JPH0650479Y2 - テーブルリフター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、荷重を載せるテーブルと、このテーブルを床
面に対して昇降させるための、ピット内に格納可能な一
対の伸縮やっとこ形のリンク機構を有する昇降装置と、
テーブルの上昇位置で昇降装置の周りを取り囲むネット
を備え、前記リンク機構の伸縮方向軸線に対して一方の
側の上部リンクの上端と下部リンクの下端がそれぞれテ
ーブル下面とベース上面に枢着され、かつ他方の側の上
部リンクの上端と下部リンクの下端がテーブル下面とベ
ース上面を自由に移動可能であるテーブルリフターに関
する。

〔従来技術〕

この種の従来のテーブルリフターには、第５図に示すも
のがある。このテーブルリフターは、テーブル１と、こ
のテーブルを昇降させるための昇降装置２と、テーブル
１の周縁に固定された四角な筒状のネット３とからな
る。昇降装置２は、伸縮やっとこ形のリンク機構を利用
したもので、リンク機構の左側のリンク上端ａがテーブ
ル１に枢着され、かつ左側のリンク下端ｂがベース４に
枢着され、右側のリンク上端ｃと下端ｄがそれぞれロー
ラによりテーブル１の下面とベース４の上面を移動可能
である。さらに、昇降装置は、テーブルを上昇および下
降させるためにテーブル１とベース４の間に設けられた
油圧ジャッキ（図示省略）を有する。テーブルリフター
が上昇位置にあるときに、ネット３は床面からテーブル
１までの高さを有する。リンク機構が下降して折り畳ま
れ、テーブル１の表面が床面に位置するときに、ネット
３をピット５内に全部格納するためにネット３の高さと
同じ深さだけピット５を深くしてある。このため、ピッ
ト５の深さからリンク機構を折り畳んだ高さを引いた分
の高さを、架台６を設置して補わなければならない。こ
の従来のテーブルリフターでは、このようにピットを非
常に深くしかつ架台を設けなければならないので、ピッ
トの設置スペースが大きくかつ費用がかかる欠点があ
る。

本考案の目的は、設置空間を減少させかつ費用を低減さ
せることができるテーブルリフターを提供することであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するには、本考案により、各リンク機
構の上部リンクと下部リンクを枢着する枢軸またはその
近くのリンク部分にローラを取りつけ、その際上部リン
クと下部リンクがそれぞれテーブルとベースに枢着され
た二つの上下の枢軸の間にあるローラに、ネットに固定
した垂直なローラガイドを嵌合してネットが横に移動し
ないように拘束し、かつ前記ローラと横に対向するロー
ラを自由に移動可能であるようにすればよい。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図に、上昇位置にある本考案によるテーブルリフタ
ーを斜視図で示す。第２図は、本考案のテーブルリフタ
ーを上昇させた位置を示し、第３図はテーブルリフター
を下降させた位置を示す。

第１図と第２図において、ピット11にはベース12が固定
され、このベースの上に油圧ジャッキ13と一対のリンク
機構14からなる昇降装置が設けられている。油圧ジャッ
キ13は、シリンダがベース12にかつピストンロッドがテ
ーブル15にそれぞれ枢着されている。

各リンク機構14は、同じ長さのリンク４本を伸縮やっと
こ形にピンで連結した周知のものである。このリンク機
構14の伸縮方向軸線Ｌに対して一方の側（図で左側）の
上部リンク16の上端と下部リンク17の下端がそれぞれテ
ーブル15の下面とベース12の上面にｅとｆで枢着され、
かつ他方の側（図で右側）の上部リンク18の上端と下部
リンク19の下端がそれぞれローラ20と21によりテーブル
15の下面とベース12の上面を水平に自由に移動可能であ
る。リンク機構14の周りは、安全のためにネット24によ
り取り囲まなければならない。

本考案により、各リンク機構14の上部リンク16と下部リ
ンク17および上部リンク18と下部リンク19をそれぞれ連
結する枢軸ｇとｈにローラ22、23を回転可能に取りつ
け、これらのローラの上にネット24を支持する。その
際、リンク機構14の伸縮方向軸線Ｌに対して一方の側
（左側）のローラ23に、四角な筒状のネットに固定した
垂直なローラガイド25を嵌合させてネット24が横に移動
しないように拘束し、かつ他方の側（右側）のローラ22
をネット24の上部横枠の下面を支持しながら自由に移動
可能であるようにする。なお、ネットの高さは、ほぼリ
ンク機構14を折り畳んだときの高さに相当し、床面より
テーブルまでの高さの約半分位であるが、その上端が作
業者の胸あたりに位置するので、安全上全く差し支えな
い。

〔作用〕

第３図の下降位置でテーブル15に荷重を載せた後、油圧
ジャッキ13を作動させてテーブル15を上昇させると、リ
ンク機構14の下部リンク19のローラ21と上部リンク18の
ローラ20がベース21の上面とテーブル15の下面をそれぞ
れ内方へ移動すると共に、上部リンク16の上端の枢軸ｅ
および上部リンク18と下部リンク19を連結する枢軸ｈの
ローラ23が垂直な直線運動をし、かつ上部リンク16と下
部リンク17を連結する枢軸ｇのローラ22が枢軸ｆを中心
として円運動しながら内方へ移動する。ネット24は、ロ
ーラ23と22により支持されながら上昇し、しかもローラ
23がネット24の垂直なローラガイド25に嵌合していて、
ネット24が横に移動しないように拘束されているので、
ネット24は垂直に上昇することになる。下降のときに
は、リンク機構14は上記と反対に縮小するので、ローラ
20、22、21は外方へ移動すると共に、ローラ23と22はネ
ット24を支持しながらそれぞれ垂直な直線運動と外方へ
の円運動を行う。

上記の実施例では、ネットを支持するローラを、上部リ
ンクと下部リンクが互いに枢着された枢軸ｈとｇに設け
たが、第４図に示すように枢軸ｈとｇの近くのリンク部
分に固定した軸ｈ′とｇ′に回転可能にローラ23′と2
2′を装着することもできる。

〔考案の効果〕

本考案では、伸縮やっとこ形の各リンク機構の上部リン
クと下部リンクを枢着する枢軸またはその近くのリンク
部分にローラを取りつけて、これらのローラによりネッ
トを支持し、その際上部リンクと下部リンクがそれぞれ
テーブルとベースに枢着された二つの上下の枢軸の間に
あるローラに、ネットに固定した垂直なローラガイドを
嵌合させてネットが横に移動しないように拘束し、かつ
前記ローラと横に対向するローラを自由に移動可能であ
るように構成したので、リンク機構の伸縮による前記ロ
ーラの上昇または下降と共にネットを垂直に昇降させる
ことができ、上昇位置ではネットが床面より上に位置し
て作業者の安全に寄与しかつ下降位置ではネットがリン
ク機構の折り畳まれた範囲内でピット内に完全に格納さ
れる。従って、ピット深さをリンク機構の折り畳んだ高
さに減少させることができるので、ピットの深さが従来
のほぼ半分になり、ピットの製造コストが減少し、かつ
架台も不要となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は上昇位置にある本考案によるテーブルリフター
の斜視図、第２図は第１図の上昇位置にあるテーブルリ
フターの概略正面図、第３図は下降位置にあるテーブル
リフターの概略正面図、第４図は本考案の別の実施例の
部分斜視図、第５図は上昇位置にある従来のテーブルリ
フターの概略正面図である。 12……ベース、14……リンク機構、15……テーブル、Ｌ
……伸縮方向軸線、 16……一方の側の上部リンク、17……一方の側の下部リ
ンク、18……他方の側の上部リンク、19……他方の側の
下部リンク、g,h……枢軸、22,23;22′,23′……ロー
ラ、24……ネット、25……ローラガイド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】荷重を載せるテーブルと、このテーブルを
   昇降させるための、ピット内に格納可能な一対の伸縮や
   っとこ形のリンク機構を有する昇降装置と、テーブルの
   上昇位置で昇降装置の周りを取り囲むネットを備え、前
   記リンク機構の伸縮方向軸線に対して一方の側の上部リ
   ンクの上端と下部リンクの下端がそれぞれテーブル下面
   とベース上面に枢着され、かつ他方の側の上部リンクの
   上端と下部リンクの下端がテーブル下面とベース上面を
   自由に移動可能であるテーブルリフターにおいて、各リ
   ンク機構の上部リンクと下部リンクを枢着する枢軸また
   はその近くのリンク部分にローラを取りつけて、これら
   のローラによりネットを支持し、その際上部リンクと下
   部リンクがそれぞれテーブルとベースに枢着された二つ
   の上下の枢軸の間にあるローラに、ネットに固定した垂
   直なローラガイドを嵌合させてネットが横に移動しない
   ように拘束し、かつ前記ローラと横に対向するローラを
   自由に移動可能であるようにすることを特徴とするテー
   ブルリフター。