JPH0216948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオートバイに係り、詳しくはオートバ
イの車体を構成するフレームに関する。

一般にオートバイにあつては、荷物を積極的に
収納する手段が講じられておらず、該荷物は車体
の後部上面に設けられた荷物台上に紐等によつて
緊締していたが、この手段においては、例えば、
釣竿、ゴルフバツク、野球バツト等の長尺物の場
には対応することができず、仮に荷物台に載置し
たとしても後方へ大きくはみ出してしまい、結
局、運転者自らがその長尺物をかついだ状態でオ
ートバイを運転しており、その運転には非常な危
険を伴うものであつた。また、車体の後部にボツ
クス状の収納箱を設けたものも案出されている
が、このものはあくまでも小荷物を対象とするも
のであつて、依然として長尺物の荷物には対応す
ることができなかつた。

本考案の目的は、上記した欠点に鑑み、車体を
構成するフレームを横長の箱形状に形成し、この
フレームの内部をほぼ全長にわたつて荷物の収納
室となしたことにより、長尺物の荷物をきわめて
簡単かつ合理的に収納することができ、併せてオ
ートバイの運転を安全になし得るオートバイを提
供することにある。

以下、本考案を具体化した図示の実施例につい
て詳述すると、図において１はオートバイの全体
を示し、このオートバイ１の車体を構成する金属
製或いは合成樹脂製のフレーム２は第１図〜第４
図に示すように、断面ほぼ四角状の横方向に長い
箱形状に形成されていて、この箱形状のフレーム
２は上面が開口されているとともに、その内部を
ほぼ全長にわたつて例えば長尺物の荷物Ｗを収納
する収納室３となしている。なお、開口されたフ
レーム２の上面の一部、すなわち、フレーム２の
前側上面の開口部分は後述する燃料タンクを載置
固定するための取付板４が一体に取付けられてい
る。

前記フレーム２の開口部分には収納室３の蓋板
を兼ねた上面板５が装設され、この上面板５はほ
ぼ中央部からフレーム２の後面板２ａに至る部分
を一段高くした段状に形成されて前記取付板４の
後端の当板４ａからフレーム２の後面板２ａにか
けて配置されるとともに、フレーム２の一方の側
面板２ｂに対し複数個の蝶番６等の開閉許容手段
によつてその短手方向に開閉可能に装設されてい
る。そして、この上面板５の低い平面部には運転
席となるサドルクツシヨン７が装着され、高い平
面部には補助席となるクツシヨン或いは荷物台８
（図では荷物台を示す）が装着されている。

しかして、前述のように構成されたフレーム２
に対してオートバイ１の各装置並びに各種の機能
部品が装設される。すなわち、フレーム２の前面
板２ｃにはブラケツト９，９を介してハンドル１
０、ヘツドライト１１等を備えた舵取装置１２が
装設され、この舵取装置１２には懸架装置１３を
介して前輪１４が装設され、さらに、フレーム２
の下面板２ｄ或いは両側面板２ｂのほぼ中央部前
側寄りにはエンジン１５を含む駆動系装置１６が
装着され、フレーム２の両側板２ｂのほぼ後側に
は前記駆動系装置１６と連繋された後輪１７を支
持する懸架装置１８が装設されている。そして、
フレーム２の上面の取付板４上には燃料タンク１
９が装着され、この燃料タンク１９と前記エンジ
ン１５における燃料装置とが供給管（図示しな
い）により連通されている。なお、前述した外の
各装置並びに各種機能部部品に図示しないがそれ
ぞれその機能に対応して適所に設けられるもので
ある。

本実施例は上述のように構成されたものである
から、長尺物の荷物Ｗの収納にあつては、フレー
ム２に対して上面板５を蝶番６を介して開動（第
３図参照）して収納室３の上面を開放することに
より、該開口部分を出入口として該長尺物の荷物
Ｗを収納室３内に収納することができるものであ
る。しかして、収納後は上面板５を元の状態に開
動して、その開口部分を閉口するものであり、こ
の状態において、上面板５のほぼ全縁部はフレー
ム２の開口端に載置された状態となり、そのまま
運転状態に対応することができるものである。

このようにして、本実施例にあつては、長尺物
の荷物Ｗをフレーム２の収納室３内に収納するも
のであり、運転時において、該荷物Ｗはフレーム
２の外、すなわち車体外にははみ出すことがない
から、オートバイ１の運転を何ら阻害するもので
はない。また、本例における収納室３内には普通
の小荷物も収納できることは勿論のことである。

なお、本実施例における収納室３は、一室とし
たが、これに限定するものではなく、長手方向、
すなわちフレーム２のほぼ全長にわたつて複数の
室に区画してもよく、一部を短手方向に区画して
もよい。さらには収納室３の前側を区画して燃料
タンク１９の供給管を配設することもできる。

また、フレーム２に対する上面板５の閉状態を
確実にするために、錠止装置を設けてもよい。

以上詳述したように、本考案は車体を構成する
フレームを横長の箱形状に形成するとともに全体
を荷物の収納室となし、フレームの前端部には前
輪を装備した舵取装置を該フレーム端部から突出
して装設し、フレームの下部側にはエンジンを含
む駆動系装置及び該駆動系装置と連繋された後輪
をそれぞれ装備し、フレームの上部側には燃料タ
ンク、運転席用サドルクツシヨンをそれぞれ装備
し、さらには前記フレームの上面板を前記サドル
クツシヨン装着部位から後端部にかけて開閉可能
に構成したものであるから、該フレーム全体に形
成された収納室に対して、特に長尺物の荷物をき
わめて簡単かつ合理的に収納することができる。

このことは、特に長尺物の荷物がフレーム、す
なわち車体外にはみ出すことがないので、オート
バイの運転時における安全性を確保することがで
きる。

しかも、上述したように荷物はフレーム内の収
納室に収納するものであるから、従来のように荷
物台に載置していたものに比して、その収納（載
置）状態の確実化を図るとともに重心を可及的に
低くすることができるので、オートバイの運転時
の安定化を一層助長して安全運転の向上に役立つ
利点を有する。

さらには、舵取装置、駆動系装置、燃料タン
ク、運転席用サドルクツシヨン等の各装備をフレ
ームの外面にそれぞれ配備したことにより、荷物
の収納室としてフレーム全体を使用でき、前述し
た効果をさらに助長するとともに、各装備がきわ
めて良好に配備することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図はオート
バイの全体を略示しフレームを破断した側面図、
第２図は同じく平面図、第３図は同じく後面図、
第４図は第１図のＡ−Ａ線拡大断面図、第５図は
第１図のＢ−Ｂ線拡大断面図である。 １……オートバイ、２……フレーム、３……収
納室、Ｗ……荷物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体を構成するフレームを横長の箱形状に形成
   するとともに全体を荷物の収納室となし、フレー
   ムの前端部には前輪を装備した舵取装置を該フレ
   ーム端部から突出して装設し、フレームの下部側
   にはエンジンを含む駆動系装置及び該駆動系装置
   と連繋された後輪をそれぞれ装備し、フレームの
   上部側には燃料タンク、運転席用サドルクツシヨ
   ンをそれぞれ装備し、さらには前記フレームの上
   面板を前記サドルクツシヨン装着部位から後端部
   にかけて開閉可能に構成してなるを特徴とするオ
   ートバイ。