JP4501424B2

JP4501424B2 - スクータ型車両の収納装置

Info

Publication number: JP4501424B2
Application number: JP2003416802A
Authority: JP
Inventors: 芳晶原田
Original assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Current assignee: Suzuki Motor Co Ltd
Priority date: 2003-12-15
Filing date: 2003-12-15
Publication date: 2010-07-14
Anticipated expiration: 2023-12-15
Also published as: JP2005170329A

Description

本発明は、スクータ型車両の収納装置に関する。

スクータ型車両等の二輪車に備えられている盗難を抑止するための手段としては、操舵ハンドルを操舵不能に固定するハンドルロック機構が一般的であるが、近年、ハンドルを含む車体の前部を持ち上げて台車等に載せて持ち去るといった盗難が多発しているため、チェーンやＵ字型のロック装置（盗難防止錠）を後輪等に取り付ける事例が一般化している。

例えばＵ字型ロック装置は常時車両に搭載されて持ち運ばれるが、その搭載方法としては、例えばスクータ型車両においては運転シート下方の収納スペースやフロントレッグシールド内部の収納スペースに搭載される場合が多い（例えば特許文献１参照）。
特開平１０−７０５４号公報（段落番号［００２１］および図１０ｂ）

しかしながら、Ｕ字型ロック装置はかさばる形状のため、収納スペースに収納すると他の物が収納しにくくなったり、走行中にばたついて騒音や振動を発生させたりする虞がある。

また、収納スペースは通常施錠可能なカバー等によって覆われるため、Ｕ字型ロック装置の収納や取り出しのたびに鍵操作が必要となって手間がかかる。

本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、収納空間を減らすことなく、低コストで容易にロック装置を収納可能なスクータ型車両の収納装置を提供することを目的とする。

本発明に係るスクータ型車両の収納装置は、上述した課題を解決するために、請求項１に記載したように、運転シートに着座する運転者の前方を覆うレッグシールドを備えたスクータ型車両において、上記レッグシールドの後面に、上面が開放された袋形状を備える収納装置を設け、この収納装置は、上記レッグシールドの左右方向一方側後面に配置されると共に、一対の平行なアーム部を備えたＵ字状のアーム部材と、このアーム部材の両自由端部が係合する、棒状で錠を備えたロック部材とから構成されるＵ字型の盗難防止錠を上記Ｕ字状アーム部材のアーム部軸線が車両の左右方向に向いた体勢で上記収納装置の後壁内側に沿って収納保持するように、上記Ｕ字状アーム部材を挿通可能な通孔を形成してこのＵ字状アーム部材の少なくとも一部を上記収納装置の外部に突出した状態で収納保持可能な保持手段を設けたものである。

そして、上述した課題を解決するために、請求項２に記載したように、上記保持手段は、上記収納装置を構成する後壁と車両外側の側壁との角部に上記棒状ロック部材を上下方向に挿脱可能に保持するロック部材保持部と、上記収納装置の車両内側の側壁に形成されて上記Ｕ字状アーム部材のアーム部を左右方向に挿脱可能に保持する上記通孔から成るアーム部材保持部とから構成され、上記盗難防止錠を施錠した状態で収納保持可能としたものである。

そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項３に記載したように、上記レッグシールド後面の左右方向中央部に買い物袋等の紐部を吊り下げ可能な荷掛けフックを設け、この前記荷掛けフックの後下方、且つ近傍で上記Ｕ字状アーム部材を左右に延在するように上記盗難防止錠を収納保持したものである。

本発明に係るスクータ型車両の収納装置によれば、収納装置内の空間を広く利用でき、他の荷物の収納が容易になると共に、運転者の居住性を損なうことなく盗難防止錠を収納保持できる。

また、収納装置の構造が簡素化すると共に、盗難防止錠の収納装置への収納および取り出しが容易・迅速になる。さらに、車両の走行中における買い物袋等の揺れや振動が減少して操向安定性が向上する。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

図１は、この発明を適用したスクータ型車両の第一実施形態例を示す左側面図である。図１に示すように、このスクータ型車両１は車体フレーム２を有する。車体フレーム２は、ダウンチューブ３と、このダウンチューブ３の後端側から後上方に延びる左右一対のリヤフレーム４とから構成される。

リヤフレーム４の上方にはヘルメット５等を収納可能な荷物収納室６が設けられる。また、荷物収納室６の上方にはこの荷物収納室６の蓋を兼ねた運転シート７が開閉自在に設置される。そして、このスクータ型車両１は、その車体全体が例えば合成樹脂製の車体カバー８で覆われて外観が整えられる。

一方、ダウンチューブ３の前端にはヘッドパイプ９が設けられ、このヘッドパイプ９に前輪１０を回動自在に支持するフロントフォーク１１やハンドルバー１２等が設けられる。そして、このハンドルバー１２により前輪１０が左右に回動自在に操舵される。

運転シート７の前方にはダウンチューブ３やヘッドパイプ９の周囲を覆うようにレッグシールド１３が車体カバー８の一部として設けられる。レッグシールド１３は運転シート７に着座する運転者（図示せず）の前方を覆うものであり、レッグシールド１３の後面には収納装置であるインナーラック１４が設けられる。

また、リヤフレーム４の前方下部にはスイング型パワーユニット１５がスイング自在に枢着される。このスイング型パワーユニット１５はエンジン本体１６と、このエンジン本体１６の一側から後方に延びる伝導ケース１７とを一体的に備える。伝導ケース１７はスイングアームを兼ねており、リヤショックアブソーバ１８によりリヤフレーム４に弾性的に支持される。そして、伝導ケース１７の後端に駆動輪である後輪１９が保持される。

図２は、図１のＩＩ矢視図であり、ハンドルバー１２やレッグシールド１３を後方から眺めた図である。また、図３は図１のＩＩＩ矢視図であり、ハンドルバー１２やレッグシールド１３をやや斜め後方寄りに上方から眺めた図である。図１〜図３に示すように、上記インナーラック１４はレッグシールド１３の左右方向一方側後面、本実施形態においては車両の進行方向に向かって左側の後面に配置される。また、レッグシールド１３後面の左右方向中央部には図示しない買い物袋２０等の紐部を吊り下げ可能な荷掛けフック２１が設けられる。

図４は図３のＩＶ矢視図であり、インナーラック１４の後面を示す図である。また、図５は図４のＶ矢視図であり、インナーラック１４の底面を上方から眺めた図である。さらに、図６は図４のＶＩ矢視図であり、インナーラック１４の右側面を示す図である。そして、図７は図４のＶＩＩ矢視図であり、インナーラック１４の左側面を示す図である。

図１〜図７に示すように、インナーラック１４は後壁２２と、左右の側壁２３，２４と、底板２５とから構成され、これらは例えばネット状の素材によって形成される。そして、インナーラック１４の前側はレッグシールド１３の後面によって塞がれると共に、インナーラック１４の上面は荷物等の出し入れが可能なように開放されて袋形状を備える。

このインナーラック１４の後ろ側の空間には上記後壁２２に沿ってロック装置２６（盗難防止錠）を収納、且つ保持可能な保持手段２７，２８が設けられる。また、この保持手段２７，２８が対応するロック装置２６は、公知のいわゆるＵ字型ロック装置であり、一対の平行なアーム部２９を備えたＵ字状のアーム部材３０と、このアーム部材３０の両自由端部が係合する、棒状で例えばシリンダ錠（図示せず）を備えたロック部材３１とから構成される。

そして、上記ロック装置の保持手段２７，２８はＵ字型ロック装置２６を、そのＵ字状アーム部材３０のアーム部軸線（図示せず）が車両の左右方向に向いた体勢で収納保持するように構成される。具体的には、インナーラック１４の後壁２２と車両外側の、すなわち左側の側壁２３との角部に上記棒状のロック部材３１を上下方向に挿脱可能に保持する、保持手段であるロック部材保持部２７が形成されると共に、インナーラック１４の車両内側の、すなわち右側の側壁２４には上記Ｕ字状アーム部材３０のアーム部２９を左右方向に挿脱可能に保持する、一対の通孔３２から成る保持手段であるアーム部材保持部２８が上下方向に離間して形成される。

次に、本実施形態の作用について説明する。

Ｕ字型ロック装置２６の収納保持方法は、まずロック部材３１をロック部材保持部２７に上方から挿入した後、Ｕ字状アーム部材３０の、アーム部２９の両自由端部をインナーラック１４の外側からアーム部材保持部２８の通孔３２に挿通してロック部材保持部２７内でロック部材３１に係合させ、施錠する。

ロック装置２６を、インナーラック１４の後壁２２に沿って収納保持することにより、インナーラック１４内の空間を広く利用でき、他の荷物の収納が容易になる。また、Ｕ字状アーム部材３０のアーム部軸線が車両の左右方向に向いた体勢で収納保持するようにロック装置２６の保持手段２７，２８を構成したことにより、例え全長が長いＵ字型ロック装置２６であっても、運転者の居住性を損なうことなくＵ字型ロック装置２６を収納保持できる。

さらに、インナーラック１４の内（右）側壁２４にアーム部材保持部２８を形成してＵ字状アーム部材３０の少なくとも一部をインナーラック１４の外部に突出した状態で収納保持可能にロック装置の保持手段２７，２８を構成したことにより、運転者がＵ字状アーム部材３０を掴みやすく、Ｕ字型ロック装置２６のインナーラック１４への収納および取り出しが容易になる。

さらにまた、アーム部材保持部２８の他にロック部材保持部２７を設けてＵ字型ロック装置２６を施錠した状態で収納保持可能とし、また、保持手段２７，２８がロック部材３１とＵ字状アーム部材３０とを互いに直交する方向に挿脱可能に構成したことにより、それぞれの部材の脱落を防止する個別の固定手段が不要となり、その結果構造が簡素化すると共に、Ｕ字型ロック装置２６のインナーラック１４への収納および取り出しが迅速に行える。

そして、インナーラック１４を、Ｕ字型ロック装置２６のＵ字状アーム部材３０が前記荷掛けフック２１の後下方、且つ近傍で左右に延在するように配置してＵ字型ロック装置２６を収納保持したことにより、荷掛けフック２１に買い物袋２０等の紐部を吊り下げる際、Ｕ字状アーム部材３０が邪魔にならない。また、荷掛けフック２１に掛けた買い物袋２０等の紐部がＵ字状アーム部材３０で折れ曲がり、買い物袋２０等の振り子長さが減少するので、車両の走行中における買い物袋２０等の揺れや振動が減少して操向安定性が向上する。

ところで、上述した実施形態においては、Ｕ字型ロック装置２６はＵ字状アーム部材３０のアーム部２９が水平に保たれた状態で収納保持される例を示したが、例えば図８に示すように、アーム部２９が垂直に保たれた状態で収納保持してもよい。また、上述した実施形態においては、Ｕ字型ロック装置２６はそのロック部材３１がインナーラック１４の内部に収納された例を示したが、例えば図９に示すように、インナーラック１４の左右の側壁２３，２４にアーム部材保持部２８を設けてロック部材３１をインナーラック１４の外側に配置することも可能である。さらに、詳細には図示しないが、Ｕ字型ロック装置２６の例えばＵ字状アーム部材３０が運転シートの下側や車体の後部等、車体の側面部を貫通する構造として簡便に収納保持するようにしてもよい。

本発明に係るスクータ型車両の収納装置の一実施形態を示すスクータ型車両の左側面図。図１のＩＩ矢視図。図１のＩＩＩ矢視図。図３のＩＶ矢視図。図４のＶ矢視図。図４のＶＩ矢視図。図４のＶＩＩ矢視図。収納装置の他の実施形態（第二実施形態）を示す図。収納装置の他の実施形態（第三実施形態）を示す図。

符号の説明

１スクータ型車両
７運転シート
１３レッグシールド
１４インナーラック（収納装置）
２１荷掛けフック
２２インナーラック（収納装置）の後壁
２３インナーラック（収納装置）の外側壁
２４インナーラック（収納装置）の内側壁
２６Ｕ字型ロック装置（盗難防止錠）
２７ロック部材保持部（保持手段）
２８アーム部材保持部（保持手段）
３０Ｕ字状アーム部材
３１ロック部材
３２通孔

Claims

運転シートに着座する運転者の前方を覆うレッグシールドを備えたスクータ型車両において、上記レッグシールドの後面に、上面が開放された袋形状を備える収納装置を設け、この収納装置は、上記レッグシールドの左右方向一方側後面に配置されると共に、一対の平行なアーム部を備えたＵ字状のアーム部材と、このアーム部材の両自由端部が係合する、棒状で錠を備えたロック部材とから構成されるＵ字型の盗難防止錠を上記Ｕ字状アーム部材のアーム部軸線が車両の左右方向に向いた体勢で上記収納装置の後壁内側に沿って収納保持するように、上記Ｕ字状アーム部材を挿通可能な通孔を形成してこのＵ字状アーム部材の少なくとも一部を上記収納装置の外部に突出した状態で収納保持可能な保持手段を設けたことを特徴とするスクータ型車両の収納装置。
上記保持手段は、上記収納装置を構成する後壁と車両外側の側壁との角部に上記棒状ロック部材を上下方向に挿脱可能に保持するロック部材保持部と、上記収納装置の車両内側の側壁に形成されて上記Ｕ字状アーム部材のアーム部を左右方向に挿脱可能に保持する上記通孔から成るアーム部材保持部とから構成され、上記盗難防止錠を施錠した状態で収納保持可能とした請求項１記載のスクータ型車両の収納装置。
上記レッグシールド後面の左右方向中央部に買い物袋等の紐部を吊り下げ可能な荷掛けフックを設け、この前記荷掛けフックの後下方、且つ近傍で上記Ｕ字状アーム部材を左右に延在するように上記盗難防止錠を収納保持した請求項１または２記載のスクータ型車両の収納装置。