JPH05238462A - 自動二輪車の車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、物品収納室および燃料タンクの容
積を充分確保すると共に、自動二輪車への乗降りを容易
に実施できるようにしている。 【構成】この発明は、アンダボーンフレーム部２および
ボディフレーム部３が連設されたアンダボーンタイプの
車体フレーム４がモノコックフレームで構成され、上記
アンダボーンフレーム部の先端部にヘッドパイプ７が設
置され、上記ボディフレーム部にシート１６が載置さ
れ、上記ボディフレーム部の下部に、エンジン６が固定
されるとともに後輪１２を軸支するスイングアーム１１
が揺動自在に支持され、上記ボディフレーム部の上記シ
ート載置位置の下方に物品収納室２３が形成され、さら
に、上記アンダボーンフレーム部に燃料タンク２６が内
蔵されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、アンダボーンタイプ
の車体フレームを有する自動二輪車の車体構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】アンダボーンタイプの車体フレームを有
する自動二輪車では、特開昭６３−２８４０８１号公報
に記載の発明の如く、車体フレームがモノコックフレー
ムで構成され、シート載置位置の下方に物品収納室が形
成され、この物品収納室の下部に、エンジンおよび動力
伝達機構が一体に構成されたユニットスイング型エンジ
ンが揺動自在に支持されたものがある（従来例その
１）。

【０００３】また、アンダボーンタイプの車体フレーム
を有する自動二輪車では、実開昭６４−３０７９１号公
報記載の考案の如く、車体フレームが、先端にヘッドパ
イプを備えたアンダボーンチューブと、シートを載置し
たボディフレームとを接合して構成され、ボディフレー
ムのシート下に物品収納室が形成されたものがある。そ
して、上記ボディフレームの下部にエンジンが固定され
ると共に、後輪を軸支するスイングアームが揺動自在に
支持されたものがある（従来例その２）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
例その１およびその２では、通常、燃料タンクが設置さ
れるシート下方に物品収納室が設置されたので、燃料タ
ンクを他のスペースに設置する必要がある。このため、
燃料タンクの容積が不足してしまう場合がある。

【０００５】また、従来例その２では、燃料タンクがア
ンダボーンチューブの上部に設置されたので、自動二輪
車への乗降り時に上記燃料タンクが邪魔になって、乗降
りを容易に実施できない場合がある。

【０００６】この発明は、上述の事情を考慮してなされ
たものであり、物品収納室および燃料タンクの容積を充
分確保できると共に、自動二輪車への乗降りを容易に実
施できる自動二輪車の車体構造を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、アンダボー
ンフレーム部およびボディフレーム部が連設されたアン
ダボーンタイプの車体フレームがモノコックフレームで
構成され、上記アンダボーンフレーム部の先端部にヘッ
ドパイプが設置され、上記ボディフレーム部にシートが
載置され、上記ボディフレーム部の下部に、エンジンが
固定されるとともに後輪を軸支するスイングアームが揺
動自在に支持され、上記ボディフレーム部の上記シート
載置位置の下方に物品収納室が形成され、さらに、上記
アンダボーンフレーム部に燃料タンクが内蔵されたもの
である。

【０００８】

【作用】したがって、この発明に係る自動二輪車の車体
構造によれば、アンダボーンタイプの車体フレームで
は、シート載置位置の下方はスペースが大きく、この位
置に物品収納室が設置されたので、物品収納室の容積を
充分確保することができる。

【０００９】また、アンダボーンタイプの車体フレーム
では、アンダボーンフレーム部はスペースが大きく、こ
の大きなスペースを有するアンダボーンフレーム部に燃
料タンクが内蔵されたので、燃料タンクの容積も充分確
保できる。

【００１０】さらに、燃料タンクがアンダボーンフレー
ム部に内蔵されたので、自動二輪車への乗降り時にこの
燃料タンクが邪魔にならず、自動二輪車への乗降りを容
易に実施できる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１２】図１は、この発明に係る自動二輪車の車体
構造の一実施例が適用されたビジネスバイクタイプの自
動二輪車を示す全体側面図である。

【００１３】図１に示すビジネスバイクタイプの自動二
輪車１では、図２および図３に示すように、アンダボー
ンフレーム部２と、ボディフレーム部３とが連設された
アンダボーンタイプの車体フレーム４を有する。ボディ
フレーム３の下部にエンジン懸架部５が設けられ、この
エンジン懸架部５の前方側にエンジン６（図１）が固定
される。

【００１４】上記アンダボーンフレーム部２の先端部に
はヘッドパイプ７が設置され、このヘッドパイプ７にフ
ロントフォーク８が左右回動可能に支持される。フロン
トフォーク８の下端部に前輪９が軸支され、フロントフ
ォーク８の上端部にハンドルバー１０が固定される。ま
た、ボディフレーム部３のエンジン懸架部５には、スイ
ングアーム１１が上下方向に揺動自在に支持され、この
スイングアーム１１の自由端部に後輪１２が軸支され
る。

【００１５】スイングアーム１１は、リアクッションユ
ニット１３によって車体フレーム４のボディフレーム部
３に緩衝懸架される。また、後輪１２とエンジン６との
間に駆動チェーン１４が架け渡されて、後輪１２は駆動
チェーン１４を介してエンジン６により回転駆動され
る。この駆動チェーン１４は、スイングアーム１１と共
にチェーンカバー１５に覆われている。

【００１６】ボディフレーム部３にはシート１６が回動
可能に載置されると共に、後輪１２の上方にリアタイヤ
ハウス１７が装着される。また、ボディフレーム部３の
略全外周がフレームカバー１８で覆われると共に、アン
ダボーンフレーム部２もレッグシールド１９によって覆
われる。アンダボーンフレーム部２の前下部にエアクリ
ーナ２０が配置され、このエアクリーナ２０も上記レッ
グシールド１９によって覆われる。

【００１７】さて、上記車体フレーム４は、図２、図３
および図７に示すようにモノコックフレームであり、鉄
製のモノコックフレームレフトエレメント２１およびモ
ノコックフレームライトエレメント２２が、車体フレー
ム４の中央位置で接合して構成される。このモノコック
タイプの車体フレーム４のボディフレーム部３における
シート１６載置位置の下方領域に物品収納室２３が設け
られる。この物品収納室２３は、モノコックフレームレ
フトエレメント２１およびモノコックフレームライトエ
レメント２２のボディフレーム部３の構成部分と、これ
らの間に配置された鉄製の収納室底板２４とにより構成
され、図６にも示すように、ヘルメット２５を収納し得
る容積に設定される。物品収納室２３の上方開口は、シ
ート１６の回動によって開閉される。

【００１８】また、モノコックフレームレフトエレメン
ト２１およびモノコックフレームライトエレメント２２
にて構成されたアンダボーンフレーム部２には、図４、
図５、図７および図８に示すように、燃料タンク２６が
内蔵される。この燃料タンク２６は、図２および図３に
も示すようにアンダボーンフレーム部２においてヘッド
パイプ７の設置位置から物品収納室２３の下方の領域に
亘り設置される。燃料タンク２６の給油口２７は、アン
ダボーンフレーム部２６から突出し、給油口リッド２８
に覆われる。この給油口リッド２８は、レッグシールド
１９において給油口２７の対応部に形成された開口に開
閉自在に装着される。また、燃料タンク２６の給油口２
７は、給油口キャップ２９により閉塞される。

【００１９】上記実施例によれば、アンダボーンタイプ
の車体フレーム４では、ボディフレーム部３においてシ
ート１６が載置された下方領域はスペースが大きく、こ
の領域に物品収納室２３が設置されたので、物品収納室
２３の容積を充分確保できる。

【００２０】また、アンダボーンタイプの車体フレーム
４では、アンダボーンフレーム部２もスペースが大き
く、このスペースの大きなアンダボーンフレーム部２内
で、ヘッドパイプ７の設置位置から物品収納室２３の下
方領域に亘り燃料タンク２６が配設されたので、この燃
料タンク２６の容積も充分確保できる。

【００２１】従来例その２では、アンダボーンチューブ
の上部に燃料タンクが設置されて、自動二輪車への乗降
り時にこの燃料タンクが邪魔になっていたが、この一実
施例では、燃料タンク２６がアンダボーンフレーム部２
に内蔵されたので、自動二輪車への乗降り時に燃料タン
ク２６が邪魔にならず、乗降りを容易に実施できる。

【００２２】また、物品収納室２３は、車体フレーム４
を構成するモノコックフレームレフトエレメント２１お
よびモノコックフレームライトエレメント２２が、物品
収納室２３の構成部材として兼用されて構成されたの
で、物品収納室２３を構成するための専用部品を低減で
き、その分コストを低減できる。

【００２３】さらに、上記モノコックフレームレフトエ
レメント２１およびモノコックフレームライトエレメン
ト２２並びに収納室底板２４が鉄製であるため、物品収
納室２３の強度が高く、この物品収納室２３内に重量物
を収納することもできる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、この発明に係る自動二輪
車の車体構造によれば、アンダボーンフレーム部および
ボディフレーム部が連設されたアンダボーンタイプの車
体フレームがモノコックフレームで構成され、上記アン
ダボーンフレーム部の先端部にヘッドパイプが設置さ
れ、上記ボディフレーム部にシートが載置され、上記ボ
ディフレーム部の下部に、エンジンが固定されるととも
に後輪を軸支するスイングアームが揺動自在に支持さ
れ、上記ボディフレーム部の上記シート載置位置の下方
に物品収納室が形成され、さらに、上記アンダボーンフ
レーム部に燃料タンクが内蔵されたことから、物品収納
室および燃料タンクの容積を充分確保できると共に、自
動二輪車への乗降りも容易に実施できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る自動二輪車の車体構造の一実施
例が適用されたビジネスバイクタイプの自動二輪車を示
す全体側面図。

【図２】図１の自動二輪車に採用された車体フレームを
一部を切り欠いて示す側面図。

【図３】図２の車体フレームの平面図。

【図４】図１のIV−IV線に沿う断面図。

【図５】図１のＶ−Ｖ線に沿う断面図。

【図６】図１のVI−VI線に沿う断面図。

【図７】図２の車体フレームおよび燃料タンクの組立斜
視図。

【図８】図２の車体フレームにおけるアンダボーンフレ
ーム部と燃料タンクとの組立斜視図。

【符号の説明】

１ 自動二輪車 ２ アンダボーンフレーム部 ３ ボディフレーム部 ４ 車体フレーム ５ エンジン懸架部 ６ エンジン ７ ヘッドパイプ １１ スイングアーム １２ 後輪 １６ シート ２１ モノコックフレームレフトエレメント ２２ モノコックフレームライトエレメント ２３ 物品収納室 ２４ 収納室底板 ２６ 燃料タンク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンダボーンフレーム部およびボディフ
   レーム部が連設されたアンダボーンタイプの車体フレー
   ムがモノコックフレームで構成され、上記アンダボーン
   フレーム部の先端部にヘッドパイプが設置され、上記ボ
   ディフレーム部にシートが載置され、上記ボディフレー
   ム部の下部に、エンジンが固定されるとともに後輪を軸
   支するスイングアームが揺動自在に支持され、上記ボデ
   ィフレーム部の上記シート載置位置の下方に物品収納室
   が形成され、さらに、上記アンダボーンフレーム部に燃
   料タンクが内蔵されたことを特徴とする自動二輪車の車
   体構造。