JP3894384B2 - リフタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場のピット内に固定的に設けられるリフタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、印刷工場において、大型印刷機の例えばインカー部のメンテナンスを行う場合、図4に示すように、可動リフタ100を印刷機101の内部に搬入し、そのテーブル102をプラットフォームとしてオペレータ103がテーブル102上に乗って作業を行っている。そして、印刷が再開されると、メンテナンス時に用いていた可動リフタ100は、機外に搬出される。
【0003】
ところで、可動リフタ100を機外に搬出しただけでは、可動リフタ100の周りで作業をしている作業者の邪魔になるので、従来は、図5に示すように、工場のピット104内に格納して、メンテナンス時のみ可動リフタ100を使用していた。
【0004】
即ち、ピット104内には固定リフタ105が設けられ、この固定リフタ105のテーブル106上に可動リフタ100を搭載すると共に、テーブル106上に設けた架構体107内を可動リフタ100が車輪108により出入り可能になっている。
尚、架構体107の上面は、可動リフタ100の格納時において、フロア上の床面Gと略同一高さとなるように天板109で塞がれている。また、可動リフタ100の使用時において、フロア上の床面Gとテーブル106とが略同一高さとなるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ピット104は、工場によっては掘る深さに限界があり、あまり深くは掘れないところがある。
このような場合、架構体107の高さも自ずと制限されるため、可動リフタ100の使用時には、フロア上にリフトアップされた架構体107の高さが不十分で、作業者が可動リフタ100に乗ったまま架構体107内を出入りすることができないほか作業者が徒歩で架構体107内を通過することが困難であるなどで、工場内の作業性を著しく低下させていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、架構体の高さを可変に構成して工場内の作業性を向上させられるリフタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係るリフタは下記のように構成される。
(1)ピット内を昇降可能なテーブル上に天板を備えた架構体を設けると共に、この架構体の支持柱を伸縮自在に形成し、前記テーブルの昇降動作に連動して支持柱を伸縮させ同テーブルの上昇に伴い天板をテーブルに対して移動させる連動機構を設けたことを特徴とする。
【0008】
(2)前記支持柱は内柱と外柱からなることを特徴とする
【0009】
(3)前記連動機構は、テーブルの下側方に配設される吊り下げバーと、該吊り下げバーに一端が係止され他端側が内柱上端のスプロケットを巻回した後外柱の下端に係止される複数本のチェーンと、前記テーブルの所定の上昇位置で前記吊り下げバーに係合して該吊り下げバーのそれ以後の上昇を阻止すべくピット内壁に固設された固定バーとを有することを特徴とする。
【0010】
[作用]
(1)項によれば、リフトダウン時には、支持柱を収縮させて架構体の高さを低くした状態でピット内に収納でき、リフトアップ時には、逆に支持柱を伸長させて架構体の高さを高くでき、作業者の邪魔になることはない。しかも上記動作はリフトの昇降動作に連動して自動的に行われる。
【0011】
(2)項によれば、支持柱は内柱と外柱からなるので、簡単な構造で支持柱を伸縮させられる。
【0012】
(3)項によれば、リフトアップ途中で、吊り下げバーが固定バーに係合することで、それ以後テーブルの上昇に伴いチェーンに引っ張られて外柱が内柱に対し伸長され、リフトアップ時の架構体の高さが高められる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るリフタを実施例により詳細に説明する。
【0014】
[実施例]
図1はリフタのアップ時の正面及び側面図、図2は同じくダウン時の正面及び側面図、図3はチェーンの掛け回し状態の説明図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、深さHのピット104内に固定リフタ1を介して車輪108付きの可動リフタ100が格納されている。
【0016】
前記固定リフタ1は、ベース2上にパンダグラフ式のリンク機構3を介してテーブル4が支持され、図示しない油圧シリンダの伸縮でリンク機構3が拡縮変形することで、テーブル4がピット104内をストロークS1だけ昇降するようになっている。
【0017】
前記テーブル4上には架構体5が組み立てられ、この架構体5の6本からなるすべての支持柱6は、内柱6aと外柱6bとで両柱の嵌合部分で、上下方向に伸縮自在に形成されている。
【0018】
そして、前記テーブル4の昇降動作に連動して前記支持柱6を伸縮させ、同テーブル4の上昇に伴い外柱6bを内柱6aに対し上方へ伸長移動させる連動機構Aが設けられる。
【0019】
この連動機構Aは、図3にも示すように、テーブル4の下側方に配設される四角枠状の吊り下げバー7と、該吊り下げバー7に一端が係止され他端側が内柱6a上端のスプロケット8を巻回した後外柱6bの下端に係止される6本のチェーン9と、前記テーブル4の所定の上昇位置で前記吊り下げバー7に係合して該吊り下げバー7のそれ以後の上昇を阻止すべくピット104の前,後両内壁間に架設された左右二本の固定バー10とを有する。
【0020】
図示例では、前記チェーン9の上端はピン11に連結され、このピン11が外柱6bの下端に形成した切欠き12内に嵌合して上方に係り止めされている。一方、チェーン9の下端は吊り下げバー7にボルト13で結合され、若干の長さ調整が可能になっている(図3参照)。尚、図中14は天板である。
【0021】
このように構成されるため、リフトダウン時には、図2に示すように、外柱6bは自重で内柱6aに深く嵌合し、支持柱6は収縮した状態即ち、架構体5の高さを低くした状態でピット104内に収められる。この時の支持柱6の長さは、固定リフタ1のストロークS1と同一に設定され、リフトダウン時には天板14とフロア上の床面Gとが略同一高さになるようになっている。
【0022】
一方、リフトアップ時には、図1に示すように、テーブル4の上昇行程後半で、吊り下げバー7が固定バー10に係合することで、それ以後テーブル4の上昇に伴いチェーン9に引っ張られて外柱6bが内柱6aに対し上方へ伸長(抜出)され、リフトアップ時の架構体5の高さがS2(吊り下げバー7が固定バー10に係合した後の固定リフタ1のストローク量)分だけ高められ、また、フロア上の床面Gとテーブル4とが略同一高さとなるようになる。
【0023】
このようにして、ピット104の深さHを十分に確保することができない場合でも、架構体5の高さを可変にすることで、リフトアップ時とリフトダウン時の両方において好都合な固定リフタ1が実現される。
【0024】
即ち、リフトアップ時には、架構体5の高さが高められ、これにより、作業者が楽に架構体5内を通り抜けることができると共に、可動リフタ100に作業者が乗ったままで架構体5内を出入りすることができ、工場内の作業性が向上される。一方、リフトダウン時には、架構体5の高さを低くして、ピット104内にコンパクトに収納できると共に、作業者が天板14上を徒歩で通過することもできる。
【0025】
尚、本実施例では、内柱と天板を備えた外柱を用いて、外柱が内柱に対して上昇するようにしたが、天板を備えた内柱と外柱を用いて、内柱が外柱に対して上昇するように構成しても良い。
また、本発明は上記実施例に限定されず、連動機構Aに他の構造のものを用いる等各種変更が可能なことは言うまでもない。また、本発明のリフタは印刷工場に限らず、あらゆる工場に適用できる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ピット内を昇降可能なテーブル上に天板を備えた架構体を設けると共に、この架構体の支持柱を伸縮自在に形成し、前記テーブルの昇降動作に連動して支持柱を伸縮させ同テーブルの上昇に伴い天板をテーブルに対して移動させる連動機構を設けたので、リフトダウン時には、支持柱を収縮させて架構体の高さを低くした状態でピット内に収納でき、リフトアップ時には、逆に支持柱を伸長させて架構体の高さを高くでき、ピット深さを十分に採ることができない工場においても、工場内の作業性を著しく向上させられる。
【0027】
請求項2の発明によれば、支持柱は内柱と外柱からなるので、簡単な構造で支持柱を伸縮させられる。
【0028】
請求項3の発明によれば、連動機構は、テーブルの下側方に配設される吊り下げバーと、該吊り下げバーに一端が係止され他端側が内柱上端のスプロケットを巻回した後外柱の下端に係止される複数本のチェーンと、前記テーブルの所定の上昇位置で前記吊り下げバーに係合して該吊り下げバーのそれ以後の上昇を阻止すべくピット内壁に固設された固定バーとを有するので、簡単な構造で且つ安価に連動機構が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すリフタのアップ時の正面及び側面図である。
【図2】同じくダウン時の正面及び側面図である。
【図3】同じくチェーンの掛け回し状態の説明図である。
【図4】可動リフタの使用状態の説明図である。
【図5】従来の固定リフタの説明図である。
【符号の説明】
1 固定リフタ
2 ベース
3 リンク機構
4 テーブル
5 架構体
6 支持柱
6a 内柱
6b 外柱
7 吊り下げバー
8 スプロケット
9 チェーン
10 固定バー
14 天板
100 可動リフタ
104 ピット
A 連動機構
G 床面

Claims (3)

  1. ピット内を昇降可能なテーブル上に天板を備えた架構体を設けると共に、この架構体の支持柱を伸縮自在に形成し、前記テーブルの昇降動作に連動して支持柱を伸縮させ同テーブルの上昇に伴い天板をテーブルに対して移動させる連動機構を設けたことを特徴とするリフタ。
  2. 前記支持柱は内柱と外柱からなることを特徴とする請求項1記載のリフタ。
  3. 前記連動機構は、テーブルの下側方に配設される吊り下げバーと、該吊り下げバーに一端が係止され他端側が内柱上端のスプロケットを巻回した後外柱の下端に係止される複数本のチェーンと、前記テーブルの所定の上昇位置で前記吊り下げバーに係合して該吊り下げバーのそれ以後の上昇を阻止すべくピット内壁に固設された固定バーとを有することを特徴とする請求項2記載のリフタ。
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