JPH0639648Y2 - Ｔ型剃刀における剃刀ヘッドの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 ［産業上の利用分野］ この考案はホルダとその上端部に取付けた剃刀ヘッドと
からなり、この剃刀ヘッドに設けた刃体の刃先延設方向
をホルダの延設方向に対し交差させたＴ型剃刀におい
て、剃刀ヘッドをホルダに対し回動可能に支持する構造
に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種のＴ型剃刀としては、例えば特公昭58−38
194号公報に示すものがある。このＴ型剃刀において
は、剃刀ヘッドの下側から延びるアームがホルダの上端
部に対し回動可能に支持されているとともに、ホルダに
対しスライダが移動可能に支持され、このアームとスラ
イダとにはスライダを移動操作した時アームを介して剃
刀ヘッドを回動させるように互いに係合する長孔及び軸
が剃刀ヘッドとアームの回動中心部との間で設けられて
いる。

［考案が解決しようとする課題］ このＴ型剃刀においては、前述したように剃刀ヘッドと
アームの回動中心部との間に長孔及び軸が設けられてい
るため、それらを設けるスペースがアームに必要とな
り、剃刀ヘッドとアームの回動中心部との間の間隔を大
きくせざるを得ない。従って、ホルダに支持されたスラ
イダと剃刀ヘッドとの間の間隔も大きくなる。

ところで、Ｔ型剃刀を使用するに際しては、剃刀ヘッド
付近のアームを指で把持してホルダを手の平に当てがう
ように持つと、安定性が良くなるとともに、力が入り易
い。

ところが、前述したように、指で把持する剃刀ヘッド付
近のアームからスライダが大きく離れているため、スラ
イダが指から遠い手の平に面する。従って、スライダを
移動操作させる時ホルダを持ち替え、指をスライダに近
付けて当てがう必要があり、ホルダを持ち替えるだけで
スライダの移動操作が面倒であった。

本考案はスライダの移動操作を行い易くすることを目的
としている。

考案の構成 ［課題を解決するための手段］ この目的に鑑み本考案は、後記する実施例の図面に示す
ように、ホルダ８とその上端部に取付けた剃刀ヘッド１
とからなり、この剃刀ヘッド１に設けた刃体２の刃先延
設方向をホルダ８の延設方向に対し交差させたＴ型剃刀
において、剃刀ヘッド１の下側から延びるアーム５をホ
ルダ８の上端部に対し回動可能に支持し、剃刀ヘッド１
に対するこの回動中心部6,10の位置よりも剃刀ヘッド１
から離れた位置で、アーム５とこのアーム５に隣接して
ホルダ８に対し移動可能に支持したスライダ11とには、
同スライダ11を移動操作した時アーム５を介して剃刀ヘ
ッド１を回動させるように互いに係合する係合部7,17を
設けるとともに、スライダ11をホルダ８に対し保持する
位置決め部15a,15b,15c,16を設けたものである。

［作用］ 本考案においては、剃刀ヘッド１付近でホルダ８の上端
部を指により把持してホルダ８を手の平に当てがうよう
に持った時、ホルダ８を持ち替えることなくその指でス
ライダ11を操作することができる。そして、スライダ11
を移動させると、スライダ11の係合部17及びアーム５の
係合部７を介してアーム５が剃刀ヘッド１とともに回動
し、ホルダ８に対する剃刀ヘッド１の傾きが変わる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

第１〜４図に示すように、剃刀ヘッド１は刃体２を有す
る替刃カートリッジ３と、この替刃カートリッジ３の下
側に対し着脱可能に嵌込まれる支持台４とからなり、支
持台４の下側中央部にはアーム５が下方へ延設されてい
る。支持台４付近においてアーム５には替刃カートリッ
ジ３の刃体２の刃先延設方向と平行な中心を有する回動
中心孔６が形成されているとともに、このアーム５の下
端部には回動中心孔６の中心と平行な軸心を有する係合
軸部７が突設されている。

ホルダ８の上端部には二叉状の支持板部９が形成され、
この両支持板部９には前記アーム５の係合軸部７の軸心
と平行な軸心を有する回動中心軸10が同一軸心上で相対
向して突設されている。この両支持板部９間には前述ア
ーム５が挿嵌され、アーム５の回動中心孔６に両支持板
部９の回動中心軸10が挿入されて、剃刀ヘッド１が刃体
２の刃先延設方向を含む平面に対し直交する平面上でホ
ルダ８に対し回動可能に支持されている。

スライダ11は操作部12と係合部13とからなり、係合部13
は前記ホルダ８の両支持板部９間にできるスライド溝14
を通してホルダ８内に挿入されているとともに、操作部
12はこのスライド溝14の外側に露出している。スライダ
11はこのスライド溝14に沿って剃刀ヘッド１に対し接近
離間する上下方向へ移動可能であって、スライド溝14の
一側には係止凹部15a,15b,15cがスライダ11の移動方向
に沿って並設されているとともに、スライダ11の係合部
13にはこの係止凹部15a,15b,15cのうちいずれかのもの
に係入される弾性係止部16が形成されている。

特に、アーム５の回動中心孔６及び支持板部９の回動中
心軸10よりも下方においてスライダ11の係合部13には細
長い係合孔17が形成され、前記アーム５の係合軸部７が
この係合孔17に係入されている。

さて、第3,4図に示すようにスライダ11が最も下側の位
置にあってその弾性係止部16が下側の係止凹部15cに係
入されている状態では剃刀ヘッド１が若干下向きになっ
ている。

この状態から第5,6図に示すようにスライダ11を最も上
側に移動させて弾性係止部16を上側の係止凹部15aに係
入させると、スライダ11の係合部13の係合孔17及びアー
ム５の係合軸部７を介してアーム５が剃刀ヘッド１とと
もに回動し、剃刀ヘッド１が若干上向きになる。

このようにスライダ11を移動させることにより剃刀ヘッ
ド１を一定範囲角度回動させてホルダ８に対する剃刀ヘ
ッド１の傾きを変えることができる。

特に本実施例においては、剃刀ヘッド１の支持台４の下
側から延びるアーム５において支持台４に近い位置には
ホルダ８の両支持板部９の回動中心軸10が回動可能に挿
入される回動中心孔６を設けるとともに、同アーム５に
おいてこの回動中心孔６よりも支持台４から離れた位置
にはスライダ11の係合部13の係合孔17に対し係入される
係合軸部７を設けているので、従来技術の場合と比較し
て、支持台４と回動中心孔６との間の間隔を小さくで
き、ひいてはアーム５の係合軸部７に隣接してスライダ
11を支持台４に対し近い位置でホルダ８に支持すること
ができる。従って、支持台４付近でホルダ８の両支持板
部９を指により把持してホルダ８を手の平に当てがうよ
うに持った時、ホルダ８を持ち替えることなくその指で
スライダ11を操作することができ、大変使い易くなる。

考案の効果 本考案によれば、従来技術の場合と比較して、剃刀ヘッ
ド１とアーム５の回動中心部６との間の間隔を小さくで
き、ひいてはアーム５の係合部７に隣接してスライダ11
を剃刀ヘッド１に対し近い位置でホルダ８に対し支持す
ることができるので、スライダ11の移動操作が行い易く
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例に係るＴ型剃刀を示す組立側面図、第
２図は同じく分解斜視図、第３図は第１図の部分側断面
図、第４図は第１図の一部切欠背面図、第５図はスライ
ダを移動させて剃刀ヘッドの傾斜角度を変えた状態を示
す第３図相当図、第６図は同じく第４図相当図である。 １…剃刀ヘッド、２…刃体、５…アーム、６…回動中心
孔（回動中心部）、７…係合軸部（係合部）、８…ホル
ダ、10…回動中心軸（回動中心部）、11…スライダ、12
…操作部、14…スライド溝、15a,15b,15c…係止凹部、1
6…弾性係止部、17…係合孔（係合部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ホルダ（８）とその上端部に取付けた剃刀
   ヘッド（１）とからなり、この剃刀ヘッド（１）に設け
   た刃体（２）の刃先延設方向をホルダ（１）の延設方向
   に対し交差させたＴ型剃刀において、 剃刀ヘッド（１）の下側から延びるアーム（５）をホル
   ダ（８）の上端部に対し回動可能に支持し、剃刀ヘッド
   （１）に対するこの回動中心部（6,10）の位置よりも剃
   刀ヘッド（１）から離れた位置で、アーム（５）とこの
   アーム（５）に隣接してホルダ（８）に対し移動可能に
   支持したスライダ（11）とには、同スライダ（11）を移
   動操作した時アーム（５）を介して剃刀ヘッド（１）を
   回動させるように互いに係合する係合部（7,17）を設け
   るとともに、スライダ（11）をホルダ（８）に対し保持
   する位置決め部（15a,15b,15c,16）を設けたことを特徴
   とするＴ型剃刀における剃刀ヘッドの取付構造。