JPH0672276B2 - 低圧開閉器具のための接点材料の製造方法 - Google Patents

低圧開閉器具のための接点材料の製造方法

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JPH0672276B2
JPH0672276B2 JP60127037A JP12703785A JPH0672276B2 JP H0672276 B2 JPH0672276 B2 JP H0672276B2 JP 60127037 A JP60127037 A JP 60127037A JP 12703785 A JP12703785 A JP 12703785A JP H0672276 B2 JPH0672276 B2 JP H0672276B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、AgSnO2、Bi2O3及びCuOからなる低圧開閉器具
のための接点材料の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
電力用の低圧開閉器具のために、例えば接触器あるいは
配線用遮断器において、銀−酸化金属(AgMeO)を基礎
とした接点材料が特に有効なものと知られている。従来
は、有効成分としては特に酸化カドミウムが用いられ、
この接点材料は特に所望の電気的特性を満たし、開閉器
具の実際の長時間使用において実証されている。しかし
カドミウムは有害な重金属に属し、接触子が焼損する際
にCdOが周囲にも放出されるから、しばらく前からCdOを
できるだけ他の金属酸化物で置き換える努力がなされて
いる。しかしてこの代わりとなる接点材料は、アーク中
での消耗が少なく、また溶着力が小さく、特に連続通電
の際の温度上昇がAgCdO接点材料で得られている程度に
小さいものでなければならない。
これまでカドミウムをスズあるいは亜鉛で置き換えるこ
とが試みられた。これまで提案されているAgSnO2および
AgZnO接点材料は、しかし全体としてAgCdO接点材料の高
度の特性には達することができなかった。特にAgCdOに
対する代替材料としてのAgSnO2からなる接触子において
は、酸化物被覆層の形成によるアークの作用後の高い熱
的安定性のもとづき、AgCdOに比較して高い接触抵抗を
示す。それによって開閉器の通電状態においては、許容
できない高い温度が接触機構にあらわれ、開閉器の損傷
に導くことがある。しかしAgSnO2接点はAgCdOに比較し
て消耗が少なく、そのため接点寿命は長くなる。従って
必要な接点の大きさをAgCdOに比較して小さくすること
ができ、それによって必要な銀の量をかなり節約するこ
とができる。
AgSnO2基礎材料を改善するため、付加の有効成分として
別の金属酸化物を添加することは公知である。英国特許
第2055398号明細書によれば、3〜15重量%のスズ、0.0
1〜1重量%のビスマス、及び0.1〜8.5重量%の銅を含
む銀合金から作られた接点材料が知られている。この材
料には、さらに0.01〜0.5重量%の1種又は複数種の鉄
族元素を含ませることができる。金属酸化物を有する接
点材料を作るため、上述の銀合金は薄い片として650℃
で約200時間酸化される。このようにして作られた接点
材料から電気接触子が作られ、開閉特性及び機械特性は
試験されているが温度特性は試験されなかった。この場
合出発物質がAgSnBiCuの構成を有する限り、スズの含有
量は8.5を越え比較的高かった。
またドイツ連邦共和国特許出願公開第275433号明細書か
ら、主成分として金属成分、残りの成分として金属酸化
物を有する電気接点材料が知られており、その金属成分
は主として銀であり、それに場合によってはスズを含
み、金属酸化物成分は主としてビスマス酸化物又はスズ
酸化物である。そのビスマス酸化物中のビスマスの量並
びに金属成分及び金属酸化物成分の内のスズの全体量
は、金属成分と金属酸化物成分の内の金属成分との和に
関してそれぞれ1.5%〜6重量%、0.1〜6重量%であ
る。さらに金属酸化物成分は銅酸化物又はスズ酸化物を
添加物として含むことができ、添加酸化物の金属は金属
成分と金属酸化物成分中の金属成分との和に関して0.01
6〜1.2重量%である。硬度、溶着傾向及び溶減について
調べられた材料においてはSnO2の含有量は大抵僅かであ
り、4重量%より小さい。ドイツ連邦共和国特許出願公
開第2754335号明細書に示される材料(例18)において
のみスズ成分は高く(4Bi−6Sn−1.2Cu−Ag)、この例
では全酸化物に対するSnO2の体積分量は比較的僅かであ
る。
以上述べたような公知の材料は、低圧開閉器具の接点材
料に使用する上にはなお実際上の要求を全く満たしてい
ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、低圧開閉器具に使用するのに特に適し
た組織を有する接点材料の製造方法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上述の目的を達成するため、本発明においては、AgSn
O2、Bi2O3及びCuOからほぼ無空孔の接点材料を作るため
の方法であって、出発物質としての粉末に順次焼結、熱
間緻密化又は冷間緻密化を行い、その出発物質として、
微粒化及び内部酸化によりAgSnO2Bi2O3CuOの構成の複合
粉末が作られるあらかじめ与えられた組成のAgSnBiCu合
金と、別に作られたBi2O3からなる金属酸化物粉末とを
使用し、前記AgSnBiCu合金の組成及び別に作られたBi2O
3粉末の量は、全金属酸化物の体積分量は全酸化物量の5
0%以上、70%未満の体積分量のSnO2を含んで10〜25%
の間にあり、SnO2の質量分量は4〜8%の範囲にあり、
SnO2のCuOに対する%質量分量の比が8:1と12:1との間に
あり、SnO2のBi2O3に対する%質量分量の比が1:1と3:1
との間にあるように選ばれる。
所定の組成のAgSnO2Bi2O3CuO粉末に所定の量のBi2O3
末を添加すると有利である。
本発明によれば、全酸化物量に対するSnO2分量を低減す
ることができる。SnO2分量を低くすることにより、種々
の大きさの酸化物粒子を持った特殊の組織が生じ、混合
酸化物を形成しながら晶粒の再生成が行われる。Bi2O3
の分布を種々にすることによって、電気特性をさらに良
好に調整することができる。
本発明をさらに詳細に説明し、利点を明らかにするため
に、以下に実施例をあげる。焼結接点材料を製造するた
めに、個々の成分の質量分量が%で示され、それから密
度の異なることに基づき酸化物の体積分量が生じる。
〔実施例〕
93.60%の純銀粒子、5.20%のスズ粒子、0.6%の砕片と
しての金属ビスマスおよび0.6%の棒状の銅から、上述
の組成のAgSnBiCu合金を1353Kにおいて融解する。その
融体を加圧噴霧装置中で水中に飛散させることによっ
て、それから同じ組成の合金粉末を得る。乾燥の後に20
0μmより小さい粉末分をふるい分ける。この粉末分
を、酸素を含む雰囲気中で773Kと872Kの間で内部酸化
し、その後に92.10%Ag、6.50%SnO2、0.66%Bi2O3およ
び0.74%CuOの質量分量の組成のAgSnO2Bi2O3CuOからな
る複合粉末が得られる。このような複合粉末は量的に完
全に内部酸化されており、いわゆるIOLPと呼ばれる。
上述のAgSnO2Bi2O3CuO複合粉末に、複合粉末に関して質
量分量で2.7%のBi2O3を鋼球を用いた攪拌ボールミル中
でプロパノールのもとでの湿式混合により添加した。乾
燥の後、複合粉末と酸化ビスマス粉末とからなる粉末混
合物から銅球をふるい分けによって分離した。接点材料
のための原料(複合粉末および酸化ビスマス)の組成
は、その結果質量分量で89.46%Ag、6.33%SnO2、3.27
%Bi2O3および0.72%CuOとなる。
こうして作られた原料から電力用低圧開閉器具のための
接触子として使用するため、ろう付け可能な銀層を備え
た二層成形部品を製作するのが有利であり、その場合接
触子の強化は、実際上空孔のない材料にするための気中
焼結、高温緻密化、焼結および冷間緻密化によって行わ
れる。それには従来技術で通常の方法技術が用いられ
る。
材料の焼結の際にもとの複合粉末粒子の外側領域の晶粒
再生成が混合酸化物を形成しながら行われる。この領域
にはそれ故粒子の内部より局部的に高いBi2O3濃縮が生
ずる。
このようにして製造された材料の組織は、二つに分かれ
た酸化物析出を示す。一方には平均して約2μmの直径
(d)を持つ粗い酸化物析出が、そして他方には1μm
より小さい直径(d)を持つ細かい酸化物析出が生じ、
その場合後者はもとの複合粉末の粒子の内部に配されて
いる。
図はそのようにして製造された材料の組織を備えた金属
組織顕微鏡観察図(400:1)を示し、それから混合酸化
物析出の典型的な分布を見ることができる。図におい
て、1は内部酸化後の合金粉末から生ずるそれぞれの領
域を示す。この領域に存在する細かい酸化物析出2は1
μmより小さい直径を有し、ほぼ統計学的に分布してい
る。領域1の間に、平均して約2μmの直径を有する粗
い酸化物析出4を備えた領域3が存在する。
本発明により製造された接点材料によって、試験開閉器
において溶着力を調べた。得られた測定値は、内部酸化
合金粉末から製造されたAgCdO12Bi2O31.0接点材料のそ
れにほぼ相当する。さらにモータ保護用接触器において
寿命および温度上昇試験が実施された。その場合の主要
な特性値は、接触子のAC4寿命開閉数および通電導体の
超過温度である。AgCdO12Bi2O31.0材料に比較して寿命
開閉数は約2.4倍だけ高く、超過温度は約10℃までのよ
り高い値が得られたにすぎない。
表に本発明による材料と公知の材料との比較値がまとめ
られている。
本発明において、とりわけ相対的な含有量は、特にビス
マス含有量を所期のように増加させることによって低減
される。これは特にIOLPにBi2O3粉末を別に添加するこ
とによって行うことができる。その際諸特性にとって決
定的な全金属酸化物についての体積分量は、量的な内部
酸化物所定の範囲内に留まる。電気的な開閉挙動におい
ても予期しない良好な結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
図は本発明による接点材料の顕微鏡組織図である。 2……微細酸化物析出、4……粗酸化物析出。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01H 11/04 Z 8936−5G

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AgSnO2、Bi2O3及びCuOからほぼ無空孔の接
    点材料を作るための方法であって、出発物質としての粉
    末に順次焼結、熱間緻密化又は冷間緻密化を行い、その
    出発物質として、 微粒化及び内部酸化によりAgSnO2Bi2O3CuOの構成の複合
    粉末が作られるあらかじめ与えられた組成のAgSnBiCu合
    金と、 別に作られたBi2O3からなる金属酸化物粉末と を使用し、前記AgSnBiCu合金の組成及び前記別に作られ
    たBi2O3粉末の量は、 全金属酸化物の体積分量が全酸化物量の50%以上、70%
    未満の体積分量のSnO2を含んで10〜25%の間にあり、 SnO2の質量分量が4〜8%の範囲にあり、 SnO2のCuOに対する%質量分量の比が8:1と12:1との間に
    あり、 SnO2のBi2O3に対する%質量分量の比が1:1と3:1との間
    にある ように選ばれることを特徴とする低圧開閉器具のための
    接点材料の製造方法。
  2. 【請求項2】AgSnBiCu合金の濃度と別に作られたBi2O3
    粉末の量とは、SnO2の体積分量が全酸化物量の約65%と
    なるように選ばれることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】AgSnBiCu合金の濃度と別に作られたBi2O3
    粉末の量とは、SnO2のCuOに対する%質量分量の比が約
    9:1となるように選ばれることを特徴とする特許請求の
    範囲第2項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】AgSnBiCu合金の濃度と別に作られたBi2O3
    粉末の量とは、SnO2のBi2O3に対する%質量分量の比が
    約9:5となるように選ばれることを特徴とする特許請求
    の範囲第2項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】あらかじめ与えられた組成のAgSnO2Bi2O3C
    uO粉末にあらかじめ与えられた量のBi2O3粉末が添加さ
    れることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】AgSnBiCu合金を作るため、93.60%の純銀
    と、5.2%のスズと、0.60%の金属ビスマスと、0.60%
    の銅とを融解して加圧微粒化し、完全な内部酸化後AgSn
    O2Bi2O3CuO複合粉末に攪拌ボールミル中で湿式混合によ
    り2.63%のBi2O3金属酸化物を添加することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか1項記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】湿式混合の際、有機溶剤としてプロパノー
    ルが使用されることを特徴とする特許請求の範囲第6項
    記載の製造方法。
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