JPH067101A - 加圧加熱殺菌処理麺の製造方法 - Google Patents

加圧加熱殺菌処理麺の製造方法

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JPH067101A
JPH067101A JP3005814A JP581491A JPH067101A JP H067101 A JPH067101 A JP H067101A JP 3005814 A JP3005814 A JP 3005814A JP 581491 A JP581491 A JP 581491A JP H067101 A JPH067101 A JP H067101A
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Ryusuke Nakanaga
隆介 中永
Shozo Sugano
祥三 菅野
Misako Hirooka
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 蛋白原料を含有する内層と澱粉類を外層全体
の10〜80重量%含有する外層からなる多層麺を調製
し、茹上り後の水分含量が55〜77重量%となるよう
に茹た後、冷却処理し、次いで加圧加熱殺菌処理して、
加圧加熱殺菌麺を製造する方法。 【効果】 風味が良好で短時間の加温で喫食できるとと
もに十分なコシを有する多層麺が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧加熱殺菌処理麺の
製造方法に関し、特にスープと共に喫食するタイプの麺
として好適な加圧加熱殺菌処理した多層麺の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加圧加熱殺菌処理麺の製造方法に
ついては、例えば特公昭59−12264号公報や特公
昭63−59668号公報等に開示された方法が知られ
ている。このうち、特公昭59−12264号公報の方
法は、麺線の茹を加圧加熱殺菌処理時に行わせる点に特
徴の1つがあるが、このように加圧加熱殺菌処理時に茹
を行って得られた麺は、通常の茹麺と比較して風味が悪
くなるという問題があった。一方、特公昭63−596
68号公報には、水分30〜50重量%の麺を加圧加熱
殺菌処理する方法が開示されているが、こうした方法に
より得られた麺は水分が低いために、ラーメン等のスー
プと共に喫食するタイプの製品では、喫食に際して麺を
比較的長い時間熱湯により茹でて麺に吸水させる必要が
あり、簡便性の点から充分に満足できるものではなかっ
た。
【0003】本発明者等は、上記した従来の技術に鑑
み、加圧加熱殺菌処理前の麺線を茹で麺線の水分が55
〜77重量%となるように茹麺の調製を行ったところ、
風味が良くなると共に、喫食に際して麺線は既に十分な
水分を含んでおり、短時間の加温のみで喫食できる加圧
加熱殺菌処理麺を得ることができる。
【0004】しかしながら、こうして得た加圧加熱殺菌
処理麺、特にラーメンを短時間茹でた後、スープと共に
喫食したところ、加圧加熱殺菌処理を施さない常法によ
り得られたラーメンと比較してコシが弱いとの問題があ
った。
【0005】本出願人は、十分なコシを有する加圧加熱
殺菌処理麺を製造する方法として、茹処理後に冷却処理
を施すことを骨子とする方法について既に特許出願して
いる(特願平2−46940号)。そこで、該方法を上
記ラーメン等のスープと共に喫食するタイプの加圧加熱
殺菌処理麺について採用したところ、確かにコシは向上
するものの、さらにコシの強いものが好ましいことが判
明した。
【0006】そこで、本発明者等はこうしたスープと共
に喫食するタイプの加圧加熱殺菌処理麺のコシを強くす
る方法について鋭意研究を行った。結果、スープと共に
喫食するタイプの麺の場合には、加圧加熱殺菌処理麺は
加圧加熱殺菌処理を施さない常法により得られた麺と比
較して、加圧加熱殺菌処理によるダメージがあることに
加えて、麺線の表面部分と中心部分との水分差が小さく
なることがコシが低下する大きな要因であることを見出
した。すなわち、加圧加熱殺菌処理を施さない常法によ
り得られた麺は、表面部分の水分が高いのに対して中心
部分の水分が低くこれが中心部分の硬さ、いわゆるコシ
になっていたのである。これに対して、加圧加熱殺菌処
理麺は加圧加熱殺菌を行うことにより麺線全体の水分が
ほぼ均一になる。結果、熱湯により短時間の加温処理を
しただけでは、麺線の表面部分と中心部分との水分差が
さほど大きくならず、加圧加熱殺菌処理のダメージと相
俟って十分なコシを有するものとはならなかったのであ
る。
【0007】一方、従来、乾燥麺、茹麺等のコシを強く
する方法としては、特公昭54−40621号、特公昭
56−54129号、特公昭56−49540号に多層
麺の製造方法について開示があり、いずれの公報にも内
層に蛋白質を含有させること又は蛋白質の含有率を大き
くすることにより、コシが強くなることが開示されてい
る。
【0008】しかしながら、この多層麺に単に加熱殺菌
処理を施しても風味が良好で且つ短時間の加温で喫食し
得ることができ、常法により得られる麺と同等なコシを
有する加圧加熱殺菌処理麺を得ることができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、風味
が良好で且つ短時間の加温で喫食し得ることができ、更
に加圧加熱殺菌処理を施さない常法により得られる麺と
同等なコシを有する加圧加熱殺菌処理麺の製造法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の原料を
含有する多層麺を茹上り後の水分が55〜77重量%と
なるように茹処理を施した後、冷却処理を施し、次いで
加圧加熱殺菌処理を施すことにより上記課題を解決でき
るとの知見に基づいてなされたのである。
【0011】すなわち、本発明は、(a)蛋白質原料を
含有する内層と澱粉類を外層全体に対して10〜80重
量%含有する外層とからなる多層麺を調製する工程、
(b)上記多層麺に茹上り後の水分が55〜77重量%
となるように茹処理を施す工程、(c)上記茹処理を施
した多層麺に冷却処理を施す工程、(d)上記茹処理及
び冷却処理を施した多層麺に加圧加熱殺菌処理を施す工
程を採用することを特徴とする加圧加熱殺菌処理麺の製
造方法を提供する。
【0012】本発明で用いる多層麺としては、平板状麺
を3枚重ねた形態であって、外側から外層、内層及び外
層となっている層麺、内層コア、外層シェルの形態の麺
を例示することができる。ここで、内層に蛋白原料を含
有することを特徴とする。
【0013】蛋白原料としては、油糧種子蛋白(大豆蛋
白粉、綿実粉、落花生粉、ゴマ等)、穀粉蛋白(小麦グ
ルテン等)、酵母蛋白(酵母粉末エキス)、藻類(クロ
レラ粉末、スピルリナ粉末等)が適用でき、動物蛋白と
しては卵類、乳蛋白類(カゼイン、ラクトアルブミン
等)、魚介類(スケソウすり身等)、畜肉類が適用でき
る。上記例示した蛋白原料は、各々単独で使用しても良
いし、数種のものを適宜混合して使用しても良いが、目
的とする麺がラーメンの場合にはラーメンらしい風味・
食感を付与するために、小麦粉グルテンと卵類を併用す
るのが最も好ましい。また、内層には蛋白原料の他に小
麦粉・糊化料を併用しても良い。糊化料としてはスクレ
ロガム、ジェランガム、キサンタンガム等のガム類等が
ある。蛋白原料・糊化料・小麦粉等の種類・配合割合
は、外層より内層の方が粘弾性が高くなるように適宜決
定すれば良いが、内層は蛋白原料を8〜100重量%、
好ましくは8〜50重量%(原料粉体当り)含有するの
がよい。
【0014】次に、外層は、澱粉を10〜80重量%
(原料粉体当り)含有するものである。澱粉の含有量が
外層全体の10重量%を下回る場合には、得られる加圧
加熱殺菌処理麺が十分にコシを感じさせないものとなる
傾向にあり、更に、口当りの滑らかさに欠ける傾向にあ
る。一方、80重量%を越える場合に製麺時に外層が切
れ安定的に多層麺を得ることができない虞がある。使用
する澱粉としては、例えば穀類澱粉(小麦粉澱粉、米
粉、米澱粉、コーンスターチ等)、いも類澱粉(馬鈴薯
澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等)豆類澱粉(緑豆澱粉
等)がある。また、外層には澱粉の他に、適宜小麦粉、
かん水、食塩、水及びレシチン、グリセリン脂肪酸エス
テル、シュガーエステルなどを配合することができ、澱
粉10〜80%、小麦粉90〜20%を含有するのがよ
い。より好ましくは、内層及び外層とも蛋白質を含有す
るが、内層の方が外層よりも20〜300%多く含有す
るのが好ましい。具体的には、内層の蛋白質含量9.5〜
75重量%、外層の蛋白質含量2.5〜12重量%であ
る。尚、内層は添加する澱粉を実質的に含まないのが好
ましい。さらに、内層、外層とも小麦粉を20〜80重
量%含有するのが好ましい。
【0015】工程(a)では、上記原料を用いて多層麺
を調製する。例えば、上記3層麺は、内層の原料と外層
の原料とをそれぞれ別々混捏した後、それぞれを圧延及
び/又は展延して粗シートとすることができる。次に、
内層用粗シートを2枚の外層用粗シートにより挟み、圧
延及び/又は展延して麺帯とした後、該麺帯を切り出し
麺線を得る。
【0016】また、麺線を得るための別の方法として
は、押し出し成型機を利用する方法がある。この場合、
得られる3層麺を、内層部分が完全に外層部分により覆
われ断面以外は麺表面に露出しない構造とすることがで
きる。
【0017】上記内層と外層との厚さの比率は、内層の
厚さを外層の厚さの1.5倍以上、好ましくは2.0〜3.5
倍とするのが望ましい。
【0018】次に、得られた麺線を必要によりウェービ
ングする。これにより、得られる加圧加熱殺菌処理麺の
麺どうしの結着を有効に防止することができる点で好ま
しい。次に、得られた麺線に必要により蒸煮処理を施
す。この工程は、主に前記ウェービングを行った場合に
ウェーブを固定するために行うのであるが、上記ウェー
ビングを行わない場合にも、得ようとする麺線の食感の
調整のため等に採用することもできる。
【0019】この場合、蒸煮の条件は、原料配合、麺線
の水分、麺線の太さ、後工程の茹条件、得ようとする麺
の食感等により異なるものであるが、例えば、切り刃#
18〜24番で切り出しを行うラーメンの場合、90℃
以上で30秒以上好ましくは97〜103℃で1分〜3
分が望ましい。次に、必要により麺線を例えば30〜5
0cmの適当な長さに切断する。該切断処理は蒸煮処理前
に行うこともできる。
【0020】次いで、工程(b)において上記麺線に茹
処理を施す。この場合、麺として、前記した如く調製さ
れた生麺又は蒸煮麺を使用するのであるが、その他にも
蒸煮麺又は茹麺に乾燥処理を施し乾麺としたものを使用
することもできる。
【0021】本発明においては、上記茹の工程において
麺線の茹を実質的に完了する(麺線が喫食可能になるま
で茹る)ように行うことが好ましい。これにより、茹を
行わず後工程の加圧加熱殺菌処理時に茹を行わせる場合
と比較して、得られる加圧加熱殺菌処理麺の風味及び食
感を茹麺本来のものと同等な良好なものとすることがで
きる。茹条件は、90℃以上、好ましくは95℃以上の
温度で茹上り後の麺線水分が55〜77重量%、好まし
くは62〜74重量%となるように行うのがよい。上記
範囲を下回る場合には、得られる加圧加熱殺菌処理麺は
穀粉臭の低減が充分でなく、風味の良くないものとなる
傾向があり更に喫食に際して吸水のために熱湯での処理
が長時間となる傾向にある。一方上記範囲を越える場合
には得られる加圧加熱殺菌処理麺の食感が充分にコシの
あるものとならない傾向にある。
【0022】次に、工程(c)において得られた茹麺に
冷却処理を施す。これにより、得られる加圧加熱殺菌処
理麺が更にコシのある食感となると共に、麺線どうしの
結着を有効に防止し得、調理時等のほぐれの良好な加圧
加熱殺菌処理麺を得ることができる。これは、冷却によ
り澱粉ゲルが強化されるためであると推定される。
【0023】上記冷却の方法は、麺線を冷却し得るもの
であれば特に制限されず、例えば麺線を水冷却する方
法、炭酸ガス又は空気等の冷気を吹き付ける方法等があ
るが、水冷却する方法を採用すると、茹麺表面のぬめり
を除去することができ、麺線どうしの結着を有効に防止
することができ、且つ調理時等のほぐれや喫食時の口当
りを更に良好となし得る点で望ましい。水冷却する方法
としては、具体的には茹麺に水シャワー(滝状に流す水
の中に茹麺を通過させる場合を含む)する方法、流水又
は静水中に浸漬する方法及び該上記2方法を併用する方
法等があるが、最後の方法が前述した効果の点及び麺線
の冷却を短時間で行うことができる点で最も望ましい。
【0024】上記冷却の条件は、茹麺の品温が冷却開始
後60秒以内、好ましくは30秒以内に40℃以下、望
ましくは10〜30℃、更に望ましくは10〜25℃に
なることが適当である。前記した茹麺に水シャワーする
方法及び流水又は静水中に浸漬する方法を併用する場
合、5〜40℃、好ましくは5〜25℃の水を、茹麺1
00gに対して0.1〜10リットル/秒、好ましくは0.
3〜2リットル/秒の割合で5〜30秒、好ましくは5
〜15秒間滴下又は水シャワーした後、5〜40℃、好
ましくは5〜25℃の水に10〜120秒、好ましくは
15〜60秒間浸漬する。
【0025】次に、必要により麺線に有機酸水溶液を付
着させると得られる加圧加熱殺菌処理麺の加圧加熱殺菌
処理時に褐変が発生するのを防止できるので好ましい。
特に上記内層及び/又は外層の原料として、かん水を使
用しているものは褐変が顕著に生じるので有用である。
この場合有機酸としては、例えばリンゴ酸、クエン酸、
酒石酸等が挙げられる。また、有機酸は麺のpHが6.4〜
7.8になるようにするのが適当である。更に、有機酸の
付着方法としては、有機酸水溶液を麺線に噴霧、塗布す
る方法又は麺線を有機酸水溶液に浸漬する方法がある
が、浸漬する方法が工業的生産上最も効率的である。こ
の場合、麺線の水分が上記した範囲を越えないように温
度等の条件を調製することが望ましい。
【0026】次に、該麺線を必要によりほぐす。その際
又はその後、麺線に油脂及び/又は乳化液を付着させる
こともできる。これにより、麺線どうしの結着を更に有
効に防止し得、麺線のほぐれを一層良好とすることがで
きる。この場合、油脂単独で使用すると分散性が充分で
なく油脂の使用量によっては脂っこい食感となることが
あり、一方、乳化液の単独使用の場合、所望の油脂量と
なるように乳化液を付着させると、乳化液中の水により
茹麺への過剰な吸水を招き食感が低下する場合があるの
で、こうした問題の少ない油脂及び乳化液の併用が実用
上最も好ましい。
【0027】上記油脂の種類としては、食用の油脂であ
れば特に制限されず、例えばラード・ヘッド等の動物油
及び例えば綿実油・大豆油・菜種油・椿油・パーム油等
の植物油が好適に利用できる。また、使用量としては、
油脂単独で使用する場合、茹麺100重量部に対して0.
2〜8重量部、好ましくは0.5〜2重量部が適当であ
る。
【0028】また、乳化液はO/W型のものを使用する
ことができる。乳化液に使用する油脂としては上記した
ものを用いれば良く、一方乳化剤としては例えはレシチ
ン、ショ糖脂肪酸エステル等が好適に使用できる。ま
た、上記乳化液中の油脂:水の比率(重量比)は1:9
9〜50:50、好ましくは6:94〜50:50が適
当である。50:50より水の比率が低くなる場合に
は、乳化液を調製するのが困難になる傾向がある。ま
た、使用量としては、乳化液単独で使用する場合、茹麺
100重量部に対して約0.5〜10重量部が適当であ
る。
【0029】また、上記油脂と乳化液とを併用する場
合、使用量としては茹麺100重量部に対して乳化液0.
5〜1.5重量部及び油脂0.5〜2.0重量部が適当であ
る。更に、上記範囲で乳化液と油脂全体で使用する油
脂:水の比率を50:50より水の比率を低くなるよう
に、乳化液の配合、乳化液及び油脂の使用量を決定する
ことにより、同量の油脂を含有する乳化液を単独で使用
する場合と比較して茹麺に余剰の水を吸着させることな
く、茹麺の過度の膨潤を有効に防止することができる。
上記油脂及び/乳化液の付着方法としては、特に制限さ
れず、噴霧・浸漬・塗布等の手段がある。
【0030】次に、得られた麺線を耐熱性を有する袋等
に充填するが、この際、麺線の水分は上記した茹上り後
の麺線の水分範囲にあることが望ましい。上記耐熱性の
袋としては、加圧加熱殺菌に耐え得る耐熱性を有するも
のであればすべて使用することができる。例としてナイ
ロン、ポリプロピレン等の合成樹脂製のレトルトパウチ
がある。次に、必要により袋中の空気を窒素ガス・炭酸
ガス等の不活性ガスと置換した後、袋の開口部をヒート
シール等の手段により密封する。
【0031】この場合、袋の含気率(密封後の袋内部の
気体の体積/密封後の袋の全容積)としては40容量%
以下、好ましくは20〜35容量%、更に25〜35容
量%が適当である。40容量%を越える場合には、殺菌
効率が低下すると共に得られる製品が嵩高くなる傾向に
ある。一方、20容量%を下回る場合には、麺線のほぐ
れの良さが低下する傾向にある。
【0032】尚、包装体として袋のかわりに容器を採用
することもできる。この場合、例えば容器にスープを注
入しそのまま電子レンジ等で加熱して喫食することがで
きる。該容器としては、例えばポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル等の単層物或いは
積層物でつくられたカップ状或いは丼状のものが好まし
く、蓋体としても、例えば上記材質でつくられたフィル
ムを使用する。また、含気率は、例えば25〜80容量
%、好ましくは35〜65容量%であることが麺線相互
の付着の防止及び喫食に際して十分量のスープを注入可
能な点で好ましい。
【0033】次に、工程(d)において上記袋又は容器
に加圧加熱殺菌処理を施す。この場合、加圧加熱殺菌処
理の条件としては、殺菌温度120〜135℃、F0
約4以上が例示できる。
【0034】加圧加熱殺菌処理方法としては、加圧加熱
処理中の加圧加熱殺菌処理槽内の圧力を袋内部の圧力に
できるだけ一致させる、いわゆる定差圧式殺菌法である
ことが調理時等の麺線のほぐれをより一層良好とする上
で望ましい。その場合、条件としては、加圧加熱時の袋
内の圧力と加圧加熱処理槽内の圧力との差圧(又は被殺
菌食品品温の飽和水蒸気圧と空気の膨脹圧の和と加圧加
熱殺菌処理槽内の圧との差圧)が−0.5〜+0.5kg/cm
2 、好ましくは−0.3〜+0.3kg/cm2となるよう加圧加
熱殺菌処理を行うことが適当である。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法により風味が良好で短時間
の加温にり喫食可能であり、かつコシの強い加圧加熱殺
菌済みの多層麺が製造できる。
【0036】従って、本発明の方法により、多層構造の
ラーメン、うどんなどの麺、特にレトルト麺を効率的に
製造することができる。
【0037】
【実施例】
実施例1(ラーメン) 強力粉(蛋白含量11%)2400重量部、中力粉(蛋
白含量9%)600重量部に、かん水30重量部、水9
90重量部、食塩30重量部からなる溶液を加えて混捏
し、ドウを調製した。次いで、得られたドウを展延して
厚さ6〜8mmの内層用粗シートを得た。一方、薄力粉
(蛋白含量8%)2100重量部、馬鈴薯澱粉900重
量部に、かん水30重量部、水150重量部、食塩30
重量部からなる溶液を加えて混捏し、ドウを調製した。
次いで、得られたドウを展延して厚さ2〜3mmの外層用
粗シートを得た。
【0038】次いで、上記内層用粗シート1枚を上記外
層用粗シート2枚で挟み圧延成形した後、得られた麺帯
を切り刃(丸型#20番)により切り出し、麺線を得
た。次いで、得られた麺線にウェーブを付け、その後約
100℃で100秒間蒸煮処理を施した。その後、麺線
に約98℃の条件で30秒間茹処理を行い、茹麺を得
た。得られた茹麺の水分は58重量%であった。次い
で、湯を切り上記茹麺に15℃の水を、茹麺100gに
対して0.5リットル/秒の割合で10秒間シャワーした
後、20℃の水に30秒間浸漬した。水浸漬後の茹麺の
品温は約21℃であり、また、水切り後の麺線の水分は
58.5重量%であった。次いで、該茹麺をリンゴ酸水溶
液に浸漬した。浸漬後の麺線のpHは6.8であった。次
に、茹麺を200gづつポリプロピレン製のレトルトパ
ウチ(140×170mm)に充填し、その後、該レトル
トパウチに85mlの空気が残るようにヒートシールし
た。次いで、上記レトルトパウチを加圧加熱殺菌時の袋
内の圧力と加圧加熱殺菌処理槽内の圧力との差圧が−0.
3〜+0.3kg/cm2となるように、殺菌温度121℃、F
0 10以上の条件で加圧加熱殺菌処理し、加圧加熱殺菌
処理ラーメンを得た。
【0039】得られた加圧加熱殺菌処理ラーメンを袋か
ら出し沸騰水中で1.5分間加温した。次いで、沸騰水か
ら取り出し、湯切り後別途加温したラーメンスープ25
0gの入った丼に入れ、喫食した。得られたラーメン
は、穀粉臭のない風味が良好なもので且つ褐変がなく、
更に加圧加熱殺菌処理を施さない常法により得られるラ
ーメンと同等なコシを有するものであった。また、その
調理(加温)時のほぐれは良好なものであった。
【0040】実施例2(うどん) 中力小麦粉100重量部に、小麦グルテン2重量部、食
塩1.5重量部、水35重量部からなる溶液を加えて混捏
し、ドウを調製した。次いで、得られたドウを展延して
厚さ6〜8mmの内層用粗シートを得た。一方、中力小麦
粉80重量部に、食塩1.5重量部、馬鈴薯澱粉20重量
部、水35重量部からなる溶液を加えて混捏し、ドウを
調製した。次いで、得られたドウを展延して厚さ2〜3
mmの外層用粗シートを得た。
【0041】上記内層用粗シート1枚を上記外層用粗シ
ート2枚で挟み圧延成形した後、得られた麺帯を切り刃
(角型#10番)により切り出し、麺線を得た。次い
で、麺線に約98℃の条件で13分間茹処理を行い、茹
麺を得た。得られた茹麺の水分は68重量%であった。
次いで、上記茹麺に18℃の水を、茹麺100gに対し
て0.3リットル/秒の割合で10秒間水シャワーした
後、20℃の水に30秒間浸漬した。浸漬後の茹麺の品
温は約22℃であった。次いで、得られた茹麺を200
gづつポリプロピレン製のレトルトパウチ(140×1
70mm)に充填し、次いで、85mlの空気が残存するよ
うにヒートシールした。次いで、得られたレトルトパウ
チを加圧加熱殺菌時の袋内の圧力と加圧加熱殺菌処理槽
内の圧力との差圧が−0.3〜+0.3kg/cm2となるよう
に、殺菌温度121℃、F0 8以上にて加圧加熱殺菌処
理し加圧加熱殺菌処理うどんを得た。
【0042】得られた加圧加熱殺菌処理うどんを袋から
取り出し、沸騰水中で1.5分間加温した後、沸騰水から
取り出し、湯切り後別途加温した市販のうどん汁250
gの入った丼に入れ、喫食した。得られたうどんは、穀
粉臭のない風味が良好なもので、更に加圧加熱殺菌処理
を施さない常法により得られるうどんと同等なコシを有
するものであった。また、その調理時のほぐれは良好な
ものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 祥三 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品工業株式会社内 (72)発明者 廣岡 美砂子 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)蛋白質原料を含有する内層と澱粉類
    を外層全体に対して10〜80重量%含有する外層とか
    らなる多層麺を調製する工程、(b)上記多層麺に茹上
    り後の水分含量が55〜77重量%となるように茹処理
    を施す工程、(c)上記茹処理を施した多層麺に冷却処
    理を施す工程、(d)上記茹処理及び冷却処理を施した
    多層麺に加圧加熱殺菌処理を施す工程、を採用すること
    を特徴とする加圧加熱殺菌処理麺の製造方法。
  2. 【請求項2】(a)工程における多層麺が、内層の厚さ
    が外層の厚さの1.5倍以上である請求項(1)記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】(c)工程における冷却処理が、多層麺に
    水シャワーした後、水に浸漬することにより行うもので
    ある請求項(1)又は(2)記載の製造方法。
  4. 【請求項4】(c)工程における冷却処理が、多層麺の
    品温を冷却開始後60秒以内に40℃以下に低下させる
    ように行うものである請求項(1)乃至(3)いずれか
    1項に記載の製造方法。
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