JPH0616876Y2 - 自動二輪車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車体後部のリアボディ内部にラッゲージボッ
クスを備えるスクータ等の自動二輪車であって、特にラ
ッゲージボックスの他に小物類や補器類を収納配置でき
るもう１つの収納部を有する自動二輪車に関する。

〔従来の技術〕

シート下部にリアボディを備えるスクータ型車両にあっ
ては、例えば特開昭６２−１５７８７５号公報に示され
るように、リアボディ内部に荷物類やヘルメット等を収
納できる大型のラッゲージボックスを配設したものがあ
る。

上記技術は、リアカバーを囲繞して形成されるリアボデ
ィの内部空間に、シートを開閉蓋とするラッゲージボッ
クスが配設され、該ボックスの内部後側に、オイルタン
クやフューエルタンク等の補機類が配設されるもので、
これら補機類は、ラッゲージボックス上部からシート側
へ取出し操作されるものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述のものでは、補機類がラッゲージボ
ックスの一部を占有するため、ラッゲージボックス上部
の間口が狭くなって使い勝手が悪く、またボックスの内
部容積を収納スペースとして充分に活用することができ
なかった。

そこで本考案は、オイルタンクやバッテリ等の補機類や
小物類を収納配置できるもう１つの収納部をラッゲージ
ボックスと別体に設けて、間口の広い大きな容積のラッ
ゲージボックスを確保した自動二輪車を提供することを
目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、後輪を覆うリア
フェンダの上方からその前方に亙る車体後部に、リアカ
バーで囲繞されるリアボディを備え、該リアボディの内
部にラッゲージボックスを配設した自動二輪車におい
て、該ラッゲージボックスの後部で且つ前記リアフェン
ダ上部に、バッテリ等の補器類や小物類を収容する収納
部を、ラッゲージボックスの後壁に開口して連設し、該
開口を開閉可能なリッドにて覆ったことを特徴とするも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第４図に基づいて
説明する。

自動二輪車１は、車体前部にレッグシールド２と低床の
ステップフロア３を、車体後部にリアボディ４を備える
スクータ型で、レッグシールド２内には、バーハンドル
５に操舵されるフロントフォーク６が配設され、該フォ
ーク６の下端には前輪７が懸架されている。

ステップフロア３の後部には、片持ち式のリアサスペン
ション８とリンク機構９に支持されるパワーユニット１
０が配設され、パワーユニット１０の後端に後輪１１が
懸架されており、後輪１１及びパワーユニット１０の上
方に、前記リアボディ４がステップフロア３に連続して
設けられている。

上記リアボディ４は、周囲をリアカバー１２に囲繞さ
れ、その上面にシート１３が開閉可能に載置されてお
り、リアボディ４の内部には、後部をクロスパイプ１４
及びクロスメンバー１５にて連結される一対のサブフレ
ーム１６，１６が平行に配設され、両サブフレーム１
６，１６に挟まれる前部側に、上記シート１３を開閉蓋
とする大型のラッゲージボックス１７が配設されると共
に、後部側にオイルタンク１８とバッテリ１９とが並設
されている。

ステップフロア３内には、フューエルタンク２０が配設
され、該タンク２０とパワーユニット１０に付設された
キャブレータ２１とがフューエルパイプ２２で連結され
ており、フューエルタンク２０内の燃料は、フューエル
パイプ２２中に介装したフューエルポンプ２３にて、キ
ャブレータ２１に供給される。

ラッゲージボックス１７は、前部取付け部１７ａをブラ
ケット２４に、後部取付け部１７ｂをステー２５にそれ
ぞれ取付けされ、前部側を下方に傾斜して配置される底
壁１７ｃに、メンテナンスリッド２６が設けられ、その
前部に上方へ突出する突出部１７ｄが形成されると共
に、クロスパイプ１４を跨いで、その後方に亙って延設
されるラッゲージボックス１７の後部には、左隅部を内
方へ窪ませた窪み部１７ｅが形成されている。

上記メンテナンスリッド２６は、その下方に配置される
前記パワーユニット１０のシリンダヘッド１０ａに設け
られる点火プラグやキャブレータ２１等のメンテナンス
を、ラッゲージボックス１７を通してリアボディ４の上
部から行えるようにしており、また突出部１７ｄにて、
ラッゲージボックス１７に収納されるヘルメットＨを所
定状態にガタ付きなく保持すると共に、突出部１７ｄの
下部に形成される逃げ凹部１７ｆにて、走行時のシリン
ダヘッド１０ａや点火プラグ等の揺動を許容して、ラッ
ゲージボックス１７の容積を確保し、且つシート１３を
低位置に配置できるようにしている。

上記窪み部１７ｅの形成により、その下部に空間部２７
が設けられ、該空間部２２の下部位置には、前記リアサ
スペンション８の上端が、クロスパイプ１４に固設され
るブラケット２８に支持され、またラッゲージボックス
１７の後方に配置されるオイルタンク１８の注入口１８
ａが、空間部２７の上部位置から、窪み部１７ｅに形成
される通孔１７ｇを貫通して、ラッゲージボックス１７
内に突出配置されている。

リアサスペンション８は、上述の取付けにより、その上
端をラッゲージボックス１７の底壁１７ｃにて妨げられ
ることなく、充分なストローク長を確保することがで
き、またオイルタンク１８の注入口１８ａも、補給やメ
ンテナンスが、ラッゲージボックス１７通してリアボデ
ィ４の上部から容易に行なえるので至便である。

オイルタンク１８及びバッテリ１９の下部には、後輪１
１の上方を覆う翼形のリアフェンダ２９が、前部上面の
フック２９ａを、クロスパイプ１４に固設した受け枠３
０に差込んで配設されている。

リアフェンダ２９の上部には、本考案の収納部となるバ
ッテリ収納部２９ｂが一体形成されていて、バッテリ１
９はバッテリ収納部２９ｂ内に配置され、また前記クロ
スメンバー１５は、このバッテリ収納部２９ｂをコ字形
に跨ぐよう設けられている。

オイルタンク１８の本体１８ｂは、バッテリ収納部２９
ｂの左側から後部に回り込んで配置される略Ｌ字形で、
下部の位置決め突起１８ｃをリアフェンダ２９のガイド
孔２４ｂにガイドされ、上部のステー１８ｄを、バッテ
リ収納部２９ｂと共に、クロスメンバー１５のブラケッ
ト１５ａにボルト３１にて共締め固定されており、更に
このクロスメンバー１５には、ラッゲージボックス１７
の後部取付け部１７ｂを支持する前記ステー２５が取付
けられている。

ラッゲージボックス１７の後壁１７ｈには、バッテリ収
納部２９ｂと連通する開口１７ｉが、窪み部１７ｅを除
いた幅方向に設けられ、該開口１７ｉにリッド３２が被
着されており、リッド３２の前部には、窪み部１７ｅと
リブ１７ｊとにより、ライダーマニュアル等の書類３３
が収納配置される。

上面リッド３２は、開口１７ｉ内に配設される内板３２
ａと、当て板となる大形の外板３２ｂとを重ね合わせし
て形成され、該外板３２ｂをラッゲージボックス１７の
後壁１７ｈにビス３４で螺着して、開口１７ｉを開閉可
能に覆うようにしており、バッテリ１９は、このリッド
３２を取外し、開口１７ｉを通してラッゲージボックス
１７内より着脱される。

本実施例は以上のように、ラッゲージボックス１７の後
部に続くクロスメンバー１５とリアフェンダ２９との間
の空間部を利用して、この空間部にバッテリ１９を配置
するためのバッテリ収納部２９ｂを配設したから、ラッ
ゲージボックス１７の内部容積を大きく且つ間口を広く
確保することができる。

また、バッテリ収納部２９ｂは、リアフェンダ２９と一
体形成されるので、別体品としての成形や取付けがなく
経済性に優れ、更に上部をオイルタンク１８のステー１
８ｄと共に、クロスメンバー１５に共締めするので、取
付け性に優れる。

またリッド３２が、ラッゲージボックス１７の後壁１７
ｈの一部に兼用されるのでコストダウンが図れ、しかも
バッテリ１９は、後壁１７ｈの開口１７ｉを通して、間
口の広いラッゲージボックス１７から着脱できるので、
取扱いに優れている。

第５図は他の実施例を示し、ラッゲージボックス１７の
後方に配設される収納部４０は、リアフェンダ２９の上
面に支承されるアンダプレート４１に、ラッゲージボッ
クス１７の後壁１７ｈ及びリアカバー１２とを利用して
構成されている。

上記後壁１７ｈには、ラッゲージボックス１７と収納部
４０とを連通する開口４２が形成されていて、後壁１７
ｈとその前方に縦方向に突設されたリブ１７ｋとの間
に、板状のリッド４３がラッゲージボックス１７の上方
より抜き差して、開口４２を開閉できるようにしてい
る。

本実施例では、ヘルメットＨ等の大型の荷物が収納でき
るラッゲージボックス１７の後部に、更に小物類の収納
が可能な収納部４０を確保したもので、小物類の出入れ
は、リッド４３の開閉により、開口４２を通して、間口
の広いラッゲージボックス１７から容易に行なうことが
できる。

〔考案の効果〕

本考案は以上にように、車体後部のリアボディの内部に
ラッゲージボックスを配設し、該ラッゲージボックスの
後部で且つリアフェンダ上部に、バッテリ等の補器類や
小物類を収容する収納部を、ラッゲージボックスの後壁
に開口して連設し、該開口を開閉可能なリッドにて覆っ
たので、内部容積が大きく且つ間口の広いラッゲージボ
ックスを確保しつつ、これと別体の収納部を配設でき
て、限られたリアボディ内のスペースを有効に活かせる
と共に、収納部への出入れは、間口の広いラッゲージボ
ックスから容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、第１図は
スクータ型自動二輪車の側面図、第２図はリアボディの
概要を示す平面図、第３図及び第４図はそれぞれは要部
断面正面図、第５図は他の実施例を示すスクータ型自動
二輪車の側面図である。 １…スクータ型の自動二輪車、４…リアボディ、８…片
持ち式のリアサスペンション、１０…パワーユニット、
１１…後輪、１２…リアカバー、１３…シート、１４…
クロスパイプ、１５…クロスメンバー、１６サブフレー
ム、１７…ラッゲージボックス、１７ｃ…底壁、１７ｄ
…突出部、１７ｅ…窪み部、１７ｆ…逃げ凹部、１７ｇ
…通孔、１７ｈ…後壁、１７ｉ…開口、１７ｊ，１７ｋ
…リブ、１８…オイルタンク、１８ａ…注入口、１８ｂ
…本体、１８ｃ…位置決め突起、１８ｄ…ステー、１９
…バッテリ、２０…フューエルタンク、２９…リアフェ
ンダ、２９ｂ…バッテリ収納部、３２…リッド、Ｈ…ヘ
ルメット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後輪を覆うリアフェンダの上方からその前
   方に亙る車体後部に、リアカバーで囲繞されるリアボデ
   ィを備え、該リアボディの内部にラッゲージボックスを
   配設した自動二輪車において、該ラッゲージボックスの
   後部で且つ前記リアフェンダ上部に、バッテリ等の補器
   類や小物類を収容する収納部を、ラッゲージボックスの
   後壁に開口して連設し、該開口を開閉可能なリッドにて
   覆ったことを特徴とする自動二輪車。