JPH0616875Y2 - スクータのヘルメット収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、シート下のリヤボディ内に配置したスクー
タのヘルメット収納装置に関する。

（従来の技術） スクータでは車体前部を低く湾入させ、その代りにリヤ
ボディを比較的大きなボリュームにしてシートを載置
し、内部に燃料タンクやオイルタンクの器具あるいは物
入れボックスを配置する。

このような形を実現するための従来のフレーム構成とし
ては、後部フレームを可及的に低くしてその上に底板を
敷き、シート底板との間にスペースを確保する（例えば
特開昭６１−２８５１８０号公報および特開昭６０−１
５４９６４号公報）。

ところが、このような構成では、ヘルメット収納ボック
スをリヤボディ内後部に配置すると、下方に後輪があ
り、ヘルメット収納ボックスとの間に後部フレームが位
置するため、その分ヘルメット収納ボックスが高くな
り、シート後部を上方へ突出させる結果となって外観を
損うばかりか、二人乗りが困難になるという問題があ
る。

またライダの体重を受けるためシートレールなどの強度
メンバを後部フレームの上に設置する必要があり、フレ
ーム構成が複雑化する。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のように、リヤボディ後半部にヘルメット収納ボッ
クスを配置したスクータでは、その位置が高くなり、シ
ート後部を上方へ突出させるので外観を損い二人乗りが
困難になるという問題に鑑み、この考案は後部フレーム
構成を整理することによってヘルメット収納ボックスを
低くし、シート後部の盛り上がりを少なくして二人乗り
を容易にするスクータのヘルメット収納装置を提供する
ことを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 上記目的に沿い、この考案のスクータのヘルメット収納
装置は、ハンドルにより操舵される前輪とエンジンによ
って駆動される後輪を前後に配し、ハンドルとシートと
の間を深く湾入させてステップボードを敷き、シート下
にリヤボディを形成し、そのリヤボディ内後半部にヘル
メット収納ボックスを配したスクータにおいて、上記ス
テップボードの下方を後方に向って延びる一本の前部フ
レームと、この前部フレームの後端部から延びる左右一
対の後部前半フレームとを設け、上記後部前半フレーム
が上記前部フレームの後端部からシートの前端部直下ま
で立ち上がった後に湾曲してシートの下縁沿いに後方へ
延びるようにし、この後部前半フレームの後端部に、上
方に開口するボックス型の形状を有してシート後部と後
輪との間に位置する後部後半フレームを固定し、この後
部後半フレーム内をヘルメット収納ボックスとして開閉
自在なシートの後部によって蓋をした構成をとるもので
ある。

（作用） このように構成したので、ヘルメット収納ボックスが即
後部フレームの一部として機能するので、薄い鋼板を隔
てて後輪と対向し、それだけ収納ボックスを低くし、結
果として上に被さるシート後部を低くでき、シート前部
との段差を少なくして、外観を整理し、二人乗りを楽に
する。

また、後部前半フレームがシートの下縁沿いに後方へ延
びているため、この後部前半フレームがそのままシート
レールとして機能し、従来必要とされていた専用のシー
トレールを省略可能にしてフレームを大幅に簡素化させ
る。

（実施例） 以下この考案の実施例を示す図に就いて説明する。

スクータは一般的な構成として、ハンドル３によって操
舵される前輪１とエンジン４によって駆動される後輪２
とを前後に配し、車体前部を低く湾入させてステップボ
ード６を敷き、車体後部はシート５を載置した比較的ボ
リュームのあるリヤボディ７を形成される。

フレーム構成は、上記湾入部に沿う、即ち上記ステップ
ボード６の下方を後方に向って延びる一本の前部フレー
ム８と、この前部フレーム８の後端部から後方に延びる
左右一対の後部前半フレーム９，９と、この後部前半フ
レーム９，９の後端部に固定されてシート後部と後輪と
の間に位置する後部後半フレーム１０とを備えたものと
なっている。

上記後部前半フレーム９，９は、前部フレーム８の後端
部からシート５の前端部直下まで立ち上がった後に湾曲
してシート５の下縁沿いに後方へ延びている。また、上
記後部後半フレーム１０は、鋼板等をプレス成型して上
方に開口する有底のボックス型に形成されており、その
上縁部にはバンド状の補強板１１が捲かれている。

後部前半フレーム９，９は、そのままシートレールとし
て機能し、かつブラケット１２が突設されてシート支軸
１３を介してシート底板５ａ前端を開閉自在に軸支して
いる。また燃料タンク１４およびオイルタンク１５が取
着けられる。

後部後半フレーム１０はそのままヘルメット１６を収納
するヘルメット収納ボックスとして機能する。また、後
部後半フレーム１０の底部にはリヤフェンダ１７が取着
けられ、さらに図示しないリヤコンビネーションランプ
などを設置することも可能である。

前記エンジン４は後輪２と一体のユニットスイング型に
なり、その前端が前部フレーム８のブラケット１８に枢
軸１９で枢支され、後上部が後部後半フレーム１０の前
面に介装したリヤクッションユニット２０により緩衝懸
架される。なお、２１は補強用サポートチューブを示
す。

前記シート５はリヤボディ７の上面を覆い、前記燃料タ
ンク１４、オイルタンク１５の注入口１４ａ，１５ａお
よび収納したヘルメット１６を陰蔽してシートロックに
よって固定される。

後部後半フレーム１０はその底面を後輪２のスイング量
を隔てたぎりぎりの低さに配置でき、即ちヘルメット１
６が低い位置に収納されシート後部５ｂがそれ程高くな
らないので、シート前部との段差を少なくすることがで
きる。

〔考案の効果〕

以上の通り、この考案に係るスクータのヘルメット収納
装置は、後部フレームをシートレールとして機能する後
部前半フレームとヘルメット収納ボックスとして機能す
るボックス型の後部後半フレームによって構築したもの
で、ヘルメット収納を低い位置に下げることができ、し
たがって蓋となるシート後部を低くし、シート前部との
段差を少なくするので、外観を改善すると同時に二人乗
りをしやすくし、かつ専用のシートレールを省略してフ
レーム構造を簡素化させる効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの考案の一実施例を示すスクータの側面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ矢視断面図、第３図は後部フレ
ームの平面図である。 １…前輪、２…後輪、４…エンジン、５…シート、６…
ステップボード、７…リヤボディ、８…前部フレーム、
９…後部前半フレーム、１０…後部後半フレーム、１７
…リヤフェンダ、２０…リヤクッションユニット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドルにより操舵される前輪とエンジン
   によって駆動される後輪を前後に配し、ハンドルとシー
   トとの間を深く湾入させてステップボードを敷き、シー
   ト下にリヤボディを形成し、そのリヤボディ内後半部に
   ヘルメット収納ボックスを配したスクータにおいて、上
   記ステップボードの下方を後方に向って延びる一本の前
   部フレームと、この前部フレームの後端部から延びる左
   右一対の後部前半フレームとを設け、上記後部前半フレ
   ームが上記前部フレームの後端部からシートの前端部直
   下まで立ち上がった後に湾曲してシートの下縁沿いに後
   方へ延びるようにし、この後部前半フレームの後端部
   に、上方に開口するボックス型の形状を有してシート後
   部と後輪との間に位置する後部後半フレームを固定し、
   この後部後半フレーム内をヘルメット収納ボックスとし
   て開閉自在なシートの後部によって蓋をしたことを特徴
   とするスクータのヘルメット収納装置。