤としての性質が示されている。また、ジシアンジア
ミド(Dicy)と酸無水物(MHHPA)の硬化促進
剤としての性質が、それぞれ表4と表5に示されてい
る。
【0085】表1から明らかなように、通常の溶液付加
反応(溶媒中で合成,比較例1,2)とバルク付加反応
(無溶媒で合成,比較例3)、続いて溶媒除去・粉砕・
分級の方法(“粉砕法”と称する)及び本願出願人が提
案した有機溶媒中における沈殿または分散付加反応の方
法(比較例4,5,6,“沈殿法”と称する)によっ
て、化学量論的に合成され何の処理もしていないアミン
化合物/エポキシ化合物付加体の破砕状または球状の硬
化剤粒子から調製したエポキシ樹脂硬化組成物は、硬化
剤粒子の形状に関係なく、いずれも100℃と120℃
で速やかに硬化し良好な硬化物性を示すが、貯蔵安定性
は極めて悪い欠点がある。40℃で破砕状の硬化剤粒子
の場合(比較例1,2,3)は、わずか1日間でゲル化
し、また球状の硬化剤粒子の場合(比較例5,6)は若
干良くなっているが2日間でゲル化してしまった。表1
からも分かるように、沈殿法で合成された球状の硬化剤
粒子は、粉砕法で調製された破砕状の硬化剤粒子に比べ
て、比較的粘度が低いエポキシ樹脂硬化組成物を与え
る。また、潜在性が良くなっているのは(特に比較例
4)、おそらく球状粒子の比表面積が比較的に小さく、
また反応に用いた高分子の分散安定剤が粒子の表面上に
固定されて、一種のカプセル化膜を形成しているためで
あると考えられる。
【0086】これに対して、表2から分かるように、ア
ミン化合物/エポキシ化合物付加体を合成する際に、反
応の過程において多官能性エポキシ化合物を過剰量添加
して(反応開始時において過剰量添加する1段法、ある
いは反応途中または付加体形成反応の終了後に過剰量を
加える2段法)で反応させて得られた硬化剤粒子(本発
明)から調製したエポキシ樹脂硬化組成物は、表1の比
較例に比べて、アミンの濃度が同じであれば通常の硬化
温度(120〜150℃)における硬化性能及び硬化物
性はほとんど差がなく良好であるが、貯蔵安定性はかな
り改良されている。文献(A.Farkas and P.F.Strohm,J.
Appl.Polym.Sci.,12,159(1968)とJ.M.Barton and P.M.S
hepherd,Makromol.Chem.,176,919(1975))によれば、ア
ミン化合物によるエポキシ樹脂の硬化反応の際に、重合
反応よりも付加反応が先に起こることが示唆される。従
って、本発明で付加体の形成反応の過程において、多官
能性エポキシ化合物を任意の段階に過剰量添加すること
によって、付加体粒子が先に形成した後に、その表面上
に過剰量の多官能性エポキシ化合物によって重合エポキ
シ樹脂のカプセル化層が形成されると考えらる。このカ
プセル化層は硬化剤の潜在性の改良に寄与していると考
えられ、反応に用いた多官能性エポキシ化合物の添加量
が多いほど潜在性がより改良されることが観察される
(実施例1〜3)。更に、これを反映して多官能性エポ
キシ化合物の過剰添加量が多い場合(実施例3〜6)に
は、100℃以下では硬化性が若干遅くなるが、室温及
び40℃において極めて長い貯蔵安定性を示し、潜在性
が極めて優れていることが示される。また、得られた硬
化剤粒子の粒子径は、多官能性エポキシ化合物の添加量
が多いほどわずかではあるが増大する傾向を示し、粒子
収率的にはほとんど変わらず、ほぼ100%の収率で回
収することができる。更に、反応方式による違いはほと
んど見られないが、仕込み最初の段階で多官能性エポキ
シ化合物を過剰添加する1段法で得られた硬化剤粒子
(実施例3,Gel Time=122 sec/10
0℃)に比べて、付加体粒子形成後に多官能性エポキシ
化合物を過剰添加する2段法で得られた硬化剤粒子(実
施例4,Gel Time=105sec/100℃)
は、反応性が比較的高いようである。
【0087】表3に本発明の第2と第3の態様の効果を
示す。アミン化合物/エポキシ化合物付加体の硬化剤粒
子に多官能性イソシアネート化合物で処理することによ
って付加体粒子の表面上にウレタン樹脂の生成によるカ
プセル化層が形成されると考えられ、硬化剤の潜在性の
改良に寄与する。また、上記多官能性エポキシ化合物を
過剰添加して反応させた後に、更に多官能性イソシアネ
ート化合物で処理すると、一層の相乗効果が期待され
る。表3に示す通り、なにも処理していない付加体の硬
化剤粒子(比較的4)に比べて、付加反応終了後に更に
多官能性イソシアネート化合物で処理して得られた硬化
剤粒子(実施例7)は、多官能性エポキシ化合物を過剰
添加する場合と同様に潜在性が改良される。また多官能
性エポキシ化合物を過剰添加して反応させた後に、更に
多官能性イソシアネート化合物で処理して得られた硬化
剤粒子(実施例8)は、通常の硬化温度(120〜15
0℃)ではエポキシ樹脂を速やかに硬化して優れた物性
を与えると共に、かかる硬化剤から調製したエポキシ樹
脂硬化組成物の貯蔵安定性が大幅に改良され、40℃に
おいて1週間貯蔵してもほとんど増粘しない、また室温
において1年以上の可使時間を示すことが分かった。
【0088】表4と表5に、実施例3〜8で得られた硬
化剤粒子を高温硬化型硬化剤用の硬化促進剤として用い
た場合の性質を比較例4〜6と比較して示している。該
表から明らかなように、本発明に従って調製した硬化剤
粒子は、ジシアンジアミド(表4)及び酸無水物(MH
HPA,表5)の硬化促進剤として用いた場合、120
℃以上では勿論のこと、硬化温度を100℃まで下げる
こともでき、しかも100℃において15〜20分間の
短時間でエポキシ樹脂を硬化させることができた。ま
た、40℃で1週間保存してもほとんど増粘することな
く、比較例に比べて貯蔵安定性はかなり優れていること
が観察された。更に、得られた硬化体も良好な硬化物性
を示した。
【0089】(発明の効果)以上のように、沈殿または
分散付加反応によって球状のアミン化合物/エポキシ化
合物付加体粒子を合成する際に、(a)過剰の多官能性
エポキシ化合物、(b)多官能性イソシアネート化合
物、または(c)過剰の多官能性エポキシ化合物及び多
官能性イソシアネート化合物のいずれかで処理すること
により、粒子の表面上にエポキシ樹脂の重合またはウレ
タン樹脂の生成によるカプセル化膜が形成されるため、
得られた付加体粒子のエポキシ樹脂用硬化剤として、通
常の硬化温度(120〜150℃)における硬化性能、
硬化物性を損なうこともなく、潜在性を大きく改良する
ことができ、更に高温硬化型硬化剤、例えばジシアンジ
アミドや酸無水物の硬化促進剤として併用した場合に
は、低温速硬化性、貯蔵安定性及び硬化物性に優れたエ
ポキシ樹脂硬化組成物を与えることも可能であった。
【0090】また、本発明による潜在性硬化剤粒子微粉
体の製造及び回収プロセスは、実施例からも明らかなよ
うに従来の粉砕法に比べてかなり簡略化されるため、製
造コストが安くなることが期待される。また、得られた
硬化剤粒子は球状の微粉体であるので、(1)かさ密度
が高く、包装と輸送コストの低減に寄与する;(2)エ
ポキシ樹脂に対する分散性がよく、より均質な硬化構造
を与える;(3)配合物の粘度上昇が小さく、配合設計
の自由度を高めることができる;(4)硬化剤そのもの
は微粉体であるので室温において経年貯蔵しても変質し
ない;などの利点を示す。更に、上述の優れた性能を有
していることから、1成分系エポキシ樹脂硬化組成物の
利点を十分に生かせるものと考えられる。
【0091】この特性を生かして、本発明の球状の潜在
性硬化剤粒子は、広い分野への1成分系エポキシ樹脂硬
化組成物の提供を可能にする。期待される提供分野とし
ては、構造接着剤分野、例えば車両組立用接着剤、光学
機械組立用接着剤、電子・電気機器組立用接着剤など;
塗料分野、例えば粉体塗料、焼付け塗料など;電子分
野、例えばプリント配線基板ガラスクロス含浸材、IC
チップ封止材、導電性塗料、ソルダーレジストインキ、
ダイボンディング用接着剤、プリント基板接着剤、導電
性接着剤など;電気分野、例えば電気絶縁材料、コイル
含浸材、バッテリーケース接着剤、テープヘッド接着剤
などが挙げられる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミン化合物とエポキシ化合物から合成
    される形状が球状の付加体であって、その表面上に更に
    多官能性エポキシ化合物により形成される被包層を有す
    ることを特徴とするエポキシ樹脂用潜在性硬化剤。
  2. 【請求項2】 アミン化合物とエポキシ化合物から合成
    される形状が球状の付加体であって、その表面上に更に
    多官能性イソシアネート化合物により形成される被包層
    を有することを特徴とするエポキシ樹脂用潜在性硬化
    剤。
  3. 【請求項3】 アミン化合物とエポキシ化合物から合成
    される形状が球状の付加体であって、その表面上に更に
    多官能性エポキシ化合物により形成される被包層を有
    し、更に該エポキシ被包層上に多官能性イソシアネート
    化合物により形成される被包層、又はそれらの混合被包
    層を有することを特徴とするエポキシ樹脂用潜在性硬化
    剤。
  4. 【請求項4】 アミン化合物と、該アミン化合物に対し
    て過剰量の多官能性エポキシ化合物とを分散安定剤の存
    在下において、そのアミン化合物及びそのエポキシ化合
    物を共に溶解するが、両者から生成する付加体は溶解し
    ない有機溶媒中で反応させることを特徴とする請求項1
    記載のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 アミン化合物とエポキシ化合物とを分散
    安定剤の存在下において、そのアミン化合物及びそのエ
    ポキシ化合物を共に溶解するが、両者から生成する付加
    体は溶解しない有機溶媒中で反応させ、該反応中又は該
    反応の終了後に更なる多官能性エポキシ化合物を添加し
    て更に反応を行わせることを特徴とする請求項1記載の
    エポキシ樹脂用潜在性硬化剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 アミン化合物とエポキシ化合物とを分散
    安定剤の存在下において、そのアミン化合物及びそのエ
    ポキシ化合物を共に溶解するが、両者から生成する付加
    体は溶解しない有機溶媒中で反応させた後、多官能性イ
    ソシアネート化合物を添加して更に反応を行わせること
    を特徴とする請求項2記載のエポキシ樹脂用潜在性硬化
    剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 アミン化合物と、該アミン化合物に対し
    て過剰量の多官能性エポキシ化合物とを分散安定剤の存
    在下において、そのアミン化合物及びそのエポキシ化合
    物を共に溶解するが、両者から生成する付加体は溶解し
    ない有機溶媒中で反応させた後、多官能性イソシアネー
    ト化合物を添加して更に反応を行わせることを特徴とす
    る請求項3記載のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 アミン化合物とエポキシ化合物とを分散
    安定剤の存在下において、そのアミン化合物及びそのエ
    ポキシ化合物を共に溶解するが、両者から生成する付加
    体は溶解しない有機溶媒中で反応させ、該反応中又は該
    反応の終了後に更なる多官能性エポキシ化合物を添加し
    て更に反応を行わせた後、更に多官能性イソシアネート
    化合物を添加して更に反応を行わせることを特徴とする
    請求項3記載のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキ
    シ樹脂用潜在性硬化剤とエポキシ樹脂を主たる構成成分
    とする一液型熱硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 エポキシ樹脂と高温硬化型硬化剤を主
    たる構成成分とし、これに請求項1〜3のいずれかに記
    載のエポキシ樹脂用潜在性硬化剤を硬化促進剤として加
    えてなる一液型熱硬化性組成物。
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