JPH0637335A - 埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード - Google Patents

埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード

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JPH0637335A
JPH0637335A JP21075192A JP21075192A JPH0637335A JP H0637335 A JPH0637335 A JP H0637335A JP 21075192 A JP21075192 A JP 21075192A JP 21075192 A JP21075192 A JP 21075192A JP H0637335 A JPH0637335 A JP H0637335A
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尚茂 玉蟲
Kimihiro Muraoka
公裕 村岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は逆回復電荷量が少なく逆回復時間の
短い高速・低損失、しかも高耐圧な埋込み構造もしくは
切込み構造を有する静電誘導ダイオードを提供すること
を目的とする。 【構成】 本発明は、特に高抵抗層内にキャリアのライ
フタイム分布を持たせアノード領域,カソード領域近傍
はライフタイムを長く設定して静電誘導効果を顕著に働
かせるとともにアノード領域,カソード領域から離隔す
るに従ってライフタイム分布を徐々に短く設定するかU
字もしくはV字形状に設定する特徴を有し、アノード領
域,カソード領域の一方もしくは両方の領域に静電誘導
効果を利用した埋込み構造もしくは切込み構造の静電誘
導短絡構造を設定し、高速化・低損失化,高耐圧化を達
成できる埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘
導ダイオードとしての構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用半導体素子とし
て、ダイオードに関し、特に高抵抗層内にキャリアのラ
イフタイム分布を持たせアノード領域,カソード領域近
傍はライフタイムを長く設定して静電誘導効果を顕著に
働かせるとともにアノード領域,カソード領域から離隔
するに従ってライフタイムを徐々に短く設定するかU字
もしくはV字形状に設定する特徴を有し、アノード領
域,カソード領域の一方もしくは両方の領域に静電誘導
効果を利用した埋込み構造もしくは切込み構造を設定
し、構造上大容量(大電流,高耐圧)化が容易で、かつ
高速化・低損失化を達成できる埋込み構造もしくは切込
み構造を有する静電誘導ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来高速ダイオードとしては、村岡、井
口、堀田、清水により開示された「高速ダイオード」特
許第1607804号、村岡により開示された「高速ダ
イオード」特許第1607805号等がある。上記ダイ
オードの構造においてはカソード側をN+ + + +
……構造とすることによって、カソード側に短絡構造を
設け、逆回復時における少数キャリアの蓄積を抑制し、
かつオン電圧を低減化する工夫が施されている。
【0003】一方、静電誘導効果を利用する構造をアノ
ード側もしくはカソード側或いは両方の側において設定
する静電誘導ダイオードについては、乾田、西澤、玉蟲
により「pn接合ダイオード」特開平1−91475号
公報において開示されている。
【0004】しかるに、高耐圧の静電誘導ダイオードに
おいては高抵抗層領域を比較的厚く形成する必要があ
る。更に高電界が高抵抗層に印加される方が高速動作に
向くため、高抵抗層領域は、i層に近い方がよい。一
方、このような高電界が印加される高耐圧ダイオードに
おいては、アノード領域及びカソード領域内にも電界が
侵入するため、アノード領域及びカソード領域を比較的
厚く形成する必要が生ずる。更に、このような高電界の
侵入を緩和するためアノード領域,カソード領域にはp
- 層,n- 層を介在させて、電界緩和層を形成する必要
が生ずる。
【0005】更に、静電誘導ダイオード構造において
は、少数キャリアを引き抜くためのn+ アノード短絡領
域及びp+ カソード短絡領域の前面には実質的にp+
ノード領域及びn+ カソード領域でそれぞれ挟まれたチ
ャネル領域が形成され、しかもこのチャネル領域内の電
位障壁によってそれぞれの短絡領域は充分に電気的にシ
ールドされている必要がある。しかしながら、高耐圧化
を指向し、強電界がアノード側,カソード側に侵入しや
すい構造においては、これらのダイオードの電位障壁の
低下を招き、リーク電流の増大、高耐圧化に対する抑制
効果を生ずるもととなる。
【0006】更に、高耐圧でしかも大電流のダイオード
に対しては、これらの高耐圧化のための問題点の克服の
みならず、オン状態における電流を均一化する構造的工
夫が必要となる。
【0007】更に、逆回復時の電荷量を低減化するとと
もに、アノード及びカソード側から深さ方向に広い領域
に高速に空乏層を広げ、アノード,カソードから電荷を
吸収するとともに、短絡領域からの少数キャリアの吸収
効果を高め、アノード側近傍,カソード側近傍の少数キ
ャリアを広く吸収できる構造が望ましい。
【0008】更に、高耐圧化に伴なう高抵抗層の厚さの
増大によって高抵抗層の厚さ方向の深い領域における残
留キャリアによる逆回復時間の増大を抑制する必要が生
ずる。
【0009】従来の静電誘導ダイオードにおいては、高
耐圧化のための具体的構造が開示されていなかった。ま
たアノード領域,カソード領域において静電誘導効果を
充分に発揮させるためのライフタイム分布について、特
にアノードからカソード方向の縦方向についてのライフ
タイム分布について、何ら提案されていなかった。更に
また、高耐圧化に伴なう静電誘導障壁の低下を防止する
ための電界緩和層を設定する等の工夫も配慮されていな
かった。また、アノート領域もしくはカソード領域の一
方、もしくは両方の領域においてそれぞれ設定する静電
誘導短絡領域に対して広い領域から少数キャリアを取り
込むための構造的工夫についても何ら提案されていなか
った。更にまた、カソード領域において積極的に静電誘
導効果をもたらすための構造的工夫とその理由について
も配慮されていなかった。
【0010】更にまた、従来プレーナ構造を有する静電
誘導ダイオードについては乾田,西澤,玉蟲による「p
n接合ダイオード」特開平1−91475号公報や、或
いは玉蟲,村岡による「プレーナ構造を有する静電誘導
ダイオード」特願平4−号に開示されているが、アノー
ド領域,カソード領域を比較的厚く形成し、高抵抗層に
は強電界を印加でき、より高耐圧化を指向するととも
に、広い面積に比較的均一に電流を流せる埋込み構造も
しくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードについて
は何ら開示されていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアノー
ド領域,カソード領域の一方もしくは両方の領域に静電
誘導効果を利用した構造を設定し、しかも高抵抗層内に
ライフタイム分布を設定し、高耐圧化に向いた埋込み構
造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードを提
供することを目的とする。
【0012】本発明の更に別の目的の一つは、高耐圧,
大電流,逆回復電荷量が少なく逆回復時間の短い高速,
低損失の埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘
導ダイオードを提供することにある。
【0013】本発明の更に別の目的の一つは、高耐圧に
伴なう強電界を緩和する領域を介在させた埋込み構造も
しくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードを提供す
ることを目的とする。
【0014】更に、本発明の目的の一つは、強電界に伴
なう静電誘導障壁高さの低下を抑制し高耐圧化に向いた
埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオ
ードを提供することを目的とする。
【0015】更に、本発明の目的の一つは、アノード,
カソードの一方、もしくは両方に設定する静電誘導短絡
領域を従来の静電誘導ダイオード構造と比べ比較的広い
領域に形成し、少数キャリアの吸収の効果を高めた埋込
み構造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード
を提供することを目的とする。
【0016】更に本発明の目的の一つは、高耐圧化を指
向してアノード領域,カソード領域を比較的厚く形成す
るとともに、短絡領域に対するシールド効果を高めたこ
とを特徴とする埋込み構造もしくは切込み構造を有する
静電誘導ダイオードを提供することを目的とする。
【0017】更に本発明の目的の一つは、アノード領
域,カソード領域を比較的厚く形成するとともに、高抵
抗層に対して比較的強電界を印加できるp−i(n-
- )−n構造を有し、更にアノード領域,カソード領
域内に設けた埋込み層に対してT字形状の拡散領域もし
くは切込まれた溝内に金属層を充鎭する構造を形成し
て、少数キャリアのシャッター効果を高め、これらのp
+ アノード領域に挟まれるn+ 短絡領域、或いは、n+
カソード領域に挟まれるp+ 短絡領域に対して、少数キ
ャリアの取込み効率を高めたことを特徴とする埋込み構
造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードを提
供することを目的とする。
【0018】更に本発明の目的の一つは、アノード領域
よりはむしろカソード領域に埋込み構造の静電誘導効果
を効果的に引き起こす構造を積極的に導入することによ
って、カソード領域のp+ 静電誘導短絡領域に対する正
孔の取り込み効率を高め、n+ カソード領域から広がる
空乏層によって正孔のシャッター効果を高めた、逆回復
時間の短縮された、埋込み構造もしくは切込み構造の静
電誘導ダイオードを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の構造的特徴は高
耐圧化静電誘導ダイオードとしての構造上、高抵抗層中
にライフタイムの分布を持たせ、かつアノード領域,カ
ソード領域を比較的厚く形成し、かつ電界緩和領域を介
在させるとともに、アノード領域,カソード領域内に埋
込み層を形成し、短絡領域から広い領域の少数キャリア
を吸収し、かつ静電誘導効果が生ずる構造にある。
【0020】従って、本発明の構成は以下に示す通りで
ある。即ち、本発明は、アノード領域と、カソード領域
と、アノード領域とカソード領域に挟まれた高抵抗層領
域と、及びアノード領域,カソード領域にそれぞれ接触
するアノード電極,カソード電極を具備するダイオード
において、アノード領域,カソード領域の一方もしくは
両方の領域に静電誘導効果を利用した埋込み構造もしく
は切込み構造を設定し、
【0021】前記高抵抗層領域は、その領域内におい
て、少数キャリアのライフタイム分布に前記アノード領
域から前記カソード領域に向かう前記高抵抗層の厚さ方
向において場所的に変化するライフタイム分布を具備
し、
【0022】ともに、アノード領域及びカソード領域近
傍においてライフタイムが長く、ア1ード領域及びカソ
ード領域から高抵抗層領域内の厚さ方向に離隔するに従
ってライフタイムが徐々に短くなり、高抵抗層領域のほ
ぼ中央部付近においてともに最小となるライフタイム分
布を具備することを特徴とする埋込み構造もしくは切込
み構造を有する静電誘導ダイオードとしての構成を有す
る。
【0023】或いはまた、アノード領域,カソード領域
の一方もしくは両方の領域に静電誘導効果を利用した埋
込み構造もしくは切込み構造を設定し、
【0024】前記アノード電極及びカソード電極間に印
加する逆バイアス電圧の印加時において、それぞれアノ
ード領域及びカソード領域から前記比較的ライフタイム
の長い高抵抗層内に広がる最大空乏層幅をWA ,WK
し、前記高抵抗層領域の中性領域の厚さをWi とする
と、Wi の幅を有する高抵抗層領域に最小のライフタイ
ムτO が分布することを特徴とする埋込み構造もしくは
切込み構造を有する静電誘導ダイオードとしての構成を
有する。
【0025】或いはまた、前記アノード領域もしくはカ
ソード領域の少なくとも一方の領域内には該領域の導電
型と反対導電型の静電誘導短絡領域を具備することを特
徴とする埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘
導ダイオードとしての構成を有する。
【0026】或いはまた、前記アノード領域は、高不純
物密度のp+ 領域とn+ 短絡領域を含み、前記p+ 領域
から広がる空乏層によって前記n+ 短絡領域は電気的に
シールドされるとともに、前記n+ 短絡領域前面の前記
+ 領域で挟まれたチャネル領域には充分に高い電位障
壁が形成されることを特徴とする埋込み構造もしくは切
込み構造を有する静電誘導ダイオードとしての構成を有
する。
【0027】或いはまた、前記カソード領域は高不純物
密度のn+ 領域とp+ 短絡領域を含み、前記n+ 領域か
ら広がる空乏層によって、前記p+ 短絡領域は電気的に
シールドされるとともに、前記p+ 短絡領域前面の前記
+ 領域で挟まれたチャネル領域には充分に高い電位障
壁が形成されることを特徴とする埋込み構造もしくは切
込み構造を有する静電誘導ダイオードとしての構成を有
する。
【0028】或いはまた、前記アノード領域は所定の厚
さのWp の実質的に空乏化されたp- 層中に形成され、
前記p- 層中に所定のピッチで埋込まれたp+ 層と、ア
ノード電極に接するn+ 短絡層を具備し、
【0029】前記所定のピッチで埋込まれたp+ 層は互
いにp- 層中に広がる空乏層によって静電容量的に結合
され、実質的に空乏化されたp- 層中において実質的に
アノード電極とほぼ同電位になされるかもしくは埋込ま
れたp+ 層に対して切込まれた溝内に充鎭された金属層
を介してアノード電極と接触して同電位になされ、高抵
抗層に対向して実質的なアノード領域として働くことを
特徴とする埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電
誘導ダイオードとしての構成を有する。
【0030】或いはまた、前記カソード領域は所定の厚
さのWn の実質的に空乏化されたn- 層中に形成され、
前記n- 層中に所定のピッチで埋込まれたn+ 層と、カ
ソード電極に接するp+ 短絡層を具備し、
【0031】前記所定のピッチで埋込まれたn+ 層は互
いにn- 層中に広がる空乏層によって静電容量的に結合
され、実質的に空乏化されたn- 層中において実質的に
カソード電極とほぼ同電位になされるかはもしくは埋込
まれたn+ 層に対して切込まれた溝内に充鎭された金属
層を介してカソード電極と接触して同電位になされ、高
抵抗層に対向して実質的なカソード領域として働くこと
を特徴とする埋込み構造もしくは切込み構造を有する静
電誘導ダイオードとしての構成を有する。
【0032】或いはまた、前記所定のピッチで埋込まれ
たp+ 層と高抵抗層との間には電界緩和領域となる所定
の厚さのp- 層を具備することを特徴とする埋込み構造
もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードとして
の構造を有する。
【0033】或いはまた、前記所定のピッチで埋込まれ
たn- 層と高抵抗層との間には電界緩和領域となる所定
の厚さのn- 層を具備することを特徴とする埋込み構造
もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオードとして
の構成を有する。
【0034】或いはまた、前記アノード電極に接して更
にp+ 層を具備することを特徴とする埋込み構造もしく
は切込み構造を有する静電誘導ダイオードとしての構成
を有する。
【0035】或いはまた、前記カソード電極に接して更
にn+ 層を具備することを特徴とする埋込み構造もしく
は切込み構造を有する静電誘導ダイオードとしての構成
を有する。
【0036】或いはまた、前記所定のピッチにて埋込ま
れたp+ 層はその中央部の領域においてp+ アノード領
域と短絡し、前記p+ アノード領域とp+ 埋込み層はp
+ 拡散層もしくは切込まれた溝内に充鎭された金属層に
よってT字形状の領域を形成するとともに、該T字形状
に挟まれたn- もしくはp- 層からなる高抵抗領域は実
質的に空乏化され、前記所定のピッチにて埋込まれたp
+ 層間の部分において幅が狭く形成されるとともに、前
記p+ アノード領域間において相対的に幅が広く形成さ
れ、前記p+ アノード領域間にはn+ 短絡層が形成され
ることを特徴とする埋込み構造もしくは切込み構造を有
する静電誘導ダイオードとしての構成を有する。
【0037】或いはまた、前記所定のピッチにて埋込ま
れたn+ 層はその中央部の領域においてn+ カソード領
域と短絡し、前記n+ カソード領域とn+ 埋込み層はn
+ 拡散層もしくは切込まれた溝内に充鎭された金属層に
よってT字形状の領域を形成するとともに、該T字形状
に挟まれたn- もしくはp- 層からなる高抵抗領域は実
質的に空乏化され、前記所定のピッチにて埋込まれたn
+ 層間の部分において幅が狭く形成されるとともに、前
記n+ カソード領域間において相対的に幅が広く形成さ
れ、前記n+ カソード領域間にはp+ 短絡層が形成され
ることを特徴とする埋込み構造を有する静電誘導ダイオ
ードとしての構成を有する。
【0038】
【作用】本発明による埋込み構造もしくは切込み構造を
有する静電誘導ダイオードの動作を図1乃至図8を用い
て説明する。
【0039】図1は(p+ ,p,p- )i(n+ ,n,
- )ダイオードの模式的構造図とその縦方向のi層内
における少数キャリアのライフタイム分布を表わした図
である。図中〜は8種類のライフタイム分布を示し
ている。(p+ ,p,p- )或いは(n+ ,n,n-
層として表わされた領域はそれぞれアノード領域,カソ
ード領域を表わしており、特に後述の図9乃至図28に
示す実施例を含めて種々な形状にて形成される埋込み構
造もしくは切込み構造の静電誘導ダイオードのアノード
領域,カソード領域を代表的に示している。Aはアノー
ド側,Kはカソード側であることを示す。Wp ,Wn
それぞれアノード領域,カソード領域の厚さである。L
A ,LK はi層の中央点(0)からアノード領域,カソ
ード領域までの寸法を表わしている。WA ,WK はそれ
ぞれ逆回復動作時においてアノード領域1,カソード領
域2から高抵抗(i)層内に広がる空乏層の幅の最大値
を示している。特に高耐圧のダイオードにおいては高抵
抗(i)層の厚さを厚く設定することから、高抵抗層内
に中性領域が残ることがあるであろう。この幅をWi
している。実際の動作状態においていかなる電圧がアノ
ード,カソード間に印加されるか及びi層の厚さと不純
物密度,(p+ ,p,p- )領域の形状と不純物密度,
(n+ ,n,n- )領域の形状と不純物密度によってW
A ,WK の値は変動し、Wi が非常に薄くなる場合もあ
り、或いはまた、Wi <0,即ち、WA ,WK がほぼ両
側から重なり合った状態となることもあるであろう。図
1の例ではWi >0の場合に対応しているがWi <0の
場合についてもライフタイム分布〜を同様に考える
ことができる。
【0040】図1において、τA はアノード側近傍のi
層内における少数キャリアのライフタイム分布を示し、
τK はカソード側近傍のi層内における少数キャリアの
ライフタイム分布を示している。τA は実際上はi層で
あることから、正孔のライフタイムτp ,電子のライフ
タイムτn の分布を同程度に表わしている。但し、(p
+ ,p,p- )層内においては、τA =τn であって、
静電誘導ダイオードのアノード側における静電誘導短絡
層(n)に吸収されるべき電子のライフタイム分布に対
応している。
【0041】同様にτA はi層内においては、正孔のラ
イフタイムτp 、電子のライフタイムτn の分布を同程
度に表わしており、(n+ ,n,n- )層内において
は、τK =τp であって、静電誘導ダイオードのカソー
ド側における静電誘導短絡層(p)に吸収されるべき正
孔のライフタイム分布に対応している。
【0042】本発明においては、アノード側,カソード
側近傍のライフタイムを長く設定し、これらの領域から
離れるに従って、徐々にライフタイム分布を短く設定す
ることを1つの特徴としている。これらのライフタイム
分布を(p+ ,p,p- )i(n+ ,n,n- )構造の
静電誘導ダイオードにおいて、形成する例が〜であ
る。
【0043】の例はWi 層内(Wi >0,Wi <0を
含む。Wi ≒0の場合は、非常に薄い層に対応)に所定
の幅で、徐々にτA からτO に減少し、或いはまたτK
からτO に減少するU字型或いは放物型或いはV字型等
のライフタイム分布を示している。ここでτO は最小の
ライフタイムである。
【0044】はこれらのライフタイムの分布が溝型の
例である。即ち、矩型状にτA τOτK の分布を有する
例である。
【0045】の分布例は、WA の端からWK の端に致
るi層の幅Wi の幅にライフタイム分布をU字型或いは
放物型形状に有する例である。
【0046】の分布例は、Wi の幅のみτO の分布を
有する溝型の例である。即ち、矩型状にτA τ
O (Wi )τK の分布を有する例である。
【0047】の分布例は、WA の内部から徐々にライ
フタイムτA が減少し、中心点(0)近傍において最小
のライフタイムτO となり、同様にWK の内部から徐々
にライフタイムτK が減少し、中心点(0)近傍におい
て最小のライフタイムτO となる分布を有する例であ
る。
【0048】の分布例は、WA の内部のある点から矩
型状にτA τO に分布し、同様にWK の内部のある点か
ら矩型状にτK τO に分布する例であってτA τO τK
の溝型上の分布を有する例である。
【0049】の分布例は、Wp の端(アノード側i層
の端)からWn の端(カソード側i層の端)までの間を
τA τO τK の範囲に放物型或いはU字型或いはV字型
にライフタイム分布を有する例である。
【0050】の分布例は、i層の内部のみτO に分布
し、アノード領域,カソード領域はそれぞれτA ,τK
に分布する例である。
【0051】上記〜の分布例に限らず、複数の溝を
有する例,τp ,τn にそれぞれ別々の分布を持たせる
例等も考えられるが、要は、本発明においては、アノー
ド領域近傍,カソード領域近傍はライフタイムを長く設
定し、i層内を相対的にライフタイムを短く設定するこ
とを1つの特徴としている。
【0052】図2は(p+ ,p,p- )n- (n+
n,n- )静電誘導ダイオードの模式的構造図とn-
内における少数キャリアのライフタイム分布を表わした
図である。Wp ,Wn ,Wi ,WA ,WK はそれぞれア
ノード領域の厚さ,カソード領域の厚さ,n- 層の中性
領域の厚さ,アノード側空乏層の最大幅,カソード側空
乏層の最大幅である。図1におけるi層に比べ図2にお
いてはn- 層となったことから、図1においてWA ≒W
K であったものが、図2においてはWA >WK となり、
i が結果的に厚くなっている。LA ,LK はn- 層の
中心点(0)からアノード領域,カソード領域までの距
離である。(p+ ,p,p- )領域1,(n+ ,n,n
- )領域2はそれぞれ静電誘導ダイオードのアノード領
域,カソード領域であることを示している。
【0053】図2の構造においてもライフタイム分布を
〜の如く考えることができる。ライフタイム分布の
最小値τO が得られる点(場所)はn- 層の中心点
(0)に限られることなく、,,,のU字溝,
V字溝,或いは放物型分布においてはWi の中心近傍、
即ち中心点(0)からカソード側に移動していもよい。
何故ならば、逆回復時において、アノード側,カソード
側から引き抜かれずに残留するキャリア分布が最も高い
のはn- 層の中心点(0)Wi 層の中心点近傍に移向す
るからである。〜のライフタイム分布の特徴につい
ては図1と同様である。
【0054】但し、図2においては、図1の例と相異し
てτA は主としてアノード側n- 層近傍における正孔の
ライフタイム分布,(p+ ,p,p- )領域内において
は静電誘導短絡領域(n)に吸収されるべき電子のライ
フタイム分布を表わし、τKは主としてカソード側n-
層近傍における電子及び正孔のライフタイム分布を同程
度に表わし、(n+ ,n,n- )領域内においては静電
誘導短絡領域(p)に吸収されるべき正孔のライフタイ
ム分布を表わしている。
【0055】図3は(p+ ,p,p- )p- (n+
n,n- )静電誘導ダイオードの模式的構造図とp-
内における少数キャリアのライフタイム分布を表わした
図である。Wi はp- 層の中性領域の厚さである。高抵
抗層がp- 層となったことからWA <WK であり、カソ
ード側からの空乏層の広がり幅WK の方がアノード側か
らの空乏層の広がり幅WK よりも大きい。〜はそれ
ぞれ8種類のライフタイム分布を表わしている。これら
の特徴は図1,2と同様である。但し、,,,
のU字,V字,或いは放物型分布においては、ライフタ
イム分布の最小となる点(場所)はp- 層の中心点
(0)より、アノード側に移動していることが望まし
い。これは、逆回復時において、Wi の幅のp- 層内に
分布する残留キャリア分布が最も高い場所はWi の中央
近傍だからである。図3においては、図1,2の例と相
違して、τA はアノード側p- 層近傍における電子及び
正孔のライフタイム分布を同程度に表わし、(p+
p,p- )領域内においては静電誘導短絡領域(n)に
吸収されるべき電子のライフタイム分布を表わしてい
る。τKは主としてカソード側p- 層近傍における電子
のライフタイム分布,(n+ ,n,n- )領域において
は静電誘導短絡領域(p)に吸収されるべき正孔のライ
フタイム分布を表わしている。
【0056】図4は本発明の埋込み構造を有する静電誘
導ダイオードの原理的な動作を説明する図てあって、ア
ノード領域近傍を示している。図4において3はpアノ
ード領域、4はn+ 静電誘導短絡領域、5は高抵抗層
(i)、30はp+ 埋込み層、31はp- 高抵抗層であ
り実質的にオフ状態では空乏化された層であり、10は
アノード電極である。図4においてオン状態におけるア
ノード側近傍の正孔(hole)の動きを白丸(○)の矢印の
向きで示し、電子の動きを黒丸(●)の矢印の向きで示
している。また、図中には順方向電流IF の逆回復特性
が模式的に示されているが(a)は従来のpinダイオ
ード、(b)は静電誘導ダイオードに対応している。図
4のオン状態のキャリアの動きは、IF 特性上の黒丸の
点に対応しており、p+ アノード領域3からの正孔電流
と、高抵抗層(i)5側からの電子電流の静電誘導短絡
領域(n+ )4への流入の様子が示されている。オン状
態においてはpアノード領域3とp+ 埋込み層30は実
質的に同電位であって、アノード電極からpアノード領
域3、p- 高抵抗層31、p+ 埋込み層30を介して高
抵抗層(i)5中に正孔が注入され続けている。同時に
高抵抗層(i)5側から電子が主としてp+ 埋込み層
(30)で挟まれたp- 高抵抗層(p- チャネル領域)
を通ってn+ 静電誘導短絡領域4に注入され続けてい
る。p+ 埋込み層30の役割は高耐圧ダイオードにおい
て、逆回復時にアノード側近傍領域に印加される強電界
をブロック(阻止)することである。オフ状態において
はp+ 埋込み層30で挟まれたp- 高抵抗層(31)は
実質的に空乏化されるためn+ 静電誘導短絡領域4は空
乏層でシールドされ、高い電位障壁で取囲まれる。逆回
復時に印加される強電界は、p+ 埋込み層30とp+
込み層30によって挟まれたp- 高抵抗層中の高い電位
障壁とによってブロックされるため、n+ 静電誘導短絡
領域4と高抵抗層(i)5との間が導通状態となること
はない。このように、埋込み層30を配置することによ
って、先に開示した「プレーナ構造を有する静電誘導ダ
イオード」特願平4− 号に比べて更に高耐圧
化に向いた構造となっている。特に埋込み層(p+ )3
0とpアノード領域3との間に実質的に空乏化されてい
て、ほぼ同電位となっいるため、アノード電極10に印
加される電圧は、即p+ 埋込み層30に印加される。従
って、アノード電極10に逆バイアス電圧が印加される
と、即座にp+ 埋込み層30に逆バイアス電圧が印加さ
れ、p- 高抵抗層31の中の電位障壁高さが増加し、シ
ャッター効果が高まることになる。従って、n+ 静電誘
導短絡領域4にはシールドされた領域内の電子が吸収さ
れ、p+ 埋込み層には正孔が吸収されることになる。逆
回復電荷量を少なくし、逆回復時間を短縮化するために
は、n+ 静電誘導短絡領域4に吸収される電子の量を多
くすることにある。そのためには、n+ 静電誘導短絡領
域4になるべく広い領域の電子を取り込むことである。
また、n+ 短絡層4とp+ 埋込み領域30との間の実質
的に空乏化されたp- 層(31)を比較的厚く設定して
もよい。
【0057】図5は図4における埋込み構造を有する静
電誘導ダイオードがオン状態からオフ状態に移向する逆
回復時においてIF =0となる時のアノード側近傍のキ
ャリアの動きを模式的に示す図である。即ち、高抵抗
(i)層5内に広がる空乏層幅WA 内の正孔(hole)及び
A の端から拡散距離Lp 内の正孔はp+ 埋込み領域3
0に吸収される。
【0058】一方、電子の取り込み領域内及びこの端か
ら電子の拡散距離Ln 内の電子は、n+ 静電誘導短絡領
域4内に吸収される。電子の取り込み領域とはn
+ (4)p- (31)p+ (30)間の拡散電位によっ
て広がる空乏層の厚さに等しく、p- 層(31)と一部
pアノード領域(3)及びp+ 埋込み層(30)内に広
がっている。この電子の取り込み領域内の電子が主とし
て静電誘導短絡領域4に吸収される。従って、逆回復時
には、WA はなるべく広い範囲に及んで正孔をp+ 埋込
み層(30)に吸収する構造がよく、また電子の取り込
み領域の幅もなるべく広範囲に及ぶ方がよい。
【0059】従って、アノード領域の近傍Wp +WA
AOの範囲のライフタイムτp ,τA を広く設定するこ
とが望ましい。また、i層(5)のより深い領域のライ
フタイムは短く設定することが望ましい。
【0060】更に、電子の取り込み領域の幅をより広く
設定し、かつp+ 埋込み層30に直接p+ 拡散層によっ
てアノード電極10と接触するT字形状を有する構造例
が図6である。
【0061】即ち、図6は図5の構造に比べてn+ 静電
誘導短絡領域4を広い領域に形成している点及びアノー
ド電極10とp+ 埋込み層30を空乏層を介することな
く直接接触している点に特徴を有する。図6はオン状態
に対応し、図7はオン状態からオフ状態へ移向するIF
=0の点に対応する図である。n+ 領域4とp+ アノー
ド領域(30,32)は電気的に短絡されることから、
+ 領域4とp+ アノード領域(30,32)との間に
逆バイアス電圧等が印加されることはない。従って、p
+ 領域(30,32),n+ 領域4間の逆方向リーク電
流等が特性に悪影響を及ぼすことはない。何故ならば、
短絡モードで動作しているからである。従って、p+
域(30,32)に印加される逆電圧によってなるべく
広範囲のWA 内の正孔を取り込み、かつn+ 静電誘導短
絡領域4を広く形成して電子の取り込み領域の幅を図5
に比べて広く形成したものが図6の構造ということにな
る。明らかに電子の取り込み量が多くなることから、逆
回復電荷量も小さくなる。図6中の(c)が図6に対応
し、(b)は図5の場合、(a)は従来のpinダイオ
ードに対応することを模式的に示している。
【0062】図8は切込み構造を有する静電誘導ダイオ
ードのアノード側近傍における逆回復時IF =0の点に
おける正孔(○)及び電子(●)の動きを模式的に表わ
す図である。図8においてp- 高抵抗層31は実質的に
空乏化され、p+ 埋込み層30は切込まれた溝に充鎭さ
れた金属層33を介してアノード電極10に接続されて
いる。34は絶縁層である。
【0063】図6,7の例では埋込み層30に対して拡
散層32を介してアノード電極10と接続しており、ま
た図5の例では空乏化されたp- 層31を介してアノー
ド電極10と実質的に接続していた。これに対して図8
の例では切込み層中に充鎭された金属層33を介してア
ノード電極10と接触している点が異なる。
【0064】図8中に模式的に示された逆回復特性上、
(d)が図8の例、(a)が従来のpinダイオードの
例である。
【0065】このような埋込み構造,切込み構造による
拡張された静電誘導効果をアノード側のみならずカソー
ド側にも実現することができることはもちろんである。
更に高耐圧化のための工夫のために、電界緩和層を設定
することもできる。また図1乃至図3に示したようにラ
イフタイム分布を組み合わせることによって、静電誘導
効果を高め、かつ高耐圧化に向き、逆回復特性に優れ高
速なダイオードを実現することができる。
【0066】以下、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0067】
【実施例】(実施例1)図9は本発明の第1の実施例と
しての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模式的
断面構造図を示す。図9においてアノード領域,カソー
ド領域はいずれも埋込み構造を有している。幅Wp のア
ノード領域はp- 高抵抗層31,p+ 埋込み層30,p
アノード領域3を含み、更にn+ 静電誘導短絡層4を具
備している。同様に幅Wn のカソード領域はn- 高抵抗
層61,n+ 埋込み層60,nカソード領域6及びp+
静電誘導短絡領域7を含んでいる。アノード領域(3,
30,31)からの注入正孔は主としてカソード側の静
電誘導短絡領域(p+ )7に吸収され、一方カソード領
域(6,60,61)からの注入電子は主としてアノー
ド側の静電誘導短絡領域(n+ )4に吸収される。n+
短絡領域4はpアノード領域3,p- 高抵抗層31,p
+ 埋込み層30で挟まれ、かつp+ (30)p- (3
1)間に広がる空乏層によって取り囲まれていて、n+
領域(4)の前面には電子に対する静電誘導効果で動作
するポテンシャル障壁が形成されている。同様にp+
絡領域7はnカソード領域6,n- 高抵抗層61,n+
埋込み層60で挟まれ、かつn+ (60)n- (61)
間に広がる空乏層によって取り囲まれていて、p+ 領域
(7)の前面には正孔に対する静電誘導効果で動作する
ポテンシャル障壁が形成されている。
【0068】上記の静電誘導効果で動作するポテンシャ
ル障壁の高さは、特に高耐圧,高電界で動作する静電誘
導ダイオードの場合、充分に高く設定することが望まし
い。高抵抗層31,61はオフ状態において、実質的に
空乏化されていればよく、反対の導電型,n- ,p-
して形成されていてもよい。充分高い障壁高さを得るた
めには、p+ 埋込み層30及びn+ 埋込み層60を比較
的深い位置に形成する、p+ 埋込み層30間の間隔を狭
める、n+ 埋込み層60間の間隔を狭める、p+ 埋込み
層30を厚く形成する、n+ 埋込み層60をを厚く形成
する等の工夫を行なってもよい。
【0069】更にまた、p+ 埋込み層30とi層5間の
- 層31或いは、n+ 埋込み層60とi層5間のn-
層61は電界緩和層としての役割も果している。即ち、
逆回復時における強電界がこれらの領域において緩和さ
れる。
【0070】図9においては、p+ 埋込み層30に対向
する位置にp+ 短絡層7を設定し、n+ 埋込み層60に
対向する位置にn+ 短絡層4を設定してオン状態におけ
る電子電流,正孔電流の流れの均一化を図ってもよい
が、i層が厚い場合には、必ずしも正確に対向している
必要はない。
【0071】図9に示した本発明の第1の実施例の特徴
は上記の構造上の特徴に加えて、高抵抗層(i)(5)
内にアノード・カソード間の縦方向においてライフタイ
ム分布を設定した点である。即ち、図1に原理的に例示
した〜のライフタイム分布を例えば図9において設
定することができる。アノード領域近傍,カソード領域
近傍のライフタイムτA ,τK は長く設定し、高抵抗層
(i)(5)内のライフタイム分布を相対的にライフタ
イムが短くなるように設定することによって、アノード
領域,カソード領域近傍の静電誘導効果を高めることが
でき、かつ高抵抗層(i)(5)内の残留キャリアは短
く設定されたライフタイムによって比較的短時間に消滅
させることができる。これによって逆回復電荷量が小さ
く、逆回復時間の短いダイオードが実現でき、しかも高
耐圧化も容易となる。
【0072】図9において、Wp ,Wn ,WA ,Wi
K ,LA ,LK はいずれも図1に対応した寸法であ
る。WAO,WKOは熱平衡状態におけるアノード側,カソ
ード側の空乏層の広がりに対応している。τA はアノー
ド側i層(5)近傍の正孔,電子のライフタイム分布を
同程度に表わし、Wp 内にあっては電子のライフタイム
分布τn に等しいものと考えることができる。同様にτ
K はカソード側i層(5)近傍の正孔,電子のライフタ
イム分布を同程度に表わし、Wn 内にあっては正孔のラ
イフタイム分布τp に等しいものと考えることができ
る。
【0073】(実施例2)図10は本発明の第2の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図を示す。図10の構造的特徴は高抵抗層
がi層の代わりにn- 層(8)となされている点であ
る。その他の領域、即ち、pアノード領域3,p+ 埋込
み層30,p- 高抵抗層31,n+ 短絡層4,nカソー
ド領域6,n+ 埋込み層60,n- 高抵抗層,p+ 短絡
層7の形成はいずれも図7に示した第1の実施例と同様
である。n+ 短絡層(4)及びp+ 短絡層(7)の前面
には充分に高い静電誘導効果によって動作しうる電位障
壁高さが形成されるとよい。
【0074】図10の構造上高抵抗層(n- )(8)内
にはアノード・カソード間において縦方向にライフタイ
ム分布が設定されている。この場合、高抵抗層がn-
(8)であることから、図2の原理図に示すような
τA ,τK のライフタイム分布を形成することができ
る。即ち、図2に示したライフタイム分布と同様に例え
ば〜のライフタイム分布を図8の構造において形成
することができる。図8において、Wp ,Wn ,WA
i ,WK ,LA ,LK はいずれも図2に対応した寸法
である。図2と同様に、WA >WK であって、,,
,のライフタイム分布では、Wi 内にライフタイム
の最小値τO が存在することが残留キャリアを短時間に
消滅させるには望ましい。WAO,WKOは熱平衡状態にお
けるn- 層内に広がるアノード側空乏層幅と、カソード
側空乏層幅である。
【0075】図10においては図9の例と相違して、τ
A はアノード側n- 層8近傍の主として正孔のライフタ
イム分布を示し、Wp 内にあっては、n+ 短絡層4に吸
収されるべき電子のライフタイム分布を表わす。一方、
τK は主としてカソード側n- 層近傍における電子及び
正孔のライフタイム分布を同程度に表わし、Wn 層内に
あっては、p+ 短絡層7に吸収されるべき正孔のライフ
タイム分布を表わしている。
【0076】(実施例3)図11は本発明の第3の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図を示す。図11の構造的特徴は高抵抗層
がi層の代わりにp- 層(9)となされている点であ
る。pアノード領域3,p+ 埋込み層30,p- 高抵抗
層31,n+ 短絡層4,nカソード領域6,n+ 埋込み
層60,n-高抵抗層61,p+ 短絡層7は図9,図1
0の実施例1,2とほぼ同様に形成する。これによっ
て、p+ 短絡層7及びn+ 短絡層4の前面には充分な高
さの静電誘導ポテンシャル障壁を形成する。図11にお
いて、WA ,WK ,WAO,WKO,Wp ,Wn ,LA ,L
K 等の寸法はいずれも図3に対応した寸法である。
【0077】高抵抗層9がp- 層であることから、逆回
復時の最大空乏層幅WA ,WK を比較すると、図9,図
10の実施例1,2とは異なり、WA <WK となる傾向
がある。従って、アノード・カソード間のライフタイム
分布に関しては、最小のライフタイムがWi の幅の中に
存在することが望ましい。何故ならば、オン状態からオ
フ状態へ移向する動作において残留キャリアが最も多く
存在する領域がWi の幅の中にあるからである。
【0078】図11の実施例3においては、アノード・
カソード間のライフタイム分布を例えば図3に示した
〜の8種類の如く設定することができる。
【0079】図11においては、前の図9,10の実施
例1,2とは相違して、τA はアノード側p- 層近傍に
おける電子及び正孔のライフタイム分布を同程度に表わ
し、Wp 内においては静電誘導短絡領域(n+ )4に吸
収されるべき電子のライフタイム分布を表わしている。
τK は主としてカソード側p- 層近傍における電子のラ
イフタイム分布、Wn 領域内においては静電誘導短絡領
域(p)に吸収されるべき正孔のライフタイム分布を表
わしている。
【0080】(実施例4)図12は本発明の第4の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図を示す。図12の構造的特徴はp+ 埋込
み層30,n+ 埋込み層60に接してそれぞれp- 層3
4,n- 層64を積極的に設定して電界緩和層としてい
る点である。図12は(p+ ,n+ ,p,p- )i(n
+ ,p+ ,n,n- )ダイオード構造と考えることがで
き、Wp の幅内にはp- 高抵抗層(31,34)中に形
成されたpアノード領域3,p+ 埋込み層30,n+
絡層4を有し、Wn の幅内にはn- 高抵抗層(61,6
4)中に形成されたnカソード領域6,n+ 埋込み層6
0,p+ 短絡層7を有している。これらのp- 層(3
1,34),n- 層(61,64)をそれぞれ実質的な
アノード層,カソード層と考えることもできる。これら
の両層(p- ,n- )に挟まれたi層(5)中に逆回復
時に広がる最大空乏層幅をWA ,WK とすると、図12
の例ではWA ≒WK である。i層(5)の中心点(0)
からアノード側p- 層(31,34)までの寸法を
A ,カソード側n- 層(61,64)までの寸法をL
K とする。Wp,Wn 内のp- 層(31,34)及びn
- 層(61,64)は点線で示される如く、熱平衡状態
においてそれぞれWAO,WKOの空乏層幅をもって実質的
に空乏化されている。従って、n+ 短絡層4の前面には
+ 埋込み層30で挟まれた充分な高さの静電誘導ポテ
ンシャル障壁が形成されている。同様に、p+ 短絡層7
の前面にはn+ 埋込み層60で挟まれた充分な高さの静
電誘導ポテンシャル障壁が形成されている。
【0081】p- 層34及びn- 層64の役割は埋込み
構造の静電誘導ダイオードのp+ 埋込み層30とn+
込み層60のi層5との間の強電界を緩和することにあ
る。これらのp- 層34及びn- 層64をそれぞれp+
埋込み層30及びn+ 埋込み層60に接して配置するこ
とによって、逆バイアス時に高抵抗層(i)(5)内に
広がる台形状の強電界がp+ 埋込み層30及びn+ 埋込
み層60に侵入し、p- 層31及びn- 層61中の静電
誘導ポテンシャル障壁の高さを低下させることを防止す
ることができる。
【0082】従って、図12に示した実施例4の構造
は、図9,10,11に示した実施例1,2,3の構造
に比べて、より高耐圧の静電誘導ダイオードに向いた構
造である。
【0083】静電誘導ダイオードにおいては、短絡層
(4,7)の前面に静電誘導ポテンシャル障壁を有する
が、この電位障壁の高さは、上記の強電界の侵入ととも
に低下し、n+ 短絡層4及びp+ 短絡層7からの少数キ
ャリアの不要な注入を引き起こし、逆方向リーク電流の
増加を引き起こすことにもつながる。従って、その意味
でもn+ 短絡層4、p+ 短絡層7の前面には充分な高さ
の電位障壁が形成され、逆回復時に広がる空乏層の侵入
に伴なう電界の侵入に対し、ポテンシャル障壁高さの変
動のない構成が重要となる。従って、上記の意味でp-
層34,n- 層64の役割は重要である。
【0084】図12に示した実施例においても図1の原
理図に示した如く、アノード・カソード間にライフタイ
ム分布を設定し、残留キャリアの消滅を図っている。即
ち、図12において図1と同様に例えば〜の8種類
に例示したようなライフタイム分布を設定することがで
きる。特にWi の幅の中に最小のライフタイムτO が存
在するように設定することが望ましい。
【0085】(実施例5)図13は本発明の第5の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図である。図12に示した実施例4と異な
る点は高抵抗層8がn- 層として形成されている点であ
る。このため高抵抗層(8)内には実質的にp- 層34
からWA の最大幅で空乏層が広がっている。尚、p-
34,n-層64の領域も実質的に空乏化されているた
め、p+ 埋込み層30からの空乏層の広がり幅はほぼ、
AO+WA ,n+ 埋込み層60からの空乏層の広がり幅
はWKOと考えることができる。従って、明らかにWAO
A >WKOであるため、アノード・カソード間のライフ
タイム分布の最小値τO は図13に示したWi の幅の中
に存在することが望ましい。アノード側の各領域(3
0,31,34,3,4)及びカソード側の各領域(6
0,61,64,6,7)の形成においては、図12に
示した実施例4と同様に形成する。アノード・カソード
間のライフタイム分布は例えば図2の原理図に示した
〜の8種類を用いることがきる。
【0086】(実施例6)図14は本発明の第6の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図である。実施例4,5の構造と同様の構
造を有するが、高抵抗層9がp- 層として形成されてい
る点が異なる。アノード・カソード間のライフタイム分
布としては図3に原理図を示したようなライフタイム分
布を例えば用いることができる。最小のライフタイムτ
O は図14において、幅Wi の内部に存在することが望
ましい。
【0087】(実施例7)図15は本発明の第7の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図である。図15は(p+ ,p- ,n+
i(n+ ,n- ,p+ )ダイオード構造を有すると考え
ることができ、p- 層(31,34),n- 層(61,
64)は実質的なアノード領域,カソード領域と考える
ことができる。p- 層34はp+ 埋込み層30の形状に
沿って波形の形状を有する。同様にn- 層64はn+
込み層60の形状に沿って波形の形状を有する。電界緩
和層として働くp- 層34,n- 層64がこのような波
形形状を有するため、n+ 静電誘導短絡層4の前面のp
- チャネルの長さ(p- 層31の厚さに相当)及びp+
静電誘導短絡層7の前面のn- チャネルの長さ(n-
61の厚さに相当)はp- 層34,n- 層64が平坦な
形状を有する図12乃至図14に示した実施例4乃至実
施例6と比較して、実質的なチャネル長が短い。従っ
て、実質的なチャネルの抵抗が低減化される分だけオン
状態における抵抗分が低減化され、順方向電位降下が低
くなる。
【0088】図15に示した実施例7においてもアノー
ド・カソード間にライフタイム分布τA ,τK を設定す
ることによって、残留キャリアの消滅を促進させて、逆
回復時の電荷量及び逆回復時間を短縮化することができ
る。例えば、既に示したように、図1のようなライフタ
イム〜を設定することができる。最小のライフタイ
ムτO はWi の幅の中に設定されることが望ましい。
【0089】(実施例8)図16は本発明の第8の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図である。(p+ ,n+ ,p- )n- (n
+ ,p+ ,n- )ダイオードと考えることができ、アノ
ード側の各領域(3,4,30,31,34)は図15
と同様に形成され、カソード側の各領域(6,7,6
0,61,64)も図15と同様に形成されている。逆
回復時の最大の空乏層幅は,WA +WAO>WKOであるか
ら、図16のWi の幅の中に最小のライフタイムτO
存在することが望ましい。アノード・カソード間のライ
フタイム分布τA ,τK としては例えば図2に示した
〜のライフタイム分布を設定することができる。
【0090】(実施例9)図17は本発明の第9の実施
例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオードの模
式的断面構造図である。(p+ ,n+ ,p- )p- (n
+ ,p+ ,n- )ダイオードと考えることができ、アノ
ード側の各領域(3,4,30,31,34)及びカソ
ード側の各領域(6,7,60,61,64)はそれぞ
れ図15,図16の実施例7,8と同様に形成されてい
る。逆回復時の最大の空乏層幅はWAO<WK +WKOであ
ることから、図17のWi の幅の中に最小のライフタイ
ムτO が存在することが望ましい。アノード・カソード
間のライフタイム分布としては例えば図3に示した〜
のライフタイム分布を設定することができる。
【0091】(実施例10)図18は本発明の第10の
実施例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオード
の模式的断面構造図を示す。図18の特徴は図6,図7
に図示した拡張された静電誘導短絡領域(16,17)
をアノード側及びカソード側に設定し、それぞれ電子の
取込み領域,正孔の取込み領域を広く設定した点とp+
埋込み層30及びn+ 埋込み層60に対して、それぞれ
+ 拡散層32,n+ 拡散層62を用いて直接アノード
電極10及びカソード電極11にコンタクトを取った点
である。このように静電誘導短絡領域(16,17)を
幅広く形成することによって、より多くの少数キャリア
を主電極側に吸収することができるため、逆回復時の電
荷量を低減化でき、逆回復時間を短縮化することができ
る。図18に示した実施例10では電界緩和層として働
くp- 層34及びn- 層64はいずれも平坦な形状を有
しているが、図15乃至図17に示すように波形形状と
して形成してもよいことはもちろんである。
【0092】図18の実施例10では、アノード・カソ
ード間のライフタイム分布としては図1に原理図を示し
たような〜のライフタイム分布を例えば用いること
ができる。最大空乏層幅の広がりは、WA +WAO≒WK
+WKOであることから、Wi内に最小のライフタイムτ
O を有することが望ましい。
【0093】上記のようなライフタイム分布τA ,τK
を設定することによって、残留キャリアの消滅を促進さ
せて、拡張された静電誘導短絡層(16,17)の効果
に対して、更に逆回復時の電荷量及び逆回復時間を短縮
化することができる。
【0094】(実施例11)図19は本発明の第11の
実施例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオード
の模式的断面構造図である。図18の実施例10と異な
る点は高抵抗層8をn- 層として形成した点である。逆
回復時の最大空乏層幅はWAO+WA >WKOであることか
ら、図19のWi の幅の中に最小のライフタイムτO
存在するようなライフタイム分布をアノード・カソード
間に設定することが望ましい。即ち、例えば図2に原理
図を示した〜のライフタイム分布τA ,τK を図1
9の実施例11においても用いることができる。このよ
うなライフタイム分布を設定することによって、拡張さ
れた静電誘導短絡層(16,17)の効果とともに逆回
復電荷量及び逆回復時間を短縮化することができる。
【0095】(実施例12)図20は本発明の第12の
実施例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイオード
の模式的断面構造図である。図18,図19の実施例1
0,実施例11と異なる点は高抵抗層9をp- 層として
形成した点である。実施例11と同様に、図20のWi
の幅の中に最小のライフタイムτO が存在するようなラ
イフタイム分布をアノード・カソード間に設定すること
が望ましく、また、図3に原理図を示した〜のライ
フタイム分布τA ,τK を例えば図20の実施例12に
おいても用いることができる。このようなライフタイム
分布の設定と、拡張された静電誘導短絡層(16,1
7)の効果によって、逆回復電荷量及び逆回復時間を短
縮化することができる。
【0096】(実施例13,14,15)図21,図2
2及び図23はそれぞれ本発明の第13,第14及び第
15の実施例としての埋込み構造を有する静電誘導ダイ
オードの模式的断面構造図である。図21乃至図23の
構造上の差は高抵抗層をそれぞれi層5,n- 層8,p
-層9として形成している点である。アノード側の形
状,カソード側の形状はいずれも共通である。即ち、ア
ノード領域p(1)は中程度の不純物密度として形成す
る。これはp(1)i(5)接合における拡散電位をあ
まり高く設定しないためである。この拡散電位を高く設
定すると順方向電圧降下が増大して結果的に望ましくな
いからである。一方、カソード側は、n- 電界緩和層6
4及びn- 高抵抗層61中にn+ 埋込み層60、n+
ソード領域6及びp+ 層からなる静電誘導短絡領域7を
有している。n- 電界緩和層64及びn- 高抵抗層61
中はほぼ実質的に空乏化されていて、p+ 短絡層7の前
面のn+ 埋込み層60で挟まれたn- 高抵抗層61中に
は充分な高さの静電誘導ポテンシャル障壁が形成されて
いる。
【0097】図21乃至図23の実施例13乃至実施例
15の構造例においても、アノード・カソード間にライ
フタイム分布τA ,τK を設定し、残留キャリアの消滅
を促進している。このようなライフタイム分布の例とし
ては図1乃至図3に示した〜のライフタイム分布τ
A ,τK を用いることができる。図21の例ではWA
AO≒WK +WKO,図22の例ではWA +WAO>WKO
図23の例ではWAO<WK +WKOであるが、いずれの例
においてでもそれぞれのWi の幅の中に最小のライフタ
イムτO が存在することが望ましい。
【0098】図21乃至図23に示した実施例13乃至
実施例15は構造が比較的簡単であることから製造が容
易である。
【0099】一般にpinダイオードでは逆回復時の逆
方向電界によって生ずる空乏層幅の広がる速度を考えた
場合、アノード近傍の空乏層の広がる速度dWA /dt
に比較して、カソード近傍の空乏層の広がる速度dWK
/dtの方が速い。これはi層内からアノード領域に正
孔を吸収する速度とカソード領域に電子を吸収する速度
の差であり、物理的には電子及び正孔の移動度の差に起
因している。従って、比較的構造が簡単なダイオードの
場合には、アノード側よりはむしろ、カソード側に静電
誘導短絡構造を積極的に導入するとともに、カソード側
から比較的深い空乏層幅WK が広がりやすい構造が望ま
しい。即ち、図21もしくは図23に示す実施例13も
しくは15に相当する形状が望ましいことになる。この
ようなカソード側にのみ静電誘導短絡構造を設定するダ
イオードの場合には、カソード領域は前述の如く比較的
中低濃度で、しかも浅く形成することが望ましいが、電
界の侵入に対してパンチスルー防止のため所定の厚さと
所定の不純物密度を設定する必要がある。このような意
味からも図23の実施例15の構造はアノード側pp -
接合におけるオン電圧の上昇を抑制しつつ、逆回復時に
広がる空乏層をWK+WKO>WAOとしてカソード側に多
く広げる構造となっている。
【0100】(実施例16)図24は本発明の第16の
実施例としての切込み構造を有する静電誘導ダイオード
の模式的断面構造図である。高抵抗層5をi層として形
成し、アノード側、カソード側に平坦な電界緩和層34
及び64を設けている。p+ 埋込み層30はp- 高抵抗
層31及びp- 電界緩和層34中に埋込まれており、一
方、n+ 埋込み層60はn- 高抵抗層61及びn- 電界
緩和層64中に埋込まれている。これらの埋込み層(3
0,60)に対しては、それぞれアノード側主表面及び
カソード側主表面より切込まれた溝内に絶縁層70を介
して充鎭されたポリシリコン,金属シリサイド及びこれ
らの多層膜等からなる金属層33及び63によって、そ
れぞれアノード電極10及びカソード電極11と直接的
にコンタクトがとられている。従って、p+ 埋込み層3
0及びn+ 埋込み層60に対しては直接的にアノード電
極10及びカソード電極11と電気的コンタクトが取ら
れていることから、これらの埋込み層の電位はアノード
電極,カソード電極の電位と等しい。従って、これらの
埋込み層(30,60)が実質的なアノード領域,カソ
ード領域と考えることができる。p- 高抵抗層31及び
- 高抵抗層61はそれぞれp+ (30)p- (31)
間の拡散電位及びn+ (60)n- (61)間の拡散電
位によって実質的に空乏化されている。更に、高抵抗層
(31,61)中に静電誘導短絡層(4,7)がそれぞ
れ形成されている。上記構造においてi層の代わりにn
- 層,p- 層を用いてもよいことはもちろんである。
【0101】図24に示した実施例16においてもアノ
ード・カソード間において例えば図1に原理図を示した
ような〜のライフタイム分布τA ,τK を設定する
ことによって残留キャリアの消滅を促進し、逆回復時の
電荷量及び逆回復時間を短縮化することができる。更に
また、図24の構造例では、アノード側,カソード側の
両方に切込み構造を設定したことにより、少数キャリア
のシャッター効果を高めることができ、静電誘導短絡領
域4,7を通しての主電極への少数キャリアの吸収の効
果が高い。
【0102】(実施例17)図25は本発明の第17の
実施例としての切込み構造を有する静電誘導ダイオード
の模式的断面構造図である。図24に示した実施例16
との大きな構造的差異は、切込み構造における溝の幅を
狭く形成して実質的にp- 高抵抗層31及びn- 高抵抗
層61の幅(従って体積)を大きく成形し、これに伴な
ってn+ 静電誘導短絡領域16,p+ 静電誘導短絡領域
17の幅を広く形成した点にある。即ち、拡張された静
電誘導短絡構造によって、実質的な少数キャリアの取り
込み領域を広くした点にある。動作原理については図8
において説明した通りである。金属層33及び63はポ
リシリコン,金属シリサイド、及びこれらの多層膜等に
よって、絶縁層70を介して形成することができる。
尚、図25の構造においてi層の代わりにn- 層,p-
層を用いてもよい。またアノード・カソード間のライフ
タイム分布τA ,τK についても図1乃至図3に示した
〜ライフタイム分布を採用することができる。
【0103】(実施例18)図26は本発明の第18の
実施例としての切込み構造を有する静電誘導ダイオード
の模式的断面構造図である。図24に示した実施例16
との大きな差異はp+ 埋込み層30及びn+ 埋込み層6
0に対してそれぞれ金属シリサイド層35及び65によ
って切り込まれた溝の底部においてコンタクトを取り、
これらの金属シリサイド層35,65上を側壁部の絶縁
層70とともにノンドープのポリシリコン、もしくはS
IPOS等で被膜した構造を有する点にある。金属シリ
サイド層35及び65はそれぞれアノード電極10及び
カソード電極11と周辺部でもしくは所定の間隔ピッチ
で設けられたコンタクトホールを介して接触している
(この部分は図示されていない。)。i層(5)の代わ
りにn- 層,p- 層を用いてもよいことはもちろんであ
る。またアノード・カソード間のライフタイム分布につ
いても図1乃至図3の〜の例を同様に用いることも
できる。
【0104】本発明の構成は上記実施例1乃至実施例1
8に限られるものではなく、様々な構造上の拡張,変更
が可能である。またタイフタイム分布についても図1乃
至図3に示した〜の分布に限られることはなく、様
々な分布を考えることができる。このようなライフタイ
ム分布の実現方法としては、例えば多段に照射量,ドー
ズ量を変えて、プロトン照射を行なう方法、或いは、複
数のライフタイム制御の方法を組み合わせる方法,或い
はライフタイム分布を最小としたい領域において結晶を
はり合わせてライフタイム制御と組み合わせて形成する
方法等の方法がある。
【0105】上記のアノード領域3,カソード領域6,
+ 埋め込み層30,n+ 埋込み層60,n+ 短絡層
(4,16),p+ 短絡層(7,17)等の形成ピッチ
はキャリアの拡散長Ln ,Lp の寸法以下であることが
望ましく、微細な寸法として例えば〜1μm程度にすれ
ば、更に特性は良好となる。高抵抗層(i,p-
-)の厚さは所望の耐圧と動作電圧を考慮して決定さ
れる。電界緩和層(34,64)の厚さも耐圧と動作電
圧,電界により決定される。
【0106】本発明の実施例1〜18においては高抵抗
層31及び61は静電誘導短絡領域(4,16),
(7,17)と反対導電型として形成する例を示したが
これに限るものではなく、同一導電型として形成しても
よい。この場合には埋込み層30,60によって充分な
高さの静電誘導障壁高さが形成される必要があることは
もちろんである。
【0107】本発明の実施例1〜18の構造はいずれも
微細に形成すればするほど、オン状態において電流を均
一に流すことができ大電流化の容易な構造である。特に
平坦な電界緩和層(34,64)を設ける構造では比較
的電流は均一である。
【0108】
【発明の効果】本発明による埋め込み構造もしくは切込
み構造を有する静電誘導ダイオードにおいては埋込み形
状を有することから高耐圧化が容易である。
【0109】また、アノード側,カソード側に静電誘導
短絡領域を設定して少数キャリアを主電極に吸収するた
め、逆回復電荷量,逆回復時間を短縮できる。
【0110】また、アノード側,カソード側に電界緩和
層を設けたことによって高電界の侵入を防止し、高耐圧
化に向いたダイオードが実現できる。
【0111】更にまた、本発明による埋込み構造もしく
は切込み構造を有する静電誘導ダイオードにおいては、
アノード側近傍,カソード側近傍は比較的ライフタイム
を長く設定して静電誘導効果が有効に働きやすい構成と
し、アノード側,カソード側から深い位置はライフタイ
ムを比較的短く設定して残留キャリアの消滅を促進する
構成を採用していることから、静電誘導短絡の効果に加
えて、逆回復電荷量が少なく、逆回復時間の短い高耐圧
ダイオードを実現することができる。
【0112】更にまた、拡張された静電誘導短絡構造に
よって上記効果を更に高めることができる。
【0113】更にまた、本発明による埋め込み構造もし
くは切込み構造を有する静電誘導ダイオードにおいて
は、埋め込み形状を有することから少数キャリアのシャ
ッター効果を高めることができ、比較的広い範囲の少数
キャリアを静電誘導短絡領域に吸収することができる。
特に切込み構造においては、埋込み層に電極が取られて
いることから、更に少数キャリアのシャッター効果が向
上し、また応答速度も速いため高速化ダイオードを実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による埋込み構造もしくは切込み構造を
有する静電誘導ダイオードとして(p+ ,p,p -
i(n+ ,n,n- )ダイオードにおけるライフタイム
分布τA ,τK を説明する原理図
【図2】本発明による埋込み構造もしくは切込み構造を
有する静電誘導ダイオードとして(p+ ,p,p- )n
- (n+ ,n,n- )ダイオードにおけるライフタイム
分布τA ,τK を説明する原理図
【図3】本発明による埋込み構造もしくは切込み構造を
有する静電誘導ダイオードとして(p+ ,p,p- )p
- (n+ ,n,n- )ダイオードにおけるライフタイム
分布τA ,τK を説明する原理図
【図4】本発明の埋込み構造を有する静電誘導ダイオー
ドの原理的な動作を説明する図であって、オン状態にお
けるアノード側近傍のキャリアの動きを示す図
【図5】本発明の埋込み構造を有する静電誘導ダイオー
ドの原理的な動作を説明する図であって、オン状態から
オフ状態に移向する逆回復時においてIF =0となる時
のアノード側近傍のキャリアの動きを示す図
【図6】拡張された静電誘導短絡構造を有する埋込み構
造を有する静電誘導ダイオードの原理的な動作を説明す
る図であって、オン状態におけるアノード側近傍のキャ
リアの動きを示す図
【図7】拡張された静電誘導短絡構造を有する埋込み構
造を有する静電誘導ダイオードの原理的な動作を説明す
る図であって、オン状態からオフ状態に移向する逆回復
時においてIF =0となる時のアノード側近傍のキャリ
アの動きを示す図
【図8】本発明の切込み構造を有する静電誘導ダイオー
ドの原理的な動作を説明する図であって、オン状態から
オフ状態に移向する逆回復時においてIF =0となる時
のアノード側近傍のキャリアの動きを示す図
【図9】本発明の第1の実施例としての埋込み構造を有
する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図10】本発明の第2の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図11】本発明の第3の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図12】本発明の第4の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図13】本発明の第5の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図14】本発明の第6の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図15】本発明の第7の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図16】本発明の第8の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図17】本発明の第9の実施例としての埋込み構造を
有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図18】本発明の第10の実施例としての埋込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図19】本発明の第11の実施例としての埋込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図20】本発明の第12の実施例としての埋込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図21】本発明の第13の実施例としての埋込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図22】本発明の第14の実施例としての埋込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図23】本発明の第15の実施例としての埋込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図24】本発明の第16の実施例としての切込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図25】本発明の第17の実施例としての切込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【図26】本発明の第18の実施例としての切込み構造
を有する静電誘導ダイオードの模式的断面構造図
【符号の説明】
1 アノード領域(p+ ,p,p- ) 2 カソード領域(n+ ,n,n- ) 3 アノード領域(p+ ,p) 4 n+ 静電誘導短絡領域 5 高抵抗層(i) 6 カソード領域(n+ ,n) 7 p+ 静電誘導短絡領域 8 高抵抗層(n- ) 9 高抵抗層(p- ) 10 アノード電極 11 カソード電極 16 拡張されたn+ 静電誘導短絡領域 17 拡張されたp+ 静電誘導短絡領域 30 p+ 埋込み層 31 p- 高抵抗層 32 p+ 拡散層 33,63 金属層 34 p- 電界緩和層 35,65 金属シリサイド層 60 n+ 埋込み層 61 n- 高抵抗層 62 n+ 拡散層 64 n- 電界緩和層 70 絶縁層 71 ノンドープポリシリコン或いはSIPOS

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アノード領域と、カソード領域と、アノー
    ド領域とカソード領域に挟まれた高抵抗層領域と、及び
    アノード領域,カソード領域にそれぞれ接触するアノー
    ド電極,カソード電極を具備するダイオードにおいて、 アノード領域,カソード領域の一方もしくは両方の領域
    に静電誘導効果を利用した埋込み構造もしくは切込み構
    造を設定し、 前記高抵抗層領域は、その領域内において、少数キャリ
    アのライフタイム分布に前記アノード領域から前記カソ
    ード領域に向かう前記高抵抗層の厚さ方向において場所
    的に変化するライフタイム分布を具備し、ともに、アノ
    ード領域及びカソード領域近傍においてライフタイムが
    長く、アノード領域及びカソード領域から高抵抗層領域
    内の厚さ方向に離隔するに従ってライフタイムが徐々に
    短くなり、高抵抗層領域のほぼ中央部付近においてとも
    に最小となるライフタイム分布を具備することを特徴と
    する埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダ
    イオード。
  2. 【請求項2】アノード領域,カソード領域の一方もしく
    は両方の領域に静電誘導効果を利用した埋込み構造もし
    くは切込み構造を設定し、 前記アノード電極及びカソード電極間に印加する逆バイ
    アス電圧の印加時においてそれぞれアノード領域及びカ
    ソード領域から前記比較的ライフタイムの長い高抵抗層
    内に広がる最大空乏層幅をWA ,WK とし、前記高抵抗
    層領域の中性領域の厚さをWi とすると、Wi の幅を有
    する高抵抗層領域に最小のライフタイムτO が分布する
    ことを特徴とする請求項1記載の埋込み構造もしくは切
    込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  3. 【請求項3】前記アノード領域もしくはカソード領域の
    少なくとも一方の領域内には該領域の導電型と反対導電
    型の静電誘導短絡領域を具備することを特徴とする請求
    項2記載の埋込み構造もしくは切込み構造を有する静電
    誘導ダイオード。
  4. 【請求項4】前記アノード領域は、高不純物密度のp+
    領域とn+ 短絡領域を含み、前記p+ 領域から広がる空
    乏層によって前記n+ 短絡領域は電気的にシールドされ
    るとともに、前記n+ 短絡領域前面の前記p+ 領域で挟
    まれたチャネル領域には充分に高い電位障壁が形成され
    ることを特徴とする請求項3記載の埋込み構造もしくは
    切込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  5. 【請求項5】前記カソード領域は高不純物密度のn+
    域とp+ 短絡領域を含み、前記n+領域から広がる空乏
    層によって前記p+ 短絡領域は電気的にシールドされる
    とともに、前記p+ 短絡領域前面の前記n+ 領域で挟ま
    れたチャネル領域には充分に高い電位障壁が形成される
    ことを特徴とする請求項3記載の埋込み構造もしくは切
    込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  6. 【請求項6】前記アノード領域は所定の厚さWp の実質
    的に空乏化されたp- 層中に形成され、前記p- 層中に
    所定のピッチで埋込まれたp+ 層と、アノード電極に接
    するn+ 短絡層を具備し、 前記所定のピッチで埋込まれたp+ 層は互いにp- 層中
    に広がる空乏層によって静電容量的に結合され、実質的
    に空乏化されたp- 層中において実質的にアノード電極
    とほぼ同電位になされるかもしくは埋込まれたp+ 層に
    対して切込まれた溝内に充鎭された金属層を介してアノ
    ード電極と接触して同電位になされ、高抵抗層に対向し
    て実質的なアノード領域として働くことを特徴とする請
    求項4記載の埋込み構造もしくは切込み構造を有する静
    電誘導ダイオード。
  7. 【請求項7】前記カソード領域は所定の厚さWn の実質
    的に空乏化されたn- 層中に形成され、前記n- 層中に
    所定のピッチで埋込まれたn+ 層と、カソード電極に接
    するp+ 短絡層を具備し、 前記所定のピッチで埋込まれたn+ 層は互いにn- 層中
    に広がる空乏層によって静電容量的に結合され、実質的
    に空乏化されたn- 層中において実質的にカソード電極
    とほぼ同電位になされるかもしくは埋込まれたn+ 層に
    対して切込まれた溝内に充鎭された金属層を介してカソ
    ード電極と接触して同電位になされ、高抵抗層に対向し
    て実質的なカソード領域として働くことを特徴とする請
    求項5記載の埋込み構造もしくは切込み構造を有する静
    電誘導ダイオード。
  8. 【請求項8】前記所定のピッチで埋込まれたp+ 層と高
    抵抗層との間には電界緩和領域となる所定の厚さのp-
    層を具備することを特徴とする請求項6記載の埋込み構
    造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  9. 【請求項9】前記所定のピッチで埋込まれたn+ 層と高
    抵抗層との間には電界緩和領域となる所定の厚さのn-
    層を具備することを特徴とする請求項7記載の埋込み構
    造もしくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  10. 【請求項10】前記アノード電極に接して更にp+ 層を
    具備することを特徴とする請求項6記載の埋込み構造も
    しくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  11. 【請求項11】前記カソード電極に接して更にn+ 層を
    具備することを特徴とする請求項7記載の埋込み構造も
    しくは切込み構造を有する静電誘導ダイオード。
  12. 【請求項12】前記所定のピッチにて埋込まれたp+
    はその中央部の領域においてP+ アノード領域と短絡
    し、前記p+ アノード領域とp+ 埋込み層はp+ 拡散層
    もしくは切込まれた溝内に充鎭された金属層によってT
    字形状の領域を形成するとともに、該T字形状に挟まれ
    たn- もしくはp- 層からなる高抵抗領域は実質的に空
    乏化され、前記所定のピッチにて埋込まれたp+ 層間の
    部分において幅が狭く形成されるとともに、前記p+
    ノード領域間において相対的に幅が広く形成され、前記
    + アノード領域間にはn+ 短絡層が形成されることを
    特徴とする請求項4記載の埋込み構造もしくは切込み構
    造を有する静電誘導ダイオード。
  13. 【請求項13】前記所定のピッチにて埋込まれたn+
    はその中央部の領域においてn+ カソード領域と短絡
    し、前記n+ カソード領域とn+ 埋込み層はn+ 拡散層
    もしくは切込まれた溝内に充鎭された金属層によってT
    字形状の領域を形成するとともに、該T字形状に挟まれ
    たn- もしくはp- 層からなる高抵抗領域は実質的に空
    乏化され、前記所定のピッチにて埋込まれたn+ 層間の
    部分において幅が狭く形成されるとともに、前記n+
    ソード領域間において相対的に幅が広く形成され、前記
    + カソード領域間にはp+ 短絡層が形成されることを
    特徴とする請求項4記載の埋込み構造もしくは切込み構
    造を有する静電誘導ダイオード。
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