JPH0647326B2 - 自動車車輪用滑り止め装置 - Google Patents

自動車車輪用滑り止め装置

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JPH0647326B2
JPH0647326B2 JP1181653A JP18165389A JPH0647326B2 JP H0647326 B2 JPH0647326 B2 JP H0647326B2 JP 1181653 A JP1181653 A JP 1181653A JP 18165389 A JP18165389 A JP 18165389A JP H0647326 B2 JPH0647326 B2 JP H0647326B2
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メトロウ ミツシエル
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車輪の滑り防止装置関連の発明で特に車輪の雪
中走行用タイヤチェーンの分野に関する発明である。
(従来の技術) 自動車ドライバーが道路側端でタイヤに雪中走行用チェ
ーンを、しかも多くの場合、悪天候の中で取付ける作業
の困難さは誰でも知っていることである。
このような大変な手間のかかる取付け作業を避けるため
に、自動的に取付け出来るようなタイヤチェーンが提案
されてきた。
たとえば、フランス特許No. 2.492.744 では自動的に取
付けられるように引き寄せ機構の付いた車輪の滑り走行
装置が説明されており、これにより、当該車輪の外周に
滑り防止チェーン又は同種の走行装置を取付け保持がで
きるようにしてある。
タイヤ外周の表面とチェーンとの相互作用を考えて、引
き寄せ機構は、腕と呼ばれる連結部材を支持する中心箱
に対し回転方向に沿って取付けられている。該連結部材
は当該チェーンに間接的に結合されている。
本発明者が出願した欧州特許No. 87115502.4では上述の
ような型の装置が記述されているが、内容は主に引き寄
せ機構と、中心箱に対するその取付け方法について述べ
られている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明では、連結部材の腕とチェーンの間に間接機構を
設けて、接地の際に起こるタイヤ走行面の変形に対応で
きるようにした。この接地面変形に追随するにはタイヤ
外周の接線方向に対し回転する関接機構が必要である。
このような関接機構はこのシステムのウィークポイント
となるので本発明ではこのような弱点を避けることを目
的としている。
本発明者が出願したドイツ特許No.P 35 45528.4 では特
に屈曲した連結腕の説明がされており、これにより各腕
の先端はタイヤに装着された時に近い位置に来るうえ
に、荷重がタイヤにかかった時のタイヤの膨張を許容で
きる。また、中心箱に対し連結腕は滑動するようになっ
ており、取付ける車輪の寸法に応じて、タイヤが接地す
る時の変形に対応できるようにしてある。
走行面部分については通常、タイヤに装着する位置に固
定する部材と結合されているチェーンを使うのが一般的
である。システムにより、固定部材には中間チェーンの
リングに直接取付けられる中間チェーンを通すための孔
がある。
また、既に走行部が柔軟性のある素材でできており、中
間チェーンのリングで連結されている形式のものも提案
されている。中間チェーンの長さに比べ、柔軟性素材部
分の表面がはるかに大であっても習慣的に「スノーチェ
ーン」の呼び方は変わらない。
このようなシステムでは滑り防止走行部のチェーンの長
さを調節する必要があり、この調節はチェーンのリング
の数を変えることで行うことができる。
また、従来のシステムの欠点としてチェーンと路面の摩
擦により大きな音を発することが挙げられる。
このような従来のタイヤチェーンの欠点を改良すること
が本発明の目的である。
(問題点を解決するための手段) 本発明によるタイヤチェーンは次の部材から構成されて
いる。すなわち、車輪の外周上に脱着可能である滑り防
止走行部、直径方向に伸びる前記走行部に挿入されたチ
ェーンガイドと連結されている連結腕を保持する中心箱
及び車輪外周上に自動的に走行部を装着し保持するため
の引き寄せ機構である。
本発明の特徴は走行部が弾力性部材を有していること
で、これによりタイヤ外周と滑り防止走行部との間の遊
びが補正される。
本発明システムのひとつの態様としては走行部は少なく
とも二連の円形鎖が走行面の両側方に夫々取付けられ、
走行部の側部に等間隔にプレートが設けてある。この態
様のタイヤチェーンでは弾力性部材はバネ(コイル・バ
ネ、ブレード・バネ、弾性リング)であり、このバネは
隣り合う2個のプレート間に取付けられてある。
本発明の別の態様では弾力性部材は走行部を形成する柔
軟なプレート自身である。このプレートには開口部が設
けられ、傾斜状の走行部を形成し、この走行部には地面
をグリップするために凸起筋が付いている。このような
プレートが互いに連結されている。柔軟プレートの代わ
りに硬いプレートを使って弾力性のある部材で互いに連
結する方式もある。
(実施例) 添付した図面は本発明の実施例として代表的なシステム
を示すがこれは限定的事例ではない。
第1図では、本発明による主要構成部材を概略的に示し
ている。
滑り防止用タイヤチェーンを取付ける車輪(10)には通常
のタイヤ(11)とリム(12)とがあって通常の方式で車両の
車軸に装着されている。
タイヤ(11)の外周には滑り防止走行部(20)が表わされて
いる。この走行部は既知のリング(21)でできており、こ
の二連のチェーンの間隔はプレート(22)によって保持さ
れている。走行部(20)にはチェーンガイド(30)と呼ばれ
る部材が少なくとも4個付いているが、これは特殊な形
状の部材であり後で詳述する。
チェーンガイド(30)は、連結腕(40)に連結され、この連
結腕は中心軸(60)に取付けられた中心箱(50)にほぼ十文
字に取付けられている。
このタイヤチェーンには引き寄せ機構(70)があり、これ
により走行部(20)が自動的に車輪(10)に装着され保持さ
れる。
この引き寄せ機構(70)は、第1図で示したように、弾力
性部材(71)と車のリム(12)に引き掛ける爪(72)とででき
ている。この爪(72)は金属性で通常はステンレス又はプ
ラスチックでコーティングされている。
詳細図である第2図および第3図では図を簡明にするた
めに走行部(20)は表わされていないが、車輪(10)とリム
(12)は表わされている。
チェーンガイド(30)は第3図で示すように平坦部(31)が
あり、そこがタイヤ(11)の走行面を覆うのである。この
チェーンガイド(30)の平坦部(31)には2個の孔(32, 33)
があってこの孔に走行部(20)のチェーンのリング(21)が
通る。また、この平坦部には、ある場合には2個の横腕
(34, 35)がチェーンガイド(30)の両側に走行部のほぼ中
央付近で突出するように配置する。この横腕(34, 35)の
高さは、走行部(20)の厚みより大きいか等しい。この図
では、このチェーンガイドの同じ位置の両側に横腕が付
いているが、この腕を数を変えたり、取付け位置も交互
になるような形も当然考えられる。
チェーンガイド(30)の平坦部(31)の先端部は湾曲した部
分(36)となってタイヤ(11)の丸みにフィットし、そこに
設けられた偏平な孔(37)に連結腕(40)と連結するための
軸体(38)が通される。この軸体(38)は場合により、ピン
とかリベットとかビスとナットとか連結の用をなすもの
が使用される。
連結腕(40)は通常は金属性の長方形断面を持ち、途中に
タイヤの方に近づく方向に傾斜した部分(41)があり、更
に先端部(42, 43)は傾斜した部分(41)と別方向に車輪の
面にほぼ平行になるように屈曲している。
腕の先端部(42)は折り返し(44)によりチェーンガイドと
連結させる軸体(38)を包み込んでいる。
全体をしっかりさせるために、この先端部の折り返し部
分を溶接することも出来る。
当然ながら先端部(42)の形状は走行中にタイヤに当たっ
て擦れることのないように工夫すべきで、タイヤの形に
沿うように外方に僅かに湾曲することが望ましい。
中心側の先端部(43)は、一般的には直線でほぼ直角な屈
曲部(45)で終わり、この屈曲部は中心箱に取付く部分で
ある。この中心箱は後で説明するように2個の胴体(51,
52)からできており中心部に軸(60)を通す穴がある。
第3図で見られるようにこの中心軸(60)は、ビス(61)の
ことでこのビスには先ず外部ワッシャー(62)があり、次
にビスは中心箱の胴体(51, 52)を貫通し、中間ワッシャ
ー(63)、引き寄せ機構(70)の弾力性部材(71)、引き寄せ
プレート(80)と内部ワッシャー(64)とを貫通してからナ
ット(65)で連結される。ビス(61)の頭とナット(65)まで
の部分にスリーブ(66)がある。
上述のようにこの機構は引き寄せ機構(70)を有しこの引
き寄せ機構には中心孔(73)のある弾力性部材(71)と補強
材(75)で補強された延伸腕(74)が付いている。望ましい
実施例では延伸腕(74)の先に把握機構(76)があり、これ
が延伸腕(74)に設けられた孔(77)と車輪のリム(12)の縁
又は開口部の所に爪(72)が入り易いようにする。
引き寄せプレート(80)は円形で、第3図で示すように車
輪に面した側に内部ワッシャー(64)が入る寸法の凹部(8
1)があり、その中にナット(65)も入る。プレートの反対
側には弾力性部材(71)の中心部の穴の寸法に合った円形
凸部(82)がある。
第4図は、中心箱(50)を形成する胴体(51,52) を分離し
た図である。両胴体(51, 52)とも中心に穴(53)があって
ビス(61)とスリーブ(66)が通せるようになっている。胴
体の外側面には円形の凹部(54)があって、外部ワッシャ
ー(62)又は、中間ワッシャー(63)を受ける。反対面には
二本の直線的な溝(55, 56)が走り、連結腕(40)の中心側
先端部(43)がそこに通せるようになっている。両溝には
横に数個の平行な孔(57)があり、その孔に連結腕(40)の
先端部の屈曲部(45)が嵌め込まれる。良好な実施例では
胴体(51, 52)は四角形で同一形状をしていて夫々の溝が
互いに直角になるように組むことで4本の連結腕が十文
字になるようにできる。
第5図は第2図に示す走行部(20)の一部をなすプレート
(22)を示す。このプレートは金属製である。
図ではスタンピングによってできるこのプレートの断面
を示し、右端に開口部(23)とそれに続く穴(24)があり、
その穴にチェーンのリング(21)がはまるようになってい
る。左端ではチェーンのリングははまっており開口部が
溶接部(25)により閉じられた状態を示す。このプレート
には凹部(26)があるがこれの有用性は後に説明する。
第6図はチェーンガイド(30)とその先端部(43)の先にあ
る連結腕(40)との連結の詳細を示す。この図ではチェー
ンガイド(30)と連結するための軸体(38)が包み込まれて
いる折り返し(44)が示されている。又、孔(32, 33)が見
えるがこれはチェーンのリングが通る孔であり、又、平
坦部(31)には両側に張り出ている横腕(34, 35)が見られ
る。この図の実施例ではこの横腕の先端はとんがってい
るが、第2図の場合はとんがりが切り落とされた形にな
っている。但し、ここで重要なことはこのような横腕(3
4, 35)がチェーンガイドの側方に張り出ていることであ
る。チェーンガイドの湾曲部はタイヤの丸みにフィット
するために施したものであり、そこには偏平孔(37)が設
けてあり、その孔には折り返し(44)と連結するための軸
体(38)が通るようになっている。
第7図から第8図までの各図に示されている走行部には
上記のプレート(22)が側方から見え、プレートには凹部
(26)が示され、又、チェーンのリング(21)も示されてい
る。
後に説明するように走行部はある程度の柔軟性を持つ必
要があり種々の方法が考えられる。その例として、第7
図に示したコイルバネ(27)、第8図に示した環状型バネ
(28)、及び第9図に示したブレード型バネ(29)などがあ
る。
これら弾性体は2個の隣合うプレート(22)の間に設けら
れている。
実施例によってはバネは金属性プラスチック製又はゴ
ム、合成化学材等、様々である。要するに素材としては
厳寒の中でも弾力性が良いものを選択すればよいのであ
る。
第10図及び第11図では別な形式の走行部を示す。この形
式ではチェーンのリングやプレートの代わりにエラスト
マー素材の部材(90)又は、その整数倍の長さに切削され
たプレート(91)を使う。この素材はプラスチックであっ
てもよい。全体の弾力性を確保するため切開部分(92, 9
3)により走行方向に対し45度の角度を持った傾斜部材(9
4)を作るようにする。この傾斜部材(94)は走行方向に対
しある角度を持たせてあるのはこのタイヤチェーンがタ
イヤに装着された時走行部に張力が働くようにするため
である。
上記プレート(91)は金属製の金具(95)で連結される。別
な実施例として、上記金具の代わりにピンによる連結法
もできる。又、後に説明するようにこの連結部の素材が
弾力性を持ったものを使うことも考えられる。
また、プレート(91)には凸起筋(96, 97)がある。凸起筋
(96)は傾斜部材(94)に付いており、凸起筋(97)は走行方
向に直角な部材の殆ど全長に付いている。
第11図では上記と似たプレート(91)があるが90度回転さ
せた形になっており凸起筋(98)は走行方向に平行な位置
にある。これら凸起筋(96, 97, 98)は地表をグリップす
る作用がある。
このような形式の走行装置は走行方向に平行な方向と直
角の方向および傾斜部材の傾斜による中間方向と云った
主要方向に働く弾力性がある。
勿論このプレート(91)の弾性素材は厳寒の中でも弾力性
を充分に有する素材でなければならない。
図に示していない別な実施例としては、中間プレート(2
2)にチェーンガイドの横腕(34, 35)と同じような横腕を
付けてねじれ強度を補強することも考えられる。
第12図は第3の態様の走行部を示す。これは弾力性のあ
る連結部材(110) が硬い走行部部材(120) を連結してい
るものである。
弾力性連結部材(110) は金属製の屈曲状部品で弾力性は
U字型に湾曲した形で得られている。弾力性連結部材の
一方の部位(111) はもう一方の部位(112) より少し長く
その先端部(113) には後述する固定機構が付く。
走行部部材(120) は中央部(121) からなるプレートでで
きており、このプレートの長さが走行部の巾に当たる。
この中央部(121) には横に突き出た横枝(122, 123, 12
4) があり、この横枝はタイヤの面に当たる。そのため
上面(125) は平坦又は、僅かに内側に湾曲し、下面(12
6) はそれより小さい半径の丸みをおびている。これは
チェーンガイドの横腕(34,35) の場合と同様である。
各横枝(122, 123, 124) には弾力性連結部材(110) の一
方の部位(111) 又はもう一方の部位(112) が通る孔(12
7) がある。図に示されている実施例では横枝に孔(127)
が2個づつ空けてあるのは走行部の長さを最終的にこ
れで調節するためである。
走行部部材(120) は望ましくはプラスチックの弾力性の
ない素材で作る。それはこのタイヤチェーンを装着した
時の騒音を少なくするためである。
弾力性連結部材の先端部(113) は走行部部材(120) と弾
力性連結部材(110) との連結を締結する機構を有してい
る。この締結は自動締結式ワッシャーやナット又はピン
で行うことができる。
第13図に示すタイヤチェーンは種々の形のエラストマー
素材の部材を使用しており、これら部材は夫々別々に使
用したり図に示すように組み合わせて一緒に使用するこ
とができる。
先ず弾力性プレート(130) を示したがこれはチェーンガ
イドの役割をする。次に引張機構(140) は第7図のバネ
と同じ役割をし、チェーンのリング128, 129)の間に挿
入されている弾力性プレート(150) があり、所望なら既
に説明したプレート(22)を追加することもできる。これ
らの弾力性部材は厳寒の中でも弾力性を保持する素材で
なければならない。例えばナイロン・ファイバー又はナ
イロン・ファイバーで補強されたゴムを使うことも考え
られる。弾力性プレート(130) のチェーンガイドには平
坦部(131) があって、タイヤの外面に当たるようになっ
ている。
このプレートには中央に開口部(132) があり、全体の弾
力性を増すようにしている。図に示した接地面には、こ
のプレートに凸起筋(133, 134)があり、路面に対するグ
リップを良くしている。プレートの両側にはチェーンの
リングと連結するためのリング(21)がついている。
第14図ではプレート(130) のチェーンガイドの断面を示
しており、そこにはタイヤと接している部分に横に走る
凸起筋(135) が示されている。各プレートには凸起筋(1
35) が5〜6本付いているのが良い。
プレート(130) には横に出た屈曲した突出部(136) があ
り、その部分の先端には切り込み(137) があり、連結腕
(40)の屈曲した先端部(42)がそこに嵌合するようになっ
ている。プレート(130) と連結腕(40)はビス(138) で連
結されている。このビスはその丸い頭部がタイヤ(11)の
側部に来るようにして取付けられている。この先端部を
金属当筋(139) で補強することができる。また、この先
端部と連結腕の間にこの種装置業者のよく知る関節機構
を設けることも考えられる。
第13図はさし針の形をした引張機構(140) を示している
が、これは第7図のコイルバネ(27)と同じ役割のもので
ある。即ち、これによりチェーンのリング(128, 129)と
の間を引き寄せる働きをする。この引張機構は円筒形の
中心軸(141) とその両端に付いている軸頭(142, 143)か
らできている。この引張機構をチェーンのリング(128,
129)に通すために軸頭(142) にはその外側に軸頭の延長
部(144) があり、この延長部の穴(145) に引張金具を付
けて軸頭が変形してチェーンのリングを通るように引張
る。軸頭がチェーンのリングに通された後は上記延長部
は軸頭から切断されて切り離される。それ故に図ではこ
の延長部は点線で示されている。
プレート(150) はプレート(130) と同様に中央部に開口
部(152) を有する長方形部材(151) から構成されてお
り、且つ表面には凸起筋(153, 154)を有し、路面へのグ
リップ性を良くしている。
プレート裏面には、横に平行に走る凸起筋(155) がタイ
ヤの表面に横方向に当たるように付いている。図ではこ
の凸起筋は点線で示されている。
また、路面に対するグリップ性を良くするために凸起筋
(133, 135)はU字形を呈し、走行方向に対し、対称的に
並んでいる。
これまで説明した様々な部材は、ユーザーに納められる
まで、次のような手順で組立てられる。
走行部(20)はこの種装置業者によく知られた手法ででき
ているもので種々の実施例による差異がある。
すなわち、第7図から第9図及び第14図に記載の部材は
チェーンのリング(21)と各種バネ(27, 28, 29)、または
引張機構(140) とプレート(22)からできており、第10
図、第11図に記載の部材は柔軟で弾力性のあるプレート
(90, 91)からできており、そして第12図に記載の部材は
連結部材(110) が硬質の走行部部材(120) の間に挿入さ
れてできている。いずれの場合でもチェーンガイド(30)
又は弾力性プレート(130) のリング(21)が4本等間隔に
設けられた孔(32, 33)に通される。
当然ながら、このようにしてできた走行部(20)は各種市
販タイヤの外径に合わせるべきである。
チェーンガイド(30)とそれに対応する連結腕(40)との連
結は偏平孔(37)と折り返し(44)に通した軸体(38)によっ
て連結される。
第13図と第14図の弾力性プレート(130) では連結腕(40)
との連結はビスによる固定的な連結とすることができ
る。勿論この場合でも弾力性プレート(130) と連結腕と
の間に例えば連結腕に対し遊びを許容するコイル状の関
節機構を設けることもできる。
連結腕(40)と中心箱(50)との連結は連結腕(40)の先端部
(43)を溝(55, 56)の一方に入れ腕の先端の屈曲部(45)を
溝に設けられた横切開孔(57)に嵌め込む。上記横切開孔
(57)が溝に何本も設けられているのは異なる径の車輪に
対して部品を変えることなく対応できるためである。
この装置の中心軸(60)となるビス(61)をナット(65)で締
め付けることにより、中心箱(50)の2個の胴体(51, 52)
が連結され、それにより連結腕(40)が中心箱に固定さ
れ、同時に引き寄せ機構(70)の引き寄せプレート(80)が
中央円形凸出部(82)の周囲にある凹部(81)に固定され
る。
第3図に見られるように上述の機構にはワッシャー(62,
64)があるがこれは一方では中心箱の胴体(51, 52)間の
動きと、他方では引き寄せ機構のプレート(80)とそれに
付随する引き寄せ機構(70)と中心箱(50)との間の動きと
を許すために設けられたもので、その理由は後述する。
以上の調整作業は出荷前に工場で行われ、販売店では行
う必要はない。
使用しない時には、本発明のタイヤチェーンの連結腕(4
0)は十文字に開いた状態でなく胴体(51,52) の一方を他
方に対して回転させることで2本づつ重なった状態にす
る。チェーンガイド(30)は連結腕(40)に沿って折り畳ま
れ、走行部(20)はタイヤからはずれて自由になり、全体
は小さくなって収納し易い。
ユーザーが本発明のタイヤチェーンを使用する時は、上
記の連結腕(40)を十文字になるようにひろげる。次にタ
イヤの上の方に走行部(20)の一部を乗せ、第1図に示す
様に2本のチェーンガイド(30)がほとんど定位置にくる
ように連結腕を位置付ける。
次に車輪のリム(12)の開口縁に爪(72)を引き寄せ機構(7
0)の延伸腕(74)の孔(77)に通して引掛ける。この時、把
握機構(76)を使用して上記作業を行う。走行部は弾力性
があるのでユーザーは走行部の張力を確かめて調整する
だけでよい。
(効果) 車の2本又は4本のタイヤに上述のように本発明の装置
を付けた後はユーザーは車を前進又は後退させるだけで
走行部は自動的にタイヤの外周の定位置に装着できる。
これはチェーンガイド連結腕の特殊な形状故に遠心力と
引き寄せ機構の求心力の作用の組み合わせにより走行部
がタイヤの外周の所定の位置に付く傾向を生ずるからで
ある。勿論タイヤチェーンが定位置に完全に装着される
までタイヤが数回回転する必要がある。しかしユーザー
は上述以上の手を下す必要はないのである。
チェーンガイド(30)の横腕(34, 35)の高さは走行部(20)
の厚みと等しいかより大であるのは前述した通りであ
る。これはチェーンガイドがタイヤの下に来た時、車両
重量のため、折り返し(44)、偏平孔(37)及び軸体(38)に
よってできている関節部にねじれを生じないためであ
る。この種装置の業者はこのような関節部が損傷や破損
に弱いことはよく知っていることである。又、チェーン
ガイドがタイヤの下になった時、偏平孔(37)は連結腕の
僅かな動きを許容することに注目されたい。
走行部に弾力があるからタイヤの形状が局部的に変形し
てもタイヤチェーンは常にタイヤの所定位置に装着さ
れ、又、チェーンガイド(30)は連結腕(40)と相対的に移
動することはない。
車が走行の際、滑り防止の作用をする部材は実施例によ
り差はあるが次に列記する通りである。チェーンを形成
するリング(21)、プレート(22)(このプレートの凹部(2
6)によって更にグリップ効果がよくなる)、プレート(9
1)の凸起筋(96, 97, 98)及びプレート(130,150)の凸起
筋(133, 134, 153, 154)に金属製のスパイクを付け加え
ることもできる。
また、引き寄せ機構(70)に取付けた弾力性部材(80)と中
心箱に固定さた連結腕(40)との間に相対的な動きにより
車輪に対する走行部部材の多少の移動を許容するもので
ある。
装置を取り外す時は、引き寄せ機構(70)の爪を車のリム
から外し、タイヤの上の部分にある走行部とチェーンガ
イドを取り外し、後は車を少し前進させるか後退させれ
ば残りの走行部は自然に外れてくるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるタイヤチェーンを取付けた車輪の
立面図、第2図は中心箱、連結腕及びチェーンガイドの
詳細を示す図、第3図は第2図の断面図、第4図は中心
箱の2個の胴体を切り離して見せた概観図、第5図はチ
ェーンに組み込まれるプレートの断面図、第6図はチェ
ーンガイドの概観図、第7図はコイルバネを弾力性部材
として用いた走行部を示す図、第8図は環状型バネを弾
力性部材として用いた走行部を示す図、第9図はブレー
ド型バネを弾力性部材として用いた走行部を示す図、第
10図は通常のチェーンの代わりにエラストマー素材の部
材を用いた走行部を示す図、第11図は通常のチェーンの
代わりにプレート部材を用いた走行部を示す図、第12図
は柔軟性のない硬い部材の間に弾力性部材が挿入された
走行部の概観図、第13図は走行部が平行チェーンででき
ておりチェーンの中に部材が挿入されている形式のタイ
ヤチェーンの上面図、第14図は第13図のXVI−XVIの面
に沿ったチェーンガイドのプレートの断面図である。 (10)……車輪、(11)……タイヤ、(12)……リム。 (20)……走行部、(21)……リング、(22)……プレート、
(23)……開口部、(24)……穴、(25)……溶接部、(26)…
…凹部、(27)……コイルバネ、(28)……環状型バネ、(2
9)……ブレード型バネ。 (30)……チェーンガイド、(31)……平坦部、(32)(33)…
…孔、(34)(35)……横腕、(36)……湾曲した部分、(37)
……偏平孔、(38)……軸体。 (40)……連結腕、(41)……傾斜部分、(42)(43)……先端
部、(44)……折り返し、(45)……屈曲部。 (50)……中心箱、(51)(52)……胴体、(53)……穴、(54)
……凹部、(55)(56)……溝、(57)……孔。 (60)……中心軸、(61)……ビス、(62)……外部ワッシャ
ー、(63)……中間ワッシャー、(64)……内部ワッシャ
ー、(65)……ナット、(66)……スリーブ。 (70)……引き寄せ機構、(71)……弾力性部材、(72)……
爪、(73)……中心孔、(74)……延伸腕、(75)……補強
材、(76)……把握機構、(77)……孔。 (80)……引き寄せプレート、(81)……凹部、(82)……円
形凸部。 (90)……エラストマー素材の部材、(91)……プレート、
(92)(93)……切開部分、(94)……傾斜部分、(95)……金
具、(96)(97)(98)……凸起筋。 (110) ……連結部材、(111)(112)……横腕、(113) ……
先端部。 (120) ……走行部部材、(121) ……中央部、(122)(123)
(124) ……横枝、(125) ……上面、(126) ……下面、(1
27) ……孔、(128)(129)……リング。 (130) ……弾力性プレート、(131) ……平坦部、(132)
……開口部、(133)(134)(135) ……凸起筋、(136) ……
突出部、(137) ……切り込み、(138) ……ビス、(139)
……金属当筋。 (140) ……引張機構、(141) ……中心軸、(142)(143)…
…軸頭、(144) ……軸頭の延長部、(145) ……軸頭の延
長部の穴。 (150) ……弾力性プレート、(151) ……長方形部材、(1
52) ……開口部、(153)(154)(155) ……凸起筋。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪(10)の外周上を移動可能な滑り止め走
    行部(20)、 前記走行部に挿入されたチェーンガイド(30)にさらに連
    結されている複数の径方向に伸びている連結手段もしく
    は連結腕(40)を保持する中心箱(50)、および 前記走行部を自動的に適切な位置に置き、車輪の外周に
    保持するための引き寄せ手段(70)を含み、 前記走行部が、前記走行部の長手方向の長さを短くし、
    前記走行部とタイヤ外周面との間に生ずる遊びを解消す
    るための複数の弾性手段を含み、 前記弾性手段は、走行部(20)が車輪(10)に装着される際
    に、前記タイヤ外周面上に位置するよう構成されてい
    る、 ことを特徴とする自動車車輪用滑り止め装置。
  2. 【請求項2】前記走行部が、走行部の両側を形成するリ
    ング(21)の少なくとも二つのリング(128, 129)、および
    走行部に沿って規則正しく、横断して置かれた複数のプ
    レート(22)を含み、 前記弾性手段が、近接する二つのプレートの間に挿入さ
    れたバネであることを特徴とする、請求項1に記載の自
    動車車輪用滑り止め装置。
  3. 【請求項3】前記プレート(22)が、車輪が路面に接地す
    る時、プレートがねじれるのを防ぐ側面部材を備えてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車車輪
    用滑り止め装置。
  4. 【請求項4】前記弾性手段が、コイルバネ(27)であるこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車車輪用滑
    り止め装置。
  5. 【請求項5】前記弾性手段が、環状型バネ(28)であるこ
    とを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車車輪用滑
    り止め装置。
  6. 【請求項6】前記弾性手段が、ブレード型バネ(29)であ
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動車車輪
    用滑り止め装置。
  7. 【請求項7】前記弾性手段が、チェーンの二つのリング
    の間に挿入されたエラストマー製の弾性プレート(130,
    150)であることを特徴とする請求項2又は3に記載の自
    動車車輪用滑り止め装置。
  8. 【請求項8】前記弾性プレート(130) が、連結腕(40)に
    固定するための突出部(136) を有することを特徴とする
    請求項7に記載の自動車車輪用滑り止め装置。
  9. 【請求項9】前記プレートが、その表面に凸起筋(133,
    134, 153, 154) を有し、その裏面に凸部を有すること
    を特徴とする請求項7に記載の自動車車輪用滑り止め装
    置。
  10. 【請求項10】前記弾性手段が、弾力性のある金属であ
    ることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の
    自動車車輪用滑り止め装置。
  11. 【請求項11】前記弾性手段が、合成製品又はゴムであ
    ることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の
    自動車車輪用滑り止め装置。
  12. 【請求項12】前記弾性手段が、走行面を形成する柔軟
    なプレート(91)であることを特徴とする請求項1に記載
    の自動車車輪用滑り止め装置。
  13. 【請求項13】前記柔軟なプレート(91)が、金属性のリ
    ング(95)であることを特徴とする請求項12に記載の自動
    車車輪用滑り止め装置。
  14. 【請求項14】前記柔軟なプレート(91)が、傾斜部材(9
    4)を形成するための切開部分(92, 93)を有することを特
    徴とする請求項12に記載の自動車車輪用滑り止め装置。
  15. 【請求項15】前記傾斜部材(94)が、凸起筋(96)を有す
    ることを特徴とする請求項14に記載の自動車車輪用滑り
    止め装置。
  16. 【請求項16】前記プレート(91)が、凸起筋(97, 98)を
    有することを特徴とする請求項14に記載の自動車車輪用
    滑り止め装置。
  17. 【請求項17】前記プレート(91, 130, 150)が、スパイ
    クを有していることを特徴とする請求項12乃至16のいず
    れかに記載の自動車車輪用滑り止め装置。
  18. 【請求項18】前記弾性手段が、柔軟性のない走行部部
    材(120) の間に介在する連結部材(110) であることを特
    徴とする請求項1に記載の自動車車輪用滑り止め装置。
  19. 【請求項19】前記連結部材(110) が、U字型の形状で
    あり、かつ隣り合わせの走行部部材(120) と連結できる
    ことを特徴とする請求項18に記載の自動車車輪用滑り止
    め装置。
  20. 【請求項20】前記U字型の少なくとも一方の腕が、柔
    軟性のない隣の部材に結合取付けできる機構を有するこ
    とを特徴とする請求項18に記載の自動車車輪用滑り止め
    装置。
  21. 【請求項21】前記硬質の走行部部材(120) が、1個又
    はそれ以上の数の横枝(122, 123, 124) を有することを
    特徴とする請求項18に記載の自動車車輪用滑り止め装
    置。
  22. 【請求項22】前記横枝が、連結部材を嵌合できる貫通
    孔を有していることを特徴とする請求項21に記載の自動
    車車輪用滑り止め装置。
  23. 【請求項23】前記硬質の走行部部材が、プラスチック
    でできていることを特徴とする請求項21に記載の自動車
    車輪用滑り止め装置。
  24. 【請求項24】前記滑り防止走行部に設けられたチェー
    ンガイド(30)が、少なくとも1個又はそれ以上の数の横
    腕(34, 35)を有していることを特徴とする請求項1に記
    載の自動車車輪用滑り止め装置。
  25. 【請求項25】前記横腕(34, 35)が、前記チェーンガイ
    ド(30)の両側に突出していることを特徴とする請求項24
    に記載の自動車車輪用滑り止め装置。
  26. 【請求項26】前記中心箱が、二個の胴体(51, 52)から
    なり胴体の一方の表面に平行な溝(55, 56)を二本有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動車車輪用滑り止
    め装置。
  27. 【請求項27】前記二本の溝(55, 56)に孔(57)を有する
    ことを特徴とする請求項26に記載の自動車車輪用滑り止
    め装置。
  28. 【請求項28】前記中心箱の胴体の中心に中心軸(60)貫
    通用の穴(53)を有し、かつ溝(55, 56)のある面と反対側
    の面に円形の凹部(54)を有することを特徴とする請求項
    26又は27に記載の自動車車輪用滑り止め装置。
  29. 【請求項29】前記二個の中心胴体(51, 52)が全く同一
    の形状であることを特徴とする請求項28に記載の自動車
    車輪用滑り止め装置。
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