JPH0640073Y2 - 自動２輪車のヘルメット収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、車体中央上部に配置された自動２輪車のヘ
ルメット収納装置に関する。

（従来の技術） 一般的な自動２輪車では、車体中央部にエンジンユニッ
トが搭載され、ヘルメット収納装置が必要な場合には、
エンジンユニットの上方、ヘッドパイプとシートとの間
に配備されるのが好ましいレイアウトになる。この場合
燃料タンクはシート下のスペースに移される。

第４図はヘルメット収納装置を備えた自動２輪車の一例
を示す。ハンドル３により操舵可能に支持された前輪１
と、エンジンユニット４により駆動される後輪２が前後
に位置し、エンジンユニット４は車体中央部を構成する
フレーム５内に懸架される。

ヘルメット収納ボックス８は、エンジンユニット４の上
方で、前輪１を支持するヘッドパイプ６とシート７との
間のスペースに設置され、燃料タンク９はシート７下方
のスペース内に配置される。ヘルメット収納ボックス８
は上面が開放され、ボックスカバー10が開閉自在に覆設
される。

ところが、この部分のヘルメット収納ボックスは、ライ
ディングポジションその他の関係上、特に横巾を大きく
とることができないので、ボックス内壁とヘルメット11
との間にほとんど隙間のないぎりぎりの大きさに設定さ
れる。ヘルメット11の頂部は丸く滑り易いので、指が入
る隙間がないと取り出しにくいという問題がある。

（考案が解決しようとする課題） このように、ヘルメット収納ボックスが大きく設定でき
ないためにヘルメットを出し入れしにくいという問題が
あるのに鑑み、この考案は、ヘルメット収納ボックスの
容量はそのままで、必要時にヘルメットが開放面より浮
上していて出し入れし易いようにした自動２輪車のヘル
メット収納装置を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、この考案の自動２輪車のヘ
ルメット収納装置は、車体中央上部のヘッドパイプとシ
ートとの間にヘルメット収納ボックスが配置された自動
２輪車において、ヘルメット収納ボックス上部開放面に
ヒンジにより上下に揺動するボックスカバーが被着され
ると共に、底面部にヒンジによって上下に揺動する底板
が設置され、ボックスカバーと底板とがコネクティング
ロッドによりリンク結合された構成をとるものである。

（作用） このように構成されたので、ヘルメットを取り出すため
にボックスカバーを上へ開くと、底板が連動して上方へ
揺動し、ヘルメットがボックス開口面より上方へ浮上す
る。これによりヘルメット側面に指を当てることがで
き、難なくヘルメットを持ち上げて取り出すことができ
る。

ヘルメットを収納するときも、底板が上がっているので
その上に置き易い。ボックスカバーを閉じれば、底板と
共にヘルメットが下がってボックス内に没入して収納さ
れる。

（実施例） 第１図はこの考案の実施例を示すヘルメット収納装置の
縦断側面図である。

符号12で示したのはヘルメット収納ボックスで、適宜の
方法で車体中央上部に配置される。ヘルメット収納ボッ
クス12の上面は開放面13となっていてヒンジ14により上
方へ揺動できるように枢支されたボックスカバー15が覆
設される。ボックスカバー15は、その閉じた状態で、図
示しないロック装置によりロックされる。

ヘルメット収納ボックス12の底面上には、底板16が敷設
される。この底板16は、上記ヒンジ14の下方に位置する
ヒンジ17により上方へ揺動できるようにボックス内壁に
枢支される。

上記ボックスカバー15下面には、ヒンジ14に近い位置の
両側にブラケット片18が突設され、同様に底板16の上面
にはヒンジ17に近い位置の両側にブラケット片19が突設
される。両ブラケット片18,19にコネクチングロッド20
の両端が軸合され、ボックスカバー15と底板16とがリン
ク結合される。

ボックスカバー15を開くと、コネクチングロッド20を介
して底板16が上方へ揺動する（第３図）。ヘルメット収
納ボックス12内に収められていたヘルメット21が浮上
し、その上半部が開放面13より上方に突出する。これに
よりヘルメット21の両側面を両手の指で挟んで持ち上げ
るのが容易になる。

ボックスカバー15を開けてヘルメット21を収めるとき
も、底板16が上がっているので、その上に置き易い。こ
うしてボックスカバー15を閉じれば、自動的にヘルメッ
ト21がヘルメット収納ボックス12内に収納される。

〔考案の効果〕

以上の通りこの考案に係る自動２輪車のヘルメット収納
装置は、車体中央上部にヘルメット収納ボックス装置が
設置された自動２輪車において、ヒンジにより開閉自在
に覆設されたボックスカバーと、同様にヒンジにより上
下揺動可能に敷設された底板とが、コネクチングロッド
を介してリンク結合されたもので、ヘルメット収納ボッ
クスを大型化することなく、ヘルメットの出し入れを極
めて容易にする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示すヘルメット収納装置の
縦断側面図、第２図は第１図Ａ−Ａ矢視の断面図、第３
図は第１図のヘルメット収納装置のボックスカバーを開
いた状態を示す縦断側面図、第４図はヘルメット収納装
置を備えた自動２輪車の一部縦断した側面図である。 12…ヘルメット収納ボックス、13…開放面、14…ヒン
ジ、15…ボックスカバー、16…底板、17…ヒンジ、18,1
9…ブラケット片、20…コネクチングロッド、21…ヘル
メット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体中央上部のヘッドパイプとシートとの
   間にヘルメット収納ボックスが配置された自動２輪車に
   おいて、ヘルメット収納ボックス上部開放面にヒンジに
   より上下に揺動するボックスカバーが被着されると共
   に、底面部にヒンジによって上下に揺動する底板が設置
   され、ボックスカバーと底板とがコネクティングロッド
   によりリンク結合されたことを特徴とする自動２輪車の
   ヘルメット収納装置。