JPH09156890A - 車輌整備用リフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレート式とアーム式との両機能を備えた車
輌整備用リフトにおけスイングアームの先端の垂れ下が
り峨り現象を防止する。 【構成】 プレート３の外側縁中央部にブラケット１０
を一体的に添設し、そのブラケット１０に、スイングア
ーム１１の基端部を水平回動自在に枢着し、前記ブラケ
ット１０におけるスイングアーム１１の回動中心より先
端側で、スイングアーム１１をオフセット位置でスイン
グアーム１１下面との摺接面に、押し上げ板１２，１２
を固着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車輌を支持する場
合、プレートで支持するプレート式と、スイングアーム
の先端に設けられた受け台で支持するアーム式のいずれ
かを選択可能とした車輌整備用リフトに関する。

【０００２】

【従来の技術】乗用車タイプの車輌は、底部の両サイド
に支持対象となる部分を広範囲に亘って有している場合
が多く、そのような車輌では、プレート式とアーム式と
のいずれをもが使用可能であって、車輌を乗り入れるだ
けでリフトアップ可能なプレート式が好まれる。しかし
オフロード車やトラックタイプの車輌では、底部がシャ
ーシ構造となっているので、支持対象となる部位が限定
され、プレート式を利用できない。そこで従来、昇降装
置によって昇降動作される左右一対のプレートにおける
各プレートの外側縁中央部にブラケットを一体的に添設
し、そのブラケットに、スイングアームの基端部を水平
回動自在に枢着することによって、前記のようなプレー
ト式とアーム式との両機能を有した車輌整備用リフト
が、例えば実公平１−９８３５号公報等に開示されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種のリフトでは、
車輌をプレート上に乗り入れさせやすいように、プレー
トはできるだけフロア面いっぱいまで下降させることが
できた方が良いし、スイングアームを、プレート面上か
ら退避させたオフセット位置に回動させられるようにす
る必要がある。ここで問題となるのが、スイングアーム
をプレート面上から退避させた場合、図８に示すよう
に、ブラケット１０で片持ち支持されたスイングアーム
１１の先端が垂れ下がり現象を起こすので、プレートを
フロア面に近づけるほどスイングアーム１１がフロア面
Ｆに接触しやすくなり、スイングアーム１１を回動させ
る度にフロア面Ｆを擦り、スムーズに回動させられない
と共に、フロア面を傷付けてしまったり、プレート３上
に乗り込ませる際にスイングアーム１１をいちいち持ち
上げなくてはならない不具合を生ずる。前記従来のリフ
トでは、スイングアームをスプリング力で一定高さに浮
き上がった状態に規制することによって、スイングアー
ムの回動を円滑化ならしめているが、受け台の位置がそ
れだけ高くなってしまうので、最低地上高が低い車輌で
はスイングアームを車輌の下にセットできない事態を招
いてしまう。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、スイングーム
がプレート上に位置するときは低く、プレート面から退
避したオフセット位置では高くして従来の車輌整備用リ
フトに生じていた不具合を解消した車輌整備用リフトで
あって、その構成は、ブラケットとスイングアームと相
互間に、スイングアームの先端がプレート上から外方へ
外れた位置でアームの先端を押し上げ支持するアーム支
持手段を設けたことにある。前記アーム支持手段として
は、ブラケットにおけるアームの回動中心より先端側に
あたるアームの下面と摺接する面に固着され、アーム先
端側の垂れ下がりを規制する押し上げ板や、回動中心よ
り基端側にあたるスイングアームの上面に摺接してアー
ム基端側の浮き上がりを規制する押し下げ板が好適に利
用される。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明に係る車輌整備用リフト
を、図面に基づいて説明する。図１はリフト全体を、図
２は設置状態を示した夫々説明図であって、１，１はベ
ース、２，２は昇降装置、３、３は車輌支持用のプレー
トであって互いに平行に配置されている。これらベース
１，１、昇降装置２，２及びプレート３、３は、いずれ
も左右対称構造であるので、以下共通する部分はいずれ
か一方のみについて説明する。前記ベース１は、両サイ
ドに沿ってレール部１ａ，１ａを有した矩形枠に形成さ
れ、片端側に蓋付きボックス１ｂを備えており、フロア
に掘設されたピット内に、前記蓋付きボックス１ｂの蓋
面がフロア面に一致するよう収容設置される。又ベース
１，１間の他端側には、テーブル４が設けられ、そのテ
ーブル４も、前記蓋付きボックス１ｂと同様に、ピット
内にテーブル面がフロア面に一致するよう収容設置され
る（図２）。

【０００６】昇降装置２は、長さの相違する二種のリン
ク５ａ，５ｂを、交叉部から下方の長さが同じになるよ
うにして前記交叉部を軸着した所謂λ状のリンク機構５
における短かいリンク５ａの下端部を前記ベース１の他
端部に軸着すると共に、長いリンク５ｂの下端部を、前
記ベース１のレール部１ａ，１ａに沿って移動自在に組
み付け、長いリンク５ｂの上端部を、プレート３の他端
部に軸着し、短かいリンク５ａの交叉部より上方に突出
した部分と、プレート３における前記長いリンク５ｂの
軸着部より中央寄りの部位とが、支持ロッド６で連結さ
れたものとなっていて、長いリンク５ｂの下端部分と、
短かいリンク５ａの上端部分との間にシリンダ機構７を
連結し、シリンダ機構７の動作によって前記リンク機構
５を開閉作動することによってプレート３を昇降動作さ
せる。

【０００７】前記長いリンク５ｂの下端部にはローラ８
が取り付けられており、そのローラ８がレール部１ａ上
を転動するようになっていて、レール部１ａの上面は、
リンク機構５の開閉動作に伴ってプレート３を傾斜させ
ることなく水平姿勢を保つように補正する補正カーブ面
に形成されている。又長いリンク５ｂとシリンダ機構７
との相互間には、ラック９ａと掛止爪９ｂによる落下防
止機構９が設けられている。

【０００８】前記プレート３は延長プレート３ａを引き
出すことによりプレート長さが調整可能で、そのプレー
ト３の外側縁中央には、プレート３と略同一面のブラケ
ット１０が一体的に添設され、そのブラケット１０に
は、先端に車輌受け体１１ａを備え、側面に把手１１ｂ
を有したスイングアーム１１の基端部が水平回動自在に
枢着されている。前記ブラケット１０におけるスイング
アーム１１の回動中心より先端側にあたるスイングアー
ム１１との摺接面には、スイングアーム１１がプレート
１の上面から外れたオフセット位置で当接する部分の厚
みを大きくしたアーム支持手段としての押し上げ板１２
が固着されている。前記スイングアーム１１は、延長ア
−ム１１ｃを摺動操作することによって伸縮可能で、任
意長さに調整固定できる。

【０００９】このように形成された車輌整備用リフト
は、リフトダウンさせると長いリンク５ｂによってボッ
クス１ｂの上面を覆っている蓋体が片端側に移動され、
リンク機構５が完全にピット１３内に収容されると共
に、ピット１３の上面がプレート３で覆われ、そのプレ
ート３はフロア面Ｆと略同一面まで下降する（図３）。
プレート３上に車輌を乗り込ませるには、前記リフトダ
ウン状態でスイングアーム１１をプレート３上から退避
するよう、把手１１ｂを持ってプレート３の側方へ回動
させてオフセットする（図４）。このときスイングアー
ム１１は図５に示すように回動中心より先端側にあたる
部分が押し上げ板１２に乗り上がって先端部が押し上げ
られ、スイングアーム１１はフロア面Ｆに接触すること
がなく、又車輌乗り入れ後にスイングアーム１１を内側
に回動させてセット位置にする場合、スイングアーム１
１はプレート３上へスムーズに乗り込んでプレート３の
上面を摺動する。従ってスイングアームによりフロア面
を傷付けることがないし、プレート上に乗り込ませるに
際してわざわざ持ち上げる必要もなく、車輌受け体の位
置が高すぎたりもしない。

【００１０】前記押し上げ板１２は、図６に示すように
プレート３の上面に連続し、徐々に高くなるよう緩やか
な傾斜を付与することが望ましく、既設のリフトにあっ
ては、押し上げ板を追加するするだけで簡単に実施でき
るが、ブラケット自体のアーム摺接面に、アーム支持手
段として高い部分を形成することもできる。又図示はし
ないが、ブラケットの前後部に、スイングアームの下面
に摺接する押し上げ部材を延設し、その押し上げ部材で
押し上げるようにしても差し支えない。

【００１１】前記実施例はスイングアームを押し上げ支
持する構造であるが、図７に例示するように、回動中心
より基端側にあたるスイングアーム１１の上面に摺接し
てスイングアームの基端側の浮き上がりを規制するアー
ム支持手段として、押し下げ板１４、１４を設け、スイ
ングアームの基端を押し下げることによって先端側を浮
き上がらせるようにもできる。

【００１２】本発明の車輌整備用リフトは、リンク機構
を利用した昇降装置に限定されるものでなく、垂直に埋
設されたシリンダ機構の上端にプレートを固着した埋設
型リフトや、二柱式や四柱式のリフトにも適用される。
又、押し上げ板や押し下げ板の形状、固着位置等は実施
例に限定されるものでなく、アーム支持手段はプレート
状以外でもかまわないのであって、ロッドを固着して形
成することもできる。更に、アーム支持手段は、ブラケ
ットに押し上支持や押し下げ支持する部材を設けるばか
りでなく、スイングアームの先端がブラケットより下に
垂れ下がることを防止できるようにスイングアームを支
持可能であれば、ブラケットとスイングアーム相互の位
置を規制するアーム支持手段としての規制用部材をプレ
ートの側部に設けても差し支えなく、固定式、可動式を
問わない。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、プレート式とアーム式
との両機能を備えた車輌整備用リフトにあって、スイン
グアームをプレート上から退避させたオフセット状態
で、スイングアームの先端側がアーム支持手段によって
浮き上がり支持されるから、リフトダウンさせた場合で
もアームがフロアに接触せず、フロア面を傷付けること
がないし、セットさせるためプレート上に乗り込ませる
ときに持ち上げる必要がなく、セット位置での高さを低
く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車輌整備用リフトの実施例を示す
斜視図である。

【図２】車輌整備用リフトの設置例を示す説明図であ
る。

【図３】プレートをリフトダウンさせてスイングアーム
をセット位置にした説明図である。

【図４】スイングアームをオフセットした説明図であ
る。

【図５】オフセット状態におけるスイングアームの説明
図である。

【図６】押し上げ板の説明図である。

【図７】変更例の説明図である。

【図８】オフセット状態におけるスイングアームの従来
例を示す説明図である。

【符号の説明】

１・・ベース、１ａ・・レール部、１ｂ・・蓋付きボッ
クス、２・・昇降機構、３・・プレート、３ａ・・延長
プレート、４・・テーブル、５・・リンク機構、５ａ・
・短かいリンク、５ｂ・・長いリンク、６・・支持ロッ
ド、７・・シリンダ機構、８・・ローラ、９・・落下防
止機構、９ａ・・ラック、９ｂ・・掛止爪、１０・・ブ
ラケット、１１・・スイングアーム、１１ａ・・車輌受
け台、１１ｂ・・把手、１１ｃ・・延長アーム、１２・
・押し上げ板、１３・・ピット、１４・・押し下げ板、
Ｆ・・フロア面。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降装置によって昇降動作される左右一
   対のプレートにおける各プレートの外側縁中央部にブラ
   ケットを一体的に添設し、そのブラケットにスイングア
   ームの基端部を水平回動自在に枢着し、前記ブラケット
   とスイングアームとの相互間に、スイングアームの先端
   がプレート上から外方へ外れた位置でアームの先端を押
   し上げ支持するアーム支持手段を設けたことを特徴とす
   る車輌整備用リフト。
2. 【請求項２】 前記アーム支持手段が、ブラケットにお
   けるアームの回動中心より先端側にあたるアームの下面
   と摺接する面に固着され、アーム先端側の垂れ下がりを
   規制する押し上げ板である請求項１に記載の車輌整備用
   リフト。
3. 【請求項３】 前記アーム支持手段が、回動中心より基
   端側にあたるスイングアームの上面に摺接してアーム基
   端側の浮き上がりを規制する押し下げ板である請求項１
   に記載の車輌整備用リフト。