JPH0659870B2 - 船舶におけるボートの揚げ降ろし装置 - Google Patents

船舶におけるボートの揚げ降ろし装置

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JPH0659870B2
JPH0659870B2 JP61006130A JP613086A JPH0659870B2 JP H0659870 B2 JPH0659870 B2 JP H0659870B2 JP 61006130 A JP61006130 A JP 61006130A JP 613086 A JP613086 A JP 613086A JP H0659870 B2 JPH0659870 B2 JP H0659870B2
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    • B63B23/06Davits, i.e. devices having arms for lowering boats by cables or the like with arms pivoting on substantially horizontal axes, e.g. gravity type with actual pivots
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコロを具えたボート進水台と連携させ、特に船
尾に巻上げ装置を設けた船舶における特に自由落下式救
命ボートの揚げ下ろし装置に係わる。
本発明はまた、このような揚げ下ろし装置を具えた船舶
及びこのような揚げ下ろし装置に適応させたボートにも
係わる。
揚げ下ろし可能な救命ボート用のダビットアームは公知
であり、この種のダビットアームには回転式のものと揺
動式のものがある。
平行フレームとしての揺動支柱として動作し、特に船尾
のほぼ吃水線の高さに取付けられたダビットアームはド
イツ連邦共和国公開公報第3314774号から公知である。
平行フレームとして構成されたこのダビットアームを、
ボート下側と咬合する支持構造に揺動自在に取付け、こ
れにボートを収納して着水させるか、または巻上げてデ
ッキに下ろすことができる。この支持構造には、デッキ
と水面との間を移動する際に支持構造が傾き過ぎてもボ
ートを固定できるように、ボート固定用の制止機構を設
ける。
さらにまた、支持機構上に収納されると自動的に固定さ
れるように、係合手段としてボートに開閉自在な咬合装
置を設けることも公知である。この場合、ヨーク装置と
して構成し、ヨーク・アーム自由端間に広がる空間の後
方に、支柱として形成した制止部材と咬合する開閉自在
な咬合口を設ければよい。
ボート船尾に設けた係止フック、親船に設けた係止ボル
ト、係止フック操作装置、及びボート船首に設けた解放
自在な係留装置からなる、自由落下式救命ボートと進水
台との間の固定/解放装置もドイツ連邦共和国実用新案
第8430044号から公知である。この場合、係止ボルトは
進水台に対してほぼ垂直であり、係止フックは垂直軸を
中心に側方へ旋回可能である。操作装置はボート内に設
置される。これらの装置は一体化されている。
ボートを船底で支える公知装置は波の状況によっては救
命ボートを調整、制御する特定の操作が必要となるた
め、問題があり、ボートを降ろす際にも平行フレームを
操作しなければならない。
本発明の目的は簡単な操作手段で、波が高い場合でもボ
ート、特に自由落下式救命ボートを比較的容易に収納で
き、進水台から取外すことによって任意にボートを降ろ
すこともできる機構との関連における揚げ下ろし装置を
提供することにある。
これにより、ボートを高い位置から水面に「自由落下」
させるために従来必要であった。親船からのボート操作
につきものの煩雑な作業を回避せんとするものである。
本発明ではこの目的を、ゲート状平行フレームを構成す
る旋回支柱の形態を呈して舷側外へ旋回可能なダビット
アームとしての巻上げ装置を進水台に連携させ、旋回支
柱がそれぞれ1本ずつケーブルラインを有し、各ケーブ
ルラインを少なくとも2本のケーブルからなるボート側
吊下機構に係留できるようにし、前記少なくとも2本の
ケーブルをボートの船首及び船尾付近に設けた係留手段
に固定し、その1本をボートの中心線を斜めに横切って
他方のケーブルとは反対側に固定し、旋回支柱のための
駆動手段を設け、これにより複数の位置、即ち、少なく
ともボートを進水台から着水させる外方旋回位置及びボ
ートを進水台に収容する第2位置を設定することによっ
て達成する。
平行フレームを進水台にゲート状に連携させる前提条件
として、平行フレームの軸受を進水台よりも下方に、た
だし、進水台の台架が設置されているデッキの舷縁に配
置する。
ただし、特に好ましい実施態様として、平行フレームの
軸受を進水台の台架に、特にこの進水台のレールの高さ
に配置する。
ボート船底と咬合する支持機構を有する公知の態様とは
異なり、波が高い時でも容易に操作でき、しかも緊急時
に自由落下式に水面ヘリリーズすればボートを自由落下
式救命ボートとして機能させることのできるボート吊下
機構が提供される。いずれの場合にも、コロ付き進水台
がボートを親船に収容、固定する装置として作用する。
ボートと進水台との間で係合手段を咬合させてボートを
進水台に固定すると共に、ダビッドアームの駆動手段
が、係合手段が互いに咬合する最終位置までボートが進
水台上を移動できる第3位置を設定するように構成する
ことが特に好ましい。
デッキに連接した平行フレームにより、確実にかつ横方
向に安定な揚げ降ろし装置が得られ、この揚げ降ろし装
置は左右両側に1本ずつケーブルラインがあって、特殊
構成のボート側吊下機構とそれぞれ協働するから、悪条
件下にあってもボートを完全に案内することができる。
波の高い時に一方のケーブルラインを1組のボート側吊
下機構と連結するだけでも、ボートを正しく安定してデ
ッキへ巻上げることができる。
本発明の好ましい実施例では、平行フレームの旋回端に
ケーブルラインのための折れ曲がったコロ支持桁を設
け、平行フレームが内方へ進水台まで旋回した状態で前
記コロ支持桁がほぼ進水台の上端の後方に位置してボー
トへの通行を可能にする通路面またはデッキと平行なプ
ラットホームを構成するように旋回柱に対する前記コロ
支持桁の角度を設定する。これにより、複数機能を有す
るフレーム構造が得られる。
この場合、両ダビットアームに、共通軸を介してケーブ
ルラインのウインチを設けることが好ましい。これによ
り、2組のボート吊下機構に係留された両方のケーブル
ラインを均等に巻上げることができる。
上記のように構成した場合、各吊下機構が同一の側でボ
ートの船首及び船尾に固定されるケーブルを含み、ボー
トの中心線を斜めに横切って反対側に固定されるケーブ
ルを補助的な安定用ザイルとして構成し、ボートの一方
の側で船首及び船尾に固定されるケーブルの接合点から
ボートの他方の側へ横切らせ、この他方の側に固定す
る。これにより、吊下げ時のボート姿勢が特に安定化さ
れる。可撓ケーブルとして構成した安定用ザイルはボー
トを一方の側だけで吊下げた場合の転覆を防止するとい
う点で重要な構成要件である。
安定用ザイルを非可撓材で構成しても好ましい効果が得
られる。吊下機構の少なくとも2本のケーブルをリンク
ロッドとして構成してもよい。
他の特に好ましい実施例では、すべてのケーブルが緊張
状態にあるか、またはザイルが緊張状態にある限り、吊
下機構と、ケーブルラインが係留されている上端環との
結合点から、安定用ザイルがその投影延長線がボートの
重心線と交差するような角度に案内される。このように
構成すれば、波が高く、親船がローリング状態にある場
合でも、ボート誘導の安定性が確保される。
好ましい実施態様として、旋回支柱に補助ザイルを設
け、そのリングにケーブルラインを挿通する。このよう
にすれば、ボート収容に際してケーブルラインが互いに
絡み合うのを防止することがきでる。同様な観点から、
上端環の間にスペーサロッドを介在させるのも効果的で
ある。この場合、スペーサロッドを伸縮自在に構成し、
連結端において、一方をシリンダ状に、他方をシリンダ
内に導入させるピストン状に形成することにより、特定
の条件、特にボートの大きさに順応できるようにするの
が好ましい。
この実施態様は対角線状の固定しかなされていない場合
に好ましくない回転パルスが発生してもこれを克服する
ことができる。
シリンダ/ピストン装置として構成した場合、係留端の
位置を調整するために圧力媒供給/放出を行うことが好
ましいが、副木などによって手動調整することも考えら
れる。
他の好ましい実施例で、平行フレームの旋回支柱に、平
行フレームが外方へ旋回するとその上端が平行フレーム
の内側空間内に位置し、この上端から下方に行くに従っ
て外方へ広がっている側方摺動面を設け、両側に、ボー
トを平行フレームに導入するための収容フレームを形成
するように構成する。このため、側方摺動面が下端にお
いてその自由縁がねじれながら平行フレームの旋回支柱
よりも外側にはみ出るようにするのが好ましい。
他の好ましい実施例では、ボートの船尾鏡板の角部に交
換自在な防舷材を設ける。これはボートをゲート状平行
フレーム内に誘導する上でも好都合である。フェンダを
鏡板側面及び船底弯曲部にまでまたがるように配置すれ
ばさらに好ましい。これはボート船尾を弯曲する側方摺
動面についても同様である。これに関連した問題とし
て、前記側方摺動面は垂直面に対して傾斜するように、
即ち、平行フレームの側面図で見て下端から斜め上方へ
親船の方に向くようにする実施態様も可能であり、この
場合にも、側方摺動面が上に行くほど互いに接近するよ
うに構成する。
以下、添付図面に示す実施例に基づいて本発明を説明す
る。なお、すべての図面を通して同じ部分には同じ参照
番号を付してある。
第1図及び第2図から明らかなように、例えば船2の船
尾1の舷側付近のデッキ60に自由落下式救命ボート5用
の進水台4が配置または支持されている。自由落下式救
命ボート5は常態ではその舷縁6が進水台4のコロ7,
8,9に載っている。ボートの船尾はこれに取付けた固
定手段10を介して、船舶側の台架または進水台4の固設
部分に設けた対応の固定手段としての対向素子36に固定
されている。これにより、船上に揚げられたボートはコ
ロ7〜9に支えられた状態で進水台4上に固定される。
第6図から明らかなように、進水台4にはダビッドアー
ムのゲート形平行フレーム14を連携させる。このゲート
形平行フレーム14は両側旋回支柱26,26aと、その上端を
結ぶクロスバー33とから成る(第6図)。
第1図では各部の連携関係を略示したにとどめた。第1
図では平行フレーム14の両側旋回支柱が進水台4の高さ
の位置61で枢動自在に支持されている。平行フレームは
3つの位置を占めることができる。即ち、ボート5を揚
げ降ろしするため旋回端が舷側3よりも外側に保持され
る外方旋回位置62、巻上げたボート5を進水台4に載せ
るための第2位置34、及び平行フレーム14が最終位置に
来る第3位置35である。第1図ではこの第3位置が進水
台4に対して角度を余しているが、ボートは進水台4の
上端と当接しており、従って固定手段10が対向素子36と
咬合している。
平行フレームの自由端には左右ともに、即ち、各旋回支
柱26,26aの上端にガイドコロ12を設けてあり、これにケ
ーブルラインが掛かっており、第1図にはその1本16を
示してある。
操作機構に関しては、第2図に関連して詳細に説明す
る。
平行フレーム14が外方旋回位置62に来ると、ケーブルラ
イン16は船尾1に触れることなく垂下する。第1図で
は、ケーブルライン16が例えばカラビナハーケンを介し
てボート5側の吊下げ機構11の上端環15に係留する。こ
の吊下げ機構を第1図では3本のケーブルまたはザイル
で略示してあるが、さらに詳細な説明が必要である。た
だし、3本のケーブルまたはザイルを使用する場合に
は、中央ケーブルまたは中央ザイルはボートの同じ側に
係留される吊下げ機構11の船首側及び船尾側ケーブルま
たはザイルとは反対のボート舷側に係留しなければなら
ない。
第1図では側面図として1組の吊下げ機構11しか見えな
いが、特に第4図から明らかなように、2組の平行な吊
下げ機構を設けてもよい。
これに関連して、ボートの異なる側で船首及び船尾に、
即ち、対角線状にボートに固定される対角線ケーブルで
吊下げ機構を構成することも考えられる。これは平行フ
レーム14の両側旋回支柱26,26aのケーブルラインに係留
するだけで充分な左右方向安定を達成できる最も簡単な
実施態様である。しかし、第4図、第5図、及び第7図
に関連して詳しく後述するように、3本のケーブルまた
はザイルによる吊下げ機構が好ましい。
第2図は平行フレームの旋回支柱26,26aをそれぞれ舷側
3に近く、進水台4の下方に位置するようにデッキ60に
設けた軸受コンソル28において枢動軸27に枢動自在に取
付けたという点で好ましい実施態様を示す。枢動軸27は
進水台4の下方を横断させることにより、両旋回支柱に
共通となるように構成することができる。第6図は旋回
支柱のための2つの軸受コンソル28,28aを示す。
第2図の実施態様は、円弧13を画いて旋回できるゲート
状平行フレーム14の旋回端に折れ曲がり桁51を具備し、
これにクロスバーが取付けられている点でも第1図の実
施態様と異なる。この折れ曲がり桁51はコロ支持部を形
成する。これについては第8図に関連して詳しく後述す
る。
第2図の場合、平行フレーム14がいわゆる第3位置35に
来ると、折れ曲がったコロ支持桁51がデッキと、特に、
ボート船尾の後方に位置する舷縁の通路63の平行にな
る。コロ支持部の上側に設けたプラットホーム50(第8
図)はこの場合、進水台4上のボート5に船尾から乗込
むための通路となる。
第2図は簡略した図であるが、実際には、プラットホー
ム50がもっとボート船尾に近く位置するように部分10,3
6を小さく設定してある。
第2図から明らかなように、平行フレーム14には駆動手
段37を設けてあり、この駆動手段はシリンダ端を船舶側
に連接し、ピストンロッドをそれぞれ旋回支柱26,26aと
連動させたシリンダ・ピストン装置で構成するのが好ま
しい。両シリンダ内部は図示しないが共通の圧力媒回路
と並列接続しているから、均等に操作することができ、
圧力媒回路を遮断することで任意の旋回位置に固定する
ことができる。
旋回支柱26,26aに沿ってそれぞれ設けた両ケーブルライ
ン(図面では旋回支柱26のケーブルライン16だけを図
示)に対応させて、平行フレーム14の軸受コンソル28に
近くウィンチ38,38aを設け、両ウィンチを結ぶシャフト
64が平行フレームを横断するようにし、両ウィンチに共
通の駆動モータ65を設けた。この実施態様では、ウィン
チ38,38aが平行フレームと共に枢動する。
そのためには旋回支柱26,26aをデッキにしかるべき態様
で連接しなければならない。第1図の実施態様では、別
個のウィンチを軸受61の付近に設けるか、あるいは図示
しない態様でウィンチをデッキ60またはそれに近いデッ
キ構造物に取付けることが条件となる。
第2図の実施態様は平行フレーム14をウィンチとも一体
的に、吃水線より高くデッキ60で支持できるという長所
を有し、進水台4を支持する台架はウィンチ38,38aを結
ぶシャフト64が自由に枢動できるように構成されてい
る。
第1図でも第2図でも、平行フレーム14が第2位置を占
める時も船首側に取付けられた吊下げ機構11の部分は緊
張状態にあるから、第3位置35に移行する際に、ボート
5が進水台4上に引き揚げられ、部分10,36が自動的に
咬合する。
第2図には任意に設けることのできる補助ザイル66を鎖
線で示した。補助ザイルはその端部にリング67を有し、
これにケーブルライン16が挿通し、前記補助ザイルは連
携の旋回支柱26においてガイドコロ68を介してウィンチ
または調整クランプに達しているから、特に未使用状態
において連携のケーブルライン16を連携の旋回支柱に引
寄せたり、ボート5とつなぐために解放したり、ボート
をつないだ後、外方へ振子運動しないように抑止するこ
とができる。
第6図は第2図の船尾正面から、支持コンソル28,28aで
支持された2本の旋回支柱26,26aを含む平行フレーム14
を示す。旋回支柱26,26aの間には進水台4の台架29があ
り、この台架はデッキに対して傾斜した両側桁31,32を
含み、第2図には一方の桁32を示した。この桁には第2
図に3個を示したようなコロ7〜9を配設する。これら
のコロは両側の桁31,32に設けられる。折れ曲がりコロ
支持桁51を第6図では略示するにとどめた。ただし、旋
回支柱26,26aの上端が折れ曲がっていることは第6図で
も明らかである。この折れ曲がって旋回支柱26,26aから
側方に突出する桁30,30aはコロ支持桁51を限定すると共
に、それぞれがケーブルラインを具えている。
ボートの長手中心線の互いに異なる側で船首及び船尾に
固定された2本の対角線ケーブルから成る簡単な実施態
様の吊下げ機構11についてはすでに言及した。
第4図、第5図及び第7図にはその好ましい実施態様を
示した。第4図には平行フレーム14の上端を、コロ支持
桁及び旋回支柱の巻上げコロ76,77と連携するガイドコ
ロ12,12aと共に略示した。この図は機能面だけを強調し
たものである。ガイドコロからのケーブルラインはウィ
ンチに達し、巻上げコロからのケーブルライン16,20
は、すでに参照番号11で示したような2組のボート側吊
下げ機構の上端環15,21に掛けるための係留手段をそれ
ぞれ具備している。
先ず第7図を参照して説明する。第7図は吊下げ機構11
を具えた救命ボート5の側面図である。図から明らかな
ように、2本のケーブル39,40が上端環15からボートの
片側で船尾と、船首付近とにそれぞれ達し、さらに別の
安定用ザイル41がボートの他方の側の位置42に固定され
ている。吊下げ機構11を緊張させた状態で、前記安定用
ザイルの延長線はボート5の重心43を通る。これは好ま
しい吊下げ方式である。
吊下げ機構11が可撓材のみから構成されている場合、上
端環15がケーブルライン16に係留されていない時には小
さくまとめて吊下げ機構をボートに固定して置かねばな
らない。このため、操舵室の構造体に上端環15を引掛け
る収納用の鉤を設け、吊下げ機構11の一部をデッキ上に
固定する。さらに追加の収納用の鉤や支柱を設置しても
よい。
ボート5の長手中心線の方向に見た第4図において、先
ず実線から明らかなように、吊下げ機構11が正常な吊下
げ状態にある時、第7図に参照番号39,40で表わした2
本のケーブルは共に緊張状態で一方の側に係留されて同
一平面内に位置し、安定用ザイル41も同じく緊張状態で
ボート5の反対側に斜行し、この舷側で固定手段18に固
定されている。同様に、吊下げ機構22の上端環21からは
2本のケーブル39a,40aが真下に位置する舷側に達し、
連携の安定用ザイル41aはボートの長手中心線を乗り越
えて反対の舷側、即ち、吊下げ機構11のケーブル39,40
が係留されている舷側に達している。
例えば鎖線で示すようにボート5が揺れると、この横振
れに伴なってケーブルライン20がゆるむ(20a)。その場
合でも、図示のように吊下げ機構11aがケーブルライン1
6aでボート5をとにかく水平な姿勢に維持する。ところ
が揺れの終期に、破線位置で示すようにボートの重心移
行の結果、ボートが内方へ移行し、ボートの重心は吊下
げ機構重心よりも低い内方位置へ移動し、揺れが減衰す
る。これにより外方への揺動量が小さくなる。
この図はケーブルラインによるボート5の極めて好まし
いカイド方式をも示す。3本のケーブルから成る吊下げ
機構11でなく、すでに述べたように2本のケーブルを対
角線状に係留する吊下げ機構を使用する場合でも、破線
5bで示すようにボートが垂直姿勢からずれる量はごく僅
かである。この点について、ケーブルライン20と連携さ
せた吊下げ機構22を示す第5図をも参照して考察する。
ここでは、おそらくは荒波のため上端環21をケーブルラ
イン20に係留するのがやっとであると仮定する。この場
合、船首付近に係留されたケーブル19と、ボートの長手
中心線を挾んで反対側の舷側で船尾に係留されたケーブ
ル17だけが作用する。この場合、1本のケーブルライン
20だけでボートを吊下げることで僅かながら傾斜25を生
ずるが、鏡像関係に配置した吊下げ機構22aの上端環21a
をケーブルライン16で係留すればこの傾斜は防止され
る。
第7図及び第4図の実施態様の他の好ましい構成とし
て、安定用ザイル41,41aをロッドとして実施してもよ
い。第4図にはスペーサロッド69をも略示した。
第8図は旋回支柱の延長部として形成された折れ曲がっ
たコロ支持桁51の桁30,30aを示し、ボート5の船尾70へ
の通路の役割を果すようにプラットホーム50を桁30,31a
に渡してある。
第3図には旋回支柱26の一部を示した。この部分78は第
6図にも示してあるが、第3図ではこれを拡大して示し
た。
左右対称に他方の旋回支柱26aにも設けてあるが、旋回
支柱26のこの部分には横方向摺動面74を形成してある。
この横方向摺動面はその縁端を旋回支柱に固定してあ
り、自由縁は収容すべきボートに対する案内面として旋
回支柱から突出している。自由縁の下端75はねじること
によって旋回支柱の幅よりも外方にはみ出すように弯曲
され、横に振れるボートをも捕捉して両旋回支柱間へ誘
導できるように構成してある。この場合、特にボート船
尾が捕捉され、横方向摺動面は、平行フレームの上端が
ボートの降ろしの位置、即ち、その左舷位置にある時、
ボート船尾が平行フレームの内側空間に誘導されるよう
に構成してある。具体的には、ボートを導入するための
収容フレームが形成される。
第9図及び第10図に示すように、ボート5の船尾鏡板45
の外縁には取替え自在な防舷材46,47が取付けてある。
防舷材としては形材を接着してもよいが、第10図のよう
にねじ止め48で脱着自在に取付けてもよい。ねじヘッド
49は防舷材が損耗しない限り外部の物体と咬合しないよ
うに防舷材表面よりも後退させる。損耗が進行する前に
取替えることができる。
防舷材を船尾鏡板付近に、ただしボートの側面及び船底
弯曲部に沿って取付ければ、横方向摺動面74の特殊構造
と相俟って、ボート収納が一段と円滑に行なわれる。第
9図の場合、防舷材は船尾鏡板の上隅、即ち舷縁にまで
達している。
第10図ではボート船尾鏡板の段部として防舷材を配置し
て側方から補強しているが、第10a図のようにボートの
船尾鏡板の全面に防舷材46をかぶせてもよく、この方が
防舷材としては好ましい構成である。
【図面の簡単な説明】
第1図は一部だけを示す船舶上に設置した進水台を略示
し、ボートに連結されたケーブルラインを1本だけ示し
た側面図、第2図はピボットとシリンダの連接点が異な
る、本発明の他の構成要件を説明するための第2実施態
様を示す側面図、第3図は第6図に示した平行フレーム
の、特殊な横方向摺動面を示す部分図、第4図は横揺れ
の可能性及びその際のボート誘導態様を説明するため
の、ケーブルラインと接続した吊下げ機構と共にボート
を示す正面図、第5図は1本のケーブルラインと接続す
る1組の吊下げ機構だけでボートが保持されている状態
を示す第4図と同様の正面図、第6図は略示した架台上
の進水台の前方でデッキに支持されているゲート形平行
フレームの正面図、第7図は吊下げ機構を説明するため
の救命ボートの側面図、第8図は略示したボート船尾の
後方における平行フレーム旋回端を示す部分俯瞰図、第
9図は防舷材を含む特殊構成を説明するための救命ボー
ト船尾の簡略図、第10図は第9図のX−X線における部
分断面図、第10a図は防舷材の他の構成を示す第10図と
同様の部分図である。 1…船尾、2…船、3…舷側、4…進水台、5…救命ボ
ート、7,8,9…コロ、11…吊下げ機構、16,20…ケ
ーブルライン、17,19…ケーブル、26…旋回支柱、34…
第2位置、35…第3位置、37…駆動手段、62…第1位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロベルト ハーテツケ ドイツ連邦共和国、デー 2160 シユター ド、アム シユビインゲダイツヒ 109 (56)参考文献 特開 昭58−156480(JP,A) 実開 昭52−123967(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船舶からボート特に救命ボートを船尾で揚
    げ降ろしする装置であって、ボートを運ぶ進水台(4)
    の領域に支承され、揚げ降ろしが親船の甲板から外へ向
    けて回転できるダビットアームとして具体化され、ダビ
    ットアームは少なくとも1台の平行フレーム(14)の形状
    に構成され、2台のダビットアームが進水台(14)に比較
    的入口側に配置される平行フレーム(14)で、この平行フ
    レームはボートの領域における吊下げ機構(11,22,22a)
    と連結できるケーブルライン(16,20)と連係され、さら
    に平行フレーム(14)は、ボート(5)を海から揚げ降ろ
    しする少なくとも1つの方向に延びる第1の位置(64)、
    進水台からボートを揚げ降ろしする第2の位置(34)及び
    進水台に近接する最終の第3位置(35)を含めて平行フレ
    ームに種々の態勢をとらせることができる駆動装置と連
    係され、進水台(4)は平行配置で構成されるロール
    (7,8,9)を備え、2本のケーブルライン(16,20)
    は吊下げ機構(11,22,22a)の2本のケーブル(17,19)と連
    結可能であり、第2のケーブル(17,19)がボートの前後
    部に設けられた吊下げ部材の領域で係止され、進水台
    (4)が親船に対して不動で、一定の方向に向けて配置
    され、ダビットアームの旋回軸受(61)は進水台(4)の
    船尾領域に位置して進水台(4)の領域に配設され、ダ
    ビットアームの領域に配置され、ダビットアームと協働
    して駆動自在なケーブルラインのウィンチ(38,38a)をダ
    ビットアームの軸受(61)付近に配置して少なくともケー
    ブルライン(16,20)を位置決めするようにした船舶にお
    けるボートの揚げ降ろし装置。
  2. 【請求項2】船舶からボート特に救命ボートを船尾で揚
    げ降ろしする装置であって、ボートを運ぶ進水台(4)
    の領域に支承され、揚げ降ろしが親船の甲板から外へ向
    けて回転できるダビットアームとして具体化され、ダビ
    ットアームは少なくとも1台の平行フレーム(14)の形状
    に構成され、2台のダビットアームが進水台(14)に比較
    的入口側に配置される平行フレーム(14)で、この平行フ
    レームはボートの領域における吊下げ機構(11,22,22a)
    と連結できるケーブルライン(16,20)と連係され、さら
    に平行フレーム(14)は、ボート(5)を海から揚げ降ろ
    しする少なくとも1つの方向に延びる第1の位置(64)、
    進水台からボートを揚げ降ろしする第2の位置(34)及び
    進水台に近接する最終の第3位置(35)を含めて平行フレ
    ームに種々の姿勢をとらせることができる駆動装置と連
    係され、進水台(4)は平行配置で構成されるロール
    (7,8,9)を備え、2本のケーブルライン(16,20)
    は吊下げ機構(11,22,22a)の2本のケーブル(17,19)と連
    結可能であり、第2のケーブル(17,19)がボートの前後
    部に設けられた吊下げ部材の領域で係止され、進水台
    (4)が親船に対して不動で、一定の方向に向けて配置
    され、ダビットアームの旋回軸受(61)は進水台(4)の
    船尾領域に位置して進水台(4)の領域に配設され、架
    台により所定の高さに支持されている進水台(4)の下
    端の垂直下方の領域にデッキから所定の高さに軸受(61)
    を配置し、平行フレーム(14)と一体的に駆動するケーブ
    ルラインのウィンチを共通の軸で駆動するようにした船
    舶におけるボートの揚げ降ろし装置。
JP61006130A 1985-01-15 1986-01-14 船舶におけるボートの揚げ降ろし装置 Expired - Lifetime JPH0659870B2 (ja)

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